| 【発明の名称】 |
ハイブリッド方式による走行型農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】残間 茂雄
【氏名】喜多 毅
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| 【要約】 |
【課題】圃場内において走行しながら各種の農作業を行う走行型農作業機において、これに内燃機関と電動機とを搭載して、前記内燃機関における燃料消費量の低減と、排気ガスのクリーン化とを図る。
【解決手段】圃場内での農作業のとき、前記内燃機関のみを運転してその負荷を検出し、この検出した負荷が内燃機関における最大出力より小さいとき前記発電機で発電して蓄電池に充電し、圃場内外における非農作業状態での移動走行のとき、前記蓄電池に蓄えた電力で電動機を駆動して移動走行する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】各種の農作業を行う作業機構を備えた走行車体に、その走行部に対する走行変速機構と、この走行変速機構に動力を供給すると共に前記作業機構を駆動する内燃機関と、前記走行変速機構に動力を供給する電動機と、前記内燃機関にて駆動される発電機と、この発電機及び前記電動機に繋がる蓄電池とを搭載し、更に、圃場内での農作業のとき、前記内燃機関のみを運転してその負荷を検出し、この検出した負荷が内燃機関における最大出力より小さいとき前記発電機で発電を開始し前記蓄電池に充電し、圃場内外における非農作業状態での移動走行のとき、前記内燃機関から前記走行変速機構及び前記発電機への動力伝達を遮断して前記変速走行機構に前記電動機から動力伝達するという制御を行うコントローラを備えていることを特徴とするハイブリッド方式による走行型農作業機。 【請求項2】前記請求項1の記載において、前記電動機と発電機とを、これを一つに連結した電動発電機にしたことを特徴とするハイブリッド方式による走行型農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場内において走行しながら耕耘又は田植え等の各種の農作業を行うようにした走行型農作業機のうち、その動力源として内燃機関と電動モータとの二つを備え、これらを適宜選択するようにしたハイブリッド方式の走行型農作業機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】最近、乗用自動車においては、その走行のための動力源として、内燃機関と電動モータとの二つを搭載し、比較的高速走行等のような高負荷域では、内燃機関にて走行駆動すると同時に、内燃機関にて発電機を駆動して蓄電池に充電し、低速走行域等のような低負荷域では、内燃機関を停止する一方、前記蓄電池に充電した電力を電源とする電動機にて走行駆動するというように構成したハイブリッド方式が採用されているが、従来、前記した走行型農作業機においては、これに一台の内燃機関のみを搭載し、全ての動力、つまり、走行と作業との両方の動力をこの一台の内燃機関によってまかなうようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、全ての動力を一台の内燃機関によってまかなうように構成されている従来の走行型農作業機において、これに搭載する内燃機関としては、走行しながら各種の農作業を行うときにおける最大負荷に合わせて、これよりも大きい出力、つまり、最高出力を有するものを使用する必要がある。 【0004】しかし、一般的に言って内燃機関における燃焼効率は、出力の増大に比例して向上するにもかかわらず、農作業機において、その内燃機関を前記最高出力の付近で運転されるのは、走行しながら各種の農作業を最大負荷で行う場合に限られ、これ以外、例えば、農作業を停止した状態で道路又は圃場等を走行するとき、及び、圃場における畦際で農作業を停止した状態で方向旋回するときには、内燃機関はその出力を十分に落とした低出力で運転されることにより、この低出力の状態で運転される時間は、高出力の状態で運転される時間よりもはるかに長く、換言すると、殆ど、低出力の状態、つまり、燃焼効率が低い状態で運転されるものであるから、単位時間当たりの燃料消費量が多いばかりか、排気ガスの悪化よる大気汚染も大きいという問題があった。 【0005】本発明は、この問題をハイブリッド方式によって解消することを技術的課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成するため本発明のハイブリッド方式による走行型農作業機は、「各種の農作業を行う作業機構を備えた走行車体に、その走行部に対する走行変速機構と、この走行変速機構に動力を供給すると共に前記作業機構を駆動する内燃機関と、前記走行変速機構に動力を供給する電動機と、前記内燃機関にて駆動される発電機と、この発電機及び前記電動機に繋がる蓄電池とを搭載し、更に、圃場内での農作業のとき、前記内燃機関のみを運転してその負荷を検出し、この検出した負荷が内燃機関における最大出力より小さいとき前記発電機で発電を開始し前記蓄電池に充電し、圃場内外における非農作業状態での移動走行のとき、前記内燃機関から前記走行変速機構及び前記発電機への動力伝達を遮断して前記変速走行機構に前記電動機から動力伝達するという制御を行うコントローラを備えていることを特徴とする。」