| 【発明の名称】 |
電気車制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 泰幸
【氏名】仲田 清
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| 【要約】 |
【課題】耐圧の低い半導体スイッチを用いて、素子耐圧より高い電圧の電車線用に安全に動作する電機子チョッパ装置を提供することにある。
【解決手段】電源電圧を分割するコンデンサ11A、11Bと、直列に接続された半導体スイッチ8A、8Bと8C、8Dを各々正負に配置し、フリーホイールダイオード9A〜9Dを並列に接続する。中点電圧を制限するダイオード10A、10Bを半導体スイッチ8Aと8B、8Cと8Dの各々中点に接続して3電圧が出力可能な3レベル回路を構成し、中点出力端と主電動機電機子5A、5B、主電動機界磁6A、6B、主平滑リアクトルを直列に接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源電圧を分割するように直列に接続されたコンデンサ11A、11Bと、直列に接続された半導体スイッチ8A、8Bと直列に接続された半導体スイッチ8C、8Dを各々正負に配置し、半導体スイッチには、還流用フリーホイールダイオード9A〜9Dを並列に接続し、分割された中点電圧に制限するダイオード10A、10Bを半導体スイッチ8Aと8B、8Cと8Dの各々中点に接続して構成された3電圧出力可能な3レベル回路とフィルタリアクトル3とフィルタコンデンサ4からなる電源フィルタを並列に接続し、直流電動機をフィルタ回路出力と3レベル回路の中点出力に接続した電気車制御装置。 【請求項2】 前記3レベル回路と電源フィルタを並列に接続し、直流電動機を3レベル回路の中点出力と接地間に接続した電気車制御装置。 【請求項3】 請求項1において、電源フィルタ出力と3レベル回路の正側の間に直流電動機の分巻界磁を接続し、直流電動機電機子及び直巻界磁をフィルタ回路出力と3レベル回路の中点出力に接続した電気車制御装置。 【請求項4】 電源電圧を分割するように直列に接続されたコンデンサ11A、11Bと、直列に接続された半導体スイッチ8C、8Dを負側に配置し、正側に還流用フリーホイールダイオード9A、9Bを直列に接続し、負側の半導体スイッチには、還流用フリーホイールダイオード9C、9Dを並列に接続し、分割された中点電圧に制限するダイオード10A、10Bをフリーホイールダイオード8Aと8B、半導体スイッチ8Cと8Dの各々中点に接続して構成された3レベル回路とフィルタリアクトル3とフィルタコンデンサ4からなる電源フィルタを並列に接続し、直流電動機をフィルタ回路出力と3レベル回路の中点出力に接続した電気車制御装置。 【請求項5】 前記3レベル回路と電源フィルタを並列に接続し、直流電動機を3レベル回路の中点出力と接地間に接続した電気車制御装置。 【請求項6】 請求項4において、電源フィルタ出力と3レベル回路の正側の間に直流電動機の分巻界磁を接続し、直流電動機電機子及び直巻界磁をフィルタ回路出力と3レベル回路の中点出力に接続した電気車制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、直流電動機を用いたチョッパ制御装置に係り、半導体素子耐圧より電源電圧が高い場合のチョッパ回路の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】電気車制御装置は、電力用大容量半導体であるサイリスタの実用化により半導体スイッチを構成し、電機子電流を制御するチョッパ制御装置が用いられるようになった。図3に電機子チョッパの力行回路を、図4に電機子チョッパのブレーキ回路を示す。最初は、サイリスタを用いていたため、消弧のために転流回路を使用してチョッパ回路12を構成していた。 【0003】半導体の技術の進歩により大容量の自己消弧型のゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)が開発されるようになると、チョッパ回路12は、GTOサイリスタのみで構成が、可能となってきた。 【0004】電機子チョッパの回路例としては、電気・電子技術者のための鉄道工学(丸善株式会社刊)、電気学会大学講座電気鉄道(電気学会刊)等に見られる。 【0005】直流電動機を使用したチョッパ制御装置が開発・実用化されるようになってから、20年以上が経ち、半導体素子も寿命になるものが出てきた。一方、半導体の進歩に伴い古い型式の素子の生産量が減少または、生産中止となり、入手が困難となるものもが多くなってきた。 【0006】半導体は近年、GTOサイリスタから更に、自己消弧型で安全動作領域が広く電圧駆動式の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が開発され、高耐圧、大容量化が進むにつれてIGBTが、主流となってきた。これによりユーザでは、現在の装置の置換えとしてIGBTを使用したチョッパ装置への要望が、高まってきた。 【0007】従来のチョッパ回路では全電源電圧が、チョッパ回路に印加される。又、チョッパのオフ時には、電源電圧に加えスイッチング時のサージ電圧が、チョッパ回路に印加される。