| 【発明の名称】 |
自動列車制御装置、及びその方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】本多 節
【氏名】池谷 崇
【氏名】石川 了
【氏名】池田 圭吾
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、地上装置から軌道回路に伝送される始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とを列車の車上装置で受信して、列車の走行速度を制御することである。
【解決手段】自動列車制御システム100において、地上装置13は、先行列車12’の軌道回路14上での走行位置に応じて、続行列車12の始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始端許容速度から終端速度まで減速するのに要する始終端間距離情報とを軌道回路14の各軌道区間に伝送する。続行列車12の車上装置11は、前記情報を受信して、始終端間の減速制御曲線を演算し、実際の走行速度と減速制御曲線からの許容速度と、実際の走行距離と始終端間距離とを、それぞれ比較して、走行速度が減速制御曲線からの許容速度を超過している場合、走行速度を許容速度以下に抑えるように制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】地上装置と車上装置とを備える自動列車制御装置において、前記地上装置は、列車が走行する軌道回路に設置されており、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知する走行位置検知手段と、前記走行位置検知手段により検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを生成して前記軌道回路に伝送する制御情報伝送手段と、を備え、前記車上装置は、前記軌道回路上を走行する列車に搭載されており、前記制御情報伝送手段により前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信する制御情報受信手段と、前記制御情報受信手段により受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算する速度制御曲線演算手段と、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知する走行状態検知手段と、前記速度制御曲線演算手段により演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較する速度比較手段と、前記制御情報受信手段により受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行距離とを比較する距離比較手段と、前記速度比較手段による比較結果に従って前記列車の走行状態を制御する走行状態制御手段と、を備えることを特徴とする自動列車制御装置。 【請求項2】前記速度制御曲線演算手段は、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算する減速制御曲線演算手段を備え、前記速度比較手段は、前記減速制御曲線演算手段により演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御手段は、前記速度比較手段により、前記実際の走行速度が前記減速制御曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速することを特徴とする請求項1記載の自動列車制御装置。 【請求項3】地上装置と車上装置とを備える自動列車制御装置を制御するための自動列車制御方法において、列車が走行する軌道回路に設置されている前記地上装置は、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知する走行位置検知工程と、前記走行位置検知工程で検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを生成して前記軌道回路に伝送する制御情報伝送工程と、を含み、前記軌道回路上を走行する列車に搭載されている前記車上装置は、前記制御情報伝送工程で前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信する制御情報受信工程と、前記制御情報受信工程で受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算する速度制御曲線演算工程と、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知する走行状態検知工程と、前記速度制御曲線演算工程で演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較する速度比較工程と、前記制御情報受信工程で受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行距離とを比較する距離比較工程と、前記速度比較工程での比較結果に従って前記列車の走行状態を制御する走行状態制御工程と、を含むことを特徴とする自動列車制御方法。 