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【発明の名称】 車の安全ベルト用のベルトリトラクターと力制限器との組立体
【発明者】 【氏名】ヘルマン−カルル・ヴェラー

【要約】 【課題】二次的衝撃のとき、車の搭乗者が更に前方に動かないように、一次的衝撃時にベルトスプールが確実に係止され、更なるベルトウェブがベルトスプールから引き出されることがないベルトリトラクター組立体を提供すること。

【解決手段】力制限器の駆動部分28に接続された係止拘束部34と、係止拘束部に対する解放機構36、38と、静止係止歯部分40とが設けられ、係止拘束部が静止係止歯部分に対し解放機構により係合可能とされ、解放機構が力制限器の駆動部分と力制限器のハウジング20との間の相対的な回転により作動され、また、相対的な回転の終了に近づくと、解放機構が係止拘束部を係止歯部分内に係合させることができ、ベルトスプール12が係止歯部分に対してベルトウェブの引出し方向に向けて回転しないように係止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車の安全ベルト用のベルトリトラクター(5)と、力制限器(7)との組立体であって、ベルトリトラクターがベルトスプール(12)と、力制限器のハウジング(20)と、ベルトスプール(12)に接合可能である駆動部分(28)とを有する組立体において、駆動部分(28)に接続された係止拘束部(34)と、係止拘束部(34)に対する解放機構(36、38、44)と、静止係止歯部分(40)とが設けられ、係止拘束部(34)が該静止係止歯部分(40)に対し解放機構(36、38、44)により係合可能とされ、解放機構が、力制限器(7)の駆動部分(28)とハウジング(20)との間の相対的な回転により作動され、また、相対的な回転の終了に近づくと、解放機構が係止拘束部(34)を係止歯部分(40)内に係合させることができ、ベルトスプール(12)が係止歯部分(40)に対してベルトウェブの引出し方向に向けて回転しないように係止されることを特徴とする、ベルトリトラクターと力制限器との組立体。
【請求項2】 請求項1による組立体において、係止歯部分(40)が力制限器のハウジング(20)の上に配置されることを特徴とする、組立体。
【請求項3】 請求項1又は2による組立体において、ベルトスプール(12)の上にロッキングキャッチ(14)が配置され、該ロッキングキャッチが駆動部分(28)に配置された係止歯部分(30)に係合することができ、ベルトスプール(12)が駆動部分(28)と接合されることを特徴とする、組立体。
【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1つによる組立体において、解放機構(36、38、44)が駆動部分(28)の上に配置されることを特徴とする、組立体。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1つによる組立体において、係止拘束部(34)が駆動部分(28)上に取り付けられることを特徴とする、組立体。
【請求項6】 請求項5による組立体において、解放機構が、係止拘束部(34)を係止歯部分内に偏倚させ得るようにプレストレス力が加えられたばね(38)を備えることを特徴とする、組立体。
【請求項7】 請求項6による組立体において、解放機構が、係止拘束部(34)が係止歯部分(40)に係合しない最初の位置から係止拘束部(34)が係止歯部分(40)内に係合する作動位置まで駆動部分(28)に対して回転可能であるケージ(36)を備えることを特徴とする、組立体。
【請求項8】 請求項7による組立体において、保持ピン(44)が設けられ、該保持ピン(44)が、ケージ(36)を最初の位置にて保持し且つ力制限器のハウジングの取付け部(46)内に係合し、駆動部分(28)と力制限器のハウジング(20)とが相対的に回転するときにせん断され、これにより、解放機構が作動されることを特徴とする、組立体。
【請求項9】 請求項8による組立体において、係止拘束部には、駆動部分に形成された傾斜部分(50)と協働する突出部(37)が設けられ、ケージ(36)が最初の位置から作動位置まで回転すると、係止拘束部(34)が係止歯部分(40)内に係合することを特徴とする、組立体。
【請求項10】 請求項6による組立体において、係止拘束部(34)がスライダ(36)の上に配置され、該スライダの質量及び幾何学的形態が、係止拘束部及びスライダの全体的な質量中心が係止拘束部から反対方向を向いた駆動部分の回転軸線の側に位置するように選択されることを特徴とする、組立体。