ものである。 【0007】 【発明の作用・効果】一般に、走行型農作業機による農作業に際しては、走行型農作業機を、これに設けた作業機構を駆動した状態で一方の畦から他方の畦に向かって移動走行することで一列の農作業を行い、前記走行型農作業機が他方の畦に近づくと、その作業機構の駆動を停止した状態で180度方向旋回し、この方向旋回が完了すると、再び前記作業機構を駆動した状態で一方の畦に向かって移動走行することで次の一列の農作業を行うことを繰り返すものであるから、内燃機関における負荷は、畦際において方向旋回するときにおいて、その旋回が終わるまでの間作業機構の駆動を停止することで特に低くなり、また、各列ごとの農作業に際しても、高い負荷が要求される場合と、低い負荷ですむ場合とが存在する。 【0008】そこで、前記したように、圃場内での農作業を行う場合に、前記内燃機関における負荷を検出し、この検出した負荷が内燃機関における最大出力より小さいとき内燃機関にて前記発電機を駆動して前記蓄電池に充電し、圃場内外における非農作業状態での移動走行のとき、前記内燃機関から前記走行変速機構及び前記発電機への動力伝達を遮断して前記変速走行機構に前記電動機から動力伝達するという制御をコントローラにて行うことにより、農作業中のうち内燃機関の出力に余裕があるときにおいて、この余裕の出力によって発電機を駆動して電力を蓄えることができる一方、圃場内外における非農作業状態での移動走行を、前記蓄えた電力にて、電動機を駆動することによって行うことができる。 【0009】つまり、本発明においては、農作業中にその内燃機関の出力に余裕のある状態が存在することを利用して電力を発電して蓄え、この蓄えた電力にて圃場外での移動走行を行うものであることにより、農作業中においては、その内燃機関の出力のうち当該出力に余裕がある状態での出力を、このときにおいて電力を発電する分だけ高くして、そのときにおける燃焼効率を向上することができ、換言すると、内燃機関における燃焼効率を、農作業の全般において向上することができる一方、圃場内外における非農作業状態での移動走行に際しては、前記内燃機関を無負荷のアイドリング運転にすることができるか、或いは、内燃機関の運転を停止することができるから、内燃機関による走行型農作業機における単位時間当たりの燃料消費量を大幅に低減できると共に、その内燃機関における排気ガスのクリーン化を確実に達成できる効果を有する。 【0010】特に、請求項2に記載したように、電動機と発電機とを、これを一つに連結した電動発電機にすることにより、電動機及び発電機を別々に搭載する場合よりも、小型・軽量化できる利点がある。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。 【0012】図において、符号1は、例えば、トラクターと同様に、車体フレーム2を左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持した走行車体を示し、この走行車体1の後部には、各種の農作業を行うための作業機の一つ実施形態としてのロータリー式の耕耘機5が連結されている。 【0013】前記走行車体1には、その一つの動力源としての内燃機関6と、この内燃機関6における動力を適宜変速して前記両前車輪3及び両後車輪4に伝達するようにした走行変速機構7とが搭載されていることに加えて、電動機及び発電機を一つに連結して成る電動発電機8と、この電動発電機8に対する充電器9付き蓄電池10とが搭載されている。 【0014】そして、内燃機関6における出力を、その出力軸6aから前記走行変速機構7における入力軸7aにベルト等の動力伝達機構11を介して動力伝達すると共に、その出力軸6aから前記ロータリー式耕耘機5に動力伝達機構12を介して動力伝達する。また、前記電動発電機8における駆動軸8aと、前記走行変速機構7における入力軸7aとの相互間を動力伝達機構13を介して、互いに動力伝達するように、換言すると、内燃機関6から動力伝達される入力軸7aの回転を駆動軸8aに、電動発電機8のうち電動機にて駆動される駆動軸8aの回転を入力軸7aに各々伝えるように連結する。 【0015】この場合、前記内燃機関6の出力軸6aから走行変速機構7の入力軸7aへの動力伝達機構11には、内燃機関6における回転を入力軸7a側に伝えるが入力軸7aの回転を内燃機関6側には伝えないようにしたワンウェイクラッチ機構14が設けられ、また、前記ロータリー式耕耘機5への動力伝達機構12には、ロータリー式耕耘機5への動力伝達をON・OFF操作するためのクラッチ機構15が設けられている。 【0016】符号16は、前記走行車体1に搭載されたコントローラを示す。このコントローラ16は、前記内燃機関6における吸気管負圧センサー又は燃料噴射量センサー等の負荷センサー6bからの信号を入力として、前記電動発電機8及び前記充電器9を、内燃機関6における負荷に応じて以下に述べるように制御する。 