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【発明の名称】 車両用収納装置
【発明者】 【氏名】竹市 親史

【要約】 【課題】センタークラスターの意匠を厚み感のある意匠とすることが可能な車両用収納装置の提供。

【解決手段】センタークラスター10に一体に形成され奥壁23と両側壁24、25と連結壁とを有するリテーナ20と、リテーナ20の各側壁に沿わせてリテーナ20に取り付けられ、リテーナ20に出入り可能な収納体を摺動可能に保持するガイドレール30と、からなり、ガイドレール30のリテーナ20への取付け構造が、リテーナ20の奥壁23に形成された第1の係合受け部23aとリテーナ20の連結壁、連結壁の対向壁、車室内側開口部壁22の少なくとも1つに形成された第2の係合受け部28と、ガイドレール30に形成され第1の係合受け部23aと係合する第1の係合部31と、ガイドレール30に形成され第2の係合受け部と係合する第2の係合部32と、からなる車両用収納装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 センタークラスターに一体に形成され、奥壁と両側壁と該両側壁を連結する連結壁を有するリテーナと、前記リテーナの各側壁に沿わせてリテーナに取り付けられ、該リテーナに出入り可能な収納体を摺動可能に保持するガイドレールと、からなり、前記ガイドレールのリテーナへの取り付け構造が、前記リテーナの奥壁に形成された第1の係合受け部と、前記リテーナの連結壁、連結壁の対向壁、車室内側開口部壁の少なくとも1つに形成された第2の係合受け部と、前記ガイドレールに形成され前記第1の係合受け部と係合する第1の係合部と、前記ガイドレールに形成され前記第2の係合受け部と係合する第2の係合部と、からなる、車両用収納装置。
【請求項2】 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は、前記連結壁に形成された凹部または穴と、連結壁の対向壁に形成された穴または凹部と、からなる請求項1記載の車両用収納装置。
【請求項3】 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は前記車室内側開口部壁に形成された穴または凹部からなる請求項1記載の車両用収納装置。
【請求項4】 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は、前記連結壁から連結壁の対向壁側に突出する凸部と、連結壁の対向壁から連結壁側に突出する凸部と、からなる請求項1記載の車両用収納装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内に配置される車両用収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車内のセンタークラスターに設けられるリテーナはしばしばセンタークラスターと一体的に成形されている。センタークラスターとリテーナを一体的に樹脂で成形する場合、金型に溶融樹脂を注入し、型を外して形成する。リテーナ内部の両側壁には、リテーナ内に収納される収納物を摺動可能に保持する、リテーナと別体に形成されたガイドレールが各々取付けられる。実開平1−103441号公報に示すように、リテーナの側壁に取付けられるガイドレールは、リテーナの側壁と接触する面に、リテーナへの取付け用のフックが複数設けられており、ガイドレールが取付けられるリテーナの側壁にはガイドレールのフックが係合可能な穴部がフックと同数設けられている。複数のフックをリテーナの側壁に設けられた穴部に係合することにより、ガイドレールはリテーナの側壁部に取付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の車両用収納装置にはつぎの問題がある。センタークラスターに一体成形されたリテーナの側壁部に、ガイドレール取付け用の穴部が形成されるため、金型で成形するときに車両前後方向と異なる方向(たとえば、車両左右方向)へ金型を外す(抜く)必要があった。センタークラスターの意匠を車両前方に回り込むまたは車室内側に張り出す意匠とすると、車両左右方向に金型を抜くことができなくなり厚み感のある意匠とすることができず、意匠が限定されていた。また、複数のフックがガイドレールに形成されており、複数の穴部がリテーナの両側壁に形成されているため、収納物が灰皿装置の場合、灰皿装置内部の密閉性が悪く消火性が悪かった。