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【発明の名称】 バッテリ式電気車両
【発明者】 【氏名】美濃部 敦

【氏名】藤田 良和

【要約】 【課題】救援車両と被救援車両とが共にバッテリを動力源とし、かつ、両バッテリの電圧が互いに異なる場合でも、救援車両によって被救援車両を確実に所定場所まで牽引できるようにする。

【解決手段】救援車両1と被救援車両2とが共にバッテリ11,12を動力源としており、救援車両1と被救援車両2のいずれか一方には、被救援車両2のバッテリ12の電圧E2を救援車両のバッテリ11の電圧E1と一致するように電圧変換する電圧変換装置5が設けられており、この電圧変換装置5を介して被救援車両2のバッテリ12から救援車両1のバッテリ11に対して電力を供給するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 救援車両と被救援車両とは、共にバッテリを動力源とするものであって、前記救援車両と被救援車両のいずれか一方には、被救援車両のバッテリ電圧を救援車両のバッテリ電圧と一致するように電圧変換する電圧変換装置が設けられており、この電圧変換装置を介して被救援車両のバッテリから救援車両のバッテリに対して電力を供給するように構成されていることを特徴とするバッテリ式電気車両。
【請求項2】 前記電圧変換装置は、直流電圧の昇圧動作と降圧動作が切り換え可能な昇降圧チョッパ回路で構成されていることを特徴とする請求項1記載のバッテリ式電気車両
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリ式フォークリフト、電気自動車、バッテリ式補修点検用車両といったバッテリを動力源とするバッテリ式電気車両に係り、特には故障等によって走行できなくなった車両を救援するための電力授受の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、バッテリ式フォークリフト、電気自動車、バッテリ式補修点検用車両といったバッテリを動力源とするバッテリ式の電気車両において、たとえば走行モータの故障や電気制御回路の故障等によって走行できなくなった場合には、図4に示すように、この走行不能となった電気車両(以下、被救援車両という)2に対して救援用に別の電気車両1(以下、救援車両という)を連結器3等を用いて互いに連結し、救援車両1によって被救援車両2を所定の修理場所まで牽引するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、救援車両1によって被救援車両2を牽引する際、救援車両1に搭載されているバッテリ11の残存容量が十分な場合には、被救援車両2を所定の修理場所まで確実に牽引することが可能である。
【0004】しかしながら、これとは逆に、救援車両1に搭載されているバッテリ11の残存容量が不足しているときには、折角、救援車両1によって被救援車両12を牽引しようとしても所定の修理場所まで牽引できないことが起こる。
【0005】このような場合に、たとえば被救援車両2のバッテリ12の残存容量が十分にあれば、両車両1,2のバッテリ11,12間を直接に図示しない充電ケーブルを介して接続して、残存容量が十分な被救援車両2のバッテリ12から残存容量が不足している救援車両1のバッテリ11に対して電力を供給するようにすることが考えられる。
【0006】ところが、救援車両1におけるバッテリ11の定格の充電電圧E1と被救援車両2におけるバッテリ12の定格の充電電圧E2とは必ずしも一致しているものではなく、両電圧E1,E2が互いに異なる場合があり(たとえば、E1=48V、E2=288V)、このようなときには、単純に充電ケーブルを用いてバッテリ11,12間を接続すると危険であるため、電力供給することができない。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、救援車両に搭載されているバッテリの残存容量が不足しており、しかも、救援車両と被救援車両における各バッテリの定格の充電電圧が大きく異なる場合であっても、救援車両によって被救援車両を確実に所定の修理場所まで牽引できるようにしたバッテリ式電気車両を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、救援車両と被救援車両とが共にバッテリを動力源とするものにおいて、次のように構成している。
