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【発明の名称】 エアバッグの配置構造
【発明者】 【氏名】パトリック デイヴィッド

【氏名】ヨッヘン マイデル

【要約】 【課題】車両のロールオーバー時に乗員の保護を十分果たすのみならず、コンバーチブル等の車種にも使用できるようなエアバッグを提供する。

【解決手段】エアバッグモジュール28が車両ドア14内に一体化され、膨張時にドアパラペット16の上方の保護位置を少なくともその領域として受け持つようにする。このエアバッグモジュール28に膨張したエアバッグ12の少なくともほぼ全長にわたって延在するエアバッグ12ための細長開口18を設け、膨張したエアバッグ12のエアバッグ袋状体24が、エアバッグ12が自立した状態で支持部22で突張り支持されるように、エアバッグ12内のガス圧によって、その寸法が開口18にほぼ近い車両ドア14および/またはエアバッグモジュール28の支持部22へ押圧されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】折り畳まれた状態でエアバッグモジュール(28)内に配置された、少なくともひとつの膨張可能なエアバッグ(12)を備える自動車用エアバッグの配置構造であって、エアバッグモジュール(28)は、車両ドア(14)内に一体化され膨張時にドアパラペット(16)の上方の保護位置を少なくともその領域として受け持ち、該エアバッグモジュール(28)は膨張したエアバッグ(12)の少なくともほぼ全長にわたって延在するエアバッグ(12)のための細長開口(18)を有し、膨張したエアバッグ(12)のエアバッグ袋状体(24)は、エアバッグ(12)が自立した状態で支持部(22)で突張り支持されるように、エアバッグ(12)内のガス圧によって、その寸法が開口(18)にほぼ近い車両ドア(14)および/またはエアバッグモジュール(28)の支持部(22)へ押圧されるようにしたことを特徴とするエアバッグの配置構造。
【請求項2】支持部(22)は、少なくとも十分に閉じられた外周輪郭を有し、好ましくはリング状であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項3】エアバッグ袋状体(24)は、十分な保護効果をもたらすガス圧が少なくとも数秒間、好ましくは約5秒以上にわたって膨張したエアバッグ(12)で保持されるように、気密に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項4】開口(18)は、膨張したエアバッグ(12)のほぼ全長にわたって延在することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項5】膨張したエアバッグ(12)は、ドアパラペット(16)の半分以上の長さにわたって、好ましくはほぼ全長にわたって延在することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項6】支持部(22)は、開口(18)に境界を接するエアバッグモジュール(28)の周縁部によって少なくとも部分的に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項7】支持部(22)は、ドアパラペット(16)の、特にはドアライニング(26)の、開口(19)に境界を接する周縁部によって少なくとも部分的に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項8】エアバッグ袋状体(24)は、エアバッグモジュール(28)に、特にはモジュールベース(29)の領域または開口(18)の領域に、堅固に取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項9】膨張したエアバッグ(12)は、もっぱら支持部(22)を介して、車両ドア(14)および/またはエアバッグモジュール(28)と連結されたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項10】エアバッグ(12)は、少なくともひとつの保護部(32)を有し、保護部(32)は膨張時にドアパラペット(16)によって画定された面の下側で少なくとも下方に向け延在し、好ましくは円柱状またはホース状をしていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項11】保護部(32)は、膨張時に車両ドア(14)の、特にドアライニング(26)の、内側に接した状態となることを特徴とする請求項