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【発明の名称】 車両用発電装置及びその制御方法
【発明者】 【氏名】前田 裕司

【氏名】増野 敬一

【氏名】清水 尚也

【氏名】山本 立行

【氏名】深作 良範

【氏名】田島 進

【氏名】印南 敏之

【氏名】西館 圭介

【要約】 【課題】電動機で車輪を駆動するものにおいて、広い運転範囲にわたり機械式4WDに対して遜色の無い十分な駆動力性能を確保できる、車両用発電装置及びその制御方法を供給する。

【解決手段】車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両駆動装置用の発電装置において、前記内燃機関により駆動され前記電動機を駆動するための第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、前記電動機は、前記第2発電機の出力でその駆動力を調節される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、前記電動機は、前記第2発電機の出力でその駆動力を調節されることを特徴とする車両用発電装置。
【請求項2】車両の内燃機関により駆動され低電圧系車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、前記低電圧系の電力に比べてより低電圧からより高い高電圧までの出力電力を前記電動機に供給可能に構成されており、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、該第2発電機から供給される電圧または電流で前記電動機の駆動力を調節することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項3】車両の内燃機関により駆動され車載のバッテリーを充電する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、前記バッテリーの充電回路から分離され、該第2発電機の出力電力を直接前記電動機に供給するように構成されており、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、該第2発電機から供給される電圧または電流で前記電動機の駆動力を調節することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項4】車両の内燃機関により駆動され定電圧系車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、低電圧から高電圧までの可変電圧の電力を前記電動機に供給可能に構成されており、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、該第2発電機から供給される電圧または電流で前記電動機の駆動力を調節することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用発電装置において、前記制御装置による前記第2発電機の出力電圧の制御領域を、1V〜50Vとしたことを特徴とする車両用発電装置。
【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用発電装置において、前記第2発電機の界磁巻線は2系統の電流供給源を有し、該第2発電機から前記電動機への出力電圧を複数段もしくは所定電圧領域で連続に切替えられるようにしたことを特徴とする車両用発電装置。
【請求項7】請求項3に記載の車両用発電装置において、前記第2発電機の界磁電流は前記バッテリー側と前記第2発電機自らの双方を電流供給源とし、該両電流供給源をダイオードによるOR結合で結線したことを特徴とする車両用発電装置。
【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用発電装置において、前記制御装置は、前記第2発電機が持つ制御装置以外の外部制御装置を含み、該外部制御装置から前記第2発電機の制御指令値を入力し、該発電機が持つ制御装置は該外部制御装置からの入力信号が異常と判定した時は発電を停止することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項9】請求項項8に記載の車両用発電装置において、前記第2発電機が持つ制御装置は前記外部制御装置からの入力信号をON/OFFのDUTY比で判定し、規定周期以上のONまたはOFFが連続となった時に異常と判定し、その異常判定周期には不感帯を設けることを特徴とする車両用発電装置。
【請求項10】請求項項1ないし9のいずれかに記載の車両用発電装置において、前記第2発電機の出力端は切替えスイッチを介して前記電動機に接続されており、前記制御装置は、前記電動機に出力を供給しない時に、該第2発電機の発電量を自励分のみの最小になる様に減じることを特徴とする車両用発電装置。
【請求項11】請求項10に記載の車両用発電装置において、前記制御装置は、前記電動機に電力を供給しない時には出力供給先を通常の車両電気負荷へ切替え、車両電気負荷量に応じて前記第2発電機側の制御電圧を前記第1発電機側の電圧より低くするか高くするか制御し、前記どちらかの発電機から電力供給するか決めることを特徴とする車両用発電装置。
【請求項12】請求項項10に記載の車両用発電装置において、前記制御装置は、前記第2発電機が前記電動機に電力を供給しない時には、その出力を高電圧系の車両電気負荷へ供給するように切替えることを特徴とする車両用発電装置。
【請求項13】車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、出力電力を前記電動機に供給可能に構成されており、前記制御装置は、前記第2発電機が持つ制御装置以外の外部制御装置を含み、前記外部制御装置から、前記第2発電機の制御指令として該第2発電機の界磁電流のON/OFF信号を出力し、該第2発電機の出力電圧または電流を任意に設定できるようにしたことを特徴とする車両用発電装置。
