| 【発明の名称】 |
ハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置及び駆動制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】内藤 祥太郎
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| 【要約】 |
【課題】電気車用のバッテリーとして、二次電池や常温型燃料電池の弱点を補い、低負荷から高負荷までの広範囲の出力要求に応えられるバッテリーを提供する。
【解決手段】直流電源を、二次電池からなり電動機に接続されたパワーバッテリー2と、燃料電池からなりエネルギーバッテリ制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリー1とによって構成し、パワーバッテリー、エネルギーバッテリーまたは電動機14のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて、エネルギーバッテリ制御スイッチ7を制御し、直流電源の電圧を所定の範囲に維持するバッテリー電流・電圧制御手段と、キースイッチ15のオフ時に、パワーバッテリー2の充電量が所定値以下の時は、エネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2への充電を行ない、充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する、充電制御手段とを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】搭載された直流電源を動力源とする車両駆動用の電動機と、前記電動機の回転を制御する信号を発生する信号発生手段を含む制御装置と、キースイッチとを有する電気車の駆動装置において、前記直流電源を、二次電池からなり、前記電動機に接続されたパワーバッテリーと、燃料電池からなり、エネルギーバッテリー制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリーとによって構成し、前記パワーバッテリー、エネルギーバッテリーまたは電動機のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて前記エネルギーバッテリー制御スイッチを制御し、前記直流電源の電圧を所定の範囲に維持するバッテリー電流・電圧制御手段と、前記キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する充電制御手段とを備えた、ことを特徴とするハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項2】搭載された直流電源を可変電圧、可変周波数の交流電源に変換するインバータと、車両駆動用の三相交流電動機と、前記インバータを制御する信号を発生する信号発生手段と、キースイッチとを有する電気車の駆動装置において、前記直流電源を、二次電池からなり、前記インバータを介して前記三相交流電動機に接続されたパワーバッテリーと、常時定出力を発生する燃料電池からなり、エネルギーバッテリー制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリーとによって構成し、前記パワーバッテリー、前記エネルギーバッテリーまたは前記三相交流電動機又はインバータ入力電流のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて、前記エネルギーバッテリー制御スイッチを制御し、前記直流電源の電圧を所定の範囲に維持する、バッテリー電流・電圧制御手段と、前記キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する、充電制御手段とを備えた、ことを特徴とするハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項3】電気車の無負荷状態における、前記エネルギーバッテリーの初期電圧を前記パワーバッテリーの初期電圧よりも高く設定した、ことを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項4】前記エネルギーバッテリーは、燃料の供給や水の循環を行なう駆動ポンプを備え、該駆動ポンプは、起動時に前記パワーバッテリーを電源とすることを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項5】前記エネルギーバッテリーは、燃料の供給や水の循環を行なう駆動ポンプを備え、該駆動ポンプは、起動時に補助バッテリーを電源とすることを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項6】電気車は、エアコン用電動機、パワーステアリング用電動機、バキューム用電動機を含む補機類