【請求項4】前記速度制御曲線演算工程は、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算する減速制御曲線演算工程を備え、前記速度比較工程は、前記減速制御曲線演算工程で演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御工程は、前記速度比較工程で、前記実際の走行速度が前記減速制御曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速することを特徴とする請求項3記載の自動列車制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地上装置から軌道回路に伝送される列車制御情報を列車の車上装置で受信して、列車の走行速度を制御する自動列車制御装置、及びその方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の自動列車制御装置は、レール間に設置されている地上装置と、列車に搭載されている車上装置とを備えている。そして、地上装置は、列車の走行速度を減速させる場合、先行列車のレール上の走行位置、及び上位信号の許容速度から下位信号の許容速度まで減速するのに必要な距離等に応じて、所定区間毎に続行列車の上位信号許容速度や下位信号許容速度等を階段上に設定し、制御情報をレール上に伝送する。続行列車の車上装置は、前記制御情報を受信して、所定区間毎の許容速度と実際の走行速度とを比較する。そして、続行列車の車上装置は、所定区間内で上位信号許容速度から下位信号許容速度まで減速するように、走行速度を減速させる。 【0003】従来の自動列車制御装置を適用した自動列車制御システム200について、図3、図4を参照して説明する。図3は、従来の自動列車制御装置を適用した自動列車制御システム200の全体構成を示す図である。図4は、従来の自動列車制御システム200における自動列車制御車上装置21の内部構成を示すブロック図である。 【0004】まず、図3を参照して、従来の自動列車制御装置を適用した自動列車制御システム200の全体構成を説明する。図3に示すように、自動列車制御システム200は、列車22に搭載されている自動列車制御車上装置21(以下、車上装置21と呼ぶ。)と、レールである軌道回路24の軌道区間毎に設置されている自動列車制御地上装置23(以下、地上装置23と呼ぶ。)とから構成されている。軌道回路24は、軌道区間24a〜24hのように、所定の軌道区間長に区切られて電気回路の一部として利用され、地上装置23から伝送された許容速度信号に応じた電流を流している。また、列車22は、先行列車22’に対して続行列車となるので、以下、続行列車22とする。 【0005】地上装置23の設置されている軌道回路24において、続行列車22の走行速度を減速させる場合、地上装置23は、先行列車22’の列車検知信号を軌道回路24から受信して、軌道回路24上の先行列車22’の走行位置を検知する。そして、地上装置23は、検知した先行列車22’の走行位置、及び上位信号許容速度から下位信号許容速度信号まで減速するのに必要な距離等に応じて、軌道区間毎に続行列車22の上位信号許容速度や下位信号許容速度を階段状に設定し、それら許容速度信号を軌道回路24の各軌道区間に伝送して、軌道区間毎の許容速度信号に応じた電流を軌道回路24の各軌道区間上に流す。続行列車22の車上装置21は、軌道回路24の各軌道区間から許容速度信号を受信して、軌道区間毎の許容速度と実際の走行速度とを比較する。そして、車上装置21は、上位信号許容速度が設定されている軌道区間内で、上位信号許容速度から下位信号許容速度まで減速するようにブレーキをかけ、走行速度を減速させる。よって、車上装置21は、続行列車22が上位信号許容速度の設定されている軌道区間から下位信号許容速度の設定されている軌道区間へ進入する際、走行速度が下位信号許容速度以下に制御されていないと、進入時の速度と下位信号許容速度との速度差に関係なくブレーキをかけて、走行速度を許容速度以下に減速させるように制御する。 【0006】例えば、図3(a)に示すように、先行列車22’が軌道区間24gを走行している際、続行列車22は、軌道区間24aでは許容速度75km/h以下で走行可能で、軌道区間24bと24cでは許容速度45km/h以下で走行可能である。更に、続行列車22は、軌道区間24d、24e、及び24fまで先行列車22’に接近すると、常用ブレーキ信号01を受信して常用ブレーキをかける必要がある。続行列車22は、軌道区間24aから24bへ進入する際に滑らかな運転制御曲線を描くように減速しようとすると、軌道区間24b進入時の走行速度を許容速度45km/h以下に制御しなければならない。