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【発明の名称】 ハイブリッド車両の制御装置
【発明者】 【氏名】若城 輝男

【氏名】澤村 和同

【氏名】北島 真一

【氏名】▲高橋▼ 秀幸

【氏名】熊谷 克裕

【氏名】今野 文彦

【要約】 【課題】高車速時にモータによるエンジンの駆動補助に対する制限等と共に、回生量を制御できるハイブリッド車両の制御装置を提供する。

【解決手段】エンジンとモータとバッテリを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、エンジンをモータで駆動補助している際に車速が第1閾値を越えた場合にモータによる駆動力を減少する速度制限手段と、車速が第1閾値より大きい第2閾値を越えた場合にモータの発電作動を開始する発電作動開始手段と、発電作動開始手段による発電が開始された場合に車両の運転状態に応じた発電量を設定する発電量設定手段とを備え、発電量設定手段により設定された発電量に応じてモータの発電作動を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の駆動源としてのエンジンとモータと、このモータを発電機として使用した際の発電エネルギー及び車両減速時の回生エネルギーを蓄電する蓄電装置を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、前記エンジンとモータによる駆動力を発生している際に前記車両の速度が第1閾値を越えた場合にモータによる駆動力を減少する速度制限手段と、前記車両の速度が前記第1閾値より大きい第2閾値を越えた場合に前記モータの発電作動を開始する発電作動開始手段と、前記発電作動開始手段による発電が開始された場合に車両の運転状態に応じた発電量を設定する発電量設定手段と、を備え、発電量設定手段により設定された発電量に応じて前記モータの発電作動を行なうことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】 前記速度制限手段は、車両速度が前記第1閾値から第2閾値に至るまでは、第1閾値を越えた時点から前記モータによる駆動力発生を減少させ、第2閾値ではモータによる駆動力が停止されるように制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】 前記車両の速度が第2閾値よりも大きい第4閾値を越えた場合、所定間隔で、燃料カットを行なう燃料カット手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】 前記発電量設定手段の設定量には、前記車両の速度が第2閾値よりも大きく第4閾値よりも小さい第3閾値を越えた場合、スロットル開度による発電量が設定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッド車両の制御装置に係るものであり、特に、車両高速時におけるエネルギーマネージメント等を最適化することができるハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両走行用の駆動源としてエンジンの他にモータを備えたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両の一種に、エンジンの出力をモータにより駆動補助するパラレルハイブリッド車がある。このパラレルハイブリッド車は、例えば、加速時においてはモータによってエンジンの出力を駆動補助(アシスト)し、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行なう等、様々な制御を行い、バッテリの残容量(電気エネルギー)を確保しつつ運転者の要求を満足できるようになっている(例えば、特開平7−123509号公報に開示されている)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来のハイブリッド車両にあっては、加速中にはエンジンの出力をモータにより駆動補助しているが、このモータによるエンジンに対する駆動補助は、例えば燃料供給に対する所定のリミッタによりエンジンに対する燃料供給が停止されるような高車速時においても継続して行われる。この場合、エンジン側では車両を減速させる方向に制御されているにもかかわらず、モータ側では依然としてエンジンの出力による駆動力を補助駆動する方向に制御されており、両者の制御に食い違いが生じてしまうという問題がある。そして、このようなモータによる不必要な駆動補助が行われることにより、バッテリの残容量が減少してしまいエネルギーマネージメント上好ましくないという問題がある。また、高車速時にエンジンに対する燃料供給が停止されるような場合に車両がが減速状態になってすぐさまモータが減速モードとなり回生作動が行なわれると過剰な減速状態となってしまい運転者に不快感を与える可能性がある。そこで、この発明は高車速において、モータによるエンジンの駆動補助に対する制限等と共に、発電制御を適切に行なうことのできるハイブリッド車両の制御装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両の駆動源としてのエンジン(例えば、実施形態におけるエンジンE)とモータ(例えば、実施形態におけるモータM)と、このモータを発電機として使用した際の発電エネルギー及び車両減速時の回生エネルギーを蓄電する蓄電装置(例えば、実施形態におけるバッテリ3)を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、前記エンジンとモータによる駆動力を発生している際に前記車両の速度が第1閾値(例えば、実施形態におけるアシストトリガ検索上限車速#VMASTHG)を越えた場合にモータによる駆動力を減少する速度制限手段(例えば、実施形態におけるステップS100A)と、前記車両の速度が前記第1閾値より大きい第2閾値(例えば、実施形態における図15のVASTVHGの高車速側のアシスト「0」の車速値)を越えた場合に前記モータの発電作動を開始する発電作動開始手段(例えば、実施形態におけるステップS100B)と、前記発電作動開始手段による発電が開始された場合に車両の運転状態に応じた発電量を設定する発電量設定手段(例えば、実施形態におけるステップS250)と、を備え発電量設定手段により設定された発電量に応じて前記モータの発電作動を行なうことを特徴とする。
【0005】このように構成することで、車速が第1閾値を越えた場合における無駄な駆動力を減少してゆき、さらに車速が第2閾値を越えた場合にはモータを発電作動させて車速の上昇を制限することが可能となる。
【0006】請求項2に記載した発明は、前記速度制限手段は、車両速度が前記第1閾値から第2閾値に至るまでは、第1閾値を越えた時点から前記モータによる駆動力発生を減少させ、第2閾値ではモータによる駆動力が停止されるように制御することを特徴とする。このように構成することで、第2閾値においてモータの駆動力を停止することで、次に行なわれるモータの発電作動に連続的に移行することが可能となる。
【0007】請求項3に記載した発明は、前記車両の速度が第2閾値よりも大きい第4閾値を越えた場合、所定間隔で、燃料カットを行なう燃料カット手段を備えたことを特徴とする。このように構成することで、エンジンによる駆動補助の停止やモータの発電作動によっても十分でない場合において、車両を確実に減速させることが可能となる。請求高4に記載した発明は、前記発電量設定手段の設定量には、前記車両の速度が第2閾値よりも大きく第4閾値よりも小さい第3閾値を越えた場合、スロットル開度による発電量が設定されることを特徴とする。このように構成することで、モータの発電作動により車両が減速する際に、運転者の意思を示すスロットル開度に応じて発電量設定手段により発電量を設定することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1はパラレルハイブリッド車両において適用した実施形態を示しており、エンジンE及びモータMの両方の駆動力は、オートマチックトランスミッションあるいはマニュアルトランスミッションよりなるトランスミッションTを介して駆動輪たる前輪Wf,Wfに伝達される。また、ハイブリッド車両の減速時に前輪Wf,Wf側からモータM側に駆動力が伝達されると、モータMは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。尚、Wrは後輪を示す。
