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【発明の名称】 移動体及びその制御方法
【発明者】 【氏名】灘 光博

【要約】 【課題】エンジンや第1のモータなどに異常が発生し、二次電池の充電量が減少している場合に、移動距離を延ばすことができるようにする。

【解決手段】異常検出判定部272aはエンジン150やモータMG1などについて異常検出がされたか否かを判定する。充電量判定部272bはバッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下となったか否かを判定する。所定値Sre以下であった場合、モータ動力性能低減部272cが充電量SOCを基にして、用意されたマップからモータMG2の最大回転数Rmaxを求める。その最大回転数Rmaxは、バッテリ194の充電量SOCが減少するのに比例して下がっていくように設定されている。モータ動力性能低減部272cはモータMG2の回転数REV2の値が最大回転数Rmaxを上回っているか否かを判定し、上回っている場合には、回転数REV2が最大回転数Rmaxと等しくなるような、モータMG2の目標トルクT2tagを算出し、モータ主制御CPU262に対し、モータMG2に関するトルク指令値としてT2req=T2tagを出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力軸を有するエンジンと、動力を出力するための駆動軸と、前記出力軸に結合された第1のモータと、前記駆動軸に結合された第2のモータと、前記第1及び第2のモータとの間で電力のやりとりが可能な二次電池と、前記エンジン、前記第1及び第2のモータ、並びに前記二次電池を制御することが可能な制御装置と、を備える移動体であって、前記制御装置は、前記エンジンまたは前記第1のモータに関連した異常を検出した場合、前記エンジン、並びに前記第1及び第2のモータのうち、前記第2のモータのみを動作するよう制御すると共に、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が所定値以下である場合、前記充電量の減少に応じて前記第2のモータの動力性能を低減させるよう、前記第2のモータを制御することを特徴とする移動体。
【請求項2】 請求項1に記載の移動体において、前記制御装置は、前記第2のモータの動力性能として、前記第2のモータの最大出力、前記第2のモータの最大回転数、及び前記第2のモータの最大トルクのうち、少なくとも1つを低減させるよう、前記第2のモータを制御することを特徴とする移動体。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の移動体において、前記制御装置は、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が前記所定値以下になるまでは、前記第2のモータの動力性能を低減しないよう、前記第2のモータを制御することを特徴とする移動体。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちの任意の1つに記載の移動体において、前記制御装置は、前記第2のモータの動力性能を所定の程度まで低減した後は、前記充電量の減少に関わらず、前記第2のモータの動力性能をそれ以上低減しないことを特徴とする移動体。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうちの任意の1つに記載の移動体において、前記制御装置は、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が前記所定値以下である場合であっても、前記第2のモータが回生動作を行う場合には、前記第2のモータの動力性能を低減しないよう、前記第2のモータを制御することを特徴とする移動体。
【請求項6】 出力軸を有するエンジンと、動力を出力するための駆動軸と、前記出力軸に結合された第1のモータと、前記駆動軸に結合された第2のモータと、前記第1及び第2のモータとの間で電力のやりとりが可能な二次電池と、を備える移動体の制御方法であって、(a)前記エンジンまたは前記第1のモータに関連した異常を検出する工程と、(b)前記工程(a)で前記異常を検出した場合、前記エンジン、並びに前記第1及び第2のモータのうち、前記第2のモータのみを動作するよう制御する工程と、(c)前記工程(a)で前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が所定値以下であるか否かを判定する工程と、(d)前記工程(c)で前記充電量が所定値以下であると判定した場合、前記充電量の減少に応じて前記第2のモータの動力性能を低減させるよう、前記第2のモータを制御する工程と、を備える移動体の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン、第1のモータ及び第2のモータを備えるハイブリッド車両等の移動体に関し、特に、エンジンまたは第1のモータなどに異常が生じた場合における第2のモータの制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジン及びモータを動力源とするハイブリッド車両が提案されており(例えば特開平9−47094に記載の技術等)、ハイブリッド車両の一種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パラレルハイブリッド車両では、エンジンから出力された動力は、第1のモータを有する動力調整装置を介することにより、その一部が駆動軸に伝達され、残余の動力が第1のモータにより電力として回生される。