| 【発明の名称】 |
燃料電池を搭載した車両の水素供給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐保田 克三
【氏名】木崎 滋和
【氏名】島田 毅昭
【氏名】縫谷 芳雄
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| 【要約】 |
【課題】燃料電池の必要水素量に応じて充足用水素量を決定し,しかもその充足用水素を迅速に燃料電池に供給する。
【解決手段】水素供給装置1は,車両に搭載された燃料電池2に水素を供給すべく,アルコール,ガソリン等の原料から水素を生成する改質器3と,燃料電池2の必要水素量を改質器3により充足することができないとき,それを充足すべく,改質器3により生成された水素を貯蔵することが可能な水素貯蔵器47と,燃料電池2の必要水素量を決定する第1手段65,66と,その第1手段65,66からの情報により水素貯蔵器47から放出される充足用水素量を決定する第2手段60,64とを備えている。水素貯蔵器47は,水素貯蔵合金MH2を備えた第1貯蔵部48と,その水素吸蔵材MH2から放出された気体水素を貯蔵して,燃料電池2に供給する第2貯蔵部50とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載された燃料電池(2)に水素を供給する水素供給源(3)を備えた水素供給装置において,前記燃料電池(2)の必要水素量を前記水素供給源(3)により充足することができないとき,それを充足すべく,前記水素供給源(3)から供給された水素を貯蔵することが可能な水素貯蔵器(47)と,前記燃料電池(2)の必要水素量を決定する第1手段(65,66)と,その第1手段(65,66)からの情報により前記水素貯蔵器(47)から放出される充足用水素量を決定する第2手段(60,64)とを備え,前記水素貯蔵器(47)は,水素貯蔵合金(MH2)を備えた第1貯蔵部(48)と,その水素貯蔵合金(MH2)から放出された気体水素を貯蔵して,前記燃料電池(2)に供給する第2貯蔵部(50)とを有することを特徴とする,燃料電池を搭載した車両の水素供給装置。 【請求項2】 前記第1手段は,車両の走行モード切換装置(65)およびギアシフト切換装置の一方である,請求項1記載の燃料電池を搭載した車両の水素供給装置。 【請求項3】 前記第1手段は,電気エネルギの残量検知装置(66)である,請求項1記載の燃料電池を搭載した車両の水素供給装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,燃料電池を搭載した車両の水素供給装置,特に,燃料電池に水素を供給する水素供給源を備えた水素供給装置に関する。この種の水素供給源には,高圧水素タンク,液体水素タンク,水素貯蔵合金を充填したタンク,アルコール,ガソリン等の原料から水素を生成する改質器等が該当する。 【0002】 【関連の技術】本出願人は,先に,前記改質器の応答遅れに対応し得る水素供給装置として,燃料電池の必要水素量を改質器により充足することができないとき,それを充足すべく,改質器により生成された水素を貯蔵することが可能な水素貯蔵器を備えたものを提案している(特願平11−164939号明細書および図面参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】燃料電池の運転に必要な水素量,つまり燃料電池の必要水素量は,例えば車両の走行モードをスポーツモードまたはエコノミーモードに切換える走行モード切換装置により決定される。水素貯蔵器からの充足用水素の放出は,例えば車両の加速時に必要となるが,その加速時の充足用水素量はスポーツモードの場合と,エコノミーモードの場合とでは異なり,加速性能を向上すべく,前者の方が後者よりも大となる。 【0004】そこで,充足用水素量を各モードについて調節し,また加速操作に対応すべく,迅速な水素供給を行うことが必要となるが,先行技術にはこのような工夫はなされていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は,燃料電池の必要水素量に応じて充足用水素量を決定し,しかもその充足用水素を迅速に燃料電池に供給し得るようにした前記水素供給装置を提供することを目的とする。 