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【発明の名称】 エネルギー供給装置
【発明者】 【氏名】大渕 浩

【氏名】曽我 雅之

【氏名】丹羽 悟

【氏名】坂本 淳一

【氏名】服部 義和

【要約】 【課題】移動中の移動体に対してエネルギー供給を円滑に行うことのできるエネルギー供給装置を提供すること。

【解決手段】本発明のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備2から移動中の移動体1に対してエネルギーを供給するもので、供給設備2側の供給地点の状況に関する情報を、移動体1に対して発信する発信手段6を有していることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置において、前記供給設備側の供給地点の状況に関する情報を、前記移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴とするエネルギー供給装置。
【請求項2】 前記供給地点の状況に関する情報が、前記供給地点での供給可否状況に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー供給装置。
【請求項3】 前記供給地点の状況に関する情報が、前記供給地点の環境に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー供給装置。
【請求項4】 エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置において、前記移動体に供給するエネルギーに関する情報を、前記移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴とするエネルギー供給装置。
【請求項5】 前記エネルギーに関する情報が、エネルギー種別に関する情報であることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー供給装置。
【請求項6】 前記エネルギーに関する情報が、エネルギーの料金に関する情報であることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー供給装置。
【請求項7】 エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置において、前記移動体が行うべき措置に関する情報を、前記移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴とするエネルギー供給装置。
【請求項8】 エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置において、前記供給設備が、前記移動体へのエネルギー供給中に、供給中のエネルギーのエネルギー供給状態に関する情報を前記移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴とするエネルギー供給装置。
【請求項9】 前記移動体が、前記供給設備の前記発信手段によって発信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した情報を搭乗者に対して提示する提示手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のエネルギー供給装置。
【請求項10】 エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置において、前記移動体が、前記供給設備によるエネルギー供給中に、前記供給設備から発信されたエネルギー供給状態に関する情報を受信する受信手段を備えていることを特徴とするエネルギー供給装置。
【請求項11】 前記移動体が、前記供給設備からのエネルギーを電気エネルギーとして取得することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のエネルギー供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動中の移動体に対してエネルギーを供給するエネルギー供給装置として、鉄道におけるパンダグラフによる電力供給や地下鉄などの軌道からの電力供給を行う装置などが一般に知られている。また、移動中の自動車などに対してエネルギーを供給する装置としては、一般的な実用化はまだであるが、特開昭64-30403号公報に記載されている電磁誘導を用いた装置などが既に公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した公報に記載の装置などを用いて、道路網上を自由に走行する自動車などに対してエネルギーを供給するには、円滑かつ有効に運用するにはまだ充分な考慮がなされていないのが現状である。また、上述した鉄道などの供給装置は、決められた走行経路上のある特定の移動体に対して常時エネルギーを供給することが前提となっているので、道路網状を自由に走行する任意の自動車に対して適用することは困難なものであった。