この電力はバッテリに充電されたり、エンジン以外の動力源としての第2のモータを駆動するのに用いられる。このようなハイブリッド車両は、上述の動力の伝達過程において、第1及び第2のモータを制御することによって、エンジンから出力された動力を任意の回転数及びトルクで駆動軸に出力することができる。駆動軸から出力すべき要求出力に関わらずエンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択して運転することができるため、ハイブリッド車両は、エンジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性及び排気浄化性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなハイブリッド車両において、上述したエンジンや第1のモータなどに異常が生じた場合、後述するように、エンジン150を動力源として車両を走行させることは不可能となる。また、第1のモータで電力を回生することもできなくなってしまうため、バッテリに電力を充電することもできなくなる。そのよう場合においてバッテリの充電量が減少してくると、如何にして走行距離を延ばしながらハイブリッド車両を走行させるかが問題となる。
【0004】なお、この種の技術に関連するものとしては、例えば、特開平10−248104号公報に記載のものが挙げれらる。かかる既提案例では、モータのみを動力源とする電気自動車において、バッテリの充電量が減少してほとんど走行ができなくなった場合に、他の車両や歩行者等の邪魔にならないように、短距離だけ移動可能となるようにしている。
【0005】本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、エンジンや第1のモータなどに異常が発生し、二次電池の充電量が減少している場合に、移動距離を延ばすことが可能な移動体及びその制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の移動体は、出力軸を有するエンジンと、動力を出力するための駆動軸と、前記出力軸に結合された第1のモータと、前記駆動軸に結合された第2のモータと、前記第1及び第2のモータとの間で電力のやりとりが可能な二次電池と、前記エンジン、前記第1及び第2のモータ、並びに前記二次電池を制御することが可能な制御装置と、を備える移動体であって、前記制御装置は、前記エンジンまたは前記第1のモータに関連した異常を検出した場合、前記エンジン、並びに前記第1及び第2のモータのうち、前記第2のモータのみを動作するよう制御すると共に、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が所定値以下である場合、前記充電量の減少に応じて前記第2のモータの動力性能を低減させるよう、前記第2のモータを制御することを要旨とする。
【0007】また、本発明の制御方法は、出力軸を有するエンジンと、動力を出力するための駆動軸と、前記出力軸に結合された第1のモータと、前記駆動軸に結合された第2のモータと、前記第1及び第2のモータとの間で電力のやりとりが可能な二次電池と、を備える移動体の制御方法であって、(a)前記エンジンまたは前記第1のモータに関連した異常を検出する工程と、(b)前記工程(a)で前記異常を検出した場合、前記エンジン、並びに前記第1及び第2のモータのうち、前記第2のモータのみを動作するよう制御する工程と、(c)前記工程(a)で前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が所定値以下であるか否かを判定する工程と、(d)前記工程(c)で前記充電量が所定値以下であると判定した場合、前記充電量の減少に応じて前記第2のモータの動力性能を低減させるよう、前記第2のモータを制御する工程と、を備えることを要旨とする。
【0008】エンジンまたは第1のモータに関連して異常が生じた場合、エンジンを動力源として移動体を移動させることができない。そこで、本発明の移動体または制御方法では、エンジンまたは第1のモータに関連した異常を検出した場合、第2のモータのみを動作するよう制御している。また、エンジンまたは第1のモータに関連して異常が生じた場合、第1のモータで電力を回生して二次電池に充電させることができない。そこで、本発明の移動体または制御方法では、異常を検出した後に、二次電池の充電量が所定値以下である場合、充電量の減少に応じて第2のモータの動力性能を低減させるよう、第2のモータを制御している。
【0009】従って、本発明の移動体または制御方法によれば、エンジンまたは第1のモータに関連した異常が発生し、二次電池の充電量が減少している場合でも、充電量の減少に応じて第2のモータの動力性能を低減させているので、その分、第2のモータで消費される電力を少なくすることができる。これにより、二次電池の充電量の減少する割合も緩やかになるので、その分、移動体の移動距離を延ばすことできる。
【0010】本発明の移動体において、前記制御装置は、前記第2のモータの動力性能として、前記第2のモータの最大出力、前記第2のモータの最大回転数、及び前記第2のモータの最大トルクのうち、少なくとも1つを低減させるよう、前記第2のモータを制御することが好ましい。
【0011】このように、第2のモータの動力性能として、第2のモータの最大出力、前記第2のモータの最大回転数、及び前記第2のモータの最大トルクのうち、少なくとも1つを低減させるよう、第2のモータを制御することによって、第2のモータで消費される電力を抑えることができる。
【0012】本発明の移動体において、前記制御装置は、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が前記所定値以下になるまでは、前記第2のモータの動力性能を低減しないよう、前記第2のモータを制御することが好ましい。
