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【発明の名称】 電池の結合構造、組電池、および電動車両
【発明者】 【氏名】江藤 豊彦

【要約】 【課題】電池あるいは該電池が組み付けられる組付部材が、それらの結合部付近で破損し難くする。

【解決手段】電池を組付部材に組み付けるに際して、結合部において該電池と該組付部材とが互いに相対変位可能に取り付けておく。こうすれば、電池に荷重が加わると、該電池が該組付部材に対して相対変位して結合部にかかる荷重が吸収され、該電池あるいは該組付部材の結合部付近に大きな荷重が生じることがない。前記電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方に、該電池と該組付部材との間の相対変位を可能とする変形部を、結合部の近傍に設けておいても良い。また、電動車両に搭載される電池には、車両の走行による振動や温度変化等に起因する種々の荷重が加わるので、かかる結合構造を用いて電池を組付部材に組み付けて車両に搭載すれば、車両の信頼性向上につながる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電池を組付部材に組み付けるための結合構造において、前記電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、該電池と該組付部材との結合部近傍に、該電池と該組付部材との間の相対変位を可能とする変形部が設けられていることを特徴とする結合構造。
【請求項2】 前記電池は二次電池である請求項1記載の電池の結合構造。
【請求項3】 請求項1記載の電池の結合構造であって、前記変形部は、可塑性材料あるいは弾性材料を用いて形成されている電池の結合構造。
【請求項4】 請求項1記載の電池の結合構造であって、前記変形部は、前記電池あるいは前記組付部材とは別体に形成されている電池の結合構造。
【請求項5】 請求項1記載の電池の結合構造であって、前記電池は長手形状をした電池であり、前記変形部は、該電池の短手方向の荷重を受けて変形し、該電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とする変形部である結合構造。
【請求項6】 請求項5記載の電池の結合構造であって、前記変形部は、前記電池の結合部と該電池の本体部とを長手方向につなぐ弾性変形可能な橋梁部である結合構造。
【請求項7】 請求項5記載の電池の結合構造であって、前記電池の結合部は、樹脂製の電池容器に金属製のネジ部材を埋設して形成された結合部である結合構造。
【請求項8】 請求項1記載の電池の結合構造であって、前記電池は長手形状の二次電池であり、複数の前記二次電池を短手方向に並べながら、前記組付部材に結合するとともに、前記変形部は、前記一の二次電池が変形して隣接する二次電池に及ぼす荷重によって変形して、該荷重を受けた二次電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とする変形部である結合構造。
【請求項9】 電池を組付部材に組み付けるための結合構造であって、前記電池と前記組付部材とは、該電池を該組付部材に組み付けるための結合部において、互いに相対変位し得るように組み付けられていることを特徴とする結合構造。
【請求項10】 組付部材に組み付けた複数の電池を電気的に接続して成る組電池において、前記各電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、該各電池を該組付部材に組み付けるための各結合部の近傍に、該電池と該組付部材との間の相対変位を可能とする変形部が設けられていることを特徴とする組電池。
【請求項11】 組付部材に組み付けた複数の電池を電気的に接続して成る組電池を搭載し、該組電池の電力を用いて走行する電動車両において、前記組電池を構成する前記各電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、該各電池を該組付部材に組み付けるための各結合部の近傍に、該各電池と該組付部材との間の相対変位を可能とする変形部が設けられていることを特徴とする電動車両。
【請求項12】 前記電池は二次電池である請求項11記載の電動車両。
【請求項13】 請求項11記載の電動車両であって、前記電池は長手形状の二次電池であり、複数の前記二次電池を短手方向に並べながら、前記組付部材に結合するとともに、前記変形部は、前記一の二次電池が変形して隣接する二次電池に及ぼす荷重によって変形して、該荷重を受けた二次電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とする変形部である電動車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電池を組付部材に組み付ける結合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる乾電池などの一次電池は、放電しなくなってきたら交換することが前提となっているので、通常、容易に着脱できるように電気機器に組み付けられている。これに対して二次電池は、充電して何度でも使用することが可能なため、電池を装着したまま充電できるように設計される場合がある。このような場合には、ネジ止め,接着,あるいはハンダ付けなどの方法を用いて電池を固定しておくことが望ましい。本明細書では、電池が固定される部材を組付部材と呼ぶ。