【0004】発明者らは鋭意検討の結果、道路網上を自由に走行する自動車などに対するエネルギー供給を、円滑かつ有効に運用する装置を知見した。なお、この装置は、道路網状を自由に走行する自動車などに対するエネルギー供給にのみではなく、上述した鉄道などにおけるエネルギー供給に対しても適用可能なものである。即ち、本発明の目的は、移動中の移動体に対してエネルギー供給を円滑に行うことのできるエネルギー供給装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するもので、供給設備側の供給地点の状況に関する情報を、移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴としている。請求項1に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段によって移動体に対して供給設備側の供給地点の状況に関する情報を発信することによって、移動体側での的確な対応を可能とし、エネルギーの供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【0006】請求項2に記載のエネルギー供給装置は、請求項1に記載のエネルギー供給装置において、供給地点の状況に関する情報が、供給地点での供給可否状況に関する情報であることを特徴としている。供給地点での供給可否状況とは、その供給地点でエネルギーを供給することが可能であるか否かの状況である。請求項2に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段を用いて移動体に供給地点での供給可否状況に関する情報を与えることができる。このため、供給地点でエネルギーを受けられない場合は他の供給地点でエネルギーの補充を行うなどの的確な対応を移動体に行なわせることができる。
【0007】請求項3に記載のエネルギー供給装置は、請求項1に記載のエネルギー供給装置において、供給地点の状況に関する情報が、供給地点の環境に関する情報であることを特徴としている。供給地点の環境に関する情報とは、例えば、気候(天候、気温、気圧、湿度)、地形などに関する情報である。請求項3に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段を用いて供給地点の環境に関する情報を移動体側に伝達することができる。このため、供給地点の環境に応じた的確な対応を移動体に行なわせることができる。
【0008】請求項4に記載のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するもので、移動体に供給するエネルギーに関する情報を、移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴としている。請求項4に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段によって移動体に対して供給するエネルギーに関する情報を発信することによって、移動体側での的確な対応を可能とし、エネルギーの供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【0009】請求項5に記載のエネルギー供給装置は、請求項4に記載のエネルギー供給装置において、エネルギーに関する情報が、エネルギー種別に関する情報であることを特徴としている。エネルギー種別に関する情報とは、具体的には直流電力なのか、交流電力なのか、ハイオクガソリンなのか、レギュラーガソリンなのかなどである。請求項5に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段を用いてエネルギー種別に関する情報を移動体側に伝達することができる。この結果、移動体に誤った種別のエネルギーを供給することを回避でき、エネルギー種別が合わない場合は、他の供給地点でエネルギーの補充を行うなどの的確な対応を移動体に行なわせることができる。
【0010】請求項6に記載のエネルギー供給装置は、請求項4に記載のエネルギー供給装置において、エネルギーに関する情報が、エネルギーの料金に関する情報であることを特徴としている。請求項6に記載のエネルギー供給装置によれば、発信手段を用いてエネルギーの料金に関する情報を移動体側に伝達することができる。例えば、エネルギーの単価や、供給される(あるいは、供給されている、供給された)エネルギーの料金を移動体側に伝達することができる。この結果、移動体側に所望のエネルギー供給量を決定させることも容易になるなど、的確な対応を移動体に行わせることができる。
