| 【発明の名称】 |
パンタグラフの接触力測定方法及び接触力測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 充
【氏名】臼田 隆之
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| 【要約】 |
【課題】パンタグラフの舟体の前後方向接触力を測定できるパンタグラフの接触力測定方法及び接触力測定装置を提供する。
【解決手段】トロリ線9から舟体12に前後方向接触力Ffが作用しているものとすると、舟体12にはねじりモーメントMfが生じ、舟体12の断面A、BにおいてもそれぞれねじりモーメントMA、MBが生じる。区間ABにおける舟体12の回転慣性をInとすると、ねじりモーメントMfはMf=(−MA+MB)+Inで表される。舟体12の図心から上面間の距離をvとすると、前後方向接触力FfはFf=(1/v)Mfで表される。ねじりモーメントMA、MBは、2軸用歪みゲージによりせん断応力を計測することにより得られる。回転慣性Inは、加速度計による計測結果と等価質量から得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する前後方向の接触力を測定する方法であって;パンタグラフの舟体(摺り板を含む)のトロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)におけるねじりモーメントMA、MBを測定するとともに、該縦断面間に作用する回転慣性Inを測定し、Mf=(−MA+MB)+Inにより舟体のねじりモーメントMfを求め、この舟体のねじりモーメントMfを、上記舟体の図心と上面間の距離vで割ることにより、上記接触力を求めることを特徴とするパンタグラフの接触力測定方法。 【請求項2】 上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τA2を測定し、これらせん断応力τA1、τA2の差τA1−τA2から該断面AにおけるねじりモーメントMAを求めるとともに、上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定し、これらせん断応力τB1、τB2の差τB1−τB2から該断面BにおけるねじりモーメントMBを求めることを特徴とする請求項1記載のパンタグラフの接触力測定方法。 【請求項3】 上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τA2を測定し、これらせん断応力τA1、τA2の和τA1+τA2から該断面Aにおけるせん断力τAを求めるとともに、上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定し、これらせん断応力τB1、τB2の和τB1+τB2から該断面Bにおけるせん断力τBを求め、これらせん断力τA、τBと舟体の上下方向慣性力FineからFc+τA−τB+Fine=0により舟体の上下方向の接触力Fcを求めることを特徴とする請求項1又は2記載のパンタグラフの接触力測定方法。 【請求項4】 トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する接触力を測定する方法であって;パンタグラフの舟体の前面側(表側)における該舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)でのせん断応力τA1、τB1を測定し、これらせん断応力τA1、τB1の差α=τA1−τB1を求めるとともに、パンタグラフの舟体の後面側(裏側)における該舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)でのせん断応力τA2、τB2を測定し、これらせん断応力τA2、τB2の差β=τA2−τB2を求め、α−βから上記2ヶ所の縦断面におけるねじりモーメントMA、MBの差MA−MBを求めるとともに、α+βから該2ヶ所の縦断面におけるせん断力τA、τBの差τA−τBを求め、さらに上記α−βから求めたMA−MBと、上記縦断面間に作用する回転慣性Inと、上記舟体の図心と上面間の距離vから、Ff={(−MA+MB)+In}/vに基づき舟体の前後方向の接触力Ffを求めるとともに、上記α+βから求めたτA−τBと、上記舟体の上下方向慣性力Fineから、Fc+τA−τB+Fine=0に基づき舟体の上下方向の接触力Fcを求めることを特徴とするパンタグラフの接触力測定方法。 【請求項5】 トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する前後方向の接触力を測定する装置であって;上記パンタグラフの舟体に設けられた少なくとも1個の加速度計と、該加速度計の検出値から上記舟体の回転慣性を推定する回転慣性推定手段と、上記舟体の上記トロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)の歪みを検出する歪み検出手段と、該歪み検出手段の検出値から該縦断面のねじりモーメントを算出するねじりモーメント算出手段と、該ねじりモーメント算出手段の算出値に上記回転慣性推定手段の推定値を加え、上記舟体の図心と該舟体の上面間の距離で割ることにより、舟体の前後方向の接触力を算出する接触力算出手段と、を備えることを特徴とするパンタグラフの接触力測定装置。 