| 【発明の名称】 |
パラレルハイブリッド車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤川 雅人
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| 【要約】 |
【課題】手動変速装置を搭載した車両をハイブリッド化し、高効率な走行を可能とし、同時にエンジンの出力を断続するクラッチ或いはその操作を不要とする。
【解決手段】トルク合成機構である差動装置3内の直結クラッチ36を締結したまま、エンジン1、モータ/発電機2、手動変速機4の入力軸を直結した状態で手動変速操作に対応する。ギヤを抜くときには、エンジントルクTE と同じ大きさで逆向きのモータ/発電機トルクTM/G を発生させる。ギヤを入れるときには、モータ/発電機トルクTM/G 及びエンジントルクTE を制御して、変速装置入力軸回転数を車速、目標変速比に応じた回転数にシンクロさせる。変速レバー並びにその周囲にスイッチを設け、変速の意思、ギヤ抜け、要求ギヤ段、ギヤ入りを検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンと、発電機及び電動機の両機能を備えた電動発電機と、手動変速装置と、少なくとも前記電動発電機の運転状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、手動変速操作時に、前記エンジン及び電動発電機及び手動変速装置の入力軸を直結した状態で、前記電動発電機の運転状態を制御することを特徴とするパラレルハイブリッド車両。 【請求項2】 前記エンジンの出力及び電動発電機の出力トルクを合成して出力するトルク合成機構を備え、このトルク合成機構は、遊星歯車機構と、当該遊星歯車機構の少なくとも二つの要素を締結する直結クラッチとを備え、前記制御手段は、前記手動変速操作時に、前記直結クラッチを締結した状態で、前記電動発電機の運転状態を制御することを特徴とする請求項1に記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項3】 運転者の前記手動変速操作の意思を検出する変速操作意思検出手段を備え、前記制御手段は、前記エンジンのトルクを算出するエンジントルク算出手段と、前記変速操作意思検出手段で運転者の手動変速操作意思が検出されたときに、前記エンジントルク算出手段で算出されたエンジンのトルクに対し、当該エンジンに直結されている前記手動変速装置の入力軸のトルクが相殺されるように、前記電動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項4】 前記変速操作意思検出手段は、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とする請求項3に記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項5】 運転者の前記手動変速操作によってギヤが抜けたことを検出するギヤ抜け検出手段と、当該手動変速操作によって運転者が次に要求しているギヤ段を検出する要求ギヤ段検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記手動変速装置の入力軸の回転数を検出する変速装置入力軸回転数検出手段とを備え、前記制御手段は、前記エンジンのトルクを算出するエンジントルク算出手段と、前記ギヤ抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記変速装置入力軸回転数検出手段で検出された手動変速装置入力軸回転数及び前記エンジントルク算出手段で算出されたエンジントルクに基づいて、前記手動変速機の入力軸の回転数が、前記要求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるように、前記電動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項6】 前記制御手段は、前記ギヤ抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記変速装置入力軸回転数検出手段で検出された手動変速装置入力軸回転数に基づいて、前記エンジンのトルクを制御するエンジントルク制御手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項7】 前記ギヤ抜け検出手段は、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載のパラレルハイブリッド車両。 【請求項8】 前記要求ギヤ段検出手段は、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチと、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチとで構成されることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のパラレルハイブリッド車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと、発電機を兼ねる電動機とを備えたパラレルハイブリッド車両に関し、特に変速装置が手動変速装置であるパラレルハイブリッド車両に好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来のパラレルハイブリッド車両としては、例えば特開平10−304513号公報に記載されるものがある。この従来例に記載されるものは、エンジンの出力トルクと、電動発電機の出力トルクとを、遊星歯車機構からなるトルク合成機構によって合成し、それを変速装置を介して駆動輪に伝達する。このパラレルハイブリッド車両では、例えば発進加速は、低回転で出力トルクが大きい電動発電機を電動機として用いて行い、その後、前述のように電動発電機の出力トルクとエンジンの出力トルクとを合成して用い、更に高速領域になると、電動発電機をオフとし、エンジンの出力トルクだけで走行する。このようなパラレルハイブリッド車両では、電動発電機の回転数がエンジンの回転数に到達したら、両者、より具体的には両者に連結されている遊星歯車機構の各要素を直結クラッチで直結し、出力トルク制御の応答性を高めるようにしている。また、車両減速時には、路面反力トルクで電動発電機を回転させ、当該電動発電機を発電機として機能させることで電力を蓄える、所謂回生作動させるように構成されている。即ち、パラレルハイブリッド車両では、電動発電機の運転状態、即ち回転数や出力トルクを制御することにより、より効率のよい走行、例えば高い加速力や低燃費を達成することを目的としている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来のパラレルハイブリッド車両は、原則的に変速装置が自動変速装置である。