【0003】また一次電池であっても、電力消費量の少ない電気機器に使用する場合や、停電時の非常電源として使用する場合など、電池の交換を前提としない使われ方をする場合には、組付部材に電池を固定しておくことが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電池を組付部材にしっかりと固定している場合、何らかの原因で電池に大きな力が加わると、組付部分に大きな荷重がかかるおそれがあった。
【0005】また、電力によって走行するいわゆる電動車両においては、複数の電池を接続した組電池が搭載されている。車両に搭載された組電池は、車両の走行に伴う振動や環境温度の変化などにさらされる。このため、組電池を構成する個々の電池電池と、これら電池が組み付けられている組付部材との結合部付近に大きな荷重が加わるおそれがあった。
【0006】この発明は、従来技術における上述のような問題を解決するためになされたものであり、何らかの原因で電池に大きな力が加わった場合でも、電池の結合部付近で電池あるいは組付部材が大きな荷重を受けることを回避可能な技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の電池の結合構造は次の構成を採用した。すなわち、電池を組付部材に組み付けるための結合構造において、前記電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、該電池と該組付部材との結合部近傍に、該電池と該組付部材との間の相対変位を可能とする変形部が設けられていることを特徴とする。
【0008】かかる電池の結合構造においては、電池あるいは組付部材の少なくともどちらかが、該電池と該組付部材との結合部付近で変形可能となっており、該電池と該組付部材とが互いに相対変位可能に結合されている。
【0009】こうすれば、何らかの理由によって電池に大きな荷重が作用した場合に、前記変形部の変形によって、該電池は該組付部材に対して該荷重から逃げる方向に相対変位する。その結果、このような相対変位によって荷重が吸収され、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が加わることを回避することができるので好ましい。
【0010】かかる電池の結合構造を、組付部材に二次電池を組み付けるために適用してもよい。二次電池は、充放電の条件に応じて内圧が上昇して電池が変形することがあり、二次電池の結合部付近に大きな荷重が作用する場合がある。このような場合でも、二次電池が本発明の構造によって組み付けられていれば、内圧上昇に起因して加わる荷重を結合部付近の変形が吸収するので、二次電池あるいは組付部材に大きな荷重が生じることがなくなるので好ましい。
【0011】かかる電池の結合構造においては、電池あるいは組付部材に設けられた変形部を、可塑性材料あるいは弾性材料を用いて形成しても良い。
【0012】こうすれば、何らかの理由によって電池に大きな荷重が作用した場合に、可塑性材料あるいは弾性材料で形成された該変形部が変形して荷重を吸収することができるので好ましい。
【0013】かかる電池の結合構造においては、電池と組付部材とを、該電池あるいは該組付部材とは別体に形成された変形部を介して結合してもよい。かかる構造においても、何らかの理由で電池の大きな荷重が作用した場合に、該変形部の変形によって該電池が該組付部材に対して相対変位する。その結果、このような相対変位によって荷重が吸収され、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が加わることがなくなる。
【0014】長手形状をした電池の結合構造においては、電池と組付部材との結合部近傍に、短手方向の荷重を受けて変形し、電池を組付部材に対して相対変位させるような変形部を設けてもよい。
【0015】こうすれば、電池に短手方向の荷重が加わった場合でも、前記変形部の変形によって該電池が組付部材に対して相対変位して荷重を吸収する。長手形状の電池が短手方向の荷重を受ける場合には、荷重方向に対するスパンを充分に取れないため、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が生じやすくなるが、かかる変形部を設けておけば、該変形部が変形して荷重を吸収するので、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が生じることを回避することが可能となる。
【0016】かかる電池の結合構造においては、前記変形部を、前記電池の結合部と該電池の本体部とを長手方向につなぐ弾性変形可能な橋梁部としてもよい。
【0017】こうすれば、短手方向の荷重に対して、前記橋梁部が弾性変形するので、前記電池は前記組付部材に対して相対変位する。その結果、該電池あるいは該組付部材の結合部付近に大きな荷重が生じることを回避することができる。また、前記橋梁部は前記電池の結合部と該電池の本体部とを長手方向につないでおり、長手方向の荷重に対しては変形することがない。このため、長手方向の荷重に対しては電池を組付部材にしっかりと結合することができる。
【0018】更に、かかる電池の結合構造においては、電池の結合部を、樹脂製の電池容器に金属製のネジ部材を埋設して形成した結合部としてもよい。かかる結合部を有する電池を上述した結合構造を適用して組み付ける。
