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【発明の名称】 エアバッグの配置構造
【発明者】 【氏名】ゲオルク ラッシュ

【氏名】ステファン ヴィーゲルト

【氏名】ライナー ホイシュミット

【氏名】アンドレアス リーデル

【氏名】フランツ フュ−ルスト

【氏名】メーメット カクマク

【氏名】スヴェン シャーヴェ

【氏名】テューヒョ フォン ヤン

【氏名】ノルベルト キュスタークラウス

【要約】 【課題】乗員が正規位置外に着座したような場合にも、エアバッグを適正な展開力で膨張させ、乗員の安全を図る。

【解決手段】正規位置に着座する車両乗員14が保護されるべき保護位置の方向に、正規保護状態で膨張することで移動可能な、少なくとも1個のエアバッグ12と、正規位置外に着座した乗員14からの影響を受けてエアバッグの展開の衝撃が規制される、少なくとも1個の規制手段16とを備え、規制手段16により、正規位置外に着座した乗員14に対して、エアバッグが展開することで伝達され得る最大の展開の衝撃が低減されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】正規位置に着座する車両乗員(14)が保護されるべき保護位置の方向に、正規保護状態で膨張することで移動可能な、少なくとも1個のエアバッグ(12)と、正規位置外に着座した乗員(14)からの影響を受けてエアバッグの展開の衝撃が規制される、少なくとも1個の規制手段(16)とを備え、該規制手段(16)により、正規位置外に着座した乗員(14)に対して、エアバッグが展開することで伝達され得る最大の展開の衝撃が低減されるようにしたことを特徴とするエアバッグの配置構造。
【請求項2】規制手段(16)は、展開経路上にいる正規位置外に着座した乗員(14)の抵抗に応じて形成されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項3】規制手段(16)は、正規位置外に着座した乗員(14)の抵抗の不足に応じて形成されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項4】規制手段(16)は、エアバッグ外被(18)の配置構造により形成され、折り畳まれたエアバッグ(12)においてエアバッグ外被(18)は、一方向、特にエアバッグの展開方向(A)において、エアバッグ展開方向(A)にほぼ直交する方向より、十分に低い展開力を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項5】折り畳まれたエアバッグ(12)は、展開経路上に位置する接触面(22)に沿って面状に配置されて、かつ特に接触面(22)に対して面状に接触し、該接触面は展開方向(A)に少なくともほぼ直交する方向に延在することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のエアバッグの配置構造。
【請求項6】接触面(22)は、エアバッグカバーで形成され、該エアバッグカバーは車両シート(26)位置に好ましく配置されたエアバッグ(12)と、当初から伸長可能でかつ特にエアバッグ(12)の膨張によって十分に引き裂かれるようなエアバッグカバーとして設けられたシートカバー(24)とを有することを特徴とする請求項5に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項7】規制手段(16)は、乗員(14)が展開経路上の正規位置外に着座する際に、エアバッグ(12)の膨張のための余裕しろが規制されるようにし、該規制は、好ましくは外的な反力(F1,F2)の結果として正規保護状態において唯一到達するエアバッグ(12)の圧力しきい値により取消可能とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項8】規制手段(16)は、少なくともその一部が折り畳まれたエアバッグ(12)を囲み、またその展開方向(A)における最大膨張可能性がエアバッグ(12)のものより小さいことを特徴とする請求項7に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項9】規制手段(16)は、エアバッグ(12)が配置された車両のアッセンブリ(24,26)に、特に車両シート(26)あるいはシートカバー(24)に取り付けられたことを特徴とする請求項8に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項10】規制手段(16)は、エアバッグ(12)を構成するモジュールのアッセンブリあるいはエアバッグ(12)に取り付けられたことを特徴とする請求項8に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項11】エアバッグ(12)は、1次領域(28)と2次