【0006】前記目的を達成するため本発明によれば,車両に搭載された燃料電池に水素を供給する水素供給源を備えた水素供給装置において,前記燃料電池の必要水素量を前記水素供給源により充足することができないとき,それを充足すべく,前記水素供給源から供給された水素を貯蔵することが可能な水素貯蔵器と,前記燃料電池の必要水素量を決定する第1手段と,その第1手段からの情報により前記水素貯蔵器から放出される充足用水素量を決定する第2手段とを備え,前記水素貯蔵器は,水素貯蔵合金を備えた第1貯蔵部と,その水素貯蔵合金から放出された気体水素を貯蔵して,前記燃料電池に供給する第2貯蔵部とを有する,燃料電池を搭載した車両の水素供給装置が提供される。 【0007】前記のように構成すると,燃料電池の必要水素量を,それに応じて決められた量の充足用水素により満たすことが可能である。即ち,水素供給源からの水素量がaで,例えばエコノミーモードの加速時における燃料電池の必要水素量が2aであるとき,充足用水素量aを燃料電池に供給することができ,一方,スポーツモードの加速時における燃料電池の必要水素量が3aであるとき,充足用水素量2aを燃料電池に供給することができる。しかも,その供給水素は第2貯蔵部に蓄えられた気体水素であるから迅速な供給が可能である。 【0008】 【発明の実施の形態】図1に示す水素供給装置1は,水素を燃料とする燃料電池2を電源とする電気自動車に搭載される。 【0009】水素供給装置1において,水素供給源としての改質器3は,アルコール,ガソリン等の原料から水素を主成分とする改質ガスを生成するもので,その供給側が燃料電池2の改質ガス入口側に供給管路4を介して接続される。空気用供給管路5において,その導入側にエアクリーナ6,モータ7を持つスーパチャージャ8およびインタクーラ9が装置され,また導出側は燃料電池2の空気入口側に接続される。その供給管路5の燃料電池2近傍に第1二方弁V1が装置される。燃料電池2の一対の接続端子は一対の導線10を介して車両駆動モータ11に接続され,またそれら導線10にモータ駆動用補助バッテリ12の一対の接続端子が一対の導線13を介して接続される。 【0010】燃料電池2の改質ガス出口側および空気出口側はそれぞれ排出管路14,15を介して蒸発器用燃焼器16に接続され,また空気用排出管路15の燃焼器16近傍に第2二方弁V2が装置される。蒸発器17の一方の入口側にメタノールタンク18の一方の出口側が供給管路19を介して接続され,その供給管路19にポンプ20が装置される。また蒸発器17の他方の入口側には水タンク21の出口側が供給管路22を介して接続され,その供給管路22にポンプ23が装置される。蒸発器17の出口側はメタノールおよび水分よりなる混合蒸気用供給管路24を介して改質器3の導入側に接続される。またメタノールタンク18の他方の出口側は別の供給管路25を介して改質器始動用燃焼器26に接続され,その供給管路25にメタノールタンク18側より順次,ポンプ27および第3二方弁V3が装置される。また供給管路25において,ポンプ27および第3二方弁V3間がさらに別の供給管路28を介して蒸発器用燃焼器16の電気ヒータキャタライザ29に接続され,その供給管路28の電気ヒータキャタライザ29近傍に第4二方弁V4が装置される。改質器始動用燃焼器26は,グロープラグ30,電池31およびそれと燃焼器26間に存するスイッチ32を有する加熱回路33を備えている。 【0011】改質ガス用供給管路4に,その改質器3側より順次,第5二方弁V5,CO除去器34,第1三方弁3V1,熱交換器35,第2三方弁3V2,流量計36および逆止弁Vが装置される。空気用供給管路5において,燃料電池2近傍の第1二方弁V1上流側から分岐した供給管路37がさらに三つに分岐して改質器始動用燃焼器26,改質器3およびCO除去器34に接続され,その供給管路37の燃焼器26近傍,改質器3近傍およびCO除去器34近傍にそれぞれ第6〜第8二方弁V6〜V8が装置される。空気は,燃焼器26においては燃焼と温度制御のために用いられ,また改質器3においては温度制御のために用いられ,さらにCO除去器34では改質ガス中に含まれるCOをCO2 に酸化するために用いられる。