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【発明の名称】 エンジン・電池ハイブリッド駆動方法
【発明者】 【氏名】宮尾 隆之

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電作用かモーター作用のいずれかの作用に選択設定して使用する電動・発電機の回転子(20A,21A)とその回転子を軸支し且つその回転子を包み込んだ状態のケーシング(20B,21B)は、いずれも回転するローターとなっており、そのいずれか一方のローターをエンジン(1)に連動し、そのいずれか他方のローターを出力軸に連動し、前記エンジンにはブレーキ手段(1A、1b)を設け、前記ブレーキ手段を開放状態にして前記エンジンが前記一方のローターを駆動しているとき、前記電動・発電機を前記発電作用の状態に設定し、その発電作用によって発電した電力を電池(4)に充電し、且つその発電作用によって前記一方のローターから前記他方のローターに生ずる反力トルクが前記他方のロータを介して前記出力軸を駆動し、前記ブレーキ手段によって前記エンジンの回転を拘束し、前記電池からの電力によって前記電動・発電機に前記モーター作用の設定をさせているとき、そのモーター作用によって前記出力軸を駆動するエンジン・電池ハイブリッド駆動方法。
【請求項2】 差動歯車における入力軸(1a)、出力軸(2A)および反力軸(2d)のうち、前記入力軸をブレーキ手段(1A)を有したエンジン(1)に連動し、前記出力軸を駆動輪(3a,3b)に連動し、発電作用かモーター作用のいずれかに選択設定出来る電動・発電機(2B)を前記反力軸に連動し、前記エンジンを駆動するとき、前記電動・発電機を前記発電作用の状態に設定し且つ前記ブレーキ手段を開放して前記エンジンを駆動し、そのエンジンの駆動が前記入力軸と前記出力軸との間の差動回転を前記反力軸に生じさせ、その差動回転によって前記エンジンの出力動力の一部が前記電動・発電機に発電をさせ、その発電作用によって発生した電力を電池(4)に充電し、前記エンジンにおける出力動力の残部が前記入力軸から前記差動歯車を介して前記出力軸を駆動し、前記電池からの電力によって前記電動・発電機にモーター作用をさせるとき、その電動・発電機をモーター作用の状態に設定し且つ前記ブレーキ手段によって前記エンジンの回転を拘束して、前記電動・発電機の前記モーター作用が前記差動歯車を介して前記出力軸を駆動するエンジン・電池ハイブリッド駆動方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン動力と電池による電力とを選択的に使用して走行する車両のエンジン・電池ハイブリッド駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来におけるエンジン・電池ハイブリッド駆動装置の一例をシステム図によって示したものである。
【0003】図5において、太陽歯車2a、遊星歯車2bおよびリング(ring)歯車2cからなる差動歯車装置のうち、エンジン1の出力軸でもある変速装置2の入力軸1aは、遊星歯車2bを軸支したキャリヤ(carrier)2gに連動している。
【0004】遊星歯車2bと歯車係合している太陽歯車2aは歯車2dと一体回転する。歯車2dは、歯車2eを介して発電機2BOに連動している。
【0005】遊星歯車2bと歯車係合しているリング歯車2cは、出力軸2AOを介してディファレンシャル(differential)歯車(以降、単にデフと呼ぶ)3Aから車軸3を介して駆動輪3aおよび3bに連動している。出力軸2AOは、歯車2fおよび6aを介して電動機6に連動している。
【0006】4は、電動機6を駆動し、あるいは発電機2Bが発電した電気エネルギーを充電しておく電池である。車輪5aおよび5bは車軸5に軸支している。
【0007】図5の作用は下記のとおりである。図5の車両が、その走行に必要とするエネルギーを大にしなければならない状態においては、エンジン1の動力によって走行する。
