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【発明の名称】 ピラーガーニッシュ
【発明者】 【氏名】鎌野 芳文

【要約】 【課題】衝撃エネルギー吸収特性を阻害することなくピラーガーニッシュ本体に衝撃吸収体を強固に固定させることができ、ピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収体との組立てを効率よく実施することが可能な衝撃吸収体を内蔵したピラーガーニッシュを提供する。

【解決手段】ピラーガーニッシュ本体(11)は、衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部(12c) の設置範囲外の裏面側末端部に車体ピラーに取付けるピラー取付部(14)を有している。衝撃吸収体(12)は、前記ピラー取付部(14)の対応部位に前記ピラーガーニッシュ本体(11)と前記車体ピラーとの間に挟着固定される挟着固定部(15)を設け、同挟着固定部(15)の固定位置と前記ピラー取付部(14)の取付位置とを分散させずに合致させている。前記衝撃吸収体(12)は前記ピラーガーニッシュ本体(11)と車体ピラーとの間に強固に挟着固定され、前記衝撃吸収部(12c) の衝撃エネルギー吸収特性を阻害することがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】衝撃吸収体を内蔵したピラーガーニッシュであって、車体のピラーの室内側を覆って取り付けられるピラーガーニッシュ本体と、同ピラーガーニッシュ本体の裏面に固定され、衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部を有する衝撃吸収体とを備えてなり、前記ピラーガーニッシュ本体は、前記衝撃吸収部の設置範囲外の裏面側末端部に前記車体のピラーに取り付けるためのピラー取付部を有しており、前記衝撃吸収体は、前記ピラー取付部の対応部位に設けられ、前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に挟着固定される挟着固定部を有してなることを特徴とするピラーガーニッシュ。
【請求項2】衝撃吸収体の前記挟着固定部は、ピラーガーニッシュ本体の前記ピラー取付部を挿通させる挿通口を有しており、同挿通口を介して前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に挟着固定されてなる請求項1記載のピラーガーニッシュ。
【請求項3】前記ピラーガーニッシュ本体の中央部には、その長手方向に沿ってシートベルト高さ位置調節用の開口が形成されており、前記ピラー取付部はピラーガーニッシュ本体の前記開口の長手方向に沿った末端に配されてなる請求項1又は2記載のピラーガーニッシュ。
【請求項4】前記ピラーガーニッシュ本体の前記ピラー取付部と前記衝撃吸収体の前記挟着固定部とは、互いに係着する係着構造を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載のピラーガーニッシュ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝撃吸収体を内蔵するピラーガーニッシュに係わり、特に衝撃エネルギー吸収特性を阻害することなくピラーガーニッシュ本体に衝撃吸収体を強固に固定させることができ、ピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収体との組立てを効率よく実施することを可能にした衝撃吸収体を内蔵するピラーガーニッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ピラーガーニッシュは車体ピラーの室内側を覆うための樹脂材からなる内装部品であり、さらに適宜塗装やクロス貼り等を施したものもあり、例えば耐久性、量産性、外観意匠性、安全性や重量軽減等を満足すると同時に、車両が衝突した場合には、乗員が車室内にぶつかったときに受ける衝撃を緩和させる機能を備えている必要がある。