領域(32)を形成し、それらが経時的に引き続いて膨張可能な少なくとも2個の領域からなり;その内部において規制手段は、領域(28,32)間の少なくとも1個の弁(16)により形成され、該弁(16)はエアバッグ(12)が折り畳まれているときは閉鎖状態にあり、正規位置外に着座した乗員(14)からの抵抗により閉鎖状態に固定され、この抵抗がない場合には、最初に膨張するエアバッグ(12)の1次領域(28)により、開放状態へと切り替わることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項12】弁(16)は、エアバッグ(12)の2次領域(32)によって閉鎖されることを特徴とする請求項11に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項13】弁(16)は、特に閉鎖状態において展開方向(A)に対して押されるか、折り畳まれるか、裏返されるか、曲げられるかされた基布領域(34)と、少なくとも1個の開口(36)とにより形成されたことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項14】弁(16)は、チューブ状か、ホース状か、ノズル状か、あるいはスノーケル状をなす基布領域(34)により形成されたことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項15】弁(16)は、エアバッグ外被(18)内に配置された層(37)に形成され、2つの領域(28,32)を互いに分離することを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項16】規制手段(16)は、エアバッグ外被(18)内に形成される少なくとも1個の排気開口(42)から構成され、該排気開口(42)は、正規保護状態では閉鎖状態にあり、正規位置外に着座した乗員により、ガスの排気がもたらされることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項17】規制手段(16)は、エアバッグ外被(18)内に配置された排気開口(42)のための閉鎖手段(44)から構成され、該閉鎖手段(44)は正規保護状態においてエアバッグ(12)が膨張するときのエアバッグ(12)の増加する展開力により、排気開口(42)を排気位置から少なくとも部分的な閉鎖位置へ切替可能としたことを特徴とする請求項16に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項18】閉鎖手段(44)は、エアバッグ外被(18)に、エアバッグ(12)の膨張により少なくとも部分的に切り離し可能な接合(39,48)を有するように、特に縫われて接合された少なくとも1枚の基布層(46)から構成されたことを特徴とする請求項17に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項19】展開方向(A)における側部及び/または後部位置において展開を規制するようにエアバッグ外被(18)に固定された基布層(46)を有し、エアバッグ(12)の膨張により切り離し可能な接合(48)が、エアバッグ(12)の展開方向(A)における前面に前記基布層(46)により形成されたことを特徴とする請求項18に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項20】閉鎖手段(44)、特に基布層(46)は、展開を規制するようにエアバッグ外被(18)に結合されており、該基布層(46は、正規保護状態では。エアバッグ(12)が少なくとも部分的に膨張した状態でエアバッグ外被(18)と接触し、少なくとも部分的に排気開口(42)を閉鎖することを特徴とする請求項16または請求項17に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項21】排気開口(42)は、エアバッグ外被(18)の部分外被(18a,18b)間の接合縫目(47)に形成され、その部分で基布層(46)が排気開口(42)の反対側の部分外被(18a,18b)に結合されたことを特徴とする請求項20に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項22】排気開口(42)は、乗員(14)が正規位置外に着座する時は、エアバッグ(12)の膨張により正規保護状態で排気開口(42)を部分的に閉鎖する外部閉鎖面(52)から遠ざかるように移動できるようにしたことを特徴とする請求項16に記載のエアバッグの配置構造。
