| 【発明の名称】 |
ハイブリッド電気自動車およびその暖機制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山井 公博
【氏名】松村 哲生
【氏名】藤本 欽也
【氏名】小宮山 晋
【氏名】射落 淳
【氏名】庄司 淳
【氏名】大蔵 一真
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| 【要約】 |
【課題】ハイブリッド電気自動車において、バッテリ温度が低い状態からの始動時は、バッテリの入出力特性を十分に生かすことが出来ず、車両として要求されている駆動力を満たすことができないという問題がある。本発明はバッテリの温度が低いときの、バッテリの暖機制御に関し、充放電制御により自己加熱をはかり入出力特性を改善することにある。
【解決手段】ハイブリッド電気自動車において、検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた値よりも低いとき、エンジンよる駆動力を所定値減あるいは増とし、モータによる駆動力を所定値増あるいは減じた値をそれぞれ指令値とし、バッテリを放電あるいは充電制御することにある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ減らした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ増やした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリに放電指令を与える放電指令手段を具備したことを特徴とするハイブリッド電気自動車。 【請求項2】エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ増やした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ減らした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリ充電手段に指令を与える充電指令手段を具備したことを特徴とするハイブリッド電気自動車。 【請求項3】請求項1または2において、前記エンジン出力指令値、前記モータ出力指令値の前回値と今回演算した値の差は所定の値以下に制限したことを特徴とするハイブリッド電気自動車。 【請求項4】請求項1において、バッテリ温度検出手段により検出された温度があらかじめ定められた値よりも低くバッテリの出力可能電力があらかじめ定められた値よりも小さいときはバッテリに放電指令を与えないことを特徴とするハイブリッド電気自動車。 【請求項5】エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ減らした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ増やした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリに放電指令を与える放電指令手段による制御と、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ増やした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ減らした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリ充電手段に指令を与える充電指令手段による制御と、を交互に繰り返すことを特徴とするハイブリッド電気自動車。 【請求項6】エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度が所定値よりも低くバッテリの出力可能電力が所定値よりも小さいとき、SOC(バッテリ充電状態)が所定値よりも小さいときは充電制御し、前記SOCが所定値よりも大きいときはバッテリの入出力電力を比較し、前記入力電力が大きいときは充電制御し、前記出力電力が大きいときは要求駆動力と入力可能電力を比較し、前記入力可能電力が大きいときは充電制御し、前記要求駆動力が大きいときは放電制御することを特徴とするハイブリッド電気自動車の暖気制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの動力と、バッテリを動力源としてモータを駆動した動力と、により走行を行うハイブリッド電気自動車およびその暖機制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】冬季などの始動では、バッテリの温度が低くバッテリの内部抵抗が高いため、一般のガソリンエンジンでも始動し難いことがある。この点については、エンジンの動力と、バッテリを動力源としてモータを駆動した動力とにより走行するハイブリッド電気自動車の場合も同じである。 【0003】車載されたバッテリを暖機する従来技術として、例えば特開2000−23307号公報に記載されている技術がある。これは、ハイブリッド車両に搭載されるバッテリの温度が所定値以下あるいはバッテリの内部抵抗が所定値以上で、かつバッテリのSOC(バッテリ充電状態)が所定値以上でかつエンジン冷却水温度が所定値以下の場合に、バッテリからモータへ電力を供給してエンジンを始動し、始動後もバッテリからモータに電力を供給してモータを力行運転することにより、バッテリの温度を上昇させるものである。 