【0008】それは、通常のエンジンによって走行する自動車と同じに、エンジン1からの動力が入力軸1a、変速装置2および出力軸2AO,デフ3Aおよび車軸3を介して左右両輪である車輪3aおよび3bを回転させる。その結果、その車両は、車輪3aおよび3bの回転によって路面上を走行することになる。
【0009】この場合において、入力軸1aから変速装置2へ入力した動力は、キャリヤ2gから遊星歯車2bへ入力する。その場合、遊星歯車2bはリング歯車2cに歯車係合していると共に、太陽歯車2aにも歯車係合している。
【0010】随って、エンジン1からの動力は、一方において遊星歯車2bからリング歯車2cを介して出力軸2A,デフ3A、車軸3、両車輪3a,3bに伝達し、他方において、遊星歯車2bから太陽歯車2a、歯車2dおよび2eを介しての分岐した動力が発電機2BOを駆動する。その駆動によって発電機2BOは発電作用を行い、その発電による電力を電池4に充電する。
【0011】エンジン1が、その車両の走行に必要なエネルギー分のみならず、変速装置2において分岐させた動力を電気エネルギーに変換して電池4に蓄積しておく、と言うことは、ガソリン・エンジン1が高出力において燃料消費率(以後、単に燃費と呼ぶ)の良好になることを利用したものである。
【0012】それは、必要としているその車両の走行エネルギーに発電機2BOを駆動するエネルギー分を嵩上げし、そのことによって、エンジン1を燃費の良い高出力の状態にして使用するものである。
【0013】上記車両の走行に対して、低速度の市街地走行等、その走行エネルギーが少なくて良い場合は、エンジン1を使用せず、電池4の電力によって走行する。
【0014】それは、エンジン1の作動を停止させ且つ発電機2BOを無負荷状態に設定し、電池4からの電力制御によって電動機6にモータ作用をさせる。すなわち、電動機6にモータ作用をさせると、その回転動力は、歯車6aおよび2f、出力軸2AO,デフ3Aおよび車軸3を介して左右両側の車輪3a,3bを駆動する。
【0015】なお、この場合、発電機2BOは上記のように無負荷となっているので、太陽歯車2aには負荷が生ぜず、そのことによって、出力軸2AOおよびリング歯車2cが回転しても、太陽歯車2aは空回りするのみであって、キャリヤ2gおよび入力軸1aには回転力が伝達しない。すなわち、入力軸1aと出力軸2AOとは動力的に切り離された状態になっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記図5における変速装置2は、入力軸1aと出力軸2AOとの間を変速可能にするものではあるが、エンジン1からの駆動を行う場合に、その変速操作は発電機2BOの発電レベルを制御することによって行っている。したがって、エンジン1からの動力によって車両が走行する場合、上記変速のために発電機2BOは必須となっている。
【0017】次に、エンジン1を使用せず、電池4の電力のみによって車両を走行させる場合は、発電機2BOを無負荷にして、電動機6によって出力軸2AOを駆動しなければならない。即ち、電動機6も必須である。すなわち、従来の装置は、発電機2BOと電動機6の2台が必要になっているものである。
【0018】本発明の目的は、エンジンからの駆動輪駆動と、電池からの電力による駆動輪駆動を可能とする車両駆動において、発電作用とモーター作用を選択的に可能とする電動・発電機を単一にして装置全体を単純化できるエンジン・電池ハイブリッド駆動方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】従来の図5における変速装置2に相当して下記の変速装置を用意する。選択的に発電作用とモーター作用の両用をする電動・発電機であって、その機構は、回転子(20A,21A)とその回転子を軸支し且つその回転子を包み込んだ状態のケーシング(20B,21B)からなっている。
【0020】更に、上記ケーシングは、回転子と同様に回転可能になっている。即ち、回転子もケーシングも、いずれも回転するローターとなっている。それらいずれか一方のローターがエンジン(1)に連結し、そのいずれか他方のローターが出力軸(2A)に連結している。