【請求項11】 請求項10による組立体において、ハウジング(20)に配置され且つ弾性的である保持ピン(44)が設けられ、が突出部(37)が係止拘束部(34)に配置され、保持ピン(44)が該突出部に対して位置し且つばね(38)により加えられる力に抗して、前記係止拘束部を係止歯部分(40)内に係合しない位置に保持することができることを特徴とする、組立体。
【請求項12】 請求項10による組立体において、駆動部分(28)には、傾斜部分(50)が設けられ、該傾斜部分が、係止拘束部の突出部分(37)に隣接し且つ駆動部分がハウジングに対して回転したとき、保持ピン(44)を外方に撓ませることを特徴とする、組立体。
【請求項13】 請求項11又は12による組立体において、駆動部分(28)には、保持面(60)が形成され、係止拘束部(34)には、突起(62)が形成され、該突起は、係止拘束部が係止歯部分内に係合しない位置にあるとき、保持面(60)の後方に係合することを特徴とする、組立体。
【請求項14】 請求項1乃至13の何れか1つによる組立体において、力制限器が金属バンド(22)を備え、該金属バンドが、駆動部分(28)に接続され、駆動部分(28)とハウジング(20)との相対的な回転により、案内溝(24)を通じて引き出すことができることを特徴とする、組立体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車の安全ベルト用のベルトリトラクターと、制限器との組立体であって、ベルトリトラクターがベルトスプールを有し、力制限器がハウジングと、ベルトスプールと接合させることのできる駆動部分とを有する、組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる組立体は、独国実用新案第298 16 280号から公知である。該力制限器は、所定の回転モーメントと反対のベルトウェブの巻き戻し方向へベルトリトラクターのベルトスプールが回転することを可能にし、ベルトウェブをベルトスプールから引出すことを可能にし、このことが車の搭乗者を減速させる1つの追加的な方法として利用できるようにする働きをする。このようにして、車の安全ベルトにおける力のピーク値を低下させて、拘束されていない車の搭乗者が負傷する危険性を少なくすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、力制限器が設けられたベルトリトラクターにおいて、力制限機能が発揮される一次的衝撃の後、更なるベルトウェブがベルトスプールから引出されることは望ましくないという課題がある。更なるベルトウェブをベルトスプールから引出すことが可能であるならば、一次的衝撃の後の二次的衝撃のとき、車の搭乗者が更に前方に動く可能性がある。通常、今日使用されているガスバッグは、一次的衝撃にて有効となった後、二次的衝撃に対する十分な拘束効果を発揮しないから、かかる更なる前方への移動の結果、車の搭乗者が例えば、車の舵取りハンドル又は計器盤の一部に接触する結果となる。
【0004】このため、本発明の課題は、一次的衝撃後、ベルトスプールが確実に係止され、更なるベルトウェブがベルトスプールから引き出されることがないような当初記載の型式の組立体を更に開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】駆動部分に接続された係止拘束部、係止拘束部用の解放機構、また、静止した係止歯部分が提供され、この静止した係止歯部分に解放機構により係止拘束部が係止するようにすることができ、該解放機構は、駆動部分と力制限器のハウジングとの相対的回転によって作動され、この相対的な回転の終了時に向けて、係止拘束部を係止歯部分に係合させ、ベルトスプールが係止歯部分に対してウェブの引出し方向に回転しないように係止される、当初記載の型式の組立体にてこの課題は解決される。力を制限する過程すなわち抵抗トルクに抗してベルトウェブをベルトスプールから引出すことは、従来技術と比べて本発明による組立体内にて実質的に一定である。解放機構は、実際上、力制限機能が発揮されることで作動される。しかしながら、係止拘束部は、力制限機能が終了する時点迄、係止歯部分内に係合しない位置に止まっている。力制限機能が終了したとき、すなわち駆動部分が力制限器のハウジングに対し休止するときに始めて、係止拘束部は係止歯部分に係合し、このため、ベルトウェブをベルトスプールからそれ以上引出すことはできなくなる。このため、二次的衝撃の場合にも、車の搭乗者に対する拘束効果を提供することができるが、この場合、何ら更なる力制限機能は発揮されない。このため、力制限機能を解除することは、二次的衝突のとき、車の搭乗者が極く僅かしか前方に動かないことを確実にするのみならず、更に、ベルトリトラクター、特に、力制限器の設計の点にても利点がもたらされる。力制限器は、一次的衝撃時、ベルトウェブの必要な長さ(ベルトウェブの約300mm)が引出されるのを可能にするような設計とすればよい。二次的衝撃におけるように、ベルトウェブは直接的に係止され、このため、更なる力制限機能は発揮されず、力制限器は、この場合、更なるベルトの引出しが可能であるように設計する必要はない。