【0004】またほかに公知例特開平9−275601号公報がある。これは冷機時、バッテリを暖機するために、エンジン周囲の空気を取り込む空気取り入れ通路をバッテリ収容室に連結している場合について述べている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、ハイブリッド電気自動車で、冷機始動を行なおうとすると、冷機時のバッテリに入出力可能な電力が制限され、ハイブリッド自動車の特徴であるモータによるエンジン駆動力の補助量や、ブレーキ時のエネルギー回生量が制限され、燃費が悪化する問題がある。そのため外気温が低い時は、早急にバッテリを暖め、バッテリの入出力を改善する必要がある。 【0006】また、エンジン始動に必要な電力が得られないとハイブリッド電気自動車の特徴であるアイドル停止が行なえなくなり、燃費が悪化することになる。 【0007】上記前者の方法は、バッテリの温度が所定値よりも低いとき、始動後もバッテリからモータへ電力を供給してモータを力行運転してバッテリの温度を上げようとするものである。しかしSOCが所定値より大きくバッテリ放電状態と判断した場合は、必ずバッテリを放電する事になり、バッテリに流れる電流を考慮していないから、バッテリを暖機する効率が悪いという欠点がある。また、上記後者のエンジン周囲の空気を取り込む方法では、あらたに通路を設けなければならないし、暖機の効率もよくない。 【0008】本発明の目的は、バッテリ温度が低い状態からの始動時に車両として要求されている駆動力を満たすことができるハイブリッド電気自動車およびその暖機制御方法を提供することにある。 【0009】本発明の他の目的は、バッテリのSOCによりバッテリ放電状態を優先すると判断した場合でも、バッテリの出力可能電力とバッテリの入力可能電力を比較することにより、バッテリに流れる電流を大きく取りバッテリを暖める時間を早めるハイブリッド電気自動車およびその暖機制御方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明は以下の手段により構成する。エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ減らした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ増やした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリに放電指令を与える放電指令手段を具備したことにある。 【0011】また、エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ増やした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ減らした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリ充電手段に指令を与える充電指令手段を具備したことにある。 【0012】また、前記エンジン出力指令値、前記モータ出力指令値の前回値と今回演算した値の差は所定の値以下に制限したこと、あるいは、前記バッテリ温度検出手段により検出された温度があらかじめ定められた値よりも低くバッテリの出力可能電力があらかじめ定められた値よりも小さいときはバッテリに放電指令を与えないことにある。 【0013】また、エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ減らした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ増やした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリに放電指令を与える放電指令手段による制御と、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度があらかじめ定められた温度よりも低いとき前記エンジンの動力により走行する駆動力をあらかじめ定められた値だけ増やした値を指令値とするエンジンの出力指令手段と、前記モータの動力により走行する駆動力を予め定められた値だけ減らした値を指令値とするモータ出力指令手段と、前記エンジン出力指令値と前記モータ出力指令値に基づき前記バッテリ充電手段に指令を与える充電指令手段による制御と、を交互に繰り返すことにある。 【0014】さらに、エンジンの動力により走行する手段と、バッテリを動力源としてモータの動力により走行する手段と、前記エンジンの動力により前記バッテリを充電する手段と、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段とを有し、前記バッテリ温度検出手段により検出されたバッテリ温度が所定値よりも低くバッテリの出力可能電力が所定値よりも小さいとき、SOCが所定値よりも小さいときは充電制御し、SOCが所定値よりも大きいときはバッテリの入出力電力を比較し、前記入力電力が大きいときは充電制御し、前記出力電力が大きいときは要求駆動力と入力可能電力を比較し、前記入力可能電力が大きいときは充電制御し、前記要求駆動力が大きいときは放電制御することにある。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明のハイブリッド電気自動車の一実施形態を、図を用いて以下詳細に説明する。