【0009】モータMの駆動及び回生作動は、モータECU1からの制御指令を受けてパワードライブユニット2により行われる。パワードライブユニット2にはモータMと電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ3が接続されており、バッテリ3は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを一単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。ハイブリッド車両には各種補機類を駆動するための12ボルトの補助バッテリ4が搭載されており、この補助バッテリ4はバッテリ3にダウンバータ5を介して接続される。FIECU11により制御されるダウンバータ5は、バッテリ3の電圧を降圧して補助バッテリ4を充電する。
【0010】FIECU11は、前記モータECU1及び前記ダウンバータ5に加えて、エンジンEへの燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段6の作動と、スタータモータ7の作動の他、点火時期等の制御を行う。そのために、FIECU11には、ミッションの駆動軸の回転数に基づいて車速Vを検出する車速センサS1からの信号と、エンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサS2からの信号と、トランスミッションTのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサS3からの信号と、ブレーキペダル8の操作を検出するブレーキスイッチS4からの信号と、クラッチペダル9の操作を検出するクラッチスイッチS5からの信号と、スロットル開度THを検出するスロットル開度センサS6からの信号と、吸気管負圧PBを検出する吸気管負圧センサS7からの信号とが入力される。尚、図1中、21はCVT制御用のCVTECUを示し、31はバッテリ3を保護し、バッテリ3の残容量SOCを算出するバッテリECUを示す。
【0011】「モータ動作モード判別」ここで、このハイブリッド車両の制御モードには、「アイドルモード」、「アイドル停止モード」、「減速モード」、「加速モード」及び「クルーズモード」の各モードがある。アイドルモードでは、燃料カットに続く燃料供給が再開されてエンジンEがアイドル状態に維持され、アイドル停止モードでは、例えば車両の停止時等に一定の条件でエンジンが停止される。また、減速モードでは、モータMによる回生制動が実行され、加速モードでは、エンジンをモータにより駆動補助され、クルーズモードでは、モータが駆動せず車両がエンジンEの駆動力で走行する。
【0012】次の、図3、図4のフローチャートに基づいて前記各モードを決定するモータ動作モード判別について説明する。ステップS001においてMT/CVT判定フラグF_ATのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりMT車であると判定された場合はステップS002に進む。ステップS001における判定結果が「YES」、つまりCVT車であると判定された場合はステップS010に進み、ここでCVT用インギア判定フラグF_ATNPのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS010における判定結果が「NO」、つまりインギアであると判定された場合はステップS010Aに進み、スイッチバック中(シフトレバー操作中)であるか否かをスイッチバックフラグF_VSWBの状態によって判定する。判定の結果、スイッチバック中である場合はステップS022に進み、「アイドルモード」に移行して制御を終了する。アイドルモードでは、燃料カットに続く燃料給が再開されてエンジンEがアイドル状態に維持される。ステップS010Aにおける判定の結果、スイッチバック中でない場合はステップS004に進む。
【0013】また、ステップS010における判定結果が「YES」、つまりN,Pレンジであると判定された場合は、ステップS014に進みエンジン停止制御実施フラグF_FCMGのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS014における判定結果が「NO」である場合はステップS022の「アイドルモード」に移行して制御を終了する。ステップS014においてフラグ値が「1」であると判定された場合はステップS023に進み、「アイドル停止モード」に移行して制御を終了する。アイドル停止モードでは、例えば車両の停止時等に一定の条件でエンジンが停止される。
【0014】ステップS002においては、ニュートラルポジション判定フラグF_NSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS002における判定結果が「YES」、つまりニュートラルポジションであると判定された場合は、ステップS014に進む。ステップS002における判定結果が「NO」、つまりインギアであると判定された場合は、ステップS003に進み、ここでクラッチ接続判定フラグF_CLSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」でありクラッチが「断」と判定された場合は、ステップS014に進む。ステップS003における判定結果が「NO」でありクラッチが「接」であると判定された場合は、ステップS004に進む。
【0015】ステップS004においてはIDLE判定フラグF_THIDLMGのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりスロットルが全閉であると判定された場合はステップS011に進む。ステップS004における判定結果が「YES」、つまりスロットルが全閉でないと判定された場合はステップS005に進み、モータアシストアシスト判定フラグF_MASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS005における判定結果が「NO」である場合はステップS011に進む。ステップS005における判定結果が「YES」である場合は、ステップS006に進む。
【0016】ステップS011においては、MT/CVT判定フラグF_ATのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりMT車であると判定された場合はステップS013に進む。ステップS011における判定結果が「YES」、つまりCVT車であると判定された場合はステップS012に進み、リバースポジション判定フラグF_ATPRのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりリバースポジションである場合は、ステップS022に進む。判定結果が「NO」、つまりリバースポジション以外であると判定された場合はステップS013に進む。
【0017】ステップS006においては、MT/CVT判定フラグF_ATのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりMT車であると判定された場合はステップS008において最終充電指令値REGENFが「0」以下か否かを判定し、「0」以下であると判定された場合はステップS009の「加速モード」に進み終了する。ステップS008において最終充電指令値REGENFが「0」より大きいと判定された場合は制御を終了する。
