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【発明の名称】 車載用音響機器の操作パネル反転機構
【発明者】 【氏名】高儀 学

【氏名】中村 考志

【氏名】青木 正義

【要約】 【課題】機構が簡単であり、しかも、操作パネルを取り外すことなく盗難を防止できる車載用音響機器の操作パネル反転機構を提供する。

【解決手段】操作パネル1を回動自在に支持するパネル支持部材6を筐体から突出自在に設けて、ばね14の弾力で突出方向に付勢し、パネル支持部材6を筐体から突出させた状態で手動で操作パネル1を反転させると共にパネル支持部材6をばね14の弾力に抗して後退させ、操作パネル1を反転させた状態で筐体前面に装着可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作パネルを回動自在に支持するパネル支持部材を筐体から突出自在に設けてばねの弾力で突出方向に付勢し、前記パネル支持部材を筐体から突出させた状態で手動で操作パネルを反転させると共にパネル支持部材を前記ばねの弾力に抗して後退させ、操作パネルを反転させた状態で筐体前面に装着可能とした車載用音響機器の操作パネル反転機構。
【請求項2】 パネル支持部材は回動することにより筐体から突出し、前記操作パネルに設けた凸部が筐体または筐体に固定された部材のガイド溝に案内されるように構成した請求項1の車載用音響機器の操作パネル反転機構。
【請求項3】 操作パネルを回動自在に支持する操作パネル支持部材を筐体に回転自在に支持し、前記操作パネルを筐体から離れる方向に回動させて手動で前記パネル支持部材を回転させることにより操作パネルを反転させた後前記操作パネルを筐体に向けて回動させ、操作パネルを反転させた状態で筐体前面に装着可能とした車載用音響機器の操作パネル反転機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車載用音響機器に係わり、特に、使用者が車から離れるときに車載用音響機器を隠して盗難を防止するのに便利な車載用音響機器の操作パネル反転機構に関する。
【0002】
【従来の技術】使用者が車から離れるときに、車載用音響機器を隠して盗難を防止するための機構が知られている。図8は従来の車載用音響機器の盗難防止機構の例を示す斜視図である。
【0003】図に示す操作パネル1は筐体に固定された固定アーム17に回動自在に支持され、図示していないばねにより前方に回動するように付勢されている。図8(a)に示すように操作パネル1が筐体の前面を覆う状態が使用状態であり、このとき、操作パネル1は図示していないロック機構によりばねの弾力に抗して図に示す状態に保持されている。
【0004】図8(a)に示す状態でパネルオープン釦1aを押すと、ロック機構のロックが外れて操作パネル1は図8(b)に示すように前方に倒れる。この状態では図8(c)に示すように、操作パネル1を取り外すことができ、車から離れるときは操作パネル1を持ち出して盗難を防止する。
【0005】上記した従来の盗難防止機構では、盗難を防止するためには、操作パネルを外して携帯しなければならず、面倒であり、また、操作パネルを紛失する恐れがあった。さらに、操作パネルの裏面を種々の表示のために利用することができなかった。
【0006】操作パネルを外すことなく、盗難を防止できる機構として、操作パネルを反転させ操作パネルの裏面を表側として車載用音響機器を隠すように操作パネルを駆動する駆動機構を本願出願人が提案している。
【0007】特願平7−303412号(特開平9−123842号)に本願の出願人が提案した車載用音響機器は、音響機器本体に回動自在に設けたレバーに操作パネルの側面端部を軸を介して回動自在に支持させ、前記軸を中心とするように第1のギヤを操作パネルに固着し、前記レバーの中間に立設された軸に第2のギヤを回転自在に支持し、音響機器本体に前記レバーの回動中心を中心とするように第3のギヤを固着し、第1のギヤと第2のギヤを噛み合わせ、第2のギヤと第3のギヤを噛み合わせると共に、前記レバーを回動駆動する構成となっている。
【0008】この操作パネル駆動機構では、操作パネルをその端部の軸回りにギヤにより自転させるが、操作パネルに加わる重力が前記ギヤの駆動トルクの負荷として作用するために駆動機構の伝達トルクが大きくなり、装置が大掛かりになるという問題があった。
【0009】また、操作パネルの自転軸はシャーシの軸回りの円弧状で移動し、その回動速度は自転速度と一定の比率であるため、操作パネルが水平となって後方の記録媒体挿入口を開くとき、操作パネルが略中央の高さ位置にあり、記録媒体挿入排出のために大きい空間を確保できないという問題があった。
【0010】特願平8−103935号(特開平9−267699号)に本願の出願人が提案した車載用音響機器は、前記車載用音響機器の操作パネルの端部の軸を支持するレバーをさらにシャーシに回動自在に支持されたレバーに回動自在に支持させ、これら2つのレバーを回動させながら、操作パネルに固着されたギヤにより操作パネルを自転させる構成となっている。
【0011】このような構成とすることにより、操作パネルが水平となって後方の記録媒体挿入口を開くとき、操作パネルを下方に位置させて、記録媒体挿入排出のために大きい空間を確保することができる。