【請求項14】請求項13に記載の車両用発電装置おいて、前記外部制御装置は、車両および電動機の状態と要求に応じて定まる前記第2発電機の出力要求値として、電圧フィードバック制御と電流フィードバック制御とを自由に切替えて出力可能としたことを特徴とする車両用発電装置。
【請求項15】請求項13または14に記載の車両用発電装置おいて、前記外部制御装置は、前記第2発電機から前記電動機へ電力を供給する手順を、前記電動機の界磁電流を流してから一定時間遅れ後に発電開始と同時に発電機出力である電機子電流が流れる様に制御することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項16】請求項13または14に記載の車両用発電装置おいて、前記外部制御装置は、前記第2発電機から前記電動機への電力を遮断する手順を、前記第2発電機を停止させてから一定時間後に前記第2発電機からの電機子電流を遮断する様に遅れ時間を持たせる様に制御することを特徴とする車両用発電装置。
【請求項17】車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機と、前記内燃機関により駆動される第2発電機を備えた車両用発電装置の制御方法であって、前記車両の運転状態に応じて前記第2発電機の制御指令を該第2発電機の界磁電流のON/OFF信号として入力し、前記第2発電機の出力電力を前記電動機に供給することにより、前記電動機の出力を前記第2発電機から供給される電圧または電流で制御することを特徴とする車両用発電装置の制御方法。
【請求項18】車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機と、前記内燃機関により駆動される第2発電機を備えた車両用発電装置の制御方法であって、前記第2発電機の界磁電流は、バッテリの出力と該第2発電機発電機自体の出力の双方を供給源としており、前記車両の運転状態に応じて、車両の発進時は前記バッテリの出力を界磁電流の供給源とし、車両の走行時は前記第2発電機自体の出力を界磁電流の供給源として入力し、前記第2発電機の出力電力を前記電動機に供給することを特徴とする車両用発電装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用発電装置及びその制御方法に係り、特に、内燃機関で直接駆動されない車輪を電動機で駆動する全輪駆動車に用いるのに適した車両用発電装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関で直接駆動されない車輪を電動機で駆動する装置の従来技術として、駆動用電池を利用し、発信アシストが必要な低μ路のみ14Vオルタネータと補機用12Vバッテリを組み合わせて電動機を作動するものが特開平7−151514号公報に記載されている。また、特開平7−231508号公報に記載されたものは、14Vホルタネータと補機用12Vバッテリを組み合わせて電動機を駆動するシステムとなっている。
【0003】さらに、実開平昭55−110328号公報には、走行中にスリップ現象の発生したときのみ全輪駆動とする前後輪駆動車両が開示されている。すなわち、この公報には、前輪もしくは後輪のいずれか一方を、エンジンの動力により駆動して走行する車両において、前輪もしくは後輪の残りの一方を補助的に駆動する補助駆動源(電動機及び発電機)を設け、上記前輪と後輪との両回転数の差を検出し上記補助駆動源を制御するコントローラを備えた前後輪駆動車両が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】14V発電機や、12Vの補機用バッテリを動力源に持つ低電圧系の発電システムにおいて、四輪駆動(4WD)車としての性能を十分発揮させるために必要な駆動力を発生するために電動機に十分な電力を供給しようとすると、大きな電流が必要となる。すなわち、これらの低電圧系の発電システムでは、制御される電圧が低いため、大きな電流が必要となり、システムの駆動手段の切替え手段において、大電流に耐えるスイッチ、電気回路、ハーネス等が必要となり、コストや大きさの面から現実的でない。
【0005】一方、駆動できるトルクを低く設定すると、四輪駆動車として十分なアシスト性能が得られない。また電気回路全般に及んで低電圧高電流で、設計するため、発熱による効率悪化が著しい。
【0006】また、12V(通常の車両電気負荷用)バッテリは大きさの制限から持ち出せる電気エネルギーは小さく限定され、4WDとして使える時間は、ごく限られたものとなり、高電力を長時間必要とする連続した登坂等では十分な性能が発揮できない。
【0007】一方、一つの発電機を補機用バッテリ充電と、駆動モータ駆動用の二つの目的兼用で利用した場合、切替えスイッチのコストと信頼性の問題、異なる要求出力特性に対応するため、効率を悪化させ、また、前述の大電流に伴う電気ロス増加のため実際に駆動できるエネルギーが減少する問題等がある。
【0008】また、駆動回路の中に、電池などの電圧源があるとその電圧源の特性により電圧値が決ってしまい、その時原動機に必要で最適な電圧で電力を供給することができなくなる問題がある。
【0009】さらに、実開平昭55−110328号公報に記載の方式においては、駆動時常に前後輪の両回転数の差が発生する。この差は走行路面のμによって決まる。従って、この方式では、エンジンにより駆動される車輪の速度を常に追いかけるように、補助駆動源の発電機の出力が制御される。この方式は、スリップ現象の発生時のみ四輪駆動車として動作し、通常は2輪駆動車として機能するように構成されている。