【0018】ステップS006における判定結果が「YES」、つまりCVT車であると判定された場合はステップS007に進み、ブレーキON判定フラグF_BKSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS007における判定結果が「YES」、つまりブレーキを踏み込んでいると判定された場合はステップS013に進む。ステップS007における判定結果が「NO」、つまりブレーキを踏み込んでいないと判定された場合はステップS008に進む。
【0019】ステップS013においてはエンジン制御用車速VPが「0」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまり車速が0であると判定された場合はステップS014に進む。ステップS013における判定結果が「NO」、つまり車速が0でないと判定された場合はステップS015に進む。ステップS015においてはエンジン停止制御実施フラグF_FCMGのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS015における判定結果が「NO」である場合はステップS016に進む。ステップS015においてフラグ値が「1」であると判定された場合はステップS023に進む。ステップS016においては、制御用車速VPと減速モードブレーキ判断下限車速#VRGNBKとを比較する。尚、この減速モードブレーキ判断下限車速#VRGNBKはヒステリシスを持つ値である。
【0020】ステップS016における判定の結果、制御用車速VP≦減速モードブレーキ判断下限車速#VVRGNBK、であると判定された場合は、ステップS019に進む。一方、ステップS016における判定の結果、制御用車速VP>減速モードブレーキ判断下限車速#VRGNBK、であると判定された場合は、ステップS017に進む。ステップS017においてはブレーキON判定フラグF_BKSWのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS017における判定結果が「YES」、つまりブレーキを踏み込んでいると判定された場合はステップS018に進む。ステップS017における判定結果が「NO」、つまりブレーキを踏み込んでいないと判定された場合はステップS019に進む。
【0021】ステップS018においてはIDLE判定フラグF_THIDLMGのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりスロットルが全閉であると判定された場合はステップS024の「減速モード」に進み制御を終了する。尚、減速モードではモータMによる回生制動が実行される。ステップS018における判定結果が「YES」、つまりスロットルが全閉でないと判定された場合はステップS019に進む。
【0022】ステップS019においては減速燃料カット実行フラグF_MADECFCのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。このフラグは後述する高車速域における特別なモードでの燃料カットを行なう場合の燃料カット判断フラグである。ステップS019における判定結果が「YES」、つまり減速燃料カット中であると判定された場合はステップS024に進む。ステップS019の判定結果が「NO」である場合は、ステップS020に進み最終アシスト指令値ASTPWRFの減算処理を行ない、さらにステップS021において最終アシスト指令値ASTPWRFが「0」以下か否かを判定し、「0」以下であると判定された場合はステップS025の「クルーズモード」に移行する。このクルーズモードではモータMは駆動せずに車両はエンジンEの駆動力で走行する。また、車両の運転状態に応じてモータMを回生作動させたり発電機として使用してバッテリ3への充電を行う場合もある。ステップS021において最終アシスト指令値ASTPWRFが「0」より大きいと判定された場合は制御を終了する。
【0023】「バッテリ残容量SOCのゾーニング」次に、アシストトリガ判定、クルーズモードに大きな影響を与えるバッテリ残容量SOCのゾーンニング(いわゆる残容量のゾーン分け)について説明する。バッテリの残容量の算出はバッテリECU31にておこなわれ、例えば、電圧、放電電流、温度等により算出される。
【0024】この一例を説明すると通常使用領域であるゾーンA(SOC40%からSOC80%ないし90%)を基本として、その下に暫定使用領域であるゾーンB(SOC20%からSOC40%)、更にその下に、過放電領域であるゾーンC(SOC0%からSOC20%)が区画されている。ゾーンAの上には過充電領域であるゾーンD(SOC80%ないし90%から100%)が設けられている。各ゾーンにおけるバッテリ残容量SOCの検出は、ゾーンA,Bでは電流値の積算で行い、ゾーンC,Dはバッテリの特性上電圧値等を検出することにより行われる。尚、各ゾーンの境界には、上限と下限に閾値を持たせてあり、かつ、この閾値はバッテリ残容量SOCの増加時と減少時とで異なるようにしてヒステリシスを設定してある。
【0025】「アシストトリガ判定」図5、図6に示すのはアシストトリガ判定のフローチャート図、具体的には加速/クルーズのモードを領域により判定するフローチャート図である。ステップS100においてエネルギーストレージゾーンCフラグF_ESZONECのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがCゾーンにあると判定された場合はステップS136において最終アシスト指令値ASTPWRFが0以下であるか否かを判定する。ステップS136における判定結果が「YES」、つまり最終アシスト指令値ASTOWRFが0以下であると判定された場合は、ステップS137においてクルーズ充電量減算係数KTRGRGNに「1.0」を代入し、ステップS122においてモータアシスト判定フラグF_MASTに「0」を代入してリターンする。
【0026】ステップS100及びステップS136における判定結果が「NO」の場合はステップS100Aに進む。ステップS100Aでは制御用車速VPとアシストトリガ検索上限車速#VMASTHGとを比較する。尚、この値#VMASTHGはヒステリシスを持つ値である。ステップS100Aにおいて制御用車速VPがアシストトリガ検索上限車速#VMASTHG以下であると判定された場合はステップS101に進む。ここでアシストトリガ検索上限車速#VMASTHGは、例えば170kmである。
【0027】そして、ステップS100Aにおいて制御用車速VPがアシストトリガ検索上限車速#VMASTHGより大きいと判定された場合は、ステップS100Bに進み、ここで、制御用車速VPから、図7に示すように高車速域のクルーズ充電量補正係数KTRGRGNを#KVTRGRNテーブル検索により求める。そしてステップS122に進む。尚、このクルーズ充電量補正係数KTRGRGNは後述する図19のステップS365で係数として用いられる。したがって、車速が高くなるほど係数が大きくなるのでクルーズ充電量CRSRGNが徐々に大きくなりモータ駆動からいきなり充電とならずスムーズな変化とでき車両の挙動変化を小さくできる。したがって、ステップS100Aの判定によってアシストトリガ検索上限車速#VMASTHGより大きいときにはステップS100Bの後アシストトリガの検索を行なわないため加速モードには入らない。また、後述する図15に示すようにモータアシストの徐々抜きを行なうことで急激にモータアシストを抜いた場合のように駆動力変化によるショックを起こすことはない。
【0028】次に、ステップS101においてはスロットルアシストトリガ補正値DTHASTの算出処理が行われる。この処理は、大気圧に応じて、12V消費電力が大きい場合に応じてアシストトリガ閾値を持ち上げるための処理である。次に、ステップS102では、#MTHASTスロットル(アシストトリガ)テーブルからスロットルアシストトリガの基準となる閾値MTHASTNを検索する。この#MTHASTスロットル(アシストトリガ)テーブルは、図9の実線で示すように、エンジン回転数NEに対して、モータアシストするか否かの判定の基準となるスロットル開度の閾値MTHASTNを定めたもので、エンジン回転数NEに応じて閾値が設定されている。