【0003】この従来のピラーガーニッシュの一例が、例えば特開平10−35373号公報に開示されている。同公報に開示されたピラーガーニッシュは車体ピラーの室内側を覆って取り付けられる縦長形状の硬質樹脂製のピラーガーニッシュ本体と、同ピラーガーニッシュ本体の裏面に取り付けられ、硬質樹脂製の格子状の衝撃吸収リブ体とを備えている。同衝撃吸収リブ体は縦リブ及び横リブにより構成された複数の格子部からなる。
【0004】前記ピラーガーニッシュ本体の裏面には、前記衝撃吸収リブ体を固着するための複数の溶着用突起と同突起の対応部位に弾性クリップ装着用開口が形成された門型板状の複数のクリップ着座部とが所定の間隔をおいて立設されている。同クリップ着座部の長手方向左右両側の側壁上端部には、前記ガーニッシュ本体の裏面側に向かって突出量を漸増させた三角形状の仮固定爪が突設されている。
【0005】一方、前記衝撃吸収リブ体の格子部にはピラーガーニッシュ本体の前記溶着用突起を固着させるための突起固着用格子部と、ピラーガーニッシュ本体の前記クリップ着座部を固定させるための着座部固定用格子部とを有している。前記突起固着用格子部には前記溶着用突起の挿入孔を有する底板が設けられていると共に、前記着座部固定用格子部は長手方向の縦リブの上側端面の略中央部分に前記クリップ着座部の仮固定爪を係合させる仮固定溝を有している。
【0006】上述のごとく構成されたピラーガーニッシュ本体に衝撃吸収リブ体を固着する際には、先ず、前記ガーニッシュ本体におけるクリップ着座部の左右一対の仮固定爪と衝撃吸収リブ体における前記着座部固定用格子部の左右一対の仮固定溝とを係合させる。次いで、前記ピラーガーニッシュ本体のクリップ着座部を前記衝撃吸収リブ体の着座部固定用格子部に嵌め込んで押圧すると同時に、前記ピラーガーニッシュ本体の溶着用突起を前記衝撃吸収リブ体の突起固着用格子部底板の挿入孔に差し込む。こうして前記ピラーガーニッシュ本体の裏面に前記衝撃吸収リブ体を仮固定する。
【0007】続いて、前記衝撃吸収リブ体の突起固着用格子部の底板から突出している溶着用突起の頭部を熱カシメにより溶融して押し潰し、前記突起固着用格子部の底板の挿通孔周縁に固着させる。こうして、ピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収リブ体とを一体化させる。そして、ピラーガーニッシュ本体のクリップ着座部に取り付けた弾性クリップを車体ピラーに穿設された取付孔に挿入嵌着させ、ピラーガーニッシュ本体の裏面と車体ピラーとの間に衝撃吸収リブ体を介装させた状態で、ピラーガーニッシュ本体を車体ピラーに強固に取り付けるようになっている。
【0008】かかる従来のピラーガーニッシュによれば、前記ピラーガーニッシュ本体のクリップ着座部に設けられた仮固定爪は、前記クリップ着座部のクリップ装着用開口を成形する射出成形用スライド型のスライド方向に対して直交方向に形成されるため、クリップ装着用開口成形用の前記スライド型をもって前記仮固定爪及び前記クリップ着座部を同時に成形することができ、ピラーガーニッシュ本体成形用金型の構造が簡単となり、安価に簡単に成形することができるという利点を有するというものである。
【0009】更に、上記従来の固定構造は、前記ピラーガーニッシュ本体のクリップ着座部の仮固定爪と前記衝撃吸収リブ体の着座部固定用格子部に形成された仮固定溝との係合が前記着座部固定用格子部の略中間位置でなされるため、係合時の前記衝撃吸収リブ体の押圧により格子部の縦リブが撓みやすく、組付けや一体化が容易であるという利点を有するというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収リブ体との固定構造は、車両が衝突した際の衝撃によって乗員がピラーガーニッシュ本体にぶつかったときの衝撃により衝撃吸収リブ体がピラーガーニッシュ本体から離脱することがないように、ピラーガーニッシュ本体内に衝撃吸収リブ体を正確な位置で強固に固定する必要がある。また、ピラーガーニッシュ本体に内蔵した衝撃吸収リブ体は、衝撃時に所定の変形量を確保して所望の衝撃エネルギー吸収特性を適切に発揮することが重要である。
