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【発明の名称】 自動列車制御装置
【発明者】 【氏名】鈴木 克徳

【氏名】佐藤 裕典

【要約】 【課題】列車の後退検知などの異常を検知した時の乗客の保護、安全性、乗り心地の向上を図ることにある。

【解決手段】地上からの信号により車上で制限速度を作成し、列車速度と比較照査して列車速度が制限速度信号を超えた時にブレーキ指令を出力する自動列車制御装置において、列車の後退検知時に(110)、列車速度が一定速度未満の時(低速時)は(130)、列車速度が後退検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用し(140)、列車速度が一定速度以上の時(高速時)は(130)、列車速度が後退検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用すると共に、列車速度が一定速度レベルに達した時に強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用する(150)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地上からの信号により車上で制限速度を作成し、列車速度と比較照査して列車速度が制限速度信号を超えた時にブレーキ指令を出力する自動列車制御装置において、列車の異常検知時に、列車速度が一定速度未満の時(低速時)は、列車速度が異常検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用し、列車速度が一定速度以上の時(高速時)は、列車速度が異常検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用すると共に、列車速度が一定速度レベルに達した時に強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用することを特徴とする自動列車制御装置。
【請求項2】 地上からの信号により車上で制限速度を作成し、列車速度と比較照査して列車速度が制限速度信号を超えた時にブレーキ指令を出力する自動列車制御装置において、列車の後退検知時に、列車速度が一定速度未満の時(低速時)は、列車速度が後退検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用し、列車速度が一定速度以上の時(高速時)は、列車速度が後退検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用すると共に、列車速度が一定速度レベルに達した時に強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用することを特徴とする自動列車制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の自動列車制御装置に係り、特に、列車の異常検知(後退検知など)時の車速に応じて常用、非常ブレーキを制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の一例として、自動列車制御装置における異常検知(後退検知など)時の処理フローを図3に示す。ここでは、説明を簡単にするために、異常検知処理として後退検知処理を例に用いて説明する。まず、後退検知処理200において列車速度より後退検知処理を行う。次に、後退判定処理210において列車が後退しているか否か後退判定処理を行う。そして、後退検知時は、非常ブレーキ出力処理25において非常ブレーキを使用し、列車を停止させる。図4に、上記例の列車速度とブレーキ出力の関係を示す。上記例では、列車が後退を始め、時刻T1で列車速度が後退検知レベル以上となって時、自動列車制御装置は、強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用し、列車を急激に停止させる。このように、従来の自動列車制御装置は、後退検知などの異常検知時において、強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用し、列車を急激に停止させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明したように、自動列車制御装置は、後退検知などの異常検知時において、強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用し、非常ブレーキのみで列車を急激に停止させるため、停止時の衝撃が強く、乗客の保護、安全性、乗り心地などにおいて大きな問題がある。
【0004】本発明の課題は、列車の後退検知などの異常を検知した時の乗客の保護、安全性、乗り心地の向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、列車の異常(後退)検知時に、列車速度が一定速度未満の時(低速時)は、列車速度が異常(後退)検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用し、列車速度が一定速度以上の時(高速時)は、列車速度が異常(後退)検知レベルに達した時に弱い(減速時が小さい)常用ブレーキを使用すると共に、列車速度が一定速度レベルに達した時に強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態による自動列車制御装置を示す。ここで、自動列車制御装置は、地上からの信号により車上で制限速度を作成し、列車速度と比較照査して列車速度が制限速度信号を超えた時にブレーキ指令を出力する、ここでは、説明を簡単にするために、列車の異常検知として後退検知を例にする。図1において、自動列車制御装置は、列車の後退を検知する後退検知手段601、列車速度を検知する速度算出手段602、後退検知手段601の出力と速度算出手段602の出力を比較する速度比較手段603、常用ブレーキ604、非常ブレーキ605からなる。
【0007】図2に、本実施形態の異常検知(後退検知など)時の処理フローを示す。まず、後退検知手段601によって、後退検知処理100において列車速度より後退検知の処理を行う。次に、後退判定処理110では列車が後退しているか否かの判定を行う。同時に、速度算出手段602によって列車速度(後退)を検出し、列車が後退している時、速度比較処理120において速度比較手段603に予め設定した一定速度と検出した列車速度の速度比較を行う。次に、速度比較処理130において列車速度が一定速度を超えているか否かの速度判定を行う。そして、列車速度が一定速度未満の時は、常用ブレーキ出力処理140において弱い(減速度が小さい)常用ブレーキを使用し、列車を緩やかに停止させる。一方、列車速度が一定速度以上の時は、非常ブレーキ出力処理150によって強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用し、列車を停止させる。
【0008】図5に、本実施形態の列車速度が一定速度未満の時の列車速度とブレーキ出力の関係を示す。列車が後退を始め、時刻T1で列車速度が後退検知レベル以上となった時は、弱い(減速度が小さい)常用ブレーキ出力を使用し、列車を緩やかに減速させ、停止させる。因みに、従来例では、非常ブレーキ出力を使用するため、列車を急激に停止させることになる。
【0009】図6に、本実施形態の列車速度が一定速度以上の時の列車速度とブレーキ出力の関係を示す。列車が後退を始め、時刻T1で列車速度が後退検知レベル以上となった時、弱い(減速度が小さい)常用ブレーキを使用し、時刻T2で列車速度が一定速度を超えた時、強い(減速度が大きい)非常ブレーキを使用する。ここでは、列車速度が後退検知レベル以上となった時点で常用ブレーキによって列車速度を抑え、列車速度が一定速度を超えた時には非常ブレーキによって列車を減速させるため、従来のような列車の急激な減速を抑制し、列車を停止させることができる。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、後退検知などの異常検知時において列車速度が一定速度未満の時は、弱い(減速度が小さい)常用ブレーキを使用して列車を緩やかに停止させ、また、列車速度が一定速度を超えた時には、列車速度が後退検知レベル以上となった時点で常用ブレーキによって列車速度を抑えつつ、列車速度が一定速度を超えた時に非常ブレーキを使用して列車を減速させるので、従来のような列車の急激な減速を抑制することができ、乗客の安全性を考慮して、列車の停止時の衝撃を弱め、緩やかに列車を停止させることができる。この結果、強すぎるブレーキ動作を解消し、乗客の保護、安全性、乗り心地などを大幅に改善向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成11年11月12日(1999.11.12)
【代理人】 【識別番号】100099302
【弁理士】
【氏名又は名称】笹岡 茂 (外1名)
【公開番号】 特開2001−145215(P2001−145215A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−322340