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【発明の名称】 自動車乗員頭部の保護装置
【発明者】 【氏名】小杉 教之

【要約】 【課題】自動車乗員頭部保護用のバッグがサイドドアに沿って、それから離反することなく下方に膨張する頭部保護装置を提供する。

【解決手段】自動車のドアの上辺に沿ってAピラー20からCピラー22までバッグ1が配置され、インフレータ2によって膨張可能とされている。Bピラー21には上下方向にガイドレール30が延設され、バッグ1のフラップ10が、該ガイドレール30のスライダ31に連結されている。バッグ1が膨張する際に、フラップ10はガイドレール30に沿って案内されて下方に広がる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車の室内の天井部と側面部との交叉隅部付近に配置され、導入されるガスによって該側面部に沿って下方に膨張するバッグと、該バッグ内にガスを供給するインフレータとを有する自動車乗員頭部の保護装置において、該自動車のピラーに案内部材を設け、該バッグが膨張する際に該案内部材に案内されるようにしたことを特徴とする自動車乗員頭部の保護装置。
【請求項2】 請求項1において、前記案内部材はガイドレールであり、該ガイドレールに沿ってスライド自在なスライダが設けられており、前記バッグが該スライダに連結されていることを特徴とする自動車乗員頭部の保護装置。
【請求項3】 請求項2において、バッグの下端部が該スライダに連結されていることを特徴とする自動車乗員頭部の保護装置。
【請求項4】 請求項3において、膨張したバッグの下縁に、該下縁に沿う方向のテンションが生じるようにガイドレールが斜めに設けられていることを特徴とする自動車乗員頭部の保護装置。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項において、少なくとも2個のピラーに前記案内部材が設けられ、前記バッグがこれらの案内部材によって膨張時に案内されることを特徴とする自動車乗員頭部の保護装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車乗員頭部の保護装置に係り、詳しくは自動車の側面衝突時や横転時等にサイドドア等に沿って膨張するバッグを有した保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のタイプの自動車乗員頭部の保護装置はWO96/26087に記載されており、とくにそのFIG1及びFIG9に示されている。この公知のバッグにあっては、空室はバッグの上縁に沿ってバッグの車両前方側の端部(前端部)から車両後方側の端部(後端部)まで延在するダクト部と、該ダクト部に連なり下方に向って延びる多数のセル部とからなる。インフレータからのガスが該ダクト部を介してセル部に導入され、これによりバッグがサイドドア等に沿って下方に膨張する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バッグがサイドドア等から離れることなく、その直近を通って下方に向って膨張する自動車乗員頭部の保護装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車乗員頭部の保護装置は、自動車の室内の天井部と側面部との交叉隅部付近に配置され、導入されるガスによって該側面部に沿って下方に膨張するバッグと、該バッグ内にガスを供給するインフレータとを有する自動車乗員頭部の保護装置において、該自動車のピラーに案内部材を設け、該バッグが膨張する際に該案内部材に案内されるようにしたことを特徴とするものである。この案内部材はガイドレールであり、該ガイドレールに沿ってスライド自在なスライダが設けられており、前記バッグが該スライダに連結されていることが好ましい。また、バッグの下端部が該スライダに連結されていることが好ましい。
【0005】かかる自動車乗員頭部の保護装置によると、バッグは案内部材によって案内され、サイドドア等から離れることなく、その直近に沿って下方に膨張する。
【0006】本発明では、膨張したバッグの下縁に、該下縁に沿う方向のテンションが生じるようにガイドレールが斜めに設けられていることが好ましい。
【0007】本発明では、1個のピラーにのみ案内部材が設けられていてもよく、2以上のピラーに案内部材が設けられていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。第1図は本発明の実施の形態に係る自動車乗員頭部の保護装置を備えた自動車内部の側面図、第2図はこの保護装置のバッグ及びインフレータを示す側面図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図、第4図はガイドレールの構成を示す斜視図である。
【0009】この自動車乗員頭部の保護装置は、自動車の室内の天井部と側面部との交叉隅部付近に配置されたバッグ1と、このバッグ1を膨張させるためのインフレータ2とを備えている。この実施の形態にあっては、バッグ1はAピラー20の上下方向の中間付近からフロントドアの上部、Bピラー21の上部及びリヤドアの上部を通ってCピラー22の上下方向の途中部分にまで延在している。また、インフレータ2は、このバッグ1の後端に接続され、Cピラー22内に配置されている。