【請求項23】閉鎖面(52)は、エアバッグ(12)が配置されている車両部分、特には車両の側部パネル(54)あるいは車両シートにより、構成されたことを特徴とする請求項22に記載のエアバッグの配置構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアバッグの配置構造に係り、少なくとも1個の膨張可能なエアバッグを有するエアバッグの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】この種のエアバッグの配置構造は事故が起きた際に車両乗員を保護するために作動する。車両乗員がエアバッグ等の安全保護装置で保護される際、エアバッグの展開時に乗員が正規な位置外に座っているような場合がある(以下、本明細書では、この状態を“位置外(out of position)”、すなわち“OOP状態”と呼ぶ。)。このようなOOP状態は、たとえばサイドエアバッグが設けられたシートや、子供が子供用シートの定められた位置に座っていないような場合に問題となる。
【0003】本発明の目的は、各車両乗員のためにもっとも最良の保護のための効果がもたらされ、特にOOP状態においても乗員の適切な保護がなされるような、頭書のエアバッグ配置構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、特許請求の範囲の発明の特徴によって満たされ、特に正規位置に着座する車両乗員が保護されるべき保護位置の方向に、正規保護状態で膨張することで移動可能な、少なくとも1個のエアバッグと、正規位置外に着座した乗員からの影響を受けてエアバッグの展開の衝撃が規制される、少なくとも1個の規制手段とを備え、該規制手段により、正規位置外に着座した乗員に対して、エアバッグが展開することで伝達され得る最大の展開の衝撃が低減されるようにしたことによって実現される。
【0005】本発明は、エアバッグがOOP状態において通常もたらされる展開の衝撃が生じるのを妨げる。すなわち各車両乗員がその正規位置から外れているような場合であり、完全な展開の衝撃は、車両乗員が正規位置にある際に正規保護状態においてもたらされる。展開の衝撃の減少をもたらす規制手段は正規位置外に着座した乗員、たとえば車両乗員の影響を受けやすいので、本発明のエアバッグ配置構造はOOP状態を自動的に認識し、その結果エアバッグを膨張させる膨張力は展開の衝撃の規制によって低減される。
【0006】また、規制手段が正規位置外に着座した乗員の抵抗に応じて形成されるようにすることで対応することができる。このようにこの規制手段は、正規位置外に着座した乗員により、展開するエアバッグに対して規定された抵抗によってこのように達成される。規制手段がこのように正規位置外に着座した乗員に応ずるため、正規な着座位置になく、また無意識にエアバッグの展開経路上に位置しているような車両乗員は本発明による規制手段に応答でき、その結果としてエアバッグの膨張力の減少に寄与する。
【0007】その代わりとし、本発明によれば、規制手段が、正規位置外に着座した乗員の抵抗の不足に応じて形成されるようにすることも可能である。この場合、OOP状態は、本発明による規制手段によって、その中で、正規位置に位置する車両乗員によってエアバッグに対してもたらされる抵抗が存在しないように、認識されることが可能となる。
【0008】本発明の好ましい実施例において、規制手段は、エアバッグ外被の配置構造により形成され、折り畳まれたエアバッグにおいてエアバッグ外被は、一方向、特にエアバッグの展開方向において、エアバッグ展開方向にほぼ直交する方向より、十分に低い展開力を有するものである。
【0009】この結果、以上のようにしてエアバッグ外被の展開の衝撃の規制、すなわち膨張力の減少が、単にエアバッグの一様でない度合いの展開、特に展開方向が一様でないという点を通じて、他の付加的な手段なしに達成することができる。エアバッグの膨張は、膨張過程が十分に低い力あるいは駆動と関連するために、その展開方向における低程度の膨張と十分に同調される。このときエアバッグは、展開方向に直交する高程度の展開によって、展開方向に卓越して膨張する。エアバッグは、展開方向に直交して大きな膨張性を有し、この方向において少なくとも十分なスペースが確保されるようにまとめられるように、折り畳まれることが好ましい。このことは、エアバッグの展開の衝撃の十分な低減を実現すべき、折り畳まれたエアバッグの極端な面状の配置も許容する。展開における低程度の展開は展開方向と厳密に一致する必要はなく、そこから逸れることもあり得る。
【0010】折り畳まれたエアバッグは、展開経路上に位置する接触面に沿って面状に配置されて、かつ特に接触面に対して面状に接触し、該接触面は展開方向に少なくともほぼ直交する方向に延在することが好ましい。
【0011】また、接触面が、エアバッグカバーで形成され、該エアバッグカバーは車両シート位置に好ましくは配置されたエアバッグと、当初から伸長可能でかつ特にエアバッグの膨張によって十分に引き裂かれるようなエアバッグカバーとして設けられたシートカバーとを有することが好ましい。
【0012】伸長可能なシートカバーによって、本発明によるエアバッグは、シートカバーの縫目が裂けることによってエアバッグがさらに展開する前の膨張過程の初期においてOOP状態に関して好ましい方法でシートカバー内に位置させることができる。