【0019】こうすれば、電池が荷重を受けたときに変形部が変形することで電池が組付部材に対して相対変位して荷重を吸収するので、樹脂製の電池容器と金属製のネジ部材との境界部付近に大きな荷重が生じることがない。
【0020】長手形状の二次電池を電池の短手方向に複数並べて組付部材に組み付ける場合には、該電池あるいは該組付部材の少なくとも一方には、該電池と該組付部材との結合部近傍に次のような変形部を設けてもよい。すなわち、前記複数の二次電池の中の一の電池が変形して隣接する二次電池に荷重を及ぼしたときに、該荷重によって変形して、荷重を受けた二次電池を前記組付部材に対して相対変位可能とする変形部を、該電池側あるいは該組付部材側の少なくとも一方に設けてもよい。
【0021】こうすれば、充放電条件に起因した内圧上昇によって変形するといった原因により、複数の二次電池の中の一の電池が隣接した二次電池に荷重を及ぼしたとしても、荷重を受けた二次電池は組付部材に対して相対変位して荷重を吸収するため、該二次電池あるいは組付部材の結合部付近に大きな荷重が生じることがない。
【0022】かかる電池の結合構造においては、前記電池を前記組付部材に組み付けるための結合部で、該電池と該組付部材とが互いに相対変位可能なように組み付けておいても良い。
【0023】このように組み付けておけば、何らかの理由によって電池に大きな荷重が作用した場合に、電池は組付部材に対して該荷重から逃げる方向に相対変位する。その結果、このような相対変位によって荷重が吸収されて、電池と組付部材との結合部に大きな荷重が加わることがなくなるので好適である。
【0024】組付部材に複数の電池を組み付けて成る組電池においては、上述した構造を適用して電池を組付部材に組み付けてもよい。こうすれば、電池に何らかの原因で荷重が加わっても、組電池を構成する電池あるいは組付部材の結合部付近に大きな荷重が加わることがない。その結果、複数の電池を組み付けて成る組電池の信頼性を向上させることができる。
【0025】また、組付部材に組み付けた複数の電池を電気的に接続して組電池を構成し、該組電池の電力を用いて走行する電動車両においては、上述した構造を適用して電池を組付部材に組み付けてもよい。
【0026】電動車両の走行に伴って、車両の搭載された組電池には、走行に伴う振動や温度環境の変化等にさらされ、組電池を構成する個々の電池にも、これら要因に起因する荷重が加わる場合がある。上述した構造を適用して各電池を組付部材に組み付けておけば、荷重を受けた電池が取付部材に対して相対変位して荷重を吸収するので、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が生じるおそれがない。その結果、組電池の信頼性を向上させ、延いては電動車両の信頼性を向上させることが可能となる。
【0027】かかる電動車両においては、複数の二次電池で構成された組電池を搭載することとして、該各二次電池を上述した構造を適用して組付部材に組み付けてもよい。
【0028】電動車両に搭載された二次電池は、車両の走行条件に応じて充放電条件が変化する。一般に二次電池は、充放電条件によっては電池内圧が上昇して電池が変形することがあるので、車両の走行条件によっては電池が変形して、二次電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が加わる場合がある。このような場合でも、上述した構造を適用して二次電池を組み付けていれば、電池内圧の上昇に起因して加わる荷重を結合部付近の変形が吸収するので、二次電池あるいは組付部材に大きな荷重が加わるおそれがない。従って、組電池の信頼性向上を通じて電動車両の信頼性を向上させることが可能となる。
【0029】かかる電動車両においては、長手形状をした複数の二次電池を短手方向に並べて組付部材に組み付けた組電池を搭載することとして、該各二次電池あるいは該組付部材の少なくとも一方には、次のような変形部を設けることとしてもよい。すなわち、複数の二次電池の中の一の二次電池が変形して隣接する二次電池に荷重を及ぼしたときに、該荷重によって変形して荷重を受けた二次電池を前記組付部材に対して相対変位させるような変形部を、該各二次電池を該組付部材に組み付けるための結合部近傍に設けるようにしてもよい。
【0030】このように、長手形状の二次電池を短手方向に複数並べて組み付けて構成した組電池は、コンパクトな組電池とすることができるので、電動車両に好適に搭載することができる。かかる組電池において、各二次電池と組付部材とを上述した構造を適用して組み付ければ、複数の二次電池の中の一の電池が変形して隣接する二次電池の荷重を及ぼした場合でも、荷重を受けた二次電池が組付部材に対して相対変位して該荷重を吸収するので、二次電池あるいは組付部材に大きな荷重が加わるおそれがない。このため、電動車両の信頼性を向上させることが可能となる。
【0031】尚、本発明の結合構造は、ネジ止め,溶接,接着,かしめ等の種々の結合方法に対しても適用可能であることは言うまでもない。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.装置構成:B.電池モジュールの結合構造:B−1.バッテリユニットおよび電池モジュールアセンブリの構造:B−2.電池モジュールの結合構造:C.変形例:【0033】A.装置構成:図1は、本実施例の方法で組み付けられた電池を搭載するハイブリッド車両の構成を示す説明図である。ハイブリッド車両とは、エンジンと電動機とを動力源とする車両のことである。図示するように、かかるハイブリッド車両は、エンジン10と、モータ20と、トルクコンバータ30と、駆動回路40と、バッテリユニット50と、制御ユニット80と、変速機90などから構成されている。本実施例の結合構造を有する電池は、バッテリユニット50の構成要素として使用されている。以下、ハイブリッド車両を構成する各要素について簡単に説明する。