【0011】請求項7に記載のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するもので、移動体が行うべき措置に関する情報を、移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴としている。請求項7に記載のエネルギー供給装置によれば、エネルギーの供給を行う上で好ましい、あるいは、必要となる措置を移動体側に伝達することができ、これに基づいて移動体側で的確な対応が可能となり、エネルギーの供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【0012】請求項8に記載のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するもので、供給設備が、移動体へのエネルギー供給中に、供給中のエネルギーのエネルギー供給状態に関する情報を移動体に対して発信する発信手段を備えていることを特徴としている。エネルギー供給状態とは、例えば、供給量、供給率、供給開始、供給完了、異常の有無などである。請求項8に記載のエネルギー供給装置によれば、移動体側にエネルギーの供給状態を把握させることができ、移動体側で的確な対応を可能とし、エネルギーの供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【0013】請求項9に記載のエネルギー供給装置は、請求項1〜8の何れか一項に記載のエネルギー供給装置において、移動体が、供給設備の発信手段によって発信された情報を受信する受信手段と、受信手段によって受信した情報を搭乗者に対して提示する提示手段とを備えていることを特徴としている。本発明は、その構成要素として移動体側の構成をも含むものである。請求項9に記載のエネルギー供給装置によれば、搭乗者は、提示手段によって上述した各種情報を提示されるので、これらの情報を確実に認識することができる。
【0014】請求項10に記載のエネルギー供給装置は、エネルギー供給設備から移動中の移動体に対してエネルギーを供給するもので、移動体が、供給設備によるエネルギー供給中に、供給設備から発信されたエネルギー供給状態に関する情報を受信する受信手段を備えていることを特徴としている。本発明は、その構成要素として移動体側の構成をも含むものである。請求項10に記載のエネルギー供給装置によれば、移動体側でエネルギーの供給状態を把握することができ、移動体側で的確な対応を可能とし、エネルギーの供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【0015】請求項11に記載のエネルギー供給装置は、移動体が、供給設備からのエネルギーを電気エネルギーとして取得することを特徴としている。請求項11に記載のエネルギー供給装置によれば、移動体が供給設備から供給されるエネルギーを電気エネルギーとして取得するので、エネルギーの取得を非接触で行うことも可能となり、また、取得したエネルギーを蓄積しておくことも容易となる。この結果、移動体にエネルギーを供給しやすくなり、移動体では取得したエネルギーを使用しやすくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のエネルギー供給装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】まず、本発明のエネルギー供給装置の第一実施形態について説明する。本実施形態における移動体1を図1に示す。移動体1は、電気エネルギーを用いて走行する自動車であり、エネルギー供給設備2から供給されるエネルギーを電気エネルギーとして取得する。このような移動体(自動車)1としては、電気モーターの駆動力によって走行する電気自動車や、電気モータと内燃機関との駆動力を用いて走行するハイブリッド車などがある。
【0018】この移動体1は、電気エネルギーを蓄積しておくエネルギー蓄積手段となるバッテリ3を搭載している。このバッテリ3は、以下に説明する供給設備2から移動中に供給されるエネルギーによって充電されるだけでなく、停車中にコネクタなどを接続して直接充電されることもある。また、移動体1がハイブリッド車である場合は、制動時に回生発電される電力や内燃機関によって発電された電力も充電される。
【0019】そして、移動体1は、車輌前方部(通常の走行方向に対して前側)のフロア下に供給設備2との通信を行うための発信手段、兼、受信手段となる送受信機4を備えている。また、移動体1は、車輌後方部のフロア下に供給設備2から供給されるエネルギーを取得するエネルギー取得手段5を備えている。エネルギー取得手段5は、バッテリ3と接続されており、供給されたエネルギーを電気エネルギーとして取得した後、バッテリ3に充電する。
