トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 車両用電力変換装置
【発明者】 【氏名】石川 倫章

【要約】 【課題】フィルター回路のコンデンサを充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチの短絡故障を確実にかつ容易に検出すること。

【解決手段】電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器5の直流電源部に、コンデンサ4で構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器3を介してコンデンサ4を充電し、当該充電終了後に抵抗器3と並列に接続された抵抗短絡用スイッチ13を短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、抵抗短絡用スイッチ13を自己消弧形素子で構成し、自己消弧形素子の入力側および出力側の電圧をそれぞれ検出する電圧検出手段10および11と、自己消弧形素子13および電力変換器5の各ゲート制御信号と各電圧検出手段10および11による電圧検出値とに基づいて、自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段9とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力としてゲート制御信号電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、前記自己消弧形素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記自己消弧形素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段と、を備えて成ることを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項2】 前記請求項1に記載の車両用電力変換装置において、前記故障検出手段としては、変換装置本体の停止信号が入力されると、前記自己消弧形素子のゲート停止信号を前記電力変換器のゲート停止信号よりも先に出力し、前記第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、前記自己消弧形素子が短絡故障していることを検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項3】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧能力を有さない素子で構成し、前記自己消弧能力を有さない素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記自己消弧能力を有さない素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記自己消弧能力を有さない素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、前記自己消弧能力を有さない素子の短絡故障を検出する故障検出手段と、を備えて成ることを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項4】 前記請求項3に記載の車両用電力変換装置において、前記故障検出手段としては、変換装置本体の停止信号が入力されると、前記自己消弧能力を有さない素子のゲート停止信号と前記電力変換器のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度前記電力変換器のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、前記第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、前記自己消弧形素子が短絡故障していることを検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項5】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、前記自己消弧形素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、前記自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記電流検出手段による電流検出値とに基づいて、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段と、を備えて成ることを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項6】 前記請求項5に記載の車両用電力変換装置において、前記故障検出手段としては、変換装置本体の停止信号が入力されると、前記自己消弧形素子のゲート停止信号を前記電力変換器のゲート停止信号よりも先に出力し、前記電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、前記自己消弧形素子が短絡故障していることを検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項7】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧能力を有さない素子で構成し、前記自己消弧能力を有さない素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、前記自己消弧能力を有さない素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記電流検出手段による電流検出値とに基づいて、前記自己消弧能力を有さない素子の短絡故障を検出する故障検出手段と、を備えて成ることを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項8】 前記請求項7に記載の車両用電力変換装置において、前記故障検出手段としては、変換装置本体の停止信号が入力されると、前記自己消弧能力を有さない素子のゲート停止信号と前記電力変換器のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度前記電力変換器のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、前記電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、前記自己消弧能力を有さない素子が短絡故障していることを検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項9】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、前記自己消弧形素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記自己消弧形素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備え、前記故障検出手段としては、変換装置本体が起動されてから、前記自己消弧形素子のゲート停止信号を一定時間毎に定期的に所定時間だけ出力し、前記第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【請求項10】 スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介して前記フィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に前記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、前記抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、前記自己消弧形素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、前記自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と前記電流検出手段による電流検出値とに基づいて、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備え、前記故障検出手段としては、変換装置本体が起動されてから、前記自己消弧形素子のゲート停止信号を一定時間毎に定期的に所定時間だけ出力し、前記電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、前記自己消弧形素子の短絡故障を検出するようにしたことを特徴とする車両用電力変換装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用した車両用の電力変換装置に係り、特にフィルター回路のコンデンサを充電する充電回路の自己消弧形素子の短絡故障検出を確実にかつ容易に実施できるようにした車両用電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、インバータやコンバータ等の電力変換装置においては、その直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用している。
【0003】そして、電力変換装置の起動時には、上記フィルター回路のコンデンサの初期充電時に過大な突入電流が流れないように抵抗器を経由して充電し、当該充電終了後に上記抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成している。
【0004】ここで、抵抗短絡用スイッチとしては、例えばサイリスタ、GTOサイリスタ、IGBT等の半導体スイッチや、電磁接触器が使用されている。
【0005】これらの抵抗短絡用スイッチは、起動の初期のみオフで、電力変換装置運転中はオン状態で使用される。
【0006】従って、電力変換装置の運転中に何らかの原因でオープン故障が発生した場合には、抵抗短絡用スイッチ両端の電圧検出や、抵抗短絡用スイッチに流れる電流の変化によって、その故障を容易に検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抵抗短絡用スイッチの短絡故障は、電力変換装置の運転中に検出することが難しく、一旦停止した後に再度起動をかけた時に、過大な突入電流が流れて起動できないような事態が発生する。
【0008】特に、鉄道車輌用の電力変換装置では、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障が発生した場合に、電力変換装置の運転中には発見することができず、次の朝の運用開始時に抵抗短絡用スイッチの故障が発見されることになり、結果としてダイヤを乱す等の不具合が発生する可能性がある。本発明の目的は、フィルター回路のコンデンサを充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチの短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能な車両用電力変換装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、スイッチング素子で構成され電車線からの電力を入力として電力変換を行なう電力変換器の直流電源部に、コンデンサで構成されるフィルター回路を使用し、起動時には抵抗器を介してフィルター回路のコンデンサを充電し、当該充電終了後に抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチを短絡させるように充電回路を構成した車両用の電力変換装置において、請求項1に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、自己消弧形素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、自己消弧形素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備えている。
【0010】ここで、特に上記故障検出手段としては、例えば請求項2に記載したように、変換装置本体の停止信号が入力されると、自己消弧形素子のゲート停止信号を電力変換器のゲート停止信号よりも先に出力し、第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、自己消弧形素子が短絡故障していることを検出することが好ましい。
【0011】従って、請求項1および請求項2に対応する発明の車両用電力変換装置においては、抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチは通常運転時はオンしたままであり、短絡を検出することは困難であることから、変換装置本体の停止の短い時間の中で、この抵抗短絡用スイッチを強制的にオフさせて、電圧の変化を検出する。この時に、電力変換器を同時に停止させると、抵抗短絡用スイッチの電圧も変化が無くなるので、電力変換器の停止を若干遅らせることにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電圧と出力側の電圧との間に電圧差が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。
【0012】また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0013】また、請求項3に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧能力を有さない素子で構成し、自己消弧能力を有さない素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、自己消弧能力を有さない素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、自己消弧能力を有さない素子および電力変換器の各ゲート制御信号と第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、自己消弧能力を有さない素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備えている。
【0014】ここで、特に上記故障検出手段としては、例えば請求項4に記載したように、変換装置本体の停止信号が入力されると、自己消弧能力を有さない素子のゲート停止信号と電力変換器のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、自己消弧形素子が短絡故障していることを検出することが好ましい。
【0015】従って、請求項3および請求項4に対応する発明の車両用電力変換装置においては、抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチは通常運転時はオンしたままであり、短絡を検出することは困難であることから、変換装置本体の停止の短い時間の中で、この抵抗短絡用スイッチを強制的にオフさせて、電圧の変化を検出する。この時に、自己消弧能力を有さない素子は自己消弧形素子と違って自己消弧能力がないので、ゲート停止信号を与えるだけでは自己消弧能力を有さない素子をオフさせることはできず、自己消弧能力を有さない素子に流れる電流を一旦ゼロにする必要がある。そこで、自己消弧能力を有さない素子と電力変換器をほぼ同時に停止させ、その後再度電力変換器を所定時間だけ点弧することにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電圧と出力側の電圧との間に電圧差が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0016】一方、請求項5に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、自己消弧形素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と電流検出手段による電流検出値とに基づいて、自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備えている。