【0034】エンジン10は、通常のガソリンエンジンである。エンジン10の出力軸12は、モータ20のロータ22に結合されている。モータ20は、外周面に複数の永久磁石が設けられたロータ22と、内周面に三相コイルを備えたステータ24とから構成された同期モータである。ステータ24の三相コイルに交流電流を流すと、交流電流の電流値および周波数に応じて、所定の駆動力および回転速度でロータ22が回転する。また、ロータ22が外力によって回転させられる場合には、三相コイルの両端に起電力が生じ、モータ20は発電機として機能する。
【0035】駆動回路40は、半導体素子を用いて構成されたインバータである。駆動回路40は、ステータ24に巻回された三組のコイルの各端子と、後述するバッテリユニット50の直流電源とを接続するスイッチとしての機能を有している。制御ユニット80の制御の下、駆動回路40はバッテリユニット50の直流電流を適切な電流値および周波数の交流電流に変換して、ステータ24の三相コイルに流している。また、モータ20が発電機として機能している場合には、発電された交流電流を直流電流に変換してバッテリユニット50に蓄えることができる。バッテリユニット50については後述する。
【0036】制御ユニット80は、CPU,RAM,ROMなどを備える周知のワンチップ・マイクロコンピュータであり、エンジン10あるいは駆動回路40などの制御を行う。トルクコンバータ30は、液体を利用した周知の動力伝達機構であり、モータ20からの動力は入力軸13を介してトルクコンバータ30に入力され、出力軸14から変速機90に出力される。変速機90は、遊星ギヤ機構と、複数のクラッチなどから構成された周知の自動変速機であり、制御ユニット80の制御の下、入力軸と出力軸15との間の変速比を制御している。変速機の出力軸15は、ディファレンシャルギヤ16を介して車軸17に結合されている。
【0037】以上のような構成のハイブリッド車両は、エンジン10あるいはモータ20から出力される駆動力を、トルクコンバータ30を介して変速機90に伝達し、変速機90で増速あるいは減速して車軸17に伝達して車両を駆動する。車両の運転条件に応じて、エンジン10およびモータ20の2つの動力源を使い分けることによって、車両全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。
【0038】B.電池モジュールの結合構造:B−1.バッテリユニットおよび電池モジュールアセンブリの構造:上述のハイブリッド車両のバッテリユニット50は多くの電池モジュールによって構成されており、該電池モジュールを組み付けるために、本実施例の電池の結合構造が使用されている。そこで、電池モジュールの結合構造を説明する準備として、バッテリユニット50および電池モジュールアセンブリ52の構造について簡単に説明する。
【0039】図2は、バッテリユニット50の構造を概念的に示した説明図である。図示するようにバッテリユニット50は、4つの電池モジュールアセンブリ52を並列に接続した構造となっている。もちろん、必要な電流量あるいは電圧に応じて、より多数の電池モジュールアセンブリ52を並列あるいは直列に接続しても構わない。電池モジュールアセンブリ52は多数の二次電池モジュール100を直列に接続して構成されている。
【0040】図2に示すように、電池モジュールアセンブリ52内には38個の電池モジュール100が、鉄や銅などの導電性材料を用いて形成された端子接続板58で直列に接続されて収納されている。複数の電池モジュールを直列に接続した正極側の最終端は、電池モジュールアセンブリ52の正極側出力端子55に接続され、負極側の最終端は電池モジュールアセンブリ52の負極側出力端子57に接続されている。この結果、電池モジュールアセンブリ52の正極側出力端子55と負極側出力端子57との間には、1つの電池モジュール100が発生する電圧の38倍の電圧が得られることになる。
【0041】4つの電池モジュールアセンブリ52の正極側の各出力端子55は、バッテリユニット50の正極側出力端子54に接続されている。同様に、4つの電池モジュールアセンブリ52の負極側の各出力端子57は、バッテリユニット50の負極側出力端子56に接続されている。このように複数個の電池モジュールを組み合わせて、直列あるいは並列に適切に接続することによって、所望の電圧値で所望の電流量を供給し得るバッテリユニット50を構成することができる。
【0042】図3は、電池モジュール100の外観形状を示した説明図である。本実施例の電池モジュール100は、薄い箱型形状をした密閉容器(以下では、モジュール容器102と呼ぶ)に正極端子104および負極端子106の2つの端子が突設された形状となっている。モジュール容器102は、ナイロンなどの絶縁性樹脂材料を用いて形成されている。図示するように、モジュール容器102の両端には結合部110が設けられており、後述するように結合部110で、電池モジュールアセンブリ52のロアケース60と呼ばれる部品にネジ止めされる。結合部110の形状については、後ほど詳しく説明する。また、モジュール容器102の外側の側面には、図示するように、両端に小さな突出部101が設けられていて、両側の突出部101の間に形成された少し窪んだ部分には、小さな突起103が多数設けられている。突出部101および突起103の役割については後述する。
