| 【発明の名称】 |
速度起電力位相選択装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古賀 俊作
【氏名】北野 淳一
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| 【要約】 |
【課題】3重き電方式のリニアシンクロナスモータ式車両の制御装置において、各き電系統ごとに生成される速度起電力位相のうち、常に安定した速度起電力位相を選択して用いることを目的とする。
【解決手段】走行中の車両75の左右両側に位置する走行セクションのうちいずれか一方の走行セクションが次のセクションに移行するセクション渡り時であって、しかも、車両中心部が、進出しようとするセクションと進入しようとするセクションとの境界に来たときに、進入先のセクションにおける速度起電力位相を選択する。ただし、例えばA系変換器の異常によりA系速度起電力位相を選択できないときは、A系セクションに進入してもA系速度起電力位相を選択せず、進入前に選択していた速度起電力位相を引き続き選択する。これにより、セクション渡り時であっても常に安定した速度起電力位相を得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の推進コイルが接続されて構成される所定の長さのコイルセクションが、軌道上の車両進行方向に沿って左右両側に千鳥状にずらした状態で配置され、複数の界磁コイル群が、前記推進コイルに対向するように車両の両側且つその長さ方向に所定の間隔で搭載され、第一電力変換手段、第二電力変換手段、第三電力変換手段の三系統の電力変換手段が、前記各コイルセクションと、前記第一電力変換手段、前記第二電力変換手段、前記第三電力変換手段の順で前記各コイルセクションの千鳥配置順に電気的に接続されることにより、前記各コイルセクションには、前記三系統の電力変換手段のうち当該コイルセクションに電気的に接続されたいずれか一つの電力変換手段から出力電圧が出力され、速度起電力位相生成手段が、前記各コイルセクションのうち走行中の車両の右側に位置する右側走行セクション及び走行中の車両の左側に位置する左側走行セクションにそれぞれ誘起される速度起電力を推定し、その推定された各走行セクションの速度起電力に基づいて、前記各走行セクション毎に、車両位置を表す信号として、前記コイルセクションに対する前記界磁コイルの相対的位置を電気角で表した速度起電力位相を生成し、前記三系統の電力変換手段は、少なくとも前記各走行セクションと電気的に接続されているときに、前記速度起電力位相生成手段により前記各走行セクション毎に生成された前記各速度起電力位相のうちいずれか一つと、速度制御部から出力される電流指令値とに基づいて、前記各走行セクションに前記出力電圧を出力することにより前記車両を推進させる、リニアシンクロナスモータ式車両の制御装置において、前記速度起電力位相生成手段にて生成された前記各走行セクションにおける速度起電力位相のうち、いずれか一つを選択して前記各電力変換手段に出力する速度起電力位相選択装置であって、軌道上における前記車両の位置を検出する車両位置検出手段と、前記車両位置検出手段の検出結果に基づいて、前記車両の全長における中心部が、前記右側走行セクション又は前記左側走行セクションのうち先に進出しようとしている進出セクションと、当該進出セクションに車両進行方向に隣接する次の進入セクションとの境界に来たか否かを判定し、前記境界に来たと判定されたときに、前記進入セクションにおける速度起電力位相を選択して前記各電力変換手段に出力する速度起電力位相選択手段とを備えたことを特徴とする速度起電力位相選択装置。 【請求項2】 前記三系統の電力変換手段から前記出力電圧が正常に出力されているか否かを判断する電力変換異常判定手段を備え、前記速度起電力位相選択手段は、前記電力変換異常判定手段によって、前記進入セクションと電気的に接続されている電力変換手段から前記出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、当該進入セクションにおける速度起電力位相を選択しないことを特徴とする請求項1記載の速度起電力位相選択装置。 【請求項3】 前記三系統の電力変換手段から前記出力電圧が正常に出力されているか否かを判断する電力変換異常判定手段を備え、前記速度起電力位相選択手段は、前記電力変換異常判定手段によって、前記進出セクションと電気的に接続されている電力変換手段から前記出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、前記進入セクションにおける速度起電力位相を選択せず、且つ、前記電力変換異常判定手段によって、前記進入セクションと電気的に接続されている電力変換手段から前記出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、当該進入セクションにおける速度起電力位相を選択する代わりに当該進入セクションと対向するコイルセクションにおける速度起電力位相を選択することを特徴とする請求項1記載の速度起電力位相選択装置。 