【0029】次のステップS103、ステップS106で、前記ステップS102で求められたスロットルアシストトリガの基準閾値MTHASTNに前述のステップS101で算出された補正値DTHASTを加えて、高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHを求めるとともに、この高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHからヒステリシスを設定するための差分#DMTHASTを引いて、低スロットルアシストトリガ閾値MTHASTLを求める。これら高低スロットルアシストトリガ閾値を図9のスロットルアシストトリガテーブルの基準閾値MTHASTNに重ねて記載すると破線で示すようになる。
【0030】ここで、上記ステップS103の後のステップS104ではスロットルアシストトリガ上限値MTHHASTNをエンジン回転数NEに応じて図10に示すスロットルアシストトリガ上限リミットテーブルにより検索する。そして、ステップS105においてステップS103で求めた高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHがスロットルアシストトリガ上限値MTHHASTN以上か否かを判定する。判定の結果、高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHがスロットルアシストトリガ上限値MTHHASTN以上である場合は、ステップS105Aに進み、ここで高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHにスロットルアシストトリガ上限値MTHHASTNを代入してステップS106に進む。ステップS105における判定の結果、高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHがスロットルアシストトリガ上限値MTHHASTNより小さい場合はステップS106に進む。
【0031】したがって、上記ステップS104,S105,S105Aにより、後述するステップS101のスロットルアシストトリガ補正算出におけるアシストトリガ閾値の持ち上げ量にかかわらず、スロットルアシストトリガ上限値MTHHASTNを限度としてアシストトリガ閾値が設定される。したがって、エンジン回転数NEに応じて高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTHに上限値を設けることにより、必要以上にアシストに入り難くなるのを防止してドライバビリティーを向上することができる。
【0032】そして、ステップS107において、スロットル開度の現在値THEMがステップS105、ステップS106で求めたスロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上であるか否かが判定される。この場合のスロットルアシストトリガ閾値MTHASTは前述のヒステリシスを持った値であり、スロットル開度が大きくなる方向にある場合は高スロットルアシストトリガ閾値MTHASTH、スロットル開度が小さくなる方向にある場合は低スロットルアシストトリガ閾値MTHASTLがそれぞれ参照される。
【0033】このステップS107における判定結果が「YES」である場合、つまりスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST(高低のヒステリシスを設定した閾値)以上である場合は、ステップS109に、判定結果が「NO」、つまりスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST(高低のヒステリシスを設定した閾値)以上でない場合はステップS108に進む。ステップS109では、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「1」をセットし、一方ステップS108では、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「0」をセットする。
【0034】ここまでの処理は、スロットル開度THがモータアシストを要求する開度であるか否かの判断を行っているもので、ステップS107でスロットル開度の現在値THEMがスロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上と判断された場合には、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHを「1」にして、前述した「加速モード」においてこのフラグを読むことによりモータアシストが要求されていると判定される。
【0035】一方、ステップS108でスロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「0」がセットされるということは、スロットル開度によるモータアシスト判定の領域でないことを示す。この実施形態では、アシストトリガの判定をスロットル開度THとエンジンの吸気管負圧PBとの両方で判定することとしており、スロットル開度の現在値THEMが前記スロットルアシストトリガ閾値MTHAST以上である場合にスロットル開度THによるアシスト判定がなされ、この閾値を超えない領域においては後述の吸気管負圧PBによる判定がなされる。そして、ステップS109において、スロットルモータアシスト判定フラグF_MASTTHに「1」をセットした後、通常のアシスト判定から外れるべくステップS134に進み、クルーズ充電量の減算係数KTRGRGNに「0」をセットし、次のステップS135でモータアシスト判定フラグF_MASTに「1」をセットしてリターンする。
【0036】一方、ステップS110においては、MT/CVT判定フラグF_ATのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。判定結果が「NO」、つまりMT車であると判定された場合はステップS111に進む。ステップS110における判定結果が「YES」、つまりCVT車であると判定された場合はステップS123に進む。ステップS111においては、吸気管負圧アシストトリガ補正値DPBASTの算出処理が行われる。この処理も、大気圧に応じて、12V消費電力が大きい場合に応じてアシストトリガ閾値を持ち上げるための処理である。
【0037】次に、ステップS112で、吸気管負圧アシストトリガテーブルから吸気管負圧アシストトリガの閾値MASTL/H(MY用)を検索する。この吸気管負圧アシストトリガテーブルは、図11の2本の実線で示すように、エンジン回転数NEに対して、モータアシストするか否かの判定のための高吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTHと、低吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTLとを定めたもので、ステップS112の検索処理においては、吸気管負圧PBAの増加に応じて、あるいはエンジン回転数NEの減少に応じて図11の高閾値ラインMASTHを下から上に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「0」から「1」にセットし、逆に吸気管負圧PBAの減少に応じて、あるいはエンジン回転数NEの増加に応じて低閾値ラインMASTLを上から下に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「1」から「0」にセットするようになっている。尚、図11は各ギア毎に、またストイキ/リーンバーン毎に持ち替えを行っている。
