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【発明の名称】 自動車のバンパ
【発明者】 【氏名】渡辺 正俊

【要約】 【課題】合成樹脂製の自動車のバンパにおいて、衝突時の衝撃を吸収する緩衝体を一体に形成する。

【解決手段】車幅方向へ間隔を置いて配列される複数個のリブ10、11が、空気取り入れ口2の上周面5aの後方への途中位置に形成されたインテグラルヒンジ部10c、11cを介して空気取り入れ口領域に一体に形成される。上周面5aのリブ10、11に隣接する側縁には、上周面5aの先端からインテグラルヒンジ部10、11まで切込み5bが形成される。リブ10、11の形状が、インテグラルヒンジ部10c、11cを支点として空気取り入れ口領域から上方へ回動させられることにより、リインフォース17の正面及び底面に緩衝体として対面して切込み5bで保持され得るように設定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バンパ正面から内部に曲る周面を有する方形状のラジエータ用空気取り入れ口を備えると共に、この空気取り入れ口の上後方に配置されているリインフォース間に緩衝体が介在する合成樹脂製の自動車のバンパにおいて、車幅方向へ間隔を置いて配列される複数個のリブが、空気取り入れ口の上周面の後方への途中位置に形成されたインテグラルヒンジ部を介して前記空気取り入れ口領域に一体に形成されると共に、前記上周面のリブに隣接する側縁には、前記上周面の先端から前記インテグラルヒンジ部まで切込みが形成され、前記リブの形状が、前記インテグラルヒンジ部を支点として前記空気取り入れ口領域から上方へ回動させられることにより、リインフォースの正面及び底面に緩衝体として対面して前記上周面の前記側縁で保持され得るように設定されていることを特徴とする自動車のバンパ。
【請求項2】 リブが、断面方形状のリインフォースの正面及び底面に対面する正面部及び底面部よりほぼL字形に形成され、前記底面部が、前記リインフォースの前記底面に対面した状態で上周面と同一面状の位置を占めて前記上周面の先端よりも後方へ延びていることを特徴とする請求項1記載の自動車のバンパ。
【請求項3】 空気取り入れ口の車幅方向の中央部に対して上側のバンパ正面に、ライセンスプレート取付け用凹部が形成され、この凹部領域の複数個のリブが、凹部の裏面の膨出により一体に形成された正面部と、上周面の途中のインテグラルヒンジを介して一体に形成された底面部とで構成され、この底面部の形状が、前記インテグラルヒンジ部を支点として空気取り入れ口領域から上方へ回動させられることにより、リインフォースの底面に対面して前記上周面の側縁で保持され得るように設定されていることを特徴とする請求項1記載の自動車のバンパ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエータ用の空気取り入れ口の上後方に配置されているリインフォース間に緩衝体を介在させるようになった合成樹脂製の自動車のバンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5はこの種のバンパを示すもので、ラジエータ8に空気を送風するための周面5付の空気取り入れ口2を備えたバンパ1と、背後のボデー側に固定されたリインフォース7間に発泡スチロール等の緩衝体6が間挿されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、バンパの組付けに際して別体の緩衝体をリインフォースに接着する等の取付け作業を必要とし、またその管理にもコストを要する。
【0004】本発明は、このような点に鑑みて、衝突時の衝撃を吸収する緩衝体が一体に形成されている合成樹脂製の自動車のバンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、バンパ正面から内部に曲る周面を有する方形状のラジエータ用空気取り入れ口を備えると共に、この空気取り入れ口の上後方に配置されているリインフォース間に緩衝体が介在する合成樹脂製の自動車のバンパにおいて、車幅方向へ間隔を置いて配列される複数個のリブが、空気取り入れ口の上周面の後方への途中位置に形成されたインテグラルヒンジ部を介して空気取り入れ口領域に一体に形成されると共に、上周面のリブに隣接する側縁には、上周面の先端からインテグラルヒンジ部まで切込みが形成され、リブの形状が、インテグラルヒンジ部を支点として空気取り入れ口領域から上方へ回動させられることにより、リインフォースの正面及び底面に緩衝体として対面して上周面の側縁で保持され得るように設定されていることを特徴とする。
【0006】リブが、樹脂バンパの成形時に空気取り入れ口領域の空間部分を利用して一体に形成される。リブは、回動状態で上周面の切込み部分である側縁により保持されてリインフォースの正面及びバンパ正面の裏面間に緩衝体として介在し、リインフォースの底面を緩衝体としてカバーする。
【0007】リインフォースの底面に対面するリブ部分に緩衝体以外の機能を追加するためには、請求項2により、リブが、断面方形状のリインフォースの正面及び底面に対面する正面部及び底面部よりほぼL字形に形成され、底面部が、リインフォースの底面に対面した状態で上周面と同一面状の位置を占めて上周面の先端よりも後方へ延びている。
