| 【発明の名称】 |
電気自動車用発電装置の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】木庭 壽
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| 【要約】 |
【課題】モータの駆動電力の変動に対する発電装置の出力の応答遅れを低減する。
【解決手段】発電装置Genの発電出力を制御手段Cにより目標制御するのに先立ち、経路予測手段Rによって車両の走行経路を予測し、その結果に基づき発電出力の制御目標たる発電目標を目標設定手段Tgtにより設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両走行用のモータに対し発電装置及びバッテリから駆動電力を供給可能でかつバッテリに対し発電装置から充電電力を供給可能な車両に搭載される制御装置において、上記発電装置の出力を発電目標に従い制御する手段と、VICS等の通信システムから交通情報を入力する手段と、交通情報に基づき車両の走行経路を予測する手段と、予測した走行経路に基づき上記発電目標を設定する手段と、を備えることを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載される発電装置の出力を制御する装置、すなわち電気自動車用発電装置の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平6−245320号公報には、シリーズハイブリッド車(SHV)に搭載されるエンジン駆動発電機の制御装置が示されている。この公報に記載された装置においては、エンジン駆動発電機やバッテリからモータに供給される電力が検出され、その時間平均が演算される。エンジン駆動発電機の発電出力は、得られた時間平均に基づき設定される発電目標に従い制御される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成においては、ある制御周期において検出された電力の時間平均がその後の制御周期における発電目標の決定に使用されているため、モータの消費電力の変動に対する実際の発電出力の応答遅れ、ひいては両者の差を避けることができない。生じる差のうち、モータの消費電力に対する発電出力の不足分はバッテリの放電により補われ、逆にモータの消費電力に対する発電出力の余剰分はバッテリに充電される。一方で、バッテリの充放電の際には充放電損失が発生する。従って、上述の応答遅れにより、車両の電力効率の低下が生じる。また、上述の充放電が頻繁に生じるとバッテリの寿命確保が阻害される。加えて、上述の応答遅れは、ドライブフィーリング改善に支障になる。 【0004】本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、発電目標の設定手段の改良により、車両走行用のモータの消費電力の変動に対する発電出力の応答遅れを低減し、ひいてはバッテリの充放電の頻度を抑制して車両の電力効率の改善等を実現することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、図1に示される構成を備える。すなわち、車両走行用のモータMに対し発電装置Gen及びバッテリBから駆動電力を供給可能でかつバッテリBに対し発電装置Genから充電電力を供給可能な車両に搭載される制御装置において、発電装置Genの発電出力を発電目標に従い制御する手段Cと、この制御に先立ち車両の走行経路を予測させる手段Rと、予測した走行経路に基づき発電目標を設定する手段Tgtと、を備えることを特徴とする。このように、車両の走行経路を予測しその結果に基づき発電目標を設定することにより、本発明においては、モータの駆動電力(消費電力)と発電目標、ひいては発電装置Genの実際の発電出力との間に差が生じにくくなり、その結果バッテリの充放電の頻度が抑制される。これは、車両の電力効率の向上等につながる。また、VICS等の通信システムから入力した交通情報に基づき走行経路を予測することにより、渋滞路等を予測の基礎から除くこともでき、予測精度を向上させ発電出力とモータ出力との差を抑えること等ができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき説明する。 【0007】図2には、本発明の一実施形態に係るSHVのシステム構成が示されている。この図において車両走行用のモータ10として使用されているのは三相交流モータであり、その出力軸は減/変速機12等を介して駆動輪14L及び14Rに連結されている。また、モータ10はインバータ16を介しバッテリ18及びエンジン駆動発電機20から駆動電力の供給を受ける。すなわち、これらの電力源から供給される直流電力は、インバータ16において三相交流電力に変換されモータ10に供給される。エンジン駆動発電機20は、内燃機関であるエンジン22及びこのエンジン22の出力により駆動される発電機24により構成されている。発電機24は三相交流発電機であり、その発電出力は後段の整流器26により整流された上で前述のインバータ16やバッテリ18に供給される。