10に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項12】保護部(32)は、脚部保護具として、特に膝保護具として設けられたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項13】エアバッグ(12)は、少なくともひとつの略U字状の縫合部(34)が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともひとつの膨張可能なエアバッグを有する自動車用のエアバッグの配置構造に関し、特に車両のドア内に一体化されたエアバッグモジュール内に折り畳まれた状態で配置され、エアバッグの膨張時に、少なくともドアパラペット上方において、その保護位置を受け持つようなエアバッグの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】この種のエアバッグの配置構造は、たとえばDE29517373U1から公知である。
【0003】本発明の目的は、冒頭の種類のエアバッグの配置構造であって、できるだけ簡単な構造で、各車両乗員の理想的な保護を確保でき、車両のロールオーバー時に十分な保護を提供できるのみならず、特にコンバーチブルやロードスターにも使用できるようなエアバッグの配置構造を創造することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的は本発明の特徴部分によって達成される。特に、エアバッグモジュールは、エアバッグのための少なくともひとつの細長開口を有し、該開口は膨張したエアバッグのほぼ全長にわたっており、膨張したエアバッグのエアバッグ袋状体は、膨張したエアバッグが自立状態で支持部において突張り支持されるように、その寸法が開口の寸法にほぼ近い、エアバッグ内のガス圧によって車両ドアおよび/またはエアバッグモジュールの支持部に押圧されるようにしたことを特徴とする。
【0005】開口部の寸法にほぼ近い寸法を有する支持部によるエアバッグの自立式の突張り支持または支持によって、膨張したエアバッグの適切な位置決めが確保される。本発明によれば他の助けなく、支持部への膨張したエアバッグの押圧によって支持が行える。エアバッグはそのほぼ全長にわたる支持部に据えられ、エアバッグは適切な保護位置に支持部によって堅固に保持される。この支持部における膨張したエアバッグを固定するのに、車両にそれ以外の面たとえばルーフフレームやBコラム等を必要としない。したがって、本発明によるエアバッグの配置構造は、コンバーチブルやロードスターにも適応可能である。本発明による突張り支持の結果として、さらに、エアバッグ用に別の支持構造も必要としない。
【0006】支持部に押圧するという本発明の突張り支持によって、膨張時に大きな面を有し、またそれにもかかわらず安定して位置決めされ、また車両ドアのほぼ全長に延在し、これにより各車両乗員の頭部の側方において大きな保護面にわたって有効な保護クッションを有するようなエアバッグを提供することができる。
【0007】支持部による突張り支持は、たとえ車両がロールオーバーした場合でも十分に理想的な保護効果を発揮するので、本発明によってロールオーバー時の保護が得られる。さらに、本発明によるエアバッグの配置構造のエアバッグは、このエアバッグの配置構造とは別の、または関連のある胸部用エアバッグにも問題なく適用できる。
【0008】本発明のさらなる利点として、エアバッグの突張り支持によって短い展開経路が可能になるので、エアバッグの展開が膨張の際に乗員に危害を加えることがない。
【0009】本発明の好ましい実施例によれば、支持部は少なくとも十分に閉じた外周輪郭を有する。
【0010】これによって、膨張したエアバッグは、エアバッグ袋状体の円周部分で、少なくとも十分に閉じた外周輪郭を有する支持部に押圧され、またこれによって支持部において特に適切な方法において自立状態で突張り支持される。
【0011】本発明のさらに好ましい実用的な実施例によれば、エアバッグ袋状体は、膨張したエアバッグに十分な保護効果をもたらすガス圧が少なくとも数秒間、好ましくは約5秒以上にわたって得られるように、気密に形成されることが提案されている。
【0012】これによって、エアバッグが十分に長い時間膨張状態を保持され、車両がロールオーバーを起こした場合においても乗員はエアバッグによって確実に保護される。
【0013】支持部は、開口と境界を接するエアバッグモジュールの周縁部によって、またはドアパラペットの、特にドアライニングの、開口と境界を接する周縁部によって形成される。また、支持部は両方の周縁部によって形成されてもよい。支持部は、少なくとも主に、開口と境界を接するエアバッグモジュールの周縁部によって形成されるのが好ましく、すなわち膨張したエアバッグは、主としてエアバッグモジュールにおいて突張り支持されることが好ましい。