よって、続行列車22は、滑らかな運転制御曲線を描くように減速しようとしても、軌道区間24bへ進入する際にブレーキをかけ、階段状に一度に走行速度を減速しなければならない。または、続行列車22は、階段状に一度に走行速度を減速するのではなく、他の滑らかな運転制御曲線を描くように減速しようとすると、もっと以前から減速し始めなければならない。 【0007】図3(b)に示すように、先行列車22’が更に進行して軌道区間24hを走行すると、続行列車22は、軌道区間24aと24bでは許容速度75km/h以下で走行可能で、軌道区間24cと24dでは許容速度45km/h以下で走行可能である。更に。続行列車22は、軌道区間24e、24f、及び24gまで先行列車22’に接近すると、常用ブレーキ信号01を受信して常用ブレーキをかける必要がある。続行列車22は、軌道区間24aから24bへ進入する際、図3(a)で示す状態では滑らかな運転制御曲線を描くように減速することは不可能であるが、図(b)で示す状態ではこの滑らかな運転制御曲線が示す走行速度が許容速度以下であるため、この滑らかな運転制御曲線を描くように減速することが可能である。また、続行列車22は、軌道区間24bから24cへ進入する際も、前記滑らかな運転制御曲線が示す走行速度が許容速度以下であるため、この滑らかな運転制御曲線を描くように減速することが可能である。 【0008】次に、図4を参照して、従来の自動列車制御システム200における車上装置21の内部構成及び動作を説明する。図4に示すように、自動列車制御システム200において、車上装置21は、受信アンテナ21aと、受信器21bと、速度発電器21cと、速度照査器21dとを備えており、軌道回路24には、許容速度信号電流が流れており、列車22の車輪が当接している。受信アンテナ21aは、軌道回路24から許容速度信号を受信すると、受信した許容速度信号を受信器21bへ送信し、受信器21bは、受信した許容速度信号を速度照査器21dへ送信する。また、速度発電機21cは、列車22の車輪と接続されており、車輪から実際の走行速度信号を受信し、受信した走行速度信号を速度照査器21dと速度計へ送信する。そして、速度照査器21dは、実際の走行速度と許容速度とを比較して、許容速度以下で走行するようにブレーキをかけて走行速度を減速させるよう制御する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の自動列車制御システム200において、軌道区間毎に階段上に許容速度が設定されるので、続行列車22等は、下位信号許容速度以上でその軌道区間へ進入すると、走行速度と下位信号許容速度との速度差に関係無くブレーキをかけていた。そのため、走行速度と下位信号許容速度との速度差が僅かな場合でも強いブレーキがかかり、列車の乗り心地を悪くしていた。また、駅に停車する際、続行列車22等がこのようなブレーキをかけないようにするために、下位信号への変化点を列車の停止位置近辺にする必要があった。そのため、高密度運転を行う際、下位信号への変化点が列車の停止位置近辺になるまで先行列車22’の走行位置を細かく検知する必要があり、軌道区間数の増大に繋がっていた。また、続行列車22は、下位信号が停止信号の場合、低速で下位信号の軌道区間へ進入しても強いブレーキをかけてしまっていた。そのため、続行列車22は、その軌道区間の始端近くで停車させられ、先行列車22’へ接近して列車間隔を詰めることができなかった。 【0010】更に、上位信号から下位信号へ一定の形状を有する減速制御曲線に基づいて許容速度が軌道区間毎に設定される場合であっても、続行列車22等は、上位信号から下位信号へ減速するのに要する距離情報を受信できなかった。そのため、軌道区間毎の減速制御曲線の勾配は、その軌道区間内での最悪勾配を示すことが前提となり、上位信号から下位信号へ減速するのに要する距離が大幅に長くなっていた。また、この距離が固定となるので、特に上り勾配の軌道区間に適用する場合には無駄が多く、実用的ではなかった。 【0011】本発明の課題は、地上装置から軌道回路に伝送される始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とを列車の車上装置で受信して、列車の走行速度を制御することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、地上装置(例えば、図1に示す自動列車制御地上装置13)と車上装置(例えば、図1、図2に示す自動列車制御車上装置11)とを備える自動列車制御装置(例えば、図1に示す自動列車制御システム100)において、前記地上装置は、列車が走行する軌道回路(例えば、図1、図2に示す軌道回路14)に設置されており、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知する走行位置検知手段(例えば、図1に示す地上装置13)と、前記走行位置検知手段により検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