従って、この図のシステムにおいては、車両走行用のモータ10をバッテリ18の放電出力やエンジン駆動発電機20の発電出力により駆動することができ、バッテリ18を図示しない車外電源からの充電電力やモータ10からの回生電力やエンジン駆動発電機20の発電出力により充電することができる。すなわち、モータ10の駆動電力(消費電力)に対しエンジン駆動発電機20の発電出力が不足している場合にはバッテリ18の放電によりこの不足分が補われ、モータ10の駆動電力に対しエンジン駆動発電機20の発電出力が余剰している場合にはこの余剰分がバッテリ18の充電に使用される。 【0008】エンジン駆動発電機20からモータ10に至る車両駆動系統は、次のように、車両走行用の電子制御ユニット、すなわちEVECU28により制御されている。EVECU28は、回転数センサ30により検出されるモータ10の回転数や、アクセル開度又はブレーキ踏力に応じて決定したトルク指令に基づき、インバータ16の動作を制御する。これにより、モータ10の出力は、アクセル開度やブレーキ踏力に応じた出力となる。EVECU28は、また、後述する手順により、エンジン駆動発電機20の発電出力の制御目標(発電目標)PGを決定し、決定した発電目標PGに従い発電機24の発電出力を制御する。例えば、この発電目標PGに従い発電機24の励磁状態を変化させることにより、当該発電機24の発電出力を変化させることができ、またエンジン22の回転数を制御することができる。EVECU28は、また、エンジン22の回転数等を監視しながら、当該エンジン22のスロットル開度等を制御する。 【0009】この図に示される車両は、さらに、ナビゲーションシステム32を備えている。この図のナビゲーションシステムはGPS(Global Positioning System )、VICS(Vehicle Information Communication System)及びマップマッチングを利用したシステムであり、ディスプレイコントローラ34により制御されている。GPSは、地球周回軌道上にあるGPS衛星から地球上の移動体へと送信され軌道情報、送信時刻等の情報を含むGPS信号に基づき、移動体上のGPS受信機が移動体の現在地に関する情報(現在地情報)や速度(進行方向を含む)に関する情報(速度情報)を得るシステムである。GPSアンテナ36はGPS信号を受信するためのアンテナであり、増幅器38は受信したGPS信号を増幅し、GPS受信機40は増幅されたGPS信号に基づき現在地情報及び速度情報を生成しディスプレイコントローラ34に供給する。VICSは、道路渋滞、交通事故、道路工事等の有無及びその規模に関する交通情報を、FM多重放送を通じて又は路側の送信機からVICS信号として送信し、移動体上のVICS受信機がVICS信号にて交通情報を受け取るシステムである。VICSアンテナ36AはVICS信号を受信するためのアンテナであり、増幅器38AはVICS信号を増幅し、VICS受信機40Aは増幅されたVICS信号から交通情報を取り出しディスプレイコントローラ34に供給する。 【0010】マップマッチングは、GPS等の測位システムから得られる現在地情報を、CDROM等の記憶媒体から読み出した地図情報と照合することにより、現在地情報に含まれている測位誤差を除去乃至低減する手法である。この実施形態では、CDROM44上に格納されている地図情報がCDROMプレイヤ42により読み込まれディスプレイコントローラ34に供給される。ディスプレイコントローラ34は、CDROMプレイヤ42から供給される地図情報に基づきタッチパネルディスプレイ46上に地図を表示させる。ディスプレイコントローラ34は、さらに、GPS受信機40から得られる現在地情報とCDROMプレイヤ42から得られる地図情報とを照合することにより現在地情報の誤差を排除した上で、タッチパネルディスプレイ46上に車両の現在地を表示させる。なお、GPS衛星からの信号は建物、樹木、山岳等によりブロッキングされることがあるため、その期間における車両の移動を検出すべく、磁気コンパス48が設けられている。ディスプレイコントローラ34は、GPS受信機40から位置情報等が得られない状態では、磁気コンパス48の出力を利用しながら車両の現在地等を求めタッチパネルディスプレイ46上の表示を行なわせる。 【0011】ナビゲーションシステム32は、イグニッションスイッチ50がオンしたときに強制的に起動される。すなわち、運転者がイグニッションスイッチ50をオンさせたことが検出されるとEVECU28はIGCTリレー52の励磁コイルにCTL信号を供給し、当該IGCTリレー52の接点を閉結させる。これに応じ、EVECU28からのIGCT信号がディスプレイコントローラ34に供給される結果、ディスプレイコントローラ34によりナビゲーションシステム32が起動される。ディスプレイコントローラ34は、ナビゲーションシステム32を起動させた後、前述の動作にて得られる現在地情報等をEVECU28に供給し始める。 【0012】この図の車両は、更に、ドライビングポジションシステム54を備えている。