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【発明の名称】 自動車の側面エアバッグ制御装置
【発明者】 【氏名】藤田 修

【氏名】古井 孝志

【要約】 【課題】従来の自動車の側面エアバッグ制御装置によれば、側面からの衝突が無いにも拘わらず運転中に制御系のマイクロコンピュータ22が暴走した場合、その出力により側面エアバッグ起動手段3を始動させるようなことが起こり、運転に支障を及ぼす危険性を生むという課題があった。

【解決手段】第1のスイッチ手段24,25および側面エアバッグ起動手段3に直列に接続された第2のスイッチ手段33を有し、第1のマイクロコンピュータ12から得られる判別信号に応答して第2のマイクロコンピュータ22を経ることなく第2のスイッチ手段33をオン制御できるようにした制御回路30を設けたことを特徴とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側面衝突時に乗員の側面部を保護するために自動車の側面部適所に設置された側面エアバッグを膨張させる側面エアバッグ起動手段と、自動車の側面部適所に設置され、側面衝突を検出する第1の加速度センサの検出出力を第1のマイクロコンピュータにより判別して判別信号を取り出す側面衝突検出装置と、自動車の中央部適所に設置され、前記判別信号と第2の加速度センサから得られる側面衝突時の検出出力とを第2のマイクロコンピュータにより判別し、この第2のマイクロコンピュータの判別制御出力を第1のスイッチ手段に与えることにより前記側面エアバッグ起動手段の動作電流をオン制御する中央制御装置とを備えた自動車の側面エアバッグ制御装置において、前記第1のスイッチ手段および前記側面エアバッグ起動手段に直列に接続された第2のスイッチ手段を有し、前記第1のマイクロコンピュータから得られる判別信号に応答して前記第2のマイクロコンピュータを経ることなく前記第2のスイッチ手段をオン制御できるようにした制御回路を設けたことを特徴とする自動車の側面エアバッグ制御装置。
【請求項2】 中央制御装置から側面衝突検出装置に与えられる動作電源供給路を、第1のマイクロコンピュータの判別信号を第2のスイッチ手段に伝送する制御回路の信号伝送路として兼用したことを特徴とする請求項1記載の自動車の側面エアバッグ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車に取り付けられ乗員を衝突の衝撃から安全に保護するエアバッグの制御系に関するものであり、特に側面エアバッグが正確に動作するように制御系の暴走から起こる誤動作の防止を図る自動車の側面エアバッグ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の自動車の側面エアバッグ制御装置の概略構成を示すブロック回路図である。図において、1は側面衝突検出装置で、乗用車の側面適所、例えば前部ドアと後部ドアとの間に位置して後部ドアを支持する支柱に取り付けられている。2は側面衝突検出装置1とは離れた自動車の中央部適所に設置された中央制御装置で、通称エレクトロニック・コントロール・ユニットなどと呼ばれている。3は運転者や同乗者のドア側の内側面を保護するために、例えば、前後ドア間の支柱や乗員シートの側面部や車両天井の側方部分などの適所に配置された側面エアバッグを膨張展開させる側面エアバッグ起動手段である。ここでは、説明の便宜上一つだけを例として示す。また図示していないが、側面衝突検出装置1および中央制御装置2はそれぞれプリント基板に組み立てられ、温度、湿度および不要な振動等を配慮してケースに収納されたユニットとして取り付けられている。
【0003】側面衝突検出装置1の中には、自動車の側面方向の衝撃を感知しアナログ検出出力を出す半導体加速度センサ11、その検出信号を入力し判別するマイクロコンピュータ12、マイクロコンピュータ12の始動アルゴリズムなどが記憶された記憶装置13、マイクロコンピュータ12の出力判別信号を取り出すインタフェース回路14、中央制御装置2側の電源回路26から電源供給路5,6を介して供給される電源を安定化してマイクロコンピュータ12に動作電源として与える電源回路15が設けられている。ここで、記憶装置13はマイクロコンピュータ12内のメモリで代用できるものであり、その場合には省略することができる。