を備え、これらの補機類は、前記エネルギーバッテリーを電源として駆動されることを特徴とする請求項1、2または3に記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項7】搭載された主電源からの直流電源を可変電圧、可変周波数の交流電源に変換するインバータと、車両駆動用の三相交流電動機と、該三相交流電動機の電流及び回転速度を検出する電流センサ及び速度センサと、アクセル開度及び前記速度センサの出力に基づいて三相交流電流指令を発生する交流電流指令発生手段と、前記三相交流電流指令と前記三相交流電動機に流れる電流とに基づいて前記インバータを制御する信号を発生するPWM信号発生手段と、キースイッチを有する電気車の駆動装置において、前記主電源を、二次電池からなり、主コンタクタ及び前記インバータを介して前記三相交流電動機に接続されたパワーバッテリーと、燃料電池からなり、エネルギーバッテリー制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリーとによって構成し、前記パワーバッテリー及び前記エネルギーバッテリーの電流を検出する電流センサと、前記パワーバッテリー、前記エネルギーバッテリーまたは前記三相交流電動機またはインバータ入力電流のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて、前記エネルギーバッテリー制御スイッチを制御し、前記直流電源の電圧を所定の範囲に維持する、バッテリー電流・電圧制御手段とを備えた、前記キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する充電制御手段とを備えた、ことを特徴とするハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動装置。 【請求項8】搭載された直流電源を動力源とする車両駆動用の電動機と、該電動機の回転を制御する信号を発生する信号発生手段とを有する電気車の制御方法であって、前記直流電源は、二次電池からなり、前記電動機に接続されたパワーバッテリーと、常時定出力を発生する燃料電池からなり、エネルギーバッテリー制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリーと、これらのバッテリーのオンオフを制御するキースイッチとによって構成されたものにおいて、バッテリー電流・電圧制御手段により、前記パワーバッテリー、前記エネルギーバッテリーまたは前記電動機のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて、前記エネルギーバッテリー制御スイッチを制御することにより、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへ充電して前記直流電源の電圧を所定の範囲に維持し、前記キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する、ことを特徴とするハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動制御方法。 【請求項9】前記エネルギーバッテリーは、燃料の供給や水の循環を行なうためのポンプを備え、起動時にパワーバッテリーを電源として前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項8記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動制御方法。 【請求項10】電気車は、エアコン用電動機、パワーステアリング用電動機、バキューム用電動機を含む補機類を備え、これらの補機類を、前記エネルギーバッテリーを電源として駆動することを特徴とする請求項8記載のハイブリッドバッテリーを備えた電気車の駆動制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気車の駆動装置及び駆動制御方法に係り、特にハイブリッドバッテリーを電源とする電動機によって駆動される電気車に好適な電気車の駆動装置及び駆動制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】電気車は一般に、搭載された直流電源を可変電圧、可変周波数の交流電源に変換するインバータと、車両駆動用の三相交流電動機と、この三相交流電動機の電流及び回転速度を検出する電流センサ及び速度センサと、アクセル開度に応じて三相交流電動機のトルク指令を決定するトルク指令演算手段と、前記トルク指令及び前記電流センサの出力に基づいて三相交流電動機の電流を制御するための三相交流電流指令を発生する三相交流電流指令発生手段と、前記三相交流電流指令と前記三相交流電動機に流れる電流とに基づいて前記インバータを制御する信号を発生する信号発生手段を備えている。 