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【発明の名称】 ハイブリッド自動車の発電制御装置
【発明者】 【氏名】菊池 義晃

【要約】 【課題】SOCの検出値を正確な値にリセットする機会を提供する。

【解決手段】エンジン駆動発電機等の電力源の発電出力PG をOFFさせることにより放電強制区間を生成し(100)、電圧電流特性とSOCの相関関係に基づき電池のSOCが下限値Bに至ったことを検出する(106)。SOCが下限値Bに至ったときは、PG をONさせ(110)、電池の電流IB の積算によって(114)、SOCが上限値Aに至ったことを検出し(116)、再度放電強制区間に移行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 その放電出力を車両走行用モータ又は車載補機に駆動電力として供給する電池と、その発電出力を上記電池に供給する電力源と、を有するハイブリッド車に搭載される発電制御装置において、上記電池のSOCをその電流の積算により検出する手段と、上記電力源の発電電力を外部からの制御信号によりオン/オフさせる手段と、上記電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち少なくとも一方を、上記電池の電圧及び電流と上記上限又は下限SOCに対応する電圧電流特性との照合によって検出する手段と、を備え、上記電力源の発電出力のオン/オフにより、上記照合の機会を強制的に実現することを特徴とする発電制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド自動車(HV)に搭載される発電制御装置に関し、特に電池のSOCの維持管理の手順に関する。
【0002】
【従来の技術】電池の放電出力のみで車両走行用モータを駆動する純粋な電気自動車には、車両走行に伴い電池の放電が進むため外部電源による電池の充電を頻繁に行わねばならずまた電池充電1回当りの走行可能距離を確保するのに大きな電池が必要である、という問題点がある。HV、中でもシリーズハイブリッド自動車(SHV)は、第1電力源たる電池に加え第2の電力源(例えばエンジン駆動発電機、太陽電池、燃料電池等)を有しており、適宜この第2電力源を動作させて電池の充電及び車両走行用モータ・車載補機への駆動電力供給を行うことにより、電池の充電頻度の抑制及び小形化を実現している。他方、エンジンの機械出力のみで推進される従来のエンジン車両には、車両を推進する際エンジンを運転しなければならず従って排気ガスエミッションが生じるという問題点がある。HV、中でもパラレルハイブリッド自動車(PHV)は、エンジン出力を補助する回転電機を有しており、エンジン出力トルクの急変動をこの回転電機を以て抑制することにより、排気ガスエミッションを抑制すると同時にエンジンによる燃料消費を低減している。HVは、これら、エンジン車両及び電気自動車双方の性質を併有する車両の総称であり、上述のように従来のエンジン車両又は純粋な電気自動車に対し利点を有している。
【0003】各種HVに共通する特徴の一つは、電池のSOC(充電状態;満充電電流量に対する残存電流量の比)の維持管理が可能であることである。例えばSHVでは、電池から車両走行用モータ・車載補機への駆動電力の供給(即ち電池の放電分)と、第2電力源から電池への発電出力の供給及び車両走行用モータから電池への制動エネルギの回生(即ち電池の充電分)とを、第2電力源の発電出力の制御によって少なくとも大まかにはバランスさせることができる。また、PHVでは、電池から回転電機への駆動電力の供給(即ち電池の放電分)と、回転電機から電池への発電出力の供給(即ち電池の充電分)とを、回転電機のモータ出力/発電出力の制御によって少なくとも大まかにはバランスさせることができる。ここに、電池のSOCが常にある特定の範囲内に維持されていれば電池の寿命がのびることが知られている。従って、第2電力源の発電出力(SHVの場合)又は回転電機のモータ出力/発電出力(PHVの場合)の制御を通じて電池のSOCの維持管理を行うことにより、電池の寿命を延長できる(特開平7−95703号を参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、HVにおいてSOC管理を行うには、その基礎となるSOCの値が正確でなければならない。SOCの検出方法としては、例えば、電解液比重の測定による方法、充放電電流量の積算による方法、充電時(あるいは放電時)における電池の電圧電流特性とSOCとの相関関係を利用する方法等が知られているものの、これらには各々問題がある。まず、電解液比重を測定する方法を実施するには電池内部の電解液の比重を精密に測定する比重計が必要であるため、電池の構造上の工夫や高価格化を余儀なくされる。次に、充放電電流量の積算による方法は、電池の充放電電流を逐次検出しこれをSOCの初期値に積算していくという方法であるため、積算によって誤差も累積してしまい、正確な検出値が得られにくい。最後に、電池の電圧電流特性とSOCとの相関関係を利用する方法を実施するには、十分に強い相関関係が現れるような状況が適当な頻度で発生しなければならないが、加減速要求等に応じ走行用モータ又は回転電機に駆動電力を供給する車両においては電池の充放電挙動はダイナミックに変化するから、かかる状況が適当な頻度で生じるとは限らない。