ドライビングポジションシステム54は、運転席のポジションやステアリングホイールのチルト角を運転者に応じて切り替える等の機能を実現するためのシステムであり、現在運転席に着席している運転者がどの運転者であるのかを示すシートメモリスイッチ56を有している。EVECU28は、シートメモリスイッチ56によって与えられ運転者を特定できる情報、すなわち運転者番号を入力し、これに従い後述の制御を実行している。EVECU28は、その他、加速度センサ58により検出される車両の加減速度Gや、回転数センサ60L及び60Rにより検出される駆動輪14L及び14Rの回転数(車輪速)を車速Viとして入力している。 【0013】図3には、図2に示される車両の動作、特にEVECU28により実行される制御手順の一例が示されている。 【0014】この図に示される制御手順においては、イグニッションスイッチ50が運転者等によりオンされるとこれに応じてEVECU28がCTL信号を出力しIGCTリレー52の接点を閉結させる。すると、EVECU28からのIGCT信号がディスプレイコントローラ34に供給され、ナビゲーションシステム32が起動される(100)。その一方で、EVECU28は、ドライビングポジションシステム54から、そのシートメモリスイッチ56により設定されている運転者番号を入力する(102)。EVECU28は、運転者番号とこの運転者番号に対応する運転者定数aとを対応付ける運転者定数テーブル200を搭載しており、ステップ102において入力した運転者番号に対応する運転者定数aをこの運転者定数テーブル200上から入力する(104)。運転者定数aは、対応する運転者番号によって特定される運転者の性向、例えば急加速を好む運転者であるか否か等の性向を示す定数であり、後述する演算の際に利用される。ステップ104を実行した後、EVECU28は、イグニッションスイッチ50が運転者等によりオフされるまで(132)、ステップ106〜130の動作を繰り返し実行する。 【0015】ステップ106においては、EVECU28は、車両の現在地を示すデータをナビゲーションシステム32から入力する。この時点で、運転者等によるタッチパネルディスプレイ46の操作等により車両の目的地が既に設定済みである場合(108)、EVECU28は、ステップ106において入力された現在地及び運転者等により設定された目的地に基づき、かつナビゲーションシステム32から与えられる地図情報を参照しながら、現在地から目的地に至る最短経路を算出する(110)。なお、運転者に経路情報を提供する必要上ディスプレイコントローラ34でも最短経路を算出しているから、ディスプレイコントローラ34にて算出された最短経路に関する情報をEVECU28へ入力するようにしてもよい。車両の目的地がまだ設定されていない場合には(108)、EVECU28は、車両の進行方向を検出し(112)、検出した進行方向に基づき車両がこれから走行するであろう推定経路を少なくとも所定時間の走行について算出する(114)。なお、ステップ112における進行方向検出は、GPS受信機40により得られる車速ベクトルを利用して行なうこともでき、また磁気コンパス48により検出される車両の旋回角度を利用して行なうこともできる。 【0016】ステップ110又は114を実行した後、EVECU28は、次の制御周期において発生するであろうモータ出力の平均値、すなわち平均予測モータ出力PMを算出し(122)、得られた平均予測モータ出力PMに運転者定数aを乗ずることにより、すなわち次の式【数1】
に従い、当該次の制御周期に係る発電目標PGを決定する(124)。平均予測モータ出力PMを算出するに際しては、例えば次の式【数2】
を用いる。この式に現われる変数PMiは時刻iに関する予測モータ出力であり、次の式【数3】
により与えられる。ステップ122において平均予測モータ出力PMを算出することを可能にするため、この予測モータ出力PMiは、ステップ122を実行するのに先立ち、算出対象たる制御周期(制御周期長=T)中のNサンプルに亘って(120)算出される(118)。その際、式(3)中に現われる坂路角θiは、ナビゲーションシステム32から供給される地図情報から取り出される(116)。なお、式(3)中の平均車速推定値Vは、回転数センサ60L及び60Rにて検出される実測車速Vi及び加速度センサ58にて検出される加減速度Gに基づき、あるいは前回の制御周期で使用した平均車速推定値V及び加速度センサ58にて検出される加減速度Gに基づき、決定する。 【0017】このようなステップ116〜124を実行することにより発電目標PGが決定されると、この発電目標PGに従い、当該次の制御周期における発電機24の発電出力が制御される(126)。EVECU28は、この発電目標PGに従う制御を所定の制御周期長Tに亘って実行する(130)。この制御の間、EVECU28は、車両に加わる加減速度Gを検出し、検出結果に基づき運転者定数設定マップ300を参照することにより運転者定数aを修正し、運転者定数テーブル200上に書き込む(128)。運転者定数設定マップ300は、加減速度Gと運転者定数aとを対応付けるマップであり、その内容を例えば線形関数で表すことが可能である。なお、ステップ128における加減速度Gの検出は、回転数センサ60L及び60Rの出力を利用して次の式【数4】
