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【発明の名称】 自動車の小物入れの取付構造
【発明者】 【氏名】水野 浩

【氏名】渡辺 秀治

【要約】 【課題】着脱・高さ調節が容易で、小物入れ以外の用品の固定にも使用でき、未使用時の見栄えもよく、かつコストの低い自動車の小物入れの取付構造を提供すること。

【解決手段】小物入れ1は、箱状の本体2と、本体2の底面部12から下方に突設された支持脚3を備える。支持手段4は、取付部材であるブラケット81がヘッダーパネルHPに固定され、ブラケット81には一対の外筒42が固定され、これを覆うようにカバー44が配設され、内筒71を外筒42に挿入することで、カバー44が挟持され固定される。内筒71に穿設された貫通孔に挿入された支持脚3は、刻設された図示外の切り欠き部に、固定手段5に配設された図示外の付勢手段により付勢された固定つめが嵌入することにより係止される。そのため、小物入れ1は容易に着脱・高さが調節できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両後部方向の端部がボディー側に枢着されたエンジン点検用の可動カバーの上部にフロントシートが固定され、前記可動カバーはフロントシートとともに車両前部方向の端部を上げて後方へ回動されて開口するように構成され、前記フロントシートの背後の下方にヘッダパネルを備えたキャブオーバー型自動車において、小物を入れる本体と、前記本体の下部に配置され、当該本体を支持する一対の支持脚と、前記ヘッダパネルに配設され前記支持脚を着脱可能に支持する支持手段と、前記支持手段において前記一対の支持脚に設けられた複数の切り欠き部と、付勢手段により付勢された固定つめとにより任意の位置で前記支持脚を係止して本体の高さを調整可能な固定手段とを備えたことを特徴とする自動車の小物入れの取付構造。
【請求項2】 前記支持手段は、フロントシート用又はその他のシート用のヘッドレストに備えられた一対の脚を支持可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車の小物入れの取付構造。
【請求項3】 前記支持手段は、前記固定手段が一方又は両方に配設され、前記一対の支持脚の外径と略同じ大きさの内径を有する一対の内筒と、前記一対の内筒を嵌入させてこれを支持する一対の外筒と、当該一対の外筒を所定間隔で支持し、前記ヘッダパネルに取り付ける取付部材と、前記一対の外筒は挿入不能で且つ前記一対の内筒の一部は挿入可能な一対の挿入口を有し、前記取付部材と当該取付部材に固定された前記一対の外筒とを覆うカバーとを備え、当該カバーは、前記一対の外筒と、ここに挿入された前記一対の内筒とに前記挿入口の周縁が挟持されて支持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車の小物入れの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着脱が容易な自動車の小物入れの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】キャブオーバ型の自動車では、フロントシートの下方にエンジンが配置され、このフロントシートの下方には、エンジンルームの上面に沿って設けられたエンジンカバーが設けられる。そして、フロントシートの背後の下方には後席や荷室との段差部に台状に設けられたヘッダパネルが備えられるものがある。このエンジンカバーやフロアパネルやヘッダパネル、或いはフロントシート自体を利用して2列目のシート用に小物入れを取り付けたものがあった。図16は従来の小物入れの取付構造の例を示す図である。図17は、従来の小物入れの取付構造の他の例を示す図である。従来は、このようなキャブオーバ型の自動車において小物入れ101を図16に示すようなL形のブラケットBKT1を用いてブラケットBKT1ごと、ヘッダパネルHPやエンジンカバー(不図示)の後端部にボルトBoで直締めするか、或いは図17に示すようなZ形のブラケットBKT2をヘッダパネルHPやエンジンカバー(不図示)側に締め付け固定し、このブラケットBKT2に小物入れ201本体に突設された埋め込みボルトを蝶ナットBnで締付けていた。