トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般

【発明の名称】 車両用収納装置
【発明者】 【氏名】小川 哲司

【氏名】寺井 丈浩

【要約】 【課題】可動部の側面と前記固定部の開口部周縁との間に生じる隙間を塞ぐことができるようにする。

【解決手段】車室内に設置されると共に開口部20が形成された固定部21と、開口部20から固定部21の内部へ格納される格納状態および開口部20から固定部21の外部へ突出する使用状態が選択可能となるように取付けられ且つ収納口24を有する可動部22とを備えた車両用収納装置19であって、固定部21の開口部20周縁に一端を固定され可動部22の側縁に他端を固定されて可動部22の側面に沿って配置される帯状部材26を設け、可動部22を使用状態とした際に帯状部材26によって可動部22の側面と固定部21の開口部20周縁との間の隙間27を塞ぎ得るよう構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車室内に設置されると共に開口部が形成された固定部と、前記開口部から固定部の内部へ格納される格納状態および前記開口部から固定部の外部へ突出する使用状態が選択可能となるように取付けられ且つ収納口を有する可動部とを備えた車両用収納装置において、前記固定部の開口部周縁に一端を固定され前記可動部の側縁に他端を固定されて前記可動部の側面に沿って配置される帯状部材を設け、前記可動部を使用状態とした際に前記帯状部材によって前記可動部の側面と前記固定部の開口部周縁との間の隙間を塞ぎ得るよう構成したことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項2】前記帯状部材は、可動部を格納状態とした際に、下方へ曲折した状態で収納可能であることを特徴とする請求項1記載の車両用収納装置。
【請求項3】前記帯状部材は、可動部を使用状態とした際に、弛みを有する長さ寸法に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用収納装置。
【請求項4】前記帯状部材は、略中央部に反転防止部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用収納装置。
【請求項5】前記可動部は灰皿であり、前記固定部の開口部上縁に防煙用のゴムシール部材が設置され、該ゴムシール部材と帯状部材とが一体成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用収納装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、灰皿ユニットなどの車両用収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両には、車室内に灰皿ユニットなどの車両用収納装置が取付けられている。
【0003】例えば、図9に示すように、車室を構成するインストルメントパネル1には、センターコンソール部2に取付開口3が設けられ、この取付開口3に灰皿ユニットなどの車両用収納装置4が設置される。
【0004】この車両用収納装置4は、図10に示すように、前記取付開口3に嵌着されると共に開口部5が形成された固定部6を備えている。そして、固定部6には、前記開口部5から固定部6の内部へ格納される格納状態および前記開口部5より車室内へ突出する使用状態が選択可能となるように可動部7が取付けられている。この可動部7は、図10の場合、側面に設けられた軸8を中心として、回動可能に取付けられており、且つ、図示しないコイルバネなどにより開方向へ付勢されている。
【0005】この可動部7は、上側に、灰皿となる収納口9と、シガーライターソケット取付孔10とを有している。
【0006】なお、前記固定部6の開口部5上縁には、防煙用のゴムシール部材11が設置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の車両用収納装置では、前記可動部7の側面とインストルメントパネル1の取付開口3や前記固定部6の開口部5との間に生じる隙間12へ物落ちが起きるおそれがある。そのため、落ちた物を取り出せるようにするために隙間12を大きく取るなどの配慮が必要となり、その分、可動部7における収納口9の容量を小さくせざるを得なかった。また、可動部7の側面などが乗員から見えてしまうため、外観品質が余り良好ではなかった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、可動部の側面と前記固定部の開口部周縁との間に生じる隙間を塞ぐことのできる車両用収納装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、車室内に設置されると共に開口部が形成された固定部と、前記開口部から固定部の内部へ格納される格納状態および前記開口部から固定部の外部へ突出する使用状態が選択可能となるように取付けられ且つ収納口を有する可動部とを備えた車両用収納装置において、前記固定部の開口部周縁に一端を固定され前記可動部の側縁に他端を固定されて前記可動部の側面に沿って配置される帯状部材を設け、前記可動部を使用状態とした際に前記帯状部材によって前記可動部の側面と前記固定部の開口部周縁との間の隙間を塞ぎ得るよう構成したことを特徴としている。
