| 【発明の名称】 |
車両における複数の回転装置の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田端 淳
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| 【要約】 |
【課題】複数の電動機を用いて走行する車両のエネルギー効率を向上させることのできる制御装置を提供する。
【解決手段】トルクが変動する動力伝達系統に連結され、その動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動力伝達系統に対してトルクを与えもしくはトルクを吸収する複数の回転装置を備えた車両における複数の回転装置の制御装置において、前記回転装置を動作させた場合の少なくとも二つの回転装置についてのエネルギー効率を比較する効率比較手段(ステップS6)と、前記動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動作させる回転装置を、前記効率比較手段(ステップS6)によって得られたエネルギー効率の良い回転装置とする回転装置選択手段と(ステップS7,S8)を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トルクが変動する動力伝達系統に連結され、その動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動力伝達系統に対してトルクを与えもしくはトルクを吸収する複数の回転装置を備えた車両における複数の回転装置の制御装置において、前記回転装置を動作させた場合の少なくとも二つの回転装置についてのエネルギー効率を比較する効率比較手段と、前記動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動作させる回転装置を、前記効率比較手段によって得られたエネルギー効率の良い回転装置とする回転装置選択手段とを備えていることを特徴とする車両における複数の回転装置の制御装置。 【請求項2】 走行のための動力を選択的に出力させることのできる複数の電動機を備えた車両における複数の回転装置の制御装置において、各電動機の効率を比較する効率比較手段と、その効率比較手段で得られた効率の良い電動機を走行のために選択して使用する電動機選択手段とを備えていることを特徴とする車両における複数の回転装置の制御装置。 【請求項3】 前記複数の電動機が連結された内燃機関を更に備え、前記複数の電動機のいずれかの出力によって前記内燃機関の出力トルクの変動に起因する振動を抑制するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両における複数の回転装置の制御装置。 【請求項4】 前記回転装置選択手段が、前記回転装置の選択にヒステリシスを有することを特徴とする請求項1に記載の車両における複数の回転装置の制御装置。 【請求項5】 前記電動機選択手段が、前記電動機の選択にヒステリシスを有することを特徴とする請求項2もしくは3に記載の車両における複数の回転装置の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電動機などの複数の回転装置を備えている車両においてそれらの回転装置の制御装置に関し、特に使用する回転装置を選択する制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電動機は、その駆動のためのエネルギーの制御および駆動状態の制御が容易であるから、各種の分野で動力源として使用されている。また、電動機は動力を出力するのに伴って排気を生じないので、車両用の動力源として有望視されている。 【0003】電動機を動力源とした最も典型的な車両が電気自動車であり、バッテリや発電機から供給された電力で電動機を駆動して走行するように構成されている。この種の車両における制御装置の一例が特開平7−76207号公報に記載されている。この公報に記載された制御装置は、エンジンで発電機を駆動して得た電力によって電動機を駆動する形式の電気自動車における制御装置であり、その電気自動車では、エンジンの回転数などの動作状態が常には一定でないことに着目し、発電機を二台設けるとともに、エンジンの動作状態に応じて効率のよい発電機を選択してエンジンに連結し、発電を可及的に効率よくおこなうように構成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載された制御装置は、走行のための駆動力を出力する電動機に対して二台の発電機を設けた電気自動車における発電機の選択制御をおこなうように構成された装置であるが、これとは異なり、いわゆるハイブリッド車と称される車両は、内燃機関に加えて複数の電動機を備え、それらの電動機の出力する動力を走行のための動力に使用することがある。また、それらの電動機を発電機能のあるいわゆるモータ・ジェネレータとすることがある。 