【請求項6】 上記歪み検出手段が、上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τA2と、上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定する歪み計を有し、上記ねじりモーメント算出手段が、上記せん断応力τA1、τA2の差τA1−τA2に基づき、上記断面AにおけるねじりモーメントMAを求める第1算出部と、上記せん断応力τB1、τB2の差τB1−τB2に基づき、上記断面BにおけるねじりモーメントMBを求める第2算出部と、を備えることを特徴とする請求項5記載のパンタグラフの接触力測定装置。 【請求項7】 上記加速度計の検出値から上記舟体にかかる上下方向慣性力を推定する慣性力推定手段と、上記歪み検出手段の検出値から上記2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)のせん断力を算出するせん断力算出手段と、をさらに備え、上記接触力算出手段が、上記せん断力算出手段の算出値から上記慣性力推定手段の推定値を引くことにより、舟体の上下方向の接触力をも算出することを特徴とする請求項5又は6記載のパンタグラフの接触力測定装置。 【請求項8】 上記せん断力算出手段が、上記せん断応力τA1、τA2の和τA1+τA2に基づき、上記断面Aにおけるせん断力τAを求める第1算出部と、上記せん断応力τB1、τB2の和τB1+τB2に基づき、上記断面Bにおけるせん断力τBを求める第2算出部と、を備えることを特徴とする請求項7記載のパンタグラフの接触力測定装置。 【請求項9】 トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する接触力を測定する装置であって;上記パンタグラフの舟体に設けられた少なくとも1個の加速度計と、該加速度計の検出値から上記舟体の回転慣性を推定する回転慣性推定手段と、該加速度計の検出値から上記舟体にかかる上下方向慣性力を推定する慣性力推定手段と、上記舟体のトロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)について、該断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τA2と、該断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定する歪み計を有する歪み検出手段と、該歪み検出手段の検出値から該縦断面のねじりモーメントを算出するねじりモーメント算出手段と、該歪み検出手段の検出値から該縦断面のせん断力を算出するせん断力算出手段と、上記せん断力算出手段の算出値に基づき、せん断応力τA1、τB1の差α=τA1−τB1と、せん断応力τA2、τB2の差β=τA2−τB2を求め、さらにα−βから上記2ヶ所の縦断面におけるねじりモーメントMA、MBの差MA−MBを算出するとともに、α+βから該2ヶ所の縦断面におけるせん断力τA、τBの差τA−τBを算出する断面力算出手段と、該断面力算出手段の算出値MA−MBと、上記回転慣性推定手段の推定値Inと、上記舟体の図心と上面間の距離vから、Ff={(−MA+MB)+In}/vに基づき舟体の前後方向の接触力Ffを求めるとともに、該断面力算出手段の算出値τA−τBと、上記慣性力推定手段の推定値Fineから、Fc+τA−τB+Fine=0に基づき舟体の上下方向の接触力Fcを求める接触力算出手段と、を備えることを特徴とするパンタグラフの接触力測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気鉄道におけるトロリ線とパンタグラフとの間に作用する接触力を測定する方法及び装置に関する。特には、パンタグラフの舟体の前後方向の接触力を測定できるとともに、上下方向の接触力も測定できるパンタグラフの接触力測定方法及び接触力測定装置に関する。 【0002】 【背景技術及び発明が解決しようとする課題】現状の営業用の電気鉄道においては、トロリ線からパンタグラフを介して車体に電力を送る方式が一般的である。トロリ線とパンタグラフの舟体との接触力は、トロリ線の高さ変動や車両・パンタグラフの振動等によって変動する。この接触力の変動が大きすぎると、パンタグラフの舟体がトロリ線から離れる離線が生じるおそれがある。離線が頻発すると、トロリ線とパンタグラフの舟体の間にスパークが生じて、摺り板の損傷が進み、問題となる。離線に至らない場合でも、パンタグラフの接触力の変動は極力小さい方がよい。 【0003】そこで、電車の走行中におけるトロリ線とパンタグラフとの接触力を測定し、得られた測定結果を離線の抑制対策の参考としたいとの要請がある。あるいは、将来的には、接触力をアクティブにコントロールすることも考えられている。 【0004】このようなパンタグラフの接触力測定技術としては、例えば本発明者による特願平11−191611号を挙げることができる。