CO除去器34の出口側に存する第1三方弁3V1は第1バイパス管路38を介して燃料電池2の改質ガス用排出管路14に接続される。 【0012】また改質ガス用供給路4において,熱交換器35の下流側に存する第2三方弁3V2と,流量計36および逆止弁V間とが第2バイパス管路39によって接続されている。その第2バイパス管路39に,第2三方弁3V2側より順次,流量計40,熱交換器41,水分除去器42,第9二方弁V9,水素吸蔵−移動器43,第10二方弁V10および流量計44が装置される。水素吸蔵−移動器43は,入口と出口を持つ,いわゆるスルー型タンクを有し,その入口は第2バイパス管路39の上流側に,また出口は第2バイパス管路39の下流側にそれぞれ接続される。水素吸蔵−移動器43に加熱装置45が付設される。その加熱装置45は改質ガス流通用管路46を有し,その管路46の入口側は,改質ガス用供給管路4において,改質器3および第5二方弁V5間に接続され,その出口側は第5二方弁V5およびCO除去器34間に接続される。管路46の入口側に第11二方弁V11が装置される。 【0013】水素貯蔵器47は,燃料電池2の必要水素量を改質器3により充足することができないとき,それを充足すべく,改質器3により生成された水素を貯蔵するもので,第1貯蔵部48と,それに接続管49を介して接続された第2貯蔵部50とを有する。その第1貯蔵部48の入口と,第2バイパス管路39における第9二方弁V9および水素吸蔵−移動器43の入口間とが,水素吸蔵−移動器43から第1貯蔵部48へ水素を移動させる移動管路51により接続され,その管路51に,水素吸蔵−移動器43側より順次,第12二方弁V12および流量計52が装置される。第2貯蔵部50の出口は,供給管路53を介して,改質ガス用供給管路4における逆止弁Vおよび燃料電池2の入口間に接続される。その供給管路53には第2貯蔵部50側より順次,第13二方弁V13,流量計54,レギュレータ55および流量制御弁56が装置される。 【0014】第1貯蔵部48に,ヒータ57,バッテリ58およびスイッチ59を有する加熱回路60と,ラジエータ,水ポンプ,水タンク等を備えた冷却部61を有する冷却回路62が付設される。 【0015】水素吸蔵−移動器43のタンク内には第1水素貯蔵合金MH1が充填される。また水素貯蔵器47における第1貯蔵部48のタンク内に第2水素貯蔵合金MH2が充填される。図2に示すように,第1水素貯蔵合金MH1は60℃,0.07MPa程度で水素を吸蔵し,一方,約200℃で5MPa程度の水素を放出する,といった特性を有する。このような水素貯蔵合金としては,例えばLaNi4.05Co0.6 Al0.35合金が用いられる。第2水素貯蔵合金MH2は60℃,1MPa程度で水素を吸蔵し,一方,常温(20℃)で0.3MPa程度の水素を放出するといった特性を有する。このような水素貯蔵合金としては,例えばMmNi4.01Co0.6 Mn0.34Al0.05(Mm:ミッシュメタル)合金が用いられる。 【0016】したがって,常温下においては第2貯蔵部50内は第2水素貯蔵合金MH2から放出された気体水素によって満たされており,その気体水素圧は約1MPa以下である。一方,第1貯蔵部48が加熱され,第2水素貯蔵合金MH2の温度が80℃以上になると,第2貯蔵部50内の気体水素圧は約2MPa以上といったように高い状態に保持される。 【0017】燃料電池2,車両駆動モータ11,グロープラグ30を有する加熱回路33のスイッチ32,各ポンプ20,23,27ならびにヒータ57を有する加熱回路60のスイッチ59等は,始動スイッチ63をON状態にすることによってECU64を介して作動制御され,一方,始動スイッチ63をOFF状態にすることによって不作動となる。 【0018】ECU64に燃料電池2の必要水素量を決定する第1手段65が接続されている。その第1手段65は,例えば走行モード切換装置であって,その装置65はスポーツモードとエコノミーモードとの切換えを行う。即ち,スポーツモードの場合の加速時にはその加速性能を向上させるべく,燃料電池2はエコノミーモードの場合の加速時よりも多くの充足用水素を必要とする。