【0005】このような車両では、各電動機もしくはモータ・ジェネレータとして、特性や容量が同一のものを並列的に用いずに、各電動機もしくはモータ・ジェネレータに複数の機能を持たせ、かつその機能を各電動機もしくはモータ・ジェネレータで異ならせることが多く、そのために、それぞれの電動機もしくはモータ・ジェネレータの形式や容量あるいは特性が異なる場合が多い。 【0006】前述した公報に記載されている発明は、走行のためのモータあるいはバッテリに対して電力を供給するための複数の発電機を選択する制御の一例を提案しているが、飽くまでも効率に基づいて発電機を選択する技術であって、発電機を駆動するためのトルクの影響すなわち発電機がトルクを吸収し、あるいは吸収しないことにる機能に関しては新たな技術を提案していない。より具体的に説明すると、前述したハイブリッド車におけるモータ・ジェネレータは、エンジンから駆動輪に到る動力伝達系統に連結されているから、モータ・ジェネレータによって発電をおこなうことに伴って動力伝達系統におけるトルクが少なからず変化し、その結果、モータ・ジェネレータが駆動トルクを抑制して制振機能やエネルギー回生機能を果たすことになる。またハイブリッド車では、モータ・ジェネレータあるいはこれに変わる電動機がトルクを出力し、これが動力伝達系統におけるトルクに影響を及ぼすことがある。このような機能を果たすモータ・ジェネレータあるいは発電機もしくは電動機が複数台設けられている場合、その選択をおこなうための新たな技術的知見が必要であるが、この点について上記の公報に記載された発明には特に示唆するものがない。 【0007】この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、複数の電動機などの回転装置を使用している車両のエネルギー効率を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段およびその作用】この発明は、上記の目的を達成するために、電動機の効率に着目し、可及的に高効率の電動機を選択して使用するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、トルクが変動する動力伝達系統に連結され、その動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動力伝達系統に対してトルクを与えもしくはトルクを吸収する複数の回転装置を備えた車両における複数の回転装置の制御装置において、前記回転装置を動作させた場合の少なくとも二つの回転装置についてのエネルギー効率を比較する効率比較手段と、前記動力伝達系統でのトルクの変動幅が小さくなるように動作させる回転装置を、前記効率比較手段によって得られたエネルギー効率の良い回転装置とする回転装置選択手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。 【0009】したがって請求項1の発明では、回転装置に動力伝達系統からトルクが与えられ、また反対に回転装置から動力伝達系統にトルクを与えることにより、動力伝達系統でのトルクの変動幅が抑制され、そのように機能する回転装置としてエネルギー効率が良いものが採用される。その結果、車両の制振がエネルギーの消費を低減した状態で実行される。 【0010】また、請求項2の発明は、走行のための動力を選択的に出力させることのできる複数の電動機を備えた車両における複数の回転装置の制御装置において、各電動機の効率を比較する効率比較手段と、その効率比較手段で得られた効率の良い電動機を走行のために選択して使用する電動機選択手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。 【0011】したがって、請求項2の発明では、走行のために電動機を駆動することに伴って生じるエネルギーロスが低減され、エネルギー効率を向上させることができる。なおその場合、選択された電動機が出力する動力で車両が力行することとしてもよい。 【0012】さらに、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記複数の電動機が連結された内燃機関を更に備え、前記複数の電動機のいずれかの出力によって前記内燃機関の出力トルクの変動に起因する振動を抑制するように構成されていることを特徴とする制御装置である。 【0013】したがって請求項3の発明では、内燃機関が動力を出力することに伴う振動が電動機の出力によって抑制され、そのための電動機としてエネルギー効率のよいものが選択されるので、内燃機関による振動を抑制した走行を高いエネルギー効率で実施することができる。 【0014】さらにまた、請求項4の発明は、請求項1における前記回転装置選択手段が、前記回転装置の選択にヒステリシスを有することを特徴とする制御装置である。 【0015】したがって請求項4の発明では、いずれかの回転装置から他の回転装置に切り換える条件とこれとは反対の切り換えをおこなう条件とに所定の差異(ヒステリシス)が設けられているので、駆動状態などのわずかな変化に起因して回転装置が頻繁に変更されることが回避される。すなわちハンチングが防止される。 