【0005】本発明の目的の一つは、電池の電圧電流特性とSOCとの間に十分強い相関関係が現れる状況を意図的に生成することにより、当該相関関係を利用した正確なSOCの測定、ひいてはその結果に基づくSOCの正確な維持管理を可能にすることにある。本発明の目的の一つは、上記相関関係を利用したSOC測定を、電圧電流に係る判定及びSOC変数リセットという単純な手順にて行い、これにより制御を簡易化することにある。本発明の目的の一つは、充放電電流の積算にてSOCを検出する装置の部分改良により、上記目的を達成できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、上記電池のSOCをその電流の積算により検出する手段と、上記電力源の発電電力を外部からの制御信号によりオン/オフさせる手段と、上記電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち少なくとも一方を、上記電池の電圧及び電流と上記上限又は下限SOCに対応する電圧電流特性との照合によって検出する手段と、を備え、上記電力源の発電出力のオン/オフにより、上記照合の機会を強制的に実現することを特徴とする。
【0007】本発明においては、電池のSOCに応じ電力源オン/オフ制御が実現される。この制御を実行するに際しては、電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち少なくとも一方を検出する必要がある。本発明においては、これらのうち少なくとも一方を、電池の電圧及び電流と上限又は下限SOCに対応する電圧電流特性との照合によって、検出している。即ち、SOCの値が上限SOC又は下限SOCに至ったことが電圧電流特性を利用して精細に検出され、これに応じ、電力源オン/オフ制御の基礎となるSOCの値が上限SOC又は下限SOCにリセットされることになるため、電力源オン/オフ制御を正確に実行できる。特に、SOCの値が上限SOC又は下限SOCに至ったことを検出する際、SOCの値を検出する必要はなく、電池の電圧及び電流と電圧電流特性との照合を行うのみでよいから、処理負担も軽い。
【0008】また、電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち一方のみを電圧電流特性を利用して精細に検出し残りは電池の電流の積算値に基づき検出することにより、電流積算にてSOCを検出していた従来の装置又はそのソフトウエアの部分転用が可能になる。なお、このようにして電力源オン/オフ制御を成立させる手法は、特に、電池の電圧電流特性とSOCとの相関関係が、充電時及び放電時のいずれか一方にて良好となり(強くなり)他方ではさほど良好でない性質を有する電池に、適している。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。
【0010】(1)第1実施形態図1に、本発明の一実施形態に係るSHVのシステム要部構成を示す。図中符号10で表されている三相交流モータは車両走行用モータであり、図示しない駆動輪に連結されている。モータ10の電力源としては電池12及び第2の電力源14が設けられている。そのうち電池12は一般に多数の二次電池セルを直列接続した構成を有しており、電力源14はその発電出力PG を外部からの制御信号にてON/OFF可能な構成を有している。更に、電池12及び電力源14は、いずれも、インバータ16の直流端子に接続されている。インバータ16は電池12及び電力源14から供給される直流電力を三相交流に変換した上でモータ10に駆動電力として供給し、またモータ10によって回生される制動エネルギを三相交流から直流に変換した上で電池12に充電電力として供給する。電力源14の発電出力がモータ10の駆動にも電池12の充電にも使用され得ることを考慮にいれると、この図のシステムにおける電力の流れは図中の太い白抜き矢印の如き流れになる。
【0011】なお、電力源14の例としては、エンジン及びこのエンジンにて駆動される発電機を有するエンジン駆動発電機、太陽等から得た光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池、流体・燃料酸化剤の系の化学エネルギを直接電気エネルギに変換する燃料電池等がある。その発電出力のON/OFFは、発電機励磁電流の制御あるいは発電機用インバータの制御(エンジン駆動発電機)、コンタクタ等の遮断回路の制御(太陽電池)、燃料供給機構の制御や遮断回路の制御(燃料電池)等にて実現できる。