そこで,スポーツモードの場合にはECU64からの制御信号によって水素貯蔵器47における第1貯蔵部48の加熱回路60を閉成し,且つそれを保持して,その第1貯蔵部48を加熱することにより,前記のように第2貯蔵部50内の気体水素圧を高く保持する。これにより充足用水素量の増加が図られる。 【0019】一方,エコノミーモードに切換えられているときは,加速性を向上させる必要はないので,ECU64からの制御信号によって水素貯蔵器47における第1貯蔵部48の加熱回路60を開成状態に保持して,その第2貯蔵部50内の気体水素圧を前記のように低く保持する。これにより充足用水素量はスポーツモードの場合よりも減少する。 【0020】したがって,ECU64および加熱回路60は,走行モード切換装置(第1手段)65からの情報により水素貯蔵器47から放出される充足用水素量を決定する第2手段を構成する。 【0021】次に,図1および図3〜図5を参照して各種モードについて説明する。 【0022】A.始動モードこのモード開始前において,水素貯蔵器47の第2貯蔵部50における気体水素圧は常温下において約1MPa以下に保持されているとする。第1〜第13二方弁V1〜V13および流量制御弁46は「閉」状態であり,また第1三方弁3V1は改質ガスを蒸発器用燃焼器16に供給し得るように,つまり燃焼器16側に切換られており,一方,第2三方弁3V2は,改質ガスを水素吸蔵−移動器43に供給し得るように,つまり水素吸蔵−移動器43側にそれぞれ切換えられている。 【0023】図1,図3において,始動スイッチ63をON状態にすると,スーパチャージャ8が作動し,空気が,エアクリーナ6,スーパチャージャ8およびインタクーラ9を経て,第1二方弁V1が「開」で,燃料電池2に供給され,また第6〜第8二方弁V6〜V8が「開」で,改質器3の燃焼器26,改質器3およびCO除去器34にそれぞれ供給される。燃料電池2から排出された空気は,第2二方弁V2が「開」で,蒸発器用燃焼器16に導入される。 【0024】蒸発器用燃焼器16の電気ヒータキャタライザ29が通電され,それが昇温すると,ポンプ27が作動すると共に第4二方弁V4が「開」で,メタノールが電気ヒータキャタライザ29に噴射され,そのメタノールを燃焼器16で燃焼させて蒸発器17の加熱が行われる。 【0025】第13二方弁V13が「開」で,水素貯蔵器47の第2貯蔵部50からの供給水素がレギュレータ55で0.15MPa程度に調圧され,次いで流量制御弁56で供給量を調節された後燃料電池2に供給され,それが運転を開始する。第2貯蔵部50からの水素供給量は流量計54により検知され,また第2貯蔵部50の水素量の減少に伴い,そこには第1貯蔵部48から気体水素が供給される。燃料電池2における余剰水素は蒸発器用燃焼器16に導入され,そこで燃焼されて蒸発器17の加熱に利用される。 【0026】改質器始動用燃焼器26において,グロープラグ30を有する加熱回路33のスイッチ32が閉じてそのグロープラグ30が通電される。第3二方弁V3が「開」で,メタノールが燃焼器26に噴射され,そのメタノールの燃焼により改質器3が加熱される。改質器3の供給口部分のガス温度を検知して,それが所定値に達したときを改質器3の加熱完了としてスイッチ32が開き,グロープラグ30への通電が停止される。 【0027】蒸発器17にメタノールおよび水が噴射されてメタノールおよび水分よりなる混合蒸気が生成され,その混合蒸気が改質器3に供給されて改質が行われる。 【0028】改質ガスは,かなりのCOを含んでおり,第5二方弁V5が「開」で,CO除去器34に導入され,次いで,第1三方弁3V1が燃焼器16側へ切換えられているので,第1バイパス管路38を経て燃焼器16に導入され,そこで水素等の可燃成分が燃焼される。 【0029】改質ガスのCO濃度を検知するか,または改質ガス温度と時間との関係からCO濃度を調べ,そのCO濃度が所定値以下になったとき,第1,第2三方弁3V1,3V2が燃料電池2側へ切換えられ,改質ガスが燃料電池2に供給される。 【0030】暖機中の改質器3からの改質ガス量は燃料電池2を運転するのに十分ではないが,その不足分は第2貯蔵部50の供給水素によって補われ,これにより燃料電池2の出力の安定化が図られる。