【0013】このように構成することによって、移動体は、例え、移動中に上記した異常が発生した場合でも、二次電池の充電量が上記所定値を上回る場合には、第2のモータの動力性能は低減されていないので、引き続き運転者の要求通りの移動が可能となり、緊急回避をスムーズに行うことができる。
【0014】本発明の移動体において、前記制御装置は、前記第2のモータの動力性能を所定の程度まで低減した後は、前記充電量の減少に関わらず、前記第2のモータの動力性能をそれ以上低減しないことが好ましい。
【0015】このように構成することにより、第2のモータの動力性能を必要以上に低減することがなくなり、移動体の最低限の移動を保証することが可能となる。
【0016】本発明の移動体において、前記制御装置は、前記異常を検出した後に、前記二次電池の充電量が前記所定値以下である場合であっても、前記第2のモータが回生動作を行う場合には、前記第2のモータの動力性能を低減しないよう、前記第2のモータを制御することが好ましい。
【0017】このように、エンジンまたは第1のモータに関連した異常が発生し、二次電池の充電量が減少している場合でも、第2のモータが回生動作を行う場合には、第2のモータの動力性能を低減しないようにすることにより、第2のモータは通常通りの動力性能で回生動作を行うことができるため、電力を十分に回生することができ、その回生した電力を二次電池に充電して、二次電池の充電量を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.ハイブリッド車両の全体構成B.ハイブリッド車両の基本動作C.制御システムの構成D.異常検出時のモータ走行:D−1.制御装置の構成:D−2.異常検出時のモータ走行制御処理:E.変形例E−1.変形例1:E−2.変形例2:E−3.変形例3:E−4.変形例4:【0019】A.ハイブリッド車両の全体構成:図1は本発明の一実施例としてのシフト制御装置を含むハイブリッド車両の全体構成を示す説明図である。このハイブリッド車両は、エンジン150と、2つのモータ/ジェネレータMG1,MG2と、の3つの原動機を備えている。ここで、「モータ/ジェネレータ」とは、モータとしても機能し、また、ジェネレータとしても機能する原動機を意味している。なお、以下では簡単のため、これらを単に「モータ」と呼ぶ。車両の制御は、制御システム200によって行われる。
【0020】制御システム200は、メインECU210と、ブレーキECU220と、バッテリECU230と、エンジンECU240とを有している。各ECUは、マイクロコンピュータや、入力インタフェース、出力インタフェースなどの複数の回路要素が1つの回路基板上に配置された1ユニットとして構成されたものである。メインECU210は、モータ制御部260とマスタ制御部270とを有している。マスタ制御部270は、3つの原動機150,MG1,MG2の出力の配分などの制御量を決定する機能を有している。
【0021】動力システム300は、エンジン150と、モータMG1,MG2と、駆動回路191,192と、システムメインリレー193と、バッテリ194とを有している。
【0022】エンジン150は、通常のガソリンエンジンであり、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転はエンジンECU240により制御されている。エンジンECU240は、マスタ制御部270からの指令に従って、エンジン150の燃料噴射量その他の制御を実行する。
【0023】モータMG1,MG2は、同期電動機として構成されており、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132,142と、回転磁界を形成する三相コイル131,141が巻回されたステータ133,143とを備える。ステータ133,143はケース119に固定されている。モータMG1,MG2のステータ133,143に巻回された三相コイル131,141は、それぞれ駆動回路191,192を介し、システムメインリレー193を経て、バッテリ194に接続されている。システムメインリレー193は、バッテリ194と駆動回路191,192との接続または切り離しを行うリレースイッチである。システムメインリレー193はマスタ制御部270によって制御される。また、バッテリ194からの電力はシステムメインリレー193を経て補機(図示せず)にも供給されている。
【0024】駆動回路191,192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを1対ずつ備えたトランジスタインバータである。駆動回路191,192はモータ制御部260によって制御される。モータ制御部260からの制御信号によって駆動回路191,192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータMG1,MG2との間に電流が流れる。モータMG1,MG2はバッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この動作状態を力行と呼ぶ)、ロータ132,142が外力により回転している場合には三相コイル131,141の両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下、この動作状態を回生と呼ぶ)。
【0025】エンジン150とモータMG1,MG2の回転軸は、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121と、リングギヤ122と、プラネタリピニオンギヤ123を有するプラネタリキャリア124と、から構成されている。本実施例のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130はクランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129とデファレンシャルギア114とを介して車軸112および車輪116R,116Lに伝達される。