また、実開平5−5592号公報に記載されている車両用の室内トレイ取付け構造では、小物入れではないが室内トレーを、フロアパネルに直付けされた円筒形のガイドパイプと、ここに配設されたねじによりステーをねじ止めして支持するものが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャブオーバ形の自動車では、エンジンのメンテナンス等のため、フロントシートの下部のエンジンカバーの全部又は一部を開放する場合がある。このときフロントシートはエンジンカバーの可動部(以下可動カバーという)に固定されており、可動カバーの後端部がフロアパネル又はヘッダパネルに枢着され、フロントシートとともに前端部を持ち上げて後方へ回動して前方側を開口する。従って、可動カバーを開放するとフロントシートが後方に変位するのでフロントシート背後の下方のフロアパネルやヘッダパネルに障害物があるとフロントシートのシートバックなどが干渉し、可動カバーの開閉の障害になる。そのため、ヘッダパネルに取り付けた小物入れなどは撤去する必要があるが、図16及び図17に示すような従来のブラケットを用いてねじで固定するようなものは、小物入れ本体を外す場合にねじを1つ1つ外さなければならないため着脱に手間が掛かり、時間が掛かるという問題があった。また、取り外した後のカーペットの切り欠きや固定用のスリットSlや、ねじ止めの跡Bhが見苦しく、ブラケットをヘッダパネル側に残すものでは、ブラケット自体が見苦しく、また不要な突起物が残るという問題があった。さらに、実開平5−5592号公報に記載されている車両用の室内トレイ取付け構造では円筒形のガイドパイプを用いステーをねじ止めして固定され、ブラケットを用いたような場合に比較すれば取り外すねじの数が少なく、着脱はねじの数が減った分だけ容易にはなるが、円筒形のガイドパイプが露出し見栄えが悪いばかりか、不要な突起物になるという問題があった。なお、フロントシートに直接小物入れを設けたり、フロントシートや可動カバーに連動して変位するような小物入れに関しては、不用意に可動カバーをあけると中身が飛び出してしまうおそれがあるという問題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであり、着脱・高さ調節が容易で、小物入れ以外の用品の固定にも使用でき、未使用時の見栄えもよく、かつコストの低い自動車の小物入れの取付構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1に係る発明の小物入れの取付構造では、車両後部方向の端部がボディー側に枢着されたエンジン点検用の可動カバーの上部にフロントシートが固定され、前記可動カバーはフロントシートとともに車両前部方向の端部を上げて後方へ回動されて開口するように構成され、前記フロントシートの背後の下方にヘッダパネルを備えたキャブオーバー型自動車において、小物を入れる本体と、前記本体の下部に配置され、当該本体を支持する一対の支持脚と、前記ヘッダパネルに配設され前記支持脚を着脱可能に支持する支持手段と、前記支持手段において前記一対の支持脚に設けられた複数の切り欠き部と、付勢手段により付勢された固定つめとにより任意の位置で前記支持脚を係止して本体の高さを調整可能な固定手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】この構成に係る小物入れの取付構造では、キャブオーバ型の自動車においてエンジンの点検等のためにエンジンカバーの可動カバーを開放した場合に、フロントシートが後方に変位したようなときでも小物入れの支持脚が容易に着脱可能に支持されるため、簡単に小物入れを取り外すことでエンジンカバーの可動カバーを容易に開放することができる。また、支持脚に設けられた切り欠き部と、この切り欠き部方向に付勢された固定つめを備えることにより任意の位置で高さを容易に調節することができる。