【0016】そして、請求項5の発明は、請求項2もしくは3における前記電動機選択手段が、前記電動機の選択にヒステリシスを有することを特徴とする制御装置である。 【0017】したがって請求項5の発明では、請求項4の発明と同様に、いずれかの電動機から他の電動機に切り換える条件とこれとは反対の切り換えをおこなう条件とに所定の差異(ヒステリシス)が設けられているので、駆動状態などのわずかな変化に起因して電動機が頻繁に変更されることが回避される。すなわちハンチングが防止される。 【0018】 【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に示す具体例に基づいて説明する。図2は、この発明で対象とする車両の動力伝達系統を模式的に示しており、(A)は後輪1に動力を伝達する機構を示し、(B)は前輪2に対して動力を伝達する機構を示している。したがってここに示す車両は、選択的に四輪駆動とすることのできる車両である。 【0019】図2の(A)に示すように内燃機関(以下、エンジンと記す)3にモータ・ジェネレータ(MG)4およびトルクコンバータ(T/C)5ならびに自動変速機(A/T)6が、順に連結されている。そのエンジン3は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)などのガスを燃料としたガスエンジンなど、要は、適宜の形態の燃料を燃焼させて機械的動力を出力する動力装置であり、図に示す例では車両の前部に前後方向に向けて搭載されている。 【0020】また、モータ・ジェネレータ4は、永久磁石型同期モータなどの電動機としての機能と発電機としての機能とを備えた回転装置であり、そのロータ(図示せず)がエンジン3の出力軸もしくはエンジン3とトルクコンバータ5とを連結している回転軸に直接連結され、あるいは適宜の歯車機構などの伝動機構を介して連結されている。したがってエンジン3よってモータ・ジェネレータ4を駆動して発電をおこない、またトルクコンバータ5側から入力される動力によってモータ・ジェネレータ4を駆動して発電をおこない、さらにはモータ・ジェネレータ4に電流を供給してこれを駆動することにより、エンジン3もしくはトルクコンバータ5に対して動力を伝達するように構成されている。 【0021】さらに、トルクコンバータ5は、その入力側に配置されているエンジン3もしくはモータ・ジェネレータ4から出力側に配置されている自動変速機6に対してトルクを増幅もしくは増幅せずに伝達する装置であって、一般的には流体式の公知の構成のものが使用される。流体式のトルクコンバータ5を使用した場合には、その入力側の回転要素と出力側の回転要素とを機械的に直接連結する公知の構成のロックアップクラッチ(図示せず)を内蔵させることができる。 【0022】このトルクコンバータ5に続けて配置される自動変速機6は、車両の走行状態に基づいて変速比を設定するように構成された変速機であって、有段式の変速機や変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機を採用することができる。図に示す例では、歯車変速機部7における動力の伝達経路を、油圧制御部8から出力される油圧によって適宜に変更することにより、変速比を変えるように構成した自動変速機6が示されている。 【0023】その歯車変速機部7は、複数の遊星歯車機構からなる歯車列における動力の伝達経路を、クラッチやブレーキによって変更する構成のものや、常時噛み合い式の複数の歯車列を同期装置によって入力軸や出力軸に選択的に連結して所定の変速比を設定する構成のものを採用することができる。そして、自動変速機6の出力軸がプロペラシャフト9およびデファレンシャル10を介して後輪1に連結され、後輪1を駆動輪とするようになっている。したがってエンジン3から後輪1にトルクを伝達するように構成された上記のモータ・ジェネレータ4およびトルクコンバータ5ならびに自動変速機6などがこの発明における動力伝達系統を構成している。 【0024】一方、エンジン3の前方側(前記トルクコンバータ5とは反対側)には動力を伝達する伝達機構11が取り付けられ、エンジン3の側部に取り付けた他のモータ・ジェネレータ(MG)12がこの伝達機構11に連結されている。なお、以下の説明では、このモータ・ジェネレータ12を第1モータ・ジェネレータ(第1MG)12と記し、前述したトルクコンバータ5側のモータ・ジェネレータ4を第2モータ・ジェネレータ(第2MG)4と記すことがある。 【0025】図2に示す伝達機構11は、エンジン3から出力される動力を第1モータ・ジェネレータ12に選択的に伝達するように構成されており、その一例を具体的に説明すると、ベルトによって連結された駆動プーリと従動プーリとを備え、その駆動プーリとエンジン3の出力軸(クランク軸)との間に両者を選択的に連結するクラッチが設けられ、さらに従動プーリが第1モータ・ジェネレータ12におけるロータに連結されている。したがってエンジン3によって第1モータ・ジェネレータ12を選択的に駆動して発電をおこなうように構成されている。