により、あるいは加速度センサ58を利用することにより、実行することができる。ステップ130において所定の制御周期長Tの経過が検出された場合にはEVECU28の動作はステップ132に移る。 【0018】このような制御を実行することにより、図3に示した制御手段においては、モータ10の駆動電力に対する発電機24の発電出力の不足分及び余剰分を低減し、ひいてはバッテリ18の充放電の頻度を抑制している。すなわち、図4に示されるように、ある制御周期(例えばk〜k+1)において次の制御周期(例えばk+1〜k+2)における平均予測モータ出力PMを算出し、この平均予測モータ出力PMに従い当該次の制御周期(例えばk+1〜k+2)における発電目標PGを設定しているため、実際のモータ出力と発電目標PG、従って発電機24の実際の発電出力との差が小さくなり、バッテリ18の充放電の頻度が低くなる。これは、車両の電力効率の改善につながる他、バッテリ18の充電状態の維持、ひいてはその寿命の延長につながる。加えて、モータ10の出力の変動に対しエンジン22の出力が迅速に応答することになるから、従来のSHVに比べドライブフィーリングも良好になる。さらに、所定の制御周期長Tの間は発電目標PGが一定であるから、発電機24の発電出力、ひいてはエンジン22の負荷の変動が生じにくく、当該エンジン22の燃費やエミッションの顕著な劣化を防止することができる。なお、制御周期長Tは、例えば30秒程度の時間にすることができる。また、平均車速推定値Vの算出を実測車速Viや加減速度Gに基づき行っているため、車両が渋滞等に巻き込まれてしまった場合にも、これに追従して発電出力を制御できる。 【0019】図5には、EVECU28により実行可能な制御手順の他の例が示されている。この図においては、図3に示される制御手順と同一のステップに関しては図示を省略している。この手順が特徴とするところは、ステップ116実行後ステップ118実行前に、車両の予測車速Viを車速予測マップ400から入力している点である(134)。車速予測マップ400は、EVECU28に搭載され、ステップ116にて入力される坂路角θiと車速Vとを対応付けるマップであり、当該坂路角θi下において車両が走行した場合に生ずるであろう車速Viを、当該坂路角θiと対応付けている。ステップ118においては、式(3)を変形して得られる次の式【数5】
に基づき予測モータ出力PMiが演算される。従って、この図の制御手順によれば、図3に示される制御手順に比べ、より正確に、予測モータ出力PMiを求めることができ、ひいては発電機24の発電出力とモータ10の駆動電力との差をより小さくすることができる。なお、車速予測マップ400を多次元マップ、例えば坂路角θi及び運転者定数aを車速Viに対応づける2次元マップとすることもできる。 【0020】図6には、EVECU28により実行可能な制御手順の他の例が示されている。この図においても、図3に示される制御手順と共通する部分は図示を省略している。この図の制御手順においては、ステップ116実行後図5の制御手順と同様ステップ134が実行された後、ステップ118を経ないままステップ120が実行される。ステップ120において所定時間、すなわち制御周期長Tに亘る演算の終了が検出された後、この図の制御手順においては、ステップ134の繰り返しによりNサンプル分得られた予測車速Viに基づきかつ次の式【数6】
に従い平均予測車速Veが算出される(136)。その上で、ステップ118に係る予測モータ出力PMiの算出が制御周期長Tに係るNサンプル分実行され(138)、その後ステップ122が実行される。ステップ122では、次の式【数7】
が用いられる。従って、この図の制御手順においても、前述の各制御手順と同様の効果を得ることができる。 【0021】図7には、EVECU28により実行可能な制御手順のさらに他の例が示されている。この図においても、図3に示される制御手順と共通する部分は図示を省略している。この制御手順では、GPS利用にて得られる現在地情報及び速度情報を利用しておらず、例えばタッチパネルディスプレイ46の操作等による運転者等からの指示に応じて本発明の特徴に係る制御を実行している。すなわち、EVECU28は、ステップ104実行後タッチパネルディスプレイ46の操作等により運転者等から現在地情報の入力があったか否かをEVECU28が判断し(140)、その結果に応じ、ステップ108〜132を実行する。現在地情報の入力がない場合には(140)、直前の制御周期における平均モータ出力に基づき発電目標PGを決定した上で(142)ステップ126に移行するようにすればよい。ステップ142の動作を可能にするためには、ステップ126及び128を実行する際に併せてモータ10の出力を検出し(144)、ステップ132実行前にその制御周期の間の平均モータ出力を算出するようにすればよい(146)。