【0038】そして、次のステップS113で、モータアシスト判定フラグF_MASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定し、判定結果が「1」である場合はステップS114に、判定結果が「1」でない場合はステップS115に進む。そして、ステップS114においては、吸気管アシストトリガ閾値MASTを、ステップS112で検索した吸気管負圧アシストトリガの低閾値MASTLとステップS111で算出された補正値DPBASTとを加えた値として算出し、ステップS116において、吸気管負圧の現在値PBAが、ステップS114で求めた吸気管アシストトリガ閾値MAST以上か否かを判定する。判定結果が「YES」の場合は、ステップS134に進む。判定結果が「NO」の場合はステップS119に進む。また、ステップS115においては、吸気管アシストトリガ閾値MASTを、ステップS112で検索した吸気管負圧アシストトリガの高閾値MASTHとステップS111で算出された補正値DPBASTとを加えた値として算出し、ステップS116に進む。
【0039】次に、ステップS119においては、図8に示すように上記吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTから、所定の吸気管負圧のデルタ値#DCRSPB(例えば100mmHg)を引くことで、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTFLを求める。次に、ステップS120において、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTFLと吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTを、図12に示すように吸気管負圧の現在値PBAで補間算出して、クルーズ充電量減算係数テーブル値KPBRGNを求め、ステップS121においてクルーズ充電量減算係数テーブル値KPBRGNをクルーズ充電量減算係数KTRGRGNに代入する。そして、ステップS122においてモータアシスト判定フラグF_MASTに「0」を代入してリターンする。
【0040】前記ステップS123においては吸気管負圧アシストトリガ補正値DPBASTTHの算出処理が行われる。この処理も、大気圧に応じて、12V消費電力が大きい場合に応じてアシストトリガ閾値を持ち上げるための処理である。
【0041】次に、ステップS124で、吸気管負圧アシストトリガテーブルから吸気管負圧アシストトリガの閾値MASTTHL/H(CVT用)を検索する。この吸気管負圧アシストトリガテーブルは、図13の2本の実線で示すように、エンジン制御用車速VPに対して、モータアシストするか否かの判定のための高吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTTHHと、低吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTTHLとを定めたもので、ステップS124の検索処理においては、スロッル開度THの増加に応じて、あるいはエンジン制御用車速VPの減少に応じて図13の高閾値ラインMASTTHHを下から上に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「0」から「1」にセットし、逆にスロットル開度THの減少に応じて、あるいはエンジン制御用車速VPの増加に応じて低閾値ラインMASTTHLを上から下に通過すると、モータアシスト判定フラグF_MASTを「1」から「0」にセットするようになっている。尚、図13はストイキ/リーンバーン毎に持ち替えを行っている。
【0042】そして、次のステップS125で、モータアシスト判定フラグF_MASTのフラグ値が「1」であるか否かを判定し、判定結果が「1」である場合はステップS126に、判定結果が「1」でない場合はステップS127に進む。そして、ステップS126においては、吸気管アシストトリガ閾値MASTTHを、ステップS124で検索した吸気管負圧アシストトリガの低閾値MASTTHLとステップS123で算出された補正値DPBASTTHとを加えた値として算出し、ステップS128において、スロットル開度の現在値THEMが、ステップS126で求めた吸気管アシストトリガ閾値MASTTH以上か否かを判定する。判定結果が「YES」の場合は、ステップS134に進む。判定結果が「NO」の場合はステップS131に進む。ステップS127においては吸気管アシストトリガ閾値MASTTHに高吸気管アシストトリガ閾値MASTTHHと補正値DPBASTTHとを加えステップS128に進む。
【0043】次に、ステップS131においては、図8に示すように上記吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTTHから、所定のスロットル開度のデルタ値#DCRSTHVを引くことで、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTTHFLを求める。次に、ステップS132において、最終吸気管負圧アシストトリガ下限閾値MASTTHFLと吸気管負圧アシストトリガ閾値MASTTHを、図12に示すようにスロットル開度の現在値THEMで補間算出して、クルーズ充電量減算係数テーブル値KPBRGTHを求め、ステップS133においてクルーズ充電量減算係数テーブル値KPBRGTHをクルーズ充電量減算係数KTRGRGNに代入する。そして、ステップS122においてモータアシスト判定フラグF_MASTに「0」を代入してリターンする。
【0044】「加速モード」図14に示すのは加速モードのフローチャートである。この加速モードにおいてはアシスト量が算出される。ステップS220において加速モードか否かを判定し、加速モードではないと判定された場合はステップS221において最終アシスト指令値ASTPWRFに「0」をセットしてステップS223に進む。ステップS220における判定の結果、加速モードである場合はステップS222において通常アシスト最終演算値ACCASTFに最終アシスト指令値ASTPWRFを代入してステップS223に進む。ステップS223においては通常アシスト算出処理がなされ、次に、ステップS224において最終アシスト指令値ASTPWRFに最終通常アシスト演算値ACCASTFを代入する。
【0045】そして、ステップS224において、最終アシスト指令値ASTPWRFに所定のアシスト量がセットされると、ステップS225において通常アシストとなり、次にステップS226において図15に示すように制御用車速VPに応じてアシスト量上限値ASTVHGをテーブル検索により求める。そして、ステップS227において最終アシスト指令値ASTPWRFがアシスト量上限値ASTVHG以上か否かを判定し、判定の結果が「YES」である場合は、ステップS228においてアシスト量上限値にASTVHGを最終アシスト指令値にセットし、ステップS229で最終発電量に「0」をセットしてリターンする。ステップS227における判定結果が「NO」である場合はステップS229に進む。したがって、車速が前述したステップS100Aの一定値(VMASTHG)以上の高車速域になると図15に示すように車速による制限がかかり、車速に応じてアシストが徐々に減少し、最終的に0になる。これによって無駄なアシストがなくなりエネルギーマネージメント上有利となる。また、後述するようにモータの発電作動へスムーズに移行でき、運転者に不快感を与えるようなことはない。
【0046】「クルーズモード」次に、クルーズモードについて図16〜図26に基づいて説明する。先ず、図16のクルーズモードのメインフローチャートを説明する。ステップS250Aにおいて、クルーズモードか否かを判定する。ステップS250Aにおける判定の結果、クルーズモードでない場合はステップS250Cにおいて最終クルーズ充電量CRSRGNFに「0」をセットし、ステップS250に進む。また、ステップS250Aにおける判定の結果、クルーズモードである場合はステップS250Bにおいて、最終クルーズ充電量CRSRGNFに最終充電指令値REGENFをセットし、ステップS250に進む。次のステップS250においては後述する図17、図18のクルーズ充電量算出処理がなされる。そして、ステップS251に進み、徐々加減算タイマTCRSRGNが0か否かを判定し、判定結果が「NO」の場合は、ステップS259において最終クルーズ充電量CRSRGNFを最終充電指令値REGENFにセットし、ステップS260において最終アシスト指令値ASTWRFに「0」をセットして制御を終了する。