【請求項4】 複数の推進コイルが接続されて構成される所定の長さのコイルセクションが、軌道上の車両進行方向に沿って左右両側に千鳥状にずらした状態で配置され、複数の界磁コイル群が、前記推進コイルに対向するように車両の両側且つその長さ方向に所定の間隔で搭載され、第一電力変換手段、第二電力変換手段、第三電力変換手段の三系統の電力変換手段が、前記各コイルセクションと、前記第一電力変換手段、前記第二電力変換手段、前記第三電力変換手段の順で前記各コイルセクションの千鳥配置順に電気的に接続されることにより、前記各コイルセクションには、前記三系統の電力変換手段のうち当該コイルセクションに電気的に接続されたいずれか一つの電力変換手段から出力電圧が出力され、速度起電力位相生成手段が、前記各コイルセクションのうち走行中の車両の右側に位置する右側走行セクション及び走行中の車両の左側に位置する左側走行セクションにそれぞれ誘起される速度起電力を推定し、その推定された各走行セクションの速度起電力に基づいて、前記各走行セクション毎に、車両位置を表す信号として、前記コイルセクションに対する前記界磁コイルの相対的位置を電気角で表した速度起電力位相を生成し、前記三系統の電力変換手段は、少なくとも前記各走行セクションと電気的に接続されているときに、前記速度起電力位相生成手段により前記各走行セクション毎に生成された前記各速度起電力位相のうちいずれか一つと、速度制御部から出力される電流指令値とに基づいて、前記各走行セクションに前記出力電圧を出力することにより前記車両を推進させる、リニアシンクロナスモータ式車両の制御装置において、前記速度起電力位相生成手段にて生成された前記各走行セクションにおける速度起電力位相のうち、いずれか一つを選択して前記各電力変換手段に出力する速度起電力位相選択装置であって、軌道上における前記車両の位置を検出する車両位置検出手段と、前記車両位置検出手段の検出結果に基づいて、前記車両が、前記各走行セクションのうちいずれか一方の走行セクションに完全に進入したか否かを判定し、完全に進入したと判定されたときに、当該走行セクションにおける速度起電力位相を選択して前記各電力変換手段に出力する速度起電力位相選択手段とを備えたことを特徴とする速度起電力位相選択装置。 【請求項5】 前記速度起電力位相選択手段は、前記車両位置検出手段の検出結果に基づいて、前記車両の全長における中心部が、前記走行セクションの先端部から中心部までの間における中心位置に来たときに、前記車両が当該走行セクションに進入したと判定して当該走行セクションにおける速度起電力位相を選択し、前記各電力変換手段に出力するすることを特徴とする請求項4記載の速度起電力位相選択装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、3重き電方式のリニアシンクロナスモータ式車両の制御装置に関し、特に、車両位置を示す信号として速度起電力位相を用いる場合に、各き電系統ごとに生成される速度起電力位相のうちいずれか一つを選択する速度起電力位相選択装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両側に搭載した超電導磁石を界磁とし、地上の軌道上に回転形モータの電機子にあたる推進コイルを配置したリニアシンクロナスモータ(以下「LSM」と称す)を動力として浮上しながら高速走行するLSM式車両は、従来の車輪とレールによる走行に代わる次世代超高速交通機関として、実用化に向けての開発や実験が進められている。LSMに電力を供給してLSM式車両を推進させるために、種々のき電方式が考えられているが、既に建設され試験走行等が行われている超電導磁気浮上式LSM式車両の実験線(山梨リニア実験線)では、図7に示すような3重き電方式が採用されている。以下、3重き電方式についてその概要を説明する。 【0003】図7(a)に示すように、3重き電方式によるき電システムは、電力変換器71、き電線72、き電区分開閉装置73、推進コイル装置74とで構成される。車両75の両側に構成される推進コイル装置74は、複数の推進コイルを有する一定長のセクション74A1、74B1、74C1、・・・が、車両75の進行方向に沿って左右両側に千鳥状に1/2ずつずらした状態で配置されて構成されている。また、各セクションは、図7(b)に示すように、U相、V相、W相の三相の各推進コイルを一組とする推進コイル群が車両進行方向に複数連なって配置されており、これらの推進コイル群に電力変換器71から三相交流を供給することで、移動磁界を発生させる。 【0004】電力変換器71は、A系変換器71A、B系変換器71B、C系変換器71Cの三系統の変換器を有し、電力変換器71から各セクションへ電力を供給するためのき電線72も、電力変換器71が有する各変換器71A、71B、71Cに対応して3系統敷設されている。電力変換器71と推進コイル装置74とは、き電線72及びき電区分開閉装置73を介して電気的に接続されており、より詳細には、各変換器71A、71B、71Cが、A系変換器71A、B系変換器71B、C系変換器71Cの順で各セクション74A1、74B1、74C1、・・・の千鳥配置順に順次接続されている(以降、各変換器71A、71B、71Cと接続されるセクションをそれぞれA系セクション、B系セクション、C系セクションと称す)。そして、き電区分開閉装置73を構成する複数のき電区分開閉器73A1、73B1、73C1、・・・を個々に開閉制御することにより、車両75が走行している近傍3系のセクションのみに電力を供給するようにしている。 