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【発明の名称】 鉄道車両および集電装置用遮蔽壁
【発明者】 【氏名】牧野 俊昭

【氏名】瀬畑 美智夫

【氏名】正井 健太郎

【要約】 【課題】高速車両が高速走行する時の集電装置からの騒音を低減する。

【解決手段】集電装置20の遮蔽用の側壁32の内部空間に、複数の粒状体40を配置している。側壁32の振動によって粒状体40が振動し、結果的に側壁32の振動を抑制する。このため、個々からの騒音の発生を抑制できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】架線から電気を集電する集電装置と、該集電装置を覆う遮蔽壁とを車体の屋根に有する鉄道車両において、前記遮蔽壁の空洞に多数の粒状体または粉体を封入したこと、を特徴とする鉄道車両。
【請求項2】請求項1の鉄道車両において、前記粒状体または粒状体は車体の幅方向に位置する側壁に封入していること、を特徴とする鉄道車両。
【請求項3】請求項1の鉄道車両において、前記粒状体または粒状体は0.1mm 以上の粒状体であること、を特徴とする鉄道車両。
【請求項4】請求項3の鉄道車両において、前記粒状体は車体の幅方向に位置する側壁に封入していること、を特徴とする鉄道車両。
【請求項5】鉄道車両の集電装置を覆う遮蔽壁において、該遮蔽壁の空洞に多数の粒状体または粉体を封入したこと、を特徴とする鉄道車両の集電装置用遮蔽壁。
【請求項6】請求項5の鉄道車両の集電装置用遮蔽壁において、前記粒状体または粉体は車体の幅方向に位置する側壁に封入していること、を特徴とする鉄道車両の集電装置用遮蔽壁。
【請求項7】請求項5の鉄道車両の集電装置用遮蔽壁において、前記粒状体または粒状体は0.1mm 以上の粒状体であること、を特徴とする鉄道車両の集電装置用遮蔽壁。
【請求項8】請求項7の鉄道車両の集電装置用遮蔽壁において、前記粒状体は車体の幅方向に位置する側壁に封入していること、を特徴とする鉄道車両の集電装置用遮蔽壁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速鉄道車両、特に新幹線電車の屋根に設けられる集電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】新幹線等の高速走行に伴う環境騒音基準値を厳守すべく車外騒音値の大幅な低減が要望されている。特に、編成した新幹線等の屋根上に設置された複数の集電装置から発生する空力音が大きく、防音カバーで集電装置を遮蔽して、低騒音化を図っている。例えば、特開昭58−4667号公報,特開平9−182200号公報のように、集電装置の周りを遮音装置や側障壁,前後障壁等で囲う構造にして、集電装置から生じる騒音を低減させている。また、その障壁等の内部に吸音材を配置して、遮音特性を向上させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高速化に伴って、特に、トンネル通過時には側壁等に大きな流体力が作用する。側壁では後方に低周波数のカルマン渦が生じるため、側壁は走行方向に対して直角方向の水平方向に加振される。すなわち、図4に示すごとく、2つの側壁にfaの力が同時に作用し、側壁を励振することになる。これにより、車体屋根が加振させられるため、ゴオーと言う構造騒音が発生し、その騒音が車内に透過されて、車内騒音が増幅するという問題がある。そのため、屋根下にたくさんの制振材を取り付けて、その振動や騒音を低減している。
【0004】一方、粒状体を用いた制振技術として、日本機械学会論文集(C編)第50巻459号(昭和59年11月)pp.2071−2077、「粒状体衝撃ダンパの特性」がある。このものは1g(9.8m/s2)以上の大振動に対して作用する。
【0005】本発明の目的は、集電装置からの騒音を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、集電装置の遮蔽壁に粒状体または粉体を入れ、遮蔽壁の振動を低減することによって達成できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による一実施例の集電装置を図1から図4によって説明する。集電装置20は、新幹線等の車体10の屋根12上に搭載されている。集電装置20は架線19に接する集電子21,集電子21を支持するリンク機構22,駆動装置,碍子等(図示せず)からなる。集電装置20は遮蔽壁30で覆っている。
【0008】遮蔽壁30は、走行方向の前後方向に位置する前後壁31と、車体の幅方向に位置する側壁32とからなる。側壁32は前後壁31に対して上端をできるだけ高くしている。また側壁32は厚さが薄い。遮蔽壁30はアルミニウム合金の板からなる。遮蔽壁30、特に側壁32の中は空洞である。
【0009】側壁32の空洞には多数の粒状体40を封入している。側壁32の2枚の板34,35の内面には複数の縦リブ36と複数の横リブ37が溶接されている。リブ36,37はL状の形材からなる。上部の横リブ37には上部の空洞を閉鎖する板38が溶接等によって固定してある。上部の空洞がある位置の内側の板35には開口があり、板39で閉鎖している。板39は粒状態40を入れた後、閉鎖するものである。空洞に水が入らないようにシール材等を介して閉鎖している。
【0010】粒状体40は例えば鉛等の高比重の材料からなる。大きさは0.1mm〜10mm程度の径である。1mm〜3mm程度が適当である。径が小さいと充填率が増加し、側壁27に対する重量比が大きくなり、効果が大きい。小さすぎると、空洞への注入や回収が困難になり易い。粒状体40の充填率は、70%〜95%程度が良い。充填率とは、対象とする形状の空間に対象とする粒状体40を満杯に入れる。これが充填率100%である。前記95%は前記100%に対する重量比である。
【0011】かかる構成において、風によって側壁32が振れる。これによって粒状体40が運動することになり、粒状体40同士の衝突により、また、粒状体40と側壁と32の衝突により、衝突時の振動エネルギーは、運動エネルギーに変換され、側壁の振動が抑制される。粒状体40の比重が大きくなるに比例して、振動が運動エネルギーに変換され、効率が良くなる。そのため、側壁32に作用する振動エネルギーが小さくなり、車体に伝わる振動を低減できる。
【0012】トンネル通過、特にトンネル突入,突出時においては、車体10や側壁32の左右振動が一層増大するため、その制振効果はさらに顕著になる。その時の粒状体40の運動は、幅方向の方が上下方向に比べて大きくなるため(上下方向は重力方向に反発する必要があり)、小さな加振力に対しても制振効果が増大する。
【0013】縦リブ35と横リブ37で空洞内を6つに仕切っている。上記実施例では上部の3つの空洞に粒状体40を入れているが、中央の空洞を除くことができる。また。下部の3つの空洞のみに粒状体40を入れることができる。すべての空洞に入れることができる。いずれに入れるかは実験等によって定める。
【0014】また、複数の空洞にすべて同一の粒状体40を入れているが、それぞれの空洞に異なる粒状体(大きさ等が異なる)を入れて、対象とする周波数を異ならせることができる。
【0015】また、前後壁31に粒状体40を配置することができる。
【0016】なお、空洞はかなり大きい。このため、高比重の粒状体を使用する必要がないとも考えられる。この容易な場合は、鉄等の粉体でもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、集電装置を覆う遮蔽壁に粒状体を配置しているので、車体屋根上の振動が低減され、車内騒音も低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−268701(P2001−268701A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−79275(P2000−79275)