【0009】すなわち、本発明では、救援車両と被救援車両のいずれか一方には、被救援車両のバッテリ電圧を救援側のバッテリ電圧と一致するように電圧変換する電圧変換装置が設けられており、この電圧変換装置を介して被救援車両のバッテリから救援車両のバッテリに対して電力を供給するように構成されている。
【00010】これにより、救援車両に搭載されているバッテリの残存容量が不足しており、しかも、救援車両と被救援車両における各バッテリの定格の充電電圧が互いに異なる場合であっても、電圧変換装置によって被救援車両のバッテリ電圧を救援車両のバッテリ電圧と一致するように電圧変換して救援車両のバッテリに電力供給できるため、救援車両によって被救援車両を確実に所定の修理場所まで牽引することが可能となる。
【0011】上記の電圧変換装置としては、たとえば請求項2に記載のように、直流電圧の昇圧動作と降圧動作が切り換え可能な昇降圧チョッパ回路で構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は本発明の実施の形態において、救援車両によって被救援車両を牽引するために両者を互いに連結した状態を示す説明図であり、図4に示した従来技術と対応する部分には、同一の符号を付す。
【0013】図1において、左側が救援車両1、右側が被救援車両2であり、この実施の形態では、救援車両1と被救援車両2のそれぞれに動力源としてのバッテリ11,12が搭載されており、さらに、救援車両1には、被救援車両2のバッテリ電圧を救援車両のバッテリ電圧と一致するように電圧変換する電圧変換装置5が設けられている。
【0014】この電圧変換装置5は、たとえば、図2に示すように、直流電圧の昇圧動作と降圧動作が切り換え可能な昇降圧チョッパ回路で構成されている。また、救援車両1と被救援車両2とが連結器3を用いて互いに連結されている。
【0015】次に、この実施の形態において、救援車両1で被救援車両2を牽引する場合の電力授受の動作について説明する。なお、救援車両1のバッテリ11の残存容量が十分であれば、救援車両1で被救援車両2を所定の修理場所まで確実に牽引可能であって問題は生じないので、ここでは、被救援車両2のバッテリ12の残存容量は十分であるが、救援車両1に搭載されているバッテリ11の残存容が不足している場合を前提として、以下の説明を行う。
【0016】■ 救援車両1のバッテリ11の定格電圧E1が被救援車両2のバッテリ12の定格電圧E2よりも小さい場合(E1<E2)。 この場合において、被救援車両2のバッテリ12の残存容量は十分であるが、救援車両1に搭載されているバッテリ11の残存容量が不足しておれば、被救援車両2のバッテリ12の電圧を降圧して救援車両1のバッテリ11に電力供給する必要がある。
【0017】このため、被救援車両2のバッテリ12が充電ケーブル4を介して救援車両1に搭載されている電圧変換装置5に、また、救援車両1のバッテリ11も電圧変換装置5にそれぞれ電気的に接続される。この場合の 電圧変換装置5に対する電気的な接続関係は具体的に次のようになる。
【0018】図2に示すように、低圧接続端子6a,6b間に救援車両1側のバッテリ11が接続され、高圧接続端子7a,7b間に被救援車両2側のバッテリ12が接続される。そして、一方のトランジスタTR1をスイッチングするとともに、他方のトランジスタTR2をオフ状態に維持することにより、降圧動作が行われる。
【0019】これにより、被救援車両2のバッテリ12の電圧E2を電圧変換装置5で救援車両1のバッテリ11の電圧E1に降圧して救援車両1のバッテリ11に電力供給することができる。したがって、救援車両1は、被救援車両2のバッテリ12から給電を受けながら被救援車両2を確実に所定の修理場所まで牽引することが可能となる。
【0020】■ 救援車両1のバッテリ11の定格電圧E1が被救援車両2のバッテリ12の定格電圧E2よりも大きい場合(E1>E2)。この場合において、被救援車両2のバッテリ12の残存容量は十分であるが、救援車両1に搭載されているバッテリ11の残存容が不足しているときには、被救援車両2のバッテリ12の電圧を昇圧して救援車両1のバッテリ11に電力供給する必要がある。