【0006】一つの好ましい実施の形態によれば、力制限器のハウジング上に係止歯部分が配置されるような構成とされる。その結果、特にコンパクトな構造となる。
【0007】好ましい実施の形態によれば、ロッキングキャッチがベルトスプール上に配置され、該ロッキングキャッチは、駆動部分上に配置された係止歯部分に係合するようにし、ベルトスプールを駆動部分と接合させ得るような構成ともされている。この構造は、例えば、明示的に参照する独国実用新案第298 12 435号に記載されたような従来のベルトリトラクターを最初に記載した実用新案から公知の力制限器と接続して、特に簡単な方法にて使用することを可能にする。通常、フレームに固定された歯部分に係合することによりベルトスプールを係止する働きをする、このロッキングキャッチは、ベルトスプールを力制限器と接合する働きをする。ロッキングキャッチが作動していないとき、ベルトスプールは、自由に回転できる。このことは、通常の作動に対応する。他方、例えば、車の加速又は減速が、ベルトスプールに作用し且つベルトウェブの大きい力により発生された特定の閾値又は回転加速度以上になるため、ベルトスプールの係止が作動されると、ベルトスプールは、ロッキングキャッチを介して力制限器と接続される。力制限器は、所定の回転モーメントを超えたときにのみ作用可能となり、駆動部分がハウジングに対して回転することを可能にするため、駆動部分に付与される回転モーメントが力制限器が作用可能となるときの値以下である限り、駆動部分上に配置された係止歯部分は、ハウジングに固定された歯部分のように機能する。この最初の状態にて、ベルトスプールに作用する回転モーメントが再度、低下するならば、ロッキングキャッチは、再度、係止歯部分から解放され、ベルトスプールは自由に回転することができる。他方、作用する回転モーメントが力制限器が作用するときの閾値を超えるならば、駆動部分と力制限器のハウジングとの間にて相対的な回転が生じ、このため、力制限器により提供される抵抗トルクに抗してベルトウェブをベルトスプールから引き出すことが可能となる。
【0008】本発明の一つの好ましい実施の形態によれば、解放機構が駆動部分上に配置される構成とされる。このようにして、解放機構を作動させるために使用される相対的な回転は、駆動部分とハウジングとの間にて直ちに検知することができる。
【0009】好ましくは、係止拘束部が駆動部分上に取り付けられるような構成とする。このことは、特に、コンパクトな構造とし、また、迂回せずに、トルクを直接的に伝達することを可能にする。
【0010】第一の実施の形態によれば、解放機構は、係止拘束部が係止歯部分に係合しない最初の位置から、係止拘束部が係止歯部分内に係合する作動位置まで駆動部分に対して回転可能なケージを備えている。このようにして、特に、解放機構がケージを最初の位置から作動位置まで偏倚させるばねを備え、また、係止拘束部が駆動部分上に取り付けられるとき、特にコンパクトな構造が形成される。更に、係止拘束部には、駆動部分上に形成された傾斜路部分と協働する突出部が設けられ、このため、ケージが回転するとき、係止拘束部が最初の位置から係止歯部分内への休止位置まで係合するようにする構成とすることができる。
【0011】第一の実施の形態によれば、更に、保持ピンが設けられ、この保持ピンは、解放機構を最初の位置に保持することができ且つ力制限器のハウジング内の取り付け部内に係合し、駆動部分と力制限器のハウジングとが相対的に回転するときにせん断され、これにより、解放機構が作動されるようにする。この構造は、解放機構を作動させるため駆動部分とハウジングとの間に生ずる相対的回転を特に簡単な方法にて使用することを可能にする。
