| 【発明の名称】 |
ハイブリッド電気自動車の充電装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】安藤 正統
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| 【要約】 |
【課題】自車両の電源系の状態に左右されることなく安定且つ確実に高電圧バッテリを緊急充電する。
【解決手段】高電圧バッテリ2が放電し、単独でのエンジン始動が困難となった場合、他の救援車に搭載されている低電圧バッテリ100を接続して外部から充電装置10に電源を供給する。そして、起動スイッチ16を所定時間以上押し続けると、緊急充電シーケンスが開始され、低電圧入力リレー13のリレー接点を介して供給される充電用の直流電圧をスイッチング回路で高周波の交流電圧に変換し、変換した交流電圧を昇圧して整流することにより充電に必要な高電圧・電流を発生し、高電圧充電リレー20のリレー接点を介して高電圧バッテリ2に充電電流を供給する。高電圧バッテリ2の充電中は、充電状態の監視を行い、異常を検出した場合には直ちに充電を停止させ、正常の場合、タイマ機能により一定の充電時間が経過した後に充電を終了させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータへ電力を供給する高電圧バッテリを充電するハイブリッド電気自動車の充電装置であって、上記高電圧バッテリの放電によりエンジンが始動不能となった場合、自車両外部の低電圧バッテリを電源として上記高電圧バッテリへの充電電力を生成し、上記高電圧バッテリを少なくともエンジン再始動に必要なレベルまで充電する充電手段を備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項2】 上記充電手段に、上記外部の低電圧バッテリに専用のケーブルを介して接続するためのコネクタと、一定時間の操作によってのみ充電作業を開始させる起動スイッチと、正常充電中に連続点灯し、異常発生時に点滅する充電表示器と、上記外部の低電圧バッテリからの充電電力の接続/遮断を行う低電圧入力リレーとを備えたことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項3】 上記充電手段は、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段との通信により上記高電圧バッテリが充電可能か否かを確認し、充電可能の場合に充電を開始して充電中の異常を監視し、異常検出時には充電を停止する一方、正常時にはタイマによって規定した設定時間が経過した後に充電を終了することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項4】 上記充電手段は、上記外部の低電圧バッテリからの直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換した後、変換した交流電圧を昇圧・整流して高電圧直流とし、定電流制御で上記高電圧バッテリを充電することを特徴とする請求項3記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項5】 上記充電手段は、上記電源管理手段との通信に一定周期のパルス信号を使用することを特徴とする請求項3又は請求項4記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項6】 上記充電手段から送信するパルス信号と上記電源管理手段から送信するパルス信号とを、互いに混信のない周波数とすることを特徴とする請求項5記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項7】 モータへ電力を供給する高電圧バッテリを充電するハイブリッド電気自動車の充電装置であって、上記高電圧バッテリの放電によりエンジンが始動不能となった場合、自車両外部の低電圧バッテリを接続して上記高電圧バッテリへの充電電力を生成し、上記高電圧バッテリを少なくともエンジン再始動に必要なレベルまで充電する充電手段と、上記外部の低電圧バッテリを接続して上記高電圧バッテリを充電する際、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段の電源を、自車搭載の低電圧バッテリから上記外部の低電圧バッテリに切換える低電圧電源切換手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項8】 上記充電手段に、上記外部の低電圧バッテリに専用のケーブルを介して接続するためのコネクタと、一定時間の操作によってのみ充電作業を開始させる起動スイッチと、正常充電中に連続点灯し、異常発生時に点滅する充電表示器と、上記外部の低電圧バッテリからの充電電力の接続/遮断を行う低電圧入力リレーとを備えたことを特徴とする請求項7記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項9】 