【0010】このように構成された請求項1にかかる発明によれば、隙間への物落ちを防止することが可能となる。また、上記隙間を小さくして可動部の収納容量を大きくすることが可能となる。更に、外観品質を向上させることができる。
【0011】請求項2に記載された発明では、前記帯状部材は、可動部を格納状態とした際に、下方へ曲折した状態で収納可能であることを特徴としている。
【0012】このように構成された請求項2にかかる発明によれば、帯状部材が邪魔にならずに可動部を開閉させることができる。
【0013】請求項3に記載された発明では、前記帯状部材は、可動部を使用状態とした際に、弛みを有する長さ寸法に設定されていることを特徴としている。
【0014】このように構成された請求項3にかかる発明によれば、可動部を使用状態とする時の開操作に悪影響を及ぼすことが防止できると共に、帯状部材に過度の張力が作用せずその耐久性が向上する。
【0015】請求項4に記載された発明では、前記帯状部材は、略中央部に反転防止部が形成されていることを特徴としている。
【0016】このように構成された請求項4にかかる発明によれば、帯状部材を常に良好な状態に保つことができる。
【0017】請求項5に記載された発明では、前記可動部は灰皿であり、前記固定部の開口部上縁に防煙用のゴムシール部材が設置され、該ゴムシール部材と帯状部材とが一体成形されていることを特徴としている。
【0018】このように構成された請求項5にかかる発明によれば、部品点数を増やさずに機能を向上させることができる。また、コストアップも最小限に抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0020】図1〜図6は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0021】まず、構成を説明すると、例えば、車室を構成するインストルメントパネル16には、センターコンソール部17に取付開口18が設けられ、この取付開口18に灰皿ユニットなどの車両用収納装置19が設置される。
【0022】この車両用収納装置19は、前記取付開口18に嵌着されると共に開口部20を形成された固定部21を備えている。そして、固定部21には、前記開口部20から固定部21の内部へ格納される格納状態(図3参照)および前記開口部20から固定部21の外部へ突出する使用状態(図4参照)を選択可能となるように可動部22が取付けられている。なお、この可動部22は、図1の場合、側面に設けられた軸23を中心として、回動可能に取付けられており、且つ、図示しないコイルバネなどにより開方向へ付勢されている。
【0023】そして、この可動部22は、上側に、灰皿となる収納口24と、シガーライターソケット取付孔25とを有している。なお、この灰皿を小物入れとして使用することも可能である。
【0024】この実施の形態1のものでは、前記固定部21の開口部20周縁に一端を固定され前記可動部22の側縁に他端を固定されて前記可動部22の側面に沿って配置されるゴム膜などの帯状部材26を設け、前記可動部22を使用状態とした際に前記帯状部材26によって前記可動部22の側面とインストルメントパネル16の取付開口18や前記固定部21の開口部20との間の隙間27を上部から塞ぎ得るよう構成している。
【0025】この際、図5、図6に示すように、帯状部材26の他端に円柱状の係止部28を形成し、可動部22の側縁にスリット部29を形成して、スリット部29に帯状部材26の係止部28を差込むことにより、係止部28で帯状部材26を容易に可動部22へ固定し得るようにしている。更に、可動部22に取付けるリッド部材30により係止部28を隠し、且つ、リッド部材30の凸部301により押さえ付けて係止部28の固定を確実なものとし得るようにしている。
【0026】そして、前記帯状部材26は、可動部22を格納状態とした際に、下方へ曲折した状態で収納可能な下方曲折部31を有している。この下方曲折部31は、例えば、帯状部材26の中間部に予め下方への曲げクセを付けておくなどにより形成する。
【0027】また、前記帯状部材26は、可動部22を使用状態とした際に、弛み32を有する程度の長さ寸法に設定する。
【0028】更に、前記固定部21の開口部20上縁には防煙用のゴムシール部材33が設置されているので、該ゴムシール部材33と帯状部材26とが一体成形されるようにする。
【0029】次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0030】固定部21に対し、可動部22は、開口部20から固定部21の内部へ格納される格納状態および前記開口部20から固定部21の外部へ突出する使用状態とすることができる。そして、使用状態とした際に、収納口24が外部へ露出され、灰皿や小物入れとして使用できるようになる。この際、この可動部22は、側面に設けられた軸23を中心として回動されることとなる。