しかしながら、車種によっては、未だ変速装置の自動化がさほど要求されていないものもあり、そうした車両では、当然ながら手動変速装置が用いられるため、パラレルハイブリッド化が困難である。即ち、手動変速装置では、運転者がどのタイミングで手動変速操作を行うか分からない、運転者が次にどの変速段を選択する(要求する)か分からない、などの問題があり、少なくともこれらが明確にならないと、少なくとも電動発電機の運転状態、即ち回転数やトルクの制御ができず、パラレルハイブリッド化する目的を失う。また、手動変速装置を搭載する車両では、一般的に、動力源と手動変速装置との間に、両者を断続するためのクラッチを介装しており、一般的に手動変速操作時には、このクラッチを断続しているが、このクラッチの操作が面倒であるという問題もある。また、慣性トルクの大きいエンジンと手動変速装置との間に介装するクラッチは大きな容量が必要であり、容積も大きく、レイアウト上の制約も多い。 【0004】本発明は、前記諸問題を解決すべく開発されたものであり、エンジンに並設された電動発電機を制御することにより、少なくともエンジンと手動変速装置との間を断続するためのクラッチ或いはその手動変速操作時の断続操作を不要とし、同時に手動変速装置を搭載する車両をパラレルハイブリッド化して、高効率な走行を可能とするパラレルハイブリッド車両を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係るパラレルハイブリッド車両は、エンジンと、発電機及び電動機の両機能を備えた電動発電機と、手動変速装置と、少なくとも前記電動発電機の運転状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、手動変速操作時に、前記エンジン及び電動発電機及び手動変速装置の入力軸を直結した状態で、前記電動発電機の運転状態を制御することを特徴とするものである。 【0006】また、本発明のうち請求項2に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項1の発明において、前記エンジンの出力及び電動発電機の出力トルクを合成して出力するトルク合成機構を備え、このトルク合成機構は、遊星歯車機構と、当該遊星歯車機構の少なくとも二つの要素を締結する直結クラッチとを備え、前記制御手段は、前記手動変速操作時に、前記直結クラッチを締結した状態で、前記電動発電機の運転状態を制御することを特徴とするものである。 【0007】また、本発明のうち請求項3に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項1又は2の発明において、運転者の前記手動変速操作の意思を検出する変速操作意思検出手段を備え、前記制御手段は、前記エンジンのトルクを算出するエンジントルク算出手段と、前記変速操作意思検出手段で運転者の手動変速操作意思が検出されたときに、前記エンジントルク算出手段で算出されたエンジンのトルクに対し、当該エンジンに直結されている前記手動変速装置の入力軸のトルクが相殺されるように、前記電動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制御手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0008】また、本発明のうち請求項4に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項3の発明において、前記変速操作意思検出手段は、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とするものである。また、本発明のうち請求項5に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項1乃至4の発明において、運転者の前記手動変速操作によってギヤが抜けたことを検出するギヤ抜け検出手段と、当該手動変速操作によって運転者が次に要求しているギヤ段を検出する要求ギヤ段検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記手動変速装置の入力軸の回転数を検出する変速装置入力軸回転数検出手段とを備え、前記制御手段は、前記エンジンのトルクを算出するエンジントルク算出手段と、前記ギヤ抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記変速装置入力軸回転数検出手段で検出された手動変速装置入力軸回転数及び前記エンジントルク算出手段で算出されたエンジントルクに基づいて、前記手動変速機の入力軸の回転数が、前記要求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるように、前記電動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制御手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0009】また、本発明のうち請求項6に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項5の発明において、前記制御手段は、前記ギヤ抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記変速装置入力軸回転数検出手段で検出された手動変速装置入力軸回転数に基づいて、前記エンジンのトルクを制御するエンジントルク制御手段を備えたことを特徴とするものである。 【0010】また、本発明のうち請求項7に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項5又は6の発明において、前記ギヤ抜け検出手段は、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とするものである。また、本発明のうち請求項8に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求項5乃至7の発明において、前記要求ギヤ段検出手段は、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチと、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチとで構成されることを特徴とするものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明のパラレルハイブリッド車両駆動装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、エンジン1及び発電機及び電動機として作用する電気的回転駆動源としての3相誘導モータ/発電機で構成される交流式のモータ/発電機(電動発電機)2の出力側が、夫々、トルク合成機構である差動装置3の入力側に連結され、この差動装置3の出力側がトルクコンバータ等の発進装置を搭載していない手動変速装置4の入力側に接続され、変速装置4の出力側が図示しない終減速装置等を介して駆動輪5に連結されている。