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【発明の名称】 荷役車両の走行駆動装置
【発明者】 【氏名】正野 信夫

【氏名】檜垣 正美

【氏名】植田 茂樹

【氏名】藤田 一洋

【要約】 【課題】本発明は、アクセルペダルのインチング操作時に走行速度を正確にコントロールできる荷役車両の走行駆動装置を提供することを目的とする。

【解決手段】後輪12に連結された走行用電動モータ11と、このモータ11を駆動するインバータ13と、このインバータ13へ給電するバッテリ14と、車両の走行操作量を入力するアクセルペダル15と、このアクセルペダル15の操作角度を検出する検出器16と、この検出器16により検出された操作量に応じて、モータ11の回転数指令値を形成する制御装置17を設け、インバータ11は前記回転数指令値に応じてトルクカーブの定出力部を変動し、車輪の回転数を制御可能な構成とする。この構成によれば、アクセルペダル15の操作量に応じて、インバータ13においてトルクカーブの定出力部が変動され、車輪の回転数が制御されることによって、インチング操作時に、走行速度を正確にコントロールすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪に連結された走行用電動モータと、予め設定されたモータのトルクカーブにしたがって前記モータを駆動するインバータと、このインバータへ給電するバッテリを備えた荷役車両の走行駆動装置であって、前記荷役車両の走行操作量を入力する操作入力手段と、前記操作入力手段の走行操作量に応じて、前記電動モータの回転数指令値を形成する制御手段を設け、前記インバータは前記回転数指令値に応じて前記トルクカーブの定出力部を変動し、車輪の回転数を制御可能な構成としたことを特徴とする荷役車両の走行駆動装置。
【請求項2】 車輪に連結された走行用電動モータと、予め設定されたモータのトルクカーブにしたがって前記モータを駆動するインバータと、このインバータへ給電するバッテリを備えた荷役車両の走行駆動装置であって、前記荷役車両の走行操作量を入力する操作入力手段と、前記インバータに設定されたトルクカーブを有し、前記操作入力手段の走行操作量に応じて前記トルクカーブの定出力部を変動させ、このトルクカーブと車両の負荷線の交点を求めて前記電動モータの回転数指令値を形成する制御手段を設け、前記インバータは前記操作入力手段の走行操作量に応じて前記トルクカーブの定出力部を変動し、前記制御手段の回転数指令値に応じて車輪の回転数を制御可能な構成としたことを特徴とする荷役車両の走行駆動装置。
【請求項3】 制御手段は、操作入力手段の走行操作量を、インチング部と加速部に分けて変換し、インチング部の操作量に対する操作割合を、加速部の操作量に対する操作割合より少なくした操作入力手段の操作割合量を求め、この操作割合量を前記走行操作量として前記電動モータの回転数指令値を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の荷役車両の走行駆動装置。
【請求項4】 制御手段は、電動モータの回転数指令値の変化量を制限したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の荷役車両の走行駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷役車両の走行駆動装置、特にバッテリ式フォークリフトの走行駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流モータとインバータで駆動するバッテリ式フォークリフトにおける制御方式にはトルク制御方式と速度制御方式があるが、従来のバッテリ式フォークリフトではエンジン車と同様な感覚で運転ができるトルク制御方式が採用されている。このトルク制御方式を採用した従来のバッテリ式フォークリフトの走行駆動装置のブロック図を図8に示す。
【0003】図8において、1は左右の各前輪(後輪でもよい)2の軸にデフを介してその回転軸が連結されたモータであり、このモータ1を駆動するインバータ3が設けられ、このインバータ3等へ給電するバッテリ4が設けられている。
【0004】またアクセルペダル(あるいはアクセルレバー)5の踏み込み角度が、角度検出器6により検出され、操作角度(たとえば10〜50°)の検出信号が制御装置7へ入力されている。制御装置7は、入力したアクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセルペダル5の操作角度に応じてモータ1のトルク指令値を演算し、この演算したモータ1のトルク指令値をインバータ3へ出力している。