【0012】コントローラ18は、車両操縦者によるアクセルペダルの踏込みやブレーキペダルの踏込みに応じてトルク指令Tref を決定し、そのトルク指令Tref がモータ10にて実トルクとして実現されるよう、インバータ16による電力変換を制御する。同時に、コントローラ18は、電圧センサ20及び電流センサ22を用いて電池12の電圧VB 及び電流IB を検出し、それらを利用しつつ適宜PG をON/OFFさせることにより、電池12のSOCを上下限区間内に維持管理している。本発明の特徴的な事項は、この図では、主にコントローラ18によって実現されている。
【0013】図2に、コントローラ18により実行される制御手順のうち、電池12のSOCの維持管理に係る部分のみを、抜き出して示す。コントローラ18は、動作開始直後はまずPG をOFFする(100)。これによって、電力源14からモータ10及び電池12に供給される電力が断たれるため、モータ10への駆動電力供給を専ら電池12が単独で担う状況が生じる。回生等によって(あるいは低減されたPG によって(後述))充電されることはあるけれども、傾向としては、PG をOFFした後は電池12の放電が進む。コントローラ18は、このように放電傾向が続く間に、センサ20及び22からVB 及びIB の検出値を入力し(102)、これらをマップ200と照合する(104)。マップ200は、SOC=B(B:SOC管理上の目標範囲の下限値即ち下限SOC)であるときの電池12の電圧電流特性を、表すマップである。一般に、SOCが高ければ高いほど電圧電流特性は上側(高電圧大電流の側)にシフトするから、上記照合によって、電池12のSOCが現在Bより大か小かを精細にかつ容易に判定できる。コントローラ18は、この照合の結果からみてSOC≧Bと見なせるときにはステップ102及び104を再度実行する(106)。
【0014】SOC<Bと見なせるとき、コントローラ18は、電流積算変数Qを0にリセットした後(108)、PG をONする(110)。PG をONすることによって、電力源14からモータ10及び電池12に供給される電力が発生する。モータ10での電力消費が顕著になるため一時的に放電が進むことはあり得るけれども、電力源14の最大電力仕様が十分大きければ、通常は、傾向として、PG をONした後電池12の充電が進む。コントローラ18は、充電傾向が続いている間にセンサ22からIB の検出値を入力し(112)、Δtを乗じてQに積算する(114)。なお、図中の積算式に現れているΔtは、コントローラ18によるIB の入力周期であり、またここではIB の符号が充電時に正であるとしている。ステップ112及び114を繰り返していけば、従って、積算に伴い累積誤差は生じるものの、PG をONした後の充電電流積算値(SOCの増加分に相当)がQとして得られる。コントローラ18は、Q>(A−B)相当値に至ったとき(A:SOC管理上の目標範囲の上限値即ち上限SOC)、即ち概ねSOC=Aに至ったであろうと認められるときに、ステップ100に戻る。
【0015】このような制御手順を実行することにより、一般には、図3に示されるようなSOC挙動が現れる。この図では、ステップ116の条件が成り立つ点即ち放電開始点からステップ106の条件が成り立つ点即ち放電中止点にかけては、電池12は放電の傾向を示し、放電中止点から放電開始点にかけては充電の傾向を示している。また、図2及び図3中、電圧電流特性の利用に必要な放電を強制するという意味で、放電の傾向を示す期間を放電強制期間と表し、電圧電流特性の利用が不要であるため充電を許容するという意味で、充電の傾向を示す期間を充電許容期間と表している。
【0016】従って、本実施形態によれば、電圧電流特性を利用できる期間が強制的に提供乃至実現されているため、またそのたびにSOCの管理用変数がBにリセットされるため、その他の期間におけるSOC維持管理手順がIB の積算を利用した簡易な手順であるにも拘らず、電池12のSOCを正確にA〜Bの範囲に維持管理できる。更に、電池12の構造的改変や新たなセンサの追加等は不要であり、専ら、従来の制御手順の改変にて実現できる。更に、SOCがBに至ったことが精細検出されているため、充電許容区間ではSOC≧Bが常にかつ高い信頼性で成立していると見なせるから、PEVモード即ち純粋な電気自動車と同様モータのみで走行するモードへと車両の走行モードを安心して(すなわちSOCが顕著に下がる心配なしに)切り替えることができる。加えて、PG に関してはON/OFF制御を行っているのみであり、Tref 等に応じてダイナミックに変化させる制御は行っていない。従って、PG をダイナミックに変化させる制御で必要なLPF即ちTref を瀘波して高周波変動分を除去するフィルタは不要である。なお、A−Bが極端に小さいとPG が頻繁にON/OFFする可能性があるが、そのような現象が起きないようA−Bを大きく設定することは容易である。また、IB ・ΔtではなくVB ・IB ・Δt即ち電力量を積算するようにしてもよい。