なお、伝達機構11は、オイルポンプやエアコン用コンプレッサなどの補機類(それぞれ図示せず)を駆動するように構成したものであっもよい。また、第1モータ・ジェネレータ12は、補機類に電力を供給するように構成することもできる。 【0026】図3に上記の第2モータ・ジェネレータ4の制御系統を示してある。第2モータ・ジェネレータ4には、インバータ13を介して蓄電手段であるバッテリ14が接続され、また、このインバータ13およびバッテリ14にコントローラ15が接続されている。このコントローラ15は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、バッテリ14の充電状態(SOC)を検出し、またバッテリ14から第2モータ・ジェネレータ4に供給する電流を制御し、さらには第2モータ・ジェネレータ4からバッテリ14に充電する電力を制御するようになっている。 【0027】図2の(B)は、前輪側の駆動系統を示しており、左右の前輪2を連結してあるフロントデファレンシャル16には、前輪駆動用の動力源であるモータ17が接続されている。このモータ17は前述した各モータ・ジェネレータ4,12と同様に外力によって強制的に回転させられることにより発電をおこなうように構成されており、したがってこのモータ17には、蓄電装置であるキャパシタ18が電気的に接続されている。このキャパシタ18は、要は、電力を蓄えておくことのできる装置であって、二次電池であるバッテリや静電容量の大きいコンデンサなどによって構成することができる。また、このキャパシタ18は前述したバッテリ14で兼用してもよい。 【0028】さらにモータ17には、これに電力を供給するために前記第1モータ・ジェネレータ12が電気的に接続されている。そして、これらのモータ17およびキャパシタ18ならびに第1モータ・ジェネレータ12を制御するためのコントローラ19が設けられている。このコントローラ19は、前述した第2モータ・ジェネレータ4およびインバータ13のためのコントローラ15と同様にマイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、第1モータ・ジェネレータ12やモータ17の駆動やこれらによる発電、さらにはキャパシタ18による充電を制御するように構成されている。なお、このコントローラ19は前述した第2モータ・ジェネレータ4およびインバータ13のためのコントローラ15によって兼用することとしてもよい。 【0029】したがって図に示す車両は、エンジン3および/または第1もしくは第2モータ・ジェネレータ12,4によって後輪1を駆動して二輪駆動状態とし、またこれに加えてモータ17によって前輪2を駆動して四輪駆動状態とすることができる。このような制御をおこなうために、前記各コントローラ15,19は相互にデータ通信可能に接続されている。 【0030】図2に示す動力伝達系統では、第1および第2のモータ・ジェネレータ12,4がエンジン3に連結されているので、これらいずれかもしくは両方のモータ・ジェネレータ12,4を、エンジン3と共に、あるいはエンジン3に替えて駆動することにより、モータ・ジェネレータ12,4の動力で走行することができる。しかしながらモータ・ジェネレータ12,4の出力特性とエンジン3の出力特性とは大きく異なっているから、それぞれの駆動領域がその特性に応じて分けられている。図4はその駆動領域を概念的に表しており、アクセル開度(すなわち駆動力要求量)が小さくかつ低車速状態では、モータ・ジェネレータ4(もしくは12)を動力源として駆動し、それより高アクセル開度および高車速ではエンジン3を動力源として駆動するように領域が設定されている。 【0031】なお、前述したように第1のモータ・ジェネレータ12は補機類を駆動することを基本的な機能とし、これに対して第2のモータ・ジェネレータ4は走行のための動力源(すなわち力行)および減速時のエネルギー回生を主な機能としている。したがってこれらのモータ・ジェネレータ4,12は、その機能に適する特性もしくは容量のものが採用されており、出力特性や最も効率のよい動作状態が互いに異なっている。さらに、これら各モータ・ジェネレータ4,12はエンジン3に連結されているから、エンジン3から後輪1に到る動力伝達系統に対してトルクを与えることができ、またその出力の制御応答性が高いので、エンジン3のトルク変動を抑制するようにトルクを出力し、あるいはトルクを吸収して車両全体としての振動を低減することができる。 【0032】エンジン3と共に搭載されている上記のモータ・ジェネレータ4,12は、上述したように、車両を走行させるための力行および減速させるためのエネルギー回生を含む振動抑制などの多様な用途に使用され、それらの制御をおこなうためのハイブリッド制御装置(ECU)50が設けられている。これは、中央演算処理装置や記憶装置(RAM,ROM)ならびにインターフェースからなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。 【0033】そのECU50には、図5に示すように、制御のためのデータとして下記の信号が入力されている。