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【発明の名称】 電気自動車の警報装置
【発明者】 【氏名】梁▲瀬▼ 尚志

【氏名】須々木 裕太

【要約】 【課題】駆動用モータが過負荷状態、即ち過熱が予測される運転状態にあることを運転者に確実に報知可能な電気自動車の警報装置を提供する。

【解決手段】車両の駆動力を発生するモータのモータトルクをモータトルク検出手段で検出し(S10)、当該モータトルクがこのまま継続するとモータの過熱が予測される所定のモータトルク領域にあるとき(S12)、警報手段により警告を発するようにした(S18)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の駆動力を発生するモータと、前記モータが発生するモータトルクを検出するモータトルク検出手段と、前記モータトルク検出手段により検出されるモータトルクが、このまま継続すると前記モータの過熱が予測される所定のモータトルク領域にあるとき、警告を発する警報手段と、を備えたことを特徴とする電気自動車の警報装置。
【請求項2】 さらに、前記モータと一義的に連動し、操作量に応じたモータトルクを前記モータに発生させる加速操作手段と、該加速操作手段の操作量を検出する操作量検出手段とを備え、前記モータトルク検出手段は、前記操作量検出手段により検出される操作量からモータトルクを検出することを特徴とする、請求項1記載の電気自動車の警報装置。
【請求項3】 さらに、前記加速操作手段の操作に対するモータトルク特性を高低2段階に切り換える切換手段を備え、前記警報手段は、前記切換手段によりモータトルク特性が高側に切り換えられているときにのみ警告を発することを特徴とする、請求項2記載の電気自動車の警報装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に係り、詳しくは、駆動用モータの状態を運転者に知らせる警報装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両の駆動力源として電動機(モータ)を搭載し、電動機に電力を供給する2次電池(バッテリ)の充電を比較的小型の内燃機関(エンジン)により駆動される発電機で行うよう構成したシリーズ式ハイブリッド型車両が開発され実用化されている。
【0003】このようなシリーズ式ハイブリッド型車両では、車両の駆動はモータのみで行うようにしていることから、モータに要求されるトルクが大きいような場合であってもモータのみで車両を駆動させなければならず、この際、モータが当該モータの持つ定格トルク(または定格出力)を越えて作動せざるを得ない場合が生ずる。
【0004】一般に、モータの定格トルクはモータの通常の出力範囲を示すものであるため、モータトルクが定格トルクを越えてもモータは作動し続ける。このことは、即ち、定格トルクを越えてモータが運転されても、モータは内燃機関のように音や振動が殆ど変化しないために、運転者がモータの過負荷状態に気付かない場合が多いことを意味する。しかしながら、このように定格トルクを越えた状態でモータを長時間に亘って運転し続けると、知らないうちにモータが過熱してしまうという問題がある。
【0005】そこで、例えばモータの発生トルクを百分率(%)で表示するようにし、発生トルクが100%を越えるか否かによって駆動系の過負荷状態を運転者が判断可能にした状態表示装置が特開平5−176402号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に開示の状態表示装置では、単にモータの発生トルクを百分率(%)で表示するようにしているだけであり、運転者に注意を喚起するようなものとはなっていない。つまり、このような単なる状態表示方法では、発生トルクが100%を越える表示となっていても、運転者が当該表示を見過ごしてしまう可能性があり、このような状況では、やはり知らないうちにモータが過熱してしまうという問題が発生することになり好ましいことではない。
【0007】また、駆動用モータの過負荷状態がある程度継続され、モータが過熱された場合に、モータの破損を防止すべくモータの発生トルクを制限し、モータ温度を減少させるような電気自動車もあるが、このような電気自動車にあっては、運転者の意図に反してモータトルクが急に抑制されてしまうことになり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