報(例えば、図1に示す75km/h)と終端許容速度情報(例えば、図1に示す45km/h)と始終端間距離情報(例えば、図1に示すx1m)とを生成して前記軌道回路に伝送する制御情報伝送手段(例えば、図1に示す地上装置13)と、を備え、前記車上装置は、前記軌道回路上を走行する列車(例えば、図1に示す続行列車12)に搭載されており、前記制御情報伝送手段により前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信する制御情報受信手段(例えば、図2に示す受信アンテナ11a、受信器11b)と、前記制御情報受信手段により受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算する速度制御曲線演算手段(例えば、図2に示す減速制御曲線演算器11f)と、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知する走行状態検知手段(例えば、図2に示す速度発電機11c)と、前記速度制御曲線演算手段により演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較する速度比較手段(例えば、図2に示す速度照査器11d)と、前記制御情報受信手段により受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行距離とを比較する距離比較手段(例えば、図2に示す距離照査器11h)と、前記速度比較手段による比較結果に従って前記列車の走行状態を制御する走行状態制御手段(例えば、図2に示すブレーキ)と、を備えることを特徴としている。 【0013】請求項1記載の発明の地上装置と車上装置とを備える自動列車制御装置によれば、前記地上装置は、列車が走行する軌道回路に設置されており、走行位置検知手段により、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知し、制御情報伝送手段により、前記走行位置検知手段により検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを生成して前記軌道回路に伝送し、前記車上装置は、前記軌道回路上を走行する列車に搭載されており、制御情報受信手段により、前記制御情報伝送手段により前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信し、速度制御曲線演算手段により、前記制御情報受信手段により受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算し、走行状態検知手段により、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知し、速度比較手段により、前記速度制御曲線演算手段により演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較し、距離比較手段により、前記制御情報受信手段により受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行距離とを比較し、走行状態制御手段により、前記速度比較手段による比較結果に従って前記列車の走行状態を制御する。 【0014】請求項3記載の発明は、地上装置(例えば、図1に示す自動列車制御地上装置13)と車上装置(例えば、図1、図2に示す自動列車制御車上装置11)とを備える自動列車制御方法(例えば、図1に示す自動列車制御システム100)において、列車が走行する軌道回路(例えば、図1、図2に示す軌道回路14)に設置されている前記地上装置は、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知する走行位置検知工程(例えば、図1に示す地上装置13)と、前記走行位置検知工程で検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報(例えば、図1に示す75km/h)と終端許容速度情報(例えば、図1に示す45km/h)と始終端間距離情報(例えば、図1に示すx1m)とを生成して前記軌道回路に伝送する制御情報伝送工程(例えば、図1に示す地上装置13)と、を含み、前記軌道回路上を走行する列車(例えば、図1に示す続行列車12)に搭載されている前記車上装置は、前記制御情報伝送工程で前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信する制御情報受信工程(例えば、図2に示す受信アンテナ11a、受信器11b)と、前記制御情報受信工程で受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算する速度制御曲線演算工程(例えば、図2に示す減速制御曲線演算器11f)と、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知する走行状態検知工程(例えば、図2に示す速度発電機11c)と、前記速度制御曲線演算工程で演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較する速度比較工程(例えば、図2に示す速度照査器11d)と、前記制御情報受信工程で受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行距離とを比較する距離比較工程(例えば、図2に示す距離照査器11h)と、前記速度比較工程での比較結果に従って前記列車の走行状態を制御する走行状態制御工程(例えば、図2に示すブレーキ)と、を含むことを特徴としている。 