チョッパ装置を構成するに当たって、これら電圧が素子耐圧を上回っている場合従来は、直列接続を行って耐圧をカバーしていた。サイリスタや、GTOサイリスタでは、過飽和リアクトル等を用いスイッチング時の電圧負担を行い、又素子のターンオン、ターンオフ時間を一定の範囲内に合わせることにより直列接続を実現していた。しかし、IGBTの場合、高速動作が特徴である反面、ターンオン、ターンオフの時間が非常に短いため直列接続のために特性を合せるとこが困難となる。又、過飽和リアクトルもターンオンの電圧分担にしか効果がなく、高速動作にも不適である。このため、IGBTの場合、直列接続により高電圧電車線用の電機子チョッパ装置を構成することが、出来なかった。 【0008】電車線の電源電圧は、国内では、DC750Vまたは、DC1500Vが、主流であるが、海外では、DC3000Vが、主流となる。 【0009】最近では、3.3kV耐圧のIGBTが、実用化されるようになり、電源電圧DC1500Vまでは、1素子で可能となった。しかし、DC3000Vでは、2個直列となり上記制約で電機子チョッパ装置を実現出来なかった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐圧の低い半導体スイッチを用いて、素子耐圧より高い電圧の電車線用に安全に動作する電機子チョッパ装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】耐圧の低い素子を直列に接続した場合でも、直列接続毎の回路電圧を制限し、順序動作を行うことにより、各々の素子動作時間に関係なく接続することが出来る。 【0012】電源電圧を分割するように直列にコンデンサ11A、11Bを接続する。直列に接続された半導体スイッチ8A、8Bと直列に接続された半導体スイッチ8C、8Dを各々正負に配置し、半導体スイッチには、還流用フリーホイールダイオード9A〜9Dを並列に接続する。尚、半導体スイッチがIGBTの場合には、モジュール内にフリーホイールダイオードを内蔵する場合が多い。分割された中点電圧に制限するダイオード10A、10Bを半導体スイッチ8Aと8B、8Cと8Dの各々中点に接続して3電圧が、出力可能な3レベル回路を構成する。 【0013】この3レベル回路の中点出力を直流電動機回路に接続する。また、3レベル回路の正、負端子は、フィルタリアクトル3とフィルタコンデンサ4からなる電源フィルタの出力及び負側端子に並列に接続する。 【0014】図1に本発明に基づく電機子チョッパの実施例で力行回路を示す。又、図5に3レベル回路の素子点弧組合せと出力電圧を示す。図5では、3レベル回路の4個の半導体スイッチを正側から素子1、素子2、素子3、素子4と記している。電源電圧をEとし、中点電位をE/2としている。 【0015】3レベル回路では、各々の半導体スイッチは、1つづつオン、オフし点弧モードを変える。最寄りの2個の組が同時に導通し、出力電圧を決める。例えば、素子3、素子4が、点弧すると出力電圧は、0を選択する。この時、チョッパは短絡モードとなる。中点電圧である素子2と素子3が、点弧するためには、先ず素子4が、オフし、その後素子2が、オンする。同様に、素子3がオフし、素子1がオンすることで素子1、素子2が、点弧し電源電圧を選択する。この時、チョッパは、フリーホイールモードとなる。正側の2素子は、電位選択として用いているが、フリーホイールモードのみでダイオードのみ通電となる。 【0016】上記の1つづつがオン、オフする順序動作と、同時に3素子が、オンしないための禁止論理を、半導体スイッチの制御に盛り込むことで、安全な動作が行える。又、見かけ上2素子の直列となり、1素子当りは、電源電圧の1/2を負担することになり、耐圧の低い素子が適用可能となる。 【0017】実際には、スイッチング時のサージ電圧と最大電源電圧の1/2を合せた電圧より、高い耐圧の素子を選択する。 【0018】図2は、本発明に基づく電機子チョッパの実施例でブレーキ回路を示す。 【0019】力行回路とブレーキ回路では、主電動機の接続が異なる。従来のチョッパ装置でも同様の切換えが必要で、このために転換装置を用いて回路構成を変更する。本発明でも同様の装置を用いるもので、図では省略している。 【0020】ブレーキの場合も3レベル回路の半導体スイッチの点弧モードは、力行と同じで、負側2素子が、オンの時短絡モード、正側2素子が、オンの時フリーホイールモードとなる。正側2素子は、常にフリーホイールダイオードとして作用し、フリーホイールモードの時、電力回生が行われる。 【0021】上記のように、負側2素子が、チョッパ、正側2素子がリーホイールダイオードとして機能する。このため、チョッパの通流率の考え方は、負側2素子をチョッパとみなした従来のチョッパ制御と同じとなる。 【0022】 【発明の実施の形態】図1に本発明の電機子チョッパの実施例で力行回路を示す。電車線が、パンタグラフ1を介し、断流器2A、2Bを通してフィルタリアクトル3、フィルタコンデンサ4に接続されている。フィルタコンデンサ4と並列に3レベル回路8A〜8D、9A〜9D、10A、10B、11A、11Bが接続されている。