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【発明の名称】 エアバッグ装置
【発明者】 【氏名】柴山 賢治

【氏名】曽木 秀仁

【要約】 【課題】エアバッグ及びインフレータを収納するケースにドアを取り付ける構造において、部品点数、組立工数及びエアバッグ装置重量の低減を図る。

【解決手段】ドア18の裏面からケース12の開口縁部に取り付けられる取付壁40を突設し、この取付壁40に係止用孔44を設け、取付壁40をケース12の開口縁部の内側においてケース側壁とバッグリテーナ28との間に配し、ケース12とバッグリテーナ28の双方に係止用孔44に挿入される係止爪50,52を設け、この係止爪50,52で取付壁40を係止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】開口部を有するケースと、該ケース内に収納されたエアバッグ及びインフレータと、前記ケースの開口部を塞ぐドアと、前記ケース内に配され前記エアバッグをケース側壁に固定するバッグリテーナとを備えるエアバッグ装置において、前記ドアの裏面から前記ケースの開口縁部に取り付けられる取付壁が突設され、この取付壁に係止用孔が設けられ、該取付壁が、前記ケースの開口縁部の内側においてケース側壁と前記バッグリテーナとの間に配され、前記ケースと前記バッグリテーナの少なくとも一方に、前記係止用孔に挿入される係止爪が設けられ、該係止爪で前記取付壁が係止されたことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項2】前記ケースと前記バッグリテーナの両方に前記係止爪が設けられ、両係止爪が上下に重なり合うように前記係止用孔に差し込まれたことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
【請求項3】前記ケースの側壁からケース内に向かって突出する前記係止爪が設けられ、前記取付壁が前記ケース内に差し込まれる取付面部と前記ケース外の根元部との間に段差を有することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等における乗員の保護装置であるエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置は、一般に、折畳まれたエアバッグと、該エアバッグを展開させるガス発生器であるインフレータと、これらエアバッグ及びインフレータを収納するケースと、該ケースの開口部を塞ぎ、エアバッグの展開圧力により開口して該エアバッグを車両室内に膨出させるドアとを備えて構成されている。そして、前記ドアには、裏面から取付壁が突設されており、この取付壁がケースの開口縁部に取り付けられている。
【0003】従来、かかるドアをケースに取り付ける構造として、ドア取付壁をケースの外側面にボルトナットやリベットで固定する構造がある。しかしながら、この構造では、ドアを取り付けるための部品点数が多く、また、組立工数も多い。
【0004】そこで、図7に示すように、特開平11−268602号公報には、ケース101の開口縁部に外側に突出する係合凸部102を設けるとともに、ドア取付壁103にこの係合凸部102が差し込まれる係合孔104を設け、この係合孔104から外側に突出する係合凸部102をドア取付壁103の外側に重ねたドア固定プレート105で係止し、これにより、ドアをケースに固定する構造が開示されている。なお、ドア固定プレート105は、エアバッグ106をケース101に固定するバッグリテーナ107のボルト108によってケース101の外側面に固定されている。
【0005】この構造によれば、ドアをケースに固定するためのボルトナットやリベットは不要となるものの、ドア固定プレートが必要となり、そのため、部品点数、組立工数及びエアバッグ装置重量の増大を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に点に鑑みてなされたものであり、エアバッグ及びインフレータを収納するケースにドアを取り付ける構造において、部品点数、組立工数及びエアバッグ装置重量の低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ装置は、開口部を有するケースと、該ケース内に収納されたエアバッグ及びインフレータと、前記ケースの開口部を塞ぐドアと、前記ケース内に配され前記エアバッグをケース側壁に固定するバッグリテーナとを備えるエアバッグ装置において、前記ドアの裏面から前記ケースの開口縁部に取り付けられる取付壁が突設され、この取付壁に係止用孔が設けられ、該取付壁が、前記ケースの開口縁部の内側においてケース側壁と前記バッグリテーナとの間に配され、前記ケースと前記バッグリテーナの少なくとも一方に、前記係止用孔に挿入される係止爪が設けられ、該係止爪で前記取付壁が係止されたことを特徴とする。
