| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 健一
【氏名】久保 麻巳
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| 【要約】 |
【課題】車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備える場合に、バッテリを充電すべく内燃機関による走行中に電気モータを発電機として行われる発電を効率的なタイミングで実施可能とし、発電に係る燃料消費率を抑える。
【解決手段】内燃機関が、電気モータの発電機としての効率が高くなり、かつ/又はこの内燃機関自体の燃焼効率が高い運転条件か否かを判定する(S3)。そして、この判定結果が肯定的である場合に電気モータにより大出力の発電を行わせる一方、否定的である場合には、電気モータによる発電を禁止する(電気モータの目標発電トルクtTrqを0とする(S4))。発電の効率が高くなる運転条件としては、内燃機関の高回転領域を利用し、燃焼効率が高い運転条件としては、内燃機関の高負荷領域を利用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、前記電気モータによる発電の効率が高くなる運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記発電効率が高くなる運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、これが低くなる運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成されるハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】前記運転条件判定手段は、前記電気モータによる発電の効率が高くなる運転条件として、前記内燃機関の高回転領域か否かを判定することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関の燃焼効率が高い運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記燃焼効率が高い運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、これが低い運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成されるハイブリッド車両の制御装置。 【請求項4】前記運転条件判定手段は、前記内燃機関の燃焼効率が高い運転条件として、前記内燃機関の高負荷領域か否かを判定することを特徴とする請求項3記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項5】車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、前記電気モータによる発電の効率が高くなり、かつ前記内燃機関の燃焼効率も高い運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記発電効率が高くなりかつ前記燃焼効率も高い運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、それ以外の運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成されるハイブリッド車両の制御装置。 【請求項6】前記運転条件判定手段は、前記電気モータによる発電の効率が高くなり、かつ前記内燃機関の燃焼効率も高い運転条件として、前記内燃機関の高回転高負荷領域か否かを判定することを特徴とする請求項5記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項7】前記発電制御手段は、前記電気モータによる発電を行わせるに当たり、前記電気モータに対し発電指令を発するとともに、前記内燃機関に対し出力増大指令を発することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項8】前記内燃機関が可変動弁装置を備え、前記発電制御手段が、前記電気モータによる発電に際し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が小さくなるように前記可変動弁装置を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項9】前記内燃機関が可変動弁装置を備える場合に、前記発電制御手段に対し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が所定値以上であるときに前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する大オーバーラップ時発電抑制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項10】前記発電制御手段に対し、前記内燃機関の全開運転時に前