【0043】電池モジュール100の内部は、セルと呼ばれる6つの小部屋に分割されていて、各セルには単電池が1つずつ格納されている。バッテリユニット50では単電池として、いわゆるニッケル−水素二次電池が使用されている。すなわち、ニッケル合金製の正極板と水素吸蔵合金製の負極板とを、樹脂製の不織布(セパレータと呼ばれる)を挟んで複数組積層し、強アルカリ性の電解液とともにセルに格納されている。各単電池は電池モジュール内部で直列に接続され、直列に接続された単電池のソース側(高電圧側)が正極端子104に、シンク側(低電圧側)が負極端子106に接続されている。各単電池は約1.2Vの起電力を発生させており、電池モジュール内では6つの単電池が直列に接続されているので、1つの電池モジュールで7.2Vの電圧を得ることができる。
【0044】図4は、38個の電池モジュール100を組み付けて、電池モジュールアセンブリ52を組み立てる様子を示す説明図である。図示するように、ロアケース60には送風口68からの冷却風が通る冷却風通路60aが設けられていて、冷却風通路60aの両側にはボルト61で電池モジュール100を固定するための組み付け穴60bが空けられている。冷却風通路60aをまたぐように電池モジュール100を置いて、電池モジュール100の両端をロアケース60の下側からボルト61で固定する。電池モジュール100の底面には、電池モジュール100をボルトで固定するためのネジ穴が両端に設けられている。ロアケース60の組み付け穴60bは、電池モジュール100を組み付けたときにモジュールの間隔が等間隔となるよう、穴ピッチpで等間隔に空けられている。
【0045】電池モジュール100の厚さTは、穴ピッチpとほぼ等しくなっている。このため、ロアケース60の上に電池モジュール100を組み付ける際には、先に組み付けた電池モジュール100に次の電池モジュール100を軽く押し当てるようにすれば、電池モジュール100の底面に設けられたネジ穴位置とロアケース60の組み付け穴60b位置とを容易に一致させることができる。38個の電池モジュール100をこうして1つずつロアケース60にボルト61で固定していく。尚、本実施例の組電池としての電池モジュールアセンブリ52では、電池モジュール100は、図2に示したように直列に接続されるので、電池モジュール100の極性が交互に逆になるように、注意して組み付けておく。
【0046】こうしてすべての電池モジュール100を組み付けたら、図4に示すように、38個の電池モジュールを両側から挟み込むようにして、2枚の拘束プレート70を拘束ロッド72とナット71で組み付ける。拘束プレート70および拘束ロッド72は鉄などの金属材料で形成されている。拘束プレート70の機能については後述する。
【0047】拘束プレート70を組み付けたら、隣接する電池モジュール100の正極端子104と負極端子106とを端子接続板58で接続して、38個の電池モジュールを直列に接続する。端子接続板58は、銅,鉄などの導電性のある金属材料で形成されている。尚、図2を用いて前述したように、隣接する正極端子と負極端子とは端子接続板58を用いてそれぞれ接続されているが、図示の煩雑化を避けるために、図4では、一部の端子接続板58のみを表示し、他の端子接続板58は図示を省略している。端子接続板58を用いて各電池モジュールを直列に接続したら、電池モジュール列の正極側を正極側出力端子55に、負極側を負極側出力端子57にそれぞれ結線する。図4では、図の煩雑化を避けるために電気配線の表示も省略している。こうして端子間を接続した後、アッパケース62を上から被せて、ボルト63でロアケース60に締結すると電池モジュールアセンブリ52が完成する。このような電池モジュールアセンブリ52を4つ並列に接続して、バッテリユニット50が構成されている。
【0048】電池モジュール100は、放電時あるいは充電時に内部抵抗によってジュール熱を発生する。一般に二次電池は電池温度が高くなると充電効率、すなわち充電電力量に対する放電可能な電力量の比率が低下する傾向があるので、電池モジュールの温度が高くなり過ぎないように冷却しながら使用される。また、上述したように、電池モジュールアセンブリ52は複数の電池モジュール100を用いて構成されているので、各電池モジュール間で電池温度にばらつきが生じないように冷却することが望ましい。電池モジュール間の温度のばらつきが小さければ、各電池モジュールの寿命のばらつきが少なくなるといった効果が得られる。このような効果を得るために、電池モジュール100の側面には突出部101および突起103が設けられている(図3参照)。以下、電池モジュール100の側面に設けられた突出部101および突起103の機能について説明する。