【0031】そして、前記帯状部材26を設けたことにより、前記可動部22の側面と前記固定部21の開口部20周辺との間の隙間27を塞いで、隙間27への物落ちを防止することが可能となる。また、上記隙間27への物落ちを防止できるので、落ちた物を取り出せるようにするために隙間27を大きくするなどの配慮などが不要となり、その分、上記隙間27を小さくして可動部22の収納容量を大きくすることが可能となる。更に、帯状部材26が可動部22の側面の目隠しとなるので、外観品質を向上させることができる。加えて、可動部22をインストルメントパネル16内に潜らせて開くようにすることが可能となり、車室への可動部22の突出量を最小に抑えることができて、車両設計時の車室レイアウトデザインの自由度を向上することができる。
【0032】また、下方曲折部31により前記帯状部材26を確実に下方へ曲折した状態で収納させることができ、帯状部材26が邪魔にならずに可動部22を開閉させることができる。この際、下方曲折部31を下方への曲げクセとすることにより、簡単に下方曲折部31を実現することができる。
【0033】更に、前記帯状部材26に弛み32を持たせることにより、可動部22を使用状態とする時の開操作に悪影響を及ぼすことが防止できると共に、帯状部材26に過度の張力が作用せずその耐久性が向上する。
【0034】そして、前記ゴムシール部材33と帯状部材26とを一体成形することにより、部品点数を増やさずに機能を向上させることができる。また、製造が容易であり、取付工数も少なくて済むので、コストアップも最小限に抑えることができる。
【0035】
【発明の実施の形態2】図7は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0036】この実施の形態2のものでは、前記帯状部材26の略中央部に反転防止部34を形成するようにしている。具体的には、帯状部材26の略中央部に下方へ凸となるV字部35を形成している。
【0037】このように、帯状部材26の略中央部に下方へ凸となるV字部35などの反転防止部34を形成することにより、帯状部材26がねじれて裏返って(反転して)しまうようなことが防止され、帯状部材26を常に良好な状態に保つことができる。
【0038】また、下方へ凸となるV字部35は、下方曲折部31としても機能することができる。
【0039】上記以外の部分の構成については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0040】
【変形例】図8は、実施の形態2の変形例を示すものであり、反転防止部34として、帯状部材26の略中央部に局所的厚肉部36を形成したものである。
【0041】このように帯状部材26の略中央部に局所的厚肉部36を形成することにより、局所的厚肉部36が帯状部材26の他の部分よりも重くなって重錘として作用するので、帯状部材26がねじれて裏返って(反転して)しまうようなことが防止され、帯状部材26を常に良好な状態に保つことができる。
【0042】また、局所的厚肉部36は、下方曲折部31としても機能することができる。
【0043】上記以外は、実施の形態2と同様であり、同様のの作用・効果を得ることができる。
【0044】以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0045】例えば、可動部は回転式ではなく、引出式としても良い。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、帯状部材を設けたことにより、前記可動部の側面と前記固定部の開口部周縁との間の隙間を塞いで、隙間への物落ちを防止することが可能となる。また、上記隙間への物落ちを防止できるので、落ちた物を取り出せるようにするための配慮などが不要となり、その分、上記隙間を小さくして可動部の収納容量を大きくすることが可能となる。更に、帯状部材が可動部の側面の目隠しとなるので、外観品質を向上させることができる。
【0047】請求項2の発明によれば、帯状部材を下方へ曲折した状態で収納可能としたことにより、帯状部材が邪魔にならずに可動部を開閉させることができる。
【0048】請求項3の発明によれば、帯状部材に弛みを持たせることにより、可動部を使用状態とする時の開操作に悪影響を及ぼすことが防止できると共に、帯状部材に過度の張力が作用せずその耐久性が向上する。
【0049】請求項4の発明によれば、反転防止部により、帯状部材が反転してしまうようなことが防止され、帯状部材を常に良好な状態に保つことができる。
【0050】請求項5の発明によれば、ゴムシール部材と帯状部材とを一体成形することにより、部品点数を増やさずに機能を向上させることができる。また、製造が容易であり、取付工数も少なくて済むので、コストアップも最小限に抑えることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成11年6月18日(1999.6.18)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開2001−1839(P2001−1839A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−172189