| 【発明の名称】 |
電力システムおよび電気自動車 |
| 【発明者】 |
【氏名】田米 正樹
【氏名】近藤 康宏
【氏名】角谷 直之
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| 【要約】 |
【課題】燃料電池から変動負荷に電力を供給する電力システムの小型軽量化と低コスト化を図る。
【解決手段】比較的大容量の燃料電池1に対し、電力変換器4を介して電力貯蔵・供給手段5を並列接続し、これに電力調整器2を介して変動負荷3を接続し、燃料電池1と電力貯蔵・供給手段5のいずれからも変動負荷3への電源供給を可能に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料電池を電力供給源とし変動負荷に電力を供給する電力システムにおいて、燃料電池と電力調整器と変動負荷とが順次直列に接続されると共に、前記燃料電池と電力調整器との間に、電力変換器を介して電力貯蔵・供給手段が燃料電池に並列に接続されていることを特徴とする電力システム。 【請求項2】 前記電力変換器には、電力貯蔵・供給手段から電力調整器の方向にのみ通電する整流器が並列接続されている請求項1に記載の電力システム。 【請求項3】 前記電力変換器と燃料電池との接続点と前記電力調整器との間に、切り替えスイッチが設けられている請求項1または請求項2のいずれかに記載の電力システム。 【請求項4】 前記電力変換器と燃料電池の接続点と燃料電池との間に、更に切り替えスイッチが設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の電力システム。 【請求項5】 前記変動負荷がモータであり、前記電力貯蔵・供給手段がバッテリーである、請求項1から4のいずれかに記載の電力システム。 【請求項6】 請求項5に記載の電力システムが搭載されて、前記モータによって走行されるようになっていることを特徴とする電気自動車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池の電力源から変動の大きい変動負荷に電力を供給する電力システムおよびその電力システムを使用した電気自動車に関する。 【0002】 【従来の技術】独立の直流電源として電気自動車に使用される燃料電池においては、その出力電力を燃料電池への反応ガスの供給量によって制御するようになっている。しかしながら、このように反応ガスの供給量によって燃料電池の出力電力を制御する場合は、負荷の急変動に対して追従性が遅いという欠点がある。 【0003】この欠点を解消し、負荷の急変動に対して必要な電流を供給すると共に、燃料電池の過酷な使用を防止するために、例えば特開平5−151983号公報には燃料電池等の電力供給源と電力貯蔵・供給手段とを備え、両者を併用して変動負荷に対して電力を制御するシステムが開示されている。 【0004】燃料電池の電力源から変動負荷に電力供給するシステムの他の例を図6に示す。このシステムは、燃料電池21の出力電流路にコンバータ等の電力変換器22とインバータ等の電力調整器23を介してモータ等の変動負荷24を順次直列接続し、燃料電池21と電力変換器22との接続路に対し並列に電力貯蔵・供給手段25を接続して構成され、モータ等の変動負荷24は回生制動による発電が可能になっている。 【0005】この燃料電池システムにおいては、燃料電池21は常に略一定の電力を出力するように設計されており、変動負荷24が急激に変化して増大した場合のみ、並列接続された電力貯蔵・供給手段25により不足分を補うハイブリッド型になっている。そして、負荷が安定してくると、電力貯蔵・供給手段25からの出力はゼロとなり、燃料電池21からの出力電力のみが変動負荷24に供給される。 【0006】このようなハイブリッド電池システムが電気自動車に利用された場合、平地を一定速度で走行中は燃料電池21からの電力のみが変動負荷24に供給されるが、加速時または登坂時には燃料電池21から供給される電力だけでは十分な動力が得られず、電力貯蔵・供給手段25が不足分を補い、その場合は、燃料電池21の出力は略一定に保持された状態となるから、不足分の電力は電力貯蔵・供給手段25から供給される電力によって補充される。 