本発明の目的は、リテーナがセンタークラスターに一体に成形されておりリテーナの側壁にガイドレール取付け用の穴を形成する必要がない車両用収納装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、上記の目的に加え、センタークラスターの意匠を厚み感のある意匠とすることが可能な車両用収納装置を提供することにある。本発明のさらにもう一つの目的は、上記の目的に加え、リテーナ内の密閉性がよい車両用収納装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) センタークラスターに一体に形成され、奥壁と両側壁と該両側壁を連結する連結壁を有するリテーナと、前記リテーナの各側壁に沿わせてリテーナに取り付けられ、該リテーナに出入り可能な収納体を摺動可能に保持するガイドレールと、からなり、前記ガイドレールのリテーナへの取り付け構造が、前記リテーナの奥壁に形成された第1の係合受け部と、前記リテーナの連結壁、連結壁の対向壁、車室内側開口部壁の少なくとも1つに形成された第2の係合受け部と、前記ガイドレールに形成され前記第1の係合受け部と係合する第1の係合部と、前記ガイドレールに形成され前記第2の係合受け部と係合する第2の係合部と、からなる、車両用収納装置。
(2) 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は、前記連結壁に形成された凹部または穴と、連結壁の対向壁に形成された穴または凹部と、からなる(1)記載の車両用収納装置。
(3) 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は前記車室内側開口部壁に形成された穴または凹部からなる(1)記載の車両用収納装置。
(4) 前記第1の係合受け部は奥壁に形成された穴または凹部からなり、前記第2の係合受け部は、前記連結壁から連結壁の対向壁側に突出する凸部と、連結壁の対向壁から連結壁側に突出する凸部と、からなる(1)記載の車両用収納装置。
【0005】上記(1)〜上記(4)の車両用収納装置では、第1の係合受け部がリテーナの奥壁に形成されており、第2の係合受け部がリテーナの連絡壁、連絡壁の対向壁、車室内側開口部壁の少なくとも1つに形成されているので、リテーナの両側壁にはガイドレール取付け用の穴または凹部が形成されていない。そのため、センタークラスターと一体にリテーナを形成するとき、金型を車両前後方向と異なる方向(たとえば、車両左右方向)に外す(抜く)必要はなくなり、車両左右方向に金型が抜けなくなるおそれがなくなるため、車両前方に(リテーナ側壁の側方に)回り込むまたは車室内側に張り出す、センタークラスターの意匠に厚み感をもたせることができる。また、リテーナの車両左右方向の側壁部にがいどれーる取付け用の複数の穴部を形成しないため、複数の穴部を側壁に形成していた従来に比べて、収納体内部の密閉性が向上し、たとえば収納体が灰皿装置の場合、消火性が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜4は本発明の第1実施例の車両用収納装置を示しており、図5、図6は本発明の第2実施例の車両用収納装置を示しており、図7、図8は本発明の第3実施例の車両用収納装置を示している。本発明の第1〜第3実施例にわたって共通するまたは類似する部分には、本発明の第1〜第3実施例にわたって同じ符号を付してある。まず、本発明の第1〜第3実施例にわたって共通する部分を、説明する。本発明の車両用収納装置は、センタークラスター10と、センタークラスター10と一体に形成されるリテーナ20と、リテーナ20の両側壁に取付けられるガイドレール30とを、有する。
【0007】図1に示すように、センタークラスター10は、たとえば樹脂性であり、車室内の意匠の一部を形成する。リテーナ20は、たとえば樹脂性であり、センタークラスター10と一体的に成形される。リテーナ20は、図1〜図3に示すように、車両後方側に向って開口する開口部21と、開口部21を有する開口部壁22と、開口部21と反対側の奥壁23と、開口部壁22と奥壁23との間にわたって延び互いに対向する側壁24、25と、両側壁24、25を連結し車両左右方向に延びる連結壁26と、連結壁26に上下方向に対向する対向壁27とを、有する。