【0049】図5は、ロアケース60上に電池モジュール100が組み付けられている状態を、3つの電池モジュール100のみを取り出して示す上面図である。電池モジュール側面の両側には突出部101が設けられているので(図3参照)、図5に示すように、電池モジュール同士の突出部位置を合わせて複数の電池モジュール100を並べると、各電池モジュールの間に、矩形断面の冷却通路109が形成される。冷却通路109の短手方向の幅は、どの通路も突出部101の高さの2倍に等しい。すなわち、図4に示したように電池モジュールアセンブリ52を組み立てると、38個の電池モジュール100の各モジュール間には、等しい大きさの冷却通路109が形成されることになる。従って、ロアケース60に設けた送風口68から、送風ファンを用いて冷却風を供給すると、冷却風は、電池モジュール100間の各冷却通路109を抜けて、アッパケース62に設けた排気口69から電池モジュールアセンブリ52外に排出される(図4参照)。冷却通路109の大きさは、いずれの電池モジュール間も等しいので、通路を通過する冷却風の風量はほぼ等しく、すべての電池モジュールが同じように冷却される。このように、電池モジュール100の突出部101は、同じ大きさの冷却通路109をモジュール間に形成し、各電池モジュール100を等しく冷却する機能を有している。
【0050】また、電池モジュール100の側面に設けられた突起103は次のような機能を有している。突起103は、突出部101とほぼ同じ高さに形成されている。また、図5に示すように突出部101の位置を合わせて電池モジュール100を並べると、電池モジュール側面の突起103が隣接する電池モジュールの突起103と向かい合う関係となるような位置に、突起103は設けられている(図5参照)。このため、電池モジュール100の充放電条件の影響で電池モジュールの内圧が上昇し、モジュール容器の側面が膨らむように変形する電池モジュールがあったとしても、この電池モジュールと隣接する電池モジュールとの間の冷却通路109は幅は変化することなく確保される。従って、このような場合にも、各冷却通路109を通過する冷却風量は等しくなって、すべての電池モジュールを同じように冷却することができる。すなわち、電池モジュール100の側面に設けられた突起103は、モジュール間の冷却通路109の幅を常に保って、電池モジュール100を等しく冷却する機能を有している。
【0051】B−2.電池モジュールの結合構造:図6は、電池モジュール100の両端に設けられた結合部110の形状を示す斜視図である。また、図7は電池モジュール100の結合部110を上方から見た拡大図であり、図8は、図7にA−Aと示した位置での断面図である。図6に示すように、結合部110は略円筒形状をしていて、図7および図8に示すように結合部110の内部にはネジ部材114が埋め込まれている。ネジ部材114の内面には雌ねじが切られていて、電池モジュール100はこのネジによってロアケース60に固定される。
【0052】モジュール容器102は、雌型の中に高温の樹脂を射出後、樹脂を硬化させて所望の形状を得るという、いわゆるインジェクション成型と呼ばれる方法で作られている。本実施例では、樹脂射出前に雌型の所定位置にネジ部材114をセットしておき、モジュール容器102を成型すると同時にネジ部材114を埋め込む方法を用いている。こうすれば、モジュール容器102の成型と同時にネジ部材114が埋め込まれるので、簡便にモジュール容器102を製造することができる。もちろん、予め成型しておいたモジュール容器102に、圧入または接着などの方法によってネジ部材114を設けても構わない。
【0053】図6ないし図8に示すように、結合部110とモジュール容器102とは橋梁部112によって、モジュール容器の長手方向につながっている。橋梁部112は、電池モジュールの長手方向の荷重を受けた場合、あるいは上下方向の荷重を受けた場合には変形しないが、短手方向の荷重を受けた場合には変形し得る。このため、結合部110をボルト61でロアケース60に組み付けると、電池モジュール100は長手方向あるいは上下方向に対してはロアケース60にしっかりと固定され、その一方で短手方向に対しては橋梁部112が変形する分だけロアケース60に対して相対変位することが可能となっている。
【0054】一般に二次電池は、充放電条件によっては電極からガスが発生して電池内圧が上昇する場合があり、本実施例の電池モジュール100もこのような内圧上昇によって変形する場合がある。本実施例の電池モジュールアセンブリ52は、図4に示すようにロアケース60上に複数の電池モジュール100を並べて構成されているので、複数の電池モジュールの中のある電池モジュールで変形が生じると、隣接する電池モジュールが短手方向の荷重を受けることになる。
【0055】図9は、ロアケース60上に組み付けられた一の電池モジュール100が内圧上昇によって変形し、隣接する電池モジュール100が短手方向に荷重を受けている様子を示す説明図である。図9では、内圧上昇によって変形している電池モジュールと隣接する両側の電池モジュール、すなわち3つの電池モジュールを上方から見た様子を示している。尚、図の煩雑化をさせるために、ロアケース60等の表示は省略している。また、説明の都合上から、以下では3つの電池モジュールに上から「M1」,「M2」,「M3」と符合して各電池モジュールを区別する。図示した例では、電池モジュールM2が、内圧上昇によって変形しているものとする。
【0056】図5を用いて説明したように、電池モジュール100の側面には、冷却通路109を確保して電池モジュールを均等に冷却するための突起103が設けられている。このため、図9に示すように、電池モジュールM2の側面が膨らむように変形すると、隣接する電池モジュールM1あるいはM3の側面が突起103によって押されて、電池モジュールM1あるいはM3が弓状に変形する(図9参照)。このとき、電池モジュールM1あるいはM3とロアケース60との結合部には大きな捻りトルクが作用する。図6ないし図8を用いて説明したように、本実施例の電池モジュールは橋梁部112を介してロアケース60に組み付けられているので、結合部に捻りトルクが作用した場合に橋梁部112が変形してトルクを吸収する。このため、例えば樹脂製のモジュール容器102と金属製のネジ部材114とが接合する部分に大きなトルクがかかって、モジュール容器102とネジ部材114とが離れてしまうことがない。すなわち、本実施例の電池モジュールの結合構造によれば、内圧上昇などによって電池モジュール100が変形しても、モジュール容器102はネジ部材114を介してロアケース60にしっかりと固定しておくことができる。