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する全開時発電抑制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項11】前記発電制御手段に対し、前記バッテリの満充電時に前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する満充電時発電抑制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、バッテリを充電するに際し、前記電気モータを発電機として用い、前記内燃機関による車両走行中にこれによって駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置に関する。より詳細には、かかる発電を最適なタイミングで行わせることにより、燃料消費量の低減を図ることができる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備えるハイブリッド車両の開発が進められている。かかるハイブリッド車両に関し、バッテリを充電すべくその走行時に行わせる発電について適用可能な技術として、次のようなものがある。 【0003】すなわち、バッテリを、その充電状態が所定の放電状態まで消耗したときに、満充電状態か、或いは所定の充電状態まで充電するのである(特開平10−201003号公報参照)。この技術によると、上記の発電は、車両走行時に、バッテリの充電状態に対応して行われることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、現在、本出願人により、これと目的を同じくする車両走行時の発電を、車両走行用の動力源を構成する電気モータを発電機としても機能させ、内燃機関による走行中にこれによって駆動することで行うハイブリッド車両が提案されている。かかる車両において、上記のようにバッテリの充電状態に完全に対応させて発電を行うとすると、次のような問題がある。 【0005】すなわち、この場合には、発電機(電気モータ)は、車両走行用の動力を供給している内燃機関によって駆動されて発電を行うことになるが、例えば、この内燃機関が低回転領域にあるときにバッテリが所定の放電状態に達したとすると、その状態では発電を効率的に行うことができないにもかかわらず、これが強制的に開始されることになる。そして、これに付随して、燃料消費率に悪化を来すのである。 【0006】また、これと同様な結果は、上記の内燃機関が低負荷領域にあるとき、特にアイドリング時にバッテリが所定の放電状態に達した場合にも生じうる。この場合には、内燃機関の燃焼効率が低い状態で発電が行われることになるからである。 【0007】かかる実情に鑑み、本発明は、バッテリを充電すべく内燃機関による走行中に行われる発電を効率的なタイミングで実施可能とすることにより、発電に係る燃料消費率を抑え、車両全体としても燃料消費量を低減することのできるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このため、本発明は、請求項1記載のように、車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、図1に示すように、前記電気モータによる発電の効率が高くなる運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記発電効率が高くなる運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、これが低くなる運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成される。 【0009】かかる構成によれば、前記発電制御手段により、バッテリを充電すべく内燃機関による走行中に行われる発電は、前記運転条件判定手段による判定結果が肯定的な場合にのみ限られる。これにより、車両を発進させてから停止させるまでの間に、バッテリを充電するに際し、電気モータの発電機としての効率の高い状態が積極的に利用されることになる。 【0010】この場合には、前記運転条件判定手段は、請求項2記載のように、前記電気モータによる発電の効率が高くなる運転条件として、前記内燃機関の高回転領域か否かを判定するのが好ましい。 【0011】また、本発明は、請求項3記載のように、車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関の燃焼効率が高い運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記燃焼効率が高い運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、これが低い運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成される。 【0012】かかる構成によれば、前記発電制御手段により、バッテリを充電すべく内燃機関による走行中に行われる発電は、前記運転条件判定手段による判定結果が肯定的な場合にのみ限られる。