【0003】このような電気車は、大気汚染の原因となる有害物質を排気ガスとして排出しない、地球環境と調和しうるクリーンな自動車として、その利用が拡大されつつある。化学工業社発行の「化学工業」1992年12月号の69頁〜74頁には、「電気自動車用電池の開発動向」と題して、新しい電池の開発動向が紹介されている。 【0004】電気車用のバッテリーとしては一般に二次電池、特に鉛電池が広く用いられているが、二次電池は一充電当たりの走行距離が短く、このことが電気車の普及を促進する上で大きな障害となっている。 【0005】一方、近年、二次電池に代わる電気車用のバッテリーとして、固体高分子型燃料電池のような常温型の燃料電池が注目されつつある。燃料電池は、燃料の水素と酸素を電気化学的に反応させてエネルギーーを取り出すものであり、燃料が供給される間は出力を発生し続けるため長時間の運転が可能となる。また、排出物もクリーンである。しかし、実用化されている常温型の燃料電池の出力は、単位の電池の出力電圧が1V、あるいは出力電力が1W/cm2程度であり、低負荷だけでなく高負荷まで広範囲の出力が要求される電気車用のバッテリーとしては、出力密度が小さいという欠点がある。 【0006】そこで、電動機に流れる電流が多いときは、燃料電池と二次電池の両方を使用し、少ないときは、燃料電池の余剰電力により二次電池を充電して次の大きな負荷に耐えられるようにしたハイブリッドバッテリーの技術が、特開昭47−32321号公報や特開平6−124720 号公報に示されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のハイブリッドバッテリー方式の電源装置によれば、電気車用のバッテリーとして、二次電池や常温型燃料電池の弱点を補い、広範囲の出力要求に応えられるバッテリーが得られる。しかし、このような従来のハイブリッドバッテリー方式の電源装置を備えた電気車は、ガソリン車と比較したとき、走行特性や走行可能距離、電源装置のサイズやコスト等の各観点で劣り、十分に満足すべきものは得られていない。 【0008】本発明の目的は、電気車用のバッテリーとして二次電池と燃料電池を組み合わせたハイブリッドバッテリーを用いるものにおいて、多岐にわたる運転条件下で、燃料電池と二次電池の双方の特性を十分に活かした最適な使用形態とすることによって、車両の低負荷から高負荷までの広範囲の出力要求に応えられ、かつ走行可能距離の長い電気車の駆動方式を提供することにある。 【0009】本発明の他の目的は、電気車用のバッテリーとしてハイブリッドバッテリーを用いるものにおいて、電源装置のサイズやコストの問題を改善できる電気車の駆動方式を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、搭載された直流電源を動力源とする車両駆動用の電動機と、前記電動機の回転を制御する信号を発生する信号発生手段とを有する電気車の駆動装置において、直流電源を、二次電池からなり、前記電動機に接続されたパワーバッテリーと、燃料電池からなり、エネルギーバッテリー制御スイッチを介して前記パワーバッテリーに並列に接続されたエネルギーバッテリーとによって構成し、前記パワーバッテリー、前記エネルギーバッテリーまたは前記電動機のいずれかの電流もしくは電圧に基づいて前記エネルギーバッテリー制御スイッチを制御し、前記直流電源の電圧を所定の範囲に維持するバッテリー電流・電圧制御手段と、前記キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する、充電制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0011】本発明の他の特徴によれば、無負荷状態では、エネルギーバッテリーの電圧がパワーバッテリーの電圧よりも高くなるように設定されている。 【0012】本発明の他の特徴によれば、エネルギーバッテリーは、燃料の供給や水の循環を行なう駆動ポンプを備え、この駆動ポンプは、起動時にパワーバッテリーを電源とすることを特徴とする。 【0013】本発明の他の特徴によれば、電気車は、エアコン用電動機、パワーステアリング用電動機、バキューム用電動機を含む補機類を備え、これらの補機類は、エネルギーバッテリーを電源として駆動されることを特徴とする。 【0014】並列に接続されたパワーバッテリーとエネルギーバッテリーまたは前記電動機のいずれか2つの電流もしくは電圧が、バッテリー電流・電圧制御手段によって検知、制御され、直流電源としての電圧が所定の範囲に維持される。また、キースイッチのオフ時に、キースイッチのオフ時に、前記パワーバッテリーの充電量が所定値以下の時は、前記エネルギーバッテリーから前記パワーバッテリーへの充電を行ない、前記充電量が該所定値よりも大きい時は充電を停止する。 【0015】本発明によれば、電気車の負荷の軽い運転状態では、電動機の運転に必要な電力は、主としてエネルギーバッテリーから供給される。電気車の負荷が増大し、より大きなパワーが必要になると、主としてパワーバッテリーからの電力が三相交流電動機へ供給される。 