【0057】内圧が上昇したときの電池モジュールは、必ずしも図9に示したように両側の側面が同じように膨らむとは限らない。例えば、電池モジュールがよじれるように、すなわち、電池モジュールの一端と他端とが逆方向に倒れるように変形する場合もある。
【0058】図10は、ロアケース60上に組み付けられた一の電池モジュール100が内圧上昇によってよじれるように変形し、隣接する電池モジュール100が変形している様子を示す説明図である。図10では、内圧上昇によって変形している電池モジュールと隣接する両側の電池モジュール、すなわち3つの電池モジュールを短手方向から見た様子を示している。説明の都合から、図9と同様に以下では3つの電池モジュールに左側から「M4」,「M5」,「M6」と符合して各電池モジュールを区別する。図示した例では、電池モジュールM5が、内圧上昇によって変形しているものとする。
【0059】図3を用いて説明したように、電池モジュール100の側面には突出部101が設けられており、図5に示したように各電池モジュールは突出部101位置を合わせてロアケース60に組み付けられる。このため、電池モジュールM5がよじれるように変形すると、図10に示すように、隣接する電池モジュールM6は突出部101に押されて、押された側が倒れるように変形する。このとき、電池モジュールM6とロアケース60との結合部には大きな曲げトルクが作用する。図6ないし図8を用いて説明したように、本実施例の電池モジュールは橋梁部112を介してロアケース60に組み付けられているので、結合部に曲げトルクが作用した場合に橋梁部112が変形して曲げを吸収する。このため、例えば樹脂製のモジュール容器102と金属製のネジ部材114とが接合する部分に大きな曲げトルクがかかって、ネジ部材114がこじられるようにしてモジュール容器102から抜けてしまうことがない。すなわち、本実施例の電池モジュールの結合構造によれば、内圧上昇などによって電池モジュール100が変形しても、モジュール容器102はネジ部材114を介してロアケース60にしっりと固定しておくことができる。
【0060】以上では、電池モジュール100の内圧上昇によってモジュールが変形し、その結果、隣接する電池モジュール100が短手方向の荷重を受ける場合を2つ例にとって説明した。もっとも、電池モジュールが短手方向の荷重を受けるメカニズムはこのようなものに限られず、例えば、電池モジュール100が他の部品と干渉して荷重を受けるといった場合にも同様に適用できる。また、上述の説明では、ロアケース60上に複数の電池モジュール100を並べて取り付ける場合を例にとって説明しているが、電池モジュールを単独で取り付ける場合や、あるいは複数の電池モジュールをモジュール同士の間隔をおいて取り付ける場合にも適用することができる。
【0061】また、図4を用いて説明したように、本実施例の電池モジュール100は、ロアケース60に組み付けられた後、両側を拘束プレート70で拘束されている。拘束プレート70は次のような目的で装着される。すなわち、拘束プレート70で両側を拘束しておけば、電池モジュールの内圧が上昇してモジュールの両側面が外側に膨らむように変形しても、最大変形量を所定値以下に規制することができる。変形量があまりに大きいと、電池モジュール100に格納されている単電池の正極板と負極板との間隔が変化して電池性能が変わってしまう場合があるが、拘束プレート70によって最大変形量を所定値以下に規制しておけば、このようなおそれを回避することができる。また、38個の電池モジュールをきちんと並べ両側を拘束プレート70で軽く拘束して一体化しておけば、すべての電池モジュール100を一度に位置決めすることができるので、ロアケース60への組み付け作業を簡単にできる場合もある。
【0062】本実施例の結合構造を採用した電池モジュール100は、短手方向の荷重に対して変形する橋梁部112を有するため、短手方向の荷重を受けるとロアケース60に対して相対変位する。しかし、電池モジュール100の両側は拘束プレート70によって拘束されているので、電池モジュール100が所定以上に大きく変位してしまうことはない。また、それ以上の大きな荷重が加わった場合には、電池モジュール100が変位して拘束プレート70に荷重が加わることになる。すなわち、大きな荷重が橋梁部112に集中してかかるおそれがない。
【0063】C.変形例:上述した電池モジュールの結合構造には、種々の変形例が存在する。第1の変形例の結合構造は、図11に示すように、円柱形の結合部210とモジュール容器202とが、橋梁部212で長手方向につながった構造となっている。第1の変形例の電池モジュール200の場合もモジュール容器202は樹脂によって形成され、結合部210の内部には金属製のネジ部材214が埋設されている。前述した実施例と同様に、電池モジュール200はネジ部材214を用いてロアケース60にネジ止めされる。
【0064】かかる第1の変形例の結合構造を有する電池モジュール200に短手方向の荷重か加わると、前述した結合構造の場合と同様に、橋梁部212が変形して荷重を吸収する。このため、結合部210に大きな捻りトルクあるいは曲げトルクがかかることがない。