【0015】請求項3記載の発明の地上装置と車上装置とを備える自動列車制御装置を制御するための自動列車制御方法によれば、列車が走行する軌道回路に設置されている前記地上装置は、走行位置検知工程で、前記軌道回路上を走行する列車の走行位置を検知し、制御情報伝送工程で、前記走行位置検知工程で検知された列車の走行位置に基づいて、始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを生成して前記軌道回路に伝送し、前記軌道回路上を走行する列車に搭載されている前記車上装置は、制御情報受信工程で、前記制御情報伝送工程で前記軌道回路に伝送された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信し、速度制御曲線演算工程で、前記制御情報受信工程で受信された始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とに基づいて、その始終端間の速度制御曲線を演算し、走行状態検知工程で、前記軌道回路上を走行する列車の実際の走行速度と走行距離とを検知し、速度比較工程で、前記速度制御曲線演算工程で演算された速度制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較し、距離比較工程で、前記制御情報受信工程で受信された始終端間距離情報の始終端間距離と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行距離とを比較し、走行状態制御工程で、前記速度比較工程での比較結果に従って、前記列車の走行状態を制御する。 【0016】したがって、請求項1あるいは3記載のいずれかの発明によって、始端許容速度と終端許容速度と始終端間距離とから演算された連続可変な速度制御曲線に基づいて許容速度を設定できるので、従来までのように許容速度により走行速度が階段状に制御されることがなくなる。よって、実際の速度変化により適合した許容速度の変化に従い、滑らかな運転制御曲線を描きながら走行速度を制御できるので、急に走行速度が変化することもなく、快適な列車の乗り心地を乗客に提供することが可能となる。また、許容速度の変化をそれに要する距離情報とともに設定できるので、駅停車時であっても停車に要する速度制曲線に抵触しない制限曲線が得られるまで先行列車位置検知の追跡を要するのみでよく、且つ許容速度の変化を軌道回路のカーブや勾配の強弱等の線路条件に合わせて的確に調節し、実用的に設定できる。よって、先行列車の走行位置を細かく検知する必要がなくなり、高密度運転を行い列車同士の運行間隔が狭くなる際等の軌道区間の細分化も不要となるので、軌道区間数を減少させることが可能となり、列車間隔を詰め、列車の運行が乱れている際の列車遅延を縮小することが可能となる。また、軌道回路の細分化に比例して増大する、地上装置の設置数と現場から集中機器室まで引かれる外線ケーブル数とを削減できるので、地上装置と外線ケーブル等の設置費用やこれらの消費電力を減らして、運営費等を削減することが可能となる。更に、駅の機器設置スペースの確保が容易になり、機器の集中化を抑え、機器室の間隔を縮小することができるので、機器室付近のケーブルの過度集中を防ぎ、ケーブル収容を容易にすると共に工事量を削減することが可能となる。 【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記速度制御曲線演算手段は、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算する減速制御曲線演算手段を備え、前記速度比較手段は、前記減速制御曲線演算手段により演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御手段は、前記速度比較手段により、前記実際の走行速度が前記減速制御曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速することを特徴としている。 