【0013】本発明のさらに好ましい実施例によれば、規制手段は、正規位置外に着座した乗員が展開経路上の正規位置から外れて位置する際に、エアバッグの膨張のための余裕しろが規制されるようにし、該規制は、好ましくは外的な反力(F1,F2)の結果として正規保護状態において唯一到達するエアバッグの圧力しきい値により取消可能とされることが好ましい。
【0014】この環境は、膨張するエアバッグは、正規保護状態下よりOOP状態下においてより低い応力下となるように利用される。たとえば車両のバックレストの側部に配置されたサイドエアバッグにおいて、規制を取り消すために要求される高圧が、エアバッグが膨張時に車両乗員と側部パネルとの間に押し進むような場合に、正規位置における車両乗員と車両の側部パネルとによって発揮されるような反力によって達成される。
【0015】これらの反力は、OOP状態においては、規制を打ち破るのに必要な圧力の集積がエアバッグ内で達成されず、エアバッグが規制内で膨張するようには存在せず、これにより展開の衝撃、すなわちエアバッグの膨張力は低減される。
【0016】本発明の変形例としての実際的な実施例において、規制手段は、少なくともその一部が折り畳まれたエアバッグを囲み、またその展開方向における最大膨張可能性がエアバッグのものより小さく、またエアバッグが配置された車両のアッセンブリに、特に車両シートあるいはシートカバーに取り付けられることが好ましく、さらに、エアバッグを構成するモジュールのアッセンブリあるいは、エアバッグに取り付けられるようにすることが好ましい。
【0017】本発明の更なる変形例によれば、エアバッグは、1次領域と2次領域を形成し、それらが経時的に引き続いて膨張可能な少なくとも2個の領域からなり;その内部において規制手段は、前記領域間の少なくとも1個の弁により形成され、該弁はエアバッグが折り畳まれているときは閉鎖状態にあり、正規位置外に着座した乗員からの抵抗により閉鎖状態に固定され、この抵抗がない場合には、最初に膨張するエアバッグの1次領域により、開放状態へと切り替わるようにすることが好ましい。
【0018】この結果、正規位置外に着座した車両乗員は、エアバッグの2個の容積部分の間に配置された弁が閉鎖された状態のままとなるように自動的に保証する。このようにエアバッグの膨張容積は、1次領域の容積に規制されたままとなり、この結果、エアバッグの膨張力はOOP状態に有利な方法によって低減される。
【0019】弁は、エアバッグの2次領域によって閉鎖されることが好ましい。
【0020】弁は、特に閉鎖状態において展開方向に対して押されるか、折り畳まれるか、裏返されるか、曲げられるかされた基布領域と、少なくとも1個の開口とにより形成され、あるいはチューブ状か、ホース状か、ノズル状か、あるいはスノーケル状をなす基布領域により形成されることが好ましく、この基布領域はおよそ円筒形とできるが、一般に円筒形と異なるいかなる外形もとることができる。
【0021】もし、特にこの基布領域を、弁として、エアバッグ外被内に配置された層に形成され、2つの領域を互いに分離して形成すれば、より好ましい。問題の隔壁はエアバッグ外被内に縫い込まれた基布層であることが好ましい。
【0022】本発明の更なる変形例によれば、規制手段は、エアバッグ外被内に形成される少なくとも1個の排気開口から構成され、該排気開口は、正規保護状態では閉鎖状態にあり、正規位置外に着座した乗員により、ガスの排気がもたらされることが好ましい。
【0023】少なくとも1個のガス発生器によってエアバッグを膨張させるためにエアバッグ内に吹き込まれるガスは、OOP状態において排気開口を通じてエアバッグから排出することができ、この結果、エアバッグの展開の衝撃は低減される。正規保護状態における排気開口の閉塞状態はこの状態におけるエアバッグの完全な膨張及びその保護位置を想定できる。
【0024】好ましい実際的な実施例において、規制手段は、エアバッグ外被内に配置された排気開口のための閉鎖手段から構成され、該閉鎖手段は正規保護状態においてエアバッグが膨張するときのエアバッグの増加する展開力により、排気開口を排気位置から少なくとも部分的な閉鎖位置へ切替可能とすることが好ましい。
【0025】このように、排気開口のための可逆的な閉鎖はエアバッグの展開によって造られ、このような閉鎖は、エアバッグが何の妨げもなく展開できるような正規保護状態において排気開口を閉鎖する状態に自動的に切り替えられるようになっている。エアバッグの自由な展開は、閉鎖手段が閉鎖位置に切り替えられないように、正規位置から外れて位置する乗員によってOOP状態で阻止される。この結果、排気開口は、ガスがエアバッグから排気できるように、OOP状態において開放状態のままとなり、これにより展開の衝撃は低減される。