【0008】このエアバッグ装置であると、ドアの取付壁がケース側壁とバッグリテーナとの間でその少なくとも一方に設けられた係止爪により保持され、これによりドアがケースに取り付けられている。そのため、ドア固定プレート等の別部品を用いることなく、ドアをケースに取り付けることができ、従って、部品点数の削減、エアバッグ装置重量の低減が図られ、組立工数も少なくすることできる。また、ドアの取付壁がケースの内部にセットされているため、ケース側壁により取付壁の広がりを防止することができる。
【0009】本発明のエアバッグ装置においては、前記ケースと前記バッグリテーナの両方に前記係止爪が設けられ、両係止爪が上下に重なり合うように前記係止用孔に差し込まれていることが好適である。このようにケースとバッグリテーナの双方に係止爪を設けて両者を係止用孔で重ね合わせることにより、係止爪による取付壁の係止を強化して、ドアの取付固定をより確実にすることができる。
【0010】本発明のエアバッグ装置においては、前記ケースの側壁からケース内に向かって突出する前記係止爪が設けられ、前記取付壁が前記ケース内に差し込まれる取付面部と前記ケース外の根元部との間に段差を有する場合がある。このように取付壁に段差を設けることにより、ドアをケースにセットする際に、取付壁が、段差部を屈曲点として弾性変形しやすく、ケース側壁から突出する係止爪を簡単に乗り越えることができるので、ドアをケースにセットしやすい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】図1は本発明の1実施形態に係るエアバッグ装置10の縦断面図であり、図2は同エアバッグ装置10の斜視図、図3は同エアバッグ装置10の分解斜視図である。
【0013】このエアバッグ装置10は、自動車の助手席前方のインストルメントパネル(不図示)内に配設される助手席用エアバッグ装置であり、上方に開口するケース12内にエアバッグ14とインフレータ16が収納保持され、ケース12の開口部がドア18により覆われている。
【0014】ケース12は、水平断面矩形の金属製容器であり、下側に位置する小幅のインフレータ収納部20と、上側に位置する大幅のバッグ収納部24とを、水平な段部22で結合した形状を有する。インフレータ収納部20は、略円筒状をなすインフレータ16の周面に沿うように縦断面略U字状に形成されている。バッグ収納部24は、扁平な角筒状をなし、ケース12の開口縁部を構成している。
【0015】エアバッグ14は、その口元部26がバッグリテーナ28を介してケース12の内側面に固定されており、折畳まれた状態でケース12内のバッグ収納部24の内側に収納されている。図3に示すように、バッグリテーナ28は、ケース12のバッグ収納部24に対応する矩形枠状をなしている。バッグリテーナ28には、下方に突出するボルト30が固設されており、このボルト30を、エアバッグ口元部26の貫通孔32及びケース段部22の貫通孔34に通して、ナット36で締めることにより、バッグリテーナ28はケース12の段部22に固定されている。
【0016】ドア18は、ケース12の上面開口部を塞ぐ合成樹脂製の蓋材であり、折畳まれたエアバッグ14の上面を覆う略矩形状の上面部38と、上面部38から下方に突出してケース12の側面に取り付けられる取付壁40とより構成されている。
【0017】上面部38には、エアバッグ14の展開圧力により破断する薄肉状の開裂部42が設けられており、この開裂部42が破断することにより上面部38は開口して、エアバッグ14がケース12外に膨出できるように構成されている。
【0018】取付壁40は、ケース12の開口縁部に対応して上面部38の裏面から枠状に突出形成されている。この実施形態では、ケース12の長辺側の開口縁部に対応する前後一対の取付壁40が、それぞれケース12の開口縁部に取付固定される。 この前後の取付壁40には、ケース12内に差し込まれる取付面部40Aとケース12外の根元部40Bとの間に段差部40Cが設けられている。段差部40Cは、取付面部40Aと根元部40Bとを連結する傾斜面部であり、根元部40Bの下端から下方かつ内側に傾斜して形成されている。
【0019】前後の取付壁40には、それぞれ、矩形状の係止用孔44が横方向に複数個(この実施形態では3個)所定の間隔をあけて設けられている。係止用孔44は、取付面部40Aから段差部40Cにかけて上下方向に細長く形成されている。