【0012】第二の実施の形態によれば、係止拘束部は、スライダ上に配置され、そのスライダの質量及び幾何学的形態は、係止拘束部及びスライダの全体的質量が係止拘束部から反対方向を向く駆動部分の回転軸線の側に位置するように選択される。解放機構が加速度値の実質的な関数値として対応する、第一の実施の形態と相違して、この構造において、係止拘束部は、回転速度の関数として発揮される。回転速度が極めて速く、このため、全体的な質量中心により発生された遠心力が係止拘束部を係止歯部分内に案内しようとするばねの効果よりも大きいとき、係止拘束部は、係止歯部分からある距離に保たれる。回転速度が特定の値以下に低下すると直ちに、ばねにより付与された力は、遠心力を上廻り、このため、係止拘束部は係止歯部分内に係合するようにされる。
【0013】好ましくは、更に、ハウジング上に配置され且つ弾性的である保持ピンが設けられ、突出部は、係止拘束部に設けられ、保持ピンはこの突出部に対して位置し、また、係止拘束部は、ばねにより付与される力に抗して、係止歯部分内に係合しない位置に保たれる。このため、保持ピンは弾性的に延伸し、このため、保持ピンは、駆動部分とハウジングとが相対的に回転するとき、妨害とならない。好ましくは、ハウジングに傾斜部分を設け、該傾斜部分は、係止拘束部の突出部に隣接し且つ駆動部分がハウジングに対して回転されたとき、保持ピンを外方に撓ませる。保持ピンは、最早、せん断しないため、力制限機能が作動した後、ハウジング内への侵入効果を提供するであろうルースな部分とはならない。
【0014】第二の実施の形態において、ハウジング上に保持面が形成され、突起が係止拘束部上に形成され、係止拘束部が係止歯部分内に係合しない位置にあるとき、この突起が保持面の後方に係合するような構造とすることが更に可能である。保持面は、突起と共に、突出部に係合する保持ピンと同一の方向に、すなわち、ばねの作用方向と反対方向に作用する。このようにして、駆動部分の回転速度が依然として比較的低速である、駆動部分とハウジングとの間の相対的な回転相にてばねの作用が補償され、このため、全体的な質量中心により発生された遠心力も同様に、比較的小さい。
【0015】本発明の有利な展開例は従属請求項から明らかであろう。添付図面に図示した、一つの好ましい実施の形態に関して本発明を以下に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2において、第一の実施の形態による本発明の組立体が図示されている。この組立体は、ベルトリトラクター5と、力制限器7とから成っている。
【0017】ベルトリトラクター5は、ベルトスプール12が回転可能に取り付けられるフレーム10を備えている。ベルトスプールは車の安全ベルトを受け入れ得るように公知の方法にて作用する。より一層明確にするため、ベルトリトラクターの更なる従来の機能部分、例えば、巻きばね、係止機構等は殆ど図面に図示されていない。ベルトスプール12に間接的に取り付けられた係止拘束部14のみが図示されている。この目的のため、遷移部分(図面に図示せず)が設けられ、係止拘束部14がこの遷移部分に回動可能に取り付けられている。従来の係止機構が係止拘束部14と協働し、該係止機構は、係止拘束部をベルトウェブを感知可能又は車を感知可能な仕方にて作動させ、ベルトスプールを係止することができる。これについては以下に更に説明する。
【0018】力制限器7は、ベルトリトラクターのフレーム10の上に確実に配置されたハウジング20を備えている。このハウジング20には、金属バンド22に対する案内経路が形成されており、この案内経路は幾つかの案内溝24を有している。金属バンド22は、最初の状態のとき、案内経路内に配置され、その内端26により駆動部分28内に懸架されている。駆動部分28はハウジング20内に保持されている。金属バンド22を案内経路から引出し且つ駆動部分28上に巻き付けて始めて、駆動部分28とハウジング20との間の相対的な回転が可能となる。かかる力制限器の構造及び作動モードの詳細な説明に関して、最初に記載した実用新案を参照すべきである。
【0019】係止歯部分30は駆動部分28に形成され、該係止歯部分30は、ベルトスプール12と接続されたロッキングキャッチ14と関係している。ロッキングキャッチ14は、係止歯部分30と共に、通常の作動時、力制限器の駆動部分28に対してベルトスプール12を回転自在にする機能を有し、また、車を感知可能又はベルトウェブを感知可能な仕方にてベルトスプールを係止すべきとき、ベルトスプールを力制限器の駆動部分28に確実に接合する機能を有する。ロッキングキャッチ14が関係した係止機構により係止歯部分30内に係合するようにされると直ちに、作用するトルクが力制限器が作用可能となる閾値以下にある限り、ベルトウェブの引出し方向に向けてベルトスプールを更に回転させることはできない。この閾値以下のとき、実際上、ベルトスプールは、ロッキングキャッチ14、係止歯部分30、金属バンド22を介してベルトリトラクターのフレーム10の上に支持されており、該金属バンド22は駆動部分28及び力制限器のハウジング20の上に懸架されている。他方、作用するトルクが力制限器のハウジング20と駆動部分28との間の最大の許容可能な保持トルクを上廻るならば、これら2つの部分の間に相対的な回転が生じ、このため、このときに提供される抵抗トルクに抗して、ベルトウェブをベルトスプール12から引き出すことができる。