【0021】更に、エンジンにはブレーキ手段(1A)を有している。そのことによって、エンジンを使用した走行は下記のように行う。ブレーキ手段を開放状態にしエンジンが一方のローターを駆動し、電動・発電機に発電作用をさせると、一方のローターの駆動に対して他方のローターには、その発電によって反力が生じ、その反力が出力軸を駆動する。このとき、一方のローターと他方のローターとの回転速度差による上記発電が、その発電による電力を電池に充電する。
【0022】上記に対して、電池の電力のみによって走行する場合は、下記のように行う。ブレーキ手段によってエンジンの回転を拘束し、電池からの電力によって電動・発電機にモーター作用をさせる。
【0023】そのモーター作用は、一方のローター(例えばケーシング)をブレーキ手段によって非回転状態に拘束し、他方のローター(例えば回転子)を回転可能にしたモーターとして、その電動・発電機を電池からの電力によって駆動する。
【0024】
【発明の実施の形態】
【0025】
【実施例】図1における変速装置20は、入力軸1aがエンジン1に連動し、出力軸20Cがデフ3Aおよび車軸3を介して、左右の駆動輪3a,3bに連動している。変速装置20の本体は、通常の発電作用とモーター作用を選択的に可能とする電動・発電機であって、通常の電動・発電機と異なっている点は、ケーシング20Bが回転子20Aと同様に回転可能になっていることである。
【0026】通常の電動・発電機にあっては、モーター作用をするときにその電動・発電機に電力を供給し、あるいはその電動・発電機が発電作用をするときにその発電した電力を取り出すため、その電動・発電機の固定したケーシングへ電力配線がしてある。
【0027】しかし、図1において変速装置20となっている電動・発電機は、ケーシング20Bが回転するので、上記ケーシング20Bへの電力配線はスリップ・リング20aを介して電池4との間を接続している。なお、スリップ・リング20aからの配線4aと電池4への配線4bとの間には電力を制御する制御装置4Aを設けている。
【0028】又、図1における入力軸1aには、ディスク1Aが回転可能に設けてあり、ディスク1Aの外周にはブレーキ・シュー1bを設けている。
【0029】図1の作用を説明する前に、図2を使用して通常のエンジン1における一般的な特性を説明しておく。図2は、エンジン1のトルクTを縦軸に示し、エンジン1の回転速度nを横軸に示している。
【0030】図2において、Ah:エンジン1のアクセル開度最大時のトルク特性、Ph:高所要馬力一定の特性、Pl:低所要馬力一定の特性、Eh:単位出力馬力当たりのエンジン1の等燃費曲線(燃費大の側)、El:単位出力馬力当たりのエンジン1の等燃費曲線(燃費小の側)、e:各エンジン出力時において燃費最小となる経済燃費曲線、である。
【0031】図2の特性から理解できるように、車両が高出力(例えば図2のPh)で走行する場合、エンジン1を図2の特性eに沿って作動させながらエンジン1の動力によって車両を走行させれば、エンジン1の燃料使用が少なくて済む。
【0032】これに対して、市内走行等の車両の走行出力が小さい場合(例えば、図2のPlの場合)は、エンジン1における出力馬力当たりの燃費が大になる。この場合は、エンジン1の作動を特性eの部分で発電をさせ、その発電によって充電してある電力によって車両を駆動することが効率の良い駆動になる。
【0033】このようなことより、車両走行に必要な出力が大なる範囲においては、下記のようなエンジン1による駆動を行う。図1において、ブレーキ・シュー1bを開放して、ディスク1Aの回転を許容する状態にし、制御装置4Aによって変速装置20となっているケーシング回転形の電動・発電機が発電作用をする状態に設定する。
【0034】この状態においてエンジン1を作動させると、エンジン1の出力は入力軸1aを介してケーシング20Bを駆動する。その駆動は、出力軸20Cと一体の回転子20Aに対してケーシング20Bが早く回転することになるから、そのケーシング20Bと回転子20Aとの相対回転速度分が変速装置20に発電作用をさせる。