【0047】ステップS251における判定結果が「YES」である場合は、ステップS252において、徐々加減算タイマTCRSRGNに所定値#TMCRSRGNをセットしてステップS253に進む。ステップS253においてはクルーズ充電量CRSRGNが最終クルーズ充電量CRSRGNF以上か否かを判定する。ステップS253における判定結果が「YES」である場合は、ステップS257において最終クルーズ充電量CRSRGNFに徐々加算量#DCRSRGNPを加えてゆき、ステップS258において再度クルーズ充電量CRSRGNが最終クルーズ充電量CRSRGNF以上であるか否かを判定する。ステップS258における判定の結果、クルーズ充電量CRSRGNが最終クルーズ充電量CRSRGNF以上となった場合はステップS259に進む。
【0048】ステップS258における判定の結果、クルーズ充電量CRSRGNが最終クルーズ充電量CRSRGNFよりも小さい場合は、ステップS256に進み、ここでクルーズ充電量CRSRGNを最終クルーズ充電量CRSRGNFに代入してステップS259に進む。ステップS253における判定結果が「NO」である場合は、ステップS254において最終クルーズ充電量CRSRGNFから徐々減算量#DCRSRGNMを減算してゆき、ステップS255において、最終クルーズ充電量CRSRGNFがクルーズ充電量CRSRGN以上であるか否かを判定する。ステップS255における判定の結果、クルーズ充電量CRSRGNが最終クルーズ充電量CRSRGNFより大きくなった場合はステップS256に進む。ステップS255における判定の結果、最終クルーズ充電量CRSRGNFがクルーズ充電量CRSRGN以上となった場合はステップS259に進む。したがって、ステップS251以降の処理により、発電量の急変によるショックをなくしてクルーズ充電モードにスムーズに移行することができる。
【0049】次に、図16のステップS250におけるクルーズ充電量算出のフローチャートについて図17、図18によって説明する。ステップS300においてクルーズ充電量CRSRNMをマップ検索する。このマップはエンジン回転数NE、吸気管負圧PBGAに応じて定められた発電量を示しており、CVTとMTで持ち替えを行っている。
【0050】次に、ステップS302に進み、エネルギーストレージゾーンD判定フラグF_ESZONEDが「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンDであると判定された場合は、ステップS323に進み、クルーズ充電量CRSRGNに「0」をセットしステップS328に進む。ステップS328においては最終クルーズ充電指令値CRSRGNFが「0」か否かを判定する。ステップS328における判定の結果、指令値が「0」ではないと判定された場合はステップS329に進みクルーズ充電停止モードに移行して制御を終了する。ステップS328における判定の結果、指令値が「0」であると判定された場合はステップS330に進みクルーズバッテリ供給モードに移行して制御を終了する。
【0051】ステップS302における判定結果が「NO」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンD以外であると判定された場合は、ステップS303に進み、エネルギーストレージゾーンC判定フラグF_ESZONECが「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンCであると判定された場合はステップS304に進み、ここでクルーズ充電量の補正係数KCRSRGNに「1」(強充電モード用)が代入され、ステップS316に進む。ステップS303における判定結果が「NO」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンC以外であると判定された場合はステップS305に進む。
【0052】ステップS305においては、エネルギーストレージゾーンB判定フラグF_ESZONEBが「1」であるか否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンBであると判定された場合はステップS306に進む。ステップS306においてはクルーズ充電量の補正係数KCRSRGNにクルーズ充電量係数#KCRGNWK(弱充電モード用)が代入され、ステップS313に進む。
【0053】一方、ステップS305における判定結果が「NO」、つまりバッテリ残容量SOCがゾーンB以外であると判定された場合はステップS307に進み、ここでDODリミット判定フラグF_DODLMTのフラグ値が「1」か否かを判定する。ステップS307における判定結果が「YES」である場合は、ステップS308に進み、クルーズ充電量の補正係数KCRSRGNにクルーズ充電量係数#KCRGNDOD(DOD制限充電モード用)が代入され、ステップS313に進む。ここでDOD制限充電モードとは、バッテリの初期残容量が一定量低下したらバッテリ残容量SOCを回復傾向にするようにアシスト量やクルーズ充電量を制御するモードである。これにより通常よりも増量して設定された発電量により速やかにバッテリ残容量SOCを回復することができる。
【0054】一方、ステップS307における判定結果が「NO」である場合はステップS309に進み、エアコンONフラグF_ACCのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりエアコンが「ON」であると判定された場合は、ステップS310に進みクルーズ充電量の補正係数KCRSRGNにクルーズ充電量係数#KCRGNHAC(HAC_ON充電モード用)が代入され、ステップS313に進む。
【0055】ステップS309における判定結果が「NO」、つまりエアコンが「OFF」であると判定された場合はステップS311に進み、クルーズモード判定フラグF_MACRSのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。ステップS311の判定結果が「NO」、つまりクルーズモードではないと判定された場合は、ステップS325においてクルーズ充電量CRSRGNに「0」を代入して、ステップS326に進む。ステップS311の判定結果が「YES」、つまりクルーズモードであると判定された場合はステップS312に進み、クルーズ充電量CRSRGNにクルーズ充電量係数#KCRGN(通常充電モード用)を代入して、ステップS313に進む。
【0056】ステップS326においてはエンジン回転数NEが、クルーズバッテリ供給モード実行上限エンジン回転数#NDVSTP以下か否かを判定し、判定結果が「YES」、つまりエンジン回転数NE≦クルーズバッテリ供給モード実行上限エンジン回転数#NDVSTPであると判定された場合は、ステップS328に進む。
【0057】ステップS326における判定結果が「NO」、つまりエンジン回転数NE>クルーズバッテリ供給モード実行上限エンジン回転数#NDVSTPであると判定された場合は、ステップS329に進む。尚、上記クルーズバッテリ供給モード実行上限エンジン回転数#NDVSTPはヒステリシスを持った値である。ステップS313においては、バッテリの残容量QBAT(SOCと同義)が通常充電モード実行上限残容量#QBCRSRH以上であるか否かを判定する。尚、上記通常充電モード実行上限残容量#QBCRSRHはヒステリシスをもった値である。