上記充電手段は、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段との通信により上記高電圧バッテリが充電可能か否かを確認し、充電可能の場合に充電を開始して充電中の異常を監視し、異常検出時には充電を停止する一方、正常時にはタイマによって規定した設定時間が経過した後に充電を終了することを特徴とする請求項7又は請求項8記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項10】 上記充電手段は、上記外部の低電圧バッテリからの直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換した後、変換した交流電圧を昇圧・整流して高電圧直流とし、定電流制御で上記高電圧バッテリを充電することを特徴とする請求項9記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項11】 上記充電手段は、上記電源管理手段との通信に一定周期のパルス信号を使用することを特徴とする請求項9又は請求項10記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。 【請求項12】 上記充電手段から送信するパルス信号と上記電源管理手段から送信するパルス信号とを、互いに混信のない周波数とすることを特徴とする請求項11記載のハイブリッド電気自動車の充電装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自車両外の低電圧バッテリを使用して自車搭載の高電圧バッテリを緊急充電するハイブリッド電気自動車の充電装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、エンジンとモータとを併用するハイブリッド電気自動車では、本来、モータに電力を供給する高電圧バッテリはシステム外部から充電する必要は無いものの、エンジン始動をモータによって行うため、長期間の車両放置によって高電圧バッテリが放電してしまった場合には、走行不能となってしまう。 【0003】このような緊急時に高電圧バッテリを充電する充電装置については、従来から種々提案がなされており、特開平8−317508号公報等に開示されているようなモータのみを走行駆動源とする電気自動車の充電装置を適用し、外部交流電源により高圧バッテリを充電するもの、特開平11−122824号公報に開示されているように自車両に搭載している低電圧バッテリを昇圧して高電圧バッテリを充電するもの、或いは、エンジンを始動するためのセルフスタータを搭載し、自車搭載の低電圧バッテリでセルフスタータを回してエンジンを始動するものが知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外部交流電源を使用して高電圧バッテリを充電する技術では、交流電源の利用できる場所まで車両を移動させる必要があり、緊急時の対応が困難である。一方、自車搭載の低電圧バッテリを使用して高電圧バッテリを充電する技術では、自車の低電圧バッテリに過大な負担が掛かり、安定して充電がなされない虞がある。また、セルフスタータを搭載する場合には、緊急時の対応が有利になるものの、車両重量の増加や、コスト上昇といった問題を招く。 【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自車両の電源系の状態に左右されることなく、安定且つ確実に高電圧バッテリを緊急充電することのできるハイブリッド電気自動車の充電装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、モータへ電力を供給する高電圧バッテリを充電するハイブリッド電気自動車の充電装置であって、上記高電圧バッテリの放電によりエンジンが始動不能となった場合、自車両外部の低電圧バッテリを電源として上記高電圧バッテリへの充電電力を生成し、上記高電圧バッテリを少なくともエンジン再始動に必要なレベルまで充電する充電手段を備えたことを特徴とする。 【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記充電手段に、上記外部の低電圧バッテリに専用のケーブルを介して接続するためのコネクタと、一定時間の操作によってのみ充電作業を開始させる起動スイッチと、正常充電中に連続点灯し、異常発生時に点滅する充電表示器と、上記外部の低電圧バッテリからの充電電力の接続/遮断を行う低電圧入力リレーとを備えたことを特徴とする。 【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、上記充電手段は、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段との通信により上記高電圧バッテリが充電可能か否かを確認し、充電可能の場合に充電を開始して充電中の異常を監視し、異常検出時には充電を停止する一方、正常時にはタイマによって規定した設定時間が経過した後に充電を終了することを特徴とする。 【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、上記充電手段は、上記外部の低電圧バッテリからの直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換した後、変換した交流電圧を昇圧・整流して高電圧直流とし、定電流制御で上記高電圧バッテリを充電することを特徴とする。 