【0007】また、請求項2に係る発明の小物入れの取付構造では、請求項1に記載の小物入れの取付構造の構成に加え、前記支持手段は、フロントシート用又はその他のシート用のヘッドレストに備えられた一対の脚を支持可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】この構成に係る小物入れの取付構造では、ヘッドレストの支持手段と共通の部品を用いることで、ヘッドレストを支持させることができる。また、部品を共通化することで、生産が容易になり、さらに部品のコストも下げることが可能になる。
【0009】請求項3に係る発明の小物入れの取付構造では、請求項1又は請求項2に記載の小物入れの取付構造の構成に加え、前記支持手段は、前記固定手段が一方又は両方に配設され、前記一対の支持脚の外径と略同じ大きさの内径を有する一対の内筒と、前記一対の内筒を嵌入させてこれを支持する一対の外筒と、当該一対の外筒を所定間隔で支持し、前記ヘッダパネルに取り付ける取付部材と、前記一対の外筒は挿入不能で且つ前記一対の内筒の一部は挿入可能な一対の挿入口を有し、前記取付部材と当該取付部材に固定された前記一対の外筒とを覆うカバーとを備え、当該カバーは、前記一対の外筒と、ここに挿入された前記一対の内筒とに前記挿入口の周縁が挟持されて支持されることを特徴とする。
【0010】この構成に係る小物入れの取付構造では、支持脚を支持する内筒と、内筒を支持する外筒とによりカバーを支持するため、カバーの取付が極めて容易にできる。またこのようなカバーを設けることで、見栄えもよく不必要な突起物が生じることもない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る小物入れの取付構造を好ましい実施の形態により、添付図面を参照して説明する。以下の説明に際し、図において車両の前方をFr、上方をUp、右側をRtで表すものとする。
【0012】先ず、本発明に係る小物入れの取付構造を1の実施の形態により説明する。図1は、本実施の形態の小物入れ1の取付構造の概略を示す。図1において左向こう側が車両前方で、右手前が車両後方である。また、右向こう側が車両右側で、左手前が車両左側である。以下、左右対称の部材については、符号になにも付さない場合は全体を、末尾にRを付した場合には右の部材を、Lを付した場合には左の部材をいうものとする。なお、左右対称の部材については、左右の区別なしに共通の説明し又は一方の説明で適宜他方の説明を省略する。
【0013】図1に示すように、自動車の車内にはフロントシートFSが配設される。フロントシートFSは車両右側のフロントシートFSRと、車両左側のフロントシートFSLから構成される。フロントシートFSの下方には、図示外のエンジンルームを覆うエンジンカバーの点検用の可動扉である可動カバーECが設けられる。フロントシートFSのシートクッションFSbの後端部下方の可動カバーECを回動可能に枢着する図示外のヒンジが設けられ、可動カバーECはこのヒンジにより開閉可能に取り付けられる。図示しないロックを外して可動カバーECの前端部を持ち上げると、エンジンルームが開口する。このとき、可動カバーECに固定されているフロントシートFSは、可動カバーECの変位に伴って変位する。つまり、可動カバーECが開口している時には、フロントシートFSのシートクッションFSbが前方斜め上方に向き、シートバックFSaの先端部は概ね水平な状態で後方に突き出すように変位する。
【0014】ヘッダパネルHPは、フロントシートFS背面下部のエンジンカバーの後端部に連続して、テーブル状の車幅方向に長い概ね長方形の平面に形成された水平面HPhを備える。なお、可動カバーECは、このヘッダパネルHPの前端部に直接設けられるようなものであってもよい。ヘッダパネルHPは、この水平面HPhの後端部からリヤキャビンのフロアパネルFPに略垂直に設けられた垂直面HPvを備える。本出願においては、この水平面HPhと垂直面HPvを合わせてヘッダパネルHPという。中央部分は、エンジンルームの張り出しによる隆起部分で分断され、右のヘッダパネルHPRと左のヘッダパネルHPL部分に分かれる。左右のヘッダパネルHPL,HPRの垂直面HPvには、それぞれ小物入れ1の支持脚3を支持する支持手段4が設けられる。