【0012】しかしながら、操作パネルをその端部の軸回りにギヤにより自転させるトルクが大きくなることは前述の機構と同様であり、さらに、この場合は操作パネルを支持するレバーが他のレバーに回動自在に支持されるために装置が大掛かりになるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、機構が簡単であり、しかも、操作パネルを取り外すことなく盗難を防止できる車載用音響機器の操作パネル反転機構を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の車載用音響機器の操作パネル反転機構は、操作パネルを回動自在に支持するパネル支持部材を筐体から突出自在に設けてばねの弾力で突出方向に付勢し、前記パネル支持部材を筐体から突出させた状態で手動で操作パネルを反転させると共にパネル支持部材を前記ばねの弾力に抗して後退させ、操作パネルを反転させた状態で筐体前面に装着可能としたものである。
【0015】また、前記車載用音響機器の操作パネル反転機構において、パネル支持部材は回動することにより筐体から突出し、前記操作パネルに設けた凸部が筐体または筐体に固定された部材のガイド溝に案内されるように構成したものである。
【0016】さらに、この発明の車載用音響機器の操作パネル反転機構は、操作パネルを回動自在に支持する操作パネル支持部材を筐体に回転自在に支持し、前記操作パネルを筐体から離れる方向に回動させて手動で前記パネル支持部材を回転させることにより操作パネルを反転させた後前記操作パネルを筐体に向けて回動させ、操作パネルを反転させた状態で筐体前面に装着可能としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の実施例である車載用音響機器の操作パネル反転機構を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施例である車載用音響機器の操作パネル反転機構を示す分解斜視図である。
【0018】図に示す後側ベース板2、右側ベース板3および左側ベース板4は筐体に固定されている。パネル支持部材6はそれに立設された軸6aおよび軸6bが夫々左側ベース板4および右側ベース板3に支持されることにより筐体に対して回動可能に支持されている。そして、捩りコイルばね14はパネル支持部材6を図の右下から見て反時計方向に付勢している。
【0019】メインギヤ11は軸6bに固着され、パネル支持部材6と一体となっている。アイドラギヤ12は右側ベース板3に回転自在に支持され、メインギヤ11および右側ベース板3に取付けられたギヤダンパー13と噛み合っている。パネル支持部材6が捩りコイルばね14の弾力により回動するときはギヤダンパー13が回転し、パネル支持部材6の回動速度が抑えられる。
【0020】操作パネル1はパネルブラケット5に板ばね7、7を介して挾持され、パネルブラケット5と一体となっている。パネルブラケット5に立設された軸5a、5aは夫々パネル支持部材6の穴と嵌合し、パネルブラケット5および操作パネル1は軸5a、5aを介してパネル支持部材6に回動自在に支持されている。
【0021】パネル支持部材6に立設された軸5b、5bに夫々嵌着されたローラ8、8は夫々右側ベース板3のガイド溝3aおよび左側ベース板4のガイド溝4aを挿通しており、パネルブラケット5のパネル支持部材6に対する回動位置が規制される。
【0022】後側ベース板2に取付けられたロックアーム10は図1に示す操作パネル1が正転した状態で操作パネル1の下方をロックし、後側ベース板2に取付けられたプッシュロック9は操作パネル1が反転した状態で操作パネル1のリブ1bをロックする。なお、ロックアーム10のロックは操作パネル1に設けられたパネルオープン釦1を押すことにより解除され、プッシュロック9のロックは操作パネル1を押すことにより解除される。
【0023】次に、図2〜図5を参照して上記操作パネル反転機構の動作を説明する。図2(a)および(b)は通常の使用状態を示しており、この状態では先に説明したように操作パネル1の下方がロックアーム10に係止されている。この状態でパネルオープン釦1aを押すとロックアーム10のロックが解除され、操作パネル1の下方が前方に突出可能となる。
【0024】すると、パネル支持部材6は操作パネル1の下方が突出するように操作パネル1を傾動させながら捩りコイルばね14の弾力により前方に回動する。なお、操作パネル1の傾動角はローラ8がガイド溝3aおよび4aに案内されることにより確定される。
【0025】図3(a)および(b)はパネル支持部材6が前方に回動した状態を示す。このとき、操作パネル1の上方が大きく空いており、筐体内への記録媒体の挿入または排出が可能となる。操作パネル1を反転させる場合は、図3(a)および(b)に示す状態から操作パネル1を時計方向に回動させながら筐体側へ押し込む。
【0026】図4(a)および図4(b)はそのように操作パネル1を押し込んでいる途中の状態を示している。なお操作パネル1を反時計方向に回動させながら筐体側へ押し込むことにより図2(a)および(b)に示す状態に戻すこともできる。