【0010】請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明において、上記充電手段は、上記電源管理手段との通信に一定周期のパルス信号を使用することを特徴とする。 【0011】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、上記充電手段から送信するパルス信号と上記電源管理手段から送信するパルス信号とを、互いに混信のない周波数とすることを特徴とする。 【0012】請求項7記載の発明は、モータへ電力を供給する高電圧バッテリを充電するハイブリッド電気自動車の充電装置であって、上記高電圧バッテリの放電によりエンジンが始動不能となった場合、自車両外部の低電圧バッテリを接続して上記高電圧バッテリへの充電電力を生成し、上記高電圧バッテリを少なくともエンジン再始動に必要なレベルまで充電する充電手段と、上記外部の低電圧バッテリを接続して上記高電圧バッテリを充電する際、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段の電源を、自車搭載の低電圧バッテリから上記外部の低電圧バッテリに切換える低電圧電源切換手段とを備えたことを特徴とする。 【0013】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、上記充電手段に、上記外部の低電圧バッテリに専用のケーブルを介して接続するためのコネクタと、一定時間の操作によってのみ充電作業を開始させる起動スイッチと、正常充電中に連続点灯し、異常発生時に点滅する充電表示器と、上記外部の低電圧バッテリからの充電電力の接続/遮断を行う低電圧入力リレーとを備えたことを特徴とする。 【0014】請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8記載の発明において、上記充電手段は、上記高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段との通信により上記高電圧バッテリが充電可能か否かを確認し、充電可能の場合に充電を開始して充電中の異常を監視し、異常検出時には充電を停止する一方、正常時にはタイマによって規定した設定時間が経過した後に充電を終了することを特徴とする。 【0015】請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、上記充電手段は、上記外部の低電圧バッテリからの直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換した後、変換した交流電圧を昇圧・整流して高電圧直流とし、定電流制御で上記高電圧バッテリを充電することを特徴とする。 【0016】請求項11記載の発明は、請求項9又は請求項10記載の発明において、上記充電手段は、上記電源管理手段との通信に一定周期のパルス信号を使用することを特徴とする。 【0017】請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、上記充電手段から送信するパルス信号と上記電源管理手段から送信するパルス信号とを、互いに混信のない周波数とすることを特徴とする。 【0018】すなわち、モータへ電力を供給する高電圧バッテリが放電してエンジンの始動が不能となった場合、請求項1記載の発明では、自車両外部の低電圧バッテリを電源として高電圧バッテリへの充電電力を生成して少なくともエンジン再始動に必要なレベルまで充電することでエンジン始動を可能とし、請求項7記載の発明では、自車両外部の低電圧バッテリを電源として高電圧バッテリへの充電電力を生成すると共に、高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段の電源を自車搭載の低電圧バッテリから外部の低電圧バッテリに切換えることで、自車の低電圧バッテリに負担をかけることなく高電圧バッテリを充電してエンジン始動を可能とする。 【0019】その際、請求項2記載の発明或いは請求項8記載の発明では、外部の低電圧バッテリに専用のケーブルを介して接続し、起動スイッチを一定時間操作することで低電圧入力リレーを介して充電電力を入力して充電作業を開始させる。そして、正常充電中は充電表示器を連続点灯させ、異常発生時には充電表示器を点滅させて、充電状況を外部に明示する。 【0020】また、充電開始に際しては、請求項3記載の発明或いは請求項9記載の発明では、高電圧バッテリの電源管理を行う電源管理手段との通信により高電圧バッテリが充電可能か否かを確認し、充電可能の場合に充電を開始して充電中の異常を監視する。そして、異常検出時には充電を停止し、正常時にはタイマによって規定した設定時間が経過した後に充電を終了する。 【0021】高電圧バッテリへの充電は、請求項4記載の発明或いは請求項10記載の発明では、外部の低電圧バッテリからの直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換した後、変換した交流電圧を昇圧・整流して高電圧直流とし、定電流制御で充電する。 