【0017】すなわち、圃場内において、内燃機関6のみを運転して前進走行しながらロータリー式耕耘機5にて耕耘作業を行う場合には、その耕耘作業中において前記内燃機関6における負荷が、当該内燃機関6における最大出力に近い状態になっているときは、前記内燃機関6にて回転駆動されている電動発電機8のうち発電機による発電を停止しているが、内燃機関6の負荷が前記よりも小さい状態にまで低くなると、蓄電池10の蓄電が一杯になっていない場合を除いて、前記電動発電機8のうち発電機による発電を開始し、ここに発電された電力を、充電器9を介して蓄電池10に蓄え、蓄電池10の蓄電が一杯になると、前記電動発電機8のうち発電機による発電を停止するという制御を行う。 【0018】また、圃場内外において、非耕耘作業状態で前進又は後進の移動走行を行う場合には、前記内燃機関6の運転を停止するか、内燃機関6の無負荷のアイドリング運転にする一方、前記電動発電機8のうち電動機を、前記蓄電池10に蓄えた電力によって駆動するように制御する。 【0019】ところで、前記走行車体1に装着したロータリー式耕耘機5によって、圃場における耕耘作業を行うに際しては、前記ロータリー式耕耘機5を駆動した状態で一方の畦から他方の畦に向かって前進走行することにより耕耘作業を一列だけ行い、他方の畦に近づくと、前記ロータリー式耕耘機5の駆動を停止した180度方向旋回し、この方向旋回が完了すると、再び前記ロータリー式耕耘機5を駆動しながら、他方の畦から一方の畦に向かって前進走行することにより次の一列の耕耘作業を行うことを繰り返すものであるから、この場合における内燃機関6の負荷は、作業の進行、つまり、時間の経過につれて、図2に示すように変化する。 【0020】すなわち、内燃機関6における負荷は、畦際において方向旋回するときにおいて、その旋回が終わるまでの間だけロータリー式耕耘機5の駆動を停止することで、P3になるというように、内燃機関6における最大出力Pよりも特に低くなり、また、各列ごとの耕耘作業に際しても、高い負荷、つまり、内燃機関6における最大出力Pに近い負荷P1が要求される場合と、低い負荷、つまり、内燃機関6における最大出力Pよりも可成り低い負荷P2ですむ場合とが存在する。 【0021】そこで、前記したように、前記内燃機関6における負荷が、当該内燃機関6における最大出力Pに近いP1になっているときに、前記内燃機関6にて回転駆動されている電動発電機8のうち発電機による発電を停止することにする一方、内燃機関6の負荷が前記よりも小さくて内燃機関6における最大出力Pに対してある程度の余裕を有するP2にまで低くなったとき、及び、方向旋回時に内燃機関6における最大出力Pに対して十分な余裕があるP3にまでに低くなったとき、蓄電池10の蓄電が一杯になっていない場合を除いて、前記電動発電機8のうち発電機による発電を開始し、ここに発電された電力を、充電器9を介して蓄電池10に蓄え、蓄電池10の蓄電が一杯になると、前記電動発電機8のうち発電機による発電を停止するという制御が前記コントローラ16にて行なわれることにより、前記圃場内での耕耘作業中のうち内燃機関6の出力に余裕があるときにおいて、この余裕の出力によって前記電動発電機8のうち発電機を駆動して電力を蓄電池10に蓄えることができる。 【0022】一方、圃場内外において、非耕耘作業状態で前進又は後進の移動走行を行う場合には、前記内燃機関6の運転を停止するか、内燃機関6の無負荷のアイドリング運転にする一方、前記電動発電機8のうち電動機を、前記蓄電池10に蓄えた電力によって駆動するという制御を前記コントローラ16にて行うことにより、前記電動発電機8のうち電動機における動力は、内燃機関6に伝達することなく、走行変速機構7にのみ伝達されるから、非耕耘作業状態での前進又は後進の移動走行を、前記電動発電機8のうち電動機にて行うことができるのである。 【0023】なお、前記実施の形態は、走行車体1にロータリー式耕耘機5を装着した走行型農作業機に適用した場合であったが、本発明は、これに限らず、走行車体に苗植装置を装着した乗用型田植機とか、走行車体に刈取部と脱穀部とを備えた自走自脱式のコンバイン等のような走行型農作業機にも適用できることはいうまでもない。 【0024】また、前記実施の形態のように、内燃機関6から走行変速機構7及び電動発電機8への動力伝達をワンウェイクラッチ機構14にて遮断することに代えて、これを他の手段によって行うように構成しても良いことは勿論である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月2日(2000.5.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−320805(P2001−320805A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月16日(2001.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−133236(P2000−133236) |
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