【0010】このバッグ1は、インフレータ2からのガスがガス導入部4を介して空室3に導入され、膨張するよう構成されている。このバッグ1の上部には、このバッグ1を車体に取り付けるための孔5が設けられており、ボルト7が該孔5に通されて車体8に螺じ込まれることにより、第3図の如くバッグ1の上辺部分が固定される。なお、バッグ1の前端を除き、バッグ1の上辺からは上方にフラップ6が突設され、このフラップ6に孔5が設けられている。
【0011】この実施の形態にあっては、バッグ1の下辺部分のうちBピラー21に重なる部分に、下方に向ってフラップ10が突設され、このフラップ10に孔11が設けられている。Bピラー21には、上下方向にガイドレール30が設けられ、このガイドレール30に沿ってスライド自在なスライダ31が設けられている。フラップ10は、このスライダ31にボルトやリベット9等によって固定されている。なお、第4図(a)に示すように、ガイドレール30の前面側には、上下方向に延在するスリット32が設けられている。
【0012】ガイドレール30は、第4図(a)では方形断面形状となっているが、第4図(b)のガイドレール30’のように円形或いは楕円形断面形状等とされても良い。このガイドレール30,30’は車体8に対し溶接等により固着されている。また、ガイドレールについては、車両側を利用して上記方形及び楕円形断面形状を構成することも可能である。
【0013】バッグ1は、第3図のように折り畳まれて車両の天井に沿って配置されており、ガーニッシュ33によって覆われている。このガーニッシュ33は、第3図の二点差線で示すようにバッグ1が膨張するときに前方に開き出し、バッグ1が下方に膨張する。また、ガイドレール30はカバー34によって覆われている。このカバー34は、バッグ1が膨張する際に縦方向に開裂するようにテアライン等が設けられている。
【0014】このように構成された保護装置にあっては、自動車が衝突したり横転した場合に、インフレータ2がガスを発生し、バッグ1が下方向に向って膨張する。この際、バッグ1の下端のフラップ10がガイドレール30に沿って移動するため、バッグ1が車両のサイドドア及びBピラー21から離れることなく、これらに沿って下方に広がる。
【0015】上記実施の形態にあっては、Bピラー21にのみガイドレール30が設けられているが、本発明では第5,6図に示すように、Cピラー22にもガイドレール40を設けても良い。この第5,6図のバッグ1Aにあっては、後部下端から後方に向ってフラップ12が延設され、このフラップ12に設けられた孔にボルト又はリベット13等が挿通されてガイドレール40のスライダに取り付けられている。この保護バッグ1Aは、該バッグ1Aが下方に膨張する際に、2個のガイドレール30,40によって案内される。
【0016】この本発明では、第7図に示すように、ガイドレール30は、バッグ1Aの前端孔5との間隔が下方に行くにしたがって広くなるように、また、ガイドレール40は、ガイドレール30との間隔が下方に行くにしたがって広くなるように斜めに配置し、バッグ1Aが下方に膨張した際に、該バッグ1Aの下縁に沿ってテンション(張力)を発生させるようにしても良い。第7図では、バッグ1Aの前端の孔5及びガイドレール30,40のそれぞれの間の部分において強い張力が発生する。
【0017】図示はしないが、本発明にあっては、Aピラー、Bピラー及びCピラーの全てに同様のガイドレールを設けても良い。
【0018】本発明では、第9図に示すトラック等のようにAピラー20及びBピラー21の2個のピラーのみが設けられている場合には、このAピラー20とBピラー21との間の部分にのみバッグを配置する。第9図はこのバッグ1Bの側面図である。第9図の通り、バッグ1Bの後端の下部がボルト又はリベット14によってガイドレール30のスライダに連結されている。
【0019】第8,9図では、Aピラー20にインフレータ2が配置されているが、第10図のバッグ1Cの通り、該バッグ1Cの後端上部にインフレータ2を接続しても良い。この場合、Aピラー20に沿ってガイドレール50を設け、Bピラーのガイドレール30とAピラーのガイドレール50との2本のガイドレールによってバッグ1Cを案内するようにしても良い。また、この場合、ガイドレール30,50をそれらの下端同士が離反するように斜めに設けても良い。このバッグ1Cの後端下部にあっては、後方にフラップ15が延設され、このフラップ15がボルト又はリベット16によってガイドレール30のスライダに連結されている。また、バッグ1Cの前端下部からフラップ17が突設され、このフラップ17がボルト又はリベット18によってガイドレール50のスライダに連結されている。
【0020】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、自動車のサイドドア等に沿って、それらから離反することなくバッグが下方に膨張する自動車の乗員頭部の保護装置が提供される。本発明にあっては、このバッグの下端に、下縁に沿ってテンションを発生させるように構成することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000108591
【氏名又は名称】タカタ株式会社
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【公開番号】 特開2001−260796(P2001−260796A)
【公開日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【出願番号】 特願2000−82503(P2000−82503)