【0010】本発明の目的は、電動機で車輪を駆動するものにおいて、広い運転範囲にわたり機械式4WDに対して遜色の無い十分な駆動力性能を確保できる、車両用発電装置及びその制御方法を供給することにある。
【0011】本発明の他の目的は、構造が簡単でコストが安く、効率も良く、かつ十分な性能を持つ4WD駆動装置を可能にする車両用発電装置及びその制御方法を供給することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、前記電動機は、前記第2発電機の出力でその駆動力を調節されることにある。
【0013】本発明の他の特徴は、車両の内燃機関により駆動され低電圧系車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、前記低電圧系の電力に比べてより低電圧からより高い高電圧までの出力電力を前記電動機に供給可能に構成されており、前記制御装置は、前記車両の要求駆動力に応じて前記第2発電機の出力を制御し、該第2発電機から供給される電圧または電流で前記電動機の駆動力を調節することにある。
【0014】本発明の他の特徴は、前記第2発電機の界磁巻線は2系統の電流供給源を有し、該第2発電機から前記電動機への出力電圧を複数段もしくは所定電圧領域で連続に切替えられるようにしたことにある。
【0015】本発明の他の特徴は、車両の内燃機関により駆動され車両電気負荷へ電力を供給する第1発電機と、前記車両の前後輪のうち前記内燃機関により駆動されない車輪を駆動する電動機とを備えた車両用発電装置において、前記内燃機関により駆動される第2発電機と、前記第2発電機及び前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記第2発電機は、出力電力を前記電動機に供給可能に構成されており、前記制御装置は、前記第2発電機が持つ制御装置以外の外部制御装置を含み、前記外部制御装置から、前記第2発電機の制御指令として該第2発電機の界磁電流のON/OFF信号を出力し、該第2発電機の出力電圧または電流を任意に設定できるようにしたことにある。
【0016】本発明によれば、専用の発電機すなわち第2発電機の出力で車輪駆動用の電動機の駆動力を調節することにより十分な駆動力が確保できる。そのため、車両の発進時から高速登坂運転までの広い運転範囲にわたり、いわゆる機械式4WDに対して遜色の無い駆動力性能を確保できる、車両用発電装置及びその運転方法を供給することができる。
【0017】また、本来の電動式4WDの利点(プロペラシャフト不要、車両のフロア形状がフラットにできる等)も持ち、さらに高電圧バッテリが不要となるため、コストが安く、車両におけるレイアウトも有利、高電圧バッテリの保守メンテ交換も不要となるなど、シンプルで効率も良く、かつ十分な性能を持つ駆動装置を可能にする、車両用発電装置及びその運転方法を供給することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用発電装置を4輪駆動車両の駆動装置に適用した実施例について、図面に沿って説明する。図1は、本発明を適用した4輪駆動車両の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1における車両用発電装置の全体構成を示すブロック図である。
【0019】4輪駆動車両1の前輪3はエンジン2により、後輪4は直流電動機5により、夫々駆動される。エンジン2はエンジンコントロールユニット(ECU)19により制御される。エンジン2の出力はミッション16およびドライブシャフト13Aを介して前輪3へ駆動力を伝える。エンジンルーム内には通常の車両電気負荷へ電力供給を行う補機用の第1発電機7が設けられている。第1発電機7は、エンジン2によりベルト駆動され、第1発電機7の出力の一部が補機バッテリー8に蓄積される。
【0020】本実施例では更に、エンジンルーム内の第1発電機7の近傍に、エンジン2によりベルト駆動される後輪駆動用の高出力の発電機、すなわち第2発電機9が配設されている。第2発電機9は、後輪駆動用の直流電動機5と接続されている。直流電動機5はデファレンシャルギヤ12及びクラッチ11を介して後輪4のドライブシャフト13Bに連結されている。デファレンシャルギヤ12とクラッチ11が連結されると、直流電動機5の出力シャフトがクラッチ11を介してデファレンシャルギヤ12に接続される。クラッチ11が外れると、直流電動機5は後輪4側から切り離される。
【0021】14は発電装置コントロールユニットであり、4輪駆動車両の回転電機すなわち、直流電動機5、第1発電機7、第2発電機9を統括制御する。また、前輪3及び後輪4の各車輪には、回転速度及び回転方向を検出する車輪センサ15が設けられている。なお、この実施例では、発電装置コントロールユニットは、外部すなわち、直流電動機5や第2発電機9の本体の外に設けられており、このコントロールユニットと直流電動機5や第2発電機9の本体に設けられたレギュレータなどの制御部とで、車両用発電装置全体の制御装置を構成する。発電装置コントロールユニット14は、各車輪センサ15からの信号203,204を受けて直流電動機5と第2発電機9とに対して制御指令210、201(208)を出す。ここでは、発電装置コントロールユニット14の第1発電機7に関する制御については説明を省略する。
【0022】補機用第1発電機7は、例えば、12V、2kW程度の出力の得られる一般的な発電機である。一方、第2発電機9は、第1発電機7に比べて高出力が得られる発電機であり、例えば、36V、6kW程度の出力の得られる発電機である。
【0023】なお、直流電動機5は、正転逆転の切替えが容易な直流分巻電動機、または他励直流電動機とするのが望ましい。また、本発明はトラックのような6輪以上の車両、トレーラのような、牽引車両の各車輪を電動機で個別に駆動する場合にも適用可能である。また、用途によっては、直流電動機に代えて交流電動機を用いても良い。
