| 【発明の名称】 |
二電池型電気自動車の電池監視装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 徹也
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| 【要約】 |
【課題】回路構成の複雑化を抑止しつつ、主電池の電圧検出精度の向上が可能な二電池型電気自動車の電池監視装置を提供すること。
【解決手段】高圧の主電池3と、低圧の副電池2と、電圧検出回路51、52と、副電池3から給電されて電圧検出回路51、52に給電する電源電圧供給回路3とを備え、電源電圧供給回路3は、インバータ42と、マルチ出力型トランス44と、整流器45〜47とを備える。マルチ出力型トランス44の一次コイル441と低圧負荷給電用の二次コイル444との間の電磁結合係数は、一次コイル441と電圧検出回路給電用の二次コイル442、443との間の電磁結合係数よりも小さく設定されるので、低圧負荷給電用の二次コイル444の電流変動による電圧検出回路51、52の電源電圧変動を低減することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の電池ブロックを直列接続して構成された高圧の主電池と、低圧の副電池と、各前記電池ブロックの端子電圧を個別に検出する複数の電圧検出回路と、前記副電池から給電されて各前記電圧検出回路及び低圧の電気負荷に個別に電源電圧を印加する電源電圧供給回路と、を備え、前記電源電圧供給回路は、前記副電池から給電される直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記交流電力が供給される一次コイル、電圧検出回路給電用の複数の二次コイル及び低圧負荷給電用の二次コイルを有するマルチ出力型トランスと、各前記電圧検出回路給電用の二次コイルから出力される各交流電力を個別に整流して前記各電圧検出回路に給電するとともに、前記低圧負荷給電用の二次コイルから出力される交流電力を整流して直接又は所定周波数の交流電力に変換して低圧の電気負荷へ給電する多数の整流器と、を備える二電池型電気自動車の電池監視装置において、前記マルチ出力型トランスの前記一次コイルと前記低圧負荷給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数は、前記一次コイルと前記電圧検出回路給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数よりも小さく設定されることを特徴とする二電池型電気自動車の電池監視装置。 【請求項2】請求項1記載の二電池型電気自動車の電池監視装置において、前記一次コイル及び前記各二次コイルは前記マルチ出力型トランスのコアに径方向に重ねて巻装され、前記一次コイル及び前記低圧負荷給電用の二次コイルは、前記各電圧検出回路用の二次コイルを径方向に挟んで配置されることを特徴とする二電池型電気自動車の電池監視装置。 【請求項3】請求項1記載の二電池型電気自動車の電池監視装置において、前記マルチ出力型トランスは、前記一次コイル及び前記各電圧検出回路用の二次コイルと前記低圧負荷給電用の二次コイルとの間に漏れ磁束を増大させる分岐磁路部材を有することを特徴とする二電池型電気自動車の電池監視装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、二電池型電気自動車の電池監視装置に関する。 【0002】 【従来の技術】二次電池を搭載する純電気自動車、燃料電池車及びハイブリッド車などの電気自動車では、抵抗損失低減や制御用半導体素子の小型化のために車両走行モータと電力授受する300V近い端子電圧をもつ高圧電池(主電池)と、制御装置やオーディオ装置や従来の車両用電気負荷に給電するために12V程度の端子電圧を有する低圧電池とを搭載することが有利である。 【0003】電気自動車の主電池として用いられるニッケル水素電池やリチウム電池などの高エネルギー二次電池は過充電や過放電に弱い特性をもつが、電気自動車の二次電池は頻繁に充放電を繰り返すため、その精密な容量管理が必須となっている。 【0004】主電池の精密な容量管理のためには、縦続接続されて主電池を構成する各電池ブロックの端子電圧を精密に検出する必要がある。なお、電池ブロックは1乃至縦続接続された複数の単電池で構成される。 【0005】各電池ブロックの基準端(通常低位端)電位は互いに異なるために、これら基準端を基準として高位端の電位を検出する各電池ブロックの端子電圧検出回路(以下、電圧検出回路ともいう)に電源電圧を給電する各電源回路(以下、電圧検出回路用電源回路ともいう)を互いに電気的に独立させる必要がある。 