【0005】インバータ3は、制御装置7より入力するモータ1のトルク指令値にしたがって、モータ1のトルク制御を行う。インバータ3のトルク特性を図9に示す。
【0006】図9において、太線(実線)で示すトルクカーブ8はアクセルペダル5の操作角度が100%のときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ8と無負荷走行抵抗線T0の交点B0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点B1でバランスして最高速度となる。
【0007】また破線で示すトルクカーブ9はアクセルペダル5の操作角度が50%のときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ9と無負荷走行抵抗線T0の交点N0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点N1でバランスして最高速度となる。
【0008】また負荷インチング時アクセルペダル5を徐々に踏み込んでいくと、走行抵抗TFとバランスするトルクAXを超えたときに回転数Nが出始め(走行し始め)、0〜NXの速度範囲で走行し、トルクカーブ10と負荷走行抵抗線TFの交点NXで一定速度となる。
【0009】上記構成による作用を説明する。停止状態において、アクセルペダル5が踏み込まれ、その操作角度が角度検出器6により検出され、制御装置7へ入力されると、操作角度に相当するモータ1のトルク指令値が求められ、インバータ3へ出力される。
【0010】インバータ3は、入力したトルク信号となるようにモータ1のトルク制御を行い、フォークリフトの走行速度が制御される。このとき、必要な電力はバッテリ4より供給される。
【0011】また坂道や凹凸のある通路での走行では、走行抵抗線T0,TFが変動することから、トルクカーブとの交点が変動し、回転数N(走行速度)が変化することから、アクセルペダル5が操作され、一定走行速度が維持される。
【0012】このように、アクセルペダル5の踏み込み量によりモータ1のトルクを制御することによりフォークリフトの走行速度を制御している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アクセルペダル5のインチング操作時、上記のようにフォークリフトは0〜NXの速度範囲で走行するが、この速度範囲のトルクはほぼ一定であり、アクセルペダル5の操作角度の範囲は極めて狭いことから、この速度範囲ではアクセルペダル5の操作で速度を微調節することは難しく、速度を思うようにコントロールすることができない、すなわちインチング性が非常に悪いという問題があった。よって、坂道や凹凸のある通路、特に下り坂でインチング操作で一定速度を維持することは難しかった。
【0014】そこで、本発明は、アクセルペダルのインチング操作時に走行速度を正確にコントロールできる荷役車両の走行駆動装置を提供することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、車輪に連結された走行用電動モータと、予め設定された前記モータのトルクカーブにしたがってモータを駆動するインバータと、このインバータへ給電するバッテリを備えた荷役車両の走行駆動装置であって、前記荷役車両の走行操作量を入力する操作入力手段と、前記操作入力手段の走行操作量に応じて、前記電動モータの回転数指令値を形成する制御手段を設け、前記インバータは前記回転数指令値に応じてトルクカーブの定出力部を変動し、車輪の回転数を制御可能な構成としたことを特徴とするものである。
【0016】ここで、荷役車両はフォークリフトなどであり、操作入力手段はアクセルペダルやアクセルペタルに相当するレバーなどである。上記構成によれば、操作入力手段の走行操作量に応じて、電動モータの回転数指令値が形成され、インバータにおいてこの回転数指令値に応じてトルクカーブの定出力部が変動され、車輪の回転数が制御される。よって、インチング操作時に、走行速度を正確にコントロールすることが可能となる。
