| 【発明の名称】 |
電気車のブレーキチョッパ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺澤 清
【氏名】堀江 哲
【氏名】安藤 武
【氏名】片山 敏也
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| 【要約】 |
【課題】回生用として設けられたブレーキチョッパ装置を力行時でも動作させることで、インバータ及びそれにより駆動される電動機の過電流保護を全動作領域に亘り行う。
【解決手段】直流電源からの直流電力を交流電力に変換して電気車を駆動する電動機に供給するインバータの直流側にチョッパ装置と、該チョッパ装置の負荷を設けてなる電気車のブレーキチョッパ装置において、インバータの回生動作時には、インバータの直流電圧の大きさ及び該電圧の単位時間あたりの増加分の両者に基づきチョッパ装置の負荷の消費電力を制御させ、インバータが力行動作時には、前記一方の直流電圧の単位時間当たりの増加分に基づきチョッパ装置の負荷の消費電力を制御させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】直流電源からの直流電力を交流電力に変換しその電力を電気車を駆動する電動機に供給するインバータと、そのインバータの直流側に設けられたチョッパ装置と、該チョッパ装置の電力を消費させる負荷を備えた電気車のブレーキチョッパ装置において、前記インバータの回生動作時には、該インバータの直流電圧の大きさ及び該電圧の単位時間あたりの増加分の両者に基づき前記チョッパ装置が制御され、前記インバータが力行動作時には、前記一方の直流電圧の単位時間当たりの増加分に基づき前記チョッパ装置が制御されることを特徴とする電気車のブレーキチョッパ装置。 【請求項2】直流電源に接続されたフィルタコンデンサの両端に直流側が接続され直流を交流に変換して電気車を駆動する電動機に出力するインバータと、前記フィルタコンデンサの両端部にチョッパ装置と負荷の直列接続体が接続されてなる電気車のブレーキチョッパ装置において、前記フィルタコンデンサの直流電圧を検出する手段と、該直流電圧検出値が予め定められた規定値を超えたらその直流電圧検出値の大きさに応じて第1の通流率を出力する手段と、前記直流電圧検出値の単位時間あたりの増加分に応じた第2の通流率を出力する手段と、前記第1及び第2の通流率のいずれか大きい方又は両者を加算した通流率を演算し、該通流率に基づき前記チョッパ装置を制御する手段と、前記インバータの回生と力行の動作を判別する手段と、前記判別手段で力行が判別された際には前記第1の通流率を出力をする手段におけるその出力を停止する手段とを備えたことを特徴とする電気車のブレーキチョッパ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電気車におけるブレーキチョッパ装置に係り、その装置によるインバータの過電圧を保護する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車輪軸に結合された電動機をインバータで駆動する電気車において、回生時に電動機を発電機として作用させ、その発生トルクをブレーキ力として利用し、生じた回生電力を架線へ供給する回生ブレーキシステムが実用化されている。この回生ブレーキを適用した直流を電源とする電気車においては、回生負荷が不足する場合に回生ブレーキを動作させるとインバータの直流側に接続されたフィルタコンデンサの電圧が上昇するので、これを抑えるためにブレーキチョッパ装置を用いて回生エネルギーを抵抗器の負荷に消費させていた。 【0003】このような構成の一例として、特開平3−155304 号公報に記載されるものがある。同公報図面第2図には、上記ブレーキチョッパ装置を用いたインバータの基本構成が示され、これは同公報以外でもよく知られた構成である。 【0004】ただし、同公報では、回生負荷が急変した時ブレーキチョッパ装置の制御応答を早めることに着目しており、その構成が同公報図面第1図に記載される。それは、フィルタコンデンサの直流電圧を検出し、一つはその検出値の大きさが既定値を超えたら所定の通流率γ1でチョッパ装置を制御し、もう一方ではフィルタコンデンサの電圧が急変した時、この時間変化量を検出して、この変化量に応じてチョッパ装置の通流率を変えて制御するようにしたものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の技術によれば、回生負荷変動に対しては効果が得られるものと考える。しかし、上記公報の構成をそのままインバータの力行動作時に用いることには次の課題がある。なお、上記公報にはチョッパ装置を力行時に動作させることについての記載は一切されておらずその示唆もない。 【0006】電気車での架線電圧は定格の±20%の変動が許容されている。その変動要因の一例としては同一変電区間で他の電気車が回生した場合がある。この時、従来の技術では、次の課題が存在する。 【0007】1)力行動作中は全くブレーキチョッパは動作しないため,架線電圧が急激に上昇したとき、電動機に印加される電圧が大きくなり、電動機を過電流に至らしめると共にインバータの主回路の素子を破壊することがある。 【0008】2)フィルタコンデンサ電圧の大きさよりチョッパ装置を通流率制御すると設定値の取り方により絶えずチョッパ動作と負荷に電流を流すため省エネルギー性が低下する。 【0009】また、上記課題の他に、電気車のインバータ装置では、力行開始時にフィルタコンデンサを直流電源より初期充電するが、この時初期充電電流を抑制するために、充電回路には接触器と抵抗器との並列接続体からなる充電電流抑制回路を介在させている。この接触器は頻繁に直流電流をオンオフするので著しく性能劣化するという課題もある。 