ちなみに、本実施形態では、後述するようにエンジンの出力を切断するためのクラッチが必要ないので、ダミーのクラッチペダルを設ける場合を除いて、運転席にはアクセルペダルとブレーキペダルしか配置されていない。 【0012】ここで、エンジン1はエンジン用コントローラECによって制御され、モータ/発電機2は、ステータとロータとを有し、充電可能なバッテリやコンデンサで構成される蓄電装置6に接続されたモータ/発電機駆動回路7によって駆動制御される。モータ/発電機駆動回路7は、蓄電装置6に接続されたチョッパ7aと、このチョッパ7aとモータ/発電機2との間に接続された例えば6つのサイリスタを有し直流を3相交流に変換するインバータ7bとで構成され、チョッパ7aに後述するモータ/発電機用コントローラ12からのデューティ制御信号DSが入力されることにより、このデューティ制御信号DSに応じたデューティ比のチョッパ信号をインバータ7bに出力する。このインバータ7bは、図示しないモータ/発電機2のロータの回転位置を検出する位置センサの回転位置検出信号に基づいて、モータ/発電機2の正回転時には電動機として作用させ、逆回転時には発電機として作用させるように、その回転に同期した周波数で駆動する3相交流を形成するように、例えば前記各サイリスタのゲート制御信号を形成する。ちなみに、モータ/発電機2はエンジン1同様、車両を駆動するためにも用いられるので、車両を駆動する側への回転方向を正回転とし、その逆方向への回転方向を逆回転と定義する。 【0013】また、差動装置3は、図2に示すように、トルク合成機構として遊星歯車機構21を備えて構成されている。この遊星歯車機構21は、エンジン1とモータ/発電機2との間で差動機能を発現しながらトルク合成機構をなすものである。そして、サンギヤSと、その外周側に等角間隔で噛合する複数のピニオンPと、各ピニオンPを連結するピニオンキャリアCと、ピニオンPの外側に噛合するリングギヤRとを備え、この遊星歯車機構21のリングギヤRがエンジン1(図ではENG)に連結され、同じく遊星歯車機構21のサンギヤSがモータ/発電機2のロータに連結され、同じく遊星歯車機構21のピニオンキャリアCが手動変速装置4(図ではT/M)の入力軸22に連結されている。 【0014】また、前記遊星歯車機構21のサンギヤS、即ちモータ/発電機2とキャリアC、即ち手動変速装置3との間には、両者を締結することでモータ/発電機2とエンジン1とを直結する直結クラッチ36が介装されている。なお、前記直結クラッチ36の締結解放は、当該直結クラッチ36への作動流体圧を制御する圧力制御弁のソレノイド36aへの制御信号によって制御されており、当該ソレノイド36aへの直結クラッチ制御信号CSが高レベルにあるとき、直結クラッチ36が締結され、当が直結クラッチ制御信号CSが低レベルにあるとき、直結クラッチ36が解放される。また、前記直結クラッチ制御信号CSは、前記低レベルと高レベルとの間で無段階に調整可能であり(実質的にはディジタル化される)、直結クラッチ36の締結状態は、半締結の状態で、種々の締結力を発現することができる。また、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち変速装置4の入力側とケース14との間には、当該ピニオンキャリヤC、及び変速装置4の回転方向を正回転にのみ規制し、逆回転では締結して、当該逆回転を許容しないワンウエイクラッチOWCが介装されている。 【0015】また、本実施形態では、エンジン1内での爆発振動を抑制するために、本実施形態では、エンジン1の出力側にダンパー17を介装している。さらに、前記手動変速装置4は、この実施形態では、5つの前進用ギヤ段と、1つの後退用ギヤ段とを有する。なお、この手動変速装置4は、後述するように運転席近傍に設けられた変速レバーを手動操作することにより、ギヤを入れたり(ギヤ段を選択する)、ギヤを抜いたり(ギヤ段の選択を外す、又はギヤ段を選択しない)して手動変速操作する。 【0016】また、エンジン1及びモータ/発電機2には、その出力軸の回転数を検出するエンジン回転数センサ8及びモータ/発電機回転数センサ9が設けられており、これら回転数センサ8及び9の回転数検出値NE 及びNM/G は、前記モータ/発電機2及び直結クラッチ36を制御するモータ/発電機用コントローラ12に供給される。また、後述する変速レバー位置検出スイッチ10の検出信号並びに変速レバー入力方向検出スイッチ15の検出信号も、このモータ/発電機用コントローラ12に供給される。 【0017】また、このモータ/発電機用コントローラ12は、前記エンジン用コントローラECとも相互通信を行い、例えばエンジン1の運転状態、即ちスロットル開度TVOや吸入空気量、空燃比、点火時期、冷却水温などの情報を、エンジン信号ESとして入力するように構成されている。また、このエンジン用コントローラECは、前記モータ/発電機用コントローラ12からエンジントルクの要求があった場合には、その要求に応じてエンジントルクを制御するように構成されている。なお、前記モータ/発電機回転数センサ9では、モータ/発電機2の正回転、逆回転も検出することができる。 【0018】前記変速レバー位置検出スイッチ10は、例えば図3に示すように、選択可能なギヤ段として、図示左側上段に1速段、左側下段に2速段、中側上段に3速段、中側下段に4速段、右側上段に5速段、右側下段に後退段が配置してあるとき、上段の1速段位置、3速段位置、5速段位置をロッドで連結し、そのロッドに取付けられた上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Aと、下段の2速段位置、4速段位置、後退段位置をロッドで連結し、そのロッドに取付けられた下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Bと、左側中段部、つまりニュートラル位置の左方に設けられた左側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Lと、中側中段部、つまりニュートラル位置の中央に設けられた中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Cと、右側中段部、つまりニュートラル位置の右方に設けられた右側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Rとで構成される。 