【0004】他方、中央制御装置2には、自動車の中央部で側面方向の衝撃を感知してアナログ検出出力を出す半導体加速度センサ21、この半導体加速度センサ21の検出出力を入力するマイクロコンピュータ22、側面衝突検出装置1のインタフェース回路14の出力を信号伝送路4を介して受け取りマイクロコンピュータ22に与えるインタフェース回路23が設けられている。マイクロコンピュータ22の判別制御出力は二つあり、側面エアバッグ起動手段3を間に挟んで直列に接続された電界効果型トランジスタなどの半導体スイッチ24,25をオン制御すべく配置されている。27はマイクロコンピュータ22と側面エアバッグ起動手段3の動作用電源回路である。
【0005】次に動作について説明する。自動車の側面に衝撃が加わったとする。側面衝突検出装置1において、半導体加速度センサ11の検出出力が衝突時の予め定めた値を超える衝撃に対応していれば、マイクロコンピュータ12はこれを判別して側面エアバッグ起動手段3に電流を流すための判別信号を出力する。この判別信号はインタフェース回路14、信号伝送路4および中央制御装置2のインタフェース回路23を通してマイクロコンピュータ22に印加される。
【0006】この時、設置上の位置関係の違いから半導体加速度センサ11より若干遅れて反応する中央制御装置2側の半導体加速度センサ21の検出出力が危険を示す所定の値であれば、マイクロコンピュータ22は入力されたこの検出出力と側面検出装置からの判別信号を判別し半導体スイッチ24,25をオン制御する判別制御出力を出す。すると、電源回路27から半導体スイッチ24、側面エアバッグ起動手段3、半導体スイッチ25を通して電流が流れる。側面エアバッグ起動手段3が発熱し、それにより火薬が爆発して、側面エアバッグ(図示せず)を急膨張させる。
【0007】ここで、もしも半導体加速度センサ21の方が危険を示す検出出力を出していなかった場合、マイクロコンピュータ22の判別制御出力は半導体スイッチ24,25をオン制御する値とはならない。すなわち、側面衝突検出装置1からの判別信号が誤動作出力か、あるいは乗員を十分保護すべきほどの衝撃に至らないものであったことになる。
【0008】このように、従来の自動車の側面エアバッグ制御装置は、側面衝突の状態を検出し、エアバッグの始動動作を行うので、側面衝突時の衝撃に対しては問題なく動作することが理解できる。しかしながら、それは制御系が正常に動作している状態での保証の範囲であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車の側面エアバッグ制御装置は以上のように構成されているので、中央制御装置2のマイクロコンピュータ22内で異常が発生して暴走した場合、恰も側面からの衝突が起こったかのような判別制御出力を出すことが考えられる。このような事が起きると、マイクロコンピュータ22の制御出力が半導体スイッチ24,25をオン制御し、側面エアバッグ起動手段3に電流が流れ、側面エアバッグが誤って膨張してしまうという課題があった。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、制御系の暴走に起因する側面エアバッグの誤動作を防止できる自動車の側面エアバッグ制御装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】この発明に係る自動車の側面エアバッグ制御装置は、側面衝突時に乗員の側面部を保護するために自動車の側面部適所に設置された側面エアバッグを膨張展開させる側面エアバッグ起動手段と、自動車の側面部適所に設置され、側面衝突を検出する第1の加速度センサの検出出力を第1のマイクロコンピュータにより判別して判別信号を取り出す側面衝突検出装置と、自動車の中央部適所に設置され、前記判別信号と第2の加速度センサから得られる側面衝突時の検出出力とを第2のマイクロコンピュータにより判別し、この第2のマイクロコンピュータの判別制御出力を第1のスイッチ手段に与えることにより側面エアバッグ起動手段の動作電流をオン制御する中央制御装置とを備えた自動車の側面エアバッグ制御装置に適応されたもので、第1のスイッチ手段および側面エアバッグ起動手段に直列に接続された第2のスイッチ手段を有し、第1のマイクロコンピュータから得られる判別信号に応答して第2のマイクロコンピュータを経ることなく第2のスイッチ手段をオン制御できるようにした制御回路を設けたことを特徴とするものである。