【0016】また、常時一定の出力を発生するエネルギーバッテリーから、パワーバッテリーへ電力を供給して充電することにより、低負荷から高負荷まで広範囲にわたる出力要求特性を満足させつつ、長期間走行することが可能となる。特に、パワーバッテリーの電力を負荷変動の大きい車両の走行駆動力に使用し、負荷変動が比較的少ない補機類には長期間にわたり一定の出力が得られるエネルギーバッテリーの電力を使用することによって、走行可能距離を延長し、電源装置のサイズのコンバクト化を図ることができる。また、低負荷から高負荷まで車両の広範囲の出力要求に応えられ、走行特性を改善することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図1の電気車の駆動装置のブロック図に従って説明する。 【0018】図1において、電気車に搭載された主電源は、並列に接続されたエネルギーバッテリー1とパワーバッテリー2からなる直流電源である。エネルギーバッテリー1としては常時一定の出力を発生する燃料電池、パワーバッテリー2としては二次電池である鉛電池を用いる。3はコントローラ10をバックアップする補助バッテリーである。4はエネルギーバッテリーの電流及び電圧を検出するエネルギーバッテリー電流・電圧検出器、5はパワ−バッテリーの電流及び電圧を検出するパワ−バッテリー電流・電圧検出器、6はエネルギーバッテリー用のリレ−である。7はエネルギーバッテリー1とパワーバッテリー2間の電流、電圧を制御するエネルギーバッテリー制御スイッチである。12は主回路を開閉する主コンタクタ、13はパワースイッチング素子を用いてバッテリー1及び2の直流電力を交流電力に変換するインバータ、14は電気車駆動用の三相交流電動機、15はキースイッチ、16は電動機14の回転数Nを検出する速度センサである。また、17(17a,17b,17c)は電流センサーであり、交流電動機14の1次巻線に流れる3相交流の1次電流i(iu,iv,iw)を検出する。18は、アクセルが踏み込まれているときに踏み込み量に応じた出力θAを出すアクセルスイッチである。19は、エネルギーバッテリー1への燃料供給や反応生成物を排出するためのポンプである。 【0019】コントローラ10は、回転速度検出手段20、一次周波数指令生成手段22、トルク指令演算手段30、アクセル開度演算手段31、ベクトル制御演算手段32、交流電流指令発生手段33、電流・電圧制御手段40、PWM信号発生手段42及びバッテリー電流・電圧制御手段44を有する。 【0020】コントローラ10は、電動機の回転速度N、電動機電流i及びアクセル開度θAを取り込み、トルク指令演算手段30でトルク指令Trを演算し、一次周波数指令生成手段22で一次角周波数ω1*を演算し、ベクトル制御演算手段32で交流電流指令I1を演算する。さらに、これらの一次角周波数ω1*、交流電流指令I1等を用いて、電流・電圧制御手段40及び交流電流指令発生手段33で、電流制御、交流電圧指令演算などの各処理を実行し、PWM信号発生手段42からPWM信号を出力する。このPWM信号に基づき駆動されるインバータ13により、バッテリー1及び2の直流電圧から可変周波数、可変電圧の3相交流電圧が形成され、三相交流電動機14のトルクが制御される。 【0021】回転角速度検出手段20は、速度センサー16の出力NのA相,B相パルスから交流電動機14の回転角速度ωr(ω=2π・N/60)を検出する。トルク指令演算手段30では、アクセル開度演算手段31で求められるアクセルの踏み込み量θAに対応した量と、回転角速度検出手段20で求められる電動機の回転角速度ωrを入力として、三相交流電動機14に与えるトルク指令τrが生成される。 【0022】ベクトル制御演算手段32は、励磁電動機指令im及び電動機トルクτMを入力とし、トルク電流指令It*を生成する。交流電流指令発生手段33は、交流電流指令I1や一次角周波数ω1*に基づいて、電流・電圧制御手段40に対する電流指令i*(iu*,iv*,iw*)を発生する。電流・電圧制御手段40は、電流指令i*及び電動機電流iを入力とし、電動機トルクτMを得るための基準信号Eu*,Ev*,Ew*を生成する。 【0023】PWM信号発生手段42では、基準信号(Eu*,Ev*,Ew*)と三角波を比較して、PWM信号を求め、このPWM信号を基にPWMインバータ13のアームを構成する6個パワー素子のゲート信号を形成する。 【0024】バッテリー電流・電圧制御手段44は、バッテリー電流・電圧検出器4、5の出力に基づいて、エネルギーバッテリー1やパワーバッテリー2の電流や電圧が所定の範囲に維持されるように制御し、この電流や電圧が許容値を超えた場合には、リレー6、エネルギーバッテリー制御スイッチ7、あるいは主コンタクタ12のいずれかを開状態として、許容値になるように制御する。この制御の詳細については後で説明する。 【0025】図2にエネルギーバッテリー1の一構成例を示す。エネルギーバッテリーは、燃料改質部100と燃料電池セル部120から構成される。