【0020】一方、エネルギー供給設備2は、移動体1の走行路面上に配置された送受信機6及びエネルギー供給手段7と、これらと接続され、エネルギー供給全般を制御するエネルギー供給制御部8とを備えている。ここでは、一つの送受信機6と一つのエネルギー供給手段7とでセットとして取り扱われる。なお、供給制御部8は、一セットの送受信機6及びエネルギー供給手段7だけでなく、図示されない複数セットの送受信機6及びエネルギー供給手段7を制御している。
【0021】これらのセットを移動体1の走行方向に並べておけば、エネルギーの供給を連続的に行うこともできる。高速道路などで、ある特定の車線をエネルギー供給の車線とすれば、このようにエネルギーを連続的に供給することも比較的容易に行える。また、供給制御部8は、制御センター内に構築されており、このセンターと各送受信機6及びエネルギー供給手段7とは、敷設されたケーブルによって接続されている。
【0022】送受信機6は、上述した移動体1側の送受信機4と通信を行うもので、供給設備2側の発信手段、兼、受信手段となる。この移動体1側の送受信機4と供給設備2側の送受信機6とによって、移動体1から発信された移動体1側の情報を供給設備2で受信したり、供給設備2から発信された供給設備2側の情報を移動体1で受信することができる。上述した移動体1側の送受信機4と供給設備2側の送受信機6との間で通信される情報については、追って詳述する。
【0023】エネルギー供給手段7は、上述したセットとなる送受信機6に対して、移動体1の走行方向前方に配置されている。本実施形態におけるエネルギー供給手段7は、磁界を発生させるコイルを有しており、供給制御部8からの電力をもとに磁界を発生させる。一方、上述した移動体1側のエネルギー取得手段5は、誘導コイルを有している。誘導コイルは、エネルギー供給手段7によって発生された磁界中を移動体1が通過するときの磁束の変化によって電力を発生させ、この電力でバッテリ3が充電される。
【0024】また、移動体1側の送受信機4とエネルギー取得手段5との位置関係と、供給設備2側の送受信機6とエネルギー供給手段7との位置関係とは、逆になっている。また、供給設備2側の送受信機6とエネルギー供給手段7との距離は、移動体1のホイールベース距離程度の距離とされている。このため、まず、移動体1が走行していると、移動体1の送受信機4と供給設備2側の送受信機6とが対向する位置となり、このとき移動体1と供給設備2との間で情報のやり取りが行われる。次いで、移動体1が前進すると、移動体1のエネルギー取得手段5と供給設備2側のエネルギー供給手段7とが対向する位置となり、既にやり取りされている情報に基づいて、移動体1に対してエネルギーが供給される。
【0025】本実施形態の移動体(自動車)1は鉄道のように決められた軌道というものを有していない。また、移動体(自動車)1は自由に車線を変更できると共に、周囲の他の移動体が自分の車線に割り込んでくることもあり得る。このため、送受信機4、エネルギー取得手段5、送受信機6及びエネルギー供給手段7をこのように配置させておけば、移動体1と供給設備2との間で情報のやり取りをした直後に移動体1に対してエネルギーを供給できるので、より確実にエネルギーの供給を行える。
【0026】また、本実施形態のように、磁界を発生させてエネルギーを移動体側に供給する場合、エネルギー取得手段5が車輌の後方部に位置していると、磁界による搭乗者への影響を最小限にすることができるという利点もある。エネルギー取得手段5がエネルギー供給手段7と対向する時にタイミングを合わせて、エネルギー供給手段7が磁界を発生するようにすれば、発生された磁界は搭乗者に対してほとんど影響を与えない。
【0027】次に、第二実施形態について説明する。なお、上述した第一実施形態と同一の機能を有する部位には同一の符号を付して説明する。図2に示されるように、本実施形態においては、上述した第一実施形態と同様に、移動体1はエネルギー供給設備2から供給されるエネルギーを電気エネルギーとして取得する。しかし、移動体1−供給設備2間の通信形態と、エネルギー供給の形態とが異なる。
【0028】本実施形態における移動体1側の送受信機(発信手段、兼、受信手段)4は、供給設備2側の送受信機(発信手段、兼、受信手段)6と遠距離通信が可能である。なお、この送受信機4と送受信機6との通信は、直接行われてもよいし、他の中継点(例えば通信衛星9など)を介して行われてもよい。送受信機4と送受信機6との通信によってやり取りされる情報については追って詳述する。また、本実施形態における供給設備2側のエネルギー供給手段7は、走行路面上に設置されており、移動体1側のエネルギー取得手段5は、このエネルギー供給手段7に直接接触して電力の供給を受ける。供給された電力によって、バッテリ3が充電される。