【0058】ステップS313における判定結果が「YES」、つまりバッテリの残容量QBAT≧通常充電モード実行上限残容量#QBCRSRHであると判定された場合はステップS325に進む。バッテリの残容量QBAT<通常充電モード実行上限残容量#QBCRSRHであると判定された場合は、ステップS314において、リーンバーン判定フラグF_KCMLBのフラグ値が「1」か否かを判定する。判定結果が「YES」、つまりリーンバーンであると判定された場合はステップS315において、クルーズ充電量の補正係数KCRSRGNにクルーズ充電量係数#KCRGNLB(リーンバーン充電モード用)をかけた値がクルーズ充電量の補正係数KCRSRGNに代入され、ステップS316に進む。ステップS314の判定結果が「NO」、つまりリーンバーンモードではないと判定された場合も、ステップS316に進む。ステップS316においては、後述するクルーズ充電量補正係数(図19に示す)を求めて、ステップS322のクルーズ充電モードに移行して終了する。
【0059】次に、図18のクルーズ充電量の算出サブルーチンのステップS316におけるクルーズ充電量補正係数算出処理を図19のフローチャートにより説明する。ステップS351において、エンジン制御用車速VPにより図20に示すクルーズ充電量減算係数KVCRSRGを#KVCRSRGテーブル検索により求める。この係数は車両の発進から低車速域の加速時に用いられ所定車速で「1」となる係数であり、ステップS365でクルーズ充電量にかけられる。次に、ステップS352においてクルーズ充電量のマップ値CRSRGNM(ステップS300で求めた)にクルーズ充電量の補正係数KCRSRGN(図17、図18で求めた)をかけた値をクルーズ充電量CRSRGNに代入する。そして、ステップS353において平均消費電流VELAVEにより図21に示す補正量CRGVELを#CRGVELNテーブル検索により求めステップS354に進む。
【0060】ステップS354においてはクルーズ充電量CRSRGNに補正加算量CRGVELを加算してステップS355に進む。これにより12V消費分を上乗せできる。ステップS355では、制御用大気圧PAにより図22に示すクルーズ充電量PA補正係数KPACRSRNを#KPACRSRNテーブル検索により求めてステップS356に進む。
【0061】ステップS356においてはギアポジションNGRが#NGRKCRSクルーズ充電スロットル補正実行下限ギアポジション以上か否かを判定する。ステップS356における判定の結果、「NO」つまりHiギア(2速相当のギア以上を想定)である場合は、ステップS359に進み、クルーズ充電スロットル補正係数#KTHCRSRNに「1.0」をセットしてステップS361に進む。このように「1.0」をセットすることにより後述するステップS365においてクルーズ充電量が急激に減少するのを防止している。ステップS356における判定の結果、「YES」つまりLoギアである場合はステップS357に進む。ステップS357においては、制御用車速VPがクルーズ充電スロットル補正実行下限車速#VKCRS以下か否かを判定(スロットルによる補正ができる車速30km/h(ヒステリシス付き)を想定)し、判定の結果が「NO」つまり高車速である場合はステップS359に進む。ステップS357における判定の結果が「YES」つまり低車速である場合はステップS358に進み、図23に示すようにエンジン回転数NEに応じた#THCRSRNH/Lテーブル検索を行い、ステップS360に進む。ステップS360においては、図24に示すように現在スロットルTHEMに応じた#KTHCRSRNを補間算出してクルーズ充電スロットル補正係数KTHCRSRNを求めてステップS361に進む。
【0062】次に、ステップS361において、制御用車速VPとクルーズ充電スロットル全開補正実施上限車速#VCRCTとを比較する。ここでこの充電スロットル全開補正実施上限車速#VCRCTはヒステリシスを持った値である。例えば、Hi側で180Km/hである。ステップS361における判定の結果が「NO」、つまり高車速スロットル全開である場合は、ステップS362においてクルーズ充電スロットル全開補正係数KTHCRCTに「1.0」をセットしてステップS365に進む。よってこの場合はスロットル開度による補正は行なわれずに、固定値「1.0」をセットするのである。ステップS361における判定の結果が「YES」、つまり低車速である場合は、図25に示すようにステップS363においてエンジン回転数NEに応じた#THCRCTNH/Lテーブル検索を行いステップS364に進む。
【0063】ステップS364においては、図26に示すように現在スロットルTHEMに応じた#KTHCRCTN補間算出によりクルーズ充電スロットル全開補正係数KTHCRCTを求めて、ステップS365に進む。つまり、スロットル開度に応じて補正係数を定めるのである。具体的にはスロットル開度が大きいほど少しずつクルーズ充電量を減算するようになっている。そして、ステップS365において、クルーズ充電量CRSRGNに、ステップS355において求めたクルーズ充電量PA補正係数KPACRSRNと、クルーズ充電量減算係数KTRGRGN(アシストトリガ判定のステップS121で設定)と、ステップS351で求めたクルーズ充電量減算係数KVCRSRGと、ステップS360で求めたクルーズ充電スロットル補正係数KTHCRSRNと、ステップS364で求めたクルーズ充電スロットル全開補正係数KTHCRCTを掛け合わせて、最終的なクルーズ充電量CRSRGNを求める。
【0064】次に、図27、図28によって、燃料カット判定について説明する。この判定により前記図4のステップS019における減速燃料カット実行フラグF_MADECFCの判定がなされる。ステップS401においてエンジン回転数NEが高回転燃料カット回転数NHFC1以上か否かを判定する。ステップS401における判定の結果が「YES」、つまり高回転であると判定された場合は、ステップS407に進み、高回転燃料カットフラグF_HIFCに「1」を、減速燃料カット実行フラグF_MADECFCに「0」をセットしてステップS408に進む。ステップS408においては燃料カット実行中フラグF_FCに「1」をセットして終了する。ここでステップS401における判定はいわゆるレプリミッターにかかるような高回転時のエンジン保護のための高回転に起因する燃料カット(F_HIFC=1)を行なうのである。ここで、図4のモータ動作モード判別のステップS019における「F_MADECFC」との関係であるが、ステップS407で「F_MADECFC←0」とするのは、高回転燃料カットによる燃料カット(F_FC←1)を行なった場合に、車両が減速状態となることですぐさまモータ動作を減速モード(ステップS024)に移行してしまうと燃料カットによる減速とモータの減速モード(回生制動による)減速にて過剰な減速が行なわれてしまうため、車両へのショックが出てしまい運転者に不快感を与える無くすため、この場合あえてモータの減速モードへ移行しないようにしているのである。尚、上記高回転燃料カット回転数NHFC1は車速、水温、エアコン、スロットルで閾値の補正を行なう。
【0065】ステップS401における判定の結果が「NO」、つまり低回転である場合は、ステップS402に進み、ここで制御用車速VPが高車速リミッター用判別車速#VHFC以上か否かを判定する。この高車速リミッター用判別車速#VHFCは、例えば、183km/hである。ステップS402における判定の結果が「YES」、つまり高車速である場合は、ステップS404において、高車速燃料カットディレイタイマTDFCONが「0」か否かを判定し、判定の結果「0」である場合はステップS406に進む。ステップS406においては高車速燃料カット復帰ディレイタイマTDFCOFFに所定値#TMDFCOFF(例えば、0.2sec)をセットしてステップS407に進む。ここでステップS407の「F_MADECFC←0」は上記段落番号の欄にて述べたように高車速時に燃料カットとモータによる減速モード(回生制動)を同時に行なうと車体へのショックが大きく出るのを防ぐためである。ステップS404における判定の結果、「0」でない場合は図28のステップS409に進む。つまり制御用車速VPが上昇してゆき、高車速リミッター用判別車速#VHFCまでは、高車速燃料カットディレイタイマTDFCONをセットし、制御用車速VPが、高車速リミッター用判別車速#VHFCを越えると、高車速燃料カットディレイタイマTDFCONが「0」となるまでは燃料カットは行なわれない。高車速燃料カットディレイタイマTDFCONが「0」となったら高車速燃料カット復帰ディレイタイマTDFCOFFをセットして燃料カットを行なうのである。