【0017】ここで、特に上記故障検出手段としては、例えば請求項6に記載したように、変換装置本体の停止信号が入力されると、自己消弧形素子のゲート停止信号を電力変換器のゲート停止信号よりも先に出力し、電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、自己消弧形素子が短絡故障していることを検出することが好ましい。
【0018】従って、請求項5および請求項6に対応する発明の車両用電力変換装置においては、抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチは通常運転時はオンしたままであり、短絡を検出することは困難であることから、変換装置本体の停止の短い時間の中で、この抵抗短絡用スイッチを強制的にオフさせて、電流の変化を検出する。この時に、電力変換器を同時に停止させると、抵抗短絡用スイッチの電流も変化が無くなるので、電力変換器の停止を若干遅らせることにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電流の減少が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0019】また、請求項7に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧能力を有さない素子で構成し、自己消弧能力を有さない素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、自己消弧能力を有さない素子および電力変換器の各ゲート制御信号と電流検出手段による電流検出値とに基づいて、自己消弧能力を有さない素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備えている。
【0020】ここで、特に上記故障検出手段としては、例えば請求項8に記載したように、変換装置本体の停止信号が入力されると、自己消弧能力を有さない素子のゲート停止信号と電力変換器のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、自己消弧能力を有さない素子が短絡故障していることことを検出することが好ましい。
【0021】従って、請求項7および請求項8に対応する発明の車両用電力変換装置においては、抵抗器と並列に接続された抵抗短絡用スイッチは通常運転時はオンしたままであり、短絡を検出することは困難であることから、変換装置本体の停止の短い時間の中で、この抵抗短絡用スイッチを強制的にオフさせて、電流の変化を検出する。この時に、自己消弧能力を有さない素子は自己消弧形素子と違って自己消弧能力がないので、ゲート停止信号を与えるだけでは自己消弧能力を有さない素子をオフさせることはできず、自己消弧能力を有さない素子に流れる電流を一旦ゼロにする必要がある。そこで、自己消弧能力を有さない素子と電力変換器をほぼ同時に停止させ、その後再度電力変換器を所定時間だけ点弧することにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電流の減少が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0022】一方、請求項9に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、自己消弧形素子の入力側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、自己消弧形素子の出力側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と第1および第2の各電圧検出手段による電圧検出値とに基づいて、自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備え、故障検出手段としては、変換装置本体が起動されてから、自己消弧形素子のゲート停止信号を一定時間毎に定期的に所定時間だけ出力し、第1および第2の各電圧検出手段による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、自己消弧形素子の短絡故障を検出するようにしている。
【0023】従って、請求項9に対応する発明の車両用電力変換装置においては、変換装置本体の動作中に、一定時間毎に定期的に自己消弧形素子を所定時間だけ停止させることにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電圧と出力側の電圧との間に電圧差が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0024】また、請求項10に対応する発明では、抵抗短絡用スイッチを自己消弧形素子で構成し、自己消弧形素子の入力側の電流を検出する電流検出手段と、自己消弧形素子および電力変換器の各ゲート制御信号と電流検出手段による電流検出値とに基づいて、自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出手段とを備え、故障検出手段としては、変換装置本体が起動されてから、自己消弧形素子のゲート停止信号を一定時間毎に定期的に所定時間だけ出力し、電流検出手段による電流検出値が減少しない場合に、自己消弧形素子の短絡故障を検出するようにしている。
【0025】従って、請求項10に対応する発明の車両用電力変換装置においては、変換装置本体の動作中に、一定時間毎に定期的に自己消弧形素子を所定時間だけ停止させることにより、抵抗短絡用スイッチのみがオフする状態を作り出すことが可能となるため、自己消弧形素子の入力側の電流の減少が発生したことで抵抗短絡用スイッチがオフできることを検出して、その短絡故障の有無を検出することができる。また、上記抵抗短絡用スイッチの短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要がないため、低コストで故障検出を行なうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図である。
【0028】図1(a)において、電車線からの直流電力をパンタグラフ1を介して入力し、リアクトル2およびコンデンサ4で構成される直流電源部のLCフィルター回路のコンデンサ4を充電するようにしている。
【0029】また、LCフィルター回路のリアクトル2とコンデンサ4との間に抵抗器3を直列に接続し、かつこの抵抗器3と並列に、抵抗短絡用スイッチ13を接続している。
【0030】そして、本車両用電力変換装置の起動時には、上記フィルター回路のコンデンサ4の初期充電時に過大な突入電流が流れないように抵抗器3を経由して充電し、この充電終了後に上記抵抗器3と並列に接続された抵抗短絡用スイッチ13を短絡させるように充電回路を構成している。
【0031】ここで、抵抗短絡用スイッチ13としては、自己消弧形素子である、例えばGTOサイリスタを用いる。
【0032】さらに、フィルター回路のコンデンサ4の両端には、例えばトランジスタ、GTOサイリスタ、IGBT等のスイッチング素子で構成された電力変換器(インバータ)5を接続している。