【0026】もし、閉鎖配置構造が、エアバッグ外被に、エアバッグの膨張により少なくとも部分的に切り離し可能な接合を有するように、特に縫われて接合された少なくとも1枚の基布層から構成されるようであれば好ましい。
【0027】展開方向における側部及び/または後部位置において展開を規制するようにエアバッグ外被に固定された基布層を有し、エアバッグの膨張により切り離し可能な接合が、エアバッグの展開方向における前面に前記基布層により形成されるようであれば好ましい。
【0028】別の実施例では 閉鎖手段、特に基布層は、展開を規制するようにエアバッグ外被に結合されており、該基布層は、正規保護状態では。エアバッグが少なくとも部分的に膨張した状態でエアバッグ外被と接触し、少なくとも部分的に排気開口を閉鎖することが好ましい。
【0029】膨張過程が進行した段階で、基布層がエアバッグ外被に接触し、排気開口を閉鎖することが閉鎖手段、すなわち基布層とエアバッグ外被との開放可能な接合無しで、これに対応する基布層のデザイン及び/または配置構造により達成される。排気開口の閉鎖のために必要な膨張過程の進行した過程は、車両乗員が排気開口が閉鎖されないままで、ガスがエアバッグから排気できるように、エアバッグの展開を妨げる障害物となるので、OOP状態では達成できない。このため、エアバッグの展開の衝撃と膨張力とが低減される。
【0030】本発明のさらなる好ましい実施例において、排気開口は、正規位置外に着座した乗員が正規位置からはずれた際にエアバッグの膨張により正規保護状態で排気開口を部分的に閉鎖する外部閉鎖面から遠ざかるように移動できるようになっている。
【0031】このように、規制手段は、閉鎖面から遠ざかるように移動する排気開口により、ガスの排気可能性を生じさせることで正規位置外に着座した乗員の抵抗の不足に対して対応する。これによりエアバッグの展開の衝撃が低減される。これに対して、正規位置にあるとした車両乗員が正規保護状態で障害物となる場合、エアバッグは、排気開口が閉鎖面から離れるように移動されるようには展開できない。このように、正規保護状態では、排気開口は少なくとも部分的に閉鎖されたままなので、エアバッグはあらかじめ設定された状態で膨張でき、その保護機能に適合する。
【0032】閉鎖面は、エアバッグが配置されている車両部分、特には車両の側部パネルあるいは車両シートにより、構成することが好ましい。
【0033】当該エアバッグ配置構造は、車両シートあるいは車両側部パネル内に一体化されたサイドエアバッグであることが好ましい。しかしながら、本発明は一般に想起し得るいかなるエアバッグ、たとえば運転者や助手席乗員のためのフロントエアバッグや、たとえば膝や脚部のような乗員の身体の特定の一部を保護するために車両シートの対応する位置に配置されたエアバッグ配置構造に適用し得るものである。
【0034】上述し、また以下により詳細に示した展開の衝撃の規制の変形例は、一般に互いに組み合わせることができるものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグの配置構造の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0036】車両座席26のバックレストの張り出し側部を示した図1(a)によるエアバッグの配置構造は、ガス発生器11、エアバッグ12、及びエアバッグ12を囲み、エアバッグ12の展開の衝撃を規制するための配置構造として作用する、引き裂き縫目62が設けられた規制外被16から構成されている。シートカバー24は、エアバッグ12の展開方向Aにおいて車両座席26を規制する。
【0037】図1(b)は車両乗員14が、想定した正規位置でなく、しかもエアバッグ12の展開経路上に位置し、すなわちエアバッグ12の展開の際の正規位置外に着座した乗員となるようなOOP状態を示している。
【0038】事故が生じてガス発生器11が起動された際に、エアバッグ12は規制外被16を伴い膨張し、これによりシートカバー24は口を開けるように裂ける。
【0039】展開方向Aに直交する方向に向く力は、エアバッグ12を展開させる際に全く発生せず、エアバッグ12内はわずかに比較的低圧のp1で高められ、これにより展開の衝撃、すなわちエアバッグ12の膨張力は、以下に説明したようなほぼ正規保護状態に関し減少される。エアバッグ12の膨張外形は、規制外被16によりOOP状態において規制され、その展開方向Aにおける最大膨張可能性はエアバッグ12の本来のそれよりも小さくなる。
【0040】正規保護状態では,図1(c)に示したように、エアバッグ12は展開方向Aに直交する力F1、F2がエアバッグの展開に影響を及ぼすように、車両乗員14とわずかに示された車両側部パネル54との間の方向に押し出されなければならない。この結果、エアバッグ12はOOP状態よりも強い荷重下に置かれ、これによりエアバッグ12において荷重状態p2>p1となる。規制外被16の引き裂き縫目62(図1(a)参照)は高い内圧p2の結果、エアバッグ12の展開によって引き裂かれるようになっており、これによりOOP状態(図1(b)参照)における効果的な膨張外形の規制が勝る結果となる。エアバッグ12は、このように車両乗員14が保護される保護位置に入り込むように膨張することで移動できる。
