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【発明の名称】 コイルアセンブリ
【発明者】 【氏名】梅木 健

【氏名】小林 芳隆

【氏名】小野寺 功

【氏名】田村 昌望

【氏名】遠山 繁

【要約】 【課題】

【解決手段】リニアモーターカーの軌道の側壁1には、コイル2が多数固定され、き電ケーブル3により電力の供給を受けている。各コイル2は、端子孔4を軌道側壁1の下端縁6に対して角度θだけ傾斜した方向に向けて開口している。傾斜角θは30度〜60度の範囲であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成り、前記コイルは、それぞれ前記軌道側壁の下端縁に対して傾斜した方向に開口する一対の端子孔を備え、互いに隣接するコイルの隣接する端子孔に端子を接続したき電ケーブルは、互いにその端子近傍を交差させるように布設されていることを特徴とするコイルアセンブリ。
【請求項2】 請求項1に記載のコイルアセンブリにおいて、前記き電ケーブルは、その端子近傍を前記コイルの端子孔から前記側壁下端縁に向かってほぼ直線的に引き下ろされてから、前記側壁下端縁と平行に布設されていることを特徴とするコイルアセンブリ。
【請求項3】 軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成るコイルアセンブリにおいて、前記き電ケーブルの端子は、中心導体端部にこの中心導体長手方向に向けて固定された導体接続端子と、この導体接続端子先端方向を開放して、前記中心導体端部近傍を包囲する絶縁筒と、この絶縁筒端部を、前記コイルの端子孔に、前記導体接続端子をその長手方向に向けて装着し、かつ、絶縁筒端部と前記コイルの端子孔を互いに接近させる方向に弾力を付与する接続機構とを備えたことを特徴とするコイルアセンブリ。
【請求項4】 軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成るコイルアセンブリにおいて、前記き電ケーブルの端子は、中心導体の先端に固定された導体接続端子と、前記中心導体の先端近傍を包囲する絶縁体外周を保護するストレスコーンと、このストレスコーンの少なくとも一部を包囲して、開口端が相手方端子孔に固定される保護金具と、この保護金具内部で、前記ストレスコーンを前記相手方端子孔方向に押圧する押圧ユニットとを備えたことを特徴とするコイルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリニアモーターカーの軌道上に配置されるコイルアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、リニアモーターカーの軌道に沿う側壁には、走行車両を浮上させて推進力を与えるためのコイルが多数取り付けられる。こらのコイルは互いにき電ケーブルを用いて電気接続される。図5は、従来のリニアモーターカーの軌道に設けられたコイルと、き電ケーブルの正面図である。図において、リニアモアタアカーの軌道の側壁1には、多数のコイル15が所定の間隔で配置されている。これらには、き電ケーブル17により電力が供給される。各き電ケーブル17の両端には、図のようなL字形の接続端子18が取り付けられており、各コイルは、端子孔16を通じてそれぞれ互いに所定の関係で電気接続される。この種の接続端子18の具体的な構成は、例えば特許第2866473号や特開平7−22087号公報に紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。リニアモーターカーの軌道側壁には、その全長にわたって極めて多数のコイルが配置される。これらの間を接続するき電ケーブルの本数も同様に多数になり、き電ケーブルの布設工事は、リニアモーターカー建設工事上、最も大量の人力を要する。従って、より接続操作性のよい接続端子を有するき電ケーブルの開発が望まれている。また、き電ケーブルは、リニアモーターカーの走行時に振動の影響をうけるため、その端子は、振動でも緩まない堅固な構造であることが望ましい。さらに、図5に示すように、き電ケーブルは複雑に交差しながら布設されるから、相互の電磁誘導の影響も考慮して接続構造の設計が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成り、上記コイルは、それぞれ上記軌道側壁の下端縁に対して傾斜した方向に開口する一対の端子孔を備え、互いに隣接するコイルの隣接する端子孔に端子を接続したき電ケーブルは、互いにその端子近傍を交差させるように布設されていることを特徴とするコイルアセンブリ。
【0005】〈構成2〉構成1に記載のコイルアセンブリにおいて、上記き電ケーブルは、その端子近傍を上記コイルの端子孔から上記側壁下端縁に向かってほぼ直線的に引き下ろされてから、上記側壁下端縁と平行に布設されていることを特徴とするコイルアセンブリ。