【0026】制御システム200は、車両全体の制御を実現するために種々のセンサを用いており、例えば、運転者によるアクセルの踏み込み量を検出するためのアクセルセンサ165、シフトレバーの位置(シフトポジション)を検出するシフトポジションセンサ167、ブレーキの踏み込み圧力を検出するためのブレーキセンサ163、バッテリ194の充電状態を検出するためのバッテリセンサ196、およびモータMG2の回転数を測定ための回転数センサ144などを利用している。リングギヤ軸126と車軸112はチェーンベルト129によって機械的に結合されているため、リングギヤ軸126と車軸112の回転数の比は一定である。従って、リングギヤ軸126に設けられた回転数センサ144によって、モータMG2の回転数のみでなく、車軸112の回転数も検出することができる。また、センサではないが、イグニッションキー162を回すことにより動力システム300の起動/停止を行うためのイグニッションスイッチ161なども利用している。
【0027】B.ハイブリッド車両の基本的動作:ハイブリッド車両の基本的な動作を説明するために、以下ではまず、プラネタリギヤ120の動作について説明する。プラネタリギヤ120は、上述した3つの回転軸のうちの2つの回転軸の回転数が決定されると残りの回転軸の回転数が決まるという性質を有している。各回転軸の回転数の関係は次式(1)の通りである。
【0028】
Nc=Ns×ρ/(1+ρ)+Nr×1/(1+ρ) …(1)
【0029】ここで、Ncはプラネタリキャリア軸127の回転数、Nsはサンギヤ軸125の回転数、Nrはリングギヤ軸126の回転数である。また、ρは次式で表される通り、サンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比である。
【0030】ρ=[サンギヤ121の歯数]/[リングギヤ122の歯数]
【0031】また、3つの回転軸のトルクは、回転数に関わらず、次式(2),(3)で与えられる一定の関係を有する。
【0032】
Ts=Tc×ρ/(1+ρ) …(2)
Tr=Tc×1/(1+ρ)=Ts/ρ …(3)
【0033】ここで、Tcはプラネタリキャリア軸127のトルク、Tsはサンギヤ軸125のトルク、Trはリングギヤ軸126のトルクである。
【0034】本実施例のハイブリッド車両は、このようなプラネタリギヤ120の機能により、種々の状態で走行することができる。例えば、ハイブリッド車両が走行を始めた比較的低速な状態では、エンジン150を停止したまま、モータMG2を力行することにより車軸112に動力を伝達して走行する。同様にエンジン150をアイドル運転したまま走行することもある。
【0035】走行開始後にハイブリッド車両が所定の速度に達すると、制御システム200はモータMG1を力行して出力されるトルクによってエンジン150をモータリングして始動する。このとき、モータMG1の反力トルクがプラネタリギヤ120を介してリングギヤ122にも出力される。
【0036】エンジン150を運転してプラネタリキャリア軸127を回転させると、上式(1)〜(3)を満足する条件下で、サンギヤ軸125およびリングギヤ軸126が回転する。リングギヤ軸126の回転による動力はそのまま車輪116R,116Lに伝達される。サンギヤ軸125の回転による動力は第1のモータMG1で電力として回生することができる。一方、第2のモータMG2を力行すれば、リングギヤ軸126を介して車輪116R,116Lに動力を出力することができる。
【0037】定常運転時には、エンジン150の出力が、車軸112の要求動力(すなわち車軸112の回転数×トルク)とほぼ等しい値に設定される。このとき、エンジン150の出力の一部はリングギヤ軸126を介して直接車軸112に伝えられ、残りの出力は第1のモータMG1によって電力として回生される。回生された電力は、第2のモータMG2がリングギヤ軸126を回転させるトルクを発生するために使用される。この結果、車軸112を所望の回転数で所望のトルクで駆動することが可能である。
【0038】車軸112に伝達されるトルクが不足する場合には、第2のモータMG2によってトルクをアシストする。このアシストのための電力には、第1のモータMG1で回生した電力およびバッテリ149に蓄えられた電力が用いられる。このように、制御システム200は、車軸112から出力すべき要求動力に応じて2つのモータMG1,MG2の運転を制御する。
【0039】本実施例のハイブリッド車両は、エンジン150を運転したまま後進することも可能である。エンジン150を運転すると、プラネタリキャリア軸127は前進時と同方向に回転する。このとき、第1のモータMG1を制御してプラネタリキャリア軸127の回転数よりも高い回転数でサンギヤ軸125を回転させると、上式(1)から明らかな通り、リングギヤ軸126は後進方向に反転する。制御システム200は、第2のモータMG2を後進方向に回転させつつ、その出力トルクを制御して、ハイブリッド車両を後進させることができる。
【0040】プラネタリギヤ120は、リングギヤ122が停止した状態で、プラネタリキャリア124およびサンギヤ121を回転させることが可能である。従って、車両が停止した状態でもエンジン150を運転することができる。例えば、バッテリ194の充電量が少なくなれば、エンジン150を運転し、第1のモータMG1を回生運転することにより、バッテリ194を充電することができる。車両が停止しているときに第1のモータMG1を力行すれば、そのトルクによってエンジン150をモータリングし、始動することができる。