【0006】これら電圧検出回路用電源回路は低電圧を出力すればよいので、二電池型電気自動車では、低圧の副電池からの直流電力を交流電力に変換するインバータ、複数の二次コイルを有するトランス(以下、マルチ出力型トランスともいう)、各二次コイル電圧を個別に整流する整流器で構成される複数出力型のDCーDCコンバータが採用される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記説明した二電池型電気自動車では、運転者の利便性を向上するために商用周波数の100V交流負荷や、副電池電圧とは異なる電圧の直流負荷などにたとえばコンセントなど通じて給電することが望まれている。 【0008】この種の異電圧負荷には、電圧変換用のトランスを内蔵するDCーDCコンバータ又はインバータを通じて、主電池又は副電池から給電されるが、回路構成を簡素化し、車両重量を軽減するためには上記したマルチ出力型トランスの一つの二次コイルから給電することが最も簡単である。 【0009】この場合、異電圧負荷への給電電流はその開閉などにより大きく変動し、この電流変動が、一次コイルだけでなく電圧検出回路給電用の二次コイルにも影響するため、この異電圧負荷への印加電圧の変動に応じてマルチ出力型トランスの一次電流をフィードバック制御して、低圧負荷給電用の二次コイルの電流変化を補償(一次コイルから低圧負荷給電用の二次コイルに電磁給電)することが必要となる。 【0010】しかしながら、詳細な回路解析の説明は省略するが、このようなフィードバック制御を行ったとしても、異電圧負荷への給電電流の増減は、結局、マルチ出力型トランスの一次コイル電圧の増減を招き、これに応じて他の二次コイル電圧の増減を招き、その結果として、各電圧検出回路の検出特性が変動して電池ブロックの電圧検出精度が低下してしまう。 【0011】各電圧検出回路それぞれに高精度の定電圧回路を設けることによりこの問題を改善することは可能であるが、回路構成の複雑化及び電力損失の増大の点で実用的ではない。 【0012】更に、なんらかの異常により、異電圧負荷が短絡状態となった場合には、各電圧検出回路の電源電圧が大幅に増大するため、各電圧検出回路それぞれにそれに対する防御回路を増設必要も生じた。 【0013】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、回路構成の複雑化を抑止しつつ、主電池の電圧検出精度の向上が可能な二電池型電気自動車の電池監視装置を提供することをその目的としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の二電池型電気自動車の電池監視装置は、複数の電池ブロックを直列接続して構成された高圧の主電池と、低圧の副電池と、各前記電池ブロックの端子電圧を個別に検出する複数の電圧検出回路と、前記副電池から給電されて各前記電圧検出回路及び低圧の電気負荷に個別に電源電圧を印加する電源電圧供給回路とを備え、前記電源電圧供給回路は、前記副電池から給電される直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記交流電力が供給される一次コイル、電圧検出回路給電用の複数の二次コイル及び低圧負荷給電用の二次コイルを有するマルチ出力型トランスと、各前記電圧検出回路給電用の二次コイルから出力される各交流電力を個別に整流して前記各電圧検出回路に給電するとともに、前記低圧負荷給電用の二次コイルから出力される交流電力を整流して直接又は所定周波数の交流電力に変換して低圧の電気負荷へ給電する多数の整流器とを備える二電池型電気自動車の電池監視装置において、前記マルチ出力型トランスの前記一次コイルと前記低圧負荷給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数は、前記一次コイルと前記電圧検出回路給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数よりも小さく設定されることを特徴としている。 【0015】本構成によれば、一次コイルと低圧負荷給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数が小さいので(漏れ磁束が多いので)、低圧負荷の電流変動による一次コイル電流の変動を低減することができる。また、電圧検出回路給電用の二次コイルは低圧負荷給電用の二次コイルよりも良好な電磁結合係数で一次コイルに結合されるので、副電池から各電圧検出回路への給電効率を向上して損失を低減することができる。 