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【発明の名称】 エアバッグ装置、そのカバー体及びエンブレム
【発明者】 【氏名】西浦 重一

【氏名】桂田 治夫

【要約】 【課題】エンブレム付きカバー体においてエンブレム周縁部の美観を向上させる。

【解決手段】エンブレム4は、周縁部の全周を立壁状に背後方向に起立させて側面を形成し、この側面の先端から脚部5を背後方向に突設させたものである。脚部5の基端側と、エンブレム4の側面の全体とにカバー体1と同系色の塗装が施されている。エンブレム4の脚部5を孔3に差し込むようにしてエンブレム4を凹部2に嵌め込み、脚部5の先端側をカバー体1の内面に沿って折曲させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エアバッグ装置のカバー体の外面に設けられるエンブレムであって、該カバー体の外面に配置される主板部と、該主板部の外縁部からエンブレムの背後方向に突設された取付用脚部とを有するエンブレムにおいて、該脚部の少なくとも基端側の外面と、該主板部の側面のうち少なくとも背後側の縁部とが同系色となっていることを特徴とするエアバッグ装置のカバー体用のエンブレム。
【請求項2】 請求項1において、該主板部の前面の周縁部はメタリック面となっていることを特徴とするエンブレム。
【請求項3】 請求項1又は2において、該主板部の前面の周縁部から側面にかけてメタリック面となっており、この側面の背後側の縁部に同系色の塗装が施されていることを特徴とするエンブレム。
【請求項4】 外面に請求項1ないし3のいずれか1項のエンブレムが設けられたエアバッグ装置のカバー体であって、該カバー体の外面に凹部が設けられると共に、該凹部の段差面に沿ってカバー体を貫通する孔が設けられ、前記脚部が該孔に挿通され、且つカバー体の内側において折曲されていることを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
【請求項5】 請求項4において、前記エンブレムの色は該カバー体の色と略同色であることを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
【請求項6】 請求項4又は5のカバー体を備えてなるエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の高速移動体の乗員を保護するためのエアバッグ装置と、そのカバー体及びエンブレムに関するものであり、特にカバー体に設けられたエンブレムの縁などが目立たないよう改良されたエンブレムと、このエンブレムを備えたカバー体と、このカバー体を備えたエアバッグ装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突などの衝撃に対して乗員を保護するエアバッグ装置として、運転席用エアバッグ装置、助手席用エアバッグ装置などが広く普及している。運転席用エアバッグ装置は、ステアリングホイールのボス部に設置されるものであり、ガスを噴射するインフレータと、エアバッグと、折り畳まれて収納されたエアバッグを覆うカバー体などを備えている。自動車の衝突などに際しては、インフレータから噴射されるガスの圧力によりエアバッグを膨張させ、軟質樹脂にて形成したカバー体を開裂させて扉状に開放させ、エアバッグを乗員の前方に膨張展開させる。
【0003】このエアバッグ装置、特に運転席用エアバッグ装置のカバー体には、エンブレムと称される装飾用プレートが取り付けられることが多い。このエンブレムのカバー体への取付構造として、カバー体の前面にエンブレム嵌め込み用の凹部を設けると共に、この凹部に貫通孔を設け、エンブレムから背後方向に突設された脚部を該孔に挿通させ、且つ脚部の先端側をカバー体の内面に沿って折曲した構造が公知である(例えば、特開平10−273004号、同11−189119号)。
【0004】第7図は、この特開平10−273004号のエンブレム取付構造を示す斜視図である。カバー体21は、エアバッグが収納されたボス部及びスポーク部の一部を覆う被覆部22と、この被覆部22の裏面から下側に突設された略角筒状をなす取付壁部23とを有している。被覆部22には、破断部としてのテアライン24a,24bが形成されている。取付壁部23には、このカバー体をエアバッグ装置のリテーナに取り付けるためのリベット孔23aが設けられている。
【0005】カバー体21の被覆部22の略中央部には、エンブレム取付用の凹部28が形成され、この凹部28にエンブレム31が取り付けられている。凹部28の中央部には、表面側から裏面側に貫通するリベット用孔28bが穿設されていると共に、凹部28の外周部に沿って複数箇所にスリット状の孔28cが形成されている。
【0006】このエンブレム31は、背後方向に突出する複数の脚部32cを備えている。脚部32cの先端側には開口32dが設けられている。
【0007】このエンブレム31は、脚部32cを孔28cに挿通するようにして凹部28に嵌め込まれる。次いで、各脚部32cを閉脚方向に折曲させてそれらの先端同士を重ね合わせる。なお、その際、各脚部32cの開口32dが同心状に合致する。次いで、各脚部32cの開口32dと凹部28の中央のリベット用孔28bを通してリベット33を打つ。これによりエンブレム31がカバー体21に固定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように孔28cに脚部32cを挿入し、この脚部32cをカバー体21の内面に沿って折曲してエンブレム31を取り付けた構造においては、特に脚部32cを含めたエンブレム側面が明色或いはメタリック面(金属系光沢面)であるときには、孔28c内に挿入された脚部32cの奥深い部分までが視認されるようになり、美観が悪くなる。