【0019】つまり、例えば1速段から2速段に手動シフトアップ操作する場合には、まずON状態にある上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがOFFとなり、次いで左側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10LがOFFから一時的にONになって更にOFFとなり、次に下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがONとなる。また、例えば4速段から5速段に手動シフトアップ操作する場合には、まずON状態にある下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがOFFとなり、次いで中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10CがOFFから一時的にONになって更にOFFとなり、次いで右側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10RがOFFから一時的にONになって更にOFFとなり、次に上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがONとなる。また、例えば4速段から3速段に手動シフトダウン操作する場合には、まずまずON状態にある下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがOFFとなり、次いで中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10CがOFFから一時的にONになって更にOFFとなり、次に上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがONとなる。 【0020】これに対して、前記変速レバー入力方向検出スイッチ15は、図4に示すように、変速レバーの握り部30の内部に、当該握り部30を運転者が握り、変速レバーを前記図3のギヤ段に向けて操作したとき、それと同じ方向に縦横に配設された4つのスイッチ15A、15B、15L、15Rからなる。このうち、上方変速レバー入力方向検出スイッチ15Aは、変速レバーを図示上方(図3にも同様に対応)に操作しようとするときにONとなり、同様に下方変速レバー入力方向検出スイッチ15Bは変速レバーを図示下方に操作しようとするときにONとなり、左方変速レバー入力方向検出スイッチ15Lは変速レバーを図示左方に操作しようとするときにONとなり、右方変速レバー入力方向検出スイッチ15Rは変速レバーを図示右方に操作しようとするときにONとなる。 【0021】従って、例えば前記1速段から2速段に手動シフトアップ操作するとき、まず前記上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがONの状態で、前記下方変速レバー入力方向検出スイッチ15BがONになれば、運転者はこれから1速段をギヤ抜きしようとしている、つまり変速しようとしていると判定でき、更に前記左側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10LがOFFから一時的にONになった後、前記下方変速レバー入力方向検出スイッチ15BがONであれば、運転者はこれから2速段を選択(要求)しようとしていると判定できる。また、例えば前記4速段から5速段に手動シフトアップ操作するとき、まず前記下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがONの状態で、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15BがONになれば、運転者はこれから4速段をギヤ抜きしようとしている、つまり変速しようとしていると判定でき、更に前記右側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10RがOFFから一時的にONになった後、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15AがONであれば、運転者はこれから5速段を選択(要求)しようとしていると判定できる。また、例えば前記4速段から3速段に手動シフトダウン操作するとき、まず前記下段完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがONの状態で、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15BがONになれば、運転者はこれから4速段をギヤ抜きしようとしている、つまり変速しようとしていると判定でき、更に前記中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10CがOFFから一時的にONになった後、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15AがONであれば、運転者はこれから3速段を選択(要求)しようとしていると判定できる。なお、運転者が選択(要求)使用としているギヤ段の判定(検出)方法は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前記4速段から5速段に手動シフトアップ操作するとき、前記中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10CがOFFから一時的にONになった後、前記左方変速レバー入力方向検出スイッチ15RがONであれば、運転者はこれから5速段を選択(要求)しようとしていると判定できる。 【0022】前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも入力側インタフェース回路12a、演算処理装置12b、記憶装置12c及び出力側インタフェース回路12dを有するマイクロコンピュータ12eで構成されている。入力側インタフェース回路12aには、エンジン回転数センサ8のエンジン回転数検出値NE 、モータ/発電機回転数センサ9のモータ/発電機回転数検出値NM/G 、変速レバー位置検出スイッチ10の変速レバー位置検出信号RS、変速レバー入力方向検出スイッチ15の変速レバー入力方向検出信号DS、及びエンジン用コントローラECのエンジン信号ESが入力されている。 