【0022】電源管理手段との通信は、請求項5記載の発明或いは請求項11記載の発明では、一定周期のパルス信号を使用し、請求項6記載の発明或いは請求項12記載の発明では、充電手段から送信するパルス信号と電源管理手段から送信するパルス信号とを互いに混信のない周波数とする。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図3は本発明の実施の一形態に係わり、図1はハイブリッド電気自動車の電源系の構成図、図2は充電装置の動作を示すフローチャート、図3は高電圧バッテリ用ECUの動作を示すフローチャートである。 【0024】図1は、エンジンと電気モータとを併用するハイブリッド電気自動車の電源系であり、電気モータ等の高電圧系負荷1に対する電源として使用する高電圧バッテリ2(例えば、公称電圧240Vのバッテリ)と、補機類や制御機器の電源として使用する低電圧バッテリ3(例えば、公称電圧12Vのバッテリ)とを備えている。高電圧バッテリ2には、電源管理を行う高電圧バッテリ用コントロールユニット(高電圧バッテリ用ECU)30が接続されると共に高電圧充電リレー20の常開のリレー接点が接続され、このリレー接点の他方の端子側に、外部からの低電圧電源を使用して高電圧バッテリ2の充電を行うための充電装置10が接続されている。 【0025】充電装置10は、外部の低電圧電源としての外部低電圧バッテリ100を専用の充電ケーブル11を介して接続するための充電コネクタ12、充電コネクタ12からの低電圧電源を入力するための低電圧入力リレー13、充電を制御すると共に充電状態を監視する充電制御部14、充電に必要な高電圧・電流を発生する充電器本体部に相当する高電圧系回路部15を備えて構成される。ここに、低電圧入力リレー13は、常開接点形のリレーであり、また、外部低電圧バッテリ100は、例えば、他の車両に搭載される公称12V系のバッテリである。 【0026】充電装置10と外部低電圧バッテリ100とを接続するための充電ケーブル11及び充電コネクタ12は、接続作業における万一の接続ミスや短絡を防止する形状となっており、充電ケーブル11の一方の端部には、外部低電圧バッテリ100の正極側に接続するためのクリップが設けられ、他方の端部に、充電コネクタ12にのみ適合する専用のコネクタが設けられている。 【0027】すなわち、充電装置10は、高電圧バッテリ2が放電してエンジン始動不能となった場合であっても、外部低電圧バッテリ100を使用して高電圧バッテリ2を充電するに必要な電力を得るようになっており、自車搭載の低電圧バッテリ3に過大な負担をかけることなく、安定且つ確実に高電圧バッテリ2を緊急充電することができる。 【0028】この場合、外部低電圧バッテリ100を使用して高電圧バッテリ2の充電を行うことから、充電の大電流に耐えるハーネス類やヒューズ等を車両に固定的に装備しておく必要がなく、車両構成部品の部品点数を削減して艤装スペースの増大や重量減を可能とすると共に、コストダウンに寄与することができる。 【0029】また、充電制御部14には、低電圧入力リレー13のリレー接点からの充電用電力供給ライン、充電コネクタ12からの制御電源ライン、充電作業を開始させるための起動スイッチ16が入力インターフェースを介して接続されると共に、充電の作動状況を外部に明示するための表示器としての充電表示用LED(発光ダイオード)17、低電圧入力リレー13のリレーコイル及び高電圧充電リレー20のリレーコイルが出力インターフェースを介して接続されている。更に、充電制御部14は、通信インターフェースを介して高電圧バッテリ用ECU30と接続される。 【0030】充電制御部14は、外部低電圧バッテリ100からの電源供給を受けて作動し、起動スイッチ16のスイッチON検出、充電表示用LED17の点灯制御、低電圧入力リレー13及び高電圧充電リレー20の開閉制御を行うと共に、高電圧バッテリ2の充電状態の監視を行い、異常を検出した場合には直ちに充電を停止させ、正常の場合、タイマ機能により一定の充電時間が経過した後に充電を終了させる。 【0031】また、高電圧系回路部15は、低電圧入力リレー13のリレー接点を介して供給される充電用の直流電圧をスイッチング回路で高周波の交流電圧に変換し、変換した交流電圧を昇圧して整流することにより充電に必要な高電圧・電流を発生し、高電圧充電リレー20のリレー接点を介して高電圧バッテリ2に充電電流を供給する。 【0032】一方、高電圧バッテリ用ECU30は、通常の運転状態で高電圧バッテリ2の充放電量を管理するものであり、外部電源を用いての緊急充電の際には、高電圧バッテリ2が充電可能状態か否かを判定し、充電装置10に充電の可否を通信ラインを介して指示する。この場合、高電圧バッテリ2の放電による緊急充電の際には、自車両の低電圧バッテリ3も放電して残存容量が低下している虞があるため、高電圧バッテリ用ECU30には、自車両の低電圧バッテリ3からの電源と、充電装置10の充電コネクタ12を経由する外部低電圧バッテリ100からの電源とを切り換えるための低電圧電源切換手段としての制御電源切換リレー31が接続されている。 