【0041】C.制御システムの構成:図2は、実施例における制御システム200のより詳細な構成を示すブロック図である。マスタ制御部270は、マスタ制御CPU272と、電源制御回路274とを含んでいる。また、モータ制御部260は、モータ主制御CPU262と、2つのモータMG1,MG2をそれぞれ制御するための2つのモータ制御CPU264,266とを有している。各CPUは、それぞれ図示しないCPUとROMとRAMと入力ポートと出力ポートを備えており、これらとともに1チップマイクロコンピュータを構成している。
【0042】マスタ制御CPU272は、動力システム300の起動を制御したり、3つの原動機150,MG1,MG2の回転数やトルクの配分等の制御量を決定し、他のCPUやECUに各種の要求値を供給して、各原動機の駆動を制御したりする機能を有している。この制御のために、マスタ制御CPU272には、イグニッションスイッチ信号IGや、アクセル開度を示すアクセルポジション信号APや、シフトポジションを示すシフトポジション信号SP1,SP2等が供給されると共に、システムメインリレー193等に対しては起動信号STを出力する。なお、シフトポジションセンサ167やアクセルセンサ165などは、必要に応じて2重化されている。
【0043】電源制御回路274は、バッテリ194の高圧直流電圧をメインECU210内の各回路用の低圧直流電圧に変換するためのDCDCコンバータである。この電源制御回路274は、マスタ制御CPU272の異常を監視する監視回路としての機能も有している。
【0044】エンジンECU240は、マスタ制御CPU272から与えられたエンジン出力要求値PEreq に応じてエンジン150を制御する。エンジンECU240からは、エンジン150の回転数REVenがマスタ制御CPU272にフィードバックされる。
【0045】モータ主制御CPU262は、マスタ制御CPU272から与えられたモータMG1,MG2に関するトルク要求値T1req,T2reqに応じて、2つのモータ制御CPU264,266にそれぞれ電流要求値I1req,I2reqを供給する。モータ制御CPU264,266は、電流要求値I1req,I2reqに従って駆動回路191,192をそれぞれ制御して、モータMG1,MG2を駆動する。モータMG1,MG2の回転数センサからは、モータMG1,MG2の回転数REV1,REV2がモータ主制御CPU262にフィードバックされている。なお、モータ主制御CPU262からマスタ制御CPU272には、モータMG1,MG2の回転数REV1,REV2や、バッテリ194から駆動回路191,192への電流値IBなどがフィードバックされている。
【0046】バッテリECU230は、バッテリ194の充電量SOCを監視して、マスタ制御CPU272に供給する。マスタ制御CPU272は、この充電量SOCを考慮して各原動機の出力を決定する。すなわち、充電が必要な場合には、走行に必要な出力よりも大きい動力をエンジン150に出力させて、その一部を第1のモータMG1による充電動作に配分する。
【0047】ブレーキECU220は、図示しない油圧ブレーキと、第2のモータMG2による回生ブレーキとのバランスを取る制御を行う。この理由は、このハイブリッド車両では、ブレーキ時に第2のモータMG2による回生動作が行われてバッテリ194が充電されるからである。具体的には、ブレーキECU220は、ブレーキセンサ163からのブレーキ圧力BPに基づいて、マスタ制御CPU272に回生要求値REGreq を入力する。マスタ制御CPU272は、この要求値REGreq に基づいてモータMG1,MG2の動作を決定して、ブレーキECU220に回生実行値REGpracをフィードバックする。ブレーキECU220は、この回生実行値REGpracと回生要求値REGreq の差分と、ブレーキ圧力BPとに基づいて、油圧ブレーキによるブレーキ量を適切な値に制御する。
【0048】以上のように、マスタ制御CPU272は、各原動機150,MG1,MG2の出力を決定して、それぞれの制御を担当するECU240やCPU264,266に要求値を供給する。ECU240やCPU264,266は、この要求値応じて各原動機を制御する。この結果、ハイブリッド車両は、走行状態に応じて適切な動力を車軸112から出力して走行することができる。また、ブレーキ時には、ブレーキECU220とマスタ制御CPU272とが協調して、各原動機や油圧ブレーキの動作を制御する。この結果、電力を回生しつつ、運転者に違和感をあまり感じさせないブレーキングを実現することができる。
【0049】4つのCPU272,262,264,266は、いわゆるウォッチドッグパルスWDPを用いて互いの異常を監視し、CPUに異常が発生してウォッチドッグパルスが停止した場合には、そのCPUにリセット信号RESを供給してリセットさせる機能を有している。なお、マスタ制御CPU272の異常は、電源制御回路274によっても監視されている。
【0050】異常履歴登録回路280には、アクセルセンサ165やシフトポジションセンサ167の異常発生の履歴が登録される。また、異常履歴登録回路280の入力ポートには、マスタ制御CPU272とモータ主制御CPU262との間で送受信されるリセット信号RES1,RES2が入力されている。異常履歴登録回路280は、これらのリセット信号RES1,RES2が発生すると、これを内部のメモリに格納する。
【0051】なお、マスタ制御CPU272と異常履歴登録回路280とは、双方向通信配線214を介して互いに各種の要求や通知を行うことができる。また、マスタ制御CPU272とモータ主制御CPU262の間にも双方向通信配線212が設けられている。