【0029】次に、第三実施形態について説明する。上述した第一及び第二実施形態は、供給されるエネルギーを電気エネルギーとして取得するものであった。しかし、本実施形態は、移動中にガソリンを供給することによって移動体に対してエネルギー(エネルギー源)を供給するものである。本実施形態における移動体101及びエネルギー供給設備102の概要を図3に示す。
【0030】移動体101は、内燃機関であるエンジンを有しており、ガソリンをエネルギー源として走行する。移動体101は、ガソリンを蓄えておくエネルギー蓄積手段となる燃料タンク103を有している。この燃料タンク103には、以下に述べる供給方法によって移動体101の移動中に供給設備102からエネルギーとなるガソリンが供給されるだけでなく、通常通りガソリンスタンドなどにおいてもガソリンが補給される。
【0031】燃料タンク103には、エネルギー取得手段105が接続されている。本実施形態のエネルギー取得手段105は、移動体101の外表面に設けられた給油口を有している。エネルギー取得手段105は、この給油口に供給設備102のエネルギー供給手段107を接続することができるジョイント機構も有している。このジョイント機構は、例えば、移動体101と併走するエネルギー供給手段107のアーム部107aが、移動体101側の給油口に対向する位置に来たときに、電磁石によって両者を結合させるようなものである。
【0032】また、移動体101は、供給設備102との通信を行うための送受信機(発信手段、兼、受信手段)104を有している。供給設備102側も、移動体101との通信を行うための送受信機(発信手段、兼、受信手段)106を有している。これらの送受信機104,106は、上述した第二実施形態の送受信機4,6と同様のものである。これらの送受信機104,106によってやり取りされる情報については、追って詳述する。
【0033】本実施形態の供給設備102は、移動体101の走行路と一部平行する部分を有する環状の軌道110を有している。そして、この軌道110上には、複数のエネルギー供給手段107が配置されている。各エネルギー供給手段107は、軌道110上を所定の間隔を維持して移動可能とされている。各エネルギー供給手段107は、軌道110を介してエネルギー供給制御部108に接続されている。また、各エネルギー供給手段107は、移動体101の給油口に接続する上述したアーム部107aを有している。
【0034】この供給設備102による移動体101へのエネルギー(ガソリン)の供給は、送受信機104,106によって情報をやり取りして、移動体101とエネルギー供給手段107との速度を同調させ、アーム部107aの先端と移動体101の給油口とを接続して行う。移動体101の走行路上に一定間隔毎に磁石を埋め込んでおき、これに従って移動体101を一定速度で自動走行させるシステムを併用すれば、移動体101とエネルギー供給手段107との速度及び位置の同調は行いやすくなる。
【0035】なお、上述した例は移動体101のエネルギー源がガソリンである場合であったが、移動体101のエネルギー源が軽油やメタノールなどの他の液体燃料である場合も、同様である。また、上述した軌道110上の複数のエネルギー供給手段107を、各種類の液体燃料に振り分けておけば、移動体毎に要求するエネルギーの種別が異なる場合があったとしても、あらゆる種類の液体燃料の供給に対応することが可能である。
【0036】上述した図1〜図3に示す実施形態における移動体1,101と供給設備2,102との構成について、さらに詳しく説明する。図4に、図1〜図3に示す実施形態の構成図を示す。図4の上方に示した構成が移動体1,101側の構成であり、下方に示した構成が供給設備2,102側の構成である。
【0037】移動体1,101は、上述したように、エネルギー供給時に用いる送受信機4を有しているが、これはエネルギーの授受を総合的に制御するエネルギー授受ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)11に接続されている。この、エネルギー授受ECU11には、エネルギー取得手段5とバッテリ3との間に介在する電流センサ(又は電圧センサ)12も接続されている。電流センサ(又は電圧センサ)12によって、供給されたエネルギー量を検出することができる。
【0038】なお、図3に示されるように、エネルギー取得手段105によって液体燃料を取得し、これを燃料タンク103に貯留する場合は、燃料タンク103とエネルギー取得手段105との間には流量センサ(又は圧力センサ)12が介在され、これがエネルギー授受ECU11に接続される。液体燃料の供給を受ける場合は、この流量センサ(又は圧力センサ)12によって液体燃料の流量(又は液体燃料の圧力)を検出することによって、供給されたエネルギー量を検出する。