【0023】演算処理装置12bは、例えばキースイッチ(図示せず)がオン状態となって所定の電源が投入されることにより作動状態となり、先ず初期化を行って、モータ/発電機2への駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSをオフ状態とすると共に、直結クラッチ36へのクラッチ制御信号CSもオフ状態とし、その後、発進加速時や減速時にエンジン回転数検出値NE 、モータ/発電機回転数検出値NM/G 、変速レバー位置検出信号RS及び変速レバー入力方向検出信号DS等に基づいてモータ/発電機2及び直結クラッチ36を制御する。 【0024】記憶装置12cは、演算処理装置12bの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置12bの演算過程で必要な各種データを記憶する。出力側インタフェース回路12dは、演算処理装置12bの演算結果である駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSと直結クラッチ制御信号CSとをモータ/発電機駆動回路7及びソレノイド36aに供給する。ちなみに、前記モータ/発電機2では、逆起電圧を利用することにより、車両に制動力を付与することも可能である。このモータ/発電機2の制動トルク増加制御は、モータ/発電機2が発電機として作用しているときにはモータ/発電機駆動回路7のチョッパ7aに供給するデューティ制御信号DSのデューティ比を大きくして発生する逆起電圧を増加させることにより制動トルクを増加させる。また、モータ/発電機2が電動機として作用しているときには、デューティ制御信号DSのデューティ比を小さくして駆動トルクを減少させることにより制動トルクを増加させる。また、モータ/発電機2の制動トルク減少制御は、上記とは逆に、モータ/発電機2が発電機として作用しているときには、デューティ制御信号DSのデューティ比を小さくして発生する逆起電力を減少させることにより制動トルクを減少させ、モータ/発電機2が電動機として作用しているときには、デューティ制御信号DSのデューティ比を大きくして駆動トルクを増加させることにより制動トルクを減少させる。 【0025】次に、前記モータ/発電機用コントローラ12内で行われる数ある演算処理のうちから、前記手動変速装置4の手動変速操作時に行われる演算処理について、図5のフローチャートを伴って説明する。この演算処理は、前記モータ/発電機用コントローラ12内の演算処理装置12bで、所定制御時間ΔT毎のタイマ割込によって行われる。また、このフローチャートでは特に通信のステップを設けていないが、必要な情報やプログラムは随時入力インターフェース12aを介して外部や記憶装置12cから読込まれ、演算処理中の情報は随時記憶装置12cに記憶される。 【0026】この演算処理では、まずステップS1で、ギヤ抜け完了フラグF2 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該ギヤ抜け完了フラグF2 がリセット状態である場合にはステップS2に移行し、そうでない場合にはステップS3に移行する。前記ステップS2では、変速操作意思フラグF1 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該変速操作意思フラグF1 がリセット状態である場合にはステップS4に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する。 【0027】前記ステップS4では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えば前記何れかの方向の変速レバー入力方向検出スイッチ15がON状態であるか否かなどを用いて、運転者が変速操作しようとしているか否かを判定し、運転者が変速操作しようとしているときにはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。この変速操作意思の検出は、前述したように何れかの完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10がONの状態で、何れかの方向の変速レバー入力方向検出スイッチ15がONである、つまり何れかのギヤ段が選択されている状態で、運転者が変速レバーの握り部に手をかけていることで検出される。なお、変速操作意思の検出手段としては、これ以外にも、後述するように本実施形態ではエンジンの出力を断続するためのクラッチが必要ないので、例えばダミーのクラッチペダルを設け、運転者が当該クラッチペダルを踏み込んだら、変速操作の意思があると判定するようにしてもよい。 【0028】前記ステップS6では、前記変速操作意思フラグF1 を“1”にセットしてからステップS8に移行する。一方、前記ステップS7では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、エンジントルクTE 、モータ/発電機トルクTM/G を通常制御してからメインプログラムに復帰する。このトルク通常制御とは、例えば前述のように、運転者によるアクセル開度から要求する駆動トルクを求め、その駆動トルクを、車速に応じて、エンジンとモータ/発電機とにどのように配分すべきかを求め、夫々のトルクが得られるように制御すると共に、それらの出力トルクの組合せの割合を、前記差動装置3の直結クラッチ36の締結力で制御して、所望する駆動トルクが得られるようにする。 【0029】また、前記ステップS5では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記直結クラッチ36を締結状態に維持(ホールド)する、つまり前記直結クラッチ制御信号CSを高レベルに維持してから前記ステップS8に移行する。前記ステップS8では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、推定エンジントルクTE を算出してからステップS9に移行する。具体的には、例えば周知のエンジン回転数NE を変数とし、スロットル開度TVOをパラメータとする二次元マップによって凡そのエンジントルクを推定し、更にエンジンへの吸入空気量、空燃比、点火時期、或いは冷却水温などを用いて、それを補正することで、そのときのエンジントルクTE を推定することができる。 【0030】前記ステップS9では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、変速装置入力軸トルクを“0”にする、つまりモータ/発電機2の出力トルクTM/G を、前記推定エンジントルクTE と同じ大きさで且つ逆向きにする(=ーTE)に制御してからステップS10に移行する。前記ステップS10では、前記ギヤ抜け完了フラグF2 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該ギヤ抜け完了フラグF2 がリセット状態である場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS12に移行する。 