【0011】ところで、上記公報に開示されたピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収リブ体との固定構造にあっては、上述のように衝撃吸収リブ体の前記突起固着用格子部内の底板に熱カシメにより固着されたピラーガーニッシュ本体の溶着用突起と、車体ピラーに取り付けるための弾性クリップ装着用のクリップ着座部とが、衝撃が加わった際に弾性変形することにより衝撃を吸収する格子部の異なる位置に分離して配されている。
【0012】かかる構成によれば、ピラーガーニッシュ本体及び衝撃吸収リブ体の固着位置と車体ピラー及びピラーガーニッシュ本体の取付位置とが離間していると、衝撃時における衝撃荷重により、衝撃を受けない前記固着位置或いは取付位置においてピラーガーニッシュ本体及び衝撃吸収リブ体を離間させる方向に、或いはピラーガーニッシュをピラーから引き剥がす方向に大きな力が発生するようになる。これらの大きな力を考慮すると、固着強度の大きな固定構造が必要となり、結果的にはそれらの固定部が大型化する。
【0013】一方、前記突起固着用格子部の底板と前記クリップ着座部とを考慮して前記衝撃吸収リブ体の衝撃荷重変形特性を調節することは難しい。しかも、前述のごとく前記突起やクリップ着座部等の固定部が大型化すると、衝撃吸収リブ体の格子部を区画する縦横リブの潰れを阻害して潰れた縦横リブの逃げ場が少なくなり、縦横リブの変形量が少ないうちに衝撃荷重が上昇してしまうため有効な衝撃吸収ストロークが短くなり、衝撃吸収効率が悪い。例えば、乗員の頭部が車体ピラーとの衝突により大きな強い反発力を受け、乗員の安全を充分に確保することが困難となる。
【0014】本発明は、かかる従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、衝撃吸収体の衝撃エネルギーを効果的に吸収でき、ピラーガーニッシュ本体に衝撃吸収体を効率的に、容易に、正確に且つ確実に取り付けることを可能とした衝撃吸収体を内蔵したピラーガーニッシュを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的は本件請求項1〜4に記載された各発明により効果的に達成される。請求項1に係る発明は、衝撃吸収体を内蔵したピラーガーニッシュであって、車体のピラーの室内側を覆って取り付けられるピラーガーニッシュ本体と、同ピラーガーニッシュ本体の裏面に固定され、衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部を有する衝撃吸収体とを備えてなり、前記ピラーガーニッシュ本体は、前記衝撃吸収部の設置範囲外の裏面側末端部に前記車体のピラーに取り付けるためのピラー取付部を有しており、前記衝撃吸収体は、前記ピラー取付部の対応部位に設けられ、前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に挟着固定される挟着固定部を有してなることを特徴とするピラーガーニッシュである。
【0016】本発明によれば、前記ピラーガーニッシュ本体は前記衝撃吸収部の設置範囲外の裏面側末端部に前記ピラー取付部を有しており、前記衝撃吸収体は前記ピラー取付部の対応部位に前記挟着固定部を設けている。このため、前記ピラーガーニッシュ本体のピラー取付部の取付位置と前記衝撃吸収体の挟着固定部の固定位置とを分散させずに一致させ、前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に前記衝撃吸収体を強固に挟着固定させることが可能となり、しかも車両が衝突した際の衝撃によって乗員がピラーガーニッシュ本体にぶつかったときの衝撃により、少なくとも前記衝撃吸収体がピラーガーニッシュ本体から離脱することがない。
【0017】また、上述のように前記ピラーガーニッシュ本体は前記衝撃吸収部の設置範囲外の裏面側末端部に前記ピラー取付部を有しており、前記衝撃吸収体は前記ピラー取付部の対応部位に前記挟着固定部を設けているため、前記ピラー取付部及び前記挟着固定部の配置及び構造に影響されず、車両の衝撃時に、前記衝撃吸収体の衝撃吸収部は所定の変形量を確保でき、有効に衝撃を吸収して乗員の安全を確保することができる。