図1はハイブリッド電気自動車の機器構成と制御ブロック構成の一実施形態を示している。このハイブリッド電気自動車のパワートレインは、モータ11、エンジン12、クラッチ13、モータ14、CVT(無段変速機)15、および駆動輪16から構成される。モータ11とエンジン12は駆動連結されており、エンジン12とモータ14はクラッチ13を介して駆動連結されている。クラッチ13は運転者の操作と車両の状態によって、エンジン12とモータ14の間の動力を切り離すことができる。モータ14と駆動輪16はCVT(無段変速機)15を介して駆動連結されており、CVT15は変速比を変化させて車軸16に最適な駆動力を伝えることができる。また、バッテリ17は、インバータ18を通してモータ11とモータ14に連結されている。 【0016】本ハイブリッド電気自動車の走行は、クラッチ13締結時はエンジン12とモータ14の双方の動力で行い、クラッチ13解放時はモータ14のみの動力すなわちバッテリを電源として走行する。エンジン12および/またはモーター14の駆動力は、CVT15を介して駆動輪16に伝達される。 【0017】モータ11、14は三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、モータ11は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モータ14は主として車両の推進と制動に用いられる。なお、モーター11、14、には交流機に限らず直流電動機を用いることもできる。また、クラッチ13締結時に、モーター11を車両の推進と制動に用いることもでき、モーター14をエンジン始動や発電に用いることもできる。 【0018】クラッチ13はこの例ではパウダークラッチであり、伝達トルクがほぼ励磁電流に比例するので伝達トルクを調節することができる。CVT15はベルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比を無段階に調節することができるものである。 【0019】モーター11、14はそれぞれ、インバーター18により駆動される。なお、モーター11、14に直流電動機を用いる場合には、インバーター18の代わりにDC/DCコンバーターを用いることになる。インバーター18はバッテリー17に接続されており、バッテリー17の直流電力を交流電力に変換してモーター11、14へ供給するとともに、モーター11、14の交流発電電力を直流電力に変換してバッテリー17を充電する。また、バッテリー17にはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池などが用いられる。 【0020】統合制御装置21は、マイクロコンピューターとその周辺部品や各種アクチュエータなどを備え、エンジン12の回転速度や出力トルク、クラッチ13の伝達トルク、モーター11、14の出力トルク、CVT15の変速比、バッテリー17の充放電などを制御する。 【0021】統合制御装置21は、図2に示すような機器が接続されている。セレクトレバーSW31は、パーキングP、ニュートラルN、リバースRおよびドライブDを切り換えるセレクトレバー(不図示)の設定位置に応じて、P、N、R、Dのいずれかのスイッチがオンする。 【0022】アクセルセンサー32はアクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と呼ぶ)を検出し、ブレーキスイッチ33はブレーキペダルの踏み込み状態(この時、スイッチ オン)を検出する。車速センサー34は車両の走行速度Vsを検出し、バッテリー温度センサー35はバッテリー17の温度Tbを検出する。また、バッテリー残量検出装置36はバッテリー17の充電状態を検出する。さらに、エンジン回転センサー37はエンジン12の回転速度Neを検出する。 【0023】燃料噴射装置41はエンジン12へ燃料を噴射し、点火装置42はエンジン12の点火を行う。補助バッテリー43は、統合制御装置21などの車載機器へ低圧電源を供給する。 【0024】図3は、統合制御装置21によるエンジン12、モーター11、14およびバッテリの充電制御をおこなうためのブロック図であり、エンジン及びモータに対する指令値の分配手段を示している。図3のブロックC1では、アクセルセンサ32により検出されたアクセル開度と、車速センサー34により検出された車速Vsとに基づいて、駆動軸における目標駆動トルクτsを求める。 【0025】また、図3のブロックC2では、目標駆動トルクτsと、CVT15の実変速比とに基づいて、エンジン軸周りに変換した目標駆動トルクτdeを求める。 【0026】また、図3のブロックC3では、トルクに対する燃料消費率の最も少ない点を各回転数毎に結んだ最良燃費線トルクマップに、エンジン回転数Neを入力し、最良燃費トルクτaを求める。図3のブロックC4では、最良燃費トルクτaにバッテリ暖気分補正値を加えたものを、エンジンの上限/下限トルクで制限する処理を行いエンジン出力可能トルクτleを求める。 【0027】図3のブロックC5では、エンジン軸周り目標駆動トルクτdeから、各補記類の使用する電力やバッテリーの状態から求まる要求発電トルクを引いたエンジントルク暫定値τgと、エンジン出力可能トルクτleとの比較を行い、値の小さいほうを選択し、エンジントルク指令値τeを求める。通常制御の場合は、最良燃費トルクτaと、エンジントルク暫定値τgの比較を行い、値の小さい方を選択し、エンジントルク指令値τeを求める。 