【0020】以下に、ベルトスプール12をフレーム10に対して係止することのできる力制限過程の終了時に向け、ベルトウェブの更なる引出しが全く不能であるようにする本発明の方法について説明する。
【0021】金属バンド22に接続された駆動部分28の部分と係止歯部分30との間には、係止拘束部34に対する保持部分32が設けられている。係止拘束部34は、取付け部35の保持部分32に回動可能に取り付けられている(図2及び図4参照)。保持部分32上には、ケージ36が回転可能に取り付けられ(同様に、図3及び図4参照)、該ケージ36は、最初の位置と作動位置との間にて保持部分32に対して回転可能である。圧縮ばね38がケージ36に作用し、該圧縮ばねは該ケージを最初の位置から作動位置に偏倚させる。
【0022】ケージ36に形成された窓部47内に突き出す突出部37が係止拘束部34に形成されている。該窓部は、半径方向に伸長する縁部48を有し、また、窓部の最下方点からケージ36の外周まで斜め方向に伸長する縁部50も有している。
【0023】係止歯部分40は力制限器のハウジング20の上に堅固に配置されており、該係止歯部分40と共に、係止拘束部34が協働することができる。これについては以下に説明する。
【0024】ケージ36がその最初の位置に配置されたとき、係止拘束部34は保持部分32に接する位置に保持されており、この位置において、係止拘束部は係止歯部分40に係合しない。特に、肩部42が係止拘束部34に設けられており、該肩部42はケージ36の下方に位置しており、このように、取付け部35の保持部分32に接するその位置にて係止拘束部34を保持する。
【0025】ケージ36は、圧縮ばね38の作用に抗して、保持ピン44により図3に図示したその最初の位置に保持され、該保持ピンは、力制限器のハウジングの関係した取付け部46内に係合する。駆動部分28は、所定のトルク以下にて金属バンド22により保持され、ハウジング20に対して回転しないように固着されており、保持部分32に回転可能に取り付けられたケージ36に配置された保持ピン44はハウジングに対して休止し、ケージ36をその最初の位置に保持する。
【0026】ベルトスプール12により駆動部分28に付与されたトルクにより、駆動部分28とハウジング20との間の相対的な回転が生じると直ちに、ケージ36の保持ピン44がせん断する。このように、ケージ36は最早、ハウジング20に対して支持されず、圧縮ばね38による作用にのみ露呈される。しかしながら、ばね38は最初はケージ36を保持部分32に対して回転させることはできない。これは、保持部分32及び係止歯部分30と共に、力制限過程中、ベルトスプール及び駆動部分28の回転加速度が作用するためである。力制限機能は、極めて大きい牽引力が車の安全ベルトに作用する点にて有効となる。このことは、ベルトスプール12がベルトウェブの巻き戻し方向への大きい回転加速度に曝されることにつながる。この回転加速度は、圧縮ばね38によりケージ36に加えられる力と同一の方向に作用するが、その効果の点にて、圧縮ばね38の作用よりも強力である。このため、保持部分32は、取付け部35内に保持された係止拘束部34と、窓部47の半径方向縁部48に対して位置する突出部37とを介してケージ36を共に動かす。
【0027】駆動部分28に作用する回転加速度が低下したとき、すなわち、力制限機能の終了時に近づいたときに限り、圧縮ばね38はケージ36を保持部分32に対して回転させることができる。この回転により、係止拘束部34は、窓部47の斜めの縁部50が突出部37と協働することにより、ハウジング部分32に対して接するその位置から係止歯部分40に係合した位置まで旋回する。この位置は図4に示してある。ベルトスプールは、係止拘束部14、係止歯部分30、保持部分32、係止拘束部34、係止歯部分40及び力制限器のハウジング20を介してフレーム10に対して固着されているから、係止拘束部34のこの位置において、ベルトスプール12はベルトウェブの巻き戻し方向に回転することができない。