【0035】その発電によって生じた電力は、配線4a,制御装置4Aおよび配線4bを介して電池4に充電する。変速装置20におけるその発電作用によって、エンジン1がケーシング20Bを駆動するトルクに対して、回転子20aには反力トルクが発生し、その反力トルクが出力軸20C、デフ3Aおよび車軸3を介して左右の車輪3a,3bを駆動する。
【0036】上記エンジン1によって駆動輪3a,3bを駆動する場合に対して、市街地走行等の車両走行に必要な出力が低レベルで良い場合は、下記の駆動方法を行う。
【0037】エンジン1は作動させず、ブレーキ・シュー1bによりディスク1Aを拘束して、入力軸1aの回転を不可能な状態に設定し、制御装置4aによって変速装置20がモーター作用をする状態に設定する。
【0038】即ち、この状態においてはケーシング20Bが固定して、変速装置20は通常のモーターと同じ状態になっている。この状態において、制御装置4Aが変速装置20に電力を送ると、回転子20Aにトルクが生じ、そのトルクが出力軸20C、デフ3Aおよび車輪3a,3bを駆動することになる。
【0039】上記エンジン1による駆動の場合において、エンジン1の最大出力が小さめのエンジンを採用する場合、そのエンジン1の出力を小さくした分、図1の機構では、車両の加速性が悪くなる。そのような場合、図1において点線によって示す電動機20Fを追加してもよい。
【0040】すなわち、エンジン1の動力による加速時において、電池4からの電力によって電動機20Fを駆動すれば、エンジン1の動力に加えて、電動機20Fからの出力動力が歯車20Eおよび20Dを介して出力軸20Cに加算され、その加算された分、車両の加速性が向上する。
【0041】又、図2における燃費の良好な部分は、エンジン1の高出力となるElの部分にある。したがって、車両の走行する必要動力が比較的に小さい場合であって、且つエンジン1からの駆動によってその走行をしながら電池4にも充電を続けるようにしたい場合は、図3のように、入力軸1Aの側に発電機21Dを付加してもよい。
【0042】図3において、基本的に図1と異なっている部分は、入力軸1aに固設の歯車1cに歯車係合した歯車1dへ発電機21Dが連動している点である。なお、図3においては、回転子21Aから入力軸1aを介して図1におけるスリップ・リング20aと同じ機構を設けているが、そのスリップ・リングの図示を割愛している。
【0043】このように、入力軸1aに発電機21Dを付加した状態において、図示していない制御装置(図1における制御装置4Aに相当)によって変速装置21と発電機21Dを発電作用する状態に設定し、エンジン1を駆動する。
【0044】そのことによって、エンジン1からの出力動力は、一方において、入力軸1aを介して回転子21Aを駆動する。その結果、変速装置21において発電作用が生じ、その発電作用によって回転子21Aに生ずる回転反力がケーシング21Bに生じ、その回転反力が出力軸21Cを駆動する。
【0045】他方において、上記エンジン1の駆動は、入力軸1aから歯車1cおよび1dを介して、発電機21Dをも駆動することになる。そのことによって、変速装置21が上記発電した電力と共に発電機21Dが上記発電した電力も図示していない制御装置を介して電池に充電する。
【0046】このことは、出力軸21Cの側への出力は低レベルの動力を出力しつつ、入力軸1aの側には発電機21Dの負荷が加わっているから、エンジン1の負荷は大きくなる。したがって、車両走行に必要な出力動力は小さくとも、図2において出力大の燃費良好となっている低燃費領域El近くでエンジン1を作動させながら車両を走行させることができる。
【0047】又、図3において、車両の加速性を更に良好にするためには、図2におけると同様に、出力軸21Cに点線図示の電動機21Eを付加してもよい。なお、図1の電動機20Fおよび図3の電動機21Eは、発電作用を可能にして、出力軸にブレーキをかける場合、その発電作用によって、ブレーキ・エネルギーを電力に変換してエネルギー回収することもできる。