【0033】この電力変換器5は、電車線からの直流電力をLCフィルター回路を介して入力し、電力変換(逆変換)を行なって交流電力を発生させ、例えば誘導電動機等の負荷6に交流電力を供給するようにしている。
【0034】一方、LCフィルター回路の入力側および出力側には、電圧検出器10および11を設けている。
【0035】電圧検出器10および11は、抵抗短絡用スイッチ13の入力側の電圧および出力側の電圧を検出する。
【0036】さらに、ゲート回路17と、ゲート回路8と、シーケンス制御回路9とを備えている。
【0037】ゲート回路17は、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子にゲート制御信号を与える。
【0038】ゲート回路8は、電力変換器5のスイッチング素子にゲート制御信号を与える。
【0039】シーケンス制御回路9は、ゲート回路17およびゲート回路8をシーケンス的に制御する制御機能と、抵抗短絡用スイッチ13のゲート制御信号と、電力変換器5のスイッチング素子のゲート制御信号と、上記各電圧検出器10および11による電圧検出値とに基づいて、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出機能とを備えている。
【0040】ここで、故障検出機能としては、本車両用電力変換装置の停止信号が入力されると、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を電力変換器5のゲート停止信号よりも先に出力し、各電圧検出器10および11による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子が短絡故障していることを検出するようにしている。
【0041】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図1(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0042】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0043】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0044】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。この運転状態で、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することはできない。
【0045】車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図1(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0046】すなわち、車両用電力変換装置の停止信号がシーケンス制御回路9に入力された時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して、電力変換器5のゲート停止信号(オフ信号)よりも若干先に出力される。
【0047】これにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0048】このため、抵抗器3に電圧降下が発生し、電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生する。
【0049】シーケンス制御回路9では、各電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電圧差が発生していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0050】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧形素子であるGTOサイリスタで構成し、変換装置本体の停止時に、電力変換器5のゲート停止信号よりも抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を先に出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電圧の変化を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0051】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0052】(第2の実施の形態)図2(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図1(a)と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0053】すなわち、本実施の形態による車両用電力変換装置は、図2(a)に示すように、前記図1(a)における抵抗短絡用スイッチ13として、自己消弧形素子であるGTOサイリスタの代わりに、自己消弧能力を有さない素子、例えばサイリスタを用いた構成としている。
【0054】また、前記シーケンス制御回路9における故障検出機能としては、本車両用電力変換装置の停止信号が入力されると、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号と電力変換器5のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器5のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、前記各電圧検出器10および11による電圧の間に電圧差が発生しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることを検出するようにしている。
【0055】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図2(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0056】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0057】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0058】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。この運転状態で、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することはできない。
【0059】また、抵抗短絡用スイッチ13を構成するサイリスタは、前述したGTOサイリスタと違って自己消弧能力がないため、ゲート制御信号をオフさせるだけでは、サイリスタをオフさせることはできず、サイリスタに流れる電流を一旦ゼロにする必要がある。
【0060】そこで、車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図2(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0061】すなわち、車両用電力変換装置の停止信号がシーケンス制御回路9に入力された時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)、および電力変換器5のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7およびゲート回路8をそれぞれ経由して、ほぼ同時に出力される。
【0062】これにより、車両用電力変換装置に流れる電流が一旦ゼロとなり、抵抗短絡用スイッチ13もオフさせることができる。