これにより、車両を発進させてから停止させるまでの間に、バッテリを充電するに際し、そのときの駆動力を提供する内燃機関の燃焼効率の高い状態が積極的に利用されることになる。 【0013】この場合には、前記運転条件判定手段は、請求項4記載のように、前記内燃機関の燃焼効率が高い運転条件として、前記内燃機関の高負荷領域か否かを判定するのが好ましい。 【0014】さらに、本発明は、請求項5記載のように、車両走行用の動力源として内燃機関と、バッテリを電力源とする電気モータとを備え、前記内燃機関による車両走行中に、前記バッテリを充電すべく、前記電気モータを発電機として前記内燃機関により駆動して発電するハイブリッド車両の制御装置であって、前記電気モータによる発電の効率が高くなり、かつ前記内燃機関の燃焼効率も高い運転条件か否かを判定する運転条件判定手段と、前記発電効率が高くなりかつ前記燃焼効率も高い運転条件にて前記電気モータによる発電を行わせる一方、それ以外の運転条件では、前記電気モータによる発電を禁止する発電制御手段と、を含んで構成される。 【0015】かかる構成によれば、前記発電制御手段により、バッテリを充電すべく内燃機関による走行中に行われる発電は、前記運転条件判定手段による判定結果が肯定的な場合にのみ限られる。これにより、車両を発進させてから停止させるまでの間に、バッテリを充電するに際し、電気モータの発電機としての効率が高く、かつこれを駆動する内燃機関の燃焼効率も高い状態が積極的に利用されることになる。 【0016】この場合には、前記運転条件判定手段は、請求項6記載のように、前記電気モータによる発電の効率が高くなり、かつ前記内燃機関の燃焼効率も高い運転条件として、前記内燃機関の高回転高負荷領域か否かを判定するのが好ましい。 【0017】本発明は、請求項7記載のように、前記発電制御手段が、前記電気モータによる発電を行わせるに当たり、前記電気モータに対し発電指令を発するとともに、前記内燃機関に対し出力増大指令を発するのが好ましい。 【0018】また、請求項8記載のように、前記内燃機関が可変動弁装置を備え、前記発電制御手段が、前記電気モータによる発電に際し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が小さくなるように前記可変動弁装置を制御するのが好ましい。 【0019】前記内燃機関が可変動弁装置を備える場合には、請求項9記載のように、前記発電制御手段に対し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が所定値以上であるときに前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する大オーバーラップ時発電抑制手段を備えるのが好ましい。 【0020】本発明は、請求項10記載のように、前記発電制御手段に対し、前記内燃機関の全開運転時に前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する全開時発電抑制手段を備えるのが好ましい。 【0021】また、請求項11記載のように、前記発電制御手段に対し、前記バッテリの満充電時に前記電気モータによる発電を控えさせるか、又はこれを禁止する満充電時発電抑制手段を備えるのが好ましい。 【0022】 【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、バッテリを車両走行時に充電するに際し、電気モータの発電機としての効率の高い状態、特に、請求項2に係る発明のように、内燃機関の高回転領域を積極的に利用することで、そのための電力を、ある一定の機関出力から効率的に発生させることができる。従って、電気モータによる損失エネルギーを抑え、発電に係る燃料消費率の低減を図ることができる。 【0023】請求項3に係る発明によれば、バッテリを車両走行時に充電するに際し、その動力源たる内燃機関の燃焼効率の高い状態、特に、請求項4に係る発明のように、その高負荷領域を積極的に利用することで、発電に用いられる機関出力を効率的に発生させることができる。従って、電気モータに対し、必要とされる駆動力を、最少限の消費燃料で提供することが可能となる。 【0024】請求項5に係る発明によれば、バッテリを車両走行時に充電するに際し、電気モータの発電機としての効率が高く、かつその動力源たる内燃機関の燃焼効率も高い状態、特に、請求項6に係る発明のように、内燃機関の高回転高負荷領域を積極的に利用することで、そのための電力を電気モータにより効率的に発生させることができるだけでなく、このときに用いられる駆動力も内燃機関により効率的に発生させることができる。従って、より一層の燃料消費量の低減を図ることができる。 【0025】請求項7に係る発明によれば、内燃機関による走行中に発電を開始するに当たり、これに併せて内燃機関の出力を増大させることで、電気的な負荷の増大による悪影響を緩和し、安定した走行を提供することが可能となる。 【0026】請求項8に係る発明によれば、内燃機関による走行中に発電を行うに際し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量を小さくすることで、混合気の吹抜けを防止し、燃料消費率を抑えた発電が可能となる。 