【0021】したがって、この場合も被救援車両2のバッテリ12が充電ケーブル4を介して救援車両1に搭載されている電圧変換装置5に、また、救援車両1のバッテリ11も昇降圧装置21にそれぞれ電気的に接続されるが、その際の 電圧変換装置5に対する電気的な接続関係は、具体的には、低圧接続端子6a,6b間に被救援車両2側のバッテリ12が接続され、高圧接続端子7a,7b間に救援車両1側のバッテリ11が接続される。そして、他方のトランジスタTR2をスイッチングするとともに、一方のトランジスタTR1をオフ状態に維持することにより、昇圧動作が行われる。
【0022】これにより、被救援車両2のバッテリ12の電圧E2を電圧変換装置5で救援車両1のバッテリ11の電圧E1に昇圧して救援車両1のバッテリ11に電力供給することができる。したがって、救援車両1は、被救援車両2のバッテリ12から給電を受けながら被救援車両2を確実に所定の修理場所まで牽引することが可能となる。
【0023】上記の実施の形態では、救援車両1側に電圧変換装置5を設けているが、図3に示すように、被救援車両2側に電圧変換装置5を搭載した場合にも、救援車両1が被救援車両2から給電を受けながら、被救援車両2を確実に所定の修理場所まで牽引することが可能である。
【0024】すなわち、図3に示した場合においても、救援車両1のバッテリ11の定格電圧E1が被救援車両2のバッテリ12の定格電圧E2よりも小さい場合(E1<E2)には降圧して給電し、また、救援車両1のバッテリ11の定格電圧E1が被救援車両2のバッテリ12の定格電圧E2よりも大きい場合(E1>E2)には昇圧して給電することになるが、そのための電気的な接続関係および電圧変換装置5の動作は、図1および図2に示した実施の形態の場合と同じであるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0025】なお、上記の実施の形態では、被救援車両2のバッテリ12の残存容量は十分であるが、走行モータの故障や電気制御系統の故障等によって走行できなくなった場合に対処するための電力授受について説明したが、本発明は、次のような他の利用も可能である。
【0026】たとえば、両車両1,2のバッテリ11,12の電圧E1,E2が同じ場合(E1=E2)、基本的には、バッテリ11,12を直結すれば電力の授受を行えるが、たとえば図1において片方のバッテリ11が極端に放電してしまっていると、直結時、他方のバッテリ12から無制限の電流が流れることになって、放電側のバッテリ12の負荷が大きくなる。これに対して、電圧変換装置5を設けておけば、この電圧変換装置5で昇圧して電力供給する際、放電側のバッテリ12から充電側のバッテリ11に流れる充電電流を制限することができるため、放電側のバッテリ12の負荷を軽減することができる。これは、図3に示した状況の場合でも同様である。
【0027】さらに、救援車両1のバッテリ11の残存容量は十分であるが、被救援車両2に搭載されているバッテリ12が完全に放電してしまったために走行できなくなった場合においても、両車両1,2のいずれか一方に電圧変換装置5を設けておけば、救援車両1から電圧変換装置5を介して被救援車両2に搭載されているバッテリ12を充電して走行可能な状態に復帰することが可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、救援車両に搭載されているバッテリの残存容量が不足しており、しかも、救援車両と被救援車両における各バッテリの定格の充電電圧が互いに異なる場合であっても、電圧変換装置を経由して被救援車両のバッテリから救援車両のバッテリに電力供給できるため、救援車両によって被救援車両を確実に所定の修理場所まで牽引することが可能となるなどの優れた効果が得られる。特に、電圧変換装置として昇降圧チョッパ回路を使用すれば、比較的簡単な構成でもって直流電圧の昇圧動作と降圧動作を切り換えることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000232807
【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
【出願日】 平成12年2月14日(2000.2.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−231110(P2001−231110A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−35892(P2000−35892)