【0024】発電装置コントロールユニット14は、各種センサ信号を取込みマイクロコンピュータを有する演算部144で演算処理をして直流電動機5の界磁電流と第2発電機9の界磁電流をドライブするドライバー部を備えている。また、発電装置コントロールユニット14は、エンジン回転23、ギヤ位置センサ24、車速センサ15、アクセル開度センサ25、前後輪の車輪速センサの信号を受け、その時の運転状態に応じて第2発電機9の界磁電流を制御したり直流電動機5の界磁電流値を制御する。
【0025】なお、コントロールユニット14は発電装置のみならずECU19を含む車両全体の制御を統括するユニットとして構成しても良い。その場合、コントロールユニット14は、エンジンのスロットルをコントロールする制御指令や直流電動機5とデファレンシャルギヤ12を切り離すクラッチ11へも制御指令を出力する。以下では、コントロールユニット14がもっぱら発電装置を制御するものとして、説明する。
【0026】なお、前輪3及び後4の各車輪に設けられたブレーキ17には、アンチロックブレーキ(ABS)コントロールユニット(図示略)によって制御されるアンチロックブレーキ(ABS)アクチュエータが設けられている。ここでは公知のABSコントロールユニットを採用するものとして、詳細な説明を省略する。
【0027】エンジン2の出力は、エンジンコントロールユニット(ECU)19からの指令により駆動される電子制御スロットル18により制御される。電子制御スロットル18には、アクセル開度センサが設けられており、アクセル開度を検出する。なお、電子制御スロットルの代わりにメカリンクのアクセルペダル及びスロットルを用いる場合には、アクセルペダルにアクセル開度センサを設けることができる。また、ECU19は、トランスミッション16を制御する。トランスミッション16は、オートマチックトランスミッションであり、レクトレバーによって選択されたギヤ比となるように自動制御される。セレクトレバーのポジションは、ギヤ位置検出センサによって検出される。なお、トランスミッションとしては、マニュアルトランスミッションを用いるものであってもよいものである。
【0028】図2に、車両用発電装置すなわち発電装置のコントロールユニット14の詳細構成を示す。この車両用発電装置は、車載のバッテリー8と、直流電動機5や第1発電機7、第2発電機9及びそれらのドライバー部であるコントローラ146とを含んでいる。各種の演算処理を行うコントローラ146は、I/O回路と、A/D変換器と、演算処理用のCPU147と、モータードライバ148とを備えている。コントローラ146は、さらに、電動機制御用のプログラムやデータを保持するメモリを備えており、入力した情報に基づいて、車速を算出し、第2発電機9(ALT2)の出力電圧値を算出し、I/O回路から第2発電機9に供給され、発生する出力電圧値を制御する。なお、第1発電機7の制御に関しては、ここでは公知の技術を採用するものとして、詳細な説明を省略する。
【0029】バッテリー8は12V用バッテリーであり、このバッテリー8と充電用の第1発電機7とで、既存の車両電気負荷83へ電力供給する低電圧系、換言すると12V等の定電圧系、の充電発電システムを構成している。なお、バッテリー8は、エンジン停止時に電力を供給するとともに、エンジン起動後は第1発電機7から充電される。そして、第1発電機7が発電している限り、通常の車両電気負荷への電力供給は第1発電機7から行われる。
【0030】第2発電機9の界磁コイル33は、レギュレータ160内のダイオード31を介して低電圧側電流源としての充電発電機7及びバッテリー8に接続されている。ステータ34に誘起された電力が整流ダイオード35を通して負荷である直流電動機5に供給される。整流ダイオード35の出力側は、第2発電機9に設けられたダイオード32を介して、界磁コイル33およびバッテリー8に接続されている。このように、第2発電機9の界磁コイル33は、界磁電流源切換ダイオード31、32を介して電源に接続されている。すなわち、他励電流源としての充電発電機7及びバッテリー8に接続されるとともに、ダイオード32を介して自他電流源すなわち整流ダイオード35の出力側に接続されている。
【0031】第2発電機9は、直流電動機5へ低電圧から高い電圧間での広範囲の電力を供給する可変電圧(高電圧系)発電システムを構成している。第2発電機9の出力は、駆動源でリンクしているエンジンの回転数と界磁コイル33に流れる界磁電流によって決る。すなわち、コントローラ146のCPU147から与えられる電圧指令203に応じてレギュレータ160のトランジスタ36で界磁電流を制御することにより、第2発電機9から所定の出力電圧が得られる。本実施形態では、高電圧の電気漏洩と第2発電機9の耐熱性を考慮して、この出力電圧を50V以下に設定している。
【0032】コントローラ146のCPU147は、制御に必要な各センサ信号を、車載されている他の制御ユニット170(例えば、ECU19やABSコントロールユニット)から車内LAN(CAN)バス171経由で入手する。すなわち、CPU147には、車輪の回転速度及び回転方向の情報,アクセル開度の情報,及びギヤ位置の情報等が、ECUなどから車内LANを介して入力される。
【0033】コントローラ146のCPU147は、これらの情報に基づいて車両運転状態および駆動要求量を算出し、直流電動機5が必要トルク、及び回転数を得ることができる様に、第2発電機9に対して出力電圧の指令値206を出力し、要求出力を発電させる。このようにCPU147は、第2発電機94の出力電圧を制御することにより、他励式直流電動機5を制御する。
【0034】さらに、CPU147は、直流電動機5の界磁巻線6に流す界磁電流を制御する。すなわち、バッテリー8と界磁巻線6間に接続されたモータードライバ148を、CPU147からの界磁指令210に基づき制御することにより、直流電動機5の界磁巻線6の電流が決定される。これにより、CPU147が直流電動機6を直接制御可能にしており、第2発電機9の出力により直流電動機5を制御することによるレスポンスの低下を改善するようにしている。