このパンタグラフの接触力測定方法は、パンタグラフの舟体の慣性力を舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面間の弾性変形を考慮した上で求め、この慣性力を別途求めた舟体にかかっている力から差し引きすることにより、舟体の上下方向の接触力を求めるものである。なお、本明細書においては、通常、「舟体」は摺り板を含む広い意味で用いる。 【0005】ところで、最近、舟体の上下方向の接触力だけではなく、舟体の前後方向の接触力を測定できる技術が求められている。本発明は、このような要請に応えるためになされたものであって、パンタグラフの舟体の前後方向接触力を測定できるパンタグラフの接触力測定方法及び接触力測定装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明の第1態様のパンタグラフの接触力測定方法は、トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する前後方向の接触力を測定する方法であって; パンタグラフの舟体(摺り板を含む)のトロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)におけるねじりモーメントMA、MBを測定するとともに、該縦断面間に作用する回転慣性Inを測定し、 Mf=(−MA+MB)+Inにより舟体のねじりモーメントMfを求め、 この舟体のねじりモーメントMfを、上記舟体の図心と上面間の距離vで割ることにより、上記接触力を求めることを特徴とする。 【0007】従来試みられてきた、トロリ線から舟体に作用する前後方向の接触力の測定法では、舟体に作用する空気力(抗力)が測定値に影響を与えていた。ところが、走行中の抗力は非常に大きいため、抗力による誤差が大きいという問題があった。この第1態様の発明によれば、舟体の前面にほぼ均一に作用する空気力は殆ど関与しない舟体のねじり応力を測定するため、トロリ線と舟体との間に働く前後方向の接触力を測定することができる。 【0008】本発明の第1態様のパンタグラフの接触力測定方法においては、上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τA2を測定し、これらせん断応力τA1、τA2の差τA1−τA2から該断面AにおけるねじりモーメントMAを求めるとともに、 上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定し、これらせん断応力τB1、τB2の差τB1−τB2から該断面BにおけるねじりモーメントMBを求めることができる。また、上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τA2を測定し、これらせん断応力τA1、τA2の和τA1+τA2から該断面Aにおけるせん断力τAを求めるとともに、 上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1と、後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定し、これらせん断応力τB1、τB2の和τB1+τB2から該断面Bにおけるせん断力τBを求めることができる。 【0009】舟体前面側(表側)と舟体後面側(裏側)で測定されるせん断応力の和は、測定断面に作用するせん断力に比例し、該せん断応力の差は、測定断面に作用するねじりモーメントに比例する。なお、空気的な抗力のように、ねじりを伴わない前後方向の曲げ荷重に対しては、測定されるねじりモーメントはゼロである。したがって、2ヶ所の縦断面A、Bのせん断応力を測定することにより、ねじりモーメントとせん断力を同時に計測することが可能である。これにより、トロリ線から舟体に作用する前後方向の接触力を測定すると同時に、舟体の上下方向の接触力も測定することができる。 【0010】本発明の第2態様のパンタグラフの接触力測定方法は、トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する接触力を測定する方法であって;パンタグラフの舟体の前面側(表側)における該舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)でのせん断応力τA1、τB1を測定し、これらせん断応力τA1、τB1の差α=τA1−τB1を求めるとともに、 パンタグラフの舟体の後面側(裏側)における該舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)でのせん断応力τA2、τB2を測定し、これらせん断応力τA2、τB2の差β=τA2−τB2を求め、 α−βから上記2ヶ所の縦断面におけるねじりモーメントMA、MBの差MA−MBを求めるとともに、α+βから該2ヶ所の縦断面におけるせん断力τA、τBの差τA−τBを求め、 さらに上記α−βから求めたMA−MBと、上記縦断面間に作用する回転慣性Inと、上記舟体の図心と上面間の距離vから、 Ff={(−MA+MB)+In}/vに基づき舟体の前後方向の接触力Ffを求めるとともに、 上記α+βから求めたτA−τBと、上記舟体の上下方向慣性力Fineから、 Fc+τA−τB+Fine=0に基づき舟体の上下方向の接触力Fcを求めることを特徴とする。 