【0039】また、エネルギー授受ECU11には、各種情報を搭乗者に提示する提示手段となるモニタ13も接続されている。モニタ13には、エネルギー供給に関する情報以外の情報も表示され得る。さらに、エネルギー授受ECU11は、エンジンECU14、ブレーキECU15、ドアECU16、車高調整ECU17とも互いに接続されている。エンジンECU14はエンジンを総合的に制御するもので、エンジンECU14にはインジェクタ18やバルブリフト&タイミング制御アクチュエータ19などが接続されている。ブレーキECU15は移動体1,101の制動を総合的に制御するもので、ブレーキECU15にはブレーキアクチュエータ20や車輪速センサ21が接続されている。
【0040】ドアECU16は、ドアロックとウィンドウの開閉を総合的に制御するもので、ドアECU16にはドアロックモータ22やウィンドウ開閉モータ23が接続されている。また、車高調整ECU17は移動体1、101の車高を調節する車高調整機構を総合的に制御するものである。車高調整ECU17にはサスペンション内圧調整バルブ24が接続されており、車高調整ECU17サスペンションの内部の圧力を調節することによって車高を調節することができる。
【0041】一方、供給設備2,102の上述した送受信機6,106やエネルギー供給手段7,107は、供給設備2側のエネルギー授受ECU(供給制御部)8,108に接続されている。
【0042】次に、上述した各実施形態において、移動体1,101とエネルギー供給設備2,102との間で通信される情報について詳しく説明する。ここで通信される情報によって、エネルギー供給設備2,102から移動体1,101へのエネルギーの供給が円滑かつ確実に行われるようになる。
【0043】エネルギー供給設備2,102から移動体1,101に対して発信される情報について説明する。エネルギー供給設備2,102から移動体1,101に対して発信される供給設備2,102側の情報は、上述した供給設備2,102の送受信機6,106によって発信され、移動体1,101の送受信機4,104によって受信される。移動体1,101は、受信した情報に基づいて、エネルギーの供給を受ける上で最適な対応をとることができる。
【0044】まず、移動体1,101に対して発信される情報が、供給地点の状況に関する情報である場合について説明する。移動体1,101は、供給地点の状況が与えられるので、これに基づいて的確な対応をとることができる。ここでは、供給地点の状況に関する情報が、供給地点の供給可否状況に関する情報である場合と、供給地点の環境に関する情報である場合とについて以下に説明する。しかし、供給地点の状況に関する情報とは、供給地点の供給可否状況に関する情報である場合と、供給地点の環境に関する情報とに限られることはない。
【0045】供給地点の状況に関する情報が、その供給地点での供給可否状況に関する情報である場合について説明する。供給地点での供給可否状況とは、その供給地点でエネルギーを供給することが可能であるか否かの状況である。
【0046】移動体1,101は、供給設備2,102の供給地点で、エネルギーの供給を受けることができるか、受けることができないかを、情報として与えられる。例えば、供給地点でエネルギーの供給を受けられないという情報が移動体1,101側に与えられた場合、移動体1,101側は、エネルギー残量が少なければ手前の他の供給地点でのエネルギー供給が必要であると判断できる。あるいは、エネルギー残量に余裕があれば、より遠方の供給地点までエネルギー供給を延期するという対応をとることもできる。
【0047】また、エネルギーの供給を行うことのできる走行レーンが複数車線平行して設けられている場合に、何れの車線であればエネルギーの供給を受けられるか否かの状況を供給可否状況の情報として移動体1,101に対して発信してもよい。移動体1,101側では、エネルギーの供給を受けられる走行レーンを選択して走行するなどの的確な対応を行うことができる。なお、供給可否状況とは、エネルギーの供給を受けようとしている移動体1,101に対して、その供給地点がエネルギーを供給できるか否かであり、供給地点が休止している場合や供給機構が合わないなどの理由で供給できない場合などがある。
【0048】供給地点の状況に関する情報が、その供給地点の環境に関する情報である場合について説明する。供給地点の環境に関する情報とは、例えば、気候(天候、気温、気圧、湿度)、地形などに関する情報である。エネルギーの供給はこれらの環境に影響することが考えられる。例えば、図1に示されるような場合は、気候によって大気の透磁率が変化し得るので、エネルギーの供給効率も変化し得る。