【0007】他方、電力貯蔵・供給手段25は、変動負荷24の回生制動によって発生する回生電力も充電されるが、電力貯蔵・供給手段25に対する充電は、燃料電池21の出力範囲内で行われ、その場合、電力変換器22により燃料電池21は出力電力が略一定に保持されるように制御される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このようなハイブリッド燃料電池システムにおいては、モータ等の変動負荷24には主として燃料電池21によって電力が供給されているので、比較的大容量の燃料電池21を必要とし、それに伴い、燃料電池21と直列接続される電力変換器22も容量の大きなものが必要になる。また、前記特開平5−151983号広報に開示されたシステムにおいても、同様に電力変換器が大容量のものが必要になる。 【0009】しかしながら、電力変換器はトランス等の重量部材を含むため、容量の大きさが直接重量,サイズ,コスト等に影響を及ぼし、電力システム全体の大重量化,大型化さらには高コスト化につながる恐れがある。特に、このような電力システムを電気自動車に搭載する場合、電気自動車の小型化および重量の軽減を達成することは容易でない。 【0010】また、図6に示す電力システムでは、電力調整器23や変動負荷24に故障が発生すると、燃料電池21や電力変換器22あるいは電力貯蔵・供給手段25を損傷したり、逆に燃料電池21に故障が発生すると、電力変換機22等の他の構成機器を損傷する恐れもある。 【0011】本発明はこのような問題を解決するものであり、その目的は、燃料電池を電力供給源とするにも拘わらず、電力変換器の小型軽量化および低コスト化によって、全体が小型軽量化および低コスト化された電力システムを提供することにある。本発明の他の目的は、電力調整器、変動負荷、燃料電池等に故障が発生してもその影響が他の機器に及ばない電力システムを提供することにある。 【0012】本発明の更に他の目的は、このような電力システムを利用して小型軽量化および低コスト化された電気自動車を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の電力システムは、燃料電池を電力供給源とし変動負荷に電力を供給する電力システムにおいて、燃料電池と電力調整器と変動負荷とが順次直列に接続されると共に、前記燃料電池と電力調整器との間に、電力変換器を介して電力貯蔵・供給手段が燃料電池と並列に接続されていることを特徴とする。 【0014】電力変換器を更に小型化する手段としては、前記システムにおいて、電力変換器には、電力貯蔵・供給手段から電力調整器の方向にのみ通電する整流器を並列接続することが有効である。 【0015】また、構成機器の故障時に他の構成機器に影響が及ばないようにするためには、前記電力変換器と燃料電池との接続点と前記電力調整器との間に、切り替えスイッチを設け、または、前記電力変換器と燃料電池の接続点と燃料電池との間に、更に別の切り替えスイッチを設けるなど、いずれの手段も有効である。 【0016】前記各電力システムにおいては、夫々、変動負荷にはモータ、電力貯蔵・供給手段にはバッテリーを夫々使用した構成にすることも可能である。 【0017】本発明の電気自動車は、このような電力システムが搭載されて、前記モータにより走行されるようになっていることを特徴とする。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の電力システムの実施形態の一例を示す主要部のブロック図である。この電力システムでは、燃料電池1の出力電力がインバータ等の電力調整器2を介してモータ等の変動負荷3に供給されるようになっている。また、燃料電池1および電力調整器2には、充電および放電が可能なバッテリ等の電力貯蔵・供給手段5がコンバータ等の電力変換器4を介して接続されている。 【0019】燃料電池1は、変動負荷3の急変動負荷以外の負荷に対する変動電力を単体で供給することができるように比較的大容量になっている。電力貯蔵・供給手段5は、変動負荷3の急変動分に対する電力を変動負荷3に供給するようになっており、また、変動負荷3の回生制動によって発生した回生電力が充電されて貯蔵される。電力貯蔵・供給手段5から変動負荷3に供給する電力および変動負荷3から電力貯蔵・供給手段5に供給される回生電力は、電力変換器4によって変換される。電力調整器2は、燃料電池1および電力変換器4から変動負荷3に対して供給される電力の調整を行う。 【0020】このような構成の電力システムの作用を説明する。