【0017】(2)第2及び第3実施形態図1〜図3に記した実施形態では、一時的にSOCがA〜Bの区間から外れたときでも、SOCを正しくA〜Bの区間に戻し維持管理することができる。例えば、車両停止中に電池12の自己放電が進んだため車両走行開始時(図4中の制御開始点)においてSOC<Bとなっていたときでも、ステップ100〜106を経て充電許容区間が始まるためSOCは早期にBを上回り、その後、遅くとも最初の放電中止点でSOCが正確にBにリセットされるため、当該放電中止点以降は図3と同様の動作になる。但し、制御開始点の後最初の放電開始点は、SOC<Aの点になってしまう。これを防ぐには、即ち制御開始点の後最初の放電開始点も後の放電開始点と同様SOC>Aに至った点であるようにするには(図5参照)、図2に示される手順に一部改変を施せばよい。
【0018】図6に示す第2実施形態では、ステップ104にて使用するマップを、SOCがBより小さな領域についての電池12の電圧電流特性を含むマップ200Aとしている。従って、図5に示すように制御開始点でSOC<Bであったときには、そのこと及びその時点でのSOCを、VB 及びIB とマップ200Aとの照合(104)により知ることができる。更に、ステップ108における“Q←0”の処理を“Q←(B−SOC)相当値”に改変することにより(108A)、制御開始点でのSOCに応じてQの初期値をシフトさせることができる。また、図7に示す第3実施形態では、ステップ108を廃止すると共に、ステップ112〜116に代えてステップ118〜122を設けている。ステップ118ではVB 及びIB の検出値を入力し、ステップ120ではVB 及びIB をマップ300と照合する。マップ300は、SOC=Aのときの電池12の電圧電流特性を表すマップであるから、この照合によって、電池12のSOCがAまで上昇したか否かを知ることができる。ステップ122からは、SOC>Aであるときステップ100へ、そうでないときステップ118へと分岐する。
【0019】なお、図6及び図7では、図2と共通する部分は省略している。また、第1及び第2実施形態は、放電時における電圧電流特性を利用しているから、放電時に電圧電流特性とSOCの相関が良好になる電池、例えばPb電池、NiMH電池等に適しているといえる。第3実施形態は、充電時における電圧電流特性をも利用しているから、充電時放電時共に電圧電流特性とSOCの相関が良好になる電池、例えばLi電池、NaNi2 Cl4 電池等に適しているといえる。
【0020】(3)第4実施形態また、前述の第1〜第3実施形態では放電強制区間及び充電許容区間を設けていたが、これとは逆に、充電強制区間及び放電許容区間を設けるようにしてもよい。図8に示す第4実施形態では、図2におけるステップ100〜106に代えてステップ110〜122が実行されており、これらのステップにより図9に示す充電強制区間が実現されている。また、図8においては図2中のステップ110に代えステップ100が、またステップ116に代え“Q<(B−A)相当”という条件の成否判定を実行するステップ116Aが実行されており、ステップ108〜116Aにより図9に示す放電許容区間が実現されている。この実施形態は、少なくとも充電時における電圧電流特性とSOCの相関が良好になる電池に適している。
【0021】(4)第5及び第6実施形態前述の第1実施形態では、制御開始点におけるSOCがBより小さいとき等においてSOCがA〜Bの区間から一時的に外れることがあった。これと同様、第4実施形態においても、制御開始点におけるSOCがAより大きい時等においてSOCがA〜Bの区間から一時的に外れることがある(図10参照)。SOCがA〜Bの区間から外れるのは一時的であって問題点とはならないけれども、図10から明らかなように、制御開始点後SOCがBまで下がる前に充電開始点すなわち充電強制区間の開始点が到来してしまう。これを避け、図11に示されるようにSOCがBまで下がったときに充電開始点となりSOCがAまで上がったときに充電中止点すなわち充電強制区間の終了点となるようにするには、図2に示す手順に関して図6及び図7にて施した改変と同様の改変を、図8に示す手順に施せば良い(図12及び図13参照)。
【0022】例えば図12に示す第5実施形態においては、SOC=Aの時の電圧電流特性を表すマップ300に代え、SOCがA以上であるときの電圧電流特性を表すマップ300Aを用いるとともに、“Q←0”にかかるステップ100に代え“Q←(A−SOC)相当”にかかるステップ108Bを設けている。また、図13に示す第6実施形態においては、ステップ108を廃止するとともに、ステップ112、114及び116Aに代えてステップ102、104及び106を設けている。更に、第6実施形態ではステップ104においてマップ200を使用している。これらの実施形態によれば、図11に示すように、常に、SOCがBまで下がった点を充電開始点とすることができる。なお、図12及び図13では、図8と共通する部分は省略している。
【0023】(5)第7実施形態以上説明した第1〜第6実施形態は、いずれも、図1に示すSHVを前提とした実施形態であるが、本発明の適用対象はSHVに限定されるべきではない。例えば、図14に示すPHVにも、本発明を適用することができる。