モータ10の出力は、EVECU28内部で算出されるトルク指令及び回転数センサ30により検出されるモータ10の回転数に基づき算出することができ、あるいは図示しない電圧センサや電流センサにてモータ10の電圧及び電流を検出することによっても得ることができる。 【0022】図8には、EVECU28により実行可能な制御手順のさらに他の例が示されている。この図においても、図3に示される制御手順と共通する部分は図示を省略している。この図の制御手順では、制御周期長Tが一定である必要がないことに着目し、ステップ106を実行するのに先立ち制御周期長Tがどのような値に設定されているのかを入力できるようにしている(148)。制御周期長Tの設定方法としては、例えば、タッチパネルディスプレイ46を運転者等が操作する等の方法がある。このようにした場合、例えば、制御周期長Tを短めに設定することにより車両効率優先モード(制御誤差低減によるバッテリ充放電頻度抑制モード)を実現することができ、制御周期長Tを長めに設定することによりエンジン効率優先モード(発電目標の変動を抑制することによるエンジン回転数変動抑制モード)を実現することができる。むろん、制御周期長Tを、他の要素を基礎として自動的に決定するようにしても構わない。 【0023】図9には、EVECU28により実行可能な制御手順のさらに他の例が本発明の一実施形態に係る手段として示されている。この図においても、図3に示される制御手順と共通する部分は図示を省略している。この図の制御手順では、経路推定に際してVICSからの交通情報を利用することにより、発電目標PGと実際のモータ出力との差を抑制している。すなわち、図2に示されるようにVICSを利用しているナビゲーションシステム32では、ディスプレイコントローラ34は、道路渋滞等が発生している又は見込まれる道路をタッチパネルディスプレイ46の画面上に表示させる。運転者は、通常は、そのような道路の走行を避け、目的地までの最短経路ではなく迂回経路を選択する。他方、図3に示される手順をそのまま実行すると、渋滞等の発生如何に関わらず最短経路が算出される。その結果、迂回経路を走行するにも関わらず発電目標PGが最短経路に基づき決定されることになるから、図3の手順では、新たな現在地入力に基づき新たに経路を算出するまでの短い時間であるとはいえ、発電出力とモータ出力の間に差が生じてしまう可能性がある。図9の手順では、そのような不具合を避けるため、VICS利用で得られる交通情報をナビゲーションシステム32からEVECU28に入力し(150)、道路渋滞、交通事故、道路工事等が発生している道路又はその見込みがある道路をステップ110における最短経路算出の基礎から除外している(152)。これにより、経路予測の精度が向上する結果、原理的に、バッテリ18の充放電収支管理のための発電制御等も廃止可能になる。なお、図9では、ステップ114に代え、車両進行方向に基づき目的地を推定するステップ114Aを実行しその後ステップ150に移行しているが、これらは、ステップ108にて目的地設定済みでない場合もステップ150及び152を実行する必要があることによる。 【0024】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に何等限定を要するものではない。例えば、車両の現在地や進行方向を得るためにGPS以外の測位システムを利用してもよく、交通情報を得るのに他の種類の通信システム等を利用してもよい。また、地図情報専用のCDROMと坂路角θi専用のCDROM等を別個に準備しておいてもよい。このようにした場合、従来から流通している地図情報用のCDROMを利用することができるから、より簡便に本発明を実施することが可能になる。加えて、坂路角θiは、地図情報を構成する各地点全てに対応付けておく必要はなく、任意の地点のみに対応付けておき、ステップ116を実行するに際しては、坂路角θiが対応付けられている地点のうち現在の演算に係る地点に最も近い地点の坂路角θiを用いるようにしてもよい。さらには、本発明は、現在地から目的地までの単一の経路(原則として最短経路)を算出する実施形態に限定されるべきものではない。例えば、最短経路や迂回経路を含む複数の経路を算出し各経路に関し平均予測モータ出力PM、ひいては発電目標PGを演算決定するようにしても構わない。このようにした場合、EVECU28又はディスプレイコントローラ34の処理負担は増大するものの、次の制御周期が始まる時点でその時点における車両の現在地や進行方向に基づき実際の経路に係る発電目標PGを選択することができるから、車両の実際の走行経路が最短経路から外れている場合にも迅速に対処することが可能になる。 【0025】加えて、各制御周期毎に発電目標PGを更新するのではなく、図4に示される予測モータ出力PMiの変動が直ちに発電目標PGの変動となるよう、図3中の平均演算を省略しても構わない。ただし、このような省略を行なった場合、エンジン22の回転数等が頻繁に変動し得ることとなるから、エンジン22の燃費やエミッションは若干劣化する。 【0026】そして、本発明は、図2に示されるシステム構成に限定を要するものではない。