【0015】図2は、ヘッダパネルHPに取り付けられた図1の右側に示す小物入れ1の取付構造を車両右側方向に見た模式断面図である。図1、図2に示すように、小物入れ1の本体2は、全体が箱状にポリプロピレンのブロー成形により形成される。本体2の前面部11がフロントシートFSa(図1参照)のリクライニングの逃げを作るように斜面を形成し、背面部14と上面部13とのコーナー部は、搭乗者の安全のためにアールが付けられる。内部には内壁18が設けられる。背面部14及び上面部13に連続した開口部15には、アクリル製の蓋16が配設される。蓋16は、ヒンジ部17により開口部15を閉鎖及び開放可能に軸支される。蓋16のヒンジ部17と対向する端部にはマグネット19が配設され、蓋16に配置された図示しない磁性体と協動して閉鎖状態を維持する。
【0016】支持脚3は、図1右側に示すように支持された小物入れ1において、図1、図2に示すように本体2の底面部12に、2本の鉄棒が車両幅方向に並べられて下方に向かって突設される。この一対の支持脚3は、本実施の形態ではフロントシートFSのヘッドレストHRの一対の脚(図示外)の間隔と同じ約150mmの間隔で長方形の鉄製薄板からなる基部32に支持脚3の軸部31が溶接されて固定されている。この基部32は、小物入れ1の本体2の底面部12の背面側よりの位置にねじ止めされて固定されている。この一対の支持脚3は、垂直面HPvに設けられた支持部4に上方から挿入されて、本体2を図2に示すように底面部12を右のヘッダパネルHPRの水平面HPhに略当接するような形で支持する。
【0017】図14は、本実施の形態の支持脚3を背面側から見た図である。また図15は、本実施の形態の支持脚3を車両左側から見た図である。
【0018】支持脚3の背面からみて右側(図14において右側)には、上側の水平な支持面33aと、支持脚3の外側に向かって約60°右下がりの案内面33bと、最深部に設けられた当接面33cから構成される切り欠き部33が複数箇所、所定間隔で設けられる。この切り欠き部33は、支持脚3の高さを調整するために用いられるものである。屈曲部34の近傍の軸部30には、切り欠き部33の案内部33bのような案内部を有さない切り欠きである抜け止め38が設けられている。
【0019】また、図14、図15に示すように基部32から所定距離L1下方には、屈曲部34が設けられる。上の軸部30の下端は図14に示すようなコの字形に形成され、下の軸部31の上端は中央部が突出された形状で上の軸部30の下端部の凹部に挿入され、屈曲軸35が軸部30及び軸部31のそれぞれの端部を貫通し軸着される。図15に示すように、車両左側方向から見ると上の軸部30の下端部は、前方側が円弧状に形成され、後方側には直角のコーナーであるストッパ36が形成されている。そのため、下の軸部31が固定されていれば、上の軸部30は、屈曲軸35を中心に前方側にのみ回動して屈曲可能である。そして、上の軸部30が前方に略90°傾動すると、下の軸部31の先端の階段状の部分(図14参照)に設けられたストッパ37に上の軸部30が当接しそれ以上回動しない。
【0020】従って、図1の右側に示すような姿勢で小物入れ1を取り付ければ、図15に示すように屈曲部34自体は、小物入れ1の本体2が前下がりになる向きに回動可能であるが、図2に示すように、屈曲部34が内筒71に挿入され、屈曲部34の回動が規制されているため、屈曲部34で屈曲するようなことはない。
【0021】図3は、図2に示す小物入れ1と前後逆向きにして、図1左側に示すように支持手段4に支持させた小物入れの状態を示す模式断面図である。図1の左側に示すような姿勢で小物入れ1を取り付ければ、図15に示すように屈曲部34自体は、小物入れ1の本体2が後下がりになる向きに回動可能な構成であるため、基部32からL1に示す長さ分支持手段4から露出している場合、つまり、軸部30が支持手段4より露出していれば屈曲部34は内筒71から規制を受けることなく屈曲が可能になる。そのため、本体2は後下がりになる向きに回動する。前述のように図15に示す屈曲部34は90°までは回動可能なので90°回動したところでストッパ37により軸部30が規制される。そして、図3に示すように、本体2の底面部12(図2参照)がカバー44にちょうど当接する位置で停止する。この状態では、図2に示す小物入れ1の支持位置より低い位置で支持されるため、フロントシートFSのシートバックFSaが、後方に倒されたような場合でも、障害になりにくい。また、小物入れ1も安定して支持されると共に開口部15も上方に向いているので、小物入れ1の中身が飛び出すようなこともない。
