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【発明の名称】 自動車のトノカバー
【発明者】 【氏名】土屋 智彦

【要約】 【課題】デッキルーム内の邪魔にならない格納位置から容易に使用位置にセットできる自動車のトノカバーを提供する。

【解決手段】車幅方向に延在して巻取り器が収納された筒体11の両端部にアーム13を取付け、かつバックドア開口部1の周辺フレーム2の上半分に対応してコの字形に形成されたトノカバー基部10を備える。このトノカバー基部が、周辺フレーム2の内側に重なる格納位置からデッキルームのフロア9aに達する位置間で回動可能になるように、アーム13の基端部をボデー側に支持する。トノカバー基部10の回動位置を少なくとも格納位置及び水平位置でロックするロック具30が付属している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デッキルームに搭載された荷物をカバーするために後方へ引出可能なシート状トノカバー本体の巻取り器を備えた自動車のトノカバーにおいて、車幅方向に延在して巻取り器が収納された筒体の両端部にアームを取付け、かつバックドア開口部の周辺フレームの上半分に対応してコの字形に形成されたトノカバー基部を備えると共に、このトノカバー基部が、前記周辺フレームの内側に重なる格納位置からデッキルームのフロアに達する位置間で回動可能になるように、前記アームの基端部をボデー側に支持し、前記トノカバー基部の回動位置を少なくとも前記格納位置及び水平位置でロックするロック具が付属したことを特徴とする自動車のトノカバー。
【請求項2】 トノカバー本体が半透明であることを特徴とする請求項1記載の自動車のトノカバー。
【請求項3】 トノカバー基部の両側前後の少なくとも4個所に、ラッゲージネットを係止する係止具を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車のトノカバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デッキルームに搭載された荷物をカバーするシート状のトノカバー本体が巻取り器から後方へ引出可能になった自動車のトノカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】トノカバーのシート或はネットは不使用時には床下に収納したり、特に保管場所が用意されていない場合もある。また、シート或はネットの巻取り器がリヤシートのシートバックの背面又は背後に車幅方向へ引き出し可能に配置されているのも周知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように巻取り器をデッキルームに常備しておくと、トノカバーのセットは容易になる反面、不使用時にデッキルームのスペースが制限され、またリヤシートの移動を制限することにもなる。
【0004】本発明は、このような点に鑑みて、デッキルーム内の邪魔にならない格納位置から容易に使用位置にセットできる自動車のトノカバーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、デッキルームに搭載された荷物をカバーするために後方へ引出可能なシート状トノカバー本体の巻取り器を備えた自動車のトノカバーにおいて、車幅方向に延在して巻取り器が収納された筒体の両端部にアームを取付け、かつバックドア開口部の周辺フレームの上半分に対応してコの字形に形成されたトノカバー基部を備えると共に、このトノカバー基部が、周辺フレームの内側に重なる格納位置からデッキルームのフロアに達する位置間で回動可能になるように、アームの基端部をボデー側に支持し、トノカバー基部の回動位置を少なくとも格納位置及び水平位置でロックするロック具が付属したことを特徴とする。
【0006】トノカバー基部は、周辺フレームの内側に重なった格納位置にロック具でロックされる。使用時には、ロック具で水平位置にロックされ、また荷物の高さに応じて水平位置の上方又は下方へ回動させることができる。トノカバー本体はトノカバー基部の先端の巻取り器から引き出される。
【0007】請求項2によりトノカバー本体が半透明であることにより、格納位置でトノカバーを利用することができる。請求項3によりトノカバー基部の両側前後の少なくとも4個所に、ラッゲージネットを係止する係止具を設けることにより、トノカバー本体に加えてラッゲージネットもセット可能にできる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図6を基に本発明の実施の形態の一例による後部にデッキルームを備えた自動車のトノカバーを説明する。デッキルーム9の後部のバックドア開口部1の周辺フレーム2には、前倒した上半分の領域にバックウィンド3aを備えたバックドア3が跳ね上げ式に支持されている。10はデッキルーム9に搭載された荷物をカバーするために後方へシート状トノカバー本体12を引出可能にするトノカバー基部であり、車幅方向に延在して巻取り器を収納する筒体11の両端部にアーム13が取付けられて周辺フレーム2の上半分に対応したコの字形に形成されている(図2参照)。