【0008】開口部壁22は、図5に示すように、センタークラスター10とリテーナ20とを連結しており、開口部21を通して図示略の収納体がリテーナ20内に出し入れ可能とされている。開口部壁22は、開口部壁22のリテーナ20内側に、奥壁23と平行またはほぼ平行な壁面22aを有している。壁面22aには、第2の係合受け部28となる、車両前方側に凹となる凹部または車両前後方向に開口部壁22を貫通する穴22b(本発明図示例では穴の場合を示している)が設けられていてもよい。
【0009】奥壁23は、図2に示すように、開口部21と反対側にあり、車両前後方向に直交またはほぼ直交している。奥壁23における両側壁24、25側の端部またはその近傍には、車両前方側に凹となる、凹部または車両前後方向に貫通する穴からなる第1の係合受け部23a(本発明図示例では穴の場合を示している)が設けられている。両側壁24、25は、開口部壁22と奥壁23とを連結し、奥壁23と直交している。
【0010】連結壁26は、図1、図3、図8に示すように、両側壁24、25の上端部を連結する(ただし、図3または図8は側壁24側のみを図示している)。連結壁26は奥壁23と両側壁24、25に直交している。連結壁26における開口部21側の端部またはその近傍には、第2の係合受け部28の一部となる、対向壁27から離れる方向に凹となる凹部または穴26aが設けられていてもよい。また、連結壁26には、第2の係合受け部28の一部となる、連結壁26から対向壁27側に突出する凸部(段部を含む)26bが設けられていてもよい。対向壁27は、連結壁26と上下方向に対向しており、側壁部24、25に接続している。対向壁26は奥壁23と両側壁24、25に直交している。対向壁27には、第2の係合受け部28の一部となる、連結壁26から離れる方向に凹となる凹部または穴27aが設けられていてもよい。また、対向壁27には、第2の係合受け部28の一部となる、対向壁27から連結壁26側に突出する凸部(段部の場合を含む)27bが設けられていてもよい。
【0011】開口部壁22の壁面22aに設けられた凹部または穴22bと、連結壁26に設けられた凹部または穴26aまたは凸部26bと、対向壁27に設けられた凹部または穴27aまたは凸部27bとのうち、少なくとも1つが、第2の係合受け部28として設けられている。
【0012】ガイドレール30は、リテーナ20とは別体であり、図2に示すように、車両前後方向に延びており、リテーナ20の両側壁24、25の各々に配置され、図示略の収納体を車両前後方向に摺動可能に保持する。ガイドレール30の車両前方側の端部に、たとえばフック形状の、第1の係合部31が形成されており、第1の係合部31は、第1の係合受け部23aと係合する。第1の係合部31が第1の係合受け部23aに係合されると、ガイドレール30は車両前後方向に移動不能とされる。ガイドレール30の車両後方側の端部またはその近傍には、ガイドレール30における車両後方側端の、第1の係合部31を揺動軸とする車両前後方向と直交する方向への揺動を防止する、第2の係合部32が形成されている。第2の係合部32は第2の係合受け部28と係合する。
【0013】つぎに、作用を説明する。ガイドレール30のリテーナ20への装着はつぎのように行う。ガイドレール30を側壁24に取付ける場合、ガイドレール30の第1の係合部31を、奥壁23の側壁24側に形成された第1の係合受け部23aに係合する。そのとき、ガイドレール30の車両後方側端は、ガイドレール30が取付けられる側壁24から側壁25側に離れた位置にある。第1の係合部31を第1の係合受け部23aに係合した後、第1の係合部31が第1の係合受け部23aに係合された状態で、側壁24から離れた位置にあるガイドレール30の車両後方側端を、第1の係合部31を回転軸として側壁24側に回転させる。ガイドレール30を側壁24側に回転し、第2の係合部32が第2の係合受け部28に係合することにより、ガイドレール30はリテーナ20の側壁24に取付けられる。そのとき、ガイドレール30は、側壁24に接触またはほぼ接触する位置にある。
【0014】同様に、ガイドレール30を側壁25に取付ける場合、ガイドレール30の第1の係合部31を、奥壁23の側壁25側に形成された第1の係合受け部23aに係合する。そのとき、ガイドレール30の車両後方側端は、ガイドレール30が取付けられる側壁25から側壁24側に離れた位置にある。第1の係合部31を第1の係合受け部23aに係合した後、第1の係合部31が第1の係合受け部23aに係合された状態で、側壁25から離れた位置にあるガイドレール30の車両後方側端を、第1の係合部31を回転軸として側壁25側に回転させる。ガイドレール30を側壁25側に回転し、第2の係合部32が第2の係合受け部28に係合することにより、ガイドレール30はリテーナ20の側壁25に取付けられる。そのとき、ガイドレール30は、側壁25に接触またはほぼ接触する位置にある。