【0022】なお、図3に示すような取付方法でも、上の軸部30を内筒71に収容される位置まで挿入すれば、屈曲部34の屈曲は内筒71に規制されて本体2は底面部12が水平な姿勢で支持されうる。
【0023】次に支持手段4について詳説する。図2に示すように、支持手段4は、左右のヘッダパネルHPL,HPRの垂直面HPvの上部に配設される。ここで図8は、本実施の形態の支持手段4の取付を示す分解斜視図である。図8に示すように、取付部材8のブラケット81は、ヘッダパネルHPの垂直面HPvに沿った形で長方形に形成された鉄製薄板の取付面85と、その左右を後方に90°屈曲して突出させた外筒支持部86とから形成され、背面方向が開放した水平断面がコの字形に形成される。このブラケット81の左右の外筒支持部86の後端部に外筒42がそれぞれ溶接されて固定され、外筒42のそれぞれの中心の間隔が、一対の支持脚3の中心の間隔と同じおよそ150mmの距離を保たれて支持される。
【0024】取付面85には4つの取付孔84が穿設されている。ヘッダパネルHPの垂直面HPvにも、取付面85に穿設された4つの取付孔84に位置に合わせて取り付け用の4つの取付孔Hlが穿設され、この取付孔84及び取付孔Hlを貫通するようにボルト82が挿入され、ヘッダパネルHPの前側からナット83により締め付け固定される。
【0025】図13は、ブラケット81の外筒支持部86に配置された外筒42のみ車両左側から見た図である。外筒42は、その内径が内筒71の一部を嵌入させて支持可能な太さの円筒形で(図1参照)、上下が開放した鉄パイプ状の部材で、上端部の車両左側方向(図13において手前側)に切り欠き部87を備え、内筒71のボス78(図11参照)を嵌入することにより内筒71の水平方向の向きを規制している。
【0026】図10は、内筒71を背面方向から見た図である。図11は、内筒71を左側から見た図である。図12は、内筒71を上面方向から見た図である。以下図10から図12を参照して内筒71を説明する。図10に示すように内筒71は、上部に固定手段である固定部72が配設され、下部には支持脚3をガイドする概ね筒状の筒部73が配設される。そして、固定部72と筒部73を支持脚3の軸部30,31を隙間なく摺動可能に支持する貫通孔74が連通して穿設される。
【0027】概ね筒状になった筒部73は、図10、図11に示すように下端部にくちばし状に形成された一対の挿入端75が設けられる。内筒71は全体が弾性を有するポリプロピレンで形成され、挿入端75,75の間にはスリット80が設けられているため、挿入端75同士を近接する方向に容易に撓ませることができる。図11に示すように挿入端75の上端部に設けられた段状の下外筒係止部77が外筒42の下端部に掛止可能に形成されている。また、筒部73の上端近傍には、外筒の上端を当接させて掛止する上外筒係止部76が形成されている。
【0028】内筒71を外筒42に挿入する場合には、筒部73に設けられたボス78を外筒42の切り欠き部87の位置に合わせ、挿入端75から挿入する。挿入端75の先端部は外筒42の貫通孔45(図13参照)より小さいので容易に挿入できる。外筒42の貫通孔45に挿入端75の先端部を挿入すると、挿入端75のくちばし状の形状から、挿入端75の外側が貫通孔45への挿入に従って、貫通孔45の端部内周に当接して押圧され、挿入端75は互いに近接する方向に変形される。さらに挿入すれば挿入端75は貫通孔45に進入し、そして外筒42の上端部が上外筒係止部76に当接し、切り欠き部87にボス78が嵌まる。それと略同時に外筒42の下端部から内筒の挿入端75が外筒42の貫通孔45を通過して露出し、挿入端75がその弾性復帰力で変形した形状が復帰し、下外筒係止部77が外筒42の下端部に掛止される。従って、内筒71は、上外筒係止部76が外筒42の上端部にその位置を規制され、下外筒係止部77が外筒42の下端部にその位置を規制され、外筒42の切り欠き部87により回転が規制され、外筒42に対する位置が決まる。