【0005】例えば、車両75が図7(a)に示す位置を右方向に走行しているときは、三つのき電区分開閉器73C1、73A2及び73B2を投入して、セクション74C1にはC系変換器71Cから、セクション74A2にはA系変換器71Aから、セクション74B2にはB系変換器71Bから、それぞれ電力供給を行う。そして、車両75がセクション74B2の区間に移ったときは、き電区分開閉器73C2を投入してき電区分開閉器73C1を開くことにより、セクション74C1への電力供給をやめ、セクション74C2への電力供給を開始する。 【0006】上記の3重き電方式では、電力変換器71が有する三系統の変換器のうちいずれか一系統がダウンしてその変換器から電力供給ができなくなったとしても、残り二系統の変換器で走行することが可能であり、しかも、車両75が存在する近傍3系のセクションのみに電力を供給することにより列車が存在しないセクションにまで電力を供給してしまうような無駄を省くことができるため、信頼度が高く且つ消費電力をできる限り低減したき電システムを構築することができる。 【0007】車両75は、車両75の両側に搭載された超電導磁石によって発生する磁界と、電力変換器71から出力される三相の出力電圧によって各セクションの推進コイルに発生する磁界との相互作用により、推進力を得て駆動される。LSM式車両の駆動制御においては、車両75に搭載された超電導磁石と同期をとって車両位置に応じた適切な電流を推進コイル装置74に流すために、車両位置を検知してこれを電力変換器71へ出力する。そのため、車両位置を常に正確に検知する必要がある。 【0008】車両位置を検知する方法としては、軌道上の全線に渡って敷設した交差誘導線から車両位置信号として位置検知位相を得る方法があるが、この方法では軌道上の全線に渡って高精度に交差誘導線を敷設し、維持管理する必要があり、車両位置を検知するための設備の施工及び保守に多大な労力・コストが必要となる。 【0009】そこで、交差誘導線のような地上設備を設けることなく車両位置を検知する方法として、車両75の走行により各セクション(厳密に言えば各セクションの各推進コイル)に誘起される起電力(以下「速度起電力」と称す)を推定し、この推定値から車両位置を示す位相(以下「速度起電力位相」と称す)を得ることが考えられている。尚、位置検知位相及び速度起電力位相はいずれも、一つの推進コイル群の長さ(ここでは2.7m)を電気角の一周期(360度)として定めたものである。 【0010】速度起電力の推定は、例えば現代制御理論のオブザーバ理論によって行うことができ、得られた速度起電力の推定値の各成分(例えばdq座標系における推定値の場合、d軸成分とq軸成分)の比から、速度起電力位相を生成することができる。この速度起電力位相を位置検知位相の代わりに車両位置信号として用いることにより、交差誘導線などの地上設備が不要となるため、車両位置を検知する最も有効な方法の一つとして、実用化に向けた各種試験等が行われている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】速度起電力は、走行中の車両の両側に位置する全てのセクションに誘起されるものであるため、速度起電力位相も、これらの速度起電力の推定値に基づいて、速度起電力が誘起される各セクションごとに生成される。 【0012】例えば、車両75が図7(a)に示す位置を右方向に走行しているときには、セクション74C1及びセクション74A2に速度起電力が誘起されるため、これらの速度起電力の推定値に基づいて、各セクションごとにそれぞれ速度起電力位相が生成される。また、車両75がセクション74B2に進入しはじめたとき(換言すれば、車両75に搭載されている超電導磁石による磁束が、セクション74B2を構成する推進コイルと鎖交しはじめたとき)は、セクション74B2にも速度起電力が誘起されるため、このときは、セクション74C1、セクション74A2、セクション74B2の三つのセクションにおいてそれぞれ速度起電力位相が生成されることになる。 【0013】このように、車両75の位置に応じて速度起電力位相は複数生成されるものの、LSM式車両の駆動制御を行うにあたっては、いずれか一つの速度起電力位相のみを車両位置信号として用いる。このとき、どの速度起電力位相を用いて駆動制御を行うかが、大きな問題となる。例えば、上記のように車両75がセクション74B2に進入しはじめたばかりのときは、セクション74C1、74A2、74B2の三つのセクションにおいて速度起電力位相が生成されるものの、車両75の超電導磁石はセクション74B2に徐々に進入していくため、セクション74B2に誘起される速度起電力も、超電導磁石の進入に応じて段階的に増加していく。逆に、超電導磁石はセクション74C1からは徐々に進出していくことになるため、セクション74C1に誘起される速度起電力は、超電導磁石の進出に応じて段階的に減少していく。 【0014】そのため、車両75がセクション74B2に進入し始めたばかりのとき、又はセクション74C1からの進出がほとんど終わろうとしているときは、これらのセクションにて誘起される速度起電力は非常に小さいため、この速度起電力に基づいて生成される速度起電力位相も不安定になるおそれがある。従って、車両走行によって複数生成される速度起電力位相の中から最も安定した速度起電力位相を選択し、選択した速度起電力位相を車両位置信号としてLSM式車両の駆動制御で用いる必要がある。 