【0016】請求項2記載の構成によれば請求項1記載の二電池型電気自動車の電池監視装置において更に、前記一次コイル及び前記各二次コイルは前記マルチ出力型トランスのコアに径方向に重ねて巻装され、前記一次コイル及び前記低圧負荷給電用の二次コイルは、前記各電圧検出回路用の二次コイルを径方向に挟んで配置されることを特徴としている。 【0017】本構成によれば、各コイルを径方向に重ねて巻装し、一次コイル及び低圧負荷給電用の二次コイルの間に電圧検出回路給電用の二次コイルを介在させるという簡単な構造で請求項1記載の電磁結合係数を実現することができる。 【0018】好適な態様において、一次コイルは最外側に、低圧負荷給電用の二次コイルは最内側に巻装されるが、この逆でもよい。 【0019】請求項3記載の構成によれば請求項1記載の二電池型電気自動車の電池監視装置において更に、前記マルチ出力型トランスは、前記一次コイル及び前記各電圧検出回路用の二次コイルと前記低圧負荷給電用の二次コイルとの間に漏れ磁束を増大させる分岐磁路部材を有することを特徴としている。 【0020】本構成によれば、一次コイル及び各電圧検出回路用の二次コイルと低圧負荷給電用の二次コイルとの間の漏れ磁束を容易に増大することができ、トランス体格の増大を抑止しつ請求項1記載の効果を増大することができる。 【0021】好適な態様において、一次コイル及び各電圧検出回路用の二次コイルと低圧負荷給電用の二次コイルとの間に、渦電流損失が小さいフェライトテープを巻く。このようにすれば一次コイル及び各電圧検出回路用と二次コイルと低圧負荷給電用の二次コイルとの間の電磁結合係数を簡素で体格を増大することなく低減することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な態様を以下の実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例の構成に限定されるものではなく、置換可能な公知回路を用いて構成できることは当然である。 【0023】 【実施例1】本発明の組み電池の電圧検出装置の一実施例を図1を参照して説明する。 【0024】(回路構成)1はイグニッションスイッチ、2は低圧の副電池、3は主電池、4は電池監視ECUであり、主電池3は図示しないインバータ装置を通じて図示しない走行モータと電力授受している。 【0025】電池監視ECU4は、平滑回路41、インバータ回路42、CR回路43、マルチ出力型トランス44、整流器45〜47、平滑コンデンサ48〜50、電圧検出回路51、52を有している。 【0026】インバータ回路42は、ソース接地のMOST422とそれを所定周波数でデューティ比可変に断続制御するゲート制御回路42とを有している。 【0027】マルチ出力型トランス44は、閉磁路を構成するフェライトコア440に径方向多重に巻装された一次コイル441、二次コイル442〜444を有している。 【0028】マルチ出力型トランス44の一次コイル441はスイッチング用のMOST422と直列に接続され、MOST422の両端には、互いに直列接続されたコンデンサCと抵抗rとからなるCR回路43が並列に接続されている。 【0029】副電池2の電圧が、イグニッションスイッチ1、平滑回路41を通じてこれら一次コイル441とMOST422との両端に印加されている。 【0030】マルチ出力型トランス44の二次コイル442〜444の交流出力は整流器45〜47で個別に整流され、これにより各整流器45〜47互いに電気的に絶縁され、異なる基準電位をもつことができる。電圧検出回路給電用の二次コイル442、443から給電される整流器45、46から出力された各直流電圧は、平滑コンデンサ48、49で個別にリップル除去された後、電圧検出回路51、52に電源電圧として個別に印加される。 【0031】低圧負荷(この実施例では、副電池よりも高電圧である)給電用の二次コイル444から給電される整流器47から出力された直流電圧は、平滑コンデンサ50でリップル除去された後、図示しない外部の低圧負荷に印加される。 【0032】なお、平滑コンデンサ48〜50はそれぞれ大容量の電解コンデンサと小容量のフィルムコンデンサを並列接続して構成されている。この実施例では、外部の低圧負荷に直流電力を給電したが、インバータ回路を介在させることにより交流負荷を駆動できることはもちろんである。 【0033】(動作)上記説明した回路の動作を説明する。 【0034】イグニッションスイッチ1をオンし、MOST422を所定のキャリヤ周波数、所定の初期デューティ比で断続すると、一次コイル441に交流電流成分を含んだ直流電流が流れ、この交流電流成分の変化により二次コイル442〜444に交流電圧が誘導される。 【0035】二次コイル442〜444から出力される各交流電圧は整流器45〜47で整流され、平滑コンデンサ48〜50で平滑されて、電源電圧として電圧検出回路51、52及び図示しない外部負荷に印加される。 