【0008】本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、駆動用モータが過負荷状態、即ち過熱が予測される運転状態にあることを運転者に確実に報知可能な電気自動車の警報装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、車両の駆動力を発生するモータのモータトルクをモータトルク検出手段で検出し、当該モータトルクがこのまま継続するとモータの過熱が予測される所定のモータトルク領域にあるとき、警報手段により警告を発するようにしている。
【0010】従って、駆動用モータが過負荷状態、即ち過熱が予測される所定のモータトルク領域(例えば「連続」定格トルク以上)にあるときには、警報が発せられ、駆動用モータが過熱するおそれのあることが運転者に確実に報知される。これにより、運転者は駆動用モータが過熱気味であることを意識して車両を運転することになり、運転者がモータトルクを低下させれば駆動用モータの過熱が防止されるとともに電力消費量が抑制されバッテリの充電頻度が低減されて省エネ化が図られ、例えば駆動用モータがそのまま過熱状態となりモータトルクが制限された場合であっても運転者が違和感を覚えることがない。
【0011】なお、警報は視覚的であっても、聴覚的であっても、またこれらの結合であってもよい。また、請求項2の発明では、モータと一義的に連動し、操作量に応じたモータトルクをモータに発生させる加速操作手段を有し、上記モータトルク検出手段は、該加速操作手段の操作量を検出する操作量検出手段の操作量からモータトルクを検出するようにしている。
【0012】従って、運転者が加速操作手段を操作するとその操作量が操作量検出手段によって検出されるが、この操作量は運転者の要求モータトルク、ひいては実際のモータトルクと一義的に対応するので、当該操作量からモータトルクが容易に検出される。つまり、モータトルク検出手段を別途設けることなく既存の簡易な手段によってモータトルクが確実に検出可能とされる。
【0013】また、請求項3の発明では、加速操作手段の操作に対するモータトルク特性を高低2段階に切り換える切換手段を有し、警報手段は、当該切換手段によりモータトルク特性が高側に切り換えられているときにのみ警告を発するようにしている。従って、手動により、或いは車両の運転状態、加速操作状態等に応じ、例えば通常走行時のように要求されるモータトルクが比較的小さいときには、加速操作手段の操作に対するモータトルク特性は低側に切り換えられ、一方、例えば急加速する場合のように要求されるモータトルクが大きいときには、モータトルク特性は高側に切り換えられるが、モータトルク特性が高側に切り換えられているときには過負荷状態になり易く、つまりモータが過熱し易いため、この場合にのみ警告が発せられる。これにより、急加速のようなモータが過熱し易い運転、即ちモータトルク特性を高側に切り換えるような運転を多用しないよう運転者に意識付けることが可能とされ、つまりモータが過熱し難いモータトルク特性を低側とする運転が多用され、省エネ化が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。図1を参照すると、本発明に係る電気自動車の警報装置が適用されるシリーズ式ハイブリッド型車両の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき本発明に係る電気自動車の警報装置の構成を説明する。なお、シリーズ式ハイブリッド型車両として、ここでは、例えば、都市部で低速走行を多用するような乗合バス等の大型車両が想定される。
【0015】同図に示すように、シリーズ式ハイブリッド型車両には駆動力源として走行モータ10が搭載されており、当該走行モータ10には、走行モータ10駆動用の高電圧2次電池(バッテリ)12がインバータ14を介して電気的に接続されている。走行モータ10は、例えば誘導型モータであるが、永久磁石同期型モータであってもよい。
【0016】走行モータ10は、車両の制動時にはエネルギ回生ブレーキ、即ち制動エネルギを利用した発電機(ジェネレータ)としても機能する。つまり、車両の運転者がブレーキ(図示せず)を操作すると、走行モータ10が制動力を発生しながら同時に発電を行い、この発電電力がバッテリ12に充電される。また、この走行モータ10では、通常の連続運転時の許容トルクとしての連続定格トルクTcの他に、当該連続定格トルクTcよりも高側であって、走行モータ10が過熱しない程度の所定の短時間であれば運転が許容される短時間定格トルクTsも併せて規定されている。