【0033】すなわち、高電圧バッテリ用ECU30は、通常時の制御用電源として、制御電源切換リレー31の常閉接点側に接続される自車両の低電圧バッテリ3を用い、高電圧バッテリ2の充電開始時には、外部低電圧バッテリ100が接続される常開接点を閉じることで外部低電圧バッテリ100を接続し、外部低電圧バッテリ100を電源として用いることで充電時の制御用電源を確保する。これにより、長期間の車両放置等によって高電圧バッテリ2のみならず低電圧バッテリ3も放電して残存容量が低下している場合であっても、安定した動作が保証され、充電装置10で高電圧バッテリ2を充電する際、確実に高電圧バッテリ2の状態を監視することができる。 【0034】以上の構成による電源系においては、通常、高電圧充電リレー20のリレー接点が開放されて充電装置10と高電圧バッテリ2とは切り離されており、高電圧バッテリ2から電気モータ等の高電圧系負荷1へ電力が供給される。また、高電圧バッテリ用ECU30や各種低電圧負荷への電源としては、低電圧バッテリ3が用いられる。高電圧バッテリ2は、車両の運転中、エンジンの動力で発電された電力や回生電力を利用して充電され、高電圧バッテリ用ECU30によって蓄電量が一定範囲内に収まるよう、その充放電量が管理される。 【0035】ここに、ハイブリッド電気自動車では、高電圧バッテリ2の電力により電気モータを駆動し、その動力を利用してエンジンを始動するため、長期間車両を運転せずに放置すると、自己放電により高電圧バッテリ2の蓄電量が自然に減少し、単独でのエンジン始動が困難となる場合がある。このような場合、他のガソリンエンジン車やハイブリッド電気自動車等を救援車として、この救援車に搭載されている低電圧バッテリ100を電源として用い、エンジン始動に必要な最低限の電力量を高電圧バッテリ2に充電する。 【0036】高電圧バッテリ2を充電する具体的な手順としては、先ず、救援車の低電圧バッテリ100の正極側端子に充電ケーブル11のクリップを接続し、反対側のコネクタを充電装置10の充電コネクタ12に接続する。そして、既製のブースタケーブルを用いて救援車の車体と自車両の車体とを接続し、共通接地ラインを形成する。 【0037】以上により、救援車と自車とが接続されて外部から充電装置10に電源が供給されると、充電装置10がパワーオンリセットされて初期状態となり、充電制御部14で起動スイッチ16の入力を監視する。同時に、高電圧バッテリ用ECU30では、充電装置10のリセットを検知して制御電源切換リレー31を切換え、自ら使用する電源を自車搭載の低電圧バッテリ3から外部低電圧バッテリ100に変更し、高電圧バッテリ2の充電に備えて待機状態となる。 【0038】この状態で、充電装置10の起動スイッチ16を所定時間以上(例えば、2sec以上)押し続けると、この起動スイッチ16のON状態が充電制御部14で検出され、高電圧バッテリ2の緊急充電シーケンスが開始される。以下、この緊急充電シーケンスについて、充電装置10の動作を示す図2のフローチャート、及び高電圧バッテリ用ECU30の動作を示す図3のフローチャートを用いて説明する。 【0039】緊急充電シーケンスが開始されると、充電装置10では、先ず、図2のステップS1で、充電制御部14が低電圧入力リレー13を投入してリレー接点を閉成し、高電圧系回路部15への電力供給ラインを準備する。次に、ステップS2へ進み、充電可能状態になったことを高電圧バッテリ用ECU30に通知するため、充電制御部14から通信ラインを介してパルス信号Aを送出する。そして、ステップS3で、高電圧バッテリ2への充電開始の判断を行うべく、高電圧バッテリ用ECU30からの充電可否の回答であるパルス信号Bの受信待ち状態となる。 【0040】ここで、待機状態にある高電圧バッテリ用ECU30では、図3のステップS51で充電装置10からのパルス信号Aを検出すると、充電装置10において緊急充電シーケンスが開始したことを認識する。そして、ステップS52へ進み、高電圧バッテリ2が充電可能であるか否かを、車両の運行状況、バッテリ端子電圧、バッテリ温度、バッテリ蓄電量等から判定する。 【0041】その結果、高電圧バッテリ2が充電可能状態にないと判定した場合には、ステップS52から待機状態に戻り、充電可能状態と判定した場合、ステップ52からステップS53へ進んでパルス信号Bを充電装置10に送信する。ここに、高電圧バッテリ用ECU30から送信するパルス信号Bと、充電装置10からのパルス信号Aとは、互いの高調波による混信防止を考慮した周波数であり、一定周期のパルス信号を用いることで実信号と明確に区別し、信頼性を向上する。 【0042】一方、パルス信号Bの受信待ち状態にある充電装置10側では、充電制御部14でタイマによる制限時間内にパルス信号Bを検出できないときには、高電圧バッテリ2が充電可能状態でないことを認識し、図2のステップS3からステップS19へジャンプしてパルス信号Aの送信を停止する。そして、ステップS21で低電圧入力リレー13を遮断してリレー接点を開放した後、ステップS22で充電表示用LED17を点滅させて緊急充電シーケンスが異常終了したことを示し、充電タイマをリセットして初期状態に戻る。