【0024】図14においては、駆動輪に連結されたエンジン24及びこのエンジン24と駆動輪とを連結する軸上に設けられているモータ兼用発電機26が、用いられている。モータ兼用発電機26はモータとしても発電機としても動作することが可能な回転電機であり、モータとして動作させるときには電池12の放電出力をインバータ28により電力変換して(この実施形態ではモータ兼用発電機26が三相交流回転電機であるため直流から三相交流に変換して)モータ兼用発電機26に供給し、発電機として動作させるときにはモータ兼用発電機26の発電出力をインバータ28により直流に変換して電池12に充電電力として供給する。コントローラ18は、トルク指令Tref に応じてインバータ28を制御し、またVB及びIB を適宜参照しながらインバータ28の制御によりPB をON/OFF制御する。その手順は、前述の第1〜第6実施形態と同様の手順とすることができる。このように、本発明は、PHVにも適用することができ、またその適用に当たって同様の作用効果を実現することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、SOCに基づく電力源オン/オフ制御を実行すると共に、電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち少なくとも一方を、電池の電圧及び電流と上限又は下限SOCに対応する電圧電流特性との照合によって、精細に検出するようにしたため、SOCの値が上限SOC又は下限SOCに至ったときに、電力源オン/オフ制御の基礎となるSOCの値を上限SOC又は下限SOCにリセットすることができ、電力源オン/オフ制御を正確に実行できる。従って、比重計を設ける必要や電流積算に伴う累積誤差の発生を無くすことができると共に、SOCの値をリセットする機会を確保でき信頼性の高いSOC維持管理を実現可能になる。加えて、SOCの値が上限SOC又は下限SOCに至ったことを検出する際、SOCの値を検出する必要はなく、電池の電圧及び電流と電圧電流特性との照合を行うのみでよいから、処理負担も軽い。
【0026】また、電池のSOCが上限SOCまで上昇したこと及び下限SOCまで下降したことのうち一方のみを電圧電流特性を利用して精細に検出し残りは電池の電流の積算値に基づき検出することにより、電流積算にてSOCを検出していた従来の装置又はそのソフトウエアの部分転用が可能になる。また、これにより、電池の電圧電流特性とSOCとの相関関係が、充電時及び放電時のいずれか一方にて良好となり(強くなり)他方ではさほど良好でない性質を有する電池にも、本発明を適用可能になる。
【0027】
【補遺】本願でいう電力源の“ON/OFF”は、電力源の発電出力を最大にし又は0にする、という意味に限定解釈されるべきものではない;即ち、各図中に付記した通り、電池が充電傾向又は放電傾向を十分に示し得る程度に電力源の発電出力を増大させ又は低減させる“UP/DOWN”を含む概念である。これは、当業者にとっては自明のことであろう。更に、特開昭57−202842号でも電力源の発電出力をON/OFFしているけれども、当該ON/OFFは電池の電圧の高低に応じて行われている。一般に、電池の電圧の高低のみからは(例えば定電流充放電等の付加的な条件が成立していない限り)電池のSOCを知ることはできないから、上記公報に記載の電力源ON/OFF制御は、本発明におけるSOCに応じた電力源ON/OFF制御とは、本質的に異なるものである。
【0028】また、実施形態の欄では、電池の負荷として車両走行用のモータ(SHVの実施形態)及びモータ兼用発電機(PHVの実施形態)を例示した。しかしながら、空調装置等のように比較的大電力を消費する車載補機は、電池から直接に電力供給を受け、又はDC/DCコンバータ及び補機電池を介して間接的に電力供給を受け、あるいは電池により駆動されるモータから機械動力の供給を受けて、動作する。従って、本発明における電池の負荷には、この種の補機も含まれ得る。
【0029】更に、実施形態の欄では、電池と並設されている第2の電力源として、エンジン駆動発電機等の電力源(SHVの実施形態)及びモータ兼用発電機(PHVの実施形態)を例示した。しかしながら、PHVの実施形態におけるモータ兼用発電機をモータと発電機とに分離させることも可能であり、その場合、当該モータは電池の負荷、発電機は第2の電力源に相当する。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成8年7月30日(1996.7.30)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−292502(P2001−292502A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2001−66082(P2001−66082)