【0018】請求項2記載の発明によれば、前記速度制御曲線演算手段の減速制御曲線演算手段により、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算し、前記速度比較手段により、前記減速制御曲線演算手段により演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知手段により検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御手段により、前記速度比較手段により、前記実際の走行速度が前記減速曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速する。 【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記速度制御曲線演算工程は、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算する減速制御曲線演算工程を備え、前記速度比較工程は、前記減速制御曲線演算工程で演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御工程は、前記速度比較工程で、前記実際の走行速度が前記減速制御曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速することを特徴としている。 【0020】請求項4記載の発明によれば、前記速度制御曲線演算工程の減速制御曲線演算工程で、前記各受信情報に基づいて、前記始終端間の減速制御曲線を演算し、前記速度比較工程で、前記減速制御曲線演算工程で演算された減速制御曲線に基づいて設定される許容速度と、前記走行状態検知工程で検知された実際の走行速度とを比較し、前記走行状態制御工程で、前記速度比較工程で前記実際の走行速度が前記減速制御曲線の許容速度を超過していると判別された場合、走行速度を許容速度以下に減速する。 【0021】したがって、請求項2あるいは4記載のいずれかの発明によって、演算された連続可変な減速制御曲線に基づいて許容速度を設定できるので、走行速度を減速する際、従来までのように許容速度により滑らかな走行速度の減速を制御されることがなくなる。よって、急にブレーキがかかることもなく、列車は徐々に且つ安全に停止することが可能となる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、図1、図2を参照して、本発明の自動列車制御装置を適用した実施の形態における、自動列車制御システム100について説明する。本発明の自動列車制御装置を適用した自動列車制御システム100は、レール間に設置されている地上装置と、列車に搭載されている車上装置とを備えている。そして、地上装置は、先行列車のレール上の走行位置に基づいて、続行列車の始端許容速度と終端許容速度と始終端間距離とからなる制御情報を軌道回路上に伝送する。続行列車の車上装置は、この制御情報を受信して、始終端間の減速制御曲線を演算し、実際の走行速度と減速制御曲線からの許容速度と、実際の走行距離と始終端間距離とを、それぞれ比較する。そして、続行列車の車上装置は、走行速度が減速制御曲線からの許容速度を超過している場合、走行速度を許容速度以下に抑えるように制御を行う。このように、本発明の自動列車制御装置を適用した自動列車制御システム100は、地上装置から軌道回路に伝送される始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とを列車の車上装置で受信して、列車の走行速度を減速するように制御する。 【0023】図1は、本発明の自動列車制御装置を適用した実施の形態における自動列車制御システム100の全体構成を示す図である。図2は、自動列車制御システム100における自動列車制御車上装置11の内部構成を示すブロック図である。 【0024】まず、図1を参照して、本発明を適用した実施の形態における自動列車制御システム100の全体構成を説明する。図1に示すように、自動列車制御システム100は、列車12に搭載されている自動列車制御車上装置11(以下、車上装置11と呼ぶ。)と、レールである軌道回路14の軌道区間毎に設置されている自動列車制御地上装置13(以下、地上装置13と呼ぶ。)とから構成されている。軌道回路14は、軌道区間14a〜14fのように、所定の軌道区間長に区切られて電気回路の一部として利用され、地上装置13から伝送された始端許容速度信号と終端許容速度信号と始終端間距離信号とにそれぞれ応じた各電流を流している。また、列車12は、先行列車12’に対して続行列車となるので、以下、続行列車12とする。 【0025】地上装置13の設置されている軌道回路14において、続行列車12の走行速度を減速させる場合、地上装置13は、先行列車12’の列車検知信号を軌道回路14から受信して、軌道回路14上の先行列車12’の走行位置を検知する。そして、地上装置13は、検知した先行列車12’の走行位置に応じて、軌道区間毎に続行列車12の始端許容速度と、終端許容速度と、始端許容速度から終端速度まで減速するのに要する始終端間距離とを決定し、それらを軌道回路14の各軌道区間に伝送して、軌道区間毎のそれらに応じた電流を軌道回路14の各軌道区間上に流す。