【0035】他励式直流電動機5への入力回路は、電機子巻線5A用の回路と界磁巻線6用の回路の並列の回路によって構成され、電機子巻線5A用は、スイッチ150を介して第2発電機9と直接結線されている。一方、界磁巻線6はモータードライバ148からの信号線を介して12V用バッテリ8から電力が供給される。CPU147は、直流電動機5の特性が要求値に適合するように、モータードライバ148を介して、直流電動機5の界磁巻線6に流す界磁電流を調整する。また、電動機5の電機子巻線5Aには、第2発電機9から配線路および切り替えスイッチ150を介して直接的に、エンジン回転数に比例した低電圧から高電圧までの電力が最適効率で供給される。なお、21は電流計である。
【0036】なお、車両が後退する時には、モータードライバ148により、正転とは逆向きに界磁電流を流すことで、車両前進の時と同様の後退駆動力が得られる。さらに、CPU147は、クラッチの断続信号を生成して、I/O回路からクラッチ11に供給する。
【0037】以上のように、直流電動機5のへの入力回路として並列回路を採用し、かつ、電機子巻線及び界磁巻線の径や巻数を変えることにより、直流電動機5の電機子巻線への入力電流を大きくし、界磁巻線への入力電流を小さく設定することができる。例えば、電機子電流を最大で250A程度とし、界磁電流は最大で20A程度もしくはそれ以下になるように設定される。
【0038】また、CPU147は、発電電圧が低電圧側で制御し難くなった時は直流電動機5の特性が要求値に適合する様、直流電動機5の界磁巻線6の電流を調整する。この場合、フィードバック制御するものを発電電圧か電動機界磁電流かいずれか一方のみとし、不安定動作になるのを防止する。車両を後退させたい時には正転とは逆向きに界磁電流を流すことで、直流電動機5を逆回転させて車両前進の時と逆向きの駆動力を得る。
【0039】次に、図3を用いて、直流電動機5の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態になる直流電動機の縦断面図である。この電動機5は、直流分巻電動機である。電機子巻線5Aには第2発電機9から50V以下の電力が供給され、界磁巻線6には12Vの電力が供給される。なお、電機子巻線への入力電流は大きく、界磁巻線への入力電流は小さく設定されている。電機子巻線5Aには比較的高電圧、大電流の電力が供給されるので、巻数を少なくし、電機子コア5Cを小型化、すなわち,半径を小さくすることができる。一方、界磁巻線6には、より低電圧,小電流の電力が供給されるので、その巻数を多くしている。
【0040】そして、電機子巻線5Aと界磁巻線6に2つの電源から異なる大きさの電力を供給し、分巻電動機5の電機子コア5Cの半径1/2Dと、界磁巻線6の半径方向の厚みLとを、一般的な電動機では、L<1/2Dなる関係としているが、Lをできる限り長くとり、1/2Dに近い値としている。
【0041】このため、電機子コア5Cの半径は小さくなるため、整流子5Dの半径も小さくなり、ブラシ5Eの半径方向長さを十分に長くし、ブラシ5Eの長寿命化を図ることができる。車両床下への取付スペースを考慮した場合、電動機5のブラシ5Eが収納される部分の外径寸法を最大でディファレンシャルギア12の外径に対応する大きさとすることにより、ブラシ5Eの長さを十分に長くすることができる。
【0042】このように、電機子巻線5Aと界磁巻線6Bに2つの電源から異なる大きさの電力を供給することで、上述したL<1/2Dなる関係内でブラシ長を最大限確保しながら、外形寸法を、ディファレンシャルギア12の外形寸法と同等以下、例えば,200mm以下にすることができる。
【0043】次に、図4を用いて、本発明の一実施形態の車両駆動装置に用いる第2発電機9の構成について説明する。図4は、第2発電機9の縦断面図である。
【0044】第2発電機9は、換気窓の無いブラケット94により発電機の回転子34,固定子35等を保持し、かつエンジンに搭載されている。また、冷却媒体供給口95Aからエンジンの冷却媒体を受け取り、発電時の自己発熱を冷却水を適切に発電機内を循環させることにより冷却後、冷却媒体排出口95Bからエンジン側に戻し、エンジンに付属しているラジエターで冷却後、再循環している。
【0045】図4に示すような構成の第2発電機9を、比較的地面に近い場所に配置する場合、冷却ファンと換気窓が無いため、冷却ファンが外気を換気窓から吸入,排出する必要が無いものである。従って、錆を促進するような物質や故障の一因となる様な異物を吸い込むことが無く、特に、車両走行中に発電機が冠水した場合でも発電機に水等の異物が進入することは殆ど無くなる。
【0046】次に、図5で、コントローラ146のCPU147を中心とした演算処理を説明する。
【0047】まず、CPU147の演算処理ステップ144aでは、前後車輪速203、204(各々2個で計4個)を入力し低速度側を車速とするなどの処理をして車速を算出する。次にステップ144bでは、ステップ144aで算出した車速に対応して必要となる電動機駆動トルク202を算出する。ステップ144cでは電動機回転数を考慮し目標トルク202が出るための電動機入力電圧206を算出する。モータ回転数は車輪速から推定する。次にステップ144dの処理では、この必要電圧が出力される様に第2発電機9への界磁電流指令値を算出する。一方、電圧フィードバック制御の処理ステップ144eで第2発電機9の出力電圧201を取り込み、ステップ144fで電圧/電流変換し、これをステップ144dで得られた界磁電流指令値と比較し、差分に相当する指令値206を第2発電機9へ出力する。