【0006】〈構成3〉軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成るコイルアセンブリにおいて、上記き電ケーブルの端子は、中心導体端部にこの中心導体長手方向に向けて固定された導体接続端子と、この導体接続端子先端方向を開放して、上記中心導体端部近傍を包囲する絶縁筒と、この絶縁筒端部を、上記コイルの端子孔に、上記導体接続端子をその長手方向に向けて装着し、かつ、絶縁筒端部と上記コイルの端子孔を互いに接近させる方向に弾力を付与する接続機構とを備えたことを特徴とするコイルアセンブリ。
【0007】〈構成4〉軌道側壁に固定されたコイル群と、これらのコイル群間を電気接続するき電ケーブル群とから成るコイルアセンブリにおいて、上記き電ケーブルの端子は、中心導体の先端に固定された導体接続端子と、上記中心導体の先端近傍を包囲する絶縁体外周を保護するストレスコーンと、このストレスコーンの少なくとも一部を包囲して、開口端が相手方端子孔に固定される保護金具と、この保護金具内部で、上記ストレスコーンを上記相手方端子孔方向に押圧する押圧ユニットとを備えたことを特徴とするコイルアセンブリ。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。図1は、本発明のコイルアセンブリの主要部正面図である。この図に示すコイルは、リニアモーターカーの案内コイル群の一部を示す。この詳細を説明する前に、リニアモーターカーの走行用の軌道構造について、図2を用いて説明する。
【0009】図2は、リニアモーターカーの走行用の軌道縦断面図を示す。図2に示した軌道11は、リニアモーターカー10の走行用の軌道である。側壁1はその軌道11の両側に垂直に立設された壁である。コイル2はリニアモーターカーの浮上コイル、コイル12はリニアモーターカーの案内コイルである。き電ケーブル3は軌道側壁1と軌道11の床13との境界部分に布設されている。き電ケーブル3は、コイル2やコイル12に、リニアモーターカー10を走行させるための磁場形成用電力を供給する。
【0010】再び、図1に戻って、図1に示す各コイル2はいずれも、軌道の側壁1に固定されている。また、その端子孔4を軌道側壁1の下端縁6に対して角度θだけ傾斜した方向に向けて開口している。軌道側壁1の下端縁6は、軌道側壁1と軌道11の床13との境界部分に該当する。下端縁6に対して傾斜した方向というのは、下端縁6に対して平行な方向Aに向いておらず、上記傾斜角θが直角でないことをいう。き電ケーブル3の接続操作性や、隣接するき電ケーブル3間の電磁誘導の点を考慮すると、上記の傾斜角θは30度〜60度の範囲であることが好ましい。各コイルの端子孔4を軌道側壁1の下端縁6に対して傾斜させたのは、き電ケーブル3の端子5の接続操作を容易にするためであり、かつ、これらに接続した所定のき電ケーブル3の端子5の近傍を大きな交差角で交差させるためである。
【0011】各き電ケーブル3の端子5は各コイル2の端子孔4に接続される。ここで、図の左側のコイルを仮にコイル2Lと呼び、このコイル2Lの左側の端子孔を端子孔4LL、右側の端子孔を端子孔4LRと呼ぶことにする。また、図の右側のコイルを仮にコイル2Rと呼び、このコイル2Rの左側の端子孔を端子孔4RL、右側の端子孔を端子孔4RRと呼ぶことにする。また、端子孔4LRに接続されたき電ケーブル3の端子を5A、端子孔4RLに接続されたき電ケーブル3の端子を5Bと呼ぶことにする。
【0012】このとき、図のように、互いに隣接するコイル2L、2Rの隣接する端子孔4LR、4RLに端子5A、5Bを接続した2本のき電ケーブル3は、互いにその端子5A、5Bの近傍を交差させるように布設されている。互いに隣接するコイルの隣接する端子孔というのは、隣り合ったコイルの端子孔のうち、最も近づいて配置された2つの端子孔のことである。隣接するコイル2L、2Rの隣接する端子孔4LR、4RLに端子5A、5Bを接続した2本のき電ケーブル3が、互いにその端子5A、5Bの近傍を交差させるように布設をしたのは、双方のき電ケーブル3間の電磁誘導による影響を最小限にするためである。この交差角は誘導上、90度が理想であるが、上記傾斜角θとき電ケーブルの曲がりを考慮すると、少なくとも60度〜120度の範囲が好ましい。
【0013】さらに、各き電ケーブル3は、その端子5の近傍をコイル2の端子孔4から側壁1の下端縁6に向かってほぼ直線的に引き下ろされてから、側壁1の下端縁6と平行に布設されている。き電ケーブル3の端子5近傍をコイル2の端子孔4から側壁2の下端縁6に向かってほぼ直線的に引き下すのは、例えば特開平7−22087号公報で紹介されているようなL字形のコネクタに比べて、き電ケーブル3の接続操作が容易になるためである。また、交差する他のき電ケーブル3の端子5近傍への電磁誘導による影響を最小限にする効果もある。なお、直線的というのは、各コイル2の端子孔4の向いた方向にき電ケーブル3とその端子5とがほぼ直線的に並んでいるという意味である。