【0017】また請求項2記載の発明は、車輪に連結された走行用電動モータと、予め設定されたモータのトルクカーブにしたがって前記モータを駆動するインバータと、このインバータへ給電するバッテリを備えた荷役車両の走行駆動装置であって、前記荷役車両の走行操作量を入力する操作入力手段と、前記インバータに設定されたトルクカーブを有し、前記操作入力手段の走行操作量に応じて前記トルクカーブの定出力部を変動させ、このトルクカーブと車両の負荷線の交点を求めて前記電動モータの回転数指令値を形成する制御手段を設け、前記インバータは前記操作入力手段の走行操作量に応じて前記トルクカーブの定出力部を変動し、前記制御手段の回転数指令値に応じて車輪の回転数を制御可能な構成としたことを特徴とするものである。
【0018】上記構成によれば、操作入力手段の走行操作量に応じてインバータのトルクカーブの定出力部が変動され、この変動されたトルクカーブと車両の負荷線の交点より電動モータの回転数指令値が形成され、またインバータにおいて前記操作入力手段の走行操作量に応じてトルクカーブの定出力部が変動され、前記制御手段の回転数指令値に応じて車輪の回転数を制御される。よって、制御手段の回転数指令値に応じてモータの回転数が一定に制御され、またインチング操作時に走行速度を正確にコントロールすることが可能となる。
【0019】また請求項3記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の発明であって、制御手段は、操作入力手段の走行操作量を、インチング部と加速部に分けて変換し、インチング部の操作量に対する操作割合を、加速部の操作量に対する操作割合より少なくした操作入力手段の操作割合量を求め、この操作割合量を前記走行操作量として電動モータの回転数指令値を形成することを特徴とするものである。
【0020】上記構成によれば、操作入力手段の走行操作量は、インチング部と加速部に分けて変換され、インチング部の操作量に対する操作割合を加速部の操作量に対する操作割合より少なくすることによって、インチング操作をしやすくすることができる。
【0021】また請求項4記載の発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、制御手段は、電動モータの回転数指令値の変化量を制限したことを特徴とするものである。
【0022】上記構成によれば、回転数指令値の変化量、すなわち車両の加減速が制限されることにより、急激な車速の変更によるショックが緩和される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]図1は、本発明の実施の形態1におけるフォークリフトの走行駆動装置のブロック図である。
【0024】図1において、11は左右の各前輪(後輪でもよい)12の軸にデフを介してその回転軸が連結されたモータ(電動モータの一例)であり、このモータ11を駆動するインバータ(走行駆動手段の一例)13が設けられ、このインバータ13等へ給電するバッテリ14が設けられている。
【0025】またアクセルペダル(あるいはアクセルレバー;操作入力手段の一例)15の踏み込み角度が、角度検出器16により検出され、操作角度(たとえば10〜50°)の検出信号(アクセルペダル操作量)aが制御装置17へ入力されている。
【0026】この制御装置17は、目標速度変換手段19と加減速制限手段20から構成されている。目標速度変換手段19は、角度検出器16により検出されたアクセルペダル操作量(角度)aを、アクセルペダル15の操作割合量に変換して目標速度指令値bを形成している。すなわち、図2に示すように、角度検出器16により検出されたアクセルペダル操作量(角度)aを、アクセルペダルの踏み込み角度が浅い部分の一定の角度の範囲であるインチング部とこの角度の範囲を超えた加速部に分けて変換し、アクセルペダル15の操作割合量を求め、目標速度指令値bを形成している。たとえば、インチング部の操作量に対する操作割合を、加速部の操作量に対する操作割合を少なくしており(図2では1/4としている)、たとえば2〜20mAの電流信号が入力されているとすると、信号が3mA〜13mAのときアクセルペダル15の操作割合を0〜33.3%とし、信号が13mA〜18mAのときアクセルペダル15の操作割合を33.3〜100%としている。これにより、インチング操作時に、アクセルペダル15を大きく踏み込んでも、アクセル操作割合の変化は少ないので、インチング操作をよりしやすくできる。また入力信号が2mA未満のとき断線または角度検出器16の異常、20mAを超えたとき角度検出器16の異常と判断し、警報を発するとともに、目標速度指令値bをゼロとしている。