【0049】また、地形などによっても、移動体1,101の運転状況や姿勢が変わり得るので、これらがエネルギーの供給に影響を与えることもあり得る。例えば、供給地点が上り坂であれば、移動体1,101の後方部が下がり気味になる。この結果、図1に示されるような場合は、エネルギー供給手段7とエネルギー取得手段5との間の距離が変化するので、エネルギーの供給効率も変化し得る。このような場合、移動体1,101は供給地点の環境情報(地形情報として上り坂の勾配などの情報)を受け取った時点で、エネルギー供給手段7とエネルギー取得手段5との間の距離がエネルギーの供給に適した高さとなるように制御することができる。
【0050】このときは、エネルギー授受ECU11によってエネルギー供給に際して最適な車高を演算し、車高調整ECU17を介してサスペンション内圧調整バルブ24を制御して移動体1の車高を調整する。同様の状況が図2に示される装置でも生じている場合などは、エネルギー供給手段7とエネルギー取得手段5とを確実に接触させるために、エネルギー授受ECU11によってエネルギー授受に際して最適な車高を演算し、車高調整ECU17を介してサスペンション内圧調整バルブ24を制御して移動体1の車高を調節する。このようにすれば、エネルギーの供給に際して的確な対応を移動体1,101側に行わせることができる。
【0051】次に、移動体1,101に対して発信される情報が、移動体1,101に供給するエネルギーに関する情報である場合について説明する。移動体1,101は、供給されるエネルギーに関する情報が与えられるので、これに基づいて的確な対応をとることができる。ここでは、エネルギーに関する情報が、エネルギー種別に関する情報である場合と、エネルギーの料金に関する情報である場合とについて以下に説明する。しかし、エネルギーに関する情報とは、エネルギー種別に関する情報と、エネルギーの料金に関する情報とに限られることはない。
【0052】エネルギーに関する情報が、エネルギー種別に関する情報である場合について説明する。エネルギー種別に関する情報とは、具体的には、直流電力なのか、交流電力なのか、ハイオクガソリンなのか、レギュラーガソリンなのかなどである。移動体1,101は、ある供給設備2,102について与えられたエネルギー種別に関する情報によって、当該供給設備2,102では必要としている種類のエネルギーを供給してもらえないと分かれば、他の供給設備からエネルギーを供給してもらうべく対応することができる。
【0053】エネルギーに関する情報が、エネルギーの料金に関する情報である場合について説明する。例えば、エネルギーの単価や、供給される(あるいは、供給されている、供給された)エネルギーの料金を移動体1,101側に与えることによって、移動体1,101側に所望のエネルギー供給量を決定させることが容易になる。また、移動体1,101側では、伝達されたエネルギー料金に基づいて、エネルギー供給量を決定することもでき、円滑なエネルギー供給を行うことができるようになる。
【0054】次に、移動体1,101に対して発信される情報が、移動体1,101が行うべき措置に関する情報である場合について説明する。移動体が行うべき措置とは、例えば、走行速度、ギアポジション、走行すべきレーン、エネルギーの供給に際して行う運転状態に関する措置や、その他の措置などである。
【0055】エネルギーの供給を受ける上で移動体1,101には好ましい、あるいは、必要な措置というものが存在する場合がある。例えば、図1に示されるような場合は、移動体1の速度によって磁束変化量が変わるので移動体1が取得するエネルギー量は変動する。また、図3に示されるような場合は、移動体101の速度を供給設備102側のエネルギー供給手段107の速度とを同調させる必要がある。このよう場合は、移動体1,101の速度をある特定の速度とする必要が生じることがある。
【0056】あるいは、供給地点の供給可否状況に関する情報についての説明で上述したようなエネルギーの供給を行うことのできる走行レーンが限られている場合は、その走行レーンを通過させる必要がある。このような場合に、予め供給設備2,102側から移動体1,101に対してこれらの情報を伝達しておけば、移動体1,101側に的確な対応を行わせることができる。あるいは、エネルギー供給時の安全措置として、ウィンドウやドアの開閉を規制させたい場合も考えられる。
【0057】例えば、移動体1,101の行うべき措置に関する情報として、移動体1,101に対して走行速度を伝達した場合について説明する。
【0058】ここで、移動体1,101は、伝達された走行速度に基づいて、エンジンの出力調節とブレーキ機構による車輌制動によってその速度を制御する。なお、移動体1,101自体の速度は、各車輪に取り付けられた車輪速センサ21によって検出される。エンジンの出力調整によって移動体1,101の速度を制御するには、インジェクタ18からの燃料噴射量を変更する場合や、バルブリフト&タイミング制御アクチュエータ19を制御してエンジンの吸排気バルブの開閉タイミングやバルブリフト量を変更する場合などが考えられる。