【0017】インバータ14は、バッテリ12または後述のジェネレータ22からの電圧と電流とを調整して安定した電力を走行モータ10に供給するため、或いは、上記の如く走行モータ10により発電された電圧と電流とを調整して安定した電力をバッテリ12に供給するための装置である。そして、同図に示すように、走行モータ10の回転軸には、減速機16、差動装置18を介して一対の駆動論WR、WLが接続されている。なお、減速機16は特に無くてもよい。
【0018】また、バッテリ12とインバータ14には、もう一つのインバータ20を介してジェネレータ22が電気的に接続されており、当該ジェネレータ22の回転軸はエンジン24の出力軸に接続されている。エンジン24は、発電専用の内燃機関である。そして、インバータ20には、エアブレーキ用のエアコンプレッサ27やパワステポンプ28等の補機を駆動させる補機モータ26も電気的に接続されている。
【0019】インバータ20は、上記インバータ14と同様に、ジェネレータ22によって発電された電圧と電流とを調整して安定した電力をバッテリ12または走行モータ10に供給するため、或いは、バッテリ12からの電圧と電流とを調整し安定した電力を補機モータ26に供給するための装置である。また、バッテリ12とインバータ14、20との間には、リレー・ヒューズ30が介装されている。このリレー・ヒューズ30は、インバータ14に電気的に接続されており、当該インバータ14からの情報を受けて、バッテリ12から走行モータ10への通電を許容したり、バッテリ12から走行モータ10に過剰電流が流れるのを防止したり、或いは、ジェネレータ22やエネルギ回生中の走行モータ10がバッテリ12に過剰充電するのを防止したりする機能を有している。
【0020】そして、同図に示すように、バッテリ12やインバータ14、20は電子コントロールユニット(ECU)40に相互通信可能に電気的に接続されており、さらに、インバータ14と走行モータ10、またインバータ20とジェネレータ22についても相互通信可能に電気的に接続されている。また、ECU40の入力側には、運転者の出力要求、即ち要求モータトルクを走行モータ10に一義的に反映させるためのアクセルペダル(加速操作手段)43に接続され、当該アクセルペダル43の操作量θaccを検出するアクセルセンサ(モータトルク検出手段、操作量検出手段)44や、車速Vを検出する車速センサ46が接続されている。車速センサ46は例えば車輪速センサであり、車輪速情報に基づいて車速Vを検出するようにされている。なお、車速Vからは、走行モータ10の回転速度Nmotが一義的に容易に算出される。
【0021】また、当該ハイブリッド型車両では、走行モータ10は、詳しくは後述するが、上記アクセルペダル43の操作量θaccに対し高トルク特性と低トルク特性の2つのモータトルク特性を発揮するよう設定されており、運転者の意志に応じてこれら2つのモータトルク特性を切り換え可能なようシフトレバー(切換手段)47が設けられている。そして、当該シフトレバー47のセレクト位置が高トルク特性側(高側:L位置)であるか低トルク特性側(低側:D位置)であるかを検出するシフトレバーセンサ48が設けられており、ECU40の入力側には当該シフトレバーセンサ48も接続されている。なお、シフトレバー47のセレクト位置としては、これらL位置及びD位置の他に、アクセルペダル43を操作しても走行モータ10を作動させないニュートラル(N)位置、走行モータ10を逆転させアクセルペダル43の操作に応じて車両を後退させるリバース(R)位置があり、適宜選択される。
【0022】一方、ECU40の出力側には、表示・警報コントローラ50を介して、本発明に係る表示・警報器(警報手段)52が接続されている。そして、このように構成されたハイブリッド型車両では、一般的な作用として、車両走行時には、アクセルセンサ44により検出されるアクセルペダル43の操作量θaccに対応した要求モータトルク信号がインバータ14に供給されてバッテリ12からの電圧、電流が調整され、これにより走行モータ10が所望のモータトルクを発生する。
【0023】また、バッテリ12の充電レベル(SOC:State Of Charge)が低下した場合には、エンジン24が始動されてジェネレータ22が作動し発電が行われ、SOCに応じてバッテリ12の充電が行われる。さらに、車両が制動状態にあり、アクセルペダル43の操作量θaccが値0とされているときには、走行モータ10によりエネルギ回生が行われ、やはり走行モータ10によって発電が行われ、バッテリ12の充電が行われる。