すなわち、その発電出力を制御乃至修正するための回路乃至機構を備える燃料電池や太陽電池を発電装置Genとして用いるシステム構成にも、本発明を適用することができ、さらには純粋なSHVのみではなくPHV等との組み合わせに係るシステムにも本発明を適用することができる。また、本発明にいう「発電出力」及び「発電目標」は電力である必要はない。バッテリBの充電状態管理を実現する場合等には、これらを電流量にて管理・設定するのが好ましい。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、発電装置Genの発電出力を制御するのに先立ち、車両の走行経路を予測しその結果に基づき発電目標を設定するようにしたため、車両走行用モータMの駆動電力に対する発電装置Genの出力の応答遅れを低減することができ、ひいてはバッテリBの充放電の頻度を抑制することができる。その結果、車両の電力効率の改善等の効果が得られる。また、VICSの利用により、予測精度を向上させ発電出力とモータ出力との差を抑えることができる。 【0028】 【補遺】なお、本発明は、次のような発明と把握することもできる。 【0029】(1)請求項1記載の制御装置において、所定の制御周期毎に発電目標を更新しながら発電装置の出力の制御を実行し、その際走行経路の予測及び発電目標の設定を次の制御周期に関して実行することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、1個の制御周期内では同一の発電目標に従い発電制御が実行される。従って、バッテリの充放電の抑制という作用効果の他に、発電装置の出力変動の抑制という作用効果も生じる。さらに、制御周期を短めに設定することにより、発電目標と実際の発電出力との差(制御誤差)を抑制でき、制御周期を長めに設定することにより発電装置の出力の変動を抑制できる。特に、発電装置としてエンジン駆動発電機を用いた場合、発電装置の出力の変動を抑制することによりエンジンの燃費やエミッションを改善できる。加えて、運転者等が制御周期を可変設定できるようにすることにより、車両効率優先モードでの走行とエンジン効率優先モードでの走行とを選択的に実行可能になる。 【0030】(2)請求項1記載の制御装置において、車両の現在地を入力する手段を備え、当該現在地にて地図情報を参照することにより車両の走行経路を予測することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、例えばタッチパネルを利用した運転者等からの指示に応じ、車両の走行経路の予測及びその結果に基づく発電制御を実行できる。特に、現在地の入力があった場合にのみ車両の走行経路の予測及びその結果に基づく発電制御を実行し、現在地の入力がない場合には従前の平均モータ出力に基づく発電制御を実行するようにすれば、運転者等からの指示に応じバッテリの充放電を抑えた走行を開始させることが可能になるから、使用者が発電制御モードを任意に選択できるという点で、使い勝手のよい車両が得られる。 【0031】(3)請求項1記載の制御装置において、車両の現在地を測位する手段を備え、当該現在地にて地図情報を参照することにより車両の走行経路を予測することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、運転者等からの指示なしに、すなわち自動的に、車両の走行経路の予測及びその結果に基づく発電制御が実行されるから、運転者等の負担を軽くすることができる。また、測位をGPS利用にて行った場合、GPS受信機を一般に小型に構成可能であることから、装置の小型化に寄与できる。さらに、測位のための装置は、イグニッションオンにて強制的に起動させればよい。 【0032】(4)請求項1記載の制御装置において、車両の現在地を入力又は測位する手段と、車両の進行方向を入力又は検出する手段と、を備え、当該現在地及び進行方向に基づき車両の走行経路を予測することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、地図情報を格納するCDROM等のデータベースなしに、車両の走行経路の予測及びその結果に基づく発電制御が実行されるから、より安価な装置となる。また、車両の現在地及び進行方向は共にGPS受信機から得ることができるから、(3)と同様の理由で、この装置は小型な構成とすることができる。さらに、測位のための装置は、IGオンにて強制的に起動させればよい。 【0033】(5)請求項1記載の制御装置において、可能な走行経路と当該走行経路上の所定地点における坂路角とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、予測した走行経路上の各地点に関し記憶手段から坂路角を読み出し、読み出した坂路角に基づき、予測した走行経路に沿って車両が走行した場合に走行用モータの駆動のために必要となる電力を演算することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、走行用モータの駆動のために必要となる電力を、坂路角を考慮にいれて、正確に演算できる。すなわち、より正確な発電制御、ひいてはバッテリ充放電の抑制を実現できる。 