続行列車12の車上装置11は、軌道回路14の各軌道区間から前記始端許容速度信号と前記終端許容速度信号と前記始終端間距離信号とを受信して、始終端間の減速制御曲線を演算し、実際の走行速度と減速制御曲線からの許容速度と、実際の走行距離を始終端間距離と、それぞれ比較する。そして、車上装置11は、走行速度が減速制御曲線からの許容速度を超過している場合、常用ブレーキをかけて、走行速度を許容速度以下に抑えるように制御する。 【0026】例えば、図1に示すように、先行列車12’が軌道区間14eを走行している際、続行列車12は、軌道区間14aにおいて、許容速度75km/h以下で走行可能である。そして、続行列車12は、軌道区間14bにおいて、始端許容速度75km/hと、終端許容速度45km/hと、始終端間距離x1mとから演算された減速制御曲線で示される許容速度以下で走行可能である。そして、続行列車12は、軌道区間14cにおいて、始端許容速度45km/hと、終端許容速度0km/hと、始終端間距離x2mとから演算された減速制御曲線で示される許容速度以下で走行可能である。更に、続行列車12は、軌道区間14dまで行列車12’に接近すると、常用ブレーキ信号01を受信して常用ブレーキをかける必要がある。続行列車12は、軌道区間14aから14bへ進入する際、及び軌道区間14bから14cへ進入する際、運転制御曲線で示す走行速度が軌道区間毎に演算された減速制御曲線で示す許容速度よりも常に減速しているので、滑らかな運転制御曲線を描くように減速することができる。 【0027】次に、図2を参照して、自動列車制御システム100における車上装置11の内部構成及び動作を説明する。図2に示すように、自動列車制御システム100において、車上装置11は、受信アンテナ11aと、受信器11bと、速度発電器11cと、速度照査器11dと、データ判別器11eと、減速制御曲線演算器11fと、距離カウンタ11gと、距離照査器11hとを備えており、軌道回路14には、始端許容速度信号電流と、終端許容速度信号電流と、始終端間距離信号電流とが流れており、列車12の車輪が当接している。 【0028】受信アンテナ11aは、軌道回路14から始端許容速度信号と、終端許容速度信号と、始終端間距離信号とを受信すると、受信した信号を受信器11bへ送信する。受信器11bは、受信した前記信号をデータ判別器11eへ送信する。データ判別器11eは、受信した前記信号を判別し、始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とを減速制御曲線演算器11fへ、始終端間距離情報を距離照査器11hへ、それぞれ送信する。速度発電機11cは、列車12の車輪と接続されており、車輪から実際の走行速度情報を受信し、受信した走行速度情報を速度照査器11d、距離カウンタ11g、そして速度計へ、それぞれ送信する。 【0029】減速制御曲線演算器11fは、データ判別器11eから受信した始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とから始終端間の減速制御曲線を演算し、この減速制御曲線の情報を速度照査器11dへ送信する。速度照査器11dは、速度発電機11cから受信した走行速度情報から走行速度を設定し、減速制御曲線演算器11fから受信した始終端間の減速制御曲線から許容速度を設定し、実際の走行速度と減速制御曲線からの許容速度とを比較する。そして、速度照査器11dは、実際の走行速度が減速制御曲線からの許容速度を超過している場合、列車12の常用ブレーキをかけ、走行速度を許容速度以下に抑えるよう制御する。距離カウンタ11gは、速度発電機11cから受信した走行速度情報から走行距離を積算し、実際の走行距離情報を距離照査器11hへ送信する。距離照査器11hは、距離カウンタ11gから受信した走行距離情報から走行距離を検出し、データ判別器11eから受信した始終端間距離情報から始終端間距離を検出し、実際の走行距離と始終端間距離とを比較する。そして、距離照査器11hは、その比較結果を速度照査器11dへ送信し、実際の走行距離が始終端間距離を超過し、この際の走行速度が許容速度を超過している場合、列車12の常用ブレーキをかけ、走行速度を許容速度以下に抑えるよう制御する。 【0030】以上のように、本発明の自動列車制御装置を適用した実施の形態における自動列車制御システム100において、地上装置13は、先行列車12’の軌道回路14上での走行位置に応じて、続行列車12の始端許容速度情報と、終端許容速度情報と、始終端間距離情報とを軌道回路14の各軌道区間に伝送する。続行列車12の車上装置11は、前記情報を受信して、始終端間の減速制御曲線を演算し、実際の走行速度と減速制御曲線からの許容速度と、実際の走行距離と始終端間距離とを、それぞれ比較する。そして、車上装置11は、走行速度が減速制御曲線からの許容速度を超過している場合、走行速度を許容速度以下に抑えるように制御する。このように、車上装置11は、地上装置13から軌道回路14に伝送される始端許容速度情報と終端許容速度情報と始終端間距離情報とを受信して、続行列車12の走行速度を減速するように制御する。 