【0024】また、車両走行時には、エアコンプレッサ27やパワステポンプ28等の補機を駆動させるため、バッテリ12からの電力によって補機モータ26が適宜駆動されている。以下、このように構成されたハイブリッド型車両の本発明に係る警報装置の作用について説明する。
【0025】図2を参照すると、ECU40が実行する、本発明に係るモータ警告表示制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、当該フローチャートに沿い説明する。ステップS10では、先ず、運転者要求モータトルクTdをアクセルセンサ44からの操作量情報θaccに基づき算出する。走行モータ10が発生するモータトルクは、アクセルペダル43の操作量θaccに対するモータトルク特性として予め一義的に設定されており、故に、ここでは、容易に検出可能なアクセルペダル43の操作量θaccに基づいて要求モータトルクTdを算出する。
【0026】詳しくは、図3に示すように、アクセルペダル43の操作量θaccに対して上記高トルク特性(実線)と低トルク特性(一点鎖線)の2つのモータトルク特性がマップとして設定されており、これらは、運転者が上記シフトレバー47の位置をL位置またはD位置に切り換えることでそれぞれ選択される。ここに、低トルク特性(D側)は、同図に示すように、モータトルクが最大でも上記連続定格トルクTcをやや越える程度となるよう設定されたモータトルク特性であり、通常の走行においては当該低トルク特性が選択される。一方、高トルク特性(L側)は、同図に示すように、モータトルクが最大で短時間定格トルクTsにまで達するように設定されたモータトルク特性であり、例えば登坂路をトルクフルに走行したい場合や急加速を行いたいような場合に選択される。
【0027】なお、当該走行モータ10は、図4にマップで示すように、回転速度Nmotがある程度大きくなるとモータトルクが減少するような性質を有しており、つまり連続定格トルクTc(実線)や短時間定格トルクTs(一点鎖線)がモータの回転速度Nmotの上昇に伴い減少するような性質を有している。故に、上記高トルク特性及び低トルク特性は、連続定格トルクTcや短時間定格トルクTsが回転速度Nmotに応じて減少することに伴い、回転速度Nmotに応じて適宜補正される。
【0028】ステップS10において要求モータトルクTdが算出されたら、ステップS12において、当該要求モータトルクTdが連続定格トルクTcより小さいか否かを判別する。つまり、図3のマップに基づき、アクセルペダル43の操作量θaccがそれほど大きくなく、モータトルク、即ち要求モータトルクTdが連続定格トルクTcに未だ達していないかどうかを判別する。判別結果が真(Yes)で、要求モータトルクTdが連続定格トルクTcよりも小さいと判定された場合には、次にステップS14に進む。
【0029】ステップS14では、今度は、実モータトルクTrを算出する。つまり、上記要求モータトルクTdに基づいて走行モータ10が駆動制御されるが、ここでは、その制御結果である実モータトルクTrをも算出する。実際には、実モータトルクTrは、走行モータ10の回転速度Nmotに基づき、上記図4のマップから容易に求められる。
【0030】ステップS16では、上記ステップS12と同様、このように求めた実モータトルクTrが連続定格トルクTcより小さいか否かを判別する。つまり、上記要求モータトルクTdに基づく判別で要求モータトルクTdが連続定格トルクTcを越えていないと判定されても、制御誤差等により実モータトルクTrが連続定格トルクTcを越えている場合もあるため、このような場合をも担保すべく、当該ステップS16において、実モータトルクTrに基づく判別を行う。
【0031】一方、例えばアクセルペダル43を大きく操作して急加速を行った場合のように、ステップS16の判別結果が偽(No)、或いは、上記ステップS12の判別結果が偽(No)で、実モータトルクTr或いは要求モータトルクTdが連続定格トルクTc以上となったと判定された場合には、走行モータ10の発生しているモータトルクは連続定格トルクTcと短時間定格トルクTsとの間の領域(短時間定格領域)にあると判断できる。このことは、即ち、短時間定格トルクTsに達しないまでも、この運転状態が継続されてある程度の時間が経過すると、走行モータ10の過熱状態が予測されることを意味している。