【0041】本発明によるエアバッグの配置構造は、通常の着座位置から外れたエアバッグ12の展開経路上に位置する車両乗員14に対しても、展開の衝撃すなわちエアバッグ12の膨張力が減少されるので、OOP状態における規制外被によるエアバッグ12の膨張外形が規制されることにより、全く問題がない。
【0042】図2(a)は、同様に車両座席26のバックレスト内の側部に配置されたエアバッグの配置構造を示しており、このエアバッグの配置構造はエアバッグ外被18を有するエアバッグ12と図2(b)に示されたガス発生器11とから構成されている。図2(b)は、エアバッグの配置構造の一部である図2(a)中のI-I断面線に沿う水平断面を示している。
【0043】この実施例では展開の衝撃を規制するために付加的な手段は何も設けられていない。この場合、本発明における規制手段は、エアバッグ外被18の配置構造によって形成されている。
【0044】エアバッグは図2(a),図2(b)による初期状態において車両座席26に一体的に折り畳まれ、配置されており、エアバッグは展開方向Aに対して少なくともほぼ直交方向に伸びる平面内での面的な膨張の最大の可能性を有するように配置され、シートカバー24の内面22に接触している。したがってエアバッグ12は、この平面において高い度合いですでに展開され、すなわちこの平面内において、言いかえると展開方向Aにほぼ直交する方向において、展開方向(A)より高い展開の度合いを有している。
【0045】図2(b)は、水平断面におけるエアバッグ12の折り畳み状態を示している。展開方向Aにほぼ直交するエアバッグ12の広い範囲あるいは完全な展開の結果、エアバッグ12が膨張した際、その展開はほぼ一範囲に、すなわち展開方向Aに達成される。
【0046】シートカバー24は、ガス発生器11が起動される前に、図2(c)に示したように、エアバッグ12が初期にシートカバーの下側に位置できるのに十分な膨張可能性を有する。シートカバー24がエアバッグ12の所定の膨張圧によって引き裂かれる際に、部分的な膨張状態においてすでに展開しつつあるエアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力は、本発明による規制手段を有さないで、一体的に折り畳まれ、たとえばコンパクトなパッケージを形成するようなエアバッグにおいて、十分に減少される。
【0047】本発明によるエアバッグ1の平面的な配置構造は、膨張手順の高度な同期性という結果をもたらし、それによりエアバッグ12の膨張は乗員に対する負荷が少ない状態で達成される。
【0048】シートカバー24は、引き裂きのタイミングが直接あらかじめ設定できるような手段によって1本またはそれ以上の引き裂き縫目を設けることができる。
【0049】図3(a),図3(b)による本発明の実施例において、展開の衝撃を規制するための配置構造は、弁16によって形成される。弁16はエアバッグ12の1次領域28と2次領域32との間に配置されている。エアバッグのこれらの2つの領域28,32、すなわちエアバッグ外被18は接合点31においてエアバッグ外被18上に縫いつけられた基布層をなす層37によって互いに分離されている。このように、層37は同時に、エアバッグ12の1次領域28と2次領域32の外被領域となる。
【0050】弁16は、展開方向Aに対して、その自由端が上あるいは上方に押された、ホース状あるいはノズル状の層37の基布領域34によって形成され、この基布領域34は展開方向Aと反対方向を向き、ガス発生器11に面し、通気孔36が設けられている。基布領域34の自由排気断面は、一般に所望の形状とすることができ、たとえば円筒形状とすることができる。
【0051】図3(a)による展開状態において、弁16は2次領域32の折り畳まれた外被によって閉鎖されている。
【0052】初期において1次領域28内にある、ガス発生器11の起動後に排出されたガスは、図3(a)にあるように、弁ノズル34の側方のポケット状領域内に流れ込む。
【0053】図3(a)によるOOP状態において、弁16は折り畳まれた2次領域32が邪魔になり、ノズル34を押しやったり畳み込むことによっては切り替られず、また車両乗員14が障害となり展開することができない。弁16は、このように車両乗員14の抵抗による閉鎖状態にて固定される。その結果、エアバッグ12の膨張容積はOOP状態において1次領域28の部分的な容量程度に限定され、これによりエアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力は減少する。
【0054】図3(b)による正規保護状態において、車両乗員14は2次領域32の展開の邪魔にならない。弁は、この結果、図3(b)の矢印により示されたように、ガスが層37において通気孔36を経由して2次領域32内に流れ込むことができるように、1次領域28で高められた圧力によってノズル34を押しやることにより開口させることができる。