【0028】また、目標駆動トルクτdeから、エンジントルク指令値τeを引き、モータトルク指令値τmを求める。モータトルク指令値τmが正のときは、主としてモータ14を駆動して、負のときは主としてモータ11からバッテリ17を充電する。 【0029】ここで、図3のブロックC2から求まるエンジン軸周り目標駆動トルクτdeが図3のブロックC4で求めるエンジン出力可能トルクτleより大きい場合、モータトルク指令値τmに正の値を出力する。しかし、この場合は通常制御では、同時にCVT15に変速指令を出し、モータトルク指令値τmが0となるようにエンジン回転数Neを上げる。 【0030】よって、この場合、モータトルク指令値τmが0に近づき、バッテリの放電を行わなくなるので、バッテリの温度は上昇しなくなり、バッテリの入出力は改善しない。そこで、バッテリ暖気分補正値を正負に振ることで、バッテリに充放電を行い、バッテリの入出力を改善する。また、目標駆動トルクτdeに車速を乗算して単位変換し、目標駆動仕事率Pdを算出する。 【0031】以下、このバッテリ暖気分補正値の算出手段について、フローチャートを用いて詳細に説明する。 【0032】統合制御装置21は、図4、図5、図6、図7、図8、図9の処理を順に行うことで、バッテリ暖機分補正値を求め、目標駆動トルクと各制御装置など補機類の使用する電力やバッテリ状態から求まる所望の充電電力をエンジン出力指令値とモータ出力指令値と充電電力指令値へ分配する。 【0033】図4において、統合制御装置21は、バッテリ温度Tbが所定値T未満(S11)すなわちTb<Tでかつ、バッテリ出力可能電力Pbが所定値P未満の場合(S12)すなわちPb<Pでかつ、車両が走行中の場合(S13、Yes)、バッテリの暖機制御許可フラグをONする(S14)。Tはバッテリの暖気制御を行なうかどうかの判断のためのあらかじめ定められた温度、Pはバッテリの出力可能電力としてあらかじめ定められた電力の値である。また、バッテリ温度がT以上(S11、No)または、バッテリ出力可能電力がP以上の場合(S12、No)、または、車両走行中でない場合(S13、No)は、バッテリの暖機制御許可フラグをOFFする(S15)。すなわちバッテリ温度が比較的高いので暖気制御は行なわない。 【0034】次に、バッテリの暖気制御を行なう場合について述べる。統合制御装置21は、図5のS21において、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S14の条件)でかつ、SOCが所定値SOC1以上ある場合は(S22、YES)、バッテリ充電フラグ1をOFFし(S23)、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S21、YES)でかつ、SOCが所定値SOC2未満の場合は(S24、YES)、バッテリ充電フラグ1をONする(S25)。 【0035】統合制御装置21は、図6においてバッテリの暖機制御許可フラグがON(S31、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグ1がON(S32、No)の場合は、バッテリ充電フラグをONする(S36)。 【0036】また、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S31、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグ1がOFF(S32、Yes)でかつ、バッテリの出力可能電力がバッテリ入力可能電力以下(S33、No)の場合は、バッテリ充電フラグをONする(S36)。 【0037】また、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S31、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグ1がOFF(S32、Yes)でかつ、バッテリ出力可能電力がバッテリ入力可能電力より大きい(S33、Yes)でかつ、目標駆動力(仕事率)がバッテリ入力可能電力未満(S34、No)の場合は、バッテリ充電フラグをONにする(S36)。また、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S31、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグ1がOFF(S32、Yes)でかつ、バッテリ出力可能電力がバッテリ入力可能電力より大きい(S33、Yes)でかつ、目標駆動力(仕事率)がバッテリ入力可能電力より大きい(S34、Yes)場合は、バッテリ充電フラグをOFFにする(S35)。 【0038】統合制御装置21は次に図7において、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S41、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグがOFFならば(S42、Yes)バッテリ放電状態と判断し、バッテリ出力可能電力をバッテリ暖機分補正値αに代入し(S43)、(目標駆動力(仕事率)+補機類の使用する電力−α)をエンジン出力指令値とし(S44)、(α−補機類が使用する電力)を放電指令値及びモータ出力指令値とする。