【0032】従って、このような場合には、次にステップS18に進み、上記表示・警報コントローラ50に警報信号を供給し、表示・警報器52によって警報を行う。つまり、運転者に過熱状態が予測されることを報知する。具体的には、例えば、表示・警報器52として図5に示す如き兎が力走しているような警告灯を設け、この警告灯を点灯、或いは点滅させて表示、即ちモータ短時間定格領域使用警告表示を行う。また、同時に、表示・警報器52としてスピーカを設け、このスピーカから音声または警告音を発するようにしてもよい。なお、警告灯の図柄や色、警告灯を点灯、点滅方法、音声や警告音の発生方法等は、運転者に効果的に注意を喚起できればいかなる図柄、色、方法であってもよい。
【0033】このように表示・警報器52によって警告が行われると、運転者は、走行モータ10の過熱状態が予測されることを意識することになり、例えば急加速を止めてアクセルペダル43の操作量θaccを小さくするようになる。これにより、走行モータ10の過熱が防止されるとともに、電力消費量が抑制されてバッテリ12の充電頻度が低減され、エンジン24の燃費が向上し、省エネ化が図られる。
【0034】特にモータトルク特性が高トルク特性である場合には、表示・警報器52による警告に基づき、運転者は例えばシフトレバー47の位置をL位置からD位置に切り換えるようになる。これにより、モータトルク特性が低トルク特性(一点鎖線)とされ、モータトルクが連続定格トルクTcを越え難くなり、やはり、走行モータ10の過熱が防止されるとともに、電力消費量が抑制されてバッテリ12の充電頻度が低減され、省エネ化が図られる。
【0035】また、当該ハイブリッド型車両では、走行モータ10の温度を検出する温度センサ(図示せず)を備え、この温度センサが所定の高温以上、即ちモータ過熱温度を検出した場合には、走行モータ10が過熱状態に達したと判定し、アクセルペダル43の操作量θaccに拘わらず、モータトルクを連続定格トルクTcより小さく抑えるよう、つまり走行モータ10の発生するモータトルクを制限するようにしている。そして、表示・警報器52として図6に示す亀の状態表示灯(JEVS−Z804に規定された識別記号)を設けておき、このように走行モータ10が過熱状態に達したと判定された場合には、当該亀の状態表示灯を点灯、或いは点滅させて状態表示するようにし、これにより、運転者に対しモータトルクが制限されていることを報知、即ち出力制限表示するようにしている。
【0036】しかしながら、このようにモータトルクが制限され、図6に示す如き亀の状態表示灯が表示されたとしても、本発明では、上述のように走行モータ10の過熱状態が予測され、図5に示す警告灯等の情報によりモータトルクが制限されることが運転者に予め報知されているので、モータトルクが制限されたとしても運転者が違和感を覚えることもない。
【0037】また、当該実施形態では、図6の亀の出力制限表示と図5の兎のモータ短時間定格領域使用警告表示とは独立表示制御されるものであるため、両表示が同時に表示されることがあるが、出力制限表示がなされるときにはモータ短時間定格領域使用警告表示を消灯するようにしてもよい。即ち、ECU40がステップS18で警告表示を指令する際、出力制限表示がOFFとされているときにのみモータ短時間定格領域使用警告表示を行うようにしてもよい。
【0038】このようにすれば、両方の表示が同時に行われることがなくなり、運転者は表示からモータの運転状態を的確に把握できることになる。上記ステップS16の判別結果が真(Yes)で、要求モータトルクTdとともに実モータトルクTrが未だ連続定格トルクTcに達していないと判定された場合には、走行モータ10は、連続定格トルクTcより小さい範囲で駆動制御されており、過熱してしまうことがないと判定できる。従って、この場合には、次のステップS20において警告非表示とし、表示・警報器52による警報を行わないようにする。つまり、警告灯を消灯状態とし、音声や警告音を発しないようにする。
【0039】なお、上記実施形態では、モータトルク特性が低トルク特性であっても高トルク特性であっても連続定格トルクTcを越え短時間定格領域に入ったら警告を発するようにしているが、低トルク特性においては、図3に示すように、モータトルクが連続定格トルクTcを越えたとしても短時間定格トルクTsにまで達することはなく、また、当該低トルク特性において運転者は連続定格トルクTcを越えるような走行は想定していないと考えられる。従って、このような低トルク特性での運転時には、表示・警報器52による警報を行う必要性は極めて少なく、警報を行わないようにしてもよい。つまり、モータトルク特性が高トルク特性である場合にのみ表示・警報器52によって警報を行うようにしてもよい。