【0052】D.異常検出時のモータ走行:D−1.制御装置の構成:図3は異常検出時におけるモータ走行を制御するための制御装置の構成を示すブロック図である。マスタ制御CPU272は、異常検出判定部272aとしての機能と、充電量判定部272bとしての機能と、モータ動力性能低減部272cとしての機能と、を有している。異常検出判定部272aは、エンジンECU240またはモータ主制御CPU262から出力された信号に基づいて、エンジン150またはモータMG1に関連して異常検出がされたか否かを判定する。充電量判定部272bは、バッテリECU230から出力された信号に基づいて、バッテリ194の充電量SOCが所定値以下になったか否かを判定する。モータ動力性能低減部272cは、異常が検出され、充電量SOCが所定値以下となった場合に、第2のモータの動力性能を低減するよう、モータ主制御CPU262にモータ制御の指示を出す。
【0053】D−2.異常検出時のモータ走行制御処理:図4は図3に示す制御装置による異常検出時のモータ走行制御処理の処理手順を示すフローチャートである。図4に示す処理が開始されると、マスタ制御CPU272の異常検出判定部272aは、エンジンECU240から出力される信号とモータ主制御CPU262から出力される信号を入力し、これらの信号を基にして、エンジン150自体やそれに関連する部分(例えば、エンジンECU240)について異常検出がされたか否か、または、モータMG1自体やそれに関連する部分(例えば、駆動回路191や第1モータ制御CPU264など)について異常検出がされたか否かを判定する(ステップS102)。そして、何れについても異常検出がされていないと判定したときは、マスタ制御CPU272は、通常の処理によって、エンジン出力要求値PEreqやモータMG1,MG2に関するトルク要求値T1req,T2reqを算出し、エンジンECU240やモータ主制御CPU262に与える。一方、何れかについて異常検出がされたと判定した場合は、マスタ制御CPU272は、後述するような異常検出時の処理を行う。
【0054】エンジン150やモータMG1などに異常が発生した場合、ハイブリッド車両では、次のような不具合が生じる。即ち、エンジン150またはそれに関連する部分に異常が発生すると、エンジン150がストールするため、ハイブリッド車両では、エンジン150を動力源とした走行は不可能となってしまう。
【0055】また、ハイブリッド車両では、エンジン150は間欠運転されるため、走行中であっても、エンジン150が停止する場合があるが、そのようなエンジン停止中に、モータMG1またはそれに関連する部分に異常が発生した場合も、エンジン150を動力源とした走行はできなくなってしまう。
【0056】なぜなら、ハイブリッド車両では、モータMG1等に異常が生じても、エンジンが動作していれば、逆起発電によるバッテリレス走行が可能であるが、エンジン停止中にモータMG1等に異常が発生すると、もはや、モータMG1によるモータリングによってエンジン150を始動することができなくなるため、エンジン150を用いた逆起発電によるバッテリレス走行も不可能となるからである。
【0057】また、エンジン150やモータMG1などに異常が発生すると、ハイブリッド車両では、モータMG1で電力を回生することも不可能となるため、バッテリ194に電力を充電することもできなくなってしまう。
【0058】そこで、このような不具合に対処するために、ステップS102において、異常検出がされたと判定した場合、マスタ制御CPU272は、まず、充電量判定部272bが、バッテリECU230から出力された信号に基づいて、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下になったか否かを判定する(ステップS106)。バッテリ194の充電量SOCが所定値Sreを上回っていれば、バッテリ194に十分な余裕があるため、何ら制限を設けることなく、そのバッテリ194に蓄えられた電力を用いてモータMG2を駆動し、モータMG2によるモータ走行を行うようにする。
【0059】具体的には、モータ動力性能低減部272cは、アクセルセンサ165から出力されたアクセルポジション信号APを基にして、運転者によって要求された要求出力Ptagを算出し、さらに、モータ主制御CPU262から出力されたモータMG2の回転数REV2の値と、算出した要求出力Ptagとから、要求トルクTtagを算出する(ステップS108)。モータMG2の回転数REV2は、車軸112の回転数、延いては車速と比例しているため、要求出力Ptagと現在の回転数REV2の商として、運転者によって要求された要求トルクTtagを算出することができる。
【0060】次に、モータ動力性能低減部272cは、エンジンECU240に対し、エンジン出力要求値として、PEreq=0を出力すると共に、モータ主制御CPU262に対し、モータMG1に関するトルク指令値として、T1req=0を出力し、モータMG2に関するトルク指令値として、T2req=Ttagを出力する。
【0061】これにより、エンジン150及びモータMG1は共に停止状態となり、モータMG2のみがトルクTtagを出力するよう制御される。この結果、ハイブリッド車両は、モータMG2のみによってモータ走行されることになり、しかも、運転者の要求通りの出力を出すことができる。
【0062】一方、ステップS106において、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下であった場合は、バッテリ194にそれほど余裕がないため、後述するような制限を設けて、モータMG2で消費される電力を抑えた上で、モータMG2によるモータ走行を行うようにする。
【0063】具体的には、モータ動力性能低減部272cが、充電量判定部272bから得たバッテリ194の充電量SOCを基にして、予め用意されたマップから、モータMG2の最大回転数Rmaxを求める(ステップS112)。