バッテリの暖機制御許可フラグがON(S41、Yes)でかつ、バッテリ充電フラグがONならばバッテリ充電状態と判断し(S42、No)、充電可能電力算出ステップ(S45)ではバッテリ入力可能電力をαに代入し(S45)、バッテリは充電状態にあり(目標駆動力(仕事率)+補機類の使用する電力+α)をエンジン出力指令値とし、(補機類の使用する電力+α)を充電指令値及びモータ発電時指令値とする(S46)。バッテリの暖機制御許可フラグがOFFの場合は(S41、No)、通常制御を行う。 【0039】図8において、統合制御装置21は、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S51、Yes)でかつ、エンジン出力指令値がエンジン出力指令値の過去値より大きい(S52、Yes)でかつ、(エンジン出力指令値−エンジン出力指令値の過去値)が所定値Ted1より大きい(S53、Yes)場合、エンジン出力指令値を(エンジン出力指令値の過去値+Ted1)とし(S54)、最後にエンジン出力指令値の過去値をエンジン出力指令値に更新する(S57)。 【0040】また、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S51、Yes)でかつ、エンジン出力指令値(エンジントルク指令値)がエンジン出力指令値の過去値以下のとき(S52、No)でかつ、(エンジン出力指令値−エンジン出力指令値の過去値)が所定値(−Ted2)より小さい(S55、Yes)場合、エンジン出力指令値を(エンジン出力指令値の過去値−Ted2)とし(S56)、最後にエンジン出力指令値の過去値を、エンジン出力指令値に更新する(S57)。これらは、指令値の大きな変化を抑制できる効果がある。 【0041】図9において、統合制御装置21は、バッテリの暖機制御許可フラグがON(S61、Yes)でかつ、充電指令値(モータトルク指令値)が充電指令値の過去値より大きい(S62、Yes)でかつ、(充電指令値−充電指令値の過去値)が所定値Tcd1より大きい(S63、Yes)場合、充電指令値を(充電指令値の過去値+Tcd1)とし(S64)、最後には充電指令値の過去値を充電指令値に更新する(S67)。 【0042】バッテリの暖機制御許可フラグがON(S61、Yes)かつ、充電指令値が充電指令値の過去値以下(S62、No)かつ、(充電指令値−充電指令値の過去値)が所定値(−Tcd2)より小さい(S65、Yes)場合、充電指令値を(充電指令値の過去値−Tcd2)とし(S66)、最後に充電指令値の過去値を、充電指令値に更新する(S67)。これも充電指令値の大きな変化を抑制するものである。 【0043】次に、図10、11は、本ハイブリッド電気自動車におけるエネルギーのフローの概念図を示している。図10はバッテリを電源として駆動走行している場合、図11はエンジンにより駆動走行している場合で、モータ11は発電し、インバータ18を介して充電している場合を示している。 【0044】本ハイブリッド電気自動車は、バッテリ放電状態の場合、図10のように、バッテリ17に蓄電された電力を、インバータ18を介してモータ14に与え、モータ14の駆動力とエンジン12の駆動力で駆動輪を駆動し走行することでバッテリの電力を消費し、これによりバッテリの暖機を行う。 【0045】また、バッテリ充電状態の場合、図11のようにエンジン12の駆動力をモータ11に与え、インバータ18を介してバッテリ17に蓄電し、これによりバッテリの暖機を行い、残りのエンジン12の駆動力で駆動輪を駆動し走行する。 【0046】このように、本発明によれば、目標駆動力とバッテリの入出力可能電力とを考慮することによって、常に暖気効果の高い充放電制御を行うことができる。 【0047】また、本ハイブリッド電気自動車の、バッテリ暖機制御中における駆動力の変動の様子は、図12のようになる。グラフの縦軸を駆動トルク、横軸を時間として、エンジントルク指令値τe、目標駆動トルクτs、モータ11とモータ14の合計駆動トルクであるモータトルク指令値τmを示す。T1からT3間のバッテリ放電状態の場合は、走行に用いたモータのエネルギー量は(T2、Tr1)と(T3、0)と(T1、0)に囲まれた領域になり、T3からT5間のバッテリ充電状態に入力したエネルギー量は(T3、0)と(T5、0)と(T4、Tr0)に囲まれた領域になる。これらの領域の大きさに対応してバッテリの温度が上昇する。 【0048】この走行運転により、冷機時におけるバッテリの入出力特性を改善することができる。 【0049】 【発明の効果】本発明によれば、冷機時におけるバッテリの充電あるいは放電にともなってエンジンの出力指令値を変更するから、車両の走行にはなんら影響を与えることなく、バッテリの入出力特性を改善することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月22日(2000.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074631 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−268715(P2001−268715A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−84752(P2000−84752) |
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