【0014】本発明のさらに好ましい実施例において、開口は膨張したエアバッグのほぼ全長にわたって延在する。
【0015】これによって、そのほぼ全長が用いられることによる、膨張したエアバッグの特に安定した突張り支持がもたらされる。
【0016】さらに、膨張したエアバッグは、もっぱら支持部を介して、車両ドアおよび/またはエアバッグモジュールと連結していることが好ましい。
【0017】よって、車両ドアに、またはエアバッグジュールに、膨張したエアバッグをそれぞれ連結するための別の器具は必要ない。膨張したエアバッグが支持部に押圧されることによって得られる突張り支持は、エアバッグを安定した状態に位置決めするに十分である。
【0018】したがって、原理的には、少なくともドアパラペットの一部を形成するドアまたはドアライニングに直接エアバッグ袋状体を取り付けることが可能である。本発明の好ましい実施例において、エアバッグ袋状体は、車両ドアに、特にドアライニングに、一体化されたエアバッグモジュールに取り付けられてもよい。
【0019】この場合、エアバッグ袋状体は、たとえばモジュールベース部または開口部に堅固に取り付けられている。
【0020】本発明の別の実施の形態によれば、エアバッグは、少なくともひとつの保護部を有し、該保護部は膨張時ドアパラペットによって画定された面の下側で少なくとも下方に向いて延在する。この保護部は円柱状またはホース状に形成されてもよい。
【0021】この種の付加的保護部は、膨張時に、保護すべき車両乗員の脚部保護具として、特には膝保護具として機能するように位置決めされることが好ましい。
【0022】さらに、エアバッグには、少なくともひとつの、特に略U字状の縫合部が設けられることが提案されている。
【0023】この種の縫合部によって、膨張したエアバッグの厚み、すなわち車両の長手軸に平行に延在するその長さ方向に直交する寸法が、それぞれ好ましい値に制限される。この縫合部によって、膨張時のエアバッグを、特にほぼ板状に、すなわちマットレス状にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明について、添付の図面を参照して例示的に以下に説明する。図1は、ルーフフレームやBコラムの無いコンバーチブルやロードスター等の車種の、ドアライニング26を有する車両ドア14と車両シート36とを概略的に示している。
【0025】本発明のエアバッグの配置構造は、破線で簡単に示されたエアバッグモジュール28と、膨張状態が示されたエアバッグ12とを備える。
【0026】折り畳まれた状態の、エアバッグ袋状体24は、ドアライニング26内に一体化されたエアバッグモジュール28内に位置している。エアバッグ袋状体24はエアバッグモジュール28に堅固に取り付けられる。その取付方法は、いくつか考えられ、図2(a)および2(b)に関連して以下に説明する。
【0027】ドアライニング26のカバー(図示せず)は、ドアライニング26の上部縁部または上部側面の一部、つまりドアパラペット16の一部を構成しており、エアバッグモジュール28の図示しないガス発生器によるエアバッグ12の膨張によって、開裂または回転開放等により取り除くことができる。
【0028】エアバッグモジュール28の細長開口部18は、膨張したエアバッグ12のほぼ全長にわたって延在し、その長さは、車体の長手方向に平行なエアバッグ12の範囲と想定されるような長さを有する。本実施の形態では、エアバッグ12および開口部18は、車両ドア14のほぼ全長にわたって延在している。
【0029】カバーが取り除かれた状態で、エアバッグ12の開口部19は、ドアパラペット16内にあり、図示された実施例において、形状寸法ともエアバッグモジュール28の開口部18に対応し、またこの開口部18と整列している。開口部18,19は、完全に同一の形状寸法を有する必要はなく、互いに完全に整列している必要もない。エアバッグモジュール28の開口部18との関係において、ドアパラペット16の開口部19は、どの場合もエアバッグ12の展開の妨げにならないように寸法及び位置決めされている。
【0030】エアバッグモジュール28の周縁部は開口部18と境界を接し、膨張したエアバッグ12の支持部22を形成する閉じた外周輪郭を有する。本発明によるエアバッグの配置構造は、エアバッグ12が膨張したときに、エアバッグ袋状体24がエアバッグ内のガス圧によってエアバッグモジュール28の支持部22へ押し付けられ、膨張したエアバッグ12は自立した状態で支持部22で突張り支持されるように設計されている。