【0063】ここで、再度電力変換器5にゲート点弧信号が、シーケンス制御回路9からゲート回路8を経由して出力されることにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0064】このため、抵抗器3に電圧降下が発生し、電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生する。
【0065】シーケンス制御回路9では、各電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電圧差が発生していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0066】なお、上記において、電力変換器5へのゲート点弧信号は、例えば1秒以下の短い期間のみ出力するようにする。これにより、車両用電力変換装置全体としての停止動作が大幅に遅れることがないようにすることができる。
【0067】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧能力を有さない素子であるサイリスタで構成し、変換装置本体の停止時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号と電力変換器5のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器5のゲート点弧信号を所定時間だけ出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電圧の変化を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0068】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0069】(第3の実施の形態)図3(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図1(a)と同一要素には同一符号を付して示している。
【0070】図3(a)において、電車線からの直流電力をパンタグラフ1を介して入力し、リアクトル2およびコンデンサ4で構成される直流電源部のLCフィルター回路のコンデンサ4を充電するようにしている。
【0071】また、LCフィルター回路のリアクトル2とコンデンサ4との間に抵抗器3を直列に接続し、かつこの抵抗器3と並列に、抵抗短絡用スイッチ13を接続している。
【0072】そして、本車両用電力変換装置の起動時には、上記フィルター回路のコンデンサ4の初期充電時に過大な突入電流が流れないように抵抗器3を経由して充電し、この充電終了後に上記抵抗器3と並列に接続された抵抗短絡用スイッチ13を短絡させるように充電回路を構成している。
【0073】ここで、抵抗短絡用スイッチ13としては、自己消弧形素子である、例えばGTOサイリスタを用いる。
【0074】さらに、フィルター回路のコンデンサ4の両端には、例えばトランジスタ、GTOサイリスタ、IGBT等のスイッチング素子で構成された電力変換器(インバータ)5を接続している。
【0075】この電力変換器5は、電車線からの直流電力をLCフィルター回路を介して入力し、電力変換(逆変換)を行なって交流電力を発生させ、例えば誘導電動機等の負荷6に交流電力を供給するようにしている。
【0076】一方、LCフィルター回路の入力側には、電流検出器12を設けている。
【0077】電流検出器12は、抵抗短絡用スイッチ13の入力側の電流を検出する。
【0078】さらに、ゲート回路17と、ゲート回路8と、シーケンス制御回路9とを備えている。
【0079】ゲート回路17は、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子にゲート制御信号を与える。
【0080】ゲート回路8は、電力変換器5のスイッチング素子にゲート制御信号を与える。
【0081】シーケンス制御回路9は、ゲート回路17およびゲート回路8をシーケンス的に制御する制御機能と、抵抗短絡用スイッチ13のゲート制御信号と、電力変換器5のスイッチング素子のゲート制御信号と、上記電流検出器12による電流検出値とに基づいて、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子の短絡故障を検出する故障検出機能とを備えている。
【0082】ここで、故障検出機能としては、本車両用電力変換装置の停止信号が入力されると、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を電力変換器5のゲート停止信号よりも先に出力し、電流検出器12による電流検出値が減少しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13の自己消弧形素子が短絡故障していることを検出するようにしている。
【0083】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図3(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0084】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0085】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0086】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。この運転状態で、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することはできない。
【0087】車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図3(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0088】すなわち、車両用電力変換装置の停止信号がシーケンス制御回路9に入力された時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して、電力変換器5のゲート停止信号(オフ信号)よりも若干先に出力される。
【0089】これにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0090】このため、抵抗器3に電圧降下が発生すると共に、電流検出器12に流れる電流が抵抗器3により制限されるために減少する。
【0091】シーケンス制御回路9では、電流検出器12による電流検出値が減少した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電流検出値が減少していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0092】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧形素子であるGTOサイリスタで構成し、変換装置本体の停止時に、電力変換器5のゲート停止信号よりも抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を先に出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電流の変化(減少)を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0093】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0094】(第4の実施の形態)図4(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図3(a)と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0095】すなわち、本実施の形態による車両用電力変換装置は、図4(a)に示すように、前記図3(a)における抵抗短絡用スイッチ13として、自己消弧形素子であるGTOサイリスタの代わりに、自己消弧能力を有さない素子、例えばサイリスタを用いた構成としている。