尚、異常終了の場合、充電表示用LED17は一定時間点滅後に消灯され、充電装置10は初期状態に戻る。 【0043】また、制限時間内に高電圧バッテリ用ECU30から送信されたパルス信号Bが充電制御部14で受信されると、ステップS3からステップS4へ進んで充電タイマをスタートさせ、ステップS5で高電圧充電リレー20を投入してリレー接点を閉成する。次いで、ステップS6で充電表示用LED17を点灯した後、ステップS7で、高電圧系回路部15から充電電流を送出し、定電流モードで高電圧バッテリ2の充電を開始する。 【0044】高電圧バッテリ2の充電開始後は、ステップS8,S9,S10,S11で、充電器(高電圧系回路部15)の温度、外部低電圧バッテリ100からの入力電圧、高電圧バッテリ用ECU30からのパルス信号B、高電圧バッテリ2の電圧を監視する。その結果、正常に充電が行われている場合には、ステップS12で、充電タイマによる充電時間が一定の設定時間に達したか否かを調べ、設定時間が未経過の場合、ステップS8へ戻って充電状態の監視を継続する。一方、充電状態の監視中に異常が発見された場合には、充電を停止して異常終了させる。 【0045】すなわち、ステップS8,S9,S10,S11のいずれかのステップで設定条件を逸脱し、充電器の温度が設定温度を越えた加熱状態である場合、外部低電圧バッテリ100からの入力電圧が設定範囲以下の低電圧或いは設定範囲以上の過電圧の場合、パルス信号Bの停止を検出した場合、或いは、高電圧バッテリ2の電圧が設定範囲以下の低電圧或いは設定範囲以上の過電圧の場合には、該当するステップからステップS18へジャンプして高電圧系回路部15からの充電電流の送出を停止させ、ステップS19でパルス信号Aの送信を停止する。 【0046】そして、ステップS20で高電圧充電リレー20を遮断してリレー接点の開放により充電装置10と高電圧バッテリ2とを切り離した後、ステップS21で低電圧入力リレー13を遮断してリレー接点を開放する。更に、ステップS22で緊急充電シーケンスの異常終了を表示すべく充電表示用LED17を点滅させ、充電タイマをリセットして初期状態に戻る。 【0047】ここで、高電圧バッテリ用ECU30からのパルス信号Bは、高電圧バッテリ3の充電継続不可と判断された場合に停止される。すなわち、高電圧バッテリ用ECU30では、高電圧バッテリ2が充電可能と判断してパルス信号Bを送信(図3のステップS53)した後、ステップS54で、高電圧バッテリ2への充電を継続可能か否かを、車両の運行状況、バッテリ端子電圧、バッテリ温度、バッテリ蓄電量等から判断する。 【0048】その結果、充電継続可と判断した場合には、ステップS55で充電装置10からのパルス信号Aの停止による終了指示待ちとなり、充電継続不可と判断した場合、ステップS57でパルス信号Bの送出を停止して待機状態に戻る。そして、高電圧バッテリ用ECU30では、充電装置10からのパルス信号Aの停止を検出しない限り、ステップS54,S55で、引き続き充電継続可否の判断を行って充電装置10からの終了指示を待つループを繰り返す。一方、充電装置10における充電の正常終了或いは異常終了によるパルス信号Aの停止を検出した場合には、ステップS55からステップS56へ進んでパルス信号Bの送信を停止し、待機状態に戻る。 【0049】高電圧バッテリ2の充電中に異常が発生しなかった場合、充電装置10側では、充電制御部14内の充電タイマに設定された時間が経過すると、正常に充電が終了したと判断し、図2のステップS12からステップS13へ進んで高電圧系回路部15からの充電電流の送出を停止させる。そして、ステップS14でパルス信号Aの送信を停止し、ステップS15で高電圧充電リレー20を遮断してリレー接点を開放し、充電装置10と高電圧バッテリ2とを切り離す。更に、ステップS16で低電圧入力リレー13を遮断してリレー接点を開放した後、ステップS17で充電表示用LED17を消灯し、充電タイマをリセットして初期状態に戻る。 【0050】充電装置10の充電終了によるパルス信号Aの停止は、高電圧バッテリ用ECU30で検出される(図3のステップ55)。高電圧バッテリECU30では、このパルス信号Aの停止によって充電終了を認識し、ステップS55からステップS56へ進んでパルス信号Bの送信を停止し、待機状態に戻る。 【0051】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、モータへ電力を供給する高電圧バッテリが放電してエンジンが始動不能となった場合であっても、自車両の電源系の状態に左右されることなく安定且つ確実に高電圧バッテリを緊急充電することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月24日(2000.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2001−339803(P2001−339803A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−153465(P2000−153465) |
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