変動負荷3が急変動でない定常状態の場合、変動負荷3に対する電力は燃料電池1から供給される。そして、変動負荷3に対する必要電力が、燃料電池1によって供給される最大電力よりも小さく且つ電力貯蔵・供給手段5の電力貯蔵量が所定の状態に達していない場合には、燃料電池1から変動負荷3へ供給された電力の残りの余剰電力が、電力変換器4により電力貯蔵・供給手段5へと供給され、電力貯蔵・供給手段5に貯蔵される。 【0021】一方、変動負荷3の必要電力が、燃料電池1から供給可能な最大電力よりも大きくなった場合には、電力貯蔵・供給手段5から電力変換器4を介して変動負荷3へ電力が供給される。即ち、燃料電池1から供給される電力では追従できない急激な負荷変動が変動負荷3に生じた場合、或いは、燃料電池1の容量が、変動負荷3にて必要とされている電力の全量を供給できない場合には、電力貯蔵・供給手段5に貯蔵された電力が電力変換器4および電力調整器2を介して、変動負荷3に供給される。 【0022】このような電力システムでは、変動負荷3に対して、電力貯蔵・供給手段5が電力変換器4を介して比較的大容量の燃料電池1に並列に接続されているので、変動負荷3の必要電力に応じて燃料電池1と電力貯蔵・供給手段5との間での電力の調整が行える。しかも、電力変換器4は、比較的小容量なものにすることができる。 【0023】次に本発明の実施形態の他の例を図2に基づいて説明する。電力貯蔵・供給手段5と電力調整器2との間には、電力変換器4と並列にダイオードなどの整流器6が設けられている。整流器6は電力貯蔵・供給手段5から電力調整器2に向かっての電流を流す。その他の構成は図1に示す電力システムと同様である。 【0024】このような構成の電力システムでは、電力変換器4によって処理することができない程の大容量の急変動が変動負荷3に発生した場合でも、電力貯蔵・供給手段5からの電力を整流器6および電力調整器2を介して変動負荷3へスム−ズに供給できる。 【0025】次に本発明の実施形態の他の例を図3に基づいて説明する。図3に示す電力システムでは、図2に示す電力システムにおける並列接続の電力変換器4と整流器6との接続点と電力調整器2との間に切り替えスイッチ7が設けられている。その他の構成は図2に示す電力システムと同様である。 【0026】この切り替えスイッチ7をオフ(遮断)状態にすると、電力貯蔵・供給手段5および並列接続された電力変換器4と整流器6が、電力変換器2とは電気的に切り離されると共に,燃料電池1と電力調整器2とが電気的に切り離される。このため、電力調整器2および電力調整器2に接続された変動負荷3のいずれかが故障した場合には、燃料電池1,電力変換器4および電力貯蔵・供給手段5を電力調整器2および変動負荷3に対して電気的に切り離すことができ、燃料電池1,電力変換器4,電力貯蔵・供給手段5をそれぞれ保護することができ、その逆に、燃料電池1,電力変換器4,電力貯蔵・供給手段5のいずれかが故障した場合には、電力調整器2および変動負荷3がこれらと電気的に切り離されて電力調整器2および変動負荷3を保護することができる。 【0027】次に本発明の実施形態の更に他の例を図4に基づいて説明する。図4は、図3に示すシステムにおいて、並列接続の電力変換器2および整流器6と切り替えスイッチ7との接続点と燃料電池1との間に、別の切り替えスイッチ8が設けられている。その他の構成は図3に示す電力システムと同様である。 【0028】このような構成の電力システムでは、燃料電池1が故障した場合には、切り替えスイッチ8をオフ(遮断)状態にすることにより、電力調整器2,変動負荷3,電力変換器4,整流器6および電力貯蔵・供給手段5と燃料電池1とを電気的に切り離すことができる。このため、電力調整器2,変動負荷3,電力変換器4,整流器6および電力貯蔵・供給手段5のいずれかが故障した場合には、切り替えスイッチ8をオフ状態にすることにより、燃料電池1を電気的に切り離し、燃料電池1を保護することができる。その逆に、燃料電池1が故障した場合には、燃料電池1を電気的に切り離すことにより、電力調整器2,変動負荷3,電力変換器4,整流器6および電力貯蔵・供給手段5などを保護することができる。 【0029】本発明の電力システムでは、電力変換器4にて処理される電力は、大容量の燃料電池1から出力される電力の全量ではなく,電力貯蔵・供給手段5から変動負荷3に供給される電力、燃料電池1から電力貯蔵・供給手段5へ供給される貯蔵電力、変動負荷3から電力貯蔵・供給手段5へ供給される貯蔵電力(回生電力)であり、これらは、燃料電池1の出力電力の全量に比べ小量であるため,電力変換器4を小型軽量化することができる。