【0015】本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、3重き電方式のリニアシンクロナスモータ式車両の制御装置において車両位置を示す信号として速度起電力位相を用いる場合に、各き電系統ごとに生成される速度起電力位相のうち、車両位置に応じて、安定した速度起電力位相を選択して用いることを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題を解決するためになされた請求項1記載の速度起電力位相選択装置は、複数の推進コイルが接続されて構成される所定の長さのコイルセクションが、軌道上の車両進行方向に沿って左右両側に千鳥状にずらした状態で配置され、複数の界磁コイル群が、推進コイルに対向するように車両の両側且つその長さ方向に所定の間隔で搭載され、速度起電力位相生成手段が、各コイルセクションのうち走行中の車両の左右両側に位置する各走行セクション(右側走行セクション、左側走行セクション)にそれぞれ誘起される速度起電力を推定し、その推定された各走行セクションの速度起電力に基づいて、各走行セクション毎に、車両位置を表す信号として、コイルセクションに対する界磁コイルの相対的位置を電気角で表した速度起電力位相を生成し、走行セクション毎に生成された各速度起電力位相のうちいずれか一つと、速度制御部から出力される電流指令値とに基づいて、電力変換手段が、少なくとも走行中の車両の左右両側に位置する走行セクションに出力電圧を出力することにより車両を推進させる、リニアシンクロナスモータ(LSM)式車両の制御装置において、速度起電力位相生成手段にて生成された各走行セクションにおける各速度起電力位相のうち、いずれか一つを選択して電力変換手段に出力するためのものであり、軌道上における車両の位置を車両位置検出手段によって検出し、その検出結果に基づいて、速度起電力位相選択手段が、車両の全長における中心部が右側走行セクション又は左側走行セクションのいずれか一方の走行セクションのうち先に進出しようとしている進出セクションと、当該進出セクションに車両進行方向に隣接する次の進入セクションとの境界に来たか否かを判定し、境界に来たと判定されたときに、進入セクションにおける速度起電力位相を選択して電力変換手段に出力する。 【0017】各コイルセクションへの電力供給は、三系統の電力変換手段によるいわゆる3重き電方式にて行われる。具体的には、第一電力変換手段、第二電力変換手段、第三電力変換手段の三系統の電力変換手段が、各コイルセクションと、第一電力変換手段、第二電力変換手段、第三電力変換手段の順で各コイルセクションの千鳥配置順に電気的に接続され、三系統の電力変換手段は、少なくとも走行中の車両の両側に位置する走行セクションと電気的に接続されているときに、各走行セクションに出力電圧を出力する。 【0018】そして、本発明の速度起電力位相選択装置では、車両の全長における中心部(以下「編成中心部」と称す)が進出セクションと進入セクションとの境界(以下、「セクション境界」と称す)に来たときに、速度起電力位相選択手段が、当該進入セクションにおける速度起電力位相を選択してその選択した速度起電力位相を各電力変換手段に出力する。LSM式車両では、上記のように複数の界磁コイル群が車両の長さ方向に所定の間隔で搭載されるため、編成中心部がセクション境界に来たときは、車両に搭載された複数の界磁コイル群のうちほぼ半分は進出セクション側に位置し、残り半分は進入セクション側に位置することになる。そのため、進出セクション及び進入セクションには共に速度起電力が確実に誘起され、このときはどちらのセクションにおける速度起電力位相を選択しても、安定した速度起電力位相を選択できることになる。このように走行セクションが移り変わろうとする(これを「セクション渡り」と称す)ときでも、速度起電力位相を確実に得ることができる。 【0019】従って、本発明の速度起電力位相選択装置によれば、編成中心部がセクション境界に来たときに、進入セクションの速度起電力位相を選択するため、セクション渡り時でも、安定した速度起電力位相を選択して用いることができる。ここで、速度起電力位相生成手段にてなされる速度起電力の推定は、例えば電力変換手段から出力される出力電圧の値や、その出力電圧の出力によりコイルセクションに流れるコイル電流などに基づいて行うことができる。この場合、各電力変換手段から出力電圧が正常に出力されていないと、速度起電力を正確に推定することができない。つまり、例えばいずれか一系統の電力変換手段が異常で出力電圧を正常に出力できないときは、当該電力変換手段から電力供給を受けるコイルセクションにおける速度起電力位相は生成することができないことになる。 【0020】そこで、本発明の速度起電力位相選択装置は、請求項2に記載したように、三系統の電力変換手段から出力電圧が正常に出力されているか否かを判断する電力変換異常判定手段を備え、速度起電力位相選択手段は、電力変換異常判定手段によって、進入セクションと電気的に接続されている電力変換手段から出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、当該進入セクションにおける速度起電力位相を選択しないようにするとよい。 