前記前輪用モータ17に電流を供給して四輪駆動状態とするための4WDスイッチからの信号、アンチロックブレーキシステム(ABS)用のコンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)のためのコンピュータからの信号、エンジン回転数NE の検出信号、エンジン水温の検出信号、イグニッションスイッチからの信号、バッテリ14の充電状態(SOC)の検出信号、ベッドライトの点灯状態を示す信号、デフォッガの動作状態を示す信号、エアコンの動作状態を示す信号、車速信号、自動変速機(AT)の油温の検出信号、自動変速機6で設定されているシフトポジションの検出信号、サイドブレーキの動作状態を示す信号、フットブレーキの動作状態を示す信号、排ガス用浄化触媒の温度を示す信号、アクセル開度を示す信号、エンジン3におけるクランクの位置(角度)の検出信号、前記スポーツモードスイッチから出力されるスポーツシフト信号、車両の加速度の検出信号、前述したモータ・ジェネレータ4,12で発生する回生制動力の強弱を設定する駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサ47から出力される信号、後輪を電気的に操舵するシステム(アクティブ・リヤ・ステアリング:ARS)のコンピュータからの信号などが、ECU50に入力されている。 【0034】一方、制御のための出力信号として、下記の信号がECU50から出力されている。すなわち、エンジン3での燃料噴射を制御するための噴射信号、点火時期を制御するための点火信号、前輪用モータ17を制御するコントローラ19に対する制御信号、第2モータ・ジェネレータ4を制御するコントローラ15に対する制御信号、第1モータ・ジェネレータ12を制御するコントローラ(図示せず)に対する制御信号、減速度を制御するための減速装置に対する制御信号、自動変速機6における所定のソレノイドに対する制御信号、自動変速機6のライン圧を制御するための制御信号、ABSにおけるアクチュエータの制御信号、停車持にエンジン3を自動停止する制御の実施を示す自動停止制御実施インジケータの信号、その制御を実施していないことを示す自動停止制御未実施インジケータの信号、スポーツモードインジケータに対する信号、VSCアクチュエータに対する制御信号、ロックアップクラッチの制御するためのロックアップコントロールバルブの制御信号、自動変速機6におけるC1 (第1クラッチ)コントロールバルブの制御信号、自動変速機6におけるC2 (第2クラッチ)コントロールバルブの制御信号などが、ECU50から出力されている。 【0035】上述したように第1および第2のモータ・ジェネレータ12,4はその主たる機能が相違しているうえに、特性が相違しているので、走行のための駆動力を出力し、あるいはエンジン3のトルク変動に起因する振動を抑制するように駆動力を出力するとしても、車両の状態に基づいた好適な駆動の態様があり、この発明に係る上述した制御装置は、モータ・ジェネレータ4,12を駆動する場合の選択を以下のようにして実行する。図1は、その制御例を示しており、先ず、第1モータ・ジェネレータ12が補機類の駆動のために使用されているか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1で肯定的に判断された場合、すなわち第1モータ・ジェネレータ12が補機類の駆動のために使用されている場合には、走行(力行)あるいはエンジン3の出力トルクの変動に起因する振動の抑制のために使用できる電動機は第2モータ・ジェネレータ4に限られるので、この第2モータ・ジェネレータ4が、力行あるいは振動抑制のための駆動手段として使用される(ステップS2)。 【0036】これに対して第1モータ・ジェネレータ12が補機類の駆動のために使用されていないことによりステップS1で否定的に判断された場合には、第2モータ・ジェネレータ12が、前輪駆動用のモータ17の電力源として使用されているか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3で肯定的に判断された場合にも、走行あるいはエンジン3の出力トルクの変動に起因する振動の抑制のために使用できる電動機は第2モータ・ジェネレータ4に限られるので、この第2モータ・ジェネレータ4が、力行あるいは振動抑制のための駆動手段として使用される(ステップS2)。 【0037】これとは反対にステップS3で否定的に判断された場合すなわち第1モータ・ジェネレータ12がモータ17の電力源として使用されていない場合には、第1および第2のモータ・ジェネレータ12,4の両方を力行あるいはエンジン3の出力に起因する振動の抑制のための駆動手段として使用することが可能であるから、その選択のための指標として、それぞれのモータ・ジェネレータ12,4に関する電気系統の効率が計算される(ステップS4およびステップS5)。その電気系統には、モータ・ジェネレータ12,4自体と、モータ・ジェネレータ12,4に接続されたケーブルと、図示しないバッテリあるいは図3に示すバッテリ14およびその他の制御機器が含まれる。