【0029】図10に示すように、内筒71の上部には、固定手段である固定部72が配設される。固定部72は、全体が概ね底辺に対して高さが3分の1程度の背の低い角のとれた正四角柱の形状で、その左側の面の上から略3分の2程度を占める押しボタン52が配設される。この押しボタン52の奥には、押しボタン52を外側に付勢する付勢手段である圧縮コイルスプリングからなるスプリング53が、配設されている。また、押しボタン52の内側下部には、固定部72の底面よりやや小さな金属製板状のスライダ54(図12参照)が押しボタン52に固定されている。スライダ54は、図示しない案内溝からなる規制手段で、押しボタン52の押下方向にのみ移動可能に規制され、押しボタン52を押下することでスプリング53の付勢力に抗して押しボタン52とこれに固定されたスライダ54を奥方向に移動させる。図12に示すように、スライダ54は、中央部に開口部を有するロの字形に形成されており、押しボタン52を押下しない場合には、貫通孔74から固定つめ55が突出するように構成される。また、押しボタン52を押下した場合にはスライダ54が変位し、それに伴って固定つめ55が貫通孔74に突出しない位置に変位する。
【0030】以上説明した、外筒42、内筒71はヘッドレストの支持部材と共通の部品が使用でき、本実施の形態においては、図示しないフロントシートFSのヘッドレストHRの支持部材及び、他のシートのヘッドレストの支持部材と共通の部品を使用するものである。
【0031】次に、カバー44について説明する。図1、図8に示すように、カバー44は、概ね直方体で、底面部が後方に傾いた箱状の本体44aを備え、上面に内筒71を挿入するための一対の開口部44bを備えて内筒71の固定部72を露出するように内筒71の筒部73が挿入される。この一対の開口部44bには、内筒71のボス78を嵌入させる切り欠き部44dと、上外筒係止部76を嵌入させる2つの切り欠き部44cがそれぞれ設けられているので、内筒71はカバー44の上面に固定部72が接する位置まで挿入できる。また、図2に示すように、カバー44の本体44aは内部が中空で、前面側は、開放されている。
【0032】以上のように構成された支持手段4の組み付け方法を説明する。図8に示すように、ヘッダパネルHPの垂直面HPvの所定位置にブラケット81の取付孔84に合わせて取付孔Hlを予め4つ穿設する。次に取付部材8を4本のボルト82と必要であれば図示外のワッシャを挟んで、取付孔84と取付孔Hlを貫通させてナット83により締め付け固定する。もちろんこの場合も必要に応じてワッシャを用いる。もちろんタッピングねじや溶接など固定の方法は問わない。取付部材8をヘッダパネルHPの垂直面HPvに固定したら、カバー44の2つの開口部44bと外筒42の位置を合わせて載置する。この状態から、内筒71の押しボタン52を左側方向に向けて外筒42の貫通孔45に、挿入端75から挿入する(図2参照)。そうすれば前述のように、上外筒係止部76が切り欠き部44cに嵌入されて外筒42の上端部に当接し、下外筒係止部77が外筒42の下端部に掛止され、外筒42の切り欠き部87により回転が規制され、外筒42に対して位置が決まり固定される。このときカバー44の開口部44bの周縁は、切り欠き部44c,44d以外の部分が外筒42の上端部と固定部72の下面により挟持されて固定される。以上に示したように、支持手段4の組付けは極めて簡単に行うことができる。
【0033】本実施の形態の小物入れ1の取付構造は以上のように構成されるため、以下のような作用・効果がある。即ち、図1の右側に示すように小物入れ1の前面部11をフロントシートFSに対向するように向けて支持脚3を支持手段4の挿入口79(図12参照)に押しボタン52を押下しながら挿入すると、固定つめ55は軸部30,31の摺動を妨げないため、支持脚3は内筒71の貫通孔74に進入し、図2に示すように基部32が固定部72に当接するまで挿入される。この状態では、支持脚3は内筒71の貫通孔74に収容されて1番上の切り欠き部33に固定つめ55が嵌入されており、その位置が固定され小物入れ1は安定した状態で支持される。このように、小物入れ1は押しボタン52を押しながら支持脚3を挿入するだけで、極めて簡単に取り付けることができる。