【0021】このようにすれば、仮にいずれか一系統の電力変換手段に異常が生じてその電力変換手段から出力電圧が正常に出力されていない場合は、その異常を電力変換異常判定手段によって検出できる。そして、速度起電力位相選択手段により、電力変換異常判定手段における判定結果に基づいて、異常が検出された電力変換手段から電力供給を受けるコイルセクションにおける速度起電力位相を選択しないようにすることができる。 【0022】従って、上記の速度起電力位相選択装置によれば、進入セクションに異常が生じている場合は、そのコイルセクションにおける速度起電力位相を選択しないため、いずれか一系統の電力変換手段が異常であっても、安定した速度起電力位相を得ることができる。 【0023】また、例えば請求項3に記載したように、三系統の電力変換手段から出力電圧が正常に出力されているか否かを判断する電力変換異常判定手段を備え、速度起電力位相選択手段は、電力変換異常判定手段によって、進出セクションと電気的に接続されている電力変換手段から出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、進入セクションにおける速度起電力位相を選択せず、且つ、電力変換異常判定手段によって、進入セクションと電気的に接続されている電力変換手段から出力電圧が正常に出力されていないと判断された場合には、当該進入セクションにおける速度起電力位相を選択する代わりに当該進入セクションと対向するコイルセクションにおける速度起電力位相を選択するようにしてもよく、この場合も、請求項2記載の速度起電力位相選択装置と同様の作用・効果を奏する。 【0024】ところで、上記の速度起電力位相選択装置では、編成中心部がセクション境界に来たときに速度起電力位相の選択先を切り換えることで、常に安定した速度起電力位相を得ることを可能にしたが、一般に、各コイルセクションを構成する推進コイルに鎖交する界磁コイル群の磁束の量が多いほど、速度起電力は大きくなる。そのため、セクション渡り時のような、車両片側の界磁コイル群がすべて同一のコイルセクションと対向しないときには、当然ながら、全て同一のコイルセクションと対向するときに比べて、誘起される速度起電力は小さくなる。また、セクション渡り時は、進出しようとするセクションと対向する界磁コイル群が徐々に減り、逆に進入しようとするセクションと対向する界磁コイル群は徐々に増えていくため、速度起電力の大きさも徐々に変化していくことになる。 【0025】そこで、請求項4記載の速度起電力位相選択装置は、複数の推進コイルが接続されて構成される所定の長さのコイルセクションが、軌道上の車両進行方向に沿って左右両側に千鳥状にずらした状態で配置され、複数の界磁コイル群が、推進コイルに対向するように車両の両側且つその長さ方向に所定の間隔で搭載され、速度起電力位相生成手段が、各コイルセクションのうち走行中の車両の左右両側に位置する各走行セクション(右側走行セクション、左側走行セクション)にそれぞれ誘起される速度起電力を推定し、その推定された各走行セクションの速度起電力に基づいて、各走行セクション毎に、車両位置を表す信号として、コイルセクションに対する界磁コイルの相対的位置を電気角で表した速度起電力位相を生成し、走行セクション毎に生成された各速度起電力位相のうちいずれか一つと、速度制御部から出力される電流指令値とに基づいて、電力変換手段が、少なくとも走行中の車両の左右両側に位置する走行セクションに出力電圧を出力することにより車両を推進させる、リニアシンクロナスモータ(LSM)式車両の制御装置において、速度起電力位相生成手段にて生成された各走行セクションにおける速度起電力位相のうち、いずれか一つを選択して各電力変換手段に出力するためのものであり、車両位置検出手段が軌道上における車両の位置を検出し、その検出結果に基づいて、速度起電力位相選択手段が、車両が右側走行セクション又は左側走行セクションのうちいずれか一方の走行セクションに完全に進入したか否かを判定し、完全に進入したと判定されたときに、当該走行セクションにおける速度起電力位相を選択して前記各電力変換手段に出力する。 【0026】つまり、請求項1〜3いずれかに記載した速度起電力位相選択装置のように、セクション渡り時に速度起電力位相の選択先を切り換えるのではなく、車両が新たな走行セクションに完全に進入したときに、速度起電力位相の選択先を切り換えるものである。 【0027】従って、上記の速度起電力位相選択装置によれば、車両が新たな走行セクションに完全に進入してから当該走行セクションにおける速度起電力位相を選択するため、安定した速度起電力位相を確実に得ることができる。上記のように、車両が新たな走行セクションに完全に進入した状態でその走行セクションにおける速度起電力位相に切り換えることにより、安定した速度起電力位相を確実に得ることができるものの、既述のようにセクション渡り時には速度起電力の大きさは徐々に変化するため、新たな走行セクションに完全に進入した直後はまだ、その走行セクションにおける速度起電力は変化の過渡期にある。そこで、完全に進入した直後に進入セクションにおける速度起電力位相に切り換えるのではなく、例えば請求項5に記載したように、進入セクションの先端部から中心部までの間における中心位置に来たときに、その進入セクションにおける速度起電力位相に切り換えるようにするとより好ましい。