【0009】トノカバー本体12は黒色の半透明であり、先端中央に把手12a及び先端両側にかぎ12bを備えている。トノカバー基部10の両側前後の4個所に、ラッゲージネット19を係止するコの字形の係止具16が突設されている。巻取り器はトノカバー本体12を自動的に巻取り、引出し位置でかぎ12bが後2個所の係止具16に係止される。
【0010】コの字形のトノカバー基部12は、車室内側に僅かに突出した周辺フレーム2の内側に重なって格納位置に配置されると共に、アーム13の基端部14は、トノカバー基部12が格納位置から先端部がデッキルーム9のフロア9aに達する位置間で回動可能にピラー状の周辺フレーム2近辺のクォータパネルに突設された支軸2aに摩擦係合状態で支持されている。その高さ方向の位置は、トノカバー基部12が水平に回動した位置でバックウィンド3aの下縁、即ちベルトモールの位置を占めるように設定されている。
【0011】さらに、トノカバー基部10の回動位置を少なくとも格納位置及び水平位置でロックするように、周辺フレーム2の上部及びデッキルーム9の両側面に、ロック具20、30が設けられている。ロック具20は、図3Aに示すように,ルーフパネル6に連続する周辺フレーム2の上部内側に配置された天井板5の車幅方向の2個所に形成された凹部5aにそれぞれ構成され、筒体11の円弧形状に対応した凹部21aを有し、かつ凹部5aにスライド可能に収納されたブロック21と、このブロックを斜め後方へ付勢するばね22とを備えている。これにより、筒体11はその回動時にブロック21を出没させてロックされる。ロック具30は、図3Bに示すように、デッキルーム9の側面トリム7に形成された凹部7aに構成され、アーム13の幅に対応して上下に断面半円状の壁部31a、31bを有する凹部32が形成され、かつ凹部7aにスライド可能に収納されたブロック33と、このブロックを車室内側へ付勢するばね34とを備えている。これにより、アーム13は、その下方又は上方への回動時にブロック33を出没させてロックされる。
【0012】このように構成された自動車のトノカバーの動作及び使用方法は次の通りである。トノカバー基部10は格納位置では周辺フレーム2の内側に重なってバックウィンド3aに沿って前倒しており、この格納状態で車室内を隠したい場合には、図4に示すように、バックウィンド3aをカバーするようにトノカバー本体12を引き出して係止すると、車室内から車室外の後方は見えるが、外部から相対的に暗い車室内を見えなくなる。
【0013】デッキルーム9に搭載した荷物をカバーする場合、トノカバー基部10を手動操作で下方へ押し、ロック具20から筒体11を離脱させて水平位置でアーム13をロック具30にロックさせ、図5に示すように、トノカバー本体12を後方へ引き出す。その際、このトノカバー本体を係止した後側の係止具16にはラッゲージネット19を二つ折りにしてそのかぎを係止させ、小物を収納することもできる。
【0014】また、図6に示すように、トノカバー基部10を手動操作で下方へ押してロック具30からアーム13を離脱させ、筒体11がフロア9aに当接するまで下方へ回動させ、その全面に4個の係止具16で係止されたラッゲージネット19により荷物39を押えることができる。さらに、トノカバー基部10を水平位置よりも上方又は下方の途中位置まで搭載物の高さに応じて回動させて、トノカバー本体12又はラッゲージネット19でカバーすることもできる。その際、アーム13の基端部14の支軸2aへの摩擦係合により、走行中に振動することはない。
【0015】尚、前述の実施の形態に代えて、トノカバー本体の先端部に被係止具を設けることなく、巻取り器にロック機能を持たせることも考えられる。トノカバー基部10のロック部は、一方の基端部14の枢着位置に設けることにより、任意の回動位置でロックするようにもできる。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、トノカバー本体の巻取り器をルーフ近辺に格納することができ、ラッゲージルームのスペースを有効に利用することができる。また、荷物の高さに応じて任意の回動位置でトノカバー本体を引き出すこともできる。請求項2の発明によれば、格納位置でバックウィンドをカバーすることにより、車室内のプライバシ保護が可能となる。請求項3の発明によれば、ラッゲージネットを回動するトノカバー基部に沿ってセットしたり、或は垂下させることにより荷物の固定或は小物の収納が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000157083
【氏名又は名称】関東自動車工業株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】 【識別番号】100083208
【弁理士】
【氏名又は名称】福留 正治
【公開番号】 特開2001−10409(P2001−10409A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−185495