又、フィルタ回路出力のフィルタコンデンサ4正側端子には、主電動機電機子5A、5B、主電動機界磁6A、6B、主平滑リアクトルが直列に接続され、主平滑リアクトルの他端が、前記3レベル回路の中点出力端に接続されている。主電動機は、2個の場合として記述しているが、1個から複数個の接続が可能である。接続数は、モータ定格電圧と電車線電圧により適当に定まる。又、半導体スイッチの例としてIGBTで記載しているが、自己消弧型素子であれば構成は可能である。 【0023】3レベル回路の半導体スイッチが、負側8C、8Dを選択すると、電車線から主電動機を通して電流が、流れる。又、3レベル回路の半導体スイッチが、正側8A、8Bを選択した場合は、フリーホイールモードとなる。この時は、主電動機電機子5A、5B、主電動機界磁6A、6B、主平滑リアクトル、フリーホイールダイオードと電流が、流れる。電流は、主平滑リアクトルにより所定のリップル値内に平滑され、安定した力行トルクを得る。負側8C、8Dを選択する通流率を大きくすると注入される電力が大きくなる。 【0024】図2は、本発明の電機子チョッパの実施例でブレーキ回路を示す。力行の場合と同じく電車線が、パンタグラフ1を介し、断流器2A、2Bを通してフィルタリアクトル3、フィルタコンデンサ4に接続されている。フィルタコンデンサ4と並列に3レベル回路8A〜8D、9A〜9D、10A、10B、11A、11Bが接続されている。3レベル回路の中点出力端に主平滑リアクトル、主電動機界磁6B、6A、主電動機電機子5B、5A、が直列に接続され、主電動機電機子が、接地電位に接続されている。主電動機電機子と接地間には通常、保護用遮断器を接続する。本図では、簡単化のため省略している。又、力行回路とブレーキ回路では、主電動機の接続を切替えるために転換装置を用いているが、これも簡単化のために本図では、省力している。 【0025】3レベル回路の半導体スイッチが、負側8C、8Dを選択すると、主電動機電機子5B、5A、主電動機界磁6A、6B、主平滑リアクトルが、半導体スイッチ8C、8Dを通して短絡される。短絡時のエネルギーは、主平滑リアクトルに貯えられ、半導体スイッチが、正側8A、8Bを選択した時、フリーホイールモードとなって、電源側に電力が、回生される。負側8C、8Dを選択する通流率を小さくすると回生される電力が大きくなる。 【0026】図3は、本発明の電機子チョッパの第2の実施例で力行回路を示す。主電動機電機子5A、5B、主電動機界磁6A、6B、主平滑リアクトルとフィルタ回路、3レベル回路との接続は、図1と同一である。但し、フィルタコンデンサ4正側端子と3レベル回路正側端子間に主電動機分巻界磁14A、14Bを接続している。主電動機分巻界磁14A、14Bには、並列に界磁用フリーホイールダイオード15と分流抵抗器16を接続している。 【0027】力行の動作としては、図1と同じである。但し、フリーホイールモードの時、主電動機分巻界磁14A、14Bに電流を流すことで、直券界磁との合成磁界を減少させる自動可変界磁制御とすることが出来る。界磁巻線の抵抗値は小さいため、中点分割フィルタコンデンサ11A、11Bの電位変動は小さく、制御上の問題は、無い。 【0028】前述のように図1において半導体スイッチ8A、8Bは、正側の電位選択のみで、フリーホイールダイオード9A、9Bに通電する。これは、半導体スイッチ8C、8Dをオフすることで生じる。したがって、正側半導体スイッチ8A、8Bを省略することが、可能となる。図7は、正側半導体スイッチ8A、8Bを省略したチョッパ回路の実施例を示す。 【0029】半導体スイッチ8C、8Dが、オンの時、短絡モードとなる。半導体スイッチ8Dが、オフするとフリーホイールモードとなり、中点を選択する。半導体スイッチ8Cが、オフすると正側電位選択となり完全フリーホイールモードとなり、図5と同様の機能を達成する。各素子の印加電圧は、ダイオード11A、11Bで電源電圧の1/2電圧制限される。これにより、チョッパ回路として同等の機能を達成することが、判る。 【0030】フィルタ回路、主電動機等との力行、ブレーキ及び界磁巻線との接続は、前記と同様である。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、1素子づづの順序動作と1素子に印加される電圧を中点電圧に制限することで、電車線電圧の1/2電圧相当の半導体を用て安全に動作する電機子チョッパ装置を提供することとが出来る。 【0032】又、遮断器回路、転換器回路は、従来と同一であるため、チョッパ回路とフリーホイールダイオードからなるチョッパ装置と本発明による3レベル回路チョッパ装置を装置単位で互換性のある構成とすることが出来る。従来の断流器、転換装置等が流用出来るため、安価に制御装置の更新を行うことが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年12月16日(1999.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−177921(P2001−177921A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−356977 |
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