【0065】また、第1の変形例の結合構造には、結合部210の外径を電池モジュールの厚さT程度まで大きくすることができるので、大きなネジ部材214を埋設することができる。大きなネジ部材214を用いれば、太いボルトを用いて、電池モジュール200とロアケース60とをしっかりと結合することができるので好適である。
【0066】上述した結合構造においては、荷重を受けて変形する橋梁部はいずれも電池モジュール側に設けられているが、ロアケース側に設けてもよい。図12は、ロアケース60側に、結合部310および橋梁部312を設けた結合構造を示した説明図である。図12に示すように、第2の変形例においては、結合部310とロアケースの本体とは橋梁部312によってつながっている。橋梁部312の方向は、組み付けられる電池モジュールの長手方向に一致している。
【0067】かかる第2の変形例の結合構造においては、組み付けられている電池モジュールに短手方向の荷重が加わると、ロアケース側に設けられた橋梁部312が変形して、電池モジュールにかかった荷重を吸収する。このため、電池モジュールとロアケースとの結合部でに大きな荷重が加わることを回避することができる。
【0068】また、ロアケース60に容易に変形可能な突起部を設け、該突起部に電池モジュールをネジ止めした結合構造としてもよい。図13は、かかる第3の変形例の結合構造を説明するためのロアケース60の横断面図である。図示されているように、ロアケース60に設けられた冷却風通路60bの両側に、変形部412として、容易に変形可能な突起部を設け、該突起部に電池モジュールの両端をボルト61でネジ止めする。
【0069】かかる第3の変形例の結合構造においては、以下に説明するように、熱膨張による電池モジュールの変形を変形部412で吸収することによって、電池モジュールとロアケース60との結合部に大きな荷重が加わることを回避することができる。すなわち、環境温度が変動すると、それに伴って電池モジュール両端に埋め込まれたネジ部材414間の距離も増減するが、電池モジュールとロアケースとは、通常、熱膨張係数が異なっているので、電池モジュールとロアケースとの結合部分に熱応力が発生し得る。これに対して、第3の変形例の結合構造においては、ロアケースに設けた変形部412が、図中に破線で示すように変形して熱膨張差を吸収するので、結合部に生じる熱応力が緩和され、電池モジュールとロアケースとの結合部に大きな荷重が加わることを回避することができる。
【0070】上述の例では、電池モジュールをロアケースに組み付ける際に、荷重を受けて変形する部分である変形部を電池モジュールあるいはロアケースのいずれかに設けている。しかし、これに限らず、荷重を受けて変形する部材を介して、電池モジュールをロアケースに組み付けるようにしてもよい。図14は、変形部を有するスタッドボルト561を用いて電池モジュールをロアケースに結合する例を示している。図14に示した第4の変形例の結合構造においては、電池モジュール500をロアケース60と結合するために結合部510には、ネジ部材514が埋設されていて、ネジ部材514に、スタッドボルト561の一端をねじ込む。次いで、ねじ込まれたスタッドボルト561の他端を、ロアケース60に設けられた取り付け穴60bに入れて、ナットでロアケース60に固定する。図14に示すように、スタッドボルト561の中央部分にはゴムなどの弾性材料あるいは可塑性材料でできた変形部512が設けられている。電池モジュール500に短手方向の荷重が加わると、スタッドボルト561に設けた変形部512が変形して荷重を吸収する。このため、電池モジュールとロアケースとの結合部に大きな荷重が加わることを回避することができる。図14に示した例では、変形部を有するスタッドボルト561を介して電池モジュールとロアケースとを結合したが、これに限らず例えば、図15に示す第5の変形例のように、ゴムシート等の変形部材612を介して電池モジュールとロアケースとを接着しても構わない。
【0071】更には、次のような単純な構造を用いて電池モジュールを取り付けても良い。すなわち、電池モジュール700の結合部に取り付け穴710を設けておき、図16に示すように、この取り付け穴710にボルト761を通して、ワッシャ762とロアケース60とで電池モジュール7700を挟み込むように締結する。ここで、電池モジュールの取り付け穴710の内径を、ボルト761との間に所定の隙間が生じるような適切な値にしておく。このような第6の変形例では、何らかの要因で電池モジュール700に大きな荷重が加わった場合に、取り付け穴710とボルト761との間に設けた隙間の分だけ電池モジュール700が移動し得る。また、熱膨張によって電池モジュール700が変形した場合にも、かかる相対移動によって変形を吸収することもできる。従って、電池モジュールとロアケースとの結合部分に大きな荷重が生じることを回避することが可能となる。
【0072】以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100096817
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−268717(P2001−268717A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−74443(P2000−74443)