改質ガス量の増加に伴い水素供給量が漸次,減少制御される。 【0031】改質器3の供給口部における改質ガスの温度および圧力がそれぞれ200℃,0.16MPa程度に達したとき,その改質器3が定常モードに達した,と判断され,第2貯蔵部50側の第13二方弁V13および流量制御弁56が閉じられ,以後,改質器3による自立運転モードに移行する。 【0032】改質ガスが,50℃の冷却水を流通させた熱交換器35を経たときには,その温度は80℃程度に,また圧力は0.15MPa程度にそれぞれ降下しており,このような温度および圧力を有する改質ガスが燃料電池2において燃料として用いられている。 【0033】B.定常走行中における水素吸蔵・水素移動モード図1,図4に示すように,水素吸蔵モードの開始に伴い第2三方弁3V2が水素吸蔵−移動器43側に切換えられる。 【0034】第2三方弁3V2における改質ガスの温度は80℃程度,圧力は0.15MPa程度であるが,その改質ガスは,50℃の冷却水を流通させた熱交換器41により温度を60℃程度に下げられ,次いで水分除去器42により水分を除去される。 【0035】第9二方弁V9が「開」で,60℃,0.07MPa程度の改質ガスが第1貯蔵部44に導入されて,その水素が第1水素貯蔵合金MH1に吸蔵される。この吸蔵により合金MH1は昇温するが,その合金MH1の温度は改質ガスの冷却作用によって60℃程度に保持される。 【0036】水素吸蔵−移動器43を通過した改質ガスは,第10二方弁V10が「開」で,逆止弁Vを経て燃料電池2に供給され,その運転が継続される。 【0037】水素吸蔵−移動器43の入,出口側に在る両流量計40,44の積算流量の差により水素吸蔵−移動器43の水素吸蔵量が検知される。その移動器43の水素吸蔵量が満状態に達していない場合は前記吸蔵過程が継続される。 【0038】水素吸蔵−移動器43の水素吸蔵量が満状態に達すると,水素移動モードへ移行すべく第2三方弁3V2が燃料電池2側へ切換えられる。 【0039】第9,第10,第13二方弁V9,V10,V13が「閉」で,且つ第12二方弁V12が「開」で,水素の移動が可能となる。また第11二方弁V11が「開」で,且つ第5二方弁V5が「閉」で,200℃程度の高温改質ガスが加熱装置45を流通した後,CO除去器34,熱交換器35等を経て燃料電池2に供給され,その運転が継続される。 【0040】このように水素吸蔵−移動器43の第1水素貯蔵合金MH1が改質器3の排出熱によって加熱され,その温度が200℃程度に,また圧力が約5MPa程度に上昇すると吸蔵水素が放出される。 【0041】第1貯蔵部48の第2水素貯蔵合金MH2は加熱回路60により60℃程度に加熱され,水素吸蔵−移動器43からの放出水素は60℃,約1MPa程度で第2水素貯蔵合金MH2に吸蔵される。この吸蔵による合金MH2の温度上昇は冷却回路62により抑制されて,その温度は60℃程度に保持される。 【0042】移動管路51の流量計52により,第1貯蔵部44の水素放出量が満状態の量の7割を超えたことが検知されたとき,第5二方弁V5が「開」で,且つ第11二方弁V11が「閉」で,水素吸蔵−移動器43の加熱が停止される。その移動器43からは,その余熱を利用した第1水素貯蔵合金MH1の吸熱反応で水素の放出が続行される。これにより水素吸蔵−移動器43の温度を下げて,次の水素吸蔵モードを再開する際のタイムラグを減少させることができる。 【0043】移動管路51の流量計52の積算流量が,その水素吸蔵−移動器43の満状態の量に達したとき,第12二方弁V12が「閉」で,第1貯蔵部48への水素移動が停止される。この時点で,第1貯蔵部48における水素吸蔵量は満状態とされる。 【0044】C.加速モード図1,図5に示すように,燃料電池2の運転開始後,走行モード切換装置65の切換状態が確認される。 【0045】走行モード切換装置65がスポーツモードに切換えられている場合には第1貯蔵部48がヒータ57により80℃以上に加熱されて,その温度に保持される。これにより第2水素貯蔵合金MH2から水素が放出されて第2貯蔵部50内の気体水素圧が約2MPa以上に保持される。 