【0008】空気取り入れ口の車幅方向の中央部に対して上側のバンパ正面に、ライセンスプレート取付け用凹部が形成される場合に、構造を簡単にするためには、請求項3により、空気取り入れ口の車幅方向の中央部に対して上側のバンパ正面に、ライセンスプレート取付け用凹部が形成されこの凹部領域の複数個のリブが、凹部の裏面の膨出により一体に形成された正面部と、上周面の途中のインテグラルヒンジを介して一体に形成された底面部とで構成され、この底面部の形状が、インテグラルヒンジ部を支点として空気取り入れ口領域から上方へ回動させられることにより、リインフォースの底面に対面して上周面の側縁で保持され得るように設定されている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1乃至図3を基に本発明の実施の形態の一例による自動車のバンパを説明する。図1及び図2に示すように、合成樹脂製のバンパ9は、車幅方向へ延在する方形状のラジエータ用空気取り入れ口2を備え、その車幅方向の中央部に対して上側のバンパ正面3にライセンスプレート取付け用の凹部4が形成されている。空気取り入れ口2の周囲には、バンパ正面3から内部のラジエータ8に向けて水平方向に曲る上下左右の周面5が形成されている。空気取り入れ口2の上後方には、断面方形の前倒した形状のリインフォース17がボデー側に固定されている。
【0010】図3に示すように、バンパ9の成形に際して、空気取り入れ口2の領域には、完全な開口部に成形するのに代えて、空気取り入れ口2の上周面5aの途中位置にインテグラルヒンジ部10cを介して連続し、かつ車幅方向へ間隔を置いた複数個のリブ10が形成され(同図A)、さらに凹部4の領域の上周面5aの途中位置にはインテグラルヒンジ部11cを介して複数個のリブ11が形成されている(同図B)。
【0011】上周面5aのリブ10、11に隣接する側縁には、上周面5aの先端からインテグラルヒンジ部10c、11cまで切込み5bが形成されている。リブ10は、上周面5aよりも上方へ回動させられることにより、リインフォース17の斜めの正面及びバンパ正面3間に介在する位置を占め得る正面部10aと、リインフォース17の底面に上周面5aに同一面状の位置で対面する位置を占め得る底面部10bよりほぼL字形に形成されている。リインフォース17の正面に対向するパンパ正面3の裏面には突起3aが形成され、正面部10aには回動により突起3aに係合する凸状の係合部10dが形成されている。底面部10bの長さは、回動位置で上周面5aよりも先方へ延びるように設定されている。
【0012】同様に、リブ11は、上周面5aよりも上方へ回動させられることにより、リインフォース17の正面間に介在する位置を占め得る正面部11a及び底面に対面する位置を占め得る底面部11bよりほぼL字形に形成されている。凹部4の裏面には突起4aが形成され、正面部11aには回動により突起4aに係合する凹状の係合部11dが形成されている。底面部11bの長さは、回動位置で上周面5aよりも先方へ延びるように設定されている。
【0013】バンパ9のボデーへの組み付けに際しては、リブ10は、図1Aに示すように、インテグラルヒンジ部10cを支点として回動させ、係合部10dを突起3aに係合させる。同時に、回動したリブ10は、底面部10bが両隣の上周面5aの切込み5bで形成された側縁に摩擦係合することによっても保持される。これにより、リブ10は、底面部10bの底面が上周面5aと同一面状になって、図1Cに示すように、空気取り入れ口2の凹部4の領域を除く全域にわたり間隔を置いて配列される。同様に、リブ11は、図1Bに示すように、インテグラルヒンジ部11cを支点として回動させ突出部11dを突起4aに係合させ、底面部11bを両隣の上周面5aの側縁に摩擦係合させることにより、空気取り入れ口2の凹部4の領域の全域にわたり間隔を置いて配列される。
【0014】したがって、バンパ9がボデーへの組み付けられた状態で、上周面5aの内方へ食込んだ位置のインテグラルヒンジ部10c、11cを支点として90°よりも僅かに大きく回動した正面部10a、11aは、バンパ正面3及び凹部4と前倒した形状のリインフォース17の正面間に殆ど隙間なく介在することにより、正面からの衝突荷重に対して緩衝作用を呈する。底面部10b、11bは斜め下方からの衝突荷重に対して緩衝作用を呈すると共に、上周面5aと同一面状にさらに延びることにより、空気取り入れ口2から流入する空気に対してラジエータ8に向ける整流作用或は見栄えを改善する。さらに、リブ10、11により、空気取り入れ口2の周辺が補強されて剛性が向上する。
【0015】さらに、別の実施の形態として上周面の切込みは、成形後の加工に依らずに、成形時に細隙を持たせて形成し、リブ10、11の底面部10b、11bの底面近辺の形状を回動終了時に上周面5aの側縁に係合するように部分的に幅広にすることも考えられる。
【0016】図4はさらに別の実施の形態を示すもので、凹部4の領域の複数個のリブ20が、凹部4の裏面の膨出により一体に形成された正面部20aと、上周面5aの途中のインテグラルヒンジ20cを介して一体に形成された底面部20bとで簡単な構造で形成されている。凹部4は、間欠的に肉厚にすることにより変形が生じたとしてもライセンスプレートで隠れる。同様に、底面部20bは上周面5aの側縁に係合する。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、衝突時の緩衝作用を与えるリブがバンパと一体に形成されるためにコスト上有利となる。空気取り入れ口周辺のバンパの剛性も向上する。請求項2の発明によれば、空気取り入れ口から流入した空気に対してラジエータへの整流作用も得られ、またリインフォースの底面が間欠的にカバーされることにより見栄えも良くなる、請求項3の発明によれば、ライセンスプレート取付け用凹部のリブが、部分的に肉厚部で形成することにより一体構造が簡略化される。
【出願人】 【識別番号】000157083
【氏名又は名称】関東自動車工業株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】 【識別番号】100083208
【弁理士】
【氏名又は名称】福留 正治
【公開番号】 特開2001−10422(P2001−10422A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−185498