【0011】2ヶ所の縦断面A、Bについて、舟体前面側と舟体後面側のせん断応力を出力すると、舟体1本当り計4ヶ所のせん断応力を出力することになり、データ点数が増えて取り扱いが煩雑になる。一方、Ff={(−MA+MB)+In}/v及びFc=(−τA+τB)−Fineにより、接触力を求めるために必要なのは、ねじりモーメントMA、MB、せん断力τA、τBの各々の量ではなく、MA−MB及びτA−τBである。この第2態様の発明では、2つの量α+βとα−βから、接触力を求めるために必要なMA−MB及びτA−τBを求めることにより、舟体1本当りのせん断応力のデータ点数を2つに減らすことができる。したがって、データの取り扱いが簡単になる。 【0012】本発明の第1態様のパンタグラフの接触力測定装置は、トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する前後方向の接触力を測定する装置であって; 上記パンタグラフの舟体に設けられた少なくとも1個の加速度計と、該加速度計の検出値から上記舟体の回転慣性を推定する回転慣性推定手段と、上記舟体の上記トロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)の歪みを検出する歪み検出手段と、 該歪み検出手段の検出値から該縦断面のねじりモーメントを算出するねじりモーメント算出手段と、 該ねじりモーメント算出手段の算出値に上記回転慣性推定手段の推定値を加え、上記舟体の図心と該舟体の上面間の距離で割ることにより、舟体の前後方向の接触力を算出する接触力算出手段と、 を備えることを特徴とする。 【0013】この装置においては、接触力を舟体の弾性振動の固有振動数よりも低い周波数範囲でとらえる場合は、加速度計は1つでよい。但し、複数個の加速度計を用いると、舟体の振動モードに対応することができる。例えば、舟体のローリングモード(振動周波数12Hz程度)を把握するには、最低2個の加速度計を用いる。舟体の曲げ1次モード(振動周波数80Hz程度)を把握するには、最低3個の加速度計を用いる。 【0014】本発明の第1態様のパンタグラフの接触力測定装置においては、上記歪み検出手段が、上記断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τA2と、上記断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定する歪み計を有し、 上記ねじりモーメント算出手段が、 上記せん断応力τA1、τA2の差τA1−τA2に基づき、上記断面AにおけるねじりモーメントMAを求める第1算出部と、 上記せん断応力τB1、τB2の差τB1−τB2に基づき、上記断面BにおけるねじりモーメントMBを求める第2算出部と、 を備えるものとすることができる。 【0015】また、上記加速度計の検出値から上記舟体にかかる上下方向慣性力を推定する慣性力推定手段と、 上記歪み検出手段の検出値から上記2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)のせん断力を算出するせん断力算出手段と、 をさらに備え、 上記接触力算出手段が、上記せん断力算出手段の算出値から上記慣性力推定手段の推定値を引くことにより、舟体の上下方向の接触力をも算出するものとすることができる。 【0016】さらに、上記せん断力算出手段が、 上記せん断応力τA1、τA2の和τA1+τA2に基づき、上記断面Aにおけるせん断力τAを求める第1算出部と、 上記せん断応力τB1、τB2の和τB1+τB2に基づき、上記断面Bにおけるせん断力τBを求める第2算出部と、 を備えるものとすることができる。 【0017】本発明の第2態様のパンタグラフの接触力測定装置は、トロリ線(給電線)とパンタグラフ(集電装置)との間に作用する接触力を測定する装置であって;上記パンタグラフの舟体に設けられた少なくとも1個の加速度計と、 該加速度計の検出値から上記舟体の回転慣性を推定する回転慣性推定手段と、 該加速度計の検出値から上記舟体にかかる上下方向慣性力を推定する慣性力推定手段と、上記舟体のトロリ線を挟む2ヶ所の縦断面(断面A、断面B)について、該断面Aの前面側(表側)におけるせん断応力τA1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τA2と、該断面Bの前面側(表側)におけるせん断応力τB1及び後面側(裏側)におけるせん断応力τB2を測定する歪み計を有する歪み検出手段と、 該歪み検出手段の検出値から該縦断面のねじりモーメントを算出するねじりモーメント算出手段と、 該歪み検出手段の検出値から該縦断面のせん断力を算出するせん断力算出手段と、 上記せん断力算出手段の算出値に基づき、せん断応力τA1、τB1の差α=τA1−τB1と、せん断応力τA2、τB2の差β=τA2−τB2を求め、さらにα−βから上記2ヶ所の縦断面におけるねじりモーメントMA、MBの差MA−MBを算出するとともに、α+βから該2ヶ所の縦断面におけるせん断力τA、τBの差τA−τBを算出する断面力算出手段と、 該断面力算出手段の算出値MA−MBと、上記回転慣性推定手段の推定値Inと、上記舟体の図心と上面間の距離vから、 Ff={(−MA+MB)+In}/vに基づき舟体の前後方向の接触力Ffを求めるとともに、該断面力算出手段の算出値τA−τBと、上記慣性力推定手段の推定値Fineから、 Fc+τA−τB+Fine=0に基づき舟体の上下方向の接触力Fcを求める接触力算出手段と、 を備えることを特徴とする。 