【0014】図3は、上記のき電ケーブルの接続端子の一例を示す縦断面図である。図のき電ケーブル3は、中心導体21の外周に、絶縁体22、遮蔽層23、シース25を順に被覆したもので、その端部が図のように段剥されて、端子5が装着されている。中心導体21の端部には、この中心導体長手方向に向けて固定された導体接続端子26が配置される。絶縁筒31は、導体接続端子26の先端方向を開放して、中心導体21の端部近傍を包囲するように配置される。き電ケーブル3のシース25の端部と絶縁筒31の間は、半導電ゴム層32、絶縁ゴム層33、保護テープ34で保護されている。き電ケーブル3の遮蔽層23上のドレンワイヤ24は、リード線27を介して外部に引き出されて接地される。
【0015】この絶縁筒31の端部を、矢印C方向にある図2のコイル2の端子孔4に接続するために、図の左側の接続機構40がある。この接続機構40は、導体接続端子26をその長手方向に向けて装着し、かつ、絶縁筒31の端部とコイル2の端子孔4を互いに接近させる方向に弾力を付与する機能を持つ。この接続機構自体は、例えば、特開平7−143652号公報に紹介されたような既知のものでよい。図の接続機構40は、絶縁筒31の端部に固定された内スリーブ41と、その外側に自由回転するように嵌め込まれた外スリーブ43と、スプリング42を備える。外スリーブ43を回転させて、図示しない相手方の接続孔にその左端部をねじ込むようにすると、スプリング42が圧縮されて、反発力を外スリーブ43と内スリーブ41に及ぼす。この弾力は、絶縁筒31の端部とコイル2の端子孔4を互いに接近させる方向に働く。
【0016】上記のように、導体接続端子26を中心導体21の端部にこの中心導体長手方向に向けて固定したのは、き電ケーブル3の端子5をコイル2の端子孔4に直線的に接続するようにして、接続操作を容易にするためである。絶縁筒31は、導体接続端子26の先端方向を開放して、中心導体21の端部近傍の全部または一部を包囲して絶縁的な保護をしていればよい。コイル2の端子孔4には、導体接続端子26をその長手方向に向けて装着する。き電ケーブル3の端子5をコイル2の端子孔4に直線的に接続するから、接続操作が容易になる。接続機構40が、スプリング42等により絶縁筒31の端部とコイル2の端子孔4を互いに接近させる方向に弾力を付与するから、振動等によりコイル2の端子孔4とき電ケーブル3の端子5との接続が緩むのを防止する。
【0017】図4は、き電ケーブルの接続端子の変形例を示す縦断面図である。本発明には、図4に示すようなストレスコーンを使用したタイプの端子も適用できる。き電ケーブル50は、中心導体51の外周に、絶縁体52、遮蔽層53およびシース54を被覆したものである。この中心導体51の先端には、導体接続端子60が圧着固定されている。導体接続端子60は、き電ケーブル50を接続するコイル端子孔62の、受容体63にその先端を挿入して電気接続されている。この受容体63は導電性の多数のバネで導体接続端子60と電気的な接触を確保する既知の構造のものである。
【0018】また、絶縁体52外周を包囲して保護するように、ストレスコーン65が配置されている。このストレスコーン65の外側を包囲するように、保護金具66が配置されている。保護金具66の開口端はコイルの端子孔62に、ボルト67により固定される。この保護金具66の内部には、ストレスコーン65を端子孔62の端子孔方向に押圧する押圧ユニット70が設けられている。
【0019】押圧ユニット70は、押し金具71とその押し金具71に一端を固定したピン72とスプリング73とから成る。スプリング73はピン72に巻き付くように配置され、保護金具66と押し金具71の間に挟まれている。これにより、スプリング73の弾力で、ストレスコーン65を端子孔62の方向に押圧する力が付与される。き電ケーブル50のシース54の端部と保護金具66のシース側端部は、保護カバー75により包囲されている。き電ケーブル50の遮蔽層53を構成するドレンワイヤ55の端部は保護金具66に電気接続されている。このような押圧ユニット70を用いたものも、図3の例と同様に、接続後の振動等による接続端子の緩みが防止できる。
【発明の効果】以上のように、各イルが、それぞれ軌道側壁の下端縁に対して傾斜した方向に開口する一対の端子孔を備えており、互いに隣接するコイルの隣接する端子孔に端子を接続したき電ケーブルが、互いにその端子近傍を交差させるように布設されているので、き電ケーブルの接続操作が容易になる。しかも、スプリング等の弾力によって堅固な接続が確保されれば、リニアモーターカーの走行時の振動に強い接続となる。さらに、上記の構造によって、交差する他のき電ケーブルの端子近傍への電磁誘導による影響を最小限にすることができるという効果もある。
【出願人】 【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】000002255
【氏名又は名称】昭和電線電纜株式会社
【出願日】 平成12年5月19日(2000.5.19)
【代理人】 【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
【公開番号】 特開2001−333510(P2001−333510A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−147972(P2000−147972)