【0034】この状態から小物入れを上に持ち上げると、軸部30方向に付勢手段であるスプリング53により付勢されて押接されていた固定つめ55が、1番上の切り欠き部33から案内面33bの斜面を摺動し軸部30の上に移動し軸部30上を摺動する。図14に示すように軸部30には切り欠き部33が複数刻設されているので、2番目の切り欠き部33に固定つめ55が達する。そうすると、図10に示すように付勢されている固定つめ55は2番目の切り欠き部33に進入し当接面33cに当接する。この位置で小物入れ1を持ち上げるのを中止すれば、固定つめ55は切り欠き部33の上側の支持面33aを支持するので、小物入れ1は下に下がることがない。
【0035】さらに、この位置から再び小物入れ1を上に持ち上げれば、固定つめ55は2番目の切り欠き部33の案内面33bの緩斜面を摺動して再び軸部30上を摺動する。そして固定つめ55は上から3つ目の切り欠き部33に進入し、この位置で持ち上げるのを中止すればこの位置で再び固定される。また、引き続き持ち上げ続ければ、4番目の切り欠き部33が固定つめ55により固定される。このように高さを調節するには、最も低い位置から小物入れ1を任意の位置切り欠き部33まで持ち上げるだけで一番下の切り欠き部33の下に刻設された抜け止め38が固定つめ55の位置にくるまで高さ調節ができる。この抜け止め38の位置までは、屈曲部34が支持手段4から出ないので、支持脚3は屈曲することはない。この位置では、抜け止め38に固定つめ55が嵌入するが、抜け止め38には切り欠き部33のような案内面33bがないので、一旦抜け止め38に嵌入した固定つめ55は、そのままでは再び軸部30上には戻れず、ここで一旦固定される。
【0036】そして、小物入れ1を外すには、そしてさらに押しボタン52を押すことで簡単に外すことができる。そのため、高さを調節する場合でも勢い余って不用意に小物入れ1が抜けて外れることがない。また、この抜け止め38の位置であれば屈曲部34は、未だ支持手段4内で支持されているので、不用意に支持脚3が屈曲して本体2が傾くようなことはない。
【0037】なお、小物入れ1は、その形状や大きさなどは本実施の形態に示すものに限定されないことはいうまでもないが、支持手段4の固定手段5は、いずれか一方に備えられたようなものであってもよい【0038】従って、このような小物入れの取付構造では、小物入れ1の着脱が極めて容易にでき、かつ高さ調整が極めて容易にできるという効果がある。
【0039】次に、図1の左側に示すように小物入れ1の前面部11をフロントシートFSに対向するように向けて支持脚3を支持手段4の挿入口79(図12参照)に押しボタン52を押下しながら挿入し、挿入してから押しボタン52を離せば、固定つめ55は抜け止め39に嵌入し、支持脚3を固定する。この位置では、屈曲部34が、支持手段4の外に出た状態であるので、軸部30は、屈曲部34を中心に後方に傾動し、図3に示すような状態になる。この状態では、図2に示す状態より小物入れ1の上端部が低い位置に支持されるため、エンジンカバーの可動カバーECを開放し、フロントシートFSのシートバックFSaが後方に変位したような場合でも、小物入れ1と干渉せず可動カバーECの開放の妨げにならない。
【0040】従って、キャブオーバ型の自動車においても、エンジンの点検用の可動カバーECを開放するような場合でも、その開放の妨げにならない位置に簡単に付け替えることができるという効果がある。
【0041】さらに、支持手段4は、取付部材8をヘッダパネルHPにねじ止め等すれば、後はカバー44を被せ内筒71を挿入するだけで極めて簡単に取り付けることができるという効果もある。
【0042】図4は、支持手段4により図示しない2列目シートのヘッドレストHRを支持した例を示す斜視図である。また図5は、支持手段4により2列目シートのヘッドレストHRを支持した例を示す断面図である。図4及び図5に示すように支持手段4は、ヘッドレストHRと共用の部品を使用するため、支持手段4により図示しない2列目シートを3列目シートとフラットな状態にする場合に邪魔になる2列目シートのヘッドレストHR2を保持させておくことができる。