【0064】図5に、そのようなバッテリ194の充電量SOCとモータMG2の最大回転数Rmaxとの関係を表すマップの一例を示す。図5において、横軸はバッテリ194の充電量SOCであり、縦軸はモータMG2の最大回転数Rmaxである。図5に示すように、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sreを上回っている場合は、モータMG2の回転数REV2は何ら制限されていないが、所定値Sre以下の場合は、最大回転数Rmaxが設定され、モータMG2の回転数REV2は、後述するように、その最大回転数Rmax以下に制限される。しかも、その最大回転数Rmaxは、バッテリ194の充電量SOCが減少するのに比例して下がっていくように設定されている。そして、最終的に、その最大回転数Rmaxが所定値Rreminになると、充電量SOCが減少しても、もはやそれ以上下がることはない。
【0065】こうして、図5に示すようなマップから、モータMG2の最大回転数Rmaxを求めると、次に、モータ動力性能低減部272cは、モータ主制御CPU262から出力されたモータMG2の回転数REV2の値が、その求めた最大回転数Rmaxを上回っているか否かを判定する(ステップS114)。判定の結果、モータMG2の回転数REV2の値が最大回転数Rmax以下である場合には、制限内であるので、運転者の要求通りの出力を出しても問題はない。従って、モータ動力性能低減部272cは、前述したステップS108,S110の処理を行って、運転者の要求に従った出力でモータ走行を行う。
【0066】しかし、判定の結果、モータMG2の回転数REV2の値が最大回転数Rmaxを上回っている場合には、制限内になるよう、モータMG2の制御を行う。具体的には、モータ動力性能低減部272cは、まず、モータMG2の回転数REV2の値が最大回転数Rmaxと等しくなるような、モータMG2の目標トルクT2tagを算出する(ステップS116)。例えば、比例積分制御(PI制御)において用いられる比例積分によって、モータMG2の目標トルクT2tagを算出する。即ち、回転数REV2の値と最大回転数Rmaxとの偏差に所定の比例定数をかけて得られる比例項と、上記偏差の時間積分値に所定の比例定数をかけて得られる積分項と、の和から、モータMG2の目標トルクT2tagを求めるのである。
【0067】次に、モータ動力性能低減部272cは、エンジンECU240に対し、エンジン出力要求値として、PEreq=0を出力すると共に、モータ主制御CPU262に対し、モータMG1に関するトルク指令値として、T1req=0を出力し、モータMG2に関するトルク指令値としては、T2req=T2tagを出力する。
【0068】これにより、エンジン150及びモータMG1は共に停止状態となり、モータMG2のみが目標トルクであるトルクT2tagを出力するよう制御される。この結果、ハイブリッド車両は、モータMG2のみによってモータ走行され、しかも、最大回転数Rmaxを上回っていたモータMG2の回転数REV2の値が、その最大回転数Rmaxに近づくよう制御されるので、運転者がそれ以上の出力を要求していたとしても、最終的に、モータMG2の回転数REV2の値は、最大回転数Rmax以下に制限される。
【0069】このようにして、モータ動力性能低減部272cがエンジンECU240やモータ主制御CPU262に要求値や指令値を出力すると、処理は再びステップS106に戻り、上述したと同様の処理が繰り返される。
【0070】以上説明したように、本実施例によれば、ハイブリッド車両の走行中に、エンジン150やモータMG1などについて異常が発生した場合でも、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sreを上回っていて、バッテリ194に十分余裕がある場合には、モータMG2の回転数REV2は何ら制限をされないので、モータMG2のみによって運転者の要求に従った走行を行うことができる。そのため、異常が発生した後も、緊急避難をスムーズに行うことができる。
【0071】また、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下であって、バッテリ194に余裕がない場合には、モータMG2の回転数REV2は最大回転数Rmax以下に制限され、しかも、その最高回転数Rmaxは充電量SOCが減少するのに伴って低くなっていくので、充電量SOCが減少すればするほど、モータMG2の回転数REV2も抑えられ、モータMG2で消費される電力を少なくすることができる。この結果、時間に対して充電量SOCが減少する割合も緩やかになるので、その分、ハイブリッド車両の走行距離を伸ばすことが可能となる。
【0072】また、設定したモータMG2の最大回転数Rmaxが低下して所定値Rreminになると、充電量SOCが減少しても、もはやそれ以上低下することはないため、ハイブリッド車両の最低限の走行を保証することができる。
【0073】さて、以上説明したように、エンジン150やモータMG1などについて異常が発生し、しかも、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下であって、バッテリ194に余裕がない場合において、バッテリ194に蓄えられた電力を用いてモータMG2を駆動する場合には、モータMG2に対し上記したような制限を設けて、モータMG2で消費される電力を抑えるようにしていた。しかしながら、そのように、異常が発生しバッテリ194に余裕がない場合であっても、モータMG2で電力を消費するのではなく、逆に、モータMG2で電力を回生するような場合には、その電力をバッテリ194に充電して、バッテリ194の充電量SOCを高めることができるので、モータMG2に対し上記したような制限を設ける必要はない。