そして、効率は、モータ・ジェネレータ12,4が発電機として機能した場合の充電効率と、モータ・ジェネレータ12,4が電動機として機能した場合の放電効率と、バッテリの充電効率および放電効率とが含まれる。これらの効率は、回転数や振動トルクあるいはバッテリの温度ならびに充電率(SOC:State of Charge)などに影響を受ける。 【0038】したがって一例として下記の演算によって第1モータ・ジェネレータ12の効率が求められる。 η12T =η12in×η12out【0039】ここで、η12T は第1モータ・ジェネレータ12に関する全体としての効率であり、またη12inは充電効率であり、さらに、η12out は放電効率である。この充電効率η12inは、第1モータ・ジェネレータ12の発電効率η12gen と、バッテリの充電効率η12batin と、充電系統やその他の効率η12losin との積として求められる。すなわちη12in=η12gen ×η12batin ×η12losinである。なお、発電効率η12gen は回転数およびトルクならびに温度の関数η12gen =F(回転数、トルク、温度) として与えられ、またバッテリの充電効率η12batin は温度およびSOCならびに劣化係数の関数η12batin =F(温度、SOC、劣化係数) として与えられる。 【0040】同様に、放電効率η12out は、第1モータ・ジェネレータ12が電動機として動作した場合の効率η12mot と、バッテリの放電効率η12batoutと、放電系統やその他の効率η12losoutとの積として求められる。すなわちη12out =η12mot ×η12batout×η12losoutである。なお、電動機としての効率η12mot は回転数およびトルクならびに温度の関数η12mot =F(回転数、トルク、温度) として与えられ、またバッテリの放電効率η12batoutは温度およびSOCならびに劣化係数の関数η12batout=F(温度、SOC、劣化係数) として与えられる。 【0041】また、同様に、第2モータ・ジェネレータ4については、一例として下記の演算によって効率が求められる。 η4T=η4in×η4out【0042】ここで、η4T は第2モータ・ジェネレータ4に関する全体としての効率であり、またη4inは充電効率であり、さらに、η4out は放電効率である。この充電効率η4inは、第2モータ・ジェネレータ4の発電効率η4gen と、バッテリの充電効率η4batin と、充電系統やその他の効率η4losin との積として求められる。すなわちη4in=η4gen×η4batin×η4losinである。なお、発電効率η4genは回転数およびトルクならびに温度の関数η4gen=F(回転数、トルク、温度) として与えられ、またバッテリの充電効率η4batinは温度およびSOCならびに劣化係数の関数η4batin=F(温度、SOC、劣化係数) として与えられる。 【0043】同様に、放電効率η4outは、第2モータ・ジェネレータ4が電動機として動作した場合の効率η4motと、バッテリの放電効率η4batout と、放電系統やその他の効率η4losout との積として求められる。すなわちη4out=η4mot×η4batout ×η4losoutである。なお、電動機としての効率η4motは回転数およびトルクならびに温度の関数η4mot=F(回転数、トルク、温度) として与えられ、またバッテリの放電効率η4batout は温度およびSOCならびに劣化係数の関数η4batout =F(温度、SOC、劣化係数) として与えられる。 【0044】上述のようにして各モータ・ジェネレータ12,4についての効率η12T ,η4Tを計算した後、これらの効率η12T ,η4Tが比較される(ステップS6)。そして、効率のよい方のモータ・ジェネレータ4,12が、走行時の力行のための駆動手段もしくはエンジン3の出力トルクの変動に起因する振動を抑制するための駆動手段として選択して使用される(ステップS7,S8)。すなわち第1モータ・ジェネレータ12の効率η12T が第2モータ・ジェネレータ4の効率η4Tより低いことによりステップS6で否定的に判断された場合には、効率のよい第2モータ・ジェネレータ4が使用され(ステップS7)、また反対に第1モータ・ジェネレータ12の効率η12T が第2モータ・ジェネレータ4の効率η4T以上であることによりステップS6で肯定的に判断された場合には、第1モータ・ジェネレータ12が使用される(ステップS8)。 【0045】エンジン3の出力トルクの変動は、エンジン3における燃料の燃焼が間欠的に生じることに起因しており、その振動波形は山部と谷部とが交互に繰り返す波形となる。このような振動を、駆動輪(後輪)1に伝達される前にモータ・ジェネレータ4,12によって抑制するためには、その振動の山部に相当する位相でモータ・ジェネレータ12,4を発電機として機能させてトルクを吸収し、また振動の谷部に相当する位相でモータ・ジェネレータ12,4を電動機として機能させてトルクを付加することになる。