【0028】このようにして、力制限過程の終了時に、自動的に、ベルトスプールはフレームに対して係止され、このため、例えば、二次的衝撃の場合、ベルトウェブがベルトスプールから更に引き出されることはない。
【0029】案内溝を通じて引き出される金属バンドを使用する力制限器に関して本発明の組立体を説明したが、勿論、例えば、力を制限するため捩れロッドが使用される力制限器を使用することも可能である。また、かかる力制限器の場合、駆動部分が存在し(例えば、捩れロッドがベルトスプールと接続する領域)、この駆動部分は、力制限過程中、加速度にさらされ、このため、その上に配置されたケージは力制限過程が実質的に完了したときに限り相対的に回転可能となる。
【0030】図5乃至図7において、駆動部分及びハウジングは、本発明の第二の実施の形態による組立体について図示されている。その機能又はその構造に関して第一の実施の形態から既知である構造的要素には同一の参照番号を使用する。
【0031】第一の実施の形態と異なり、この場合、係止拘束部34は駆動部分28に回動可能に取り付けられず、半径方向に向けて並進可能に変位し得るようにしてある。この目的のため、スライダ36が係止拘束部34と接続されており、該スライダ36は駆動部分28の中央ハブを保持し、また、駆動部分の回転軸線に対して係止拘束部34の反対側部には、釣合い重り70が設けられている。釣合い重り70及びスライダ36の構造により、回転軸線に対する、係止拘束部34、スライダ36、釣合い重り70により形成されたユニットの全体的な質量中心は係止拘束部の反対側部、すなわち釣合い重り70の側部に位置している。
【0032】一端にて駆動部分28に、他端にてスライダ36の上に懸架された脚ばね38が設けられている。脚ばねは、スライダ36に、従って、係止拘束部34に、図5に図示した位置(この位置において、係止拘束部34は係止歯部分40に係合しない)から、図5において下方に伸長し、図6に示した位置(この位置にて、係止拘束部34は係止歯部分40に係合する)まで作用する。
【0033】係止拘束部34には、突出部37が設けられており、該突出部は保持ピン44に対して位置している(図7参照)。このため、保持ピンは、ばね38により付与されるスライダ36の作用に反作用する。更に、駆動部分には、保持面60が形成されており、該保持面は、係止拘束部34に形成された突起62と協働し、保持面は係止拘束部34が半径方向外方に変位するのに反作用する。保持面60及び突起62は共に、単独では、ばね38の作用に抗して、係止拘束部34を図5に図示した位置に保つことはできない。
【0034】駆動部分28がハウジング20に対して矢印Dの方向に回転するようなトルクが駆動部分28に付与されるならば、弾性的な構造とされた保持ピン44は、係止拘束部34の突出部37により半径方向外方に押される。更なる相対的な回転に伴い、これは、駆動部分28に形成され且つ突出部37に隣接する傾斜部分50により支持される。突出部37及び傾斜部分50を通じて、保持ピン44は、この位置に留まるように更に外方に曲げられる。
【0035】保持ピン44が最早、突出部37に対して位置しなくなると直ちに、保持ピンは、ばね38により加えられた力に反作用する何ら更なる力を加えることはできない。勿論、この状態は、駆動部分の特定の回転速度に既に達したときにのみ実現され、従って、保持面60及び突起62によりそのとき提供された保持力と共に、全体的な質量中心に作用する遠心力は、ばね38により付与された力に反作用し、このため、係止拘束部34は、図5に図示したその位置に留まる。駆動部分の回転速度は低下し、これにより、全体的な質量中心に作用する遠心力を低下するときに始めて、ばね38は係止拘束部34を係止歯部分内に半径方向外方に動かすことができる。これにより、力制限機能は中断し、ベルトスプール12は直接的に妨害される。
【出願人】 【識別番号】599030574
【氏名又は名称】ティーアールダブリュー・オキュパント・リストレイント・システムズ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
【出願日】 平成12年5月29日(2000.5.29)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開2001−1863(P2001−1863A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願2000−157629(P2000−157629)