【0018】これらの装置によれば、舟体に作用する前後方向接触力と上下方向接触力を同時に測定することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、通常の鉄道車両の技術におけるのと同様に、レールの長手方向(車両の進行方向)を前後方向、軌道面におけるレール長手方向と直角の方向を左右方向、軌道面に垂直な方向を上下方向と呼ぶ。また、具体的な数値例は、現状のJRの新幹線の一般的な数値である。 【0020】図4は、本実施例におけるパンタグラフの舟体の詳細を示す斜視図である。図5は、同舟体の具体的な寸法を説明する説明図である。図6(A)は同舟体の前面側(表側)の2軸用歪みゲージを詳細に示す正面図であり、図6(B)は同舟体の後面側(裏側)の2軸用歪みゲージを詳細に示す正面図であり、図6(C)は図6(A)の前面側ゲージ部のブリッジ構成を示す図であり、図6(D)は図6(B)の後面側ゲージ部のブリッジ構成を示す図である。図7は、本実施例におけるパンタグラフの支持構造の詳細を示す模式的側面断面図である。 【0021】トロリ線9は、直径約15mmの銅線である。トロリ線には、交流約25kVの電圧が印加される。トロリ線は、約5mおきに吊架線(図示されず)によって吊られている。吊架線は、約50mおきに柱(図示されず)によって支えられている。 【0022】この例の菱形パンタグラフの舟体12は、左右方向に沿って延びている。舟体12は、図4に示すように、前後方向に離れて1組ずつ計2本(12A、12B)設けられているものが多いが、1本の舟体のみで構成されるものもある。この例の舟体12は、幅40mm、長さ1.2m、重さ3.5kgの中空の箱状部材である。舟体12はアルミニウム合金製である。停車時に舟体12がトロリ線9に押し当てられる力(静押上力)は50〜70Nである。 【0023】舟体12の上表面には、摺り板14が取り付けられている。摺り板14は、鉄系や銅系の焼結合金製、あるいはカーボン系材料からなる。この摺り板14は、図5に示すように4分割されており、中央の2つが主摺り板で、左右両端の2つが補助板である。主として主摺り板がトロリ線9に直接接触する。摺り板14は、トロリ線9との接触により経時摩耗するので、定期的に交換する。 【0024】舟体12の左右両端部寄りの底面には、図7に示すように、ロッド22が固定されている。ロッド22は、舟体12底面から下方に垂下している。ロッド22の下端には、ストッパ22aが形成されている。舟支え18には、前後2つのスリーブ18a、18bが一体に形成されている。これらスリーブ18a、18bは、上下方向に開口している。前側のスリーブ18aには前側の舟体のロッド22が嵌合しており、後側のスリーブ18bには後側の舟体のロッド22が嵌合している。そして、ロッド22とスリーブ18a、18b間の隙間には、リニアベアリング24が介装されている。このリニアベアリング24により、舟支え18がロッド22に沿って上下に摺動する。舟支え18は、ロッド22のストッパ22aにより抜け止めされている。 【0025】舟体12底面と舟支え18間において、ロッド22外周には復元ばね15が配置されている。復元ばね15は、ゴム製ばねあるいはコイルばねである。舟支え18は、この復元ばね15を介して舟体12を支持する。舟支え18の下には、パンタグラフ全体を昇降するリンク状の枠組26が設けられている。同枠組26は、いわゆる菱形パンタグラフのリンクであって、コイルばねあるいはエアシリンダ(図示されず)等によって上下に昇降する。例えば、パンタグラフを使用しない時は、枠組26は折り畳まれて下がり、舟体12はトロリ線9から離れる。 【0026】舟体12には、図6に最も良く示すように、2軸用歪みゲージ31が貼られている。2軸用歪みゲージ31は、集電電流によるノイズの誘導を防ぐため、無誘導型ゲージを用いる。この2軸用歪みゲージ31により、舟体12の断面のせん断歪みを測定する。この例では、2軸用歪みゲージ31は、舟体12の前面側(表側;図6(A)参照)と後面側(裏側;図6(B)参照)とに2個ずつ貼られている。したがって、1本の舟体12に対して計4個の2軸用歪みゲージ31が設けられている。左右の歪みゲージ31は、摺り板14の主摺り板を含む位置(具体的には、摺り板14の補助板を舟体12に固定するためのボルトがねじ込まれる位置)に貼り付けられている。 【0027】舟体12前面側の歪みゲージ31は、4個のゲージ部31a〜31dを有する。これらゲージ部31a〜31dは、図6(C)に示すようにブリッジ接続されている。舟体12後面側の歪みゲージ31も、4個のゲージ部31a′〜31d′を有する。