このようにすれば、常に走行セクションの中心部付近における安定した速度起電力位相を選択することになるため、より安定した速度起電力位相を確実に得ることができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたLSM式車両の制御システムの概略構成を示す説明図である。この制御システムは、主として駆動制御部1、入力位相切換器2、位置検知装置3、交差誘導線4、電力変換器71、き電線72、き電区分開閉装置73、推進コイル装置74とから構成されている。 【0029】駆動制御部1は、電力変換器71が推進コイル装置74へ所望の出力電圧を出力するために必要となる電流指令値I*、車両角速度ω、位相基準θ*を、電力変換器71に出力するものである。具体的には、PI制御系で構成された速度制御部13において、速度指令値v*と速度(車両速度)vとの速度偏差を比例・積分演算することにより電流指令値I*を演算し出力する。速度vは、位相同期制御部14にて演算され、出力される。位相同期制御部14は、所定時間の周期(本実施形態では5msec.)で、位相選択部11により選択された速度起電力位相或いは位置検知装置3から出力される位置検知位相θpのいずれか一方を、入力位相切換器2を介して車両位置を示す位相信号として取り込み、この位相信号と現在出力している位相基準θ*との位相偏差から補償演算を行い、車両速度v及び車両角速度ωを演算する。そして、この車両角速度ωをさらに積分演算することにより、位相基準θ*が出力される。この位相基準θ*は、所定周期(本実施形態では200μsec.)に補間して電力変換器71へ出力される。尚、位相同期制御部14では、軌道上の車両位置も演算され、位相選択部11へ出力される。 【0030】位相選択部11は、電力変換器71から入力されるA系速度起電力位相θea、B系速度起電力位相θeb、C系速度起電力位相θecのうちいずれか一つを車両位置に応じた所定の選択条件により選択して入力位相切換器2へ出力する。A系速度起電力位相θea、B系速度起電力位相θeb、C系速度起電力位相θecは、後述するように、それぞれA系変換器71A、B系変換器71B、C系変換器71Cにて生成される。 【0031】また、変換器異常判定部12では、電力変換器71が有する各変換器71A、71B、71Cが正常であるか否かを判定し、いずれかの変換器が異常である場合は、その旨の判定信号を位相選択部11へ出力する。そして、位相選択部11では、変換器異常判定部12からの判定信号に基づき、異常と判定された系の変換器にて生成された速度起電力位相を選択しないようにする。 【0032】入力位相切換器2は、位相同期制御部14に入力される位相信号として、位相選択部11にて選択された速度起電力位相又は位置検知装置3にて生成された位置検知位相θpのいずれか一方のみを選択するためのものである。交差誘導線4は軌道上の全線に渡って敷設され、車両75から交差誘導線4へ信号(電波)を発信することにより交差誘導線4に生じる正弦波状の信号を、位置検知装置3にて信号処理して位置検知位相θpを得ている。これにより、非常に正確な位置検知を行うことができる。 【0033】電力変換器71、き電線72、き電区分開閉装置73、推進コイル装置74は、いずれも図7で説明したものと同様の構成であるため、これらについては図7と同じ符号を付し、その説明を省略するが、ここで、電力変換器71を構成する三系統の変換器の詳細について、図2に基づいて説明する。図2は、A系変換器71Aの概略構成を示すブロック図である。 【0034】A系変換器71Aでは、まず推進コイルを流れるコイル電流I(Iu、Iv、Iw)を電流検出器28により検出し、三相/d−q変換器21によりdq0回転座標系における電流Id、Iq、I0に変換する。そして、電流制御部24にて、この電流Id、Iq、I0と速度制御部13から出力された電流指令値I*との電流偏差に対し、一次のPI制御により電圧指令演算値Vd、Vq、V0を算出して出力する。 【0035】一方、現在出力されている出力電圧VA (Vu、Vv、Vw)も三相/d−q変換器22によりdq0回転座標系における電圧Vd、Vq、V0に変換され、この電圧Vd、Vq、V0と、電流Id、Iq、I0と、車両角速度ωとに基づいて、速度起電力オブザーバ25が、現代制御理論のオブザーバ理論により速度起電力推定値Zd、Zq、Z0を演算して出力する。 【0036】この速度起電力推定値Zd、Zq、Z0と、電流制御部24から出力される電圧指令演算値Vd、Vq、V0とを加減算器26にて加算することにより、dq軸電圧指令値V*d、V*q、V*0を得る。そして、このV*d、V*q、V*0をd−q/三相変換器23により三相交流座標系における電圧Vu、Vv、Vwに変換し、この電圧Vu、Vv、Vwを電圧指令値としてインバータ29へ出力する。 【0037】電流制御部24では、電流指令値I*(I*d、I*q)とコイル電流I(Id、Iq)との電流偏差を算出し、算出した電流偏差の比例・積分演算が行われるが、推進コイル装置74やき電線72の抵抗値、インダクタンス値による電圧降下分も演算され、この電圧降下分を補償することにより、電圧指令演算値Vd、VqV0を得ている。尚、抵抗値やインダクタンス値は、各セクション固有の値であり、車両75が走行するセクションが変わる毎に、これらの値も変化する。また、インダクタンス値による電圧降下分を算出するために車両角速度ωも入力される。 