【0027】請求項9に係る発明によれば、オーバーラップ量がある程度小さいときにのみ通常の発電を行わせることで、内燃機関に対し出力重視の運転をさせている場合における大出力の発電を回避して、発電タイミングの最適化(燃焼消費量の低減)と運転性の維持との両立を図ることができる。 【0028】請求項10に係る発明によれば、内燃機関の全負荷領域における発電を抑えるか、或いは禁止することで、機関出力を優先すべき状態における大出力の発電を回避して、発電タイミングの最適化と運転性の維持との両立を図ることができる。 【0029】請求項11に係る発明によれば、バッテリが満充電状態にある場合における発電を抑えるか、或いは禁止することで、過充電によるバッテリの劣化を防止することができる。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の構成を示す概略図である。このように、本ハイブリッド車両では、内燃機関(以下、エンジン)1の出力側に、発電機を兼ねる電気モータ(以下、モータジェネレータ)2を直結する。そして、モータジェネレータ2に変速機3を接続し、この変速機3の出力側の駆動軸4により、ディファレンシャル5を介して駆動輪側の車軸6を駆動できるようにする。 【0031】ここで、モータジェネレータ2は、エンジン1の始動時又は車両の発進時にエンジン1のクランキングを行う始動手段として用いられ、特に、所定のアイドルストップ条件にてエンジン1を自動的に停止させるアイドルストップ装置を備える場合には、アイドルストップ後に、所定のアイドルストップ解除条件にてエンジン1を自動的に再始動する際に用いられる。 【0032】そして、消耗したバッテリに充電するため、モータジェネレータ2が発電機として用いられ、減速運転時に駆動軸4側からのエネルギーを回生して発電を行うとともに、これ以外の運転条件においても、エンジン1による車両走行中にこれによって駆動されて発電を行う。 【0033】図3は、本実施形態における電力供給系の構成を示す概略図である。高電圧バッテリ11は、定格42[V]程度の、モータジェネレータ2の電力源となる充放電可能な電池電源であって、具体的には、鉛酸バッテリ(Lead ac-id battery;充放電中に組成が変わる酸化鉛を含む鉛の格子を電極とし、希硫酸を電解質とする鉛蓄電池)を用いている。 【0034】この高電圧バッテリ11の充電時、すなわち、モータジェネレータ2から発電電力が得られている状態では、モータジェネレータ2により発生する3相交流電力が、インバータ12により直流電力に変換され、ジャンクションボックス13を介して高電圧バッテリ11に供給される。一方、放電時には、高電圧バッテリ11の放電電力が、ジャンクションボックス13及びインバータ12を介して3相交流電力に変換され、モータジェネレータ2に供給される。 【0035】低電圧バッテリ14は、エンジン補機負荷を含む車載電気負荷の電力源として一般的に用いられている定格14[V]程度の鉛酸電池で、その電気エネルギーは、モータジェネレータ2からインバータ12及びジャンクションボックス13を介した後、DC/DCコンバータ15を介して、蓄えられる。 【0036】電子制御ユニット16は、車両のエンジン回転数Ne、車速VSP、アクセル操作量ACC、吸入空気量Qa及びアイドルスイッチ信号等の各種信号が入力される他、モータジェネレータ2により発生しインバータ12により変換された発電電流IMGを検出する電流センサ17からの信号、高電圧バッテリ11への充電電流(又は放電電流)IHを検出する電流センサ18からの信号、及び高電圧バッテリ11の端子電圧VHを検出する電圧センサ19からの信号が入力され、これらを基に、エンジン1及びモータジェネレータ2を制御する。 【0037】次に、電子制御ユニット16による制御について、図4〜7を参照して説明する。まず、図4,5に示すブロック図に基づいて、モータジェネレータ2の発電量(発電電流)制御について説明する。 【0038】目標充電レベル設定部21は、高電圧バッテリ11の目標充電レベルtSOC[%]を設定する。tSOCは、満充電量(初期状態での満充電量又は満充電状態にて学習した満充電量)に対する目標充電量の割合として設定され、ここでは、95%としている。なお、このtSOCは満充電相当レベルに対応するが、実際の充電レベルの検出誤差を考慮し、これが±α[%]であるとすると、100−α[%]に設定される。従って、検出誤差が±5%であるときに、tSOCが95%に設定される。このように検出誤差を考慮することにより、高電圧バッテリ11の過充電を防止することができる。 【0039】充電レベル検出部22は、高電圧バッテリ11の実際の充電レベルを、次のようにして検出(推定)する。まず、エンジン1の始動時(大電流放電時)に、放電時特性VH=E0−IH×R(VHはバッテリの端子電圧、E0は開放端電圧(起電力)、IHは放電電流、Rはバッテリの内部抵抗)より、実際に検出した複数点でのVH,VIから、E0,Rを求め、充電量=f(E0)を推定する。その後は、電流センサ18によって検出された高電圧バッテリ11の充放電電流IHを時間積算し、充電量を更新する(充電量=充電量+IH×Δt;Δtは積算の時間隔)。