これらゲージ部31a′〜31d′も、前面側と同様にして、図6(D)に示すようにブリッジ接続されている。 【0028】また、舟体12には、図5に示すように、1つの舟体当り2個の加速度計35が、舟体12の中央部に取り付けられている。2つの加速度計35のうちの一方は、舟体12の上下方向の加速度を検出する上下加速度計35Aであり、他方は、舟体12の前後方向の加速度を検出する前後加速度計35Bである。加速度計35の筐体と舟体12間には、絶縁用のベーク板34が介装されている。これにより、加速度計信号ケーブルのシールド線に電流が流れず、出力信号のノイズが低減されている。 【0029】各2軸用歪みゲージ31及び加速度計35は、演算装置(図示されず)に接続されている。この演算装置は、2軸用歪みゲージ31及び加速度計35の信号を受けて、以下の原理により舟体12とトロリ線9との接触力を算出する。以下、図1〜図3を参照して上記の接触力測定原理について説明する。図1は、本発明の接触力測定方法に係る前後方向接触力の測定原理を説明するための図である。図2は、上下方向接触力の測定原理を説明するための図である。図3は、舟体の接触力とせん断応力を説明するための図である。 【0030】まず、図1を参照しつつ舟体の前後方向接触力に関して説明する。図1に示すように、トロリ線9から舟体12に前後方向接触力Ffが作用しているものとする。但し、前後方向接触力Ffは、図1における矢印の向きにしたがい、矢印先側を前方向とし、矢印末側を後方向とする。舟体12に前後方向接触力Ffが作用すると、舟体12にはねじりモーメントMfが生じる。一方、舟体12の摺り板14を含む区間ABを考えたとき、断面A、B(区間ABの両端)においてもそれぞれねじりモーメント(断面力)MA、MBが生じる。さらに、区間ABにおける舟体12の回転慣性をInとする。このとき、ねじりモーメントMfと断面力MAの符号(力の向き)を+と考え、断面力MBと回転慣性をInの符号(力の向き)を−と考えると、次式が成り立つ; Mf+(MA−MB)−In=0【0031】したがって、前後方向接触力Ffの作用により生じるねじりモーメントMfは、Mf=(−MA+MB)+Inで表される。ここで、舟体12の図心と摺り板14上面との距離をvとすると、前後方向接触力FfとねじりモーメントMfとの関係は次式で表される; Mf=Ff×v【0032】したがって、前後方向接触力Ffは、次式Ff={(−MA+MB)+In}/vのように表される。つまり、前後方向接触力Ffを測定するためには、ねじりモーメント(断面力)MA、MBと区間ABにおける回転慣性Inがわかればよい。ねじりモーメント(断面力)MA、MBは、2軸用歪みゲージ31によりせん断応力を計測することにより得られる。回転慣性Inは、加速度計による計測結果と等価質量から求めることができる(回転慣性=加速度×等価質量)。 【0033】次に、図2を参照しつつ舟体の上下方向接触力に関して説明する。図2に示すように、舟体12にトロリ線9との上下方向接触力Fcが作用しているものとする。また、舟体12の摺り板14を含む区間ABを考えたとき、断面A、B(区間ABの両端)において生じているせん断力をτA、τBとする。さらに、区間ABに作用する舟体12の上下方向慣性力の合計をFineとする。このとき、上下方向接触力Fc、せん断力τA、τB及び上下方向慣性力Fineの符号を、図2に示す向きを正にとると、次式が成り立つ; Fc+τA−τB+Fine=0【0034】したがって、上下方向接触力Fcは、Fc=(−τA+τB)−Fineで表される。つまり、上下方向接触力Fcを測定するためには、せん断力τA、τBと区間ABにおける上下方向慣性力Fineがわかればよい。せん断力τA、τBは、2軸用歪みゲージ31によりせん断応力を計測することにより得られる。上下方向慣性力Fineは、加速度計による計測結果と等価質量から求めることができる。なお、舟体12の上下方向慣性力Fineの推定やトロリ線9の偏位の推定は、特願平11−191611号と同様に行うことができる。また、舟体12に複数の加速度計35を取り付けると、舟体12の振動モードに対応した推定が可能になる。 【0035】ここで、ねじりモーメントMA、MBとせん断力τA、τBは、2軸用歪みゲージ31によるせん断応力の測定により、同時に求めることが可能である。このせん断応力とは、図3に模式的に示すように、舟体12において2軸用歪みゲージ31を貼り付けた位置(舟体の摺り板を含む2ヶ所の縦断面A、B)に生じているせん断応力を指す。各断面A、Bにおいて、舟体12上向きに作用するせん断応力の符号を正(+)とし、舟体12下向きに作用するせん断応力の符号を負(−)とする。このとき、各断面A、Bに作用するモーメントMA、MBと2軸用歪みゲージ31で計測されるせん断応力には、以下(1)〜(3)に述べるような関係がある。 【0036】(1)各断面A、Bにねじりモーメントのみが作用している場合、舟体の前面側と後面側とでそれぞれ計測されるせん断応力は、符号が互いに逆向きで絶対値が同じである。 (2)各断面A、Bに上下方向の曲げモーメントが作用する場合(すなわち各断面A、Bにせん断力が作用する場合)、舟体の前面側と後面側でそれぞれ計測されるせん断応力は、符号も絶対値も同じである。 (3)各断面A、Bに前後方向の曲げモーメントが作用する場合、計測されるせん断応力はゼロである。 【0037】つまり、舟体前面側(表側)と舟体後面側(裏側)で測定されるせん断応力の和は、測定断面に作用するせん断力に比例し、該せん断応力の差は、測定断面に作用するねじりモーメントに比例する。さらに、空気的な抗力のように、ねじりを伴わない前後方向の曲げ荷重に対しては、測定されるせん断応力はゼロである。したがって、2ヶ所の縦断面A、Bのせん断応力を測定することにより、空力的抗力の影響を受けずにねじりモーメントMA、MBとせん断力τA、τBを同時に計測することが可能である。 【0038】ところで、2ヶ所の縦断面A、Bについて、舟体の前面側と後面側のせん断応力を出力すると、舟体1本当り計4ヶ所のせん断応力を出力することになり、データ点数が増えて取り扱いが煩雑になる。そこで、データ点数を減らして取り扱いを簡単にするため、以下の操作を施す。 【0039】図3を用いて上述したように、各断面A、Bにおいて、舟体12上向きに作用するせん断応力の符号を正(+)とし、舟体12下向きに作用するせん断応力の符号を負(−)とする。すると、各2軸用歪みゲージ31で計測されるせん断応力τA1、τB1(前面側)、τA2、τB2(後面側)と、ねじりモーメントMA、MB、せん断力τA、τBには、次式の関係が成り立つ; 【数1】
【0040】上記した2つの式Ff={(−MA+MB)+In}/vFc=(−τA+τB)−Fineより、前後方向ならびに上下方向接触力を求めるために必要な量は、ねじりモーメントMA、MB、せん断力τA、τBの各々の量ではなく、MA−MB及びτA−τBである。これらの量は、次式のように表される; 【数2】
ここで、α=τA1−τB1、β=τA2−τB2と定義すると、前後方向接触力Ffを求めるために必要なMA−MB、及び、上下方向接触力Fcを求めるために必要なτA−τBは、これらα及びβを用いて次式のように表される; 【数3】
【0041】したがって、舟体12前面側の2つの2軸用歪みゲージ31を図6(C)のようにブリッジ結線してαを出力させ、舟体12後面側の2つの2軸用歪みゲージ31を図6(D)のようにブリッジ結線してβを出力させれば、これらα及びβから2つの量α−βとα+βが得られ、MA−MB及びτA−τBを求めることができる。これにより、舟体1本当りのせん断応力のデータ点数を2つに減らすことができる。 【0042】次に、上記の方法により接触力の測定を行った結果の具体的な事例について、図8〜図14を参照しつつ述べる。なお、パンタグラフとしては、新幹線用のPS203パンタグラフを用いている。 (A)静荷重試験図8は、本発明者らの行った静荷重試験法を説明するための模式図である。この図に示す静荷重試験は、舟体12Aあるいは12Bの摺り板14上面に、テープでワイヤ65を貼り付ける。ワイヤ65の端部には、滑車53を介して重り55が釣り下げられている。この重り55により、舟体12に前後方向の静荷重を加える。なお、上下荷重は、図示されていないが舟体12の摺り板14上面に重りを載せることで与えた。荷重を与える位置は、舟体12中央及び中央から左右にそれぞれ200mm偏位させた位置とした。 【0043】このようにして静荷重を与えたときの2軸用歪みゲージの出力α及びβを計測する。これら出力α、βに基づき、前後荷重推定値(α−βに比例)、上下荷重推定値(α+βに比例)と、実際に与えた静荷重との間に十分な線型性があるか否かを調べた。なお、一対の舟体12A、12Bの互いに対向した側面を内方と呼び、内方と逆側の側面を外方と呼んだとき、内方側面の歪みが出力αに相当し、外方側面の歪みが出力βに相当する。 【0044】図9(A)は、上記の静荷重試験において舟体中央位置に上下方向荷重を与えた場合の接触力測定値を示すグラフであり、図9(B)は、同静荷重試験において舟体中央から200mm偏位させた位置に上下方向荷重を与えた場合の接触力測定値を示すグラフである。図10(A)は、上記の静荷重試験において舟体中央位置に前後方向荷重を与えた場合の接触力測定値を示すグラフであり、図10(B)は、同静荷重試験において舟体中央から200mm偏位させた位置に前後方向荷重を与えた場合の接触力測定値を示すグラフである。これらのグラフは、横軸が与えた荷重を示し、縦軸が測定値を示す。また、○によるプロットが上下方向接触力測定結果を表し、△によるプロットが前後方向接触力測定結果を表す。 【0045】図9及び図10に示すように、荷重推定結果がほぼ線型であること、荷重位置を変えても推定精度が悪化しないことがわかり、前後荷重推定値がα−βに比例し、上下荷重推定値がα+βに比例していることが実際に確認できた。また、上下荷重と前後荷重との連成が十分に小さい、すなわち上下荷重のみを加えたときには前後荷重推定結果がほぼゼロとなり、前後荷重のみを加えたときには上下荷重推定結果がほぼゼロになることもおおむね確認できた。また、静荷重を与える位置を変えても、図6(C)及び(D)のブリッジ結線出力は殆ど変化しないことも確認できた。 【0046】(B)加振試験次に、加振試験による接触力測定精度の結果を述べる。