【0031】前記ステップS11では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えば前記完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10がすべてOFF状態であることなどを用いて、ギヤ抜けが完了したか否かを判定し、ギヤ抜けが完了している場合にはステップS13に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。具体的には、前記二つの完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10が何れもOFF状態であることは、運転者が変速レバーを操作して、ギヤを抜いてしまったことに他ならないから、それを用いてギヤ抜けの完了を判定すればよい。 【0032】前記ステップS13では、前記ギヤ抜け完了フラグF2 を“1”にセットしてから前記ステップS12に移行する。また、前記ステップS3では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ステップS5と同様に、前記直結クラッチ36を締結状態に維持(ホールド)する、つまり前記直結クラッチ制御信号CSを高レベルに維持してから前記ステップS12に移行する。 【0033】前記ステップS12では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えば前記不完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10及び変速レバー入力方向検出スイッチ15の検出信号を用いて、運転者の次の要求ギヤ段を検出してからステップS14に移行する。要求ギヤ段の検出方法は前述の通りである。 【0034】前記ステップS14では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、図6に示す手法を用いて、変速装置入力回転数を、要求ギヤ段、車速に応じた回転数にシンクロ(同期)させてからステップS15に移行する。この処理の詳細は後段に詳述するが、必要なのは回転数の同期であるものの、重要なのはモータ/発電機2並びにエンジン1の出力トルクの制御である。即ち、所謂ギヤを入れるためには、前記手動変速装置4の入力軸回転数を、車速及び次の要求ギヤ段に応じた回転数に同期又は略同期させる必要があるが、それはエンジン1の出力トルク並びに特にモータ/発電機2の出力トルクを制御することによって成立するのである。 【0035】前記ステップS15では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えば前記完全変速位置及び不完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10の検出信号から、ギヤ入りが完了したか否かを判定し、ギヤ入りが完了している場合にはステップS16に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。 【0036】前記ステップS16では、前記変速操作意思フラグF1 及びギヤ抜け完了フラグF2 を共に“0”にリセットしてからステップS17に移行する。前記ステップS17では、前記ステップ7と同様に、エンジントルクTE 、モータ/発電機トルクTM/G を通常制御に戻してからメインプログラムに復帰する。 【0037】次に、前記ステップS14で行われる個別の演算処理について、図6を用いて説明する。図6は、演算処理の内容をブロック化したものである。この演算処理では、前記要求ギヤ段から次の目標変速比が得られるから、この目標変速比を用い、それを車速に乗じ、更に二次減速比(最終減速比)を乗じたものを、タイヤ転がり動半径で除して変速装置入力軸目標回転数が得られる。本実施形態では、手動変速操作中、常時、前記直結クラッチ36を締結して、エンジン1、モータ/発電機2、手動変速装置4の入力軸を直結状態に維持しているので、実際の変速装置入力軸実回転数はエンジン回転数NE 又はモータ/発電機回転数NM/G と同じであり、これを前記変速装置入力軸目標回転数から減じて変速装置入力軸回転数差を得る。 【0038】この変速装置入力軸回転数差に対し、PID制御、即ち比例・積分・微分制御の各ゲインを乗じて、変速装置入力軸目標トルクを得る。この変速装置入力軸目標トルクから、前記推定エンジントルクを減じたものが目標モータ/発電機トルクになるから、この目標モータ/発電機トルクを指令値として出力する。一方、前記変速装置入力軸回転数差に対し、個別のPID制御の各ゲインを乗じて、目標エンジントルクを得ることも可能であるので、エンジントルクを制御可能である場合には、それを指令値として出力する。 【0039】前記図5及び図6の演算処理によれば、前記直結クラッチ36が締結されており、前記変速操作意思フラグF1 もギヤ抜け完了フラグF2 もリセットされている状態で、運転者が変速レバーに手をかけると、ステップS1からステップS2、ステップS4を経てステップS6に移行し、ここで変速操作意思フラグF1 をセットする。従って、これ以後は、ステップS2からステップS5に移行し、常時、直結クラッチ36を締結状態に維持する。また、前記変速操作意思は、運転者が変速レバーに手をかけ、握り部に何らかの入力を及ぼした時点で、前記変速レバー入力方向検出スイッチ15によって迅速且つ正確に検出される。 【0040】一方、前記ステップS8で推定エンジントルクTE を算出した後、ステップS9では変速装置入力軸トルクを“0”とする、つまりモータ/発電機トルクTM/G を逆向きのエンジントルク(−TE )とすることにより、例えば手動変速装置内で噛合するギヤ段を結合するためのギヤスプラインとスリーブスプラインとの歯面圧が低減され、当該スリーブが移動可能となるので、運転者はギヤを抜くことが可能となる。但し、この時点で、俄に変速装置入力軸トルクが“0”になっているわけではないので、運転者はギヤを抜くことはできず、また前記ギヤ抜け完了フラグF2 もリセットされたままであるから、ステップS10からステップS11を経てメインプログラムに復帰する。 【0041】前記フローを繰り返すうちに、モータ/発電機トルクTM/G が逆向きのエンジントルク(−TE )となり、変速装置入力軸トルクが“0”となるので、その時点で運転者はギヤを抜くことが可能となる。実際のギヤ抜けは、前記完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10で迅速且つ正確に検出することができる。