【0096】また、前記シーケンス制御回路9における故障検出機能としては、本車両用電力変換装置の停止信号が入力されると、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号と電力変換器5のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器5のゲート点弧信号を所定時間だけ出力し、前記電流検出器12による電流検出値が減少しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることを検出するようにしている。
【0097】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図4(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0098】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0099】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0100】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。この運転状態で、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することはできない。
【0101】また、抵抗短絡用スイッチ13を構成するサイリスタは、前述したGTOサイリスタと違って自己消弧能力がないため、ゲート制御信号をオフさせるだけでは、サイリスタをオフさせることはできず、サイリスタに流れる電流を一旦ゼロにする必要がある。
【0102】そこで、車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図4(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0103】すなわち、車両用電力変換装置の停止信号がシーケンス制御回路9に入力された時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)、および電力変換器5のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7およびゲート回路8をそれぞれ経由して、ほぼ同時に出力される。
【0104】これにより、車両用電力変換装置に流れる電流が一旦ゼロとなり、抵抗短絡用スイッチ13もオフさせることができる。
【0105】ここで、再度電力変換器5にゲート点弧信号が、シーケンス制御回路9からゲート回路8を経由して出力されることにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0106】このため、抵抗器3に電圧降下が発生すると共に、電流検出器12に流れる電流が抵抗器3により制限されるために減少する。
【0107】シーケンス制御回路9では、電流検出器12による電流検出値が減少した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電流検出値が減少していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0108】なお、上記において、電力変換器5へのゲート点弧信号は、例えば1秒以下の短い期間のみ出力するようにする。これにより、車両用電力変換装置全体としての停止動作が大幅に遅れることがないようにすることができる。
【0109】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧能力を有さない素子であるサイリスタで構成し、変換装置本体の停止時に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号と電力変換器5のゲート停止信号とをほぼ同時に出力して後に、再度電力変換器5のゲート点弧信号を所定時間だけ出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電流の変化(減少)を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0110】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0111】(第5の実施の形態)図5(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図1(a)と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0112】すなわち、本実施の形態による車両用電力変換装置は、図5(a)に示すように、前記図1(a)におけるシーケンス制御回路9にタイマー14を設けた構成としている。
【0113】タイマー14は、車両用電力変換装置が起動された時点で起動され、車両用電力変換装置が運転されている間、一定時間毎に定期的に所定時間だけ動作出力を生ずる。
【0114】また、前記シーケンス制御回路9における故障検出機能としては、タイマー14からの動作出力がある間だけ、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を出力し、前記各電圧検出器10および11による各電圧検出値の間に電圧差が発生しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出するようにしている。
【0115】すなわち、前記第1の実施の形態では、車両用電力変換装置の停止時に抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障検出を実施していたのに対して、本実施の形態では、車両用電力変換装置の運転中に抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障検出を行なうようにしているものである。
【0116】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図5(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0117】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0118】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0119】これにより、車両用電力変換装置が起動された時点でタイマー14が起動され、車両用電力変換装置が運転されている間、一定時間毎に定期的に所定時間だけ動作出力を生ずる。
【0120】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。
【0121】このように車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図5(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0122】すなわち、車両用電力変換装置の動作中に、タイマー14からの動作出力がシーケンス制御回路9本体に入力される毎に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力される。
【0123】これにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0124】このため、抵抗器3に電圧降下が発生し、電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生する。