【0048】また、ステップ144gでは、ステップ144cで算出された電動機入力電圧が直流電動機5で出力される様にモータ界磁部6への界磁電流指令値210を算出する。
【0049】第2発電機9は、自分の出力電圧が指令値206になるように内部でフィードバック制御を行い、出力電圧201を直流電動機5へ出力する。この電圧Vを受けて直流電動機5の実トルクTが後輪4に入力され、実際の車輪速203が出る形となりシステム全体のフィードバック制御が行われる。
【0050】なお、図5の制御システム構成に代えて、図6に示したように、電流モードで動作させるようにしても良い。すなわち、コントローラ146は、電流フィードバック制御144hで第2発電機9の出力電流208を取り込み、フィードバック制御を行う。
【0051】図7は、コントローラ146のCPU147による第2発電機9と直流電動機5の起動停止処理のタイミングを示した図である。CPU147は、分巻式の電動機の界磁電流71をまず投入してから一定時間75後に発電機の界磁電流73を流し始め同時に発電電流72が電動機の電機子へ流れる様に発電機の界磁電流制御信号74を投入する。この一定時間75は電動機の界磁電流の応答時間以上で最短に設定する。また、停止する場合は、まず発電機9の界磁電流73が流れなくなるように発電機の界磁電流制御信号74を停止させて一定時間76経過後に電動機の界磁電流71を止める。この一定時間76は発電機の出力が一定レベル以下になるまでの時間で設定する。
【0052】図8は、本発明の第2発電機9の出力特性の一例を示す図である。第2発電機の界磁電流は、バッテリーと第2発電機自らの双方を電流供給源としており、車両の発進時即ち第2発電機の起動時あるいは低速回転時は、バッテリー8の電力による他励方式となり、図に示したような左下がりの出力特性となる。また、車両の発進後の走行時は、第2発電機自ら出力を電流供給源とする励方式となり、第2発電機の出力はエンジン回転数に比例し、発電機の出力範囲は端子電圧,電流共に放物線状に拡大している。第2発電機9の出力電圧Vは、配線抵抗分を除けば、直流電動機5の入力電圧として考えることができる。従って、第2発電機の界磁電流制御により、電動機5への出力電圧を複数段切替えにしたり、所定電圧領域で連続に切替えることもできる。
【0053】図9は第2発電機の出力特性に対する電動機5の要求する入力特性を示した図である。電動機5は回転速度に比例した高電圧が必要であり、その時に出せるトルクは電流に比例するが基本的な車両特性から要求トルクが下がってくるので電流も下げることになる。具体的に説明すると発進時は低速で大きなトルクを必要とするのでA領域に動作点が来るように発電機の電圧と電流を制御する。この時トルクが出る様にモータ界磁電流値も高目に設定する。車速が上がるにつれてB領域を経過して高電圧制御領域Cに到達する。坂道などはある程度速度が出たところで駆動トルクとバランスがとれるので一定時間連続で運転することになる。車速が更に出てエンジン回転速度も上昇してくると発電機の発生できる電力が増加するのでD領域のように更に高電圧に出来るがその分トルクは低下する。電圧に関しては最高電圧値に制限があることから界磁電流を下げてモータの要求電圧を抑える制御を行う。図9のAは車両の発進時の動作領域を示している。また、Bは車両の低速走行時の動作領域、Cは20Km/H程度の中速登坂運転時の動作領域、Dは30Km/H程度の高速走行時の動作領域を示している。
【0054】図8、図9において、例えば、車両始動時や轍からの脱出時など、必要トルクが高く車速が低い時は直流電動機5への電流値高く、電圧値が比較的低い領域、すなわち、図8のV3、またはV2 、I2 のポイントあるいは図9のA、Bの動作領域を使用する様に第2発電機9の出力を制御する。また車速の低い所、例えば15〜20km/hでは、後輪4にある程度のトルクを伝え、また直流電動機5が後輪4の回転数と減速機を介して同期するため、直流電動機5に電動機への電流値が比較的低く、電圧値が比較的高い領域、すなわち、図8のV1 、I1 のポイント、あるいは図9のC、Dの動作領域を使用する様に第2発電機9の出力を制御する。
【0055】また、より高い電力の要求値がある時には、第2発電機9及び直流電動機5、さらに、バッテリー8の許容範囲内にて、第2発電機9及び直流電動機5の界磁電流を制御することで、更なる高出力及び低出力の範囲で直流電動機5を駆動することが可能である。すなわち、電源系を2系統設けたことにより、第2発電機9の界磁電流を制御する方法と、直流電動機5の界磁電流を制御する方法の2通りの方法で制御可能である。例えば、車両始動時等の電動機の必要回転数が低く、必要トルクが高い時には、第2発電機9の出力を低電圧で電流値が大きくなる値に設定することで、電動機は低回転、高トルクの出力となる。また、車両走行時においては、電動機の必要回転数が高く、必要トルクが低いとすると、第2発電機9の出力電圧の高くなる値に設定することで対応可能となる。さらに、直流電動機5の界磁電流を下げることにより、トルクを絞りながら誘起電圧の上昇を抑えることが出来るので、電動機の回転数を高くすることができる。また、トルク配分要求値が前輪3の方が後輪4よりも高い時などは、第2発電機9の界磁電流値を下げ、前輪3と後輪4のトルク配分を可変にできる。
【0056】このように、本発明では、前記した電動機及び発電機の構造的な特徴と、直流電動機の弱め界磁制御の組み合わせにより、発電機出力を50V以下にするという制約の中で、低電圧に抑えて車輪駆動に要求されるトルクを出すことを可能にしている。