【0020】図1に示すように、前後の取付壁40は、ケース12の開口縁部の内側においてケース12側壁とバッグリテーナ28との間で挟み込まれるように配されている。詳細には、取付壁40は、バッグ収納部24におけるケース側壁の内側面に重ね合わされるようにケース12内に差し込まれている。バッグリテーナ28は、段部22上に固定される固定面部46と、この固定面部46の外縁から垂直に立設された保持面部48とを備え、図4(b)に示すように、この保持面部48で取付壁40の内側を支えてケース側壁との間で該取付壁40を挟み込むように保持している。
【0021】そして、ケース12とバッグリテーナ28の双方に、ドア取付壁40の係止用孔44に挿入される水平な板状の係止爪50,52が設けられ、これら係止爪50,52で取付壁40が係止されている。
【0022】詳細には、バッグ収納部24におけるケース側壁には、ケース12内に向かって突出する複数個(この実施形態では3個)のケース側係止爪50が切り起こしにより設けられている。また、バッグリテーナ28には、保持面部48の上端から上方に突出し、更に外側に折曲されることで、外側に突出する複数個(この実施形態では3個)のリテーナ側係止爪52が設けられている。そして、図4(a)に示すように、両係止爪50,52は、上下に重なり合うように係止用孔44に差し込まれている。
【0023】つぎに、このエアバッグ装置10を組み立てる手順について説明する。
【0024】まず、折畳まれたエアバッグ14の口元部26にバッグリテーナ28をセットする。その際、バッグリテーナ28のボルト30を口元部26の貫通孔32に貫通させるとともに、リテーナ側係止爪52を口元部26に設けた長孔54に挿通させる。そして、このエアバッグ14を、図5(a)に示すように、ドア18の取付壁40の内側に入れて、ケース12の上方からバッグ収納部24の内側に押し込む。その際、図5(b)に示すように、バッグリテーナ28を上方に押し上げておく。すると、取付壁40は、段差部40Cを屈曲点として先端側の取付面部40Aが内側に弾性変形することで、容易にケース側係止爪50を乗り越えて、図4(a)に示すように、ケース側壁とバッグリテーナ28との間に差し込まれる。その後、バッグリテーナ28のボルト30をケース12の外側からナット36で締結することにより、ドア18がケース12に固定され、エアバッグ装置10が組み立てられる。
【0025】以上よりなる本実施形態のエアバッグ装置10であると、ドア取付壁40がケース12の側壁とバッグリテーナ28との間でその双方に設けられた係止爪50,52により保持され、これによりドア18がケース12に取り付けられているので、ドア固定プレート等の別部品を用いることなく、ドア18をケース12に取り付けることができる。従って、上記した従来構造に対して、部品点数が少なく、エアバッグ装置重量の低減されており、また、組立工数も少ない。
【0026】また、ケース12とバッグリテーナ28の双方に設けた係止爪50,52がドア取付壁40の係止用孔44で互いに重ね合わされているため、係止爪50,52による取付壁40の係止強度が高く、エアバッグ14の展開時にドア取付壁40の上方への動きを確実に防止することができる。
【0027】更に、ドア18の取付壁40がケース12の内部にセットされているため、ケース側壁が上記従来のドア固定プレートと同じ役割を持ち、ケース側壁によって取付壁40の広がりを防止することができる。
【0028】図6は、バッグリテーナ28のケース12への固定手段を変更した例を示す断面図である。この例では、バッグリテーナ28に、ボルト30を設ける代わりに、ケース12の段部22に設けた貫通孔64から外側に突出する係止凸部60を設け、ケース12の外側でこの係止凸部60の内側にかんぬき62を通すことにより、バッグリテーナ28をケース12に固定している。
【0029】なお、上記実施形態では、助手席用エアバッグ装置について説明したが、本発明は、助手席用エアバッグ装置に限定されず、例えば、運転席用エアバッグ装置にも同様に適用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明のエアバッグ装置であると、ドア取付壁をケース側壁とバッグリテーナとの間で係止爪により保持したことから、ドア固定プレート等の別部品を用いることなく、ドアをケースに取り付けることができ、従って、部品点数の削減、エアバッグ装置重量の低減が図られ、組立工数も少なくすることできる。また、ドアの取付壁がケースの内部にセットされているため、ケース側壁により取付壁の広がりを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
【公開番号】 特開2001−354096(P2001−354096A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−176594(P2000−176594)