【0059】一方、ブレーキ機構によって移動体1,101を制動させて移動体1,101の速度を制御するには、ブレーキ配管上に配されたソレノイドバルブなどのブレーキアクチュエータ20を制御して、各車輪に伝達されるブレーキ油圧を調節する場合が考えられる。このようにして移動体1,101の速度を制御することによって、移動体1,101の速度をエネルギー供給に適した速度となるように制御する。
【0060】あるいは、移動体1,101の行う措置に関する情報として、ウィンドウやドアの開閉を規制するように移動体1,101に対して伝達した場合について説明する。
【0061】ここで、ウィンドウ及びドアの開閉を規制するようにとの情報を伝達された移動体1,101は、エネルギー供給が開始されたことを、電流・電圧センサ(流量・圧力センサ)12の出力などからエネルギー授受ECU11によって検出する。エネルギー供給の開始を検出した移動体1,101側では、エネルギー授受ECU11が、ドアECU16を介して、ドアロックモータ22とウィンドウ開閉モータ23を駆動し、ウィンドウを閉め、かつ、ドアロックを施錠する。これにより、エネルギー供給時には、搭乗者は移動体1,101の内部に保護され、エネルギー供給に伴う影響を最小限にすることができる。
【0062】例えば、エネルギー供給時に磁束が発生される場合は磁束の影響を抑止でき、エネルギーの授受を液体燃料の供給によって行う場合は液体燃料の飛沫の移動体1,101内部への侵入を防止できる。また、エネルギー供給は移動体1,101の移動中に行われるので、エネルギー供給中にドアの開閉が行われることはまずあり得ないが、ドアロックを行うことによってエネルギー供給中にドアが開閉されることを抑止し、安全上より好ましい状態としてエネルギー供給を円滑に行うことができる。
【0063】次に、移動体1,101に対して発信される情報が、エネルギー供給状態に関する情報である場合について説明する。エネルギー供給状態とは、例えば、供給量、供給率、供給開始、供給完了、異常の有無などである。このようなエネルギー供給状態に関する情報を移動体1,101側に伝達することによって、移動体1,101側に的確な対応を行わせることができ、エネルギー供給を円滑に行うことができる。
【0064】エネルギー供給状態として、供給量、供給率(供給要求にたいしてどのくらい供給したか)、供給開始、エネルギー供給状態に異常が生じているか否か、などは、エネルギー供給上有効に活用することのできる情報であることは明白である。移動体1,101では、これらの情報に基づいて、エネルギー供給状態の進捗状況を正確に把握することができる。また、エネルギー供給状態に異常が発生しているようであれば、適切な対処を行うことができる。
【0065】あるいは、供給設備2,102側から伝達されたエネルギー供給量と、移動体1,101側の電流・電圧センサ(流量・圧力センサ)12の出力などからエネルギー授受ECU11によって検出したエネルギー取得量とを、移動体1,101側で比較できるようにすれば、移動体1,101側での異常検出も可能となる。例えば、供給設備2,102側から伝達されたエネルギー供給量と、電流・電圧センサ(流量・圧力センサ)12の出力などから得たエネルギー取得量との間に大きな差がある場合は、どこかでエネルギー漏れがあるとして異常を検出できる。
【0066】上述した供給設備2,102の送受信機(発信手段)6,106によって、移動体1,101側に発信された情報は、移動体1,101のモニタ(提示手段)13によって搭乗者に提示される。これによって、移動体1,101の搭乗者は、供給設備2,102から発信された上述の各種情報を容易かつ確実に把握することができる。
【0067】同様に、移動体側の情報を供給設備側に発信することによっても、この情報をエネルギーの供給を円滑に行うために供給制御に反映させてエネルギー供給を確実かつ円滑に行うことができるようになる。
【0068】
【発明の効果】本発明のエネルギー供給装置においては、各種情報(供給地点の状況に関する情報、供給するエネルギーに関する情報、移動体が行うべき措置に関する情報、エネルギー供給状態に関する情報)を移動体に対して発信する発信手段を備えているので、エネルギー供給を円滑かつ確実に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
【出願日】 平成11年12月10日(1999.12.10)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外1名)
【公開番号】 特開2001−177916(P2001−177916A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−352381