【0027】上記加減速制限手段20は、目標速度変換手段19より目標速度指令値bを入力して、その変化量、すなわち加減速を制限して、モータ11の回転数指令値cをインバータ13へ出力している。
【0028】加減速制限手段20の構成の一例を図3に示す。加減速制限手段20は、入力である目標速度指令値b、すなわちモータ11の回転数設定値と出力である回転数指令値の偏差を演算する減算器21と、この減算器21の出力(偏差)を上限値と下限値間に制限する上下限リミッタ22と、この上下限リミッタ22により上下限が制限された偏差を積分する積分器23から構成されており、制限値(リミット値)αが上下限リミッタ22の上下限値(±α)として入力されている。この構成により、アクセルペダル15の踏み込みにより回転数設定値が大きく変動しても上下限リミッタ22により、回転数指令値(出力)との偏差は、制限値(リミット値)±αに制限されることから、積分器23の出力の変動、すなわち回転数指令値の変化量は制限値(リミット値)±αに抑えられる。
【0029】上記構成により制御装置17は、アクセルペダル15の操作角度に相当する、入力したアクセルペダル操作量aに応じて目標速度指令値bを形成し、この目標速度指令値bより加減速を制限したモータ11の回転数指令値cを演算し、この演算したモータ11の回転数指令値cをインバータ13へ出力している。
【0030】インバータ13には、図4に示すトルクカーブが設定されている。このトルクカーブは、モータ11の回転数Nに対するトルクTの特性カーブであり、低回転数の領域を最大一定トルクとした最大トルク部と、前記低回転数の領域を超えて回転数が増すと逆に2次曲線に沿ってトルクが減少する定出力部から構成されている。そしてインバータ13は、図4に示すように、制御装置17よりモータ11の回転数指令値cを入力すると、この回転数指令値cをトルクTがゼロのときの回転数Nの指令値(目標速度)として認識し、回転数指令値cに応じてトルクカーブの定出力部を変動させ、また同時に最大トルク値を制限している。実際には、インバータ13は、回転数指令値cが低くなると、トルクカーブの定出力部を下げている。よってインバータ13は、制御装置17より入力するモータ11の回転数指令値cにしたがって、モータ11の速度制御を行う機能を有すことになる。またインバータ13は、回転数指令値がゼロのとき回生制動により電力をバッテリ14へ戻す機能を有している。
【0031】図4において、実線で示す第1トルクカーブ31は回転数指令値cが100%のとき、すなわち最大速度で走行する回転数指令値cのときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ31と無負荷走行抵抗線T0の交点B0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点B1でバランスして最高速度となる。
【0032】また破線で示す第2トルクカーブ32は回転数指令値cが75%のとき、すなわち最大速度の75%で走行する回転数指令値cのときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ32と無負荷走行抵抗線T0の交点N0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点N1でバランスして最高速度となる。
【0033】また破線で示す第3トルクカーブ33は回転数指令値cが50%のとき、すなわち最大速度の50%で走行する回転数指令値cのときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ33と無負荷走行抵抗線T0の交点M0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点M1でバランスして最高速度となる。
【0034】また破線で示す第4トルクカーブ34は回転数指令値cが25%のとき、すなわち最大速度の25%で走行する回転数指令値cのときのトルクカーブであり、無負荷時は、このトルクカーブ34と無負荷走行抵抗線T0の交点P0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点P1でバランスして最高速度となる。
【0035】上記のようにトルクTがゼロとの交点を目標速度とするため、下り坂以外では目標速度に達しない速度となる。一方、下り坂では走行抵抗が低下して、トルクが下がり速度が上昇するが、目標速度で制限されるため、それ以上となることはなく、回生制動が作動して目標速度を守る。すなわち、目標速度に相当するモータ11の目標周波数を実周波数が超えると、目標周波数へ引き戻している。