燃料改質部100では、メタノールCH3OH及びまたはメタンCH4と水H2Oの改質反応により、H2ガスを生成する。燃料電池セル部110は、燃料電極112、電解114、酸素電極116及び出力部118を備えており、ポンプ19によって供給されるH2ガスとO2ガスを原料として、触媒反応により出力部118に、1セル当たり1W/cm2程度のセル出力が取り出される。また、反応の結果生成された水H2Oは、ポンプ19によって排出される。原料が供給されるかぎり、エネルギーバッテリー1には常時一定のセル出力が出力部118に得られる。ポンプ19は、所定の条件で、キースィッチ15のオフの場合も駆動される。その詳細については後で述べる。また、ポンプ19は冷却水の循環も行なう(図示略)。 【0026】図3は、主電源を構成するバッテリー1,2の特性を示すものである。パワーバッテリー2はエネルギーバッテリー1に比べて、電流の大きい範囲まで高い電圧を維持している。ただし、無負荷状態では、エネルギーバッテリー1の電圧がパワーバッテリー2の電圧よりも高くなるように設定されている。従って、電気車の負荷の軽い運転状態では、電動機14の運転に必要な電力は、主としてエネルギーバッテリー1から供給される。電気車の負荷が増大し、より大きなパワーが必要になると、主としてパワーバッテリー2からの電力が電動機14へ供給される。 【0027】エネルギーバッテリー1の放電電流は、最大IEMAX以下になるようにエネルギーバッテリー制御スイッチ7で制御される。 【0028】パワーバッテリー2が放電状態にあるときは、エネルギーバッテリー1によりパワーバッテリー2を充電する。そのためには、エネルギーバッテリー制御スイッチ7をオンとし、主コンタクタ12を開いてエネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2へ電力を供給する。このとき、バッテリー電流・電圧検出器で検出されるエネルギーバッテリー1の電流がIEMAX以下になるよう、エネルギーバッテリー制御スイッチ7でコントロールする。パワーバッテリー1の充電率が所定値(通常90〜100%の範囲内)に達したときは、エネルギーバッテリー制御スイッチ7をオフとし、充電を停止する。パワーバッテリー2の充電が完了したら、リレー6をオフにする。このとき、エネルギーバッテリー1から流れる電流はIEMAX以下に制限する。パワーバッテリー2の充電は電気車がパワーを必要としない状態を選んでおこなえばよい。 【0029】コントローラ10のバッテリー電流・電圧制御手段44の動作は、図4に示す通りである。まず、キースイッチ15がオフの状態で、パワーバッテリー電流・電圧検出器5により検知されたパワーバッテリー2の充電電圧が所定の充電電圧以上であるか否かをチェックする(ステップ402)。もし、所定の充電電圧以上である場合には、以下の制御は不要である。もし、パワーバッテリー2の充電電圧が所定の充電電圧に達していない場合には、次に回生制御を行う回生モードか否かチェックする(ステップ403)。回生モードでないときは、エネルギーバッテリー制御スイッチ7を導通状態にして、パワーバッテリー2を充電する(ステップ404、406)。もし、回生モードにあるときは、エネルギーバッテリー制御スイッチ7をオフにして、パワーバッテリー2への充電をやめ、回生の効率を高める(ステップ405)。 【0030】次に、キースイッチ15がオンになると、リレー6、主コンタクタ12を導通状態にして、エネルギーバッテリー1およびパワーバッテリー2から電動機14へ電力を供給する(ステップ408〜410)。このとき、エネルギーバッテリー1から流れる電流IEは所定値以下に制限する。この制御は、バッテリー電流・電圧検出器4によって検出されたバッテリー電流IEが所定値以下になるように、エネルギーバッテリー制御スイッチ7をオン・オフ制御することによってなされる。(ステップ412〜416)。従って、エネルギーバッテリー1が放電状態にあって、電圧が低いときは、エネルギーバッテリー制御スイッチ7を遮断状態にして、パワーバッテリー2からのみ電動機14へ電力を供給する。 【0031】パワーバッテリー2の充放電状態は、バッテリー電流・電圧検出器5で検出され、パワーバッテリー2の充電電圧が所定の充電電圧以上となったときは、エネルギーバッテリー制御スイッチ7を解放状態とし、エネルギーバッテリー1からの充電を停止させる(ステップ418〜420)。以下同様の処理により、電気車の電源装置としての、エネルギーバッテリー1及びパワーバッテリー2に関して、電流、電圧を所定の範囲に維持するような制御がなされる。 【0032】このように、パワーバッテリー2の充電量が所定値以下の時は、キースイッチ15がオフであっても、ポンプ19を駆動してエネルギーバッテリー1の出力を発生させて、パワーバッテリー2への充電を行ない、パワーバッテリー2の充電量が該所定値に達したら充電を停止する。 【0033】なお、エネルギーバッテリー1になんらかの異常等例えば発熱あるいは電流燃料を補充する必要が生じたときは、リレー6をオフにする。 