したがって、いずれかのモータ・ジェネレータ12,4を繰り返し発電機および電動機として機能させることになるが、一般的な傾向として、モータ・ジェネレータ12,4を発電機として機能させた場合のトータルとしてのエネルギー効率が、モータ・ジェネレータ12,4を電動機として機能させた場合のトータルとしてのエネルギー効率より低くなる。 【0046】上述したこの発明に係る制御装置では、各モータ・ジェネレータ12,4の充電時および放電時のトータルの効率を求め、その効率の良い方のモータ・ジェネレータ12,4を使用するから、バッテリからの放電量と充電量との偏差を可及的に少なくし、バッテリからの総合的な放電量を抑制することができる。そのため、上記のこの発明に係る制御装置では、モータ・ジェネレータ12,4による振動抑制制御を少ないエネルギー消費で実行でき、ひいてはその制御を長期に亘って継続することが可能になる。 【0047】ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS6の機能的手段が、この発明の効率比較手段に相当し、またステップS7およびステップS8の機能的手段が、この発明の回転装置選択手段あるいは電動機選択手段に相当する。 【0048】なお、前述したように各効率は、温度やエンジン3の回転数あるいはトルクなどの車両の運転状況に基づいて変化するので、第1および第2のモータ・ジェネレータ12,4についてのトータルの効率が、運転状態に変化に伴って増減し、その大小の関係が繰り返し反転することがある。そうした場合、使用するモータ・ジェネレータ12,4を頻繁に変更することになるが、このようないわゆるハンチングを回避するために、モータ・ジェネレータ12,4の選択の基準にヒステリシスを設ければよい。具体的には、各モータ・ジェネレータ12,4の効率の大小の比較に替えて、それらの効率の偏差を所定の基準値と比較し、その比較結果に基づいて使用するモータ・ジェネレータ12,4を決定すればよく、あるいはいずれかのモータ・ジェネレータ12,4を選択した後は、その使用を所定時間継続し、その後に再度、各モータ・ジェネレータ12,4の効率の比較をおこなうようにすればよい。このようにヒステリシスを設けていずれかのモータ・ジェネレータ12,4を選択する手段が、請求項4における回転装置選択手段もしくは請求項5における電動機選択手段に相当する。 【0049】上述した具体例は、前後輪の両方を選択的に駆動できる四輪駆動車を対象とする制御装置の例であるが、この発明は上記の具体例に限定されないのであり、前輪もしくは後輪のいずれかのみを駆動する二輪駆動車を対象とする制御装置にも適用することができる。また、上記の具体例では、モータ・ジェネレータを使用した例を示したが、この発明はモータ・ジェネレータに替えて電動機もしくは発電機を単独で使用した場合にも適用でき、さらにその電動機もしくは発電機の配置は、上記の具体例で示してある配置に限定されない。 【0050】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、回転装置に動力伝達系統からトルクが与えられ、また反対に回転装置から動力伝達系統にトルクを与えることにより、動力伝達系統でのトルクの変動幅が抑制され、そのように機能する回転装置としてエネルギー効率が最も良いものが採用されるので、エネルギーの消費を可及的に抑制した状態で車両の制振をおこなうことができる。 【0051】また、請求項2の発明によれば、複数設けられている電動機のうち、効率の良いものを選択して動力源として使用するから、電動機を駆動することに伴って生じるエネルギーロスが低減され、エネルギー効率を向上させることができる。 【0052】また、請求項3の発明によれば、請求項2の発明で得られる効果に加えて、内燃機関が動力を出力することに伴う振動を電動機の出力によって抑制する際に、エネルギー効率のよい電動機が選択されるので、内燃機関による振動を抑制した走行を高いエネルギー効率で実施することができる。 【0053】さらに、請求項4あるいは5の発明によれば、請求項1ないし3の発明で得られる効果に加えて、いずれかの回転装置もしくは電動機から他の回転装置もしくは電動機に切り換える条件とこれとは反対の切り換えをおこなう条件とに所定の差異(ヒステリシス)が設けられているので、駆動状態などのわずかな変化に起因して回転装置もしくは電動機が頻繁に変更されるいわゆるハンチングを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083998 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 丈夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−245404(P2001−245404A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−54167(P2000−54167) |
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