【0043】図6は、支持手段4によりテーブル状の小物入れTBを支持した例を示す斜視図である。この場合も、着脱が極めて容易にでき、高さ調節も極めて容易にできる。さらに、テーブル状の小物入れTBの前後方向を付け替えることで、2列目シート方向への突出長さを変更することも簡単である。なお、このような場合には、支持脚3の両面に切り欠き部33を設けるとよい。
【0044】図7は、2つの支持手段4により大型のテーブルTB2を支持した例を示す斜視図で、支持手段4を2つ用いることで、車幅一杯に大型のテーブルTB2を支持することもでき、エンジンルームの膨らみを覆い、平坦なテーブルとすることもできる。
【0045】これらの場合、取り付ける用品により屈曲部34がない支持脚3にしたり、両面に高さ調節用の切り欠き部33を設けたような支持脚3とすることができることはいうまでもない。
【0046】なお、このように支持手段4の部品をヘッドレストHR,HR2の部品と共用することで、支持手段4の製作が容易になり生産性が上がるばかりか、部品の生産コストも下げることができる。
【0047】また、本実施の形態のカバー44は、極めて簡単に装着でき、小物入れ1などを装着していない場合でも従来のようなねじ孔やスリットやブラケットが露出しないため、見栄えがはるかに良くなるばかりか、突起物がなくなりより安全なものにできるという効果がある。
【0048】図9は、支持手段4を2つのカバー44Sにより構成した分解斜視図である。図9に示すように、ブラケット81Sにより外筒42を1つだけ固定し、カバー44Sにより覆い、内筒71を挿入して構成したものである。このような支持手段を2つ備えたようなものでもよい。この場合、2つに分けることで取付スペースが小さくなり、取り付ける場所の制限が小さくなる。
【0049】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、各部分の大きさ、形状、材質、数量等種々変更実施が可能で、特許請求の範囲を逸脱しない限り種々の変形実施が可能であることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1に係る発明の小物入れの取付構造によれば、キャブオーバ型の自動車においてエンジンの点検等のためにエンジンカバーの可動カバーを開放した場合に、フロントシートが後方に変位したようなときでも小物入れの支持脚が容易に着脱可能に支持されるため、小物入れを簡単に取り外すことでエンジンカバーの可動カバーを容易に開放することができるという効果がある。また、支持脚に設けられた複数の切り欠き部と、この切り欠き部方向に付勢された固定つめを備えることにより任意の位置で高さを容易に調節することができるという効果もある。
【0051】また、請求項2に係る発明の小物入れの取付構造によれば、請求項1に係る発明の小物入れの取付構造の効果に加え、ヘッドレストの支持手段と共通の部品を用いることで、ヘッドレストを支持させることができるという効果がある。また、部品を共通化することで、生産が容易になり、さらに部品のコストを下げることも可能になるという効果もある。
【0052】請求項3に係る発明の小物入れの取付構造によれば、支持脚を支持する内筒と、内筒を支持する外筒とによりカバーを支持するため、カバーの取付が極めて容易にできるという効果がある。またこのようなカバーを設けることで、見栄えもよく不必要な突起物が生じることもないという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
【出願日】 平成11年6月29日(1999.6.29)
【代理人】 【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−10413(P2001−10413A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−183420