図11は、本発明者らが行った前後方向加振試験法を説明するための模式図である。図12は、図11の前後方向加振試験の試験結果を示す図であり、(A)は出力ゲインの波形を示すグラフ、(B)は位相の波形を示すグラフである。図13は、本発明者らが行った上下方向加振試験法を説明するための模式図である。図14は、図13の上下方向加振試験の試験結果を示す図であり、(A)は出力ゲインの波形を示すグラフ、(B)は位相の波形を示すグラフである。 【0047】図11及び図13に示す加振試験法においては、以下の試験器を備えている。 (a)加振機61この加振機61の仕様は、動電型加振機ASE−12、pp15mm、5〜10kHz、明石製作所製である。なお、この加振機61の特性により、加振力には5Hz以下の成分は含まれない。 (b)ロードセル62このロードセル62の仕様は、引張圧縮両用小型ロードセルLU−20KSB34D、−196.1〜+196.1N、固有振動数5kHz、共和電業製である。同ロードセル62は、加振機61に付設されている。ロードセル62は、図11の前後方向加振の場合は、ワイヤ65を介して舟体12Bの摺り板14上面に繋がれている。一方、図13の上下方向加振の場合は、舟体12Aの摺り板14上面に上側から接する位置に配置されている。 【0048】(c)動歪みアンプ63この動歪みアンプ63の仕様は、DPM−612B及びDPM−305B、共和電業製である。動歪みアンプ63は、舟体12A、12Bに貼り付けられた各2軸用歪みセンサ及びロードセル62に電気的に接続されている。 (d)加振信号源64この加振信号源64の仕様は、FFTアナライザCF5220、小野測器製である。加振信号源64は、加振機61に電気的に接続されている。この加振信号源64からは、加振波形が0〜100Hzの擬似ランダム波が出力される。 【0049】この加振試験においては、加振は1点加振とし、加振位置を舟体12の中央及び中央から左右に200mm偏位させた位置とした。また、パンタグラフの押し上げ力は60Nとしている。 【0050】この加振試験におけるデータ解析は、以下の順序で行う。 (ステップ1)歪み(ねじりモーメントの差あるいはせん断力の差に変換)、加速度の加振力に対する周波数伝達関数を求める。 (ステップ2)周波数伝達関数から等価質量を逆算する。すなわち、ねじりモーメントの差に対する周波数伝達関数をHM(ω)、加速度の加振力に対する周波数伝達関数をHa(ω)とし、前後方向接触力に関する場合に、加振側舟体に対しては次式【数4】
が成り立ち、非加振側舟体に対しては次式【数5】
が成り立つような等価質量Meqを求める。等価質量Meqは、位相が0degで、しかもほぼ一定の値であることが望ましいが、実際には周波数に対して変化する。そこで、測定可能周波数範囲内にてほぼ一定(しかも位相0deg)と見做せる値を等価質量として選択することになる。 【0051】(ステップ3)推定加振力と測定加振力の比を求め、推定精度G(ω)を確認する。これは次式【数6】
で求められる。推定が正しく行われていれば、加振側の舟体ではG(ω)=1、非加振側の舟体では0となる。 【0052】上記の加振試験の結果を図12及び図14に示す。前後方向加振の場合は、図12(A)に示すように、約20Hzより高い周波数では若干出力波形が乱れているが、出力ゲイン波形はおおよそ1付近に安定して現れている。また、図12(B)に示すように、位相も約20Hz付近まではほぼゼロとなっている。これにより、約20Hz以下においては十分な精度で前後方向接触力測定を行うことができる。また、接触力の作用する位置を変えても、測定精度は変化しない。 【0053】上下方向加振の場合は、図14(A)に示すように、約40Hzまでは出力ゲイン波形はほぼ安定しており、また、図14(B)に示すように、位相も約40Hz付近まではほぼゼロとなっている。これにより、約40Hz以下においては十分な精度で上下方向接触力測定を行うことができる。また、接触力の作用する位置を変えても、測定精度は変化しない。 【0054】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、パンタグラフの舟体の前後方向の接触力を測定できるとともに、上下方向の接触力も測定できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
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| 【出願日】 |
平成12年4月24日(2000.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100413 【弁理士】 【氏名又は名称】渡部 温
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| 【公開番号】 |
特開2001−309503(P2001−309503A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−122299(P2000−122299) |
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