そして、このようにして求められた充電量を満充電量(所定の初期容量又は学習した満充電量)で除算して、充電レベルSOC[%]を算出する。 【0040】なお、ここでは、目標充電レベルtSOC及び充電レベルSOCを満充電状態に対する割合として検出し及び設定しているが、絶対量である充電量として検出し及び設定するようにしてもよい。 【0041】目標充電電流算出部23は、目標充電レベルtSOCと、検出された充電レベルSOCとを比較し、その差分(tSOC−SOC)に比例積分制御に基づくゲインKを乗じるなどして、充電量のフィードバック制御量を算出する。そして、これを電流換算して、高電圧バッテリ11への目標充電電流tIc とする。 【0042】一方、電気負荷電流算出部24は、電流センサ17によって検出されたモータジェネレータ2の実際の発電電流IMGから、電流センサ18によって検出された高電圧バッテリ11への実際の充電電流IHを減算して、エアコン、パワステ等の車載電気負荷に供給されている電気負荷電流(=IMG−IH)を算出する。つまり、IMGからIHを減算して低電圧バッテリ14への充電電流ILを求め、この充電電流ILを電気負荷電流と推定する。 【0043】バッテリ充電時目標発電電流算出部25は、以上のようにして求められた目標充電電流tIc と電気負荷電流(=IL)を加算して、モータジェネレータ2の目標発電電流tIg を求める(即ち、tIg =tIc +IL)。以下、図5を参照する。 【0044】目標発電トルク算出部31は、実際のモータ発電電流が目標発電電流tIg と等価となるように、モータジェネレータ(M/G)2への目標発電トルクtTrqを設定する。 【0045】この際に、目標発電トルク算出部31は、モータジェネレータ2の発電効率や、エンジン(ENG)1の燃焼効率等の燃費改善因子を考慮する。そして、バッテリを充電すべくエンジン1による車両走行中に行われる発電が、前記燃費改善因子を良好にできるようなエンジン1の運転条件で行われるようにする。ここでの具体的な制御については、後に図6を参照して説明する。 【0046】そして、電子制御ユニット16は、続く一次遅れ処理部32で一次遅れ処理された目標発電トルクtTrq’に基づいてモータジェネレータ2を制御する一方、これに伴って消費される機関出力(トルク段差分)を補うべく、エンジン1に対して出力増大指令を発する。この結果、エンジン1は、そのときの目標機関トルクに目標発電トルクtTrq分を増した出力を発生するように制御される。 【0047】なお、上記の一次遅れ処理部32は、モータジェネレータ2の応答性に対するエンジン1の遅れを考慮して設けられるものである。これにより、エンジン1による実際のトルク増大に整合させた発電が可能となる。 【0048】このように、モータジェネレータ2は、高電圧バッテリ11の充電時には目標発電電流tIg を発生するように制御されるが、一方、放電時には、このときのバッテリの劣化を防止するべく、微量の発電電流(1〜2A程度(定数))を発生するように制御される。 【0049】次に、上記の目標発電トルク算出部31による制御について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップ(以下、単にS)1で、充電レベル検出部22によって検出された充電レベルSOCが、目標充電レベル設定部21によって設定された目標充電レベルtSOC以上であるか否かを判定する。 【0050】このステップは、高電圧バッテリ11を充電する必要がない場合における発電を回避するためのものであり、高電圧バッテリ11の充電状態が所定の放電状態に達していない(充電の必要のない)場合には、目標発電トルクtTrqが0に設定される(S4)。従って、ここでの処理としては、目標充電レベルtSOCとの比較に代わり、所定の満充電相当値(例えば、95%)と比較してもよい。また、バッテリ端子電圧VHと過充電相当の端子電圧との比較に基づき、同様の目的を達することも可能である。 【0051】このように、モータジェネレータ2の目標発電トルクtTrqを設定するに際し、高電圧バッテリ11が所定の充電状態にある場合にモータジェネレータ2による発電を回避(禁止)しうる構成とすることで、バッテリの劣化を生ずる過充電を未然に防ぐことができる。 【0052】一方、充電レベルSOCが目標充電レベルtSOCより小さい場合には、バッテリを充電すべく、モータジェネレータ2による発電を行わせるため、S2以降に示す制御が実施される。 【0053】電子制御ユニット16は、まず、S2で、入力された各種信号に基づき、エンジン1の運転状態を検出する。そして、検出された運転状態に基づき、続くS3で、上記の発電を行わせるに当たりエンジン1が好ましい運転条件か否かを判定する。 【0054】この条件として、本実施形態では、エンジン1が、発電機としてのモータジェネレータ2を高効率で作動させることができる高回転領域にあり、かつエンジン1自体の効率が高い高負荷領域にあるか否かを判定する。勿論、これら2つの条件のうちのいずれかのみを採用した判定を行ってもよい。 