【0015】リテーナ20の両側壁24、25には、ガイドレール30を取付けるための凹部または穴は形成されていない。そのため、リテーナ20成形時に、車両前後方向に直交する、たとえば車両左右方向に金型を外す必要はなくなる。そのため、センタークラスター10を車両前方側に回り込むまたは車両後方側に張り出す意匠とすることができる。また、複数のフックが係合可能な穴部が両側壁に設けられていた従来に比べてリテーナ20に形成される穴または凹部の個数は減少するため、リテーナ20内部は密閉性が向上し、リテーナ20に収納される収納部がたとえば灰皿装置の場合、消火性が向上する。
【0016】つぎに、本発明の各実施例に特有な部分を説明する。本発明の第1実施例では、図2、図3に示すように、第1の係合受け部23aは穴とされており、第2の係合受け部28は、連結壁26に形成された凹部26aと、対向壁27に形成された穴27aからなる。第1の係合部31は、穴形状の第1の係合受け部23aをリテーナ20内側からリテーナ20外側に貫通して係合するフックからなり、第2の係合部32は、凹部26aに係合する第1の突出部32aと、穴27aに係合する第2の突出部32bと、からなる。
【0017】ここで、穴27aの形成方法を、図4を参照して、説明する。図4に示すように、穴27aの車両前後方向(図の矢印方向)で対向壁27の位置が、対向壁27の厚みtだけ異なっており、第1の金型41と第2の金型42とを穴27a位置で接触させることにより、溶融樹脂が穴27a位置に進入することがなく、穴27aを形成できる。また、対向壁27の位置が穴27aを境にして厚みt異なっているため、金型41、42は容易に図の矢印方向に抜くことができる。
【0018】本発明の第2実施例では、図5、図6に示すように、第1の係合受け部23aは穴からなり、第2の係合受け部28は、開口部壁22の壁面22aに形成された穴22bからなる。第1の係合部31は、穴形状の第1の係合受け部23aをリテーナ20内側からリテーナ20外側に貫通して係合するフックからなり、第2の係合部32は、穴22bに係合する第3の突出部32cからなる。
【0019】本発明の第3実施例では、図7、図8に示すように、第1の係合受け部23aは穴からなり、第2の係合受け部28は、連結壁26に形成された凸部26bと、対向壁27に形成された凸部27bとからなる。第1の係合部31は、穴からなる第1の係合受け部23aをリテーナ内側からリテーナ20外側に貫通して係合するフックからなり、第2の係合部32は、凸部26bに係合する第1の端部32dと、凸部27bに係合する第2の端部32eとからなる。
【0020】
【発明の効果】請求項1〜請求項4の車両用収納装置によれば、第1の係合受け部がリテーナの奥壁に形成されており、第2の係合受け部がリテーナの連絡壁、連絡壁の対向壁、車室内側開口部壁の少なくとも1つに形成されており、リテーナの両側壁にはガイドレール取付け用の穴または凹部を形成しなくても済む。そのため、センタークラスターと一体にリテーナを形成するとき、金型を車両前後方向と異なる方向(たとえば、車両左右方向)に外す(抜く)必要はなくなり、車両左右方向に金型が抜けなくなるおそれがなくなるため、車両前方に回り込むまたは車室内側に張り出す意匠とすることができ、センタークラスターに厚み感をもたせることができる。また、リテーナの車両左右方向の側壁部に複数の穴部を形成しないため、複数の穴部を側壁に形成していた従来に比べて穴数が減少するため、収納体内部の密閉性が向上し、たとえば収納体が灰皿装置の場合、消火性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000185617
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
【出願日】 平成11年6月25日(1999.6.25)
【代理人】 【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
【公開番号】 特開2001−10411(P2001−10411A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−180337