| 【発明の名称】 |
電気自動車のインバータ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】廣野 大輔
|
| 【要約】 |
【課題】フレームグランドの異常電位を検出できる電気自動車のインバータ装置を提供する。
【解決手段】インバータ回路11の直流電力入力端子間に接続された平滑用コンデンサ13と、主制御装置4に接続された放電指示線の電位とフレームグランドGfの電位との差から得られる放電指示電圧に基づいて平滑用コンデンサ13を放電させる放電回路14と、放電回路14の接地端子が接続されると共にフレームグランドGfとして車体に固定された導電性の外箱50とを備え、電圧印加回路54から抵抗器55を介して外箱50に電圧を印加し、外箱の電位を電位検出回路56によって検出する。この検出電位が、0電位を含む所定範囲外の電位になったときに、CPU52によって主制御装置4にアラーム信号A1を出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部から直流電力の供給を受けてモータ駆動電力を出力するインバータ回路と、該インバータ回路の駆動制御を行う制御回路と、前記インバータ回路の直流電力入力端子間に接続された平滑用コンデンサと、上位装置に接続された放電指示線の電位とフレームグランドの電位との差から得られる放電指示電圧に基づいて前記平滑用コンデンサを放電させる放電回路と、前記放電回路の接地端子が接続されると共に前記フレームグランドとして車体に固定された導電性の外箱とを備えた電気自動車のインバータ装置において、前記外箱に対して高抵抗を介して所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記外箱の電位を検出するフレームグランド電位検出手段と、該フレームグランド電位検出手段によって検出された電位が、0電位を含む所定範囲外の電位になったことを検出する異常検出手段とを設けたことを特徴とする電気自動車のインバータ装置。 【請求項2】 前記異常検出手段によって前記外箱の電位が前記範囲外の電位になったことが検出されたときに、少なくとも前記上位装置に異常を報知する異常報知手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の電気自動車のインバータ装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、メインバッテリの直流電力を変換してモータを駆動する電気自動車のインバータ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電気自動車では、図2に示すように、バッテリー1から供給される高圧直流電力を周知のインバータ装置2によって交流電力に変換して、走行用或いは圧縮機駆動用のモータ3に供給し、これらのモータ3を駆動している。 【0003】このインバータ装置2は、インバータ回路11及び制御回路12を備えると共に、バッテリー1に接続される入力側の端子間には、電圧の変動を平滑化してインバータの作動を安定させるために大容量の電解コンデンサ13が設けられている。 【0004】制御回路12は、主制御装置4から制御信号及び回路駆動用電力を入力し、入力した制御信号に基づいてインバータ回路11を駆動制御する。 【0005】さらに、放電指示電圧V1がある電圧以下になったとき、コンデンサ13に充電された電荷を放電する必要があるので、放電回路14が設けられている。 【0006】放電回路14は、主制御装置4から放電指示電圧V1を入力し、フレームグランドGfの電位を基準として放電指示電圧V1を認識し、この電圧がある電圧以下になったときに、放電回路14内の抵抗器によってコンデンサ13に蓄積された電荷を熱に変換して放電を行っていた。 【0007】また、インバータ装置2は、金属等の導電性を有する部材からなる外箱21を備え、この外箱21内に前述の各回路が配置され、外部機器との間はコネクタ15A〜15Cを介して接続されている。さらに、外箱21は放電回路14等のフレームグランドGfとして車体にネジ止めなどによって固定されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した従来のインバータ装置2では、外箱21をフレームグランドGfとして車体に固定しているので、振動などにによって固定に緩みが生じたりした場合、フレームグランドGfが開放状態になって、0V以外の電位になってしまうことがある。 【0009】このため、放電回路14において、放電指示電圧を誤った電圧値で認識してしまい、放電指示電圧V1がある電圧以下になっても放電動作が行われず、インバータ回路11の破壊やこれに伴う外部機器の破壊が生ずる恐れがあった。 【0010】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、フレームグランドの異常電位を検出できる電気自動車のインバータ装置を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために請求項1では、外部から直流電力の供給を受けてモータ駆動電力を出力するインバータ回路と、該インバータ回路の駆動制御を行う制御回路と、前記インバータ回路の直流電力入力端子間に接続された平滑用コンデンサと、上位装置に接続された放電指示線の電位とフレームグランドの電位との差から得られる放電指示電圧に基づいて前記平滑用コンデンサを放電させる放電回路と、前記放電回路の接地端子が接続されると共に前記フレームグランドとして車体に固定された導電性の外箱とを備えた電気自動車のインバータ装置において、前記外箱に対して高抵抗を介して所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記外箱の電位を検出するフレームグランド電位検出手段と、該フレームグランド電位検出手段によって検出された電位が、0電位を含む所定範囲外の電位になったことを検出する異常検出手段とを設けた電気自動車のインバータ装置を提案する。 