【0031】ドアライニング26内のエアバッグモジュール28の配置によれば、支持部22は、少なくともエアバッグモジュール28の開口部18の寸法に近い寸法のドアライニング16の開口部19と境界を接する周縁部によっても形成される。
【0032】原理上は、エアバッグ袋状体24はドアライニング26に固定されてもよく、支持部22は少なくとも、主にドアライニング26の開口19と境界を接する周縁部によって形成されてもよい。この場合、ドアライニング26の開口19と境界を接する部位の下側にはエアバッグモジュール28のシール構造が設けられている。
【0033】本発明によって支持されたエアバッグ12は、ドアパラペット16上で膨張した状態で、各乗員のための位置の安定した広い範囲での側方頭部保護クッションを形成する。
【0034】エアバッグ袋状体24は比較的高い気密に形成され、これによりガス圧は、膨張したエアバッグ袋状体24の十分な保護効果のため、少なくとも約5秒間の保護時間が保たれる。これにより、これに関わる車両乗員は、車両がロールオーバーした際に、エアバッグ12によって十分に長い時間保護される。
【0035】エアバッグ12は、付加的に1個以上の円柱状またはホース状の保護部を有してもよい。図面には、縦に延びる保護部32の一例が破線で示されている。
【0036】エアバッグ12の膨張の際に展開する保護部32として、ドアパラペット16の下に膨張状態の別の側方保護クッションが存在している。保護部32の寸法、位置は、原則として各乗員の脚部を有効に保護し、特に膝の保護が果たされるように設定されることが好ましい。
【0037】ドアパラペット16の下に延在する保護部32は、さらにドアパラペット16上に位置したエアバッグ12の頭部保護部が車両ドア表面に対して傾かないよう堅固に保持されるように位置決めされている。この場合、保護部32は支持レバーとしての役割を果たす。これにより、膨張したエアバッグ12はドアライニング26で横方向が支持されるようにできる。つまり、車両のドア14とほぼ平行に延在する面上に支持される。
【0038】膨張時にドアパラペット16上に位置するエアバッグ12の一部に略U字形の縫合部34が設けられる。この縫合部34によって膨張時車両ドア14にほぼ平行に延在するエアバッグ袋状体24の壁部が線状接続位置において縫い合わされ、これによりエアバッグ12の膨張容積を制限したり、膨張したエアバッグ12の車両長手軸に直交する方向への展開を意図的に調整したりできる。
【0039】図2(a)は、本発明によるエアバッグモジュール28を、車両ドアおよびドアライニングを省略して概略的に示している。ガス発生器31は、断面U字状のエアバッグモジュール28内に配置されている。エアバッグ袋状体24は、モジュールベース29に、クランプなどの適切な手段によって堅固に固定されている。この場合、ガス発生器31はエアバッグ12内に位置している。
【0040】エアバッグ袋状体24のこれに対応する設計によって、膨張時のエアバッグ12の位置は、エアバッグ12内のガス圧によってエアバッグ袋状体24がエアバッグモジュール28へ押圧されるように、予め決められる。この場合、エアバッグ袋状体24は開口18と境界を接する周縁部に押圧される。よってエアバッグモジュール28の周縁部は、膨張したエアバッグ12のための支持部22を構成する。支持部22は閉じた外周輪郭を有して、その上に膨張したエアバッグ12がすえられる。
【0041】図2(b)は、エアバッグモジュール28の周縁領域にエアバッグ袋状体24を固定する別の方法を示している。この変形例においても、膨張したエアバッグ12が押圧される支持部22が、エアバッグモジュール28の開口18と境界を接する周縁部によって構成されている。
【0042】ドアライニングの開口の設計とともに、エアバッグモジュール28とドアライニングとの位置関係によれば、両方の変形例においても膨張したエアバッグ12の支持部22は、開口と境界を接するドアライニングの周縁部によって付加的に大きくも小さくも形成できる。
【出願人】 【識別番号】000108591
【氏名又は名称】タカタ株式会社
【出願日】 平成13年5月17日(2001.5.17)
【代理人】 【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
【公開番号】 特開2001−354104(P2001−354104A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2001−147248(P2001−147248)