【0031】したがって、始端許容速度と終端許容速度と始終端間距離とから演算された連続可変な減速制御曲線に基づいて許容速度を設定できるので、従来までのように許容速度により走行速度が階段状に制御されることがなくなる。よって、実際の速度変化により適合した許容速度の変化に伴い、滑らかな運転制御曲線を描きながら走行速度を制御できるので、急に走行速度が変化することもなく、快適な列車の乗り心地を乗客に提供することが可能となる。また、許容速度の変化をそれに要する距離情報とともに設定できるので、駅停車時であっても停車に要す速度曲線に抵触しない制御曲線が得られるまで先行列車位置検知の追跡を要すのみでよく、且つ許容速度の変化を軌道回路14のカーブや勾配の強弱等の線路条件に合わせて的確に調節し、実用的に設定できる。よって、先行列車12’の走行位置を細かく検知する必要がなくなり、高密度運転を行い列車同士の運行間隔が狭くなる際等の軌道区間の細分化も不要となるので、軌道区間数を減少させることが可能となり、列車間隔を詰め、列車の運行が乱れている際の列車遅延を縮小することが可能となる。また、軌道回路14の細分化に比例して増大する、地上装置13の設置数と現場から集中機器室まで引かれる外線ケーブル数とを削減できるので、地上装置13と外線ケーブル等の設置費用やこれらの消費電力を減らして、運営費等を削減することが可能となる。更に、駅の機器設置スペースの確保が容易になり、機器の集中化を抑え、機器室の間隔を縮小することができるので、機器室付近のケーブルの過度集中を防ぎ、ケーブル収容を容易にすると共に工事量を削減することが可能となる。 【0032】なお、本発明は、上記実施の形態の内容に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本発明の自動列車制御装置を適用した実施の形態における自動列車制御システム100において、図1に示すように軌道回路を分割し、許容速度を設定したが、軌道回路の分割は、軌道回路の湾曲状況や通過する列車の本数等を考慮して、最適に設定されればよい。 【0033】 【発明の効果】請求項1あるいは3記載のいずれかの発明によれば、始端許容速度と終端許容速度と始終端間距離とから演算された連続可変な速度制御曲線に基づいて許容速度を設定できるので、従来までのように許容速度により走行速度が階段状に制御されることがなくなる。よって、実際の速度変化により適合した許容速度の変化に従い、滑らかな運転制御曲線を描きながら走行速度を制御できるので、急に走行速度が変化することもなく、快適な列車の乗り心地を乗客に提供することが可能となる。また、許容速度の変化をそれに要する距離情報とともに設定できるので、駅停車時であっても停車に要す速度曲線に抵触しない制御曲線が得られるまで先行列車位置検知の追跡を要すのみでよく、且つ許容速度の変化を軌道回路のカーブや勾配の強弱等の線路条件に合わせて的確に調節し、実用的に設定できる。よって、先行列車の走行位置を細かく検知する必要がなくなり、高密度運転を行い列車同士の運行間隔が狭くなる際等の軌道区間の細分化も不要となるので、軌道区間数を減少させることが可能となり、列車間隔を詰め、列車の運行が乱れている際の列車遅延を縮小することが可能となる。また、軌道回路の細分化に比例して増大する、地上装置の設置数と現場から集中機器室まで引かれる外線ケーブル数とを削減できるので、地上装置と外線ケーブル等の設置費用やこれらの消費電力を減らして、運営費等を削減することが可能となる。更に、駅の機器設置スペースの確保が容易になり、機器の集中化を抑え、機器室の間隔を縮小することができるので、機器室付近のケーブルの過度集中を防ぎ、ケーブル収容を容易にすると共に工事量を削減することが可能となる。 【0034】請求項2あるいは4記載のいずれかの発明によれば、演算された連続可変な減速制御曲線に基づいて許容速度を設定できるので、走行速度を減速する際、従来までのように許容速度により滑らかな走行速度の減速を制御されることがなくなる。よって、急にブレーキがかかることもなく、列車は徐々に且つ安全に停止することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001292 【氏名又は名称】株式会社京三製作所
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| 【出願日】 |
平成12年5月23日(2000.5.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090033 【弁理士】 【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−333511(P2001−333511A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−151613(P2000−151613) |
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