【0034】図5は、パワーバッテリー2とエネルギーバッテリー1の充放電特性を示す図である。例えば、パワーバッテリー2の充電率が75%のときは、エネルギーバッテリー1の電圧が高いため、電流iA がエネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2へ電流が流れる。放電電流と充電電流が等しくなったところで、充電電流と放電電流はバランスする。 【0035】パワーバッテリー2の充電状態は、バッテリー電流・電圧検出器5で検出される。図6は、パワーバッテリー充電状態の検出方法を示す図であり、ある充填電流IGが流れた時の電圧ViGを検出し、パワーバッテリーの充電状態を判別する。充填電流IG1が流れた時の電圧がViG1aのとき、充電率は75%であり、電圧がViG1bのとき、充電率は95%である。同様に、充填電流IG2が流れた時の電圧がViG2aのとき、充電率75%であり、電圧がViG2bのとき、充電率は95%である。パワーバッテリーの充電制御の一例としては、充電率が75%以下になったら充電を開始し、充電率が95%程度になったら充電を停止するのが良い。 【0036】なお、本発明の電気車駆動用の電動機としては、交流電動機に代えて、直流電動機を用いてもよい。また、直流電源を交流電動機用に、可変電圧、可変周波数の交流電源に変換する手段としては、インバーター以外の手段を用いても良い。 【0037】また、バッテリー電流・電圧制御手段44により、エネルギーバッテリー1やパワーバッテリー2の電流や電圧を所定の範囲に維持する制御において、バッテリー電流・電圧検出器4、5の出力を利用する方法の外に、バッテリー電流・電圧検出器4、5のいずれかの1つの電流または電圧と、交流電動機14の1次巻線に流れる1次電流iとから必要な制御情報を演算で求め、制御を行なってもよい。例えば、バッテリー電流・電圧検出器4の出力と、交流電動機14の1次巻線に流れる1次電流iとによって、交流電動機14の負荷状態、及び両バッテリー1、2の電流・電圧の状態がわかるので、上記したのと同様な制御を行なうことができる。 【0038】また、バッテリー電流・電圧制御手段44により、電気車の回生制動時、パワーバッテリー2にエネルギーの回収を行なわせるようにしても良い。 【0039】図7は、図1の実施例における、ハイブリッドバッテリーのエネルギーバッテリーの制御装置部分の他の実施例を示す図であり、15はキースイッチ、190はエネルギーバッテリー駆動ポンプ用電動機、24はDC−DCコンバータである。また、120は、エネルギーバッテリーの負荷を示し、エアコン用電動機120a、パワーステアリング用電動機120b、バキューム用電動機120cが含まれる。また、130はエネルギーバッテリーの負荷用リレーを示し、エアコン用電動機リレー130a、パワーステアリング用電動機リレー130b、バキューム用電動機リレー130cが含まれる。さらにエネルギーバッテリー駆動ポンプ用の電動機リレーとして、第一のリレー(RLf1)190a、第二のリレー(RLf2)190bが含まれる。 【0040】次に、図7のハイブリッドバッテリーの制御装置部分の動作について説明する。この実施例において、エネルギーバッテリー1の駆動ポンプ19は、起動時にパワーバッテリー2を電源とする。図8を参照しながら動作を説明すると、起動前、キースイッチ15は、オフと成っており、エネルギーバッテリー駆動ポンプ用の電動機のリレー190(第一のリレー190a、第二のリレー190b)は共にオフ状態に有る。起動時、キースイッチ15がオンになると、第一のリレー190aがオンになり、パワーバッテリー2から駆動ポンプ19の電動機に電力が供給されて、エネルギーバッテリー駆動ポンプ19が、エネルギーバッテリーすなわち燃料電池に原料を供給し、その結果エネルギーバッテリー1が出力を発生する。これに伴って、第二のリレー(RLf2)190bが動作し、エネルギーバッテリー1から駆動ポンプ19の電動機に電力を供給するとともに、エネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2に対して充電がなされる。エネルギーバッテリー1が十分な出力を発生するようになった後、第一のリレー190aはオフになる。 【0041】このように、エネルギーバッテリー1の起動後、第二のリレー190bは自己保持される。その後、電気車の運転停止の為にキースイッチ15がオフにされても、このエネルギーバッテリーの動作状態は続き、バッテリー電流・電圧検出器5で検出されるパワーバッテリー2の電圧が所定値になる迄、エネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2に対して充電が続けられる。 【0042】エネルギーバッテリー1の負荷、例えばエアコン用電動機、パワーステアリング用電動機、バキューム用電動機が、それぞれ負荷用のリレー、すなわちエアコン用電動機リレー130a、パワーステアリング用電動機リレー130b、バキューム用電動機リレー130cを介してエネルギーバッテリー1に接続されている。