【0074】そこで、本実施例においては、マスタ制御CPU272が、ステップS102において異常検出がされたと判定し、しかも、ステップS106においてバッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下であると判定した場合であっても、ブレーキ時など、モータMG2が回生動作を行う場合には、モータMG2の回転数REV2に何ら制限を加えないようにしている。その結果、モータMG2は、通常通りの動力性能で、回生動作を行うことができるため、電力を十分に回生することができ、バッテリ194に充電することができる。
【0075】E.変形例:なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0076】E−1.変形例1:上記した実施例では、図5に示したように、モータMG2の回転数REV2を制限する最大回転数Rmaxは、バッテリ194の充電量SOCが減少するのに比例して下がっているが、比例する必要は必ずしもなく、少なくとも、充電量SOCの減少に応じて、最大回転数Rmaxが下がる傾向にあれば、どのように変化しても構わない。
【0077】E−2.変形例2:上記した実施例では、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下となった場合、最大回転数Rmaxを設定し、モータMG2の回転数REV2がその最大回転数Rmax以下となるようにモータMG2を制御することにより、制限をかけているが、これに代えて、最高速度を設定し、ハイブリッド車両の速度がその最高速度以下となるようにモータMG2を制御するようにしても良い。この場合、上記した最高速度は、最大回転数Rmaxの場合と同様に、バッテリ194の充電量SOCが減少するのに伴って下がるように設定される。
【0078】E−3.変形例3:上記した実施例では、バッテリ194の充電量SOCが所定値Sre以下となった場合、モータMG2の回転数REV2に対して制限をかけるようにしているが、本発明は、これに限定されるものではなく、モータMG2のトルクに対して制限をかけるようにしても良し、モータMG2の出力に対して制限をかけるようにしても良い。
【0079】例えば、モータMG2のトルクに対して制限をかける場合は、最大トルクを設定し、モータMG2のトルクがその最大トルク以下となるようにモータMG2を制御すると共に、その最大トルクを充電量SOCの減少に応じて下がるよう設定すれば良い。
【0080】また、モータMG2の出力に対して制限をかける場合も、同様に、最大出力を設定し、モータMG2の出力がその最大出力以下となるようにモータMG2を制御すると共に、その最大出力を充電量SOCの減少に応じて下がるように設定すれば良い。
【0081】また、その他の方法として、制限率x%(但し、x<100)を設定し、運転者によって要求された要求出力Ptagや要求トルクTtagに対して、モータMG2からは、その要求出力Ptagや要求トルクTtagのx%の出力やトルクしか出力しないように、モータMG2を制御し、その制限率xの値を充電量SOCの減少に応じて下がるように設定するようにしても良い。
【0082】E−4.変形例4:上記した実施例では、動力調整装置としてモータMG1とプラネタリアギアを用いて、エンジンの動力を車軸と第1のモータMG1とに分配するいわゆる機械分配式のハイブリッド車両について説明したが、本発明は、動力調整装置として、プラネタリアギアを用いずに、対ロータ構成であるモータMG1のみを用いて、電気的にエンジンの動力を分配するいわゆる電気分配式のハイブリッド車両にも適用可能である。この場合のモータMG1は、通常のロータであるインナロータの他に、ケースに固定されたステータではなく、回転可能なアウタロータを有しており、対ロータ構成となっている。なお、このような電気分配式のハイブリッド車両については、例えば本出願人により開示された特開平9−46965号公報に開示されているので、ここではその説明は省略する。
【0083】また、そのほか、エンジンの出力軸に結合するエンジン始動発電機を第1のモータとし、エンジンの出力軸及び駆動軸に直接またはプラネタリギヤを介して結合する駆動/回生用モータを第2のモータとするハイブリッド車両などにも、本発明を適用することができる。
【0084】また、上記した実施例では、エンジンの発生した動力から、第1のモータの発電に要する動力を機械的または電気的に分配し、残りの動力を駆動軸に出力する、いわゆるパラレルタイプのハイブリッド車両について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、エンジンの発生した動力を第1のモータで発電し、その発電した電力で第2のモータを駆動して駆動軸に動力を出力する、いわゆるシリーズタイプのハイブリッド車両にも適用可能である。
【0085】また、本発明は、車両の他、飛行機、船舶などの種々の移動体に適用可能である。すなわち、本発明は、エンジン、第1のモータを有する動力調整装置、及び第2のモータを備えた移動体に適用可能である。さらに、本発明は、移動体以外の制御にも適用することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年5月10日(2000.5.10)
【代理人】 【識別番号】100096817
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−320806(P2001−320806A)
【公開日】 平成13年11月16日(2001.11.16)
【出願番号】 特願2000−136948(P2000−136948)