【0055】この結果、エンジン1が高回転高負荷領域以外にあると判定された場合には、エンジン1が、モータジェネレータ2による発電に関し本実施形態に係る好ましい運転条件ではないとしてS4へ進み、目標発電トルクtTrqを0に設定する。従って、この場合には、発電は行われない。一方、エンジン1が高回転高負荷領域にあると判定された場合には、S5へ進む。 【0056】このように、エンジン1が特定の運転条件のときにモータジェネレータ2による発電が禁止される構成とすることで、バッテリを充電すべくエンジン1による車両走行中に行われる発電を、エンジン1について前記発電に有利な状態を積極的に利用して実施することができる。 【0057】S5では、エンジン1の出力領域を判定する。この結果、エンジン1が全負荷領域以外(即ち、全負荷領域を除く高回転高負荷領域)にある場合には、S6へ進んで、バッテリ充電時目標発電電流算出部25からの目標発電電流tIg に基づいて目標発電トルクtTrqを算出する。一方、エンジン1が全負荷領域(即ち、高回転高負荷領域のうちの全負荷領域)にある場合には、S7へ進んで、高電圧バッテリ11の充電状態を点検する。 【0058】そして、充電レベルSOCが所定の充電レベルSOCa より小さい場合には、S8へ進んで、所定のトルク値Ta を目標発電トルクtTrqとする。ここで、SOCa は、高電圧バッテリ11の過放電相当レベルであるのが好ましい。これにより、バッテリの少なくとも過放電状態における最低限の発電(充電)を保証することができる。一方、SOCがSOCa 以上である場合には、S4へ進んで、tTrqを0に設定する。 【0059】このように、エンジン1がモータジェネレータ2による発電に関して好ましい運転条件であるとしても、これが全負荷領域にある場合には前記発電を行わせないようにすることで、機関出力を優先すべき状態におけるエンジン1への負担をなくし、運転性の維持に寄与することができる。 【0060】以上の説明では、電子制御ユニット16は、目標発電トルクtTrqの設定に係るエンジン1の出力領域判定(S5)において、エンジン1が全開運転されているか(エンジン1の全負荷領域か)否かを判定したが、エンジン1が可変動弁装置を備える場合には、この判定に代えて、又はこれとともに、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量を監視し、これに応じてtTrqの設定手法を切り換えるようにしてもよい。 【0061】つまり、読み込まれたオーバーラップ量が所定値以上であるときにモータジェネレータ2による発電が抑えられるか、又はこれが禁止される一方、オーバーラップ量がある程度小さいことを条件として、目標発電トルクtTrqが目標発電電流tIg に基づいて算出されるように構成するのである。 【0062】これにより、エンジン1に対し、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量を大きくして掃気効率を向上し、出力重視の運転をさせている場合における大電力の発電を回避して、運転性の維持に寄与することができる。 【0063】さらに、エンジン1が可変動弁装置を備える場合には、モータジェネレータ2による発電に際し、例えば次のような制御により、燃料消費率を抑えた状態を形成することもできる。 【0064】すなわち、図7に示すフローチャートのように、エンジン1の運転条件を判定した結果、これが高回転高負荷領域にあると判定された場合に、目標発電トルクtTrqを目標発電電流tIg に基づいて算出する(S15)とともに、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が小さくなるように各バルブタイミングを補正設定する(S16)のである。 【0065】なお、上記のS3では、目標発電トルクtTrqの設定に係る運転条件判定として、エンジン1の高回転高負荷領域か否かを判定したが、本発明はこれに限定されず、同判定として、エンジン1の高回転領域か否かを判定したり、又はエンジン1の高負荷領域か否かを判定するようにしてもよい。そして、ここでの判定結果が肯定的である場合にS5へ進み、エンジン1が特定の出力領域にあれば、モータジェネレータ2による発電を控えさせるか、又はこれを禁止する一方、それ以外にあれば、通常の発電を行わせるようにしてもよい。 【0066】以上に説明したように、本発明によれば、高電圧バッテリ11を充電すべくエンジン1による走行中に行われる発電を、発電システムとして高効率となるタイミングを積極的に利用して実施することができる。従って、発電に係る燃料消費率を抑え、車両全体としても燃料消費量の低減を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078330 【弁理士】 【氏名又は名称】笹島 富二雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−268709(P2001−268709A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−78464(P2000−78464) |
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