【0012】この発明に係る自動車の側面エアバッグ制御装置は、中央制御装置から側面衝突検出装置に与えられる動作電源供給路を、第1のマイクロコンピュータの判別信号を第2のスイッチ手段に伝送する制御回路の信号伝送路として兼用したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による自動車の側面エアバッグ制御装置の概略構成を示すブロック回路図である。図1において、図3に示した従来技術と同じ構成部分は同一符号で示す。異なる部分は破線で囲まれた制御回路30であり、この回路の働きについて主として説明する。側面衝突検出装置1側のマイクロコンピュータ(第1のマイクロコンピュータ)12から得られる判別信号を電源供給路5に重畳すべくインタフェース回路31が接続されている。また、中央制御装置2側では、電源供給路5から伝送されてきた判別信号を取り出し半導体スイッチ(第2のスイッチ手段)33をオン制御するように接続されている。この半導体スイッチ33は半導体スイッチ(第1のスイッチ手段)24,25および側面エアバッグ起動手段3と直列に電源回路27に接続されている。
【0014】次に動作について説明する。衝突が起こっていない状態で中央制御装置2のマイクロコンピュータ(第2のマイクロコンピュータ)22が暴走した場合には、その判別制御出力が側面衝突を表す値となり、半導体スイッチ24,25をオン制御する。しかしこの時、制御回路30の半導体スイッチ33は、その入力の判別信号が衝突を表す値を示していないのでオフ状態を維持する。すなわち、電源回路27から側面エアバッグ起動手段3に動作電流が流れるのを阻止する。
【0015】実際に側面衝突が発生した場合には、マイクロコンピュータ22の出力は図3で説明したように半導体スイッチ24,25をオン制御するが、同時に制御回路30の半導体スイッチ33は、その入力判別信号が衝突状態を表しているからオン制御される。したがって、支障無く側面エアバッグ起動手段3には動作電流が流れる。
【0016】以上のように、この実施の形態1によれば、中央制御装置から側面衝突検出装置への動作電源供給路を通して判別信号を伝送しているため、配線上の線路の本数を増やすこと無く制御回路を構成できるという効果がある。
【0017】実施の形態2.図2は、この発明の実施の形態2による自動車の側面エアバッグ制御装置の回路図である。図2において、具体的な回路図を示すが、基本的な構成上で前述の図1と異なるところは、マイクロコンピュータ12の識別信号を伝送する信号伝送路50を電源供給路5と別にしている点だけである。したがって、図1の各部と対応する部分には同一符号をつけてある。動作については実施の形態1の説明と概略同一なので、ここでは省略する。以上のように、この実施の形態2によれば、中央制御装置のマイクロコンピュータが暴走したときに起こる側面エアバッグの誤動作を制御回路により防止できるという効果がある。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第2のマイクロコンピュータの判別制御出力で動作する第1のスイッチ手段および前記側面エアバッグに直列に第2のスイッチ手段を接続し、第1のマイクロコンピュータから得られる判別信号を第2のマイクロコンピュータを経ることなく第2のスイッチ手段をオン制御できるように与える制御回路を設けるように構成したので、中央制御装置の第2のマイクロコンピュータが暴走したときに起こる側面エアバッグの誤動作を防止する効果がある。
【0019】この発明によれば、中央制御装置から側面衝突検出装置に与えられる動作電源供給路を、第1のマイクロコンピュータの判別信号を第2のスイッチ手段に伝送する制御回路の信号伝送路として兼用するように構成したので、特に自動車の電気配線上要求される条件を満足すべく線路の本数を増やすこと無く簡潔な制御回路を構成できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年6月12日(2000.6.12)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開2001−354109(P2001−354109A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−175934(P2000−175934)