【0018】請求項2に係る発明にあっては、衝撃吸収体の前記挟着固定部は、ピラーガーニッシュ本体の前記ピラー取付部を挿通させる挿通口を有しており、同挿通口を介して前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に挟着固定されている。かかる構成によれば、衝撃吸収体の前記挟着固定部に形成された挿通口に前記ピラー取付部を挿通させ、前記挟着固定部と固着させることなく前記ピラー取付部を移動させる自由度を持たせた状態で前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に前記挟着固定部を固定させることが可能である。
【0019】このため、上記作用効果に加えて車両の衝突時に、たとえ前記ピラーガーニッシュ本体に大きな衝撃力が加わっても、その衝撃により前記ピラーガーニッシュ本体が前記衝撃吸収体を押さえ込む方向に力を作用させ、その作用力によって前記衝撃吸収体は前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間にいっそう強力に強固に挟着固定され、前記衝撃吸収体等を衝撃により飛散させることもなく前記衝撃吸収部の衝撃吸収が有効に確実に行われる。また、前記ピラー取付部を前記衝撃吸収体の固定部として兼用させることができ、衝撃吸収体の組立作業工程が簡略化される。
【0020】請求項3に係る発明は、前記ピラーガーニッシュ本体の中央部には、その長手方向に沿ってシートベルト高さ位置調節用の開口が形成されており、前記ピラー取付部はピラーガーニッシュ本体の前記開口の長手方向に沿った末端に配されていることを規定している。請求項3に係る発明によれば、上記作用効果に加えて前記衝撃吸収体の固定位置に影響されずに前記ピラーガーニッシュ本体の中央部の長手方向に沿ってシートベルト高さ位置調節用の開口を形成することができる。また、前記ピラー取付部は前記開口の長手方向に沿ったピラーガーニッシュ本体の末端中央部に配されているため、前記衝撃吸収体と前記ピラーガーニッシュ本体との固定構造を製品の幅方向の中央部に設定することが可能となり、取付力のバランスがよい。
【0021】そして、請求項4に係る発明によれば、前記ピラーガーニッシュ本体の前記ピラー取付部と前記衝撃吸収体の前記挟着固定部とは、互いに係着する係着構造を有してなることを規定している。かかる構成によれば、上記作用効果に加えて前記衝撃吸収体と前記ピラーガーニッシュ本体との位置合わせを効率よく容易に実施することができ、前記衝撃吸収体のエネルギー吸収特性を阻害することなく前記ピラーガーニッシュ本体の内部に前記衝撃吸収体を正確な位置で強固に確実に固定することができる。また、係脱可能な係着構造となっているため容易に分解交換も可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図5は本発明の代表的な実施例を示すもので、図1は本発明のピラーガーニッシュの一部を切欠して概略的に示す分解斜視図、図2は同ピラーガーニッシュ本体及び衝撃吸収体の要部を概略的に示す拡大分解斜視図であり、図3は同ピラーガーニッシュ本体及び衝撃吸収体を車体に取り付けた状態を説明するための図2のA−A線拡大断面図、図4は同ピラーガーニッシュ本体及び衝撃吸収体を車体に取り付けた状態を説明するための図2におけるB−B線拡大断面図、及び図5は同ピラーガーニッシュの組立状態を概略的に示す斜視図である。
【0023】これらの図において、符号10は図示せぬ車体パネルであるピラーの室内側を覆って取り付けられる本発明のピラーガーニッシュであり、同ピラーガーニッシュ10はガーニッシュ本体11と、衝撃荷重を吸収する衝撃吸収体12と、同衝撃吸収体12及び前記ガーニッシュ本体11の間に摺動自在に配されるスライドプレート13とを備えている。
【0024】前記ガーニッシュ本体11はタルク入りポリプロピレン樹脂材等からなり、平面部11a及び相対向する一対の側面部11b,11bが形成された略コ字断面状の開断面構造をなす長尺部材である。図示例によれば、かかるガーニッシュ本体11の平面部11aは長手方向の一端から他端にかけて裏面方向に向かって漸次緩やかに湾曲された湾曲形状をなしており、左右両側の側面部11b,11bは、その長手方向の一端から他端にかけて相対向する方向に向かって漸次緩やかに湾曲された湾曲形状をなしている。前記ガーニッシュ本体11の平面部11aの中央部には、図示せぬ三点式シートベルトの上側支点となるシートベルトアンカーの高さ位置調節用の縦に長い略長方形の開口部11cが形成されている。