【0040】この場合であっても、上記効果は十分に奏され、特に、高トルク特性であるときに表示・警報器52によって警告が行われることで、運転者は、例えばシフトレバー47の位置をL位置からD位置に切り換えるようになり、やはり走行モータ10の過熱が防止されるとともに、電力消費量が抑制されてバッテリ12の充電頻度が低減され、省エネ化が図られる。
【0041】また、図7に示すように、低トルク特性(一点鎖線)については連続定格トルクTcを越えないようなモータトルク特性としてもよい。このようにすれば、低トルク特性が選択されているときにおいて、アクセルペダル43の操作量θaccが大きくなっても、実モータトルクTr或いは要求モータトルクTdが連続定格トルクTcを一切越えることがなくなり、必然的に高トルク特性が選択されているときにのみ警報が発せられることになる。
【0042】そして、この場合においても、警報が発せられると、運転者は、例えばシフトレバー47の位置をL位置からD位置、即ち低トルク特性側に切り換えるようになり、当該低トルク特性では実モータトルクTr或いは要求モータトルクTdが短時間定格領域に入ることがないので、走行モータ10の過熱が確実に防止され、より一層省エネ化が図られる。
【0043】また、上記実施形態では、シフトレバー47のセレクト位置を切り換えることにより、運転者の意志に応じてモータトルク特性を低トルク特性(D側)或いは高トルク特性(L側)に手動で切り換えるようにしたが、例えば、車両の走行状態や運転者によるアクセルペダル43の操作状態(例えば、アクセルペダル43の操作速度)等に応じてこれらの特性を自動的に切り換えるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の電気自動車の警報装置によれば、駆動用モータが過負荷状態、即ち過熱が予測される所定のモータトルク領域(例えば「連続」定格トルク以上)にあるときには、警報を発するようにしたので、駆動用モータが過熱するおそれのあることを運転者に確実に報知するようにできる。
【0045】従って、運転者は駆動用モータが過熱気味であることを意識して車両を運転でき、この際、運転者がモータトルクを低下させれば駆動用モータの過熱を防止するとともに電力消費量を抑制しバッテリの充電頻度を低減して省エネ化を図ることができ、例えば駆動用モータがそのまま過熱状態となりモータトルクが制限された場合であっても運転者が違和感を覚えないようにできる。
【0046】また、請求項2の電気自動車の警報装置によれば、運転者が加速操作手段を操作するとその操作量が操作量検出手段によって検出されるが、この操作量は運転者の要求モータトルク、ひいては実際のモータトルクと一義的に対応するので、当該操作量からモータトルクを容易に検出でき、モータトルク検出手段を別途設けることなく既存の簡易な手段によってモータトルクを確実に検出できる。
【0047】また、請求項3の電気自動車の警報装置によれば、手動により、或いは車両の運転状態、加速操作状態等に応じ、例えば通常走行時のように要求されるモータトルクが小さい場合には、加速操作手段の操作に対するモータトルク特性は低側に切り換えられ、一方、例えば急加速時のように要求されるモータトルクが大きい場合には、モータトルク特性は高側に切り換えられるが、モータトルク特性が高側に切り換えられているときにはモータが過熱し易く、この場合にのみ警告を発するようにできる。
【0048】従って、急加速のようなモータが過熱し易い運転、即ちモータトルク特性を高側に切り換えるような運転を多用しないよう運転者に意識付けることができ、モータが過熱し難いモータトルク特性を低側とする運転を多用して省エネ化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成12年2月16日(2000.2.16)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2001−231101(P2001−231101A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−38598(P2000−38598)