【0055】また本発明によれば弁は異なった形状、たとえば筒状、チューブ状、スノーケル状とすることもできる。この弁は、異なる弁機構を設けることや、例えばエラ状体、引き裂き縫目等による弁機能を達成させることでも可能にできる。
【0056】図4(a),図4(b)による本発明の実施例において、展開の衝撃を規制するための配置構造は、エアバッグ外被18に形成された排気開口24やエアバッグ外被18内に配置された基布層46からなる閉鎖手段44により形成されている。
【0057】基布層46は、エアバッグ12が妨げられないで展開する場合、エアバッグ外被18から引き裂かれるように、展開方向Aにその前端がエアバッグ外被18に、例えば縫着により、取り外し可能に接合されている。
【0058】図4(a)によるOOP状態において、エアバッグ12は、ガス発生器の起動後に車両乗員14が障害となり、スムースな展開ができない。閉鎖手段44の基布層46の長さは、典型的なOOP状態ではエアバッグ12の規制された展開の可能性が、接合48を切り離すのに十分なエアバッグ外被18の展開が起こらないような寸法に設定されている。この結果、基布層46は、ガス発生器11によりエアバッグ12内に排出されるガスが本発明による規制手段の排気開口42を経由して排出できるようなエアバッグ12内の排気位置に留まる。
【0059】エアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力はOOP状態において付与されるガス排出の可能性によって低減される。
【0060】基布層46は、エアバッグ12内に配置され、また展開方向Aにおける後方位置においてエアバッグ外被18に膨張抵抗手段によって、エアバッグ12のスムースな展開によって切り離し可能な接合48の分離の後、図4(b)による通常の保護位置において排気開口42上に基布層46が横たわるように固定される。基布46はこのように正規保護状態においてエアバッグ12の展開の進行によって排気開口42を閉じる閉鎖位置へ排気位置から自動的に切り替わる。したがってガス排出の可能性はエアバッグ12が完全に膨張し、またその保護位置に移動できるようにするために、もはや与えられない。
【0061】図5(a),図5(b)による本発明の実施例には、フロントエアバッグであって、2個ないしそれ以上の排気開口42がガス発生器11の周りに広がるエアバッグ外被18内に形成されている。エアバッグ外被18内に配置された閉鎖用の配置構造の基布層46は各排気開口42に関連づけられている。ガス発生器11の部分の基布層46の一端はエアバッグ外被18に対して膨張に抵抗するような方法で固定されている。基布層46の他端はエアバッグ外被18に、たとえば引き裂き縫目によって、切り離し可能に連結されており、エアバッグ外被18は接合点48において、展開方向Aにおいて前面に位置する。
【0062】基布層46は接合点48においてそれぞれ通気孔43を有し、また図5(a)にあるように、OOP状態においてエアバッグ12内にガス発生器11により排出されたガスは、通気孔43を経由して基布層46の他端に到達でき、また図5(a)の矢印で示したように、各排気開口42を経由してエアバッグ12から排出できるようになっている。一般に基布層46の通気孔43は、示されている一対に対して異なる側に設けられてもよい。
【0063】OOP状態において、正規位置外に着座した乗員となる車両乗員14はエアバッグ外被18と基布層46との間の接合48が完全なままとなるように、展開方向Aにエアバッグ外被18の前部の移動を妨げている。エアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力の減少は通気孔43と排気開口42とを経由するガスの排出の可能性によって達成される。
【0064】エアバッグ外被18の前部と基布層46との間の接合48は、図5(b)に示したような正規保護状態におけるエアバッグ12のスムースな展開により切り離され、さらに基布層46は、エアバッグ12が完全に膨張できるように、排気開口42を覆うとともにそれらを閉鎖する。
【0065】図6(a),図6(b)による本発明の実施例において、本発明による規制配置としての閉鎖手段44は、各場合において、エアバッグ12の展開によっては接合が切り離されないような固定手段によってエアバッグ外被18に縫いつけられた基布層46から構成されている。
【0066】エアバッグ12の展開の衝撃の規制は、このようにエアバッグ外被18に形成された排気開口42の領域にそれぞれ配置された基布層46により、また所定の展開段階から排気開口42を覆う基布層46により達成される。
【0067】図6(a)はエアバッグ12がすでに展開された段階を示しており、そのエアバッグ外被18は周縁接合縫目47を介して縫着され、図6(a)にあるように、展開段階において一方の頂部に他方が横たわるような、2個の基本的に円筒形状の部分外被18a,18bから構成されている。