【0046】一方,エコノミーモードの場合は前記加熱は行われない。 【0047】アクセル操作量が所定値を超えた場合,加速モードに移行する。 【0048】第2三方弁3V2が燃料電池2側へ切換えられていない場合は燃料電池2側への切換えが行われ,また第10二方弁V10が閉じられる。 【0049】第13二方弁V13が「開」で,第2貯蔵部50の充足用水素がレギュレータ55および流量制御弁56によって,スポーツモードまたはエコノミーモードに適合するように調整された後燃料電池2に供給される。 【0050】充足用水素量が十分か否かが流量計54を用いて判断され,十分でない場合は第1貯蔵部48が,予め設定された温度になるまで加熱され,これにより充足用水素の不足分が補われる。 【0051】アクセル操作量が所定値以下となったとき加速モードは終了する。 【0052】前記第1手段としては,走行モード切換装置65に代えてギアシフト切換装置を用いることも可能である。この場合,2速,3速固定モードのときに,加速性能を向上させるべく,第1貯蔵部48の加熱が行われ,一方,D4モードのときは前記加熱は行われない。 【0053】また前記第1手段としては,走行モード切換装置65に代えて電気エネルギの残量検知装置を用いることも可能である。この装置には,例えば,図1に示すように車両駆動モータ11の補助バッテリ12における充電量の残量検知装置66が該当する。この場合,充電量の残量が少ないとき,補助バッテリ12のアシスト出力を低減するか,または出力無しの状況下で加速性能を向上させるべく,第1貯蔵部48の加熱が行われ,一方,充電量の残量が多いときは前記加熱は行われない。 【0054】図6は水素貯蔵器47の一例を示す。この例においては第1,第2貯蔵部48,50の小,大径タンク67,68が平行に並べられて第1貯蔵部48の入口管69と第2貯蔵部50の出口管70とが同一方向に向けられ,また第1貯蔵部48の出口管71と第2貯蔵部50の入口管72とが接続管73により接続されている。小径タンク67内に第2水素貯蔵合金MH2が充填され,またそのタンク67にはヒータ57および冷却回路62の一部が設けられるが,それらは図面には省略されている。 【0055】図7は水素貯蔵器47の他例を示す。この例においては,第1貯蔵部48の小径タンク74が,第2貯蔵部50の大径タンク75内に,その内面との間に大きな空間を存して設置され,小径タンク74の一端部が大径タンク75の一端壁76に支持されている。小径タンク74の入口管77および大径タンク75の出口管78は端壁76から外部に突出する。小径タンク74内には第2水素貯蔵合金MH2が充填され,その他端部の出口側には,合金MH2を小径タンク74内に保持すると共に水素を通過させるためのフィルタ79が設けられている。小径タンク74には,ヒータ57および冷却回路62の一部が設けられるが,それらは図面には省略されている。 【0056】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば前記のように構成することによって,燃料電池の必要水素量に応じて充足用水素量を決定し,しかもその充足用水素を迅速に燃料電池に供給し得るようにした車両用水素供給装置を提供することができる。 【0057】請求項2記載の発明によれば,車両の走行モードまたはギアシフトに応じた充足用水素量の供給を迅速に行うことが可能な車両用水素供給装置を提供することができる。 【0058】請求項3記載の発明によれば,電気エネルギ発生源,例えばバッテリの出力不足を燃料電池の出力により確実に補うことが可能な前記車両用水素供給装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071870 【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−268721(P2001−268721A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−77285(P2000−77285) |
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