【0048】又、図1において、変速装置20は、ケーシング20Bを入力軸1aに連動させ、回転子20Aを出力軸20Cに連動させている。これに対して、図3においては、逆に、回転子21Aの側を入力軸1aに連動し、ケーシング21Bの側を出力軸21Cに連動させている。
【0049】要するに、変速装置20および21は、ケーシングが回転可能になった電動(モーター)・発電機であって、ケーシングと回転子との相対回転差分によって発電をし、あるいわモーター駆動するものである。
【0050】すなわち、それらケーシング20B,21Bと回転子20A,21Aは、いずれも回転するローター(rotor)となっており、そのいずれか一方のローターをエンジン1に連結し、そのいずれか他方のローターを出力軸20Cあるいわ21Cに連結する機構になっていれば良い。
【0051】唯、エンジン1には、フライホイール(Fly Wheel)成分を必要とするので、回転慣性モーメントの大きなケーシング20B、21Bの側を入力軸1aの側に設ければ、従来のフライホイールをその分、小さく出来る。すなわち、回転慣性モーメントの大きなケーシング20B、21Bの側を入力軸1a側に、回転慣性モーメントの小さい回転子20A,21Aの側を出力軸20C,21Cの側に連動させる方が望ましい。
【0052】又、ディスク1Aとブレーキ・シュー1bからなるブレーキ手段は、下記の理由から設けているものである。車両を電池4の電力で走行させる場合において、変速装置20あるいわ21にモーター作用をさせると、入力軸1aの側に反力トルクが生ずる。すると、その反力トルクがエンジン1を駆動しようとする。
【0053】仮に、そこで、その反力トルクがエンジン1を駆動してしまうと、そのエンジン1を駆動してしまう分は動力損失になってしまう。そこで、そのような場合、エンジン1を回転しないように拘束しておく必要がある。このようなことから、選択的に、エンジン1の回転を拘束できるブレーキ手段を設けている。
【0054】その場合において、エンジン1自体には始動抵抗が相当あるので、それらブレーキ手段は、例えば、公知の排気ブレーキを強く効かすような手段等でも良い。
【0055】図4は、図1および3における変速装置20および21が、差動歯車を利用した変速装置2に置換した機構になっており、他は図1および図3と同じである。したがって、図4については、変速装置2の部分のみの機構を説明する。
【0056】太陽歯車2a、遊星歯車2bおよびリング(ring)歯車2cからなる差動歯車装置のうち、エンジン1の出力軸でもある変速装置2の入力軸1aは、遊星歯車2bを軸支したキャリヤ(carrier)2gに連動している。
【0057】遊星歯車2bと歯車係合し且つ反力軸となっている太陽歯車2aは歯車2dと一体回転する。歯車2dは、歯車2eを介して発電作用とモーター作用を可能とする電動・発電機2Bに連動している。
【0058】遊星歯車2bと歯車係合しているリング歯車2cは、出力軸2Aを介してデフ3Aから車軸3を介して駆動輪3aおよび3bに連動し、入力軸1aには、図1および2におけると同様に、ディスク1Aとブレーキ・シュー1bからなるブレーキ手段を設けている。
【0059】図4における上記差動歯車装置の部分において、入力軸1aと出力軸2Aとの相対回転速度差によって、反力軸となっている太陽歯車2aの回転速度が決まる関係は、公知である。
【0060】又、上記差動歯車装置は、リング歯車2cの側を入力軸1aに連動させ、キャリヤー2gの側を出力軸2Aの側に連動させる変速装置であっても良い。
【0061】又、上記差動歯車は、反力軸となっている太陽歯車2aを入力軸1aに連動させ、キャリヤー2gとリング歯車2cのうち、いずれか一方を新たな反力軸とし、残る他方を出力軸2Aに連動するものであっても良い。
【0062】すなわち、上記差動歯車は、太陽歯車2a,リング歯車2cおよびキャリヤー2gの3メンバー(member)からなっており、これら3メンバーのうち、いずれか第1のメンバーを入力軸1aに、いずれか第2のメンバーを出力軸2Aに、いずれか第3のメンバーを反力軸とし、その反力軸に電動・発電機2Bを連動させるものであれば良い。