【0012】該電気自動車のインバータ装置によれば、前記外箱が正常に車体に固定されフレームグランドの電位が0電位であるときは、前記フレームグランド電位検出手段によって検出された電位は前記範囲内の電位となり、前記放電回路によるコンデンサの放電は正常に行われる。また、前記外箱と車体との間の固定に緩みなどが生じて、前記外箱と車体との間に電気的抵抗が生じたり或いはフレームグランドが開放状態になったときは、前記フレームグランド電位検出手段によって検出された電位は前記範囲外の電位となり、前記異常検出手段によって異常が検出される。 【0013】また、請求項2では、請求項1記載の電気自動車のインバータ装置において、前記異常検出手段によって前記外箱の電位が前記範囲外の電位になったことが検出されたときに、少なくとも前記上位装置に異常を報知する異常報知手段とを設けた電気自動車のインバータ装置を提案する。 【0014】該電気自動車のインバータ装置によれば、外箱の電位が前記範囲外の電位になったことが異常検出手段によって検出されたときに、異常報知手段によって少なくとも前記上位装置に異常が報知される。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。 【0016】図1は、本発明の一実施形態におけるインバータ装置の電気系回路を示すブロック図である。図において、前述した従来例と同一構成部分は同一符号を持って表わしその説明を省略する。 【0017】図1において、5はインバータ装置で、バッテリー1から供給される高圧直流電力を変換して、走行用或いは圧縮機駆動用のモータ3に供給し、これらのモータ3を駆動する。 【0018】インバータ装置5は、インバータ回路11、電解コンデンサ13,放電回路14、制御回路51、及び外部機器との接続用コネクタ15A〜15Cを備え、金属等の導電性を有する部材からなる外箱50内にこれらの各回路が収納されている。さらに、外箱50は放電回路14等のフレームグランドGfとして車体にネジ止めなどによって固定されている。 【0019】制御回路51は、周知のCPU52、メモリ53、電圧印加回路54、高抵抗値の抵抗器55、電位検出回路56から構成され、主制御装置4から制御信号及び回路駆動用電力を入力し、入力した制御信号に基づいてインバータ回路11を駆動制御する。インバータ回路11の駆動制御は、主としてCPU52によって行われる。 【0020】CPU52は、メモリ53に記憶されているプログラムに従って動作し、インバータ回路11の駆動制御を行うと共に、電圧印加回路54及び抵抗器55を介して所定の電圧Vkを外箱50に印加する。さらに、CPU52は、電位検出回路56を介して外箱50の電位を検出し、この検出電位Vdが0電位を含む所定範囲(−VL≦0≦VH)外の電位であるとき、主制御装置4に対してアラーム信号A1を出力する。ここで、電圧印加回路54の出力電圧は前記範囲の最大電位VHよりも高い値の電圧に設定されている。 【0021】前述の構成によれば、外箱50と車体との間の固定状態が正常でフレームグランドGfの電位が0電位近傍にあるときは、電位検出回路56の検出電位が前記範囲(−VL≦0≦VH)内に認識されるので、CPU52によって異常は検出されない。この場合は、放電回路14の動作は正常に行われる。 【0022】また、外箱50と車体との間の固定に緩みが生じたり或いは錆び付くなどして、外箱50と車体との間に電気的抵抗が生じたとき、或いはフレームグランドが開放状態になったときは、外箱50の電位は電圧印加回路54によって印加された電圧Vkに対応した値となるので、この電位が電位検出回路56に検出される。 【0023】このため、制御回路51のCPU52によって異常が検出されてアラーム信号A1が出力される。 【0024】従って、従来生じていた、放電回路14によって放電指示電位V1が誤認識されて正常な放電動作が行われないという、放電回路14の異常を早期に発見し対処することができる。これにより、インバータ回路11及び他の外部機器の破壊や損傷の発生を未然に防止することができる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1及び請求項2によれば、外箱と車体との間の固定に緩みなどが生じて、外箱と車体との間に電気的抵抗が生じたり或いはフレームグランドが開放状態になったときは、異常検出手段によって異常が検出されるので、放電回路の異常を早期に発見し対処することができる。これにより、インバータ回路及び他の外部機器の破壊や損傷の発生を防止することができる。 【0026】また、請求項2によれば、上記の効果に加えて、上位装置等の外部装置によって前記放電回路の異常を認識することができるので、放電回路の異常によって発生する二次的な事故に対しても早期に対処することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069981 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 精孝
|
| 【公開番号】 |
特開2001−218304(P2001−218304A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−25283(P2000−25283) |
|