【0066】ステップS402における判定の結果が「NO」、つまり低車速である場合はステップS403に進み、ここで高車速燃料カット復帰ディレイタイマTDFCOFFが「0」か否かを判定し、判定の結果「0」である場合はステップS405に進む。ステップS405においては高車速燃料カットディレイタイマTDFCONに所定値#TMDFCON(例えば、0.5sec)をセットしてステップS409に進む。ステップS403における判定の結果「0」でない場合はステップS407に進む。この場合も、上記ステップS407の「F_MADECFC←0」により上述したように高車速時に燃料カットとモータによる減速モード(回生制動)を同時に行なった場合における車体へのショックを防止することができる。ステップS409においては、アイドル判定フラグF_THIDLEが「1」か否かを判定する。判定の結果が[YES]、つまりスロットルが「開」である場合は、ステップS419に進む。ステップS419においては燃料カットディレイ持替え判定フラグF_FCDCRSが「1」か否かを判別する。
【0067】ステップS419における判別の結果「YES」である場合は、ステップS420において燃料カットディレイタイマTFCDLYに所定値#TMTCDCRSをセットしてステップS422に進む。ステップS422においては高回転燃料カットフラグF_HIFCに「0」を、減速燃料カット実行フラグF_MADECFCに「0」をセットしてステップS423に進む。ステップS423においては燃料カット実行中フラグF_FCに「0」をセットして終了する。ステップS419における判定の結果「NO」である場合はステップS421において燃料カットディレイタイマTFCDLYに所定値#TMFCDをセットしてステップS422に進む。
【0068】前記ステップS409においてアイドル判定フラグF_THIDLEが「1」、つまりスロットルが「閉」である場合は、ステップS410に進み、スロットル燃料カット回転数NFCTの算出を行う。この算出は燃料側からの要求と運転者側からの要求を同時に満たすためにエンジン運転状態に応じて燃料カット回転数を設定するものである。次に、ステップS411においてエンジン回転数NEがスロットル燃料カット回転数NFCT以下か否かを判定する。判定の結果が「YES」、つまり高回転である場合はステップS419に進む。ステップS411における判定の結果が「NO」、つまり低回転である場合はステップS412に進む。
【0069】ステップS412においては燃料カット実行中フラグF_FCが「1」か否かを判定する。判定の結果フラグ値が「0」である場合はステップS413に進む。ステップS413においては1サイクル前のPBAと今回のPBAとの差を示すDPBACYLの絶対値の負値が所定値#DPBDLY以上か否かを判定する。これにより吸気管負圧PBの安定を判定している。判定結果が「YES」の場合(安定してる場合)は、ステップS419に進む。ステップS413における判定結果が「NO」の場合(安定してない場合)は、ステップS414に進み、ここで燃料カットディレイタイマTFCDLYが「0」か否かを判定する。判定の結果が「YES」である場合は、ステップS422に進む。ステップS414における判定の結果が「NO」である場合は、ステップS415に進みここでモータ始動モードフラグF_STMODMAが「1」か否かを判定する。
【0070】ステップS415における判定の結果、フラグ値が「1」、つまりモータによる始動モードに入っている場合は、ステップS417において、高回転燃料カットフラグF_HIFCに「0」を、減速燃料カット実行フラグF_MADECFCに「1」をセットしてステップS418に進む。ステップS418においては燃料カット実行中フラグF_FCに「1」をセットして終了する。ステップS415における判定の結果、フラグ値が「0」、つまりモータによる始動モードに入っていない場合は、ステップS416において、高回転燃料カットフラグF_HIFCに「0」を、減速燃料カット実行フラグF_MADECFCに「1」をセットしてステップS418に進む。
【0071】この実施形態においては、図2に示すように、車速が第1の閾値であるアシストトリガ検索上限車速#VMASTHG、例えば170km/hを越えると図15に示すようにアシスト量上限値ASTVHGによる高車速アシスト制限を行ないアシスト量を減算してゆき、次に第2の閾値である図15における高車速側のアシスト量「0」の点、例えば、175km/hで、今度は車速に応じてクルーズ充電量補正係数KTRGRGNにより高車速域におけるクルーズ充電量の徐々加算を行ない後に一定の発電量(クルーズ充電量と12V消費分)とし、そして、更に車速が第3の閾値であるクルーズ充電スロットル全開補正実施上限車速#VCRCT、例えば、180km/hを超えると、さらに高車速リミッター用判別車速#VHFC、例えば、183km/hに至った時点から、高車速燃料カットディレイタイマTDFCONにより、例えば0.5sec後に燃料カットが実施され、高車速リミッター用判別車速#VHFCを下回ると高車速燃料カット維持ディレイタイマTMDFCOFFにより、例えば0.2sec後に燃料カットが解除される。
【0072】したがって、クルーズ充電の算出を行なうにあたっては、エンジン回転数NEと吸気管負圧PBによる検索値に対して、スロットルによる補正量を乗ずるようにしたため、運転者の意思を十分に反映した制御が可能となる。そして、エンジン回転数NE方向で変化させるようにしたためエンジンの出力特性にあった制御となる点で有利である。また、車速上限に達するような高車速域では、上記スロットル方向での補正を禁止し、車速によるアシストの徐々抜き、クルーズ充電の徐々入れ、燃料カットの制御を効果的に行なうことにより、上限車速に対する制限と車速の維持及び高速域のエネルギーマネージメントを最適化することができる。尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、前述した各具体的数値は、一例であって、これに限られるものではない。
【0073】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、車速が第1閾値を越えた場合における無駄な駆動力を減少してゆき、さらに車速が第2閾値を越えた場合にはモータを発電作動させて車速の上昇を制限することが可能となるため、いきなりエンジンに対する燃料供給を停止したような場合に比較して、減速により運転者が受ける違和感を軽減することができるという効果がある。
【0074】請求項2に記載した発明によれば、上記効果に加え、第2閾値においてモータの駆動力を停止することで、次に行なわれるモータの発電作動に連続的に移行することが可能となるため、駆動力停止からモータの発電作動へスムーズに移行でき、運転者に不快感を与えることがないという効果がある。
【0075】請求項3に記載した発明によれば、上記効果に加え、エンジンによる駆動補助の停止やモータの発電作動によっても十分でない場合において、車両を確実に減速させることが可能となるため、車両高速時において無駄なエネルギーを使用しなくても済み、燃費を向上できる効果がある。
【0076】請求項4に記載した発明によれば、上記効果に加え、モータの発電作動により車両が減速する際に、運転者の意思を示すスロットル開度に応じて発電量設定手段により発電量を設定することが可能となるため、モータによる発電作動が始まるとスロットル開度に応じて定められた発電量により、スロットル開度、つまり運転者のアクセルペダルの踏み込み状況に応じた違和感のない減速を行なうことができるという効果がある。その結果、エネルギーマネージメントを容易化し、商品性を高めることができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
【公開番号】 特開2001−177910(P2001−177910A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−361918