【0027】このように操作パネル1を反時計方向に回動させることにより操作パネル1を反転させた状態で筐体の前面に装着できるが、そのときのロック状態を図5により説明する。図5(a)は操作パネル1を反転させた状態で筐体の前面に装着する直前の状態を示し、このときプッシュロック9の係止部9aは上から見て反時計方向に回動している。
【0028】操作パネル1を押し込むとプッシュロック9の係止部9aは僅かに後退して時計方向に回動しロック状態となる。ロック状態となった後操作パネル1を放すと係止部9aは僅かに前進するがロック状態は維持され、図5(b)に示すように操作パネル1のリブ1bを係止しており、操作パネル1が反転した状態に維持される。
【0029】図5(b)に示す状態で操作パネル1を押し込むと係止部9aは僅かに後退して係止部9aは反時計方向に回動してロック解除状態となる。ロックが解除されると、操作パネル1は捩りコイルばね14の弾力により図3(a)および(b)に示す位置まで傾動される。1度押すとロックし、ロック状態でさらに押すとロック解除状態となるプッシュロックは既に市販されている。
【0030】図3(a)および(b)に示す状態から操作パネル1を図2(a)および(b)に示す正転状態に装着すること、および図4(a)および(b)に示す反転状態に装着することが可能であることは以上の説明から明かである。
【0031】上記実施例では操作パネルを反転させた状態で取り外すことなく盗難を防止できるので操作パネルを紛失する恐れがない。また、操作パネルの上方を大きく空けるように移動させ、操作パネルの移動軌跡は複雑となるが、手動で操作パネルを動かすので機構は簡単となり、しかも記録媒体の挿入排出のスペースを大きくとることができる。
【0032】図6はこの発明の第2の実施例である車載用音響機器のパネル反転機構の概略構成を示す側面図である。この例ではパネル支持部材15は筐体に突出自在に支持されており、ばね18により突出方向に付勢されている。パネル支持部材15はまた操作パネル1を回動自在に支持している。
【0033】図6(a)は操作パネル1が正転状態で筐体の前面に装着された状態を示しているがこのとき操作パネル1は図示していないロック機構によりロックされている。このロック機構のロックを解除すると、ばね18の弾力により図6(b)に示すようにパネル支持部材15が押し出される。
【0034】この状態において手動で図6(c)に示すように操作パネル1を反転させることができる。操作パネル1を反転させた後、手で操作パネル1を押し込むことにより図6(d)に示すように操作パネル1を反転させた状態で筐体の前面に装着できる。なお、このときも操作パネル1は図示していないロック機構によりロックされる。
【0035】上記実施例では操作パネルを反転させた状態で取り外すことなく盗難を防止できるので操作パネルを紛失する恐れがない。また、手動で操作パネルを動かすので機構は簡単となる。
【0036】図7はこの発明の第3の実施例である車載用音響機器のパネル反転機構を示す。この例ではパネル支持部材16は筐体に中心軸回り回転自在に支持されており、操作パネル1を回動自在に支持している。
【0037】図7(a)は音響機器の使用状態を示しており、操作パネル1が正転状態で筐体の前面に装着されている、この状態では操作パネル1は図示していないロック機構によりロックされている。
【0038】このロック機構のロックを解除すると、図示していないばねの弾力により図7(b)に示すように操作パネル1が筐体の前面から離れるように回動される。この状態において操作パネル1をパネル支持部材16と共に図におけるA方向に180°回転させた後、操作パネル1を筐体前面に向けて回動させることにより、図7(c)に示すように操作パネル1を反転させた状態で筐体の前面に装着できる。なお、このときも操作パネル1は図示していないロック機構によりロックされる。
【0039】上記実施例では操作パネルを反転させた状態で取り外すことなく盗難を防止できるので操作パネルを紛失する恐れがない。また、手動で操作パネルを動かすので機構は簡単となり、しかも記録媒体の挿入排出のスペースを大きくとることができる。
【0040】
【発明の効果】この発明の車載用音響機器の操作パネル反転機構によれば、操作パネルの裏面に表示装置を設ける場合は、2種類の操作パネルの使用が可能となる。また、操作パネルの裏面をブランクとする場合は、操作パネルを反転させて、操作パネルを取り外すことなく盗難を防止でき、操作パネルを紛失する恐れがない。
【0041】さらに、手動でパネルを動かすのでモータが必要なく、機構も簡単で製造コストが安くなる。さらに、機構が簡単であるため必要スペースが小さくなり、装置の軽量化が達成される。
【出願人】 【識別番号】000003595
【氏名又は名称】株式会社ケンウッド
【出願日】 平成11年6月29日(1999.6.29)
【代理人】 【識別番号】100085682
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌雄
【公開番号】 特開2001−10414(P2001−10414A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−182752