このようにしてギヤ抜け完了が検出されたら、ステップS11からステップS13に移行し、ここでギヤ抜け完了フラグF2 をセットする。従って、これ以後は前記ステップS1からステップS3を経てステップS12に移行するフローになり、これ以後も直結クラッチ36は締結状態に維持される。 【0042】前記ステップS12では、例えば前述のように、ONとなる不完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10及びその後のON状態の変速レバー入力方向検出スイッチ15から、迅速且つ正確に要求ギヤ段を検出する。次いで、ステップS14で、前記図6の演算処理に従ってモータ/発電機トルクTM/G 及びエンジントルクTE を制御することにより、変速装置入力軸回転数のシンクロ制御を行う。前述のように、車速、目標変速比に応じた回転数に手動変速装置4の入力軸回転数に同期又は略同期すれば、例えば運転者が要求するギヤ段のギヤとスリーブとを同じ又は略同じ回転速度とし、当該スリーブスプラインをギヤスプラインに噛合可能とすることで、運転者はギヤを入れることが可能となる。但し、この時点で、俄に変速装置入力軸回転数が、要求ギヤ段及び車速に応じた回転数に同期又は略同期するわけではないので、運転者はギヤを入れることができず、ステップS15からメインプログラムに復帰するフローが繰り返される。 【0043】なお、前記図6に示すエンジントルクTE の制御については、例えば運転者が手動変速操作に適するアクセル操作、つまりアクセルペダルの踏込みを緩める、或いはアクセルペダルから足離しするなどすればよいが、例えばアクセルペダルを踏込んだまま、手動変速操作を行おうとするような場合、エンジン1の回転数が増加し、それと共にエンジントルクTE が増大すると、図6の演算処理では、目標モータ/発電機トルクが負の方向に大きくなりすぎてしまう。モータ/発電機2に十分な容量があれば、その大きな目標モータ/発電機トルクを発生させることも可能であるが、そのようなモータ/発電機2は容積も大きく、コストも高い。モータ/発電機2の容積やコストを低減しようとするならば、逆にエンジントルクを制御する必要があるので、本実施形態では、アップシフトの場合に、所定値以上に大きくならないようにエンジントルクを制御している。また、このようにエンジントルクを制御することで、効率を向上することができると共に、運転者がギヤを入れることができるようになるタイミングを早めることが可能となる。 【0044】一方、前記フローを繰り返すうちに、変速装置入力軸回転数が、要求ギヤ段及び車速に応じた回転数に同期又は略同期し、運転者がギヤ入りを完了すると、前記完全変速位置或いは不完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ10の検出信号から、当該ギヤ入りが迅速且つ正確に検出される。そして、図5の演算処理では、ステップS15からステップS16に移行して、変速操作意思フラグF1並びにギヤ抜け完了フラグF2 を共にリセットし、次いでステップS17でエンジントルクTE 、モータ/発電機トルクTM/G を通常制御に戻して、一連の手動変速操作時の制御を完了する。 【0045】この実施形態による手動シフトアップ時の変速装置出力トルク、変速装置出力軸回転数(車速に比例)、変速装置入力軸回転数の経時変化を図7に示す。図中の時刻t01、前記モータ/発電機トルクTM/G が逆向きのエンジントルク(−TE )となり、ギヤが抜けた時刻であるから、実際にはこれ以前に手動変速操作が開始されている。このようにギヤが抜けてから次のギヤが入るまでは、すべての動力源と変速装置出力軸とは切断されているから、変速装置出力軸トルクは零になり、その回転数、即ち車速も略一定(厳密には走行抵抗によって僅かに減速する)。 【0046】一方、時刻t01でギヤが抜けた後、運転者が次に要求しているギヤ段が検出されると、当該要求ギヤ段に応じた目標変速比及び車速に応じた変速装置入力軸目標回転数が設定される。そして、前述のようにモータ/発電機トルクTM/G 及び本実施形態ではエンジントルクTE も合わせて制御することにより、変速装置入力軸回転数を当該目標回転数に同期又は略同期させる。その結果、時刻t02でギヤが入り、その後は、運転者の意思に応じた、即ちアクセルペダルの踏込み量に応じた駆動トルクで車両を加速する。 【0047】このように、本実施形態では、モータ/発電機2の運転状態、例えば回転数やトルクを制御することにより、エンジン1、モータ/発電機2、手動変速装置4の入力軸と直結した状態で手動変速操作に対応することができ、エンジンの出力を切断するクラッチを不要としたり、或いはその断続操作を不要とすることでクラッチの耐久性を向上したりするができると共に、手動変速装置を搭載した車両をパラレルハイブリッド化して、高効率な走行を可能とすることができる。 【0048】また、トルク合成機構である差動装置3内の直結クラッチ36、つまり遊星歯車機構締結用直結クラッチを締結することで、エンジン1、モータ/発電機2、手動変速装置4の入力軸を直結することができるので、手動変速装置の入力軸に、エンジン回転始動用のクラッチを介装する必要がなく、その分だけレイアウトの自由度が高まる。例えば、図8には、トルク合成機構である差動装置がないパラレルハイブリッド車両の概略構成を示しており、図8aはエンジンの出力を切断するためのクラッチがないもの、図8bはエンジンの出力を切断するためのクラッチがあるものを示している。この種のパラレルハイブリッド車両は、前述のようにエンジンの回転を停止した状態で、モータ/発電機の出力トルクだけで車両を発進し、車速がある程度になったら、当該モータ/発電機の回転トルクでエンジンの回転を始動し、その後、エンジンとモータ/発電機の合成トルク、或いはエンジンの出力トルクのみで車両を走行させるような制御を行うことで、走行効率を高め、高い加速力、低燃費、排ガスのクリーン化を図っている。すると、トルク合成機構内に、遊星歯車機構の要素締結用クラッチ、本実施形態の直結クラッチ36がない場合、どうしても手動変速装置の入力軸に、それを動力源と断続するためのクラッチが必要になる。その点、本実施形態では、前記差動装置3内の直結クラッチ36で、それを代用することにより、手動変速装置4の入力軸にクラッチを設ける必要がないのである。 【0049】ちなみに、本実施形態の演算処理では、エンジン、モータ/発電機、手動変速装置の入力軸を直結状態に維持したまま、手動変速操作に対応できるので、前記図8のようなタイプのパラレルハイブリッド車両にも、同様に展開することが可能である。また、トルク合成機構である差動装置3内の直結クラッチ36を締結したまま、手動変速操作に対応できる、つまり手動変速操作後に直結クラッチを再締結する必要がないので、その再締結後に駆動力が変動するということもない。