【0125】シーケンス制御回路9では、各電圧検出器10および11による電圧検出値の間に電圧差が発生した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電圧差が発生していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0126】なお、上記において、抵抗短絡用スイッチ13ををオフさせる時間は、車両用電力変換装置としての動作に影響が出ないように、短時間(例えば1Oms程度)とすることが好ましい。また、抵抗短絡用スイッチ13をオフさせるタイミングは、車両用電力変換装置が起動してから一定期間毎に行なうように、タイマー14により管理される。
【0127】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧形素子であるGTOサイリスタで構成し、変換装置本体の動作中に、一定時間毎に定期的に抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を所定時間だけ出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電圧の変化を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0128】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0129】(第6の実施の形態)図6(a)は、本実施の形態による車両用電力変換装置の構成例を示すブロック図であり、図3(a)と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0130】すなわち、本実施の形態による車両用電力変換装置は、図6(a)に示すように、前記図3(a)におけるシーケンス制御回路9にタイマー14を設けた構成としている。
【0131】タイマー14は、車両用電力変換装置が起動された時点で起動され、車両用電力変換装置が運転されている間、一定時間毎に定期的に所定時間だけ動作出力を生ずる。
【0132】また、前記シーケンス制御回路9における故障検出機能としては、タイマー14からの動作出力がある間だけ、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を出力し、前記電流検出器12による電流検出値が減少しない場合に、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出するようにしている。
【0133】すなわち、前記第1の実施の形態では、車両用電力変換装置の停止時に抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障検出を実施していたのに対して、本実施の形態では、車両用電力変換装置の運転中に抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障検出を行なうようにしているものである。
【0134】次に、以上のように構成した本実施の形態による車両用電力変換装置の作用について、図6(b)に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0135】本車両用電力変換装置の起動前には、抵抗短絡用スイッチ13はオフ状態にある。
【0136】一方、車両用電力変換装置を起動する時には、パンタグラフ1から直流電力が入力され、リアクトル2、抵抗器3を経由して、コンデンサ4に電荷が充電される。そして、コンデンサ4の充電が終了した時に、抵抗短絡用スイッチ13にゲート点弧信号(オン信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力され、抵抗器3が短絡される。
【0137】これにより、車両用電力変換装置が起動された時点でタイマー14が起動され、車両用電力変換装置が運転されている間、一定時間毎に定期的に所定時間だけ動作出力を生ずる。
【0138】その後、リアクトル2、抵抗短絡用スイッチ13を経由して、コンデンサ4、電力変換器5に電力が供給され、車両用電力変換装置の運転が継続される。
【0139】このように車両用電力変換装置の運転途中に、何らかの原因で抵抗短絡用スイッチ13に短絡故障が発生した場合には、図5(b)に示すシーケンスのような停止を行なうことで、抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を検出することができる。
【0140】すなわち、車両用電力変換装置の動作中に、タイマー14からの動作出力がシーケンス制御回路9本体に入力される毎に、抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号(オフ信号)が、シーケンス制御回路9からゲート回路7を経由して出力される。
【0141】これにより、負荷6に電流が流れている状態で、電流が抵抗器3を経由して流れるようになる。
【0142】このため、抵抗器3に電圧降下が発生すると共に、電流検出器12に流れる電流が抵抗器3により制限されるために減少する。
【0143】シーケンス制御回路9では、電流検出器12による電流検出値が減少した場合には、抵抗短絡用スイッチ13は正常であり、電流検出値が減少していない場合には、抵抗短絡用スイッチ13が短絡故障していることが検出される。
【0144】なお、上記において、抵抗短絡用スイッチ13ををオフさせる時間は、車両用電力変換装置としての動作に影響が出ないように、短時間(例えば1Oms程度)とすることが好ましい。また、抵抗短絡用スイッチ13をオフさせるタイミングは、車両用電力変換装置が起動してから一定期間毎に行なうように、タイマー14により管理される。
【0145】上述したように、本実施の形態による車両用電力変換装置では、抵抗短絡用スイッチ13を、自己消弧形素子であるGTOサイリスタで構成し、変換装置本体の動作中に、一定時間毎に定期的に抵抗短絡用スイッチ13のゲート停止信号を所定時間だけ出力して、抵抗短絡用スイッチ13の電流の変化(減少)を検出するようにしているので、フィルター回路のコンデンサ4を充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチ13の短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0146】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々車両用電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【0147】(その他の実施の形態)前記各実施の形態では、抵抗短絡用スイッチ13として、GTOサイリスタ、サイリスタを用いる場合について説明したが、これに限らず、抵抗短絡用スイッチ13として、IGBT等の半導体スイッチを用いることも可能である。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用電力変換装置によれば、フィルター回路のコンデンサを充電する充電回路の抵抗短絡用スイッチの短絡故障を確実にかつ容易に検出することが可能となる。
【0149】さらに、上記短絡故障の検出を行なうに当たって、元々電力変換装置に必要な検出器を流用し、新たな回路や検出器を追加する必要はなく、低コストで故障検出を行なうことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年2月28日(2000.2.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2001−245401(P2001−245401A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−51774(P2000−51774)