【0057】図10は、電動機の出力トルクと車速の関係を示す図である。Aはエンジンの駆動トルクに相当する電動機5に対する要求特性、Bは本発明の直流電動機5の出力特性、Cは従来の充電始動システムに組み合わされた直流電動機5の出力特性を示している。従来の充電始動システムでは専用の発電機を設けていないので、いったん12Vのバッテリーを介して負荷に接続される。そのため、Cのように、端子電圧,出力電流ともエンジン回転数と発電機の発電効率に関係なく制限された低い値の一定域での制御しか選択できず、この制限された範囲でしか、駆動電動機の入力を与えることができなかった。それに対して、本実施形態では、他励方式の採用により、車両の発進時から高速時まで広範囲に十分な駆動パワーが得られる。そのため、Bで示す広範囲の領域内で駆動電動機の制御が可能となり、4輪駆動車両として具備すべき走行モードを自由に選択可能な制御とすることができる。
【0058】なお、本発明の一実施形態によれば、直流電動機5は、エンジン2とは切り離して独立に制御される。すなわち、車両の始動時(車速がゼロの状態)から所定値(例えば20Km/h)以下の範囲の前進走行及び後退時に限定して、クラッチ11をオンにして車両の後輪を駆動し、車速が20Km/h以上になったらクラッチ11をオフにしてエンジン2のみで走行する。エンジンからプロペラシャフトを介して車両の後輪を駆動するものに比べると、エンジンからの変速機構やプロペラシャフトが不要となり、4輪駆動機構が、小型,軽量化されると同時に、所定値以上では後輪側が前輪側から切り離されるので燃費向上にも寄与する。また、起動時、すなわち,車速がゼロの状態から発進アシストが得られるために、発進加速性に優れている。
【0059】なお、クラッチ11の電源ラインは、補機用バッテリー8に接続されており、クラッチ11の断続をコントローラ14により制御することにより、第2発電機9の発電力に依存することなく、4輪駆動機能が必要無い時には、強制的に後輪4と直流電動機5との機械的連結を切り離すことができる。例えば、車速が20km/hになったらクラッチ11をOFFにして、前輪のみの駆動系とすることにより、全車速領域で動作するシステムに比べ、直流電動機5のブラシ摩耗量を低減できる。また、クラッチ11を切り離した状態では、直流電動機5を使用しないため、第2発電機9をスイッチで切り替え、充電装置や他の補機の電源として流用することも可能である。
【0060】図2の実施例において、第2発電機9の界磁入力部は、第2発電機9の本体に設けられたダイオード32と、レギュレータ160に設けられたダイオード31を含んでいる。ダイオード31、32の配置をこのようにすることで、コントロールユニット14のパワー部が減り、標準化が図れる。また、第2発電機9の周辺のパワーラインが減少する。さらに、第2発電機9内のパワー部を分散配置できるので、放熱的に有利となる。
【0061】図11は、本発明の他の実施形態による発電装置のコントロールユニット14の詳細構成を示す図である。図2の実施例との相違点は、第2発電機9の界磁入力部の位置を変更したことにある。すなわち、ダイオード31、32を含む界磁入力部の全体が第2発電機9に設けられている。ダイオード31、32の配置をこのようにすることで、コントロールユニット14パワー部が減り、標準化が図れる。また、第2発電機9の周辺のパワーラインが減少する。
【0062】なお、ダイオード31、32を含む第2発電機9の界磁入力部全体を、コントロールユニット14に設けても良い。磁入力部をこのように構成することで、第2発電機9の回路の標準化、簡略化を図ることができる。
【0063】また、第2発電機9の界磁入力部全体を、レギュレータ160に設けても良い。界磁入力部をこのように構成することで、コントロールユニット14のパワー部が減り、標準化が図れる。また、第2発電機9の周辺のパワーラインが減少する。さらに、第2発電機9の回路の標準化を図ることができる。
【0064】図12は、本発明の発電装置のコントロールユニット14のより詳細な構成例を示す図である。すなわち、電動機コントロールユニットのコントローラ145およびレギュレータ316を中心とした電源システム構成図である。
【0065】第2発電機9の出力は駆動源でリンクしているエンジンの回転数と界磁コイル33に流れる界磁電流によって決り、ステータ34に誘起された電力が整流ダイオード35を通して負荷である電動機(例えばDCモータ)5に供給される。
【0066】なおステータ34の結線方法としては一般的に本実施例の様なスター結線とデルタ結線の2通りあるがどちらの結線方法でも構わない。ただし、発明者の実験によれば、デルタ結線の方がリップルが少なくより高電圧高出力まで制御出来る。
【0067】コントローラ145は直接制御したい発電機の出力電圧または負荷である直流電動機5へ印加されている電圧をS端子313で検出して要求指令電圧より高いか低いかで界磁電流制御用トランジスタ36のON時間を決定する。コントローラ145が直接界磁電流制御用トランジスタ36を制御することで0Vに近い低電圧から高電圧領域まで自由にかつ速く制御可能となる。しかし第2発電機9の出力を更に速く制御する場合や駆動トルクをより精度良く制御する場合は電流を直接フィードバック制御する方が良い。第2発電機9の電流も直流電動機5のアーマチャに入力される電流と界磁制御用電流の2種類あるがどちらでも電圧制御よりは応答性が速くなる。安定性の問題があるので運転条件により電圧制御モードと電流制御モードを切替える。
【0068】次に、図13は、本発明を適用した4輪駆動車両の他の実施例の全体構成を示すブロック図である。また、図14は、図13の第2発電機9の制御装置の構成を示す図である。この実施例では、第2発電機9に一体的に設けられたコントローラ14およびレギュレータにより、発電制御システムが構成されている。
【0069】図13において、14はマイクロコンピュータを備えたコントローラであり、第2発電機9に一体に設けられている。コントローラ14はマイクロプロセッサを備えており、車速センサー及びアクセル開度センサーの信号を受け、第2発電機9の出力及び直流電動機5の界磁電流値、及びクラッチ11のそれぞれの信号を生成する。20はアンチロックブレーキ(ABS)コントロールユニットである。その他の構成は、図1の実施例と同じなので、説明を省略する。