なお、各負荷はこのエネルギーバッテリー1に対応するリレーの他に、それぞれの負荷独自に運転停止を制御するリレーを備えていることは言うまでもない。 【0043】これら補機類の負荷に対しては、エネルギーバッテリー1から電力が供給される。これは、パワーバッテリー2の電力を負荷変動の大きい車両の走行駆動力に使用し、負荷変動が比較的少ない補機類例えばエアコンには長期間にわたり一定の出力が得られるエネルギーバッテリー1の電力を使用するためである。これによって、走行可能距離を延長し、電源装置のサイズのコンバクト化を図ることができる。また、低負荷から高負荷まで車両の広範囲の出力要求に応えられ、走行特性を改善することができる。 【0044】なお、DC−DCコンバータ24は、エネルギーバッテリー1の電力で補助バッテリー3を充電する。この充電の制御は、バッテリー電流・電圧制御手段44によって補助バッテリー3の電圧を監視しながら行われる。 【0045】図9は、図1の実施例における、エネルギーバッテリー1の制御装置部分の他の実施例を示す図である。この実施例において、エネルギーバッテリー1の駆動ポンプ19は、起動時に補助バッテリー3を電源とする。図10を参照しながら動作を説明すると、起動前、キースイッチ15は、オフと成っており、エネルギーバッテリー駆動ポンプ19の電動機用のリレー190はオフ状態に有る。起動時、キースイッチ15がオンになると、リレー190がオンになり、補助バッテリー3から駆動ポンプ190の電動機に電力が供給されて、駆動ポンプ19がエネルギーバッテリーすなわち燃料電池に原料を供給し、その結果エネルギーバッテリー1が出力を発生する。これに伴って、エネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2に対して充電がなされる。その後、電気車の運転停止の為にキースイッチ15がオフにされても、このエネルギーバッテリーの動作状態は続き、バッテリー電流・電圧検出器5で検出されるパワーバッテリー2の電圧が所定値になる迄、エネルギーバッテリー1からパワーバッテリー2に対して充電が続けられる。 【0046】エネルギーバッテリー1の負荷は図7の場合と同様、それぞれ負荷用のリレー、すなわちエアコン用電動機リレー130a、パワーステアリング用電動機リレー130b、バキューム用電動機リレー130cを介してエネルギーバッテリー1に接続されており、これらの負荷は、エネルギーバッテリー1から電力が供給される。また、DC−DCコンバータ24は、エネルギーバッテリー1の電力で補助バッテリー3を充電する。この充電の制御は、パワーバッテリー2に対する場合と同様に、充電バッテリー電流・電圧制御手段44によって補助バッテリー3の電圧を監視しながら行われ、キースイッチ15がオフにされても継続し、電圧が所定値になると駆動ポンプ19を停止させて終了する。この実施例でも、パワーバッテリー2の電力を負荷変動の大きい車両の走行駆動力に使用し、負荷変動が比較的少ない補機類例えばエアコンには、定出力の得られるエネルギーバッテリー1の電力を使用する。また、この実施例は、エネルギーバッテリー1の起動時に補助バッテリー3を電源とするがこれは駆動ポンプ19による動力消費が比較的少ないときに効果的である。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、常時一定の出力を発生するエネルギーバッテリーから、パワーバッテリーへ電力を供給して充電することにより、低負荷から高負荷まで広範囲にわたる出力要求特性を満足させつつ、長期間走行することが可能となる。特に、パワーバッテリーの電力を負荷変動の大きい車両の走行駆動力に使用し、負荷変動が比較的少ない補機類には長期間にわたり一定の出力が得られるエネルギーバッテリーの電力を使用することによって、走行可能距離を延長し、電源装置のサイズのコンパクト化を図ることができる。また、低負荷から高負荷まで車両の広範囲の出力要求に応えられ、走行特性を改善することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成6年11月30日(1994.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074631 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346303(P2001−346303A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月14日(2001.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−103868(P2001−103868) |
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