【0038】速度起電力位相生成部27では、まず、速度起電力オブザーバ25にて推定された速度起電力推定値Zd、Zqに基づき、速度起電力位相補正量演算器27aにて、速度起電力位相補正量を演算する。そして、この速度起電力位相補正量と、現在出力されている位相基準θ*とが、加減算器27bにて加算されることにより、A系速度起電力位相θeaが演算される。このA系速度起電力位相θeaが、位相選択部11へ入力される。 【0039】B系変換器71B及びC系変換器71Cについても、A系変換器71Aと全く同様にして、B系変換器71BからはB系速度起電力位相θebが、C系変換器71CからはC系速度起電力位相θecがそれぞれ出力される。尚、B系変換器71B及びC系変換器71Cの構成については、上記のA系変換器71Aの構成(図2参照)と全く同じであるため、ここではその説明を省略する。 【0040】各系の変換器71A、71B、71Cから出力される出力電圧VA 、VB 、VC が、き電区分開閉装置73を介して、車両75が走行する近傍3系のセクションにのみ出力されることは、従来技術で既に説明したとおりである。また、電力変換器71の各変換器71A、71B、71Cから出力される各出力電圧VA 、VB 、VC (いずれも三相電圧)は、変換器異常判定部12にも入力される。そして、各出力電圧値に基づいて、各系の変換器が正常であるか否かが判断され、判断結果は位相選択部11へ入力される。 【0041】車両75は、図1(b)に示すように、3両編成で構成され、車両両側には、界磁コイル群75aが所定の間隔で搭載されている。以上説明したLSM式車両の制御システムでは、位相同期制御部14へ入力する位相信号として位相選択部11にて選択した速度起電力位相を用いるか位置検知位相θpを用いるかを、入力位相切換器2にて切換え選択して使用する。 【0042】速度起電力位相を用いる場合、電力変換器71の各系の変換器71A、71B、71Cからそれぞれ各変換器毎にA系速度起電力位相θea、B系速度起電力位相θeb、C系速度起電力位相θecがそれぞれ出力されるが、このうちのいずれか一つを、位相選択部11にて選択する。この選択は、後述するように、車両位置に応じて行われ、電力変換器71においていずれか一系統の変換器に異常が生じたことが変換器異常判定部12で検出された場合は、その判定信号に基づいて、位相選択部11では、異常が生じた変換器にて生成される速度起電力位相を選択しないようにしている。 【0043】このようにして選択された速度起電力位相或いは位置検知位相θpのいずれか一方は、位相同期制御部14を介して安定化された後、位相基準θ*として電力変換器71へ出力される。尚、位相信号として位相同期制御部14に入力される速度起電力位相或いは位置検知位相θpは、それ自身が既に車両位置を位相として表したものであるため、位相同期制御部14を介さずにそのまま位相基準θ*として用いることができるが、定常偏差をなくし、より安定した位相基準θ*を得るために、位相同期制御部14にてこれらの入力位相を安定化させた上で、位相基準θ*として出力するようにしている。 【0044】次に、位相選択部11にて速度起電力位相を選択する場合に、車両75が走行する位置に応じてどの速度起電力位相が選択されるかについて、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、電力変換器71が正常のときの速度起電力位相選択パターンであり、図4は、A系変換器71Aが異常のときの速度起電力位相選択パターンである。いずれの図においても、車両75は、右方向に走行しているものとする。 【0045】図3に示すように、電力変換器71における三系統の変換器71A、71B、71Cがいずれも正常であるときは、走行中の車両75の左右両側に位置する走行セクション(右側走行セクション、左側走行セクション)のうちいずれか一方の走行セクションが次のセクションに移行するセクション渡り時に、進入先のセクション(進入セクション)における速度起電力位相が位相選択部11によって選択される。尚、図3において、「速度起電力位相選択系」に示したA、B、Cは、それぞれA系速度起電力位相θea、B系速度起電力位相θeb、C系速度起電力位相θecを選択することを示し、各系の「変換器出力」に示した○印は、各変換器から当該変換器の系のセクションへ(例えばA系変換器からはA系セクションへ)出力電圧が正常に出力されていることを示している(以下、図4〜図6においても同様)。 【0046】より詳細には、車両中心部(図1(b)参照)が進出しようとするセクション(進出セクション)と進入セクションとの境界(セクション境界)に来たときに、進入セクションにおける速度起電力位相が選択される。例えば、車両75が図3に示す位置を走行しているとき、即ち、車両75がセクション74B1の領域から進出してセクション74A2の領域に進入しようとしているときに、車両75の先頭がセクション74A2の領域に入ったばかりの時はまだ、B系セクションであるセクション74B1における速度起電力位相(B系速度起電力位相θeb)を選択しているが、車両中心部がセクション74B1とセクション74A2との境界に来たときに、セクション74A2における速度起電力位相(A系速度起電力位相θea)を選択する。 