【0025】本発明における衝撃吸収体12はポリプロピレン樹脂材等を射出成形することにより一体形成され、前記ガーニッシュ本体11の裏面に沿う形状とされている。前記衝撃吸収体12は前壁部12a及び左右一対の側壁部12b,12bと、これら壁部12a,12bの裏面に突設された衝撃吸収部12cとを有している。かかる衝撃吸収体12の前壁部12aの中央部には前記スライドプレート13の摺動を案内する縦に長い案内凹状部12dが形成され、同案内凹状部12dは前記ガーニッシュ本体11及び衝撃吸収体12の組み合わせ時に前記スライドプレート13の摺動空間を構成する。この案内凹状部12dの中央部には前記ガーニッシュ本体11の開口部11cの設置位置に対応する図示せぬシートベルトアンカー挿通用の略長方形の挿通開口部12eが形成されている。
【0026】前記衝撃吸収体12の衝撃吸収部12cは、衝撃が加わった際に塑性変形することにより衝撃荷重を吸収する複数の格子状の衝撃吸収リブ12f …,12fにより構成されている。図示例によれば、前記衝撃吸収リブ12fは前記挿通開口12eを除く衝撃吸収体12の各壁部12a,12bの裏面方向に開放され、所定間隔を介して平行に配されている。前記衝撃吸収リブ12fの長手方向両側の端部は中央部分の設定突出寸法よりも高く突設されている。
【0027】前記スライドプレート13はオレフィン系エラストマー等からなり、各開口部11c,12eを覆う略長方形板部の略中央部には各開口部11c,12eの設置位置に対応する図示せぬシートベルトアンカー挿通用の略正方形の挿通孔13bが形成されている。前記スライドプレート13の略長方形板部の長手方向両端部には前記衝撃吸収体12の案内凹状部12d及び前記ガーニッシュ本体11の裏面の間を弾性的に摺動するための摺動リブ13aが長手方向に所定の間隔をおいて2個ずつ突設されている。
【0028】本発明において、最も特徴とする部分は前記ガーニッシュ本体11を車体のピラーに取り付けるためのピラー取付部14と、前記衝撃吸収体12を前記ガーニッシュ本体11に固定するための挟着固定部15との配置及び構造にある。本実施例によれば、前記ピラーガーニッシュ本体11は前記衝撃吸収部12cの設置範囲外の裏面側末端部に本発明の特徴部をなすピラー取付部14を立設しており、前記衝撃吸収体12は前記ピラー取付部14の対応部位に本発明の特徴部をなす折り曲げ板状の挟着固定部15を備えている。
【0029】図2に示すごとく前記ガーニッシュ本体11のピラー取付部14は図示せぬ相手方の車体ピラーに穿設された取付孔に差し込まれる弾性クリップ16のクリップ装着部14aを備えている。同クリップ装着部14aは一対の矩形板状の側板部14b,14bの間に直角に矩形板状の前板部14cを延設し、同前板部14cの側端から各側板部14bの延長上に延在した各端が相対向して直角に折れ曲がった略L字状の係止片14d,14dを備えており、コ字状の凹溝14eが形成されている。前記前板部14cの下側端は前方向に水平に先細り矩形板状の底板部14fを延設している。かかる前板部14c及び底板部14fには前方向に向かって漸次拡がった楔状のクリップ取付リブ14gが立設されている。
【0030】一対の略L字状の前記係止片14d,14dの各下側端には互いに外側方向に突出する一対の爪係着部14hが形成されていると共に、前側方向に突出する一対の突出片14iが設けられている。図3及び図4に示すように前記ピラー取付部14の爪係着部14hは前記衝撃吸収体12を密嵌的に嵌着させる役目を有しており、前記ピラー取付部14の突出片14iは前記衝撃吸収体12を車体ピラーに密着させる役目をもっている。前記クリップ取付リブ14g及びコ字状の前記凹溝14eには、1枚の金属板材を折り曲げた略Ω形状の胴体部16a及び同胴体部16aの両翼部分にく字状に折曲された一対の弾性係着片16b,16bを有する弾性クリップ16が挿入固定される。