【0068】図6(a)に示したように、同図には少なくとも部分的に膨張したエアバッグ12が示されており、接合縫目47は、排気開口42をまたいで、延在する接合縫目を介して部分外被18a,18bにそれぞれ固着された基布層46を有する排気開口42によって途切れている。
【0069】基布層46はエアバッグ12の折り畳み段階では排気開口42を閉鎖しないように折り畳まれている。このためガス発生器11によりエアバッグ12内に排出されるガスは、膨張段階の初期において排気開口42を介して排気することができる。
【0070】正規保護状態ではエアバッグ12は何も妨げられずに展開することができるので、基布層46もエアバッグ外被18の展開時に展開される。エアバッグ12の所定の進行した膨張段階に達したときに、基布層46は排気開口42を覆う。
【0071】このようにエアバッグ外被18の内側で接触する基布層46によってある時点から排気開口42が閉鎖されるので、正規保護状態ではエアバッグ12は完全に展開することができる。
【0072】一方、OOP状態では、エアバッグ12は正規位置外に着座した乗員となる車両乗員(図示せず)によって自由に展開することを妨げられる。これにより基布層46も排気開口42を開放状態のままにするために完全には展開せず、あるいはその後のある間にわずかに閉鎖される。エアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力は、このようにしてOOP状態で低減される。
【0073】基布層46はこのように排気開口42のための閉鎖フラップを形成しており、この閉鎖フラップはエアバッグ12の展開によって制御可能で、また折り畳まれた排気位置から、エアバッグ12の展開の進行により排気開口を閉鎖する閉鎖位置へと切り替えることができる。
【0074】発明の実施例を上述したが、展開の衝撃を規制するための配置構造は、正規の状態から外れて位置する車両乗員の実際にある抵抗に対するそれぞれのケースに応じるものであり、図7(a),図7(b)で示した本発明の実施例では、正規保護状態に位置する車両乗員14の抵抗の不足に対して規制手段16が対応するような状況に適用されている。
【0075】図7(a)は、図7(b)の正規保護状態と異なり、エアバッグ12が車両の側部パネル54から何も妨げられることなく離れるように移動できるようなOOP状態を示している。エアバッグ12の展開の衝撃すなわち膨張力は、しかしながら、本発明による規制手段16を形成するエアバッグ外被18内の少なくとも1個の排気開口42によって減少され、ガスは図7(a)に矢印で示したように、エアバッグ12から排気することができる。
【0076】エアバッグ12の膨張時あるいは乗員により押された場合に図7(b)にあるような正規保護状態において、排気開口42は車両の側部パネル54によって、またエアバッグが支持される位置に形成された、閉鎖面52によってその開口が閉鎖されたままとなるように配置されている。
【0077】エアバッグ12の保護機能は、このように正規保護状態においては排気開口42によって減じられることなく、これに対してガス排気可能性は、展開の衝撃すなわち膨張力の減少に至るが、図7(a)にあるようにOOP状態において乗員の抵抗の不足による排気開口42の開放によってもたらされる。
【0078】図3(a),図3(b),図4(a),図4(b),図5(a),図5(b),図6(a),図6(b),図7(a),図7(b)の実施例において、上述したように少なくとも1個の弁及び/またはエアバッグの排気開口という対策は、より独立した進歩性を伴う具体的な実施例によって示されている。この進歩性は一般に少なくとも1個の弁を有するエアバッグを設けること、あるいはエアバッグの展開時における調整可能なガス排気の可能性から成り立っている。この時間制御は、1個あるいは複数の排気孔が、展開の初期段階では開口し、その位置に形成できる一般的なあらゆる構想の閉鎖手段によって、展開中のある時点から少なくとも部分的に閉鎖されることを意味する。この時間制御は車両乗員のような正規位置外に着座した乗員の存在の有無とは一般的には独立している。したがって、このさらなる進歩性は、この点において、正規位置外に着座した乗員に関して以上に述べられた各々の実施例を越えるものである。
【出願人】 【識別番号】000108591
【氏名又は名称】タカタ株式会社
【出願日】 平成13年4月11日(2001.4.11)
【代理人】 【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
【公開番号】 特開2001−354103(P2001−354103A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2001−112744(P2001−112744)