【0070】図14において、第2発電機9の出力は駆動源でリンクしているエンジンの回転数と界磁コイル33に流れる界磁電流によって決り、ステータ34に誘起された電力が整流ダイオード35を通して負荷である電動機(例えばDCモータ)5に供給される。レギュレータ回路316では、発電機の出力電圧をS端子313で検出して要求指令電圧より高いか低いかで界磁電流制御用トランジスタ36のON時間を決定する。要求指令電圧は外部の制御装置14よりON/OFFのDuty指令値が入力されるとコンパレータ311とその基準電圧312で波形整形されDuty−電圧変換機310を通して電圧指令となり切換スイッチ38を介してコンパレータ37の基準電圧として入力される。
【0071】図15に、図14の実施例におけるDuty値と制御電圧の関係を示す。図に示すように、下限不感帯41と上限不感帯42の間の制御範囲では、Duty値に比例して12V以下の低電圧領域から42V以上の高電圧領域まで電圧制御可能となっている。制御信号が来ない又はONかOFF信号が規定周期以上連続した場合は、基準電圧Vref2(39)に切替える。
【0072】なお、本制御システムにおいて、負荷が電動機のみの場合は、安全性の面から不必要なトルクを発生させない様に発電機の出力電圧が0に近くなるように設定する。図15の例では下限側43と上限側44の様に示される。
【0073】界磁電流は14Vバッテリ8と発電機(オルタネータ)9自らの出力の双方を供給源としておりダイオードのOR結合で結線されている。こうすることで発電機が低回転で十分な発電能力を出せない場合や制御指令値がバッテリ電圧以下になった時に界磁電流をバッテリ側から供給するが可能になり制御応答性が改善される。発電機9の出力がバッテリ電圧以上の時は発電機9自らの出力から供給されるので界磁電流UPが可能となり高出力を発生させることが可能となる。
【0074】なお、コントローラ14およびレギュレータの設置位置としては、図1や図13の例に限られることは無く、例えば、エンジンルーム内の他の箇所、例えば直流電動機5の近傍でも良い。
【0075】次に、図16から図18は、14V系第1発電機7と、駆動モータ5の電源として使われる出力電圧可変の第2発電機9との車両電気負荷への電力分配構成例を示す。
【0076】図16の構成では、第2電機9と通常の14V系車両電気負荷83およびバッテリ8へ電力を供給する第1発電機7とは別の専用発電機としている。そして、電動機5に電力を供給しない時には、スイッチ81及びダイオード82を介して第2電機9の出力を通常の14V系車両電気負荷83へ切替えるものとする。なお、ダイオード82は、電流回り込み防止するために、第2発電機9の出力電圧を通常の車両電気負荷83へ電力供力するラインに設ける。
【0077】この場合、電動機5に電力を供給しない時にスイッチ81を操作して出力を通常の14V系車両電気負荷83へ切替える方法としては、車両電気負荷量に応じて第2発電機9側の制御電圧を通常の車両電気負荷へ電力供給する充電発電機7の電圧より低くするか高くするか制御する。そして、どちらか発電効率の良い方の発電機から電力供給するなどその時の条件から適切な方を選択するようにする。例えば第2発電機9の出力電圧を通常の車両電気負荷へ電力供給する第1発電機7の電圧より低く制御すれば発電機の電圧レギュレートのフィードバック制御は第1発電機7のみ働き、第2発電機9側は発電停止状態となる。
【0078】図17の構成では、第2発電機9を通常の14V系低電圧系車両電気負荷83およびバッテリ8へ電力を供給する第1発電機7とは別の発電機とする。そして、電動機5に電力を供給しない時には、第2発電機9の出力を発信時に一時的に電力供給が途切れても問題の出難いと考えられるクイッククリヤやEHCなどの高電圧大電力を必要とする車両電気負荷85へ供給する様に切換スイッチ84を介して切替える。
【0079】さらに、図18の構成では発電機9を通常の14V系車両電気負荷73およびバッテリ8へ電力を供給する第1発電機7とは別の専用発電機(第2発電機)とし、車輪駆動力の電動機5に電力を供給しない時には、発電量を自励分のみの最小になる様にする。そのため、第2発電機9の界磁電流に電流が流れない様にする。この場合は自励による発電量で電動機5が動かなければ接続していても問題無いが、自励による発電量で電動機5が動く可能性がある場合には切替えスイッチ81により切り離し、自励の発電電圧で第2発電機9が破壊しない様に耐圧設計する。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、専用の発電機すなわち第2発電機で車輪駆動用の電動機を直接的に駆動する、すなわち第2発電機の出力で電動機の駆動力を調節することにより十分な駆動力が確保できる。そのため、車両の発進時から高速登坂運転までの広い運転範囲にわたり、いわゆる機械式4WDに対して遜色の無い駆動力性能を確保できる、車両用発電装置及びその運転方法を供給することができる。
【0081】また、本来の電動式4WDの利点(プロペラシャフト不要、車両のフロア形状がフラットにできる等)も持ち、さらに高電圧バッテリが不要となるため、コストが安く、車両におけるレイアウトも有利、高電圧バッテリの保守メンテ交換も不要となるなど、シンプルで効率も良く、かつ十分な性能を持つ駆動装置を可能にする、車両用発電装置及びその運転方法を供給することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年12月13日(2000.12.13)
【代理人】 【識別番号】100074631
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−333507(P2001−333507A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−379350(P2000−379350)