【0036】主電池4は、多数の電池ブロックを直列接続して構成されており、更に各電池ブロックはそれぞれ多数の単電池を直列接続して構成されている。 【0037】各電池ブロックの端子電圧はそれぞれ異なる電圧検出回路で検出される。ただし、図1では、最高位及び最低位の電池ブロックの電圧を検出する電圧検出回路51、52だけが図示されている。電圧検出回路51、52の電圧検出動作及びインバータ回路42による直ー交変換動作自体は本発明の要旨ではなく、かつ、多くのバリエーションがあるため、説明を省略する。 【0038】一次コイル444が外部の低圧負荷へ給電する電流が変化すると、外部負荷へ出力する電圧が変動するので、この電圧変動をインバータ回路42のゲート制御回路421にフィードバックして、MOST422のデューティ比を変化させ、一次コイル441に流れる交流電流成分を変化させて、上記電圧変動を低減する。一次コイル441を流れる電流が増大すると二次コイル442〜443の出力電圧が増大する。 【0039】(マルチ出力型トランス44の構造)そこで、この実施例では、図2に示す独特の構造のマルチ出力型トランス44を採用する。 【0040】このマルチ出力型トランス44のフェライトコア440は、棒状の芯部4401と、ロ字状の枠部4402とからなり、全体として閉磁気回路を構成している。芯部4401には樹脂ボビン445が嵌められ、樹脂ボビン445には一次コイル441と二次コイル442〜444とが径方向に重なって巻装されている。 【0041】この実施例では、最内側に低圧負荷給電用の二次コイル444が、最外側に一次コイル441が巻装され、中間に二次コイル442〜443が巻装されている。なお、実際には、二次コイル442〜444は必要数巻装される。一次コイル441と二次コイル444とを逆の構成としてもよい。 【0042】このようにすれば、一次コイル441と低圧負荷給電用の二次コイル444とは径方向に離れて配置されるために、それらの間に漏れ磁束経路が生じ、コイル441〜443と444との間の電磁結合係数が減少する。このため、たとえば、低圧負荷給電用の二次コイル444に接続される外部の低圧負荷の電流変動の影響により一次コイル441の電流が変動し、これらの影響により、電圧検出回路51、52の電源電圧が変動するのを良好に抑止することができる。 【0043】(変形態様)図3に示すように、低圧負荷給電用の二次コイル444と他のコイル441〜443との間に、非磁性樹脂製の半割り円筒を合わせた円筒部材446を介設してもよい。このようにすれば、コイル441〜443と444との間の電磁結合係数を低下させることができる。また、この円筒部材446はコイル間の電気絶縁耐圧の向上にも有効である。この円筒部材446は絶縁テープを分厚く巻いて形成してもよい。 【0044】更に、この円筒部材446はフェライトなどの渦電流損失が小さい半割り円筒やテープで作製してもよい。このようにすれば、円筒部材446の厚さが薄くても、両コイル441〜443と444との間の電磁結合係数を大幅に低減することができる。 【0045】なお、上記実施例では、説明を省略したが、インバータ回路42の電源電圧を形成するコイルを両コイル441、444間に更に追加巻装してもよい。 【0046】 【実施例2】他の実施例を図4に示す。 【0047】この実施例は、ボビン形状に形成された第一のフェライトコア100の円筒状の軸部に一次コイル441と電圧検出回路給電用の二次コイル442、443を巻装し、この第一のフェライトコア100と組み合わされて閉磁気回路を構成する第二のフェライトコア101の円筒状の軸部に低圧負荷給電用の二次コイル444を巻装したものである。 【0048】このようにすれば、一次コイル441、二次コイル442〜443と二次コイル444との電磁結合係数を簡素な構造で低減することができる。 【0049】また、この実施例では、フェライトコア100をボビン形状に形成しているので、ボビンを省略することができ、その分だけ部品点数を減らし、小型軽量化を図ることができる。図5は図4の変形例である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成12年5月19日(2000.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2001−333501(P2001−333501A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−148495(P2000−148495) |
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