【0047】一方、A系変換器71Aに異常が発生してA系速度起電力位相θeaが正確に得られなくなったときは、図4に示すように、A系変換器71Aから電力供給を受けるセクション(A系セクション)に車両75が進入してもそのセクションにおける速度起電力位相(A系速度起電力位相θea)を選択しない。例えば、車両75が図4に示す位置(図3における車両75の位置と同じ)を走行しているとき、車両中心部がセクション74B1とセクション74A2との境界に来ても、A系速度起電力位相θeaを選択せず、引き続きC系速度起電力位相θecを選択する。尚、図4において、「A系変換器出力」に示した×印は、A系変換器71AからA系セクションへ出力電圧が正常に出力されていないことを示している(以下、図5においても同様)。 【0048】従って、本実施形態のLSM式車両の制御システムによれば、車両中心部がセクション境界に来たときに、進入セクションにおける速度起電力位相を選択するため、セクション渡り時でも、安定した速度起電力位相を選択して用いることができる。しかも、進入セクションに異常が生じている場合は、そのセクションにおける速度起電力位相を選択しないため、いずれか一系統の変換器が異常であっても、安定した速度起電力位相を得ることができる。 【0049】ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、一定長のセクション74A1、74B1、74C1、・・・は本発明のコイルセクションに相当し、各変換器71A、71B、71Cはそれぞれ本発明の第一電力変換手段、第二電力変換手段、第三電力変換手段に相当し、速度起電力位相生成部27は本発明の速度起電力位相生成手段に相当し、位相同期制御部14は本発明の車両位置検出手段に相当し、位相選択部11は本発明の速度起電力位相選択手段に相当し、変換器異常判定部12は本発明の電力変換異常判定手段に相当する。 【0050】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、車両がセクションを渡る毎に、進入先のセクションにおける速度起電力位相に切り換えることにしたが、車両75の左右両側のセクションのうちいずれか片側のセクションのみに着目し、その片側のセクションが代わる毎に、新たな進入セクションにおける速度起電力位相を選択するようにしてもよい。 【0051】また、いずれか一系統の変換器が異常の時、図4に示した速度起電力位相の選択方法に限らず、例えば図5に示すように、進出しようとしているセクションと電気的に接続されている変換器が異常の場合には、進入先のセクションにおける速度起電力位相に切り換えず、且つ、進入しようとしているセクションと電気的に接続されている変換器が異常の場合には、進入先のセクションにおける速度起電力位相を選択する代わりにその進入先のセクションと対向するセクションにおける速度起電力位相を選択するようにしてもよい。具体的には、例えば車両75が図5に示す位置を走行しているとき、車両中心部がセクション74A1とセクション74C1との境界に来ても、C系速度起電力位相θecを選択せず、引き続きB系速度起電力位相θebを選択する。そして、車両中心部がセクション74B1とセクション74A2との境界に来たときは、セクション74A2における速度起電力位相を選択する代わりに、対向するセクション74C1における速度起電力位相(C系速度起電力位相θec)を選択する。 【0052】さらに、セクション渡り時に速度起電力位相の選択先の切換を行わず、例えば図6に示すように、車両75の走行に伴って、各セクションの中心領域に来たときに、そのセクションにおける速度起電力位相を選択するようにしてもよい。このようにすれば、車両が新たな走行セクションに完全に進入し、しかもそのセクションの中心に向かってある程度走行したときに、当該走行セクションにおける速度起電力位相に切り換えるため、より安定した速度起電力位相を確実に得ることができる。尚、ここでいう中心領域とは、セクション全長を4等分したうち、両端の1/4をそれぞれ除いた部分をいう。 【0053】更にまた、変換器異常判定部12にてなされる、電力変換器71が異常であるか否かの判定は、各変換器71A、71B、71Cからの出力電圧に基づいて判定するのに限らず、各系の変換器において速度起電力位相が正常に生成されているか否かをもって判定するようにしてもよい。このようにしても、電力変換器71の異常を判定することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390021577 【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社 【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
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| 【出願日】 |
平成12年3月24日(2000.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−275209(P2001−275209A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−84152(P2000−84152) |
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