【0009】そこで、この脚部32cに同系色の塗装を施してみたところ、脚部32cの目立ちは解消されたが、今度は逆に脚部32c同士の間のエンブレム縁部32bが目立ち、別の悪印象が生じた。即ち、脚部32cが塗装面であるのに対し、縁部32cがメタリック面であるため、エンブレム31と凹部28の段差面との間の隙間が、該縁部32bに沿う部分では光沢により比較的明るく視認されるのに対し、孔28c付近では非光沢面として視認されるようになり、エンブレム周囲方向において光沢ないし明暗の不均一が生じ、これがために外観上の悪印象が生じた。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点を解消し、エンブレムとカバー体段差面との隙間の異和感がなく、美観に優れたエンブレムと、このエンブレムを用いたカバー体と、このカバー体を備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のエンブレムは、エアバッグ装置のカバー体の外面に設けられるエンブレムであって、該カバー体の外面に配置される主板部と、該主板部の外縁部からエンブレムの背後方向に突設された取付用脚部とを有するエンブレムにおいて、該脚部の少なくとも基端側の外面と、該主板部の側面のうち少なくとも背後側の縁部とが同系色となっていることを特徴とするものである。
【0012】本発明のカバー体は、このエンブレムが外面に設けられたものであって、カバー体の外面に凹部が設けられると共に、該凹部の段差面に沿ってカバー体を貫通する孔が設けられ、前記脚部が該孔に挿通され、且つカバー体の内側において折曲されていることを特徴とするものである。
【0013】本発明のエアバッグ装置は、かかるカバー体を備えたものである。
【0014】このように構成された本発明のエンブレム、カバー体及びエアバッグ装置においては、脚部の少なくとも基端側の外面と、エンブレムの側面の少なくとも背後側の縁部が同系色となっているため、エンブレムの側面とカバー体の凹部の段差面との間の隙間がエンブレム周方向において略均等な色調となり、カバー体の美観が顕著に向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図(a)は実施の形態に係るエンブレム付きカバー体の分解斜視図、第1図(b)はエンブレムの取付状態を示すカバー体中央部の断面図、第2図はカバー体の斜視図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図である。
【0016】このカバー体1は、運転席用エアバッグ装置のモジュールカバーであり、周知の通り、運転席乗員に対面するようにステアリングホイール中央に配置される。
【0017】このカバー体1は例えば熱可塑性合成樹脂の射出成形等により形成される。このカバー体1の内面にはテアライン1a,1bが設けられており、エアバッグが膨張する際にはカバー体1はこのテアライン1a,1bに沿って開裂する。このカバー体1の前面にエンブレム4の取付用の凹部2が設けられている。
【0018】この実施の形態では、エンブレム4は略々長方形状であり、凹部2も同形状であるが、エンブレムの形状はこれに限定されるものではないことは当然である。この凹部2の段差面に沿ってカバー体1の裏側にまで貫通する孔3が設けられ、エンブレム4の脚部5がこの孔3に挿通される。
【0019】エンブレム4は、周縁部の全周を立壁状に背後方向に起立させて側面を形成し、この側面の先端(背後側の端)から脚部5を背後方向に突設させたものである。
【0020】この脚部5及び孔6は、合計6個ずつ設けられているが、この数が他の数であっても良いことは明らかである。
【0021】この実施の形態では、エンブレム4はアルミニウム等の金属板を加工したものであり、脚部5は薄いプレートよりなる舌状片として形成されている。この脚部5には開口6が設けられている。
【0022】この実施の形態では、脚部5の基端側と、エンブレム4の側面の全体とに、カバー体1と同系色の塗装が施されている。なお、このカバー体1の色は、一般に黒色、暗褐色、暗青色、暗緑色などとされることが多かったが、最近では淡色系の色も多くなってきている。
【0023】エンブレム4をカバー体1に取り付けるには、エンブレム4の脚部5を孔3に差し込むようにしてエンブレム4を凹部2に嵌め込み、脚部5の先端側をカバー体1の内面に沿って折曲させる。次いで、カバー体1の裏面に設けられている凸部(図示略)を加熱軟化させて脚部5の先端を覆う。
【0024】このようにエンブレム4が取り付けられたカバー体1にあっては、脚部5の基端側とエンブレム4の側面とがすべてカバー体1と同系色に塗装されており、孔3が目立たず、しかもエンブレム4の周方向の全体にわたってエンブレム側面の外観が均等になり、見栄えがきわめて良い。なお、脚部5の全体に塗装を施しても良く、図示の通り、基端側(好ましくは孔3内に配置される部分)のみに塗装を施しても良い。
【0025】なお、エンブレム4の前面(上面)の意匠は任意であり、種々の塗装や加工等の装飾を施しても良い。
【0026】第4図はこのエンブレムの上面の意匠の一例を示すものであり、上面に適宜の文字やマーク(第4図では文字「A」)がメタリック面として現れるように塗装9が施されている。この塗装9の周縁は、エンブレム4Aの前面の周縁よりも若干後退しており、前面の周縁に沿ってメタリック面10が現れている。
【0027】上記実施の形態では、いずれもエンブレム4,4Aの側面の全体に塗装を施しているが、第5図の通り、側面のうちエンブレム背後側の縁部にのみ塗装をしてもよい。また、第6図の通り、脚部5同士の間の側面の縁部と脚部5とに塗装してもよい。第4,5,6図のいずれのエンブレム4A,4B,4Cによっても、前記エンブレム4と同様に見栄えのよいエアバッグ付きカバー体が製作される。
【0028】このカバー体は、従来のカバー体と同様にエアバッグ装置に組み込まれる。
【0029】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、エンブレム周縁部の美観が良好なエンブレム付きカバー体及びこのカバー体を有したエアバッグ装置が提供される。
【出願人】 【識別番号】000108591
【氏名又は名称】タカタ株式会社
【出願日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【代理人】 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【公開番号】 特開2001−354099(P2001−354099A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−177287(P2000−177287)