【0031】一方、前記衝撃吸収体12における挟着固定部15は前記前壁部12aと前記側壁部12b,12bとの長手方向上下端に連結された衝撃吸収リブ12f′,12f′の一側端から前記案内凹状部12dと略同一方向に向かって延在し、階段状の屈曲部15aを備えている。かかる屈曲部15aは前記衝撃吸収リブ12fの中央部分の設定高さと略等しく屈曲されている。かかる屈曲部15aには、前記ガーニッシュ本体11に前記衝撃吸収体12を固定するとき前記クリップ取付リブ14gを挿通させる挿通口15bが穿設されている。かかる挿通口15bによって、車両の衝突時に、衝撃吸収体12の前記挟着固定部15に対してガーニッシュ本体11の前記ピラー取付部14を車体ピラーの設置方向に向かって移動させる自由度を持たせることができる。
【0032】前記挿通口15bの上部内壁面の角隅部には開口方向に段差をもつ板状の舌状片15cが所定間隔をもって設けられ、前記挿通口15bは横に長い略長方形の上側開口15d及びその上側開口15dよりもさらに横に長い略長方形の下側開口15eを形成している。前記挿通口15bの上側開口15dに配された舌状片15cの板厚は前記挿通口15bの内壁面の厚さ寸法より小さく、前記ピラー取付部14の突出片14iの突出寸法と略同じ寸法に設定してある。
【0033】前記挿通口15bの下側開口15eの長手方向の各開口周壁部にはガーニッシュ本体11の前記ピラー取付部14に密嵌させるための一対の爪係着部15f,15fが所定間隔をおいてそれぞれ突設されている。同係着爪15fの先端に形成された爪片15gは互いに向き合って突出している。前記係着爪15fは前記ピラー取付部14の爪係着部14hと弾性的に係合して密嵌的に外嵌させるようになっている。
【0034】図3及び図4に示すごとく前記ガーニッシュ本体11及び衝撃吸収体12を固定したとき、前記衝撃吸収体12の挿通口15bの上側開口15dに配された舌状片15cの表面は前記ピラー取付部14の係止片14dと当接して密着され、前記舌状片15cの下端面は前記挿通口15bの下側開口15e内に位置する前記ピラー取付部14の突出片14iの上端面に密接されるようになっている。
【0035】かかる構成によれば、前記衝撃吸収体12の係着爪15f及び舌状片15cと前記ピラー取付部14の係止片14d、爪係着部14h及び突出片14iとにより前後及び上下左右方向の移動が規制され、前記ピラー取付部14に前記衝撃吸収体12を強固に固定することができる。
【0036】前記ガーニッシュ本体11を図示せぬ相手方の車体ピラーの取付孔に前記弾性クリップ16を介して取り付けたときには、前記衝撃吸収体12における挿通口15bの舌状片15cは前記ピラー取付部14の係止片14dと図示せぬ車体ピラーと間に挟着固定され、上述のように前記ピラー取付部14の突出片14iは図示せぬ車体ピラーに強固に当接して密着されるようになっている。かかる構成によれば、前記衝撃吸収体12は前記ガーニッシュ本体11と車体のピラーとの間に挟着固定されるため、前記衝撃吸収体12をより強固に固定させることができる。
【0037】かかるガーニッシュ本体11及び衝撃吸収体12の固定構造を採用することにより、図3及び図4に示すごとくガーニッシュ本体11の前記ピラー取付部14と衝撃吸収体12の前記挟着固定部15との固定方法が良好に実施される。上述のごとく構成された前記ピラー取付部14と前記挟着固定部15とを互いに密嵌係止させる時は、先ず、常法にしたがって前記衝撃吸収体12の案内凹状部12dに前記スライドプレート13を弾接させる。次に、前記ガーニッシュ本体11のピラー取付部14に前記衝撃吸収体12の挟着固定部15を位置合わせして挿入する。
【0038】前記ガーニッシュ本体11に衝撃吸収体12を押入すると、同ガーニッシュ本体11の前記ピラー取付部14に装着された弾性クリップ16が前記衝撃吸収体12の係着爪15fの間を通って挿通口15b内に入り込むと同時に、前記衝撃吸収体12に形成された各係着爪15fの爪片15gの内側表面が前記ガーニッシュ本体11の爪係着部14hの前端縁に当接する。