例えば、手動変速操作時に、前記差動装置3内の直結クラッチ36を解放し、ギヤが入ってから直結クラッチ36を再締結するようにすることも可能である。この場合には、前述のように変速装置入力軸回転数をシンクロさせるのにモータ/発電機トルクしか利用できないので、例えば遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤ/リングギヤ)がαであるとき、エンジントルクTE に対し、モータ/発電機トルクTM/G はそのギヤ比α倍が必要となる。そして、変速装置入力軸回転数をシンクロさせ、ギヤが入ってから、差動装置内のクラッチを再締結すると、変速装置入力軸には、エンジントルクTE とそのギヤ比α倍されたモータ/発電機トルクTM/Gとが入力されることになるので、変速装置出力軸に伝達される駆動力が変動する恐れがある。勿論、この変動は、エンジントルクTE を制御することにより、抑制防止することができるが、変速という短時間にエンジントルクTE を大幅に変更するのは困難であるし、またモータ/発電機に要求されるトルクも大きくなり、サイズも大きくなりがちである。エンジン、モータ/発電機、手動変速装置の入力軸を直結したまま、手動変速操作に対応できることは、これらの問題を未然に防ぐことにもなるのである。 【0050】以上において、変速レバー位置検出スイッチ10及び変速レバー入力方向検出スイッチ15及び図5の演算処理のステップS4が本発明の変速操作意思検出手段を構成し、以下同様に、変速レバー位置検出スイッチ10及び図5の演算処理のステップS11がギヤ抜け検出手段を構成し、変速レバー位置検出スイッチ10及び変速レバー入力方向検出スイッチ15及び図5の演算処理のステップS12が要求ギヤ段検出手段を構成している。 【0051】なお、前記各実施形態では、コントローラにマイクロコンピュータを用いた場合について説明したが、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能である。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求項1に係るパラレルハイブリッド車両によれば、例えばギヤを抜くときには、エンジンのトルクと同じ大きさで逆向きのトルクを発生するとか、ギヤを入れるときには、手動変速装置の入力軸回転数を、要求するギヤ段に応じた回転数にするといったように、電動発電機の運転状態を制御することにより、エンジン及び電動発電機及び手動変速装置の入力軸を直結した状態で手動変速操作に対応することができ、手動変速操作時にエンジンと手動変速装置との間に介装したクラッチの断続操作を不要としてクラッチの耐久性を向上させたり、或いはクラッチそのものを不要としたりすることができ、同時に手動変速装置を搭載した車両をパラレルハイブリッド化して、高効率な走行を可能とすることができる。 【0053】また、本発明のうち請求項2に係るパラレルハイブリッド車両によれば、手動変速操作時に、トルク合成機構の遊星歯車機構締結用直結クラッチを締結することで、エンジン及び電動発電機及び手動変速装置の入力軸を直結する構成としたため、手動変速装置の入力軸に、エンジン回転始動用のクラッチを介装する必要がなく、その分だけレイアウトの自由度が高まる。また、前記直結クラッチを手動変速操作時に再締結する必要がないので、その再締結後に駆動力が変動するということもない。 【0054】また、本発明のうち請求項3に係るパラレルハイブリッド車両によれば、運転者の手動変速操作意思が検出されたときに、算出されたエンジンのトルクに対し、当該エンジンに直結されている手動変速装置の入力軸のトルクが相殺されるように、電動発電機のトルクを制御する構成としたため、例えば手動変速装置内のギヤスプラインとスリーブスプラインとの歯面圧を低減し、当該スリーブを移動可能とすることができ、運転者はギヤを容易に抜くことができる。 【0055】また、本発明のうち請求項4に係るパラレルハイブリッド車両によれば、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチで変速操作意思を検出する構成としたため、迅速且つ正確に変速操作意思を検出することが可能となる。また、本発明のうち請求項5に係るパラレルハイブリッド車両によれば、ギヤ抜けが検出されたときに、目標変速比及び車速及び手動変速装置入力軸回転数及びエンジントルクに基づいて、手動変速機の入力軸の回転数が、要求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるように、電動発電機のトルクを制御する構成としたため、例えば運転者が要求するギヤとスリーブとを同じ又は略同じ回転速度とし、当該スリーブスプラインをギヤスプラインに噛合可能とすることができ、運転者はギヤを容易に入れることができる。 【0056】また、本発明のうち請求項6に係るパラレルハイブリッド車両によれば、ギヤ抜けが検出されたときに、目標変速比及び車速及び手動変速装置入力軸回転数に基づいて、エンジンのトルクを制御する構成としたため、例えば運転の不要なアクセル操作に伴って発生するエンジントルク相当のトルクを電動発電機で発生する必要がなくなり、その分だけ効率を向上することができると共に、運転者がギヤを入れることができるようになるタイミングを早めることが可能となる。 【0057】また、本発明のうち請求項7に係るパラレルハイブリッド車両によれば、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチでギヤ抜けを検出する構成としたため、ギヤが抜けたことを迅速且つ正確に検出することができる。また、本発明のうち請求項8に係るパラレルハイブリッド車両によれば、変速レバーの位置を検出するセンサ又はスイッチと、変速レバーへの入力を検出するセンサ又はスイッチとで、運転者の要求するギヤ段を検出する構成としたため、要求ギヤ段を迅速且つ正確に検出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231350 【氏名又は名称】ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月5日(2000.6.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066980 【弁理士】 【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−352605(P2001−352605A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−167934(P2000−167934) |
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