【0034】(6)請求項1記載の制御装置において、可能な走行経路と当該走行経路上の所定地点における坂路角とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、予測した走行経路上の各地点に関し記憶手段から坂路角を読み出し、読み出した坂路角及び予想される平均車速に基づき、予測した走行経路に沿って車両が走行した場合に走行用モータの駆動のために必要となる電力を、演算することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、走行用モータの駆動のために必要となる電力を、平均車速及び坂路角を考慮にいれて、正確に演算できる。すなわち、より正確な発電制御、ひいてはバッテリ充放電の抑制を実現できる。 【0035】(7)請求項1記載の制御装置において、可能な走行経路と当該走行経路上の所定地点における坂路角とを対応付けて記憶する第1記憶手段と、坂路角と車速とを対応付けて記憶する第2記憶手段と、を備え、予測した走行経路上の各地点に関し第1記憶手段から坂路角を読み出し、読み出した坂路角に関し第2記憶手段から車速を読み出し、読み出した坂路角及び車速に基づき、予測した走行経路に沿って車両が走行した場合に走行用モータの駆動のために必要となる電力を、演算することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、走行用モータの駆動のために必要となる電力を、車速及び坂路角を考慮にいれて、正確に演算できる。すなわち、より正確な発電制御、ひいてはバッテリ充放電の抑制を実現できる。 【0036】(8)請求項1記載の制御装置において、車両の走行経路として目的地までの最短経路を予測することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、最も尤もらしい走行経路が得られる。 【0037】(9)請求項1記載の制御装置において、運転者に固有の車両運転性向、例えば加減速要求の大小傾向に応じ、予測した走行経路に沿って車両が走行した場合に走行用モータの駆動のために必要となる電力を演算することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、走行用モータの駆動のために必要となる電力を、運転者の性向毎に決定でき、ドライバビリティの向上につながる。また、運転者に固有の車両運転性向は、ドライビングポジションシステム等から得られる情報を利用して決定すればよい。 【0038】(10)請求項1記載の制御装置において、運転者に固有の車両運転性向、例えば加減速要求の大小傾向を逐次検出する手段を備え、当該車両運転性向に応じ、走行用モータの駆動のために必要となる電力を演算することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、(6)と同様の作用効果が得られる他、車両の運転状況の変化を発電制御に逐次反映させることが可能になり、より正確な発電制御、ひいてはバッテリ充放電の抑制による寿命延長を実現できる。 【0039】(11)請求項1記載の制御装置において、VICS等の通信システムから道路渋滞、交通事故、道路工事等の有無及び/又はその規模に関する交通情報を入力する手段を備え、道路渋滞、交通事故、道路工事等が発生している又はその発生が見込まれる道路を走行経路の予測の基礎から除外することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御装置。この装置によれば、運転者が選択するであろう走行経路をより好適に予測できるから、発電出力と実際のモータ出力の差をさらに低減できる。 【0040】(12)車両走行用のモータに対し発電装置及びバッテリから駆動電力を供給しかつバッテリに対し発電装置から充電電力を供給する制御する制御方法において、発電装置の出力を発電目標に従い制御するステップと、上記制御に先立ち車両の走行経路を予測するステップと、予測した走行経路に基づき上記発電目標を設定するステップと、を有し、VICS等の通信システムから入力した交通情報に基づき走行経路予測することを特徴とする電気自動車用発電装置の制御方法。この方法によれば、請求項1と同様の作用効果が得られる。また、(1)〜(11)と同様の変形も可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年10月13日(1995.10.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−314002(P2001−314002A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月9日(2001.11.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−66083(P2001−66083) |
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