【0036】また負荷インチング時アクセルペダル5を徐々に踏み込んでいくと、トルクがAXを超えたときに回転数Nが出始め(走行し始め)、トルクカーブ35と負荷走行抵抗線TFの交点でバランスして微速一定速度で走行できる。
【0037】上記構成による作用を説明する。停止状態において、アクセルペダル15が踏み込まれ、その操作角度が角度検出器16により検出され、制御装置17へ入力されると、操作角度に相当するモータ11の回転数指令値cが求められ、インバータ13へ出力される。
【0038】インバータ13は、入力した回転数指令値cに応じてトルクカーブの定出力部を変動させてモータ11のトルク制御を行い、フォークリフトの走行速度が制御される。このとき、必要な電力はバッテリ14より供給される。
【0039】また負荷インチング操作時には、アクセルペダル15の踏み込みに応じて上記のようにトルクカーブの定出力部が変動することにより、アクセルペダル15の操作に応じて回転数N、すなわち走行速度が敏感に精度よく変化する。
【0040】また坂道や凹凸のある通路での走行では、走行抵抗線TF,T0が変動することから、トルクカーブとの交点が変動し、回転数N(走行速度)が変化することから、アクセルペダル15が操作され、一定走行速度が維持される。
【0041】このように、アクセルペダル操作量aにより回転数指令値cを設定し、トルクカーブの定出力部を変動させることにより、負荷インチング操作時にアクセルペダル15の操作により回転数N、すなわち走行速度が敏感に精度よく変化することから、アクセルペダル15により走行速度を正確にコントロールすることができ、インチング時の操作性を大幅に改善することができる。
【0042】また制御装置17の目標速度変換手段19により、インチング操作時に、アクセルペダル15を大きく踏み込んでもアクセル割合の変化を少なくすることにより、インチング操作をよりしやすくでき、また加減速制限手段20により加減速を制限することにより、図5に示すように、車速の急激な変化を抑えることができ、すなわちスムーズに速度変化するようにでき、よって急に加速から減速へ、あるいは減速から加速へ操作したときに考えられるショックを緩和することができ、搬送している荷の落下を防止することができる。よって安全を確保することができる。
【0043】またアクセルペダル15がオフのときゼロ制御するように制御するため、回生制動が働き、結果としてゼロ速度までエネルギーをバッテリ14に回収することができ、バッテリ14のエネルギーの消耗を少なくでき、長時間の作業が可能となる。
[実施の形態2]図6は、本発明の実施の形態2におけるフォークリフトの走行駆動装置のブロック図である。図1の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】制御装置17において、実施の形態1の目標速度変換手段19に代えて、この目標速度変換手段19と同等に図2に示す特性によりアクセルペダル操作量aを、インチング部と加速部に分けて変換し、アクセル操作割合eを求めるアクセル割合変換手段31(図2参照)と、このアクセル割合変換手段31から出力されたアクセル操作割合eより加減速制限手段20へ出力する目標速度指令値bを求める第2目標速度変換手段32が設けられている。またアクセル割合変換手段31よりインバータ13へアクセル操作割合eが出力されている。
【0045】第2目標速度変換手段32には、図7に示すように、インバータ13に設定されたトルクカーブが記憶されており、第2目標速度変換手段32は、アクセル割合変換手段31より入力したアクセル操作割合eに応じてトルクカーブの定出力部を変動させ、このトルクカーブと予め設定された車両の負荷線TJの交点を求めて目標速度指令値bを求めている。この車両の負荷線TJは、車両重量に積載荷重を加えた平均的な負荷線としている。
【0046】たとえばアクセル操作割合eが50%のとき、第3トルクカーブ33が選択され、負荷線TJとの交点の回転数Q2が目標速度指令値bとして出力される。インバータ13は、目標速度変換手段32と同様に図8(a)に示すように、アクセル割合変換手段31から入力したアクセル操作割合eに応じてトルクカーブの定出力部を変動させてトルクカーブを設定する。
【0047】たとえば、アクセル操作割合eが50%のとき、第3トルクカーブ33が選択され、無負荷時は、このトルクカーブ33と無負荷走行抵抗線T0の交点M0でバランスして最高速度となり、負荷時は、負荷走行抵抗線TFの交点M1でバランスして最高速度となる。