【0063】そのように各メンバーをそれぞれ入力軸1a,出力軸2Aおよび反力軸である電動・発電機2Bに連動させた変速装置の特性は、入力軸1aと出力軸2Aとの回転速度差によって電動・発電機の回転速度が決定する。
【0064】すなわち、差動歯車方式の変速装置(2)を使用した車両がエンジン1の動力を直接に使用して走行するときは、ブレーキ・シュー1bを開放した状態にして且つ電動・発電機2Bを図示していない制御装置によって発電機の状態に設定してエンジン1を駆動する。
【0065】そのエンジン1の駆動によって、差動歯車の反力軸に連動した電動・発電機2Bの回転速度は、エンジン1によって駆動される入力軸1aの回転速度と、出力軸2Aの回転速度との差によって決定する。
【0066】そのように電動・発電機2Bが発電をしながら回転すると、反力軸(図4の場合太陽歯車2a)に負荷が生じ、その負荷によって入力軸1aの回転力(図4の場合は、キャリヤー2gから遊星歯車2bを介してリング歯車2bへ伝達する回転力)は、出力軸2Aに伝達する。
【0067】その場合、変速装置の変速は反力軸のトルク制御をすれば良い。図4における場合は、電動・発電機2Bが発電する電流を制御装置によって制御すれば良い。このとき、電動・発電機2Bが発電した電力は図示していない制御装置を介して電池4に充電する。
【0068】次に、図1あるいわ3と同様、車両が都市内走行等の走行エネルギーの低い状態で走行するときは、ブレーキ・シュー1bによってディスク1Aを拘束し、入力軸1aが回転出来ないように設定し、且つ制御装置によって、電動・発電機2Bがモーター作用をする状態に設定する。
【0069】この状態で電動・発電機2Bにモーター作用をさせると、電動・発電機2Bの駆動軸である反力軸(図4の場合、太陽歯車2a)は、非回転状態にある入力軸1aに生ずる反力トルクが支えになって、その回転力を出力軸2Aに伝達する。これを図4の場合において説明すると、入力軸1aと一体的に回転固定しているキャリヤー2gに対して、電動・発電機2Bからの駆動トルクが、歯車2e,2d,2a,2bおよびリング歯車2cを介して出力軸2Aを駆動する。
【0070】このように、本発明は、入力軸1aと出力軸2A,20Cあるいわ21Cとの間に、変速装置2、20あるいわ21を設け、それら変速装置は、それら入力軸と出力軸との相対回転速度によってその回転速度を決定する電動・発電機となっており、且つそれら入力軸1aにブレーキ手段を設けている点に特徴がある。
【0071】そのことによって、ブレーキ手段を開放状態にするとき、エンジン1による発電を行いながらの変速操作可能の動力伝達を可能にし、ブレーキ手段を拘束するとき、電動・発電機によって電池4からの電力による車両走行を可能にするものである。
【0072】又、上記実施例における各出力軸2A、20C,21Cと駆動輪3a,3bとの間には、例えば図4における2Cのように、通常の補助変速機を設けても良い。
【0073】
【発明の効果】1)本発明は、電動・発電機によって変速操作と発電あるいわ充電を可能にしながら、エンジン1から駆動輪3a,3bへの機械的動力伝達による効率の良い車両走行と、電池4からの電力のみによる車両走行を可能とするものであって、その特徴は、その電動・発電機を単一にすることが可能となるものである。
【0074】2)請求項1におけるように、変速装置をケーシング回転型の電動・発電機の機構とする場合は、差動歯車を必要とせず、装置全体が簡単になる。
【0075】3)請求項2におけるように、変速装置を差動歯車方式の電動・発電機の機構とする場合は、電動・発電機として従来の電動・発電機をそのまま使用することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000161493
【氏名又は名称】宮尾 隆之
【出願日】 平成11年12月15日(1999.12.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−177913(P2001−177913A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−376607