【0039】続いて、前記ガーニッシュ本体11に衝撃吸収体12を押し付けると、同衝撃吸収体12の係着爪15fの内側部分が弾性変形して左右に僅かに拡がり、前記係着爪15fが拡がる。次いで、前記係着爪15fが前記爪係着部14hを乗り越えたとき前記係着爪15fの爪片15gが原形に復帰し、同係着爪15fの爪片15gにより前記クリップ装着部14aの側板部14bの側面、前記爪係着部14hの側面及び後面が弾性的に係着される。
【0040】同時に、前記ピラー取付部14の係止片14dは前記衝撃吸収体12の挿通口15bの上側開口15dに配された舌状片15cに当接して密着すると共に、前記ピラー取付部14の突出片14iは前記衝撃吸収体12における挿通口15bの下側開口15eを介して前記舌状片15cの下側に嵌挿される。このとき、前記弾性クリップ16は前記衝撃吸収体12の屈曲部15aの裏面側に挿通口15bを介して突出され、図5に示すごとくピラーガーニッシュ10が組み立てられる。こうしてピラーガーニッシュ本体11に衝撃吸収体12を効率的に、正確に且つ確実に取り付けることができ、かかるピラーガーニッシュ10の組み立てが完了する。
【0041】また、衝撃吸収体12を交換する場合にあっても、ピラーガーニッシュ本体11と衝撃吸収体12とは、上述のように係脱自在の係着構造になっているため、破壊せず容易に分解交換も可能となる。本実施例にあっては、上記構成に加えて、例えば前記ガーニッシュ本体11の平面部11aの裏面側には、長手方向両端部に前記衝撃吸収体取付用の図示せぬ取付爪が所定間隔をもって複数個立設され、前記衝撃吸収体の左右両側の側壁部には図示せぬ取付爪の設置位置間隔と等しく図示せぬ切欠き部が設けられ、ピラーガーニッシュ本体11に衝撃吸収体を保持させることも可能である。
【0042】次に、上述のごとく組み立てられたピラーガーニッシュ10を図示せぬ相手方の車体ピラーに取り付けるとき、かかる組立体の裏面から突出している弾性クリップ16を常法にしたがって図示せぬ車体ピラーの取付孔に差し込む。前記弾性クリップ16を図示せぬ車体ピラーの取付孔に差し込むと、図3及び図4に示すように前記衝撃吸収体12の挿通口15bの上側開口15dに配された舌状片15cは前記ピラー取付部14の係止片14dと図示せぬ車体ピラーと間により強固に挟持固定されると共に、前記ピラー取付部14の突出片14iは図示せぬ車体ピラーに密接される。
【0043】以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、ピラーガーニッシュ本体は衝撃吸収部の設置範囲外の裏面側末端部に車体のピラーに取り付けるためのピラー取付部を有しており、衝撃吸収体は前記ピラー取付部の対応部位にピラーガーニッシュ本体と車体ピラーとの間に挟着固定される挟着固定部を有しているため、前記ピラーガーニッシュ本体のピラー取付部の取付位置と前記衝撃吸収体の挟着固定部の固定位置とを分散させずに一致させて前記ピラーガーニッシュ本体と前記車体ピラーとの間に前記衝撃吸収体を強固に挟着固定させることが可能となり、しかも車両が衝突した際の衝撃によって乗員がピラーガーニッシュ本体にぶつかったときの衝撃により少なくとも前記衝撃吸収体がピラーガーニッシュ本体から離脱することがない。
【0044】また、前記衝撃吸収部の設置範囲外に車体ピラーに対する取付部及び衝撃吸収体に対する固定部を分散させずに一致させているため、前記ピラー取付部及び前記挟着固定部の配置及び構造に影響されず、車両の衝撃時に、前記衝撃吸収体のエネルギー吸収特性を阻害することなく所定の変形量を確保することができ、有効に衝撃を吸収して乗員の安全を確保することができる。なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その実施例から当業者が容易に変更可能な技術的範囲をも当然に包含するものである。
【出願人】 【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
【出願日】 平成11年6月29日(1999.6.29)
【代理人】 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男
【公開番号】 特開2001−10417(P2001−10417A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−183996