【0048】またインバータ13は、制御装置17より入力するモータ11の回転数指令値cにしたがって、モータ11の速度制御を行う。すなわち、図8(b)に示すように、負荷により変動する上記回転数(交点)M0,M1が、回転数Q2となるように、トルクカーブを変動させる。
【0049】上記構成による作用を説明する。停止状態において、アクセルペダル15が踏み込まれ、その操作角度が角度検出器16により検出され、制御装置17へ入力されると、操作角度に相当するアクセル操作割合eとモータ11の回転数指令値cが求められ、インバータ13へ出力される。
【0050】インバータ13は、入力したアクセル操作割合eに応じてトルクカーブの定出力部を変動させてモータ11のトルク制御を行い、入力した回転数指令値cに応じてモータ11の回転数(周波数)を制御し、フォークリフトの走行速度を制御する。このとき、必要な電力はバッテリ14より供給される。
【0051】また負荷インチング操作時には、アクセルペダル15の踏み込みに応じて上記のようにトルクカーブの定出力部が変動することにより、アクセルペダル15の操作に応じて回転数N、すなわち走行速度が敏感に精度よく変化する。
【0052】また坂道や凹凸のある通路での走行では、走行抵抗線TF,T0が変動することから、トルクカーブとの交点が変動し、回転数N(走行速度)が変化しようとするが、モータ11の回転数(周波数)が制御させることから、回転数が引き戻され、アクセルペダル15の操作なしに、一定走行速度が維持される。すなわち、目標走行速度に相当するモータ11の目標周波数へ実周波数が引き戻される。
【0053】このように、積極的に回転数の制御を実行することから、通路の状況が変化しても、アクセルペダル15の操作なしで、容易に走行速度を一定に維持することができる。またアクセルペダル15を戻したとき、モータ11の回転数指令値cが下がるために減速するが、このとき回生制動が働きエネルギーをバッテリ14に回収することができる。
【0054】また実施の形態1と同様に、アクセルペダル操作量aによりアクセル操作割合eを設定し、トルクカーブの定出力部を変動させることにより、負荷インチング操作時にアクセルペダル15の操作により回転数N、すなわち走行速度が敏感に精度よく変化することから、アクセルペダル15により走行速度を正確にコントロールすることができ、インチング時の操作性を大幅に改善することができる。
【0055】また制御装置17のアクセル割合変換手段31により、インチング操作時に、アクセルペダル15を大きく踏み込んでもアクセル割合の変化を少なくすることにより、実施の形態1と同様に、インチング操作をよりしやすくでき、また加減速制限手段20により加減速を制限することにより、図5に示すように、車速の急激な変化を抑えることができ、すなわちスムーズに速度変化するようにでき、よって急に加速から減速へ、あるいは減速から加速へ操作したときに考えられるショックを緩和することができ、搬送している荷の落下を防止することができる。よって安全を確保することができる。
【0056】またアクセルペダル15がオフのときゼロ制御するように制御するため、回生制動が働き、結果としてゼロ速度までエネルギーをバッテリ14に回収することができ、バッテリ14のエネルギーの消耗を少なくでき、長時間の作業が可能となる。
【0057】なお、本実施の形態1および2では、荷役車両の一例をバッテリ式フォークリフトとしているが、本発明はバッテリによりインバータと車輪に連結された交流モータへ給電される荷役車両に適用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、操作入力手段の走行操作量に応じて、電動モータの回転数指令値が形成され、インバータにおいてこの回転数指令値に応じてトルクカーブの定出力部が変動され、車輪の回転数が制御されることにより、インチング操作時に正確に走行速度をコントロールすることができ、インチング操作性を改善することができる。
【出願人】 【識別番号】000003241
【氏名又は名称】ティー・シー・エム株式会社
【出願日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2001−245406(P2001−245406A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−96009(P2000−96009)