【0010】本発明の目的は、回生用として設けられたブレーキチョッパ装置を力行時でも動作させることで、インバータ及びそれにより駆動される電動機の過電流保護を全動作領域に亘り行うことにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換しその電力を電気車を駆動する電動機に供給するインバータと、そのインバータの直流側に設けられたチョッパ装置と、該チョッパ装置の電力を消費させる負荷を備えた電気車のブレーキチョッパ装置において、インバータの回生動作時には、該インバータの直流電圧の大きさ及び該電圧の単位時間あたりの増加分の両者に基づき前記チョッパ装置が制御され、前記インバータが力行動作時には、前記一方の直流電圧の単位時間当たりの増加分に基づき前記チョッパ装置が制御されることを特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である電気車の駆動システム構成におけるブレーキチョッパ制御回路を示す。図1で示す電気車の駆動システムの概要は、架線に接触して直流電源より直流電力を給電するパンタグラフ1、該パンタグラフ1は遮断器2,フィルタリアクトル3を介して直流から可変電圧可変周波数の交流に変換するVVVFインバータ5に接続され、該インバータ5の交流出力は電気車を駆動する誘導電動機6に接続される。インバータ5の直流側両端にはフィルタコンデンサ4が接続される。フィルタコンデンサ4の両端には、スイッチング素子からなるブレーキチョッパ装置7とその負荷であるブレーキ抵抗器8の直列接続体が接続される。ブレーキチョッパ装置7は、通流率演算部9から出力される通流率γに基づき出力されるPWM制御部10の出力信号により駆動される。 【0013】つぎに本実施例における本発明部である通流率演算部9の構成について説明する。通流率演算部9には、フィルタコンデンサ4の電圧Ecfを検出した信号と、インバータの力行・回生の動作信号が入力される。この通流率演算部9では、先ず次の手段により2種類の通流率γ1,γ2が算出される。 【0014】通流率γ1は、通流率設定器91によりEcfの大きさに応じて決定され、Ecfが設定値e1以下ならばγ1は0、設定値e1より大きい値に設定される設定値e2に対してEcfが大きいならγ1は最大の通流率γ1MAX、Ecfがe1からe2の範囲ならばEcfの大きさに応じて通流率γ1が大きくなるという設定がされる。 【0015】通流率γ2は、単位時間当たりのEcfの変化量に応じて決定され、その具体的構成例は次の通りである。92の微分器でEcfの微分値(dEcf/dt)、すなわち単位時間当たりのEcfの変化量が演算される。下限リミッタ回路93は、微分器92の出力のうち0以上の値を出力するもので、Ecfの増加方向の傾きでの値のみを取り出し、減少方向の傾きでの値は取り除く役目をする。乗算器94は、下限リミッタ回路93の出力にフィルタコンデンサ4とブレーキ抵抗器8等から定まる係数Kを乗じ、Ecfの微分値に応じたブレーキチョッパ装置7が出力すべき電圧Eb(=K×dEcf/dt)を算出する。除算器95は、ブレーキチョッパ電圧Ebをフィルタコンデンサ電圧Ecfで除算し,通流率γ2(=Eb/Ecf)を算出する。 【0016】96は最大値演算器(MAX)で、上記2つの通流率γ1,γ2の最大値をとり、これを通流率γとする。 【0017】ここで、97は91の出力γ1を最大値演算器96へ接続するためのスイッチ回路で、力行回生判別器11の出力信号によりインバータが回生動作時はスイッチを閉じ、また力行動作時はスイッチを開放する。 【0018】以上のように、本発明ではブレーキチョッパ装置7の制御を、インバータ5における動作が力行時と回生時とで変えていることに特徴がある。すなわち、インバータ回生時には、フィルタコンデンサ電圧Ecfの大きさおよび微分量に基づいてブレーキチョッパ装置を動作させることにより、回生負荷がなくなりEcfが急上昇した場合にはその微分量によってチョッパ装置が素早く動作を開始し過電圧に至ることを防ぎ、また、緩やかにEcfが上昇した場合でも最終的に設定値e1を超えた段階でチョッパ装置が動作するため、過電圧に至ることを防ぐことができる。 【0019】一方、インバータ力行時には、フィルタコンデンサ電圧Ecfの微分量に基づいてブレーキチョッパ装置を動作させることにより、他の列車の回生により架線電圧が急上昇してEcfが上昇しようとした場合にはその微分量によってチョッパ装置が素早く動作を開始し過電圧に至ることを防ぐ。また、フィルタコンデンサの初期充電時においても、充電電圧の微分量によってチョッパ装置が動作するのでフィルタコンデンサの充電電流の抑制効果が得られ、従来初期充電のために主回路中に設けられていた充電電流抑制回路を不要とした。 【0020】さらに、フィルタコンデンサ電圧の大きさよりチョッパ装置を通流率制御させていないので、架線電圧の許容される変動に対してチョッパ動作が行われず、チョッパ装置の負荷への電流が流れることがないので省エネルギー性が向上する。ところで、本発明の一実施例を示した図1の通流率演算部9において、インバータ回生時に制御するブレーキチョッパ装置の通流率γは、γ1とγ2の最大値としたが、さらに応答を上げようとするならばγ1とγ2との加算値としても良いことはもちろんである。 【0021】 【発明の効果】本発明によれば,ブレーキチョッパをインバータが力行動作及び回生動作中に動作することにより、インバータ回生時の過電圧を抑制できる他に、力行時の動作では、インバータ及びそれにより駆動される電動機の過電流保護でき、全動作領域に亘る保護ができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−204101(P2001−204101A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−14021(P2000−14021) |
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