特に図2から図4に示すように、電力変換器4と並列に整流器6を接続した場合には、整流器6を介して電力調整器2に直接電力が供給されるために,電力変換器4によって処理される電力が更に低減され、電力変換器4を更に小型軽量化できる。 【0030】本発明の電力システムでは、通常、変動負荷3としてモータ、電力貯蔵・供給手段5としてバッテリー、電力変換器4としてDC/DCコンバータ、電力調整器2としてインバータが夫々使用される。 【0031】図5は、本発明の電力システムを搭載した本発明の電気自動車10の概略構成図である。 【0032】この電気自動車は、車体の前後に設けられた車軸の一方の各端部に駆動車輪9が夫々設けられており、他方の車軸の各端部に従動輪が夫々設けられている。駆動輪9が設けられた車軸には、変動負荷3としてのモータが連結されており、車体上には、前記変動負荷3としてのモータ,燃料電池1,電力調整器2としてのインバータ,電力変換器4としてのDC/DCコンバータ,電力貯蔵・供給手段5としてのバッテリによって構成される電力システムが搭載されている。この電力システムは、図1に示す電力システムと同様の構成になっている。 【0033】なお、上記電気自動車10のモ−タとしては、回生制動によって発電可能であり、しかも電力変換効率や制御性の面で優れている交流モータが使用されるが、回生制動によって発電可能であれば直流モ−タを使用してもよい。 【0034】このような構成の電気自動車10では、加速時または登坂時には、燃料電池1から供給される電力だけでは十分な動力が得られないために、電力貯蔵・供給手段5から供給される電力によりその不足分が補われる。そして、燃料電池1および電力貯蔵・供給手段5から供給される全電力が、電力調整器2にて直流電力から交流電力に変換され、その交流電力により変動負荷3である交流モ−タが回転されて電気自動車10が走行される。 【0035】電気自動車10が下り坂を走行したり減速したりする場合には、変動負荷3である交流モ−タが回生制動を行い発電機として機能し、電力が発生する。変動負荷3である交流モータにて発生する回生電力は、電力調整器2にて交流電力から直流電力に変換され、その直流電力が電力変換器4にて制御されて電力貯蔵・供給手段5に貯蔵される。 【0036】また燃料電池1の燃料がゼロになった場合には、電力貯蔵・供給手段5からのみ電力が供給され、その電力は電力調整器2にて直流電力から交流電力に変換される。そしてその交流電力により変動負荷3である交流モ−タが回転されて、電気自動車10が走行する。 【0037】このように本発明の電力システムを電気自動車に搭載することによって、電力変換器4が小型軽量化および低コスト化されているため、電気自動車10自体の重量を軽量化することができる。その結果、電気自動車10自体を安価にて提供することが可能となる。しかも電気自動車10は燃料電池1に対する1回当たりの充電による走行距離が延びる。 【0038】 【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明は、変動負荷に対し電力貯蔵・供給手段と電力変換器とを直列に接続して、これを燃料電池に対して並列に接続しているため、変動負荷に対して燃料電池と電力貯蔵・供給手段との間で電力の調整が可能であり、しかも、電力変換器にて変換される電気量が低減されるため、電力貯蔵・供給手段を小容量なものにすることができる。 【0039】その結果、電力変換器を小型軽量化および低コスト化することができ,これにより、電力システム自体も小型軽量化および低コスト化することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月18日(2000.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2001−204106(P2001−204106A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−9553(P2000−9553) |
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