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【発明の名称】 電気自動車用バッテリ装置
【発明者】 【氏名】横山 裕

【要約】 【課題】組み立て及び配線作業を容易にでき、生産性を向上できる電気自動車用バッテリ装置を提供する。

【解決手段】電気自動車の駆動用電源3を構成する複数のバッテリ4を収納する第1のケース1と、駆動用電源3の出力端子5a、5bに接続して第1のケース1から外部に延在して設けた電源ケーブル6a、6bと、少なくとも電源ケーブル6a、6bと車両コントローラに接続されるコントローラ接続用ケーブル18a、18bとを接続するためのコンタクタ11及び負荷電流検出用の電流センサ12を収納する第2のケース2とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車の駆動用電源を構成する複数のバッテリを収納する第1のケースと、上記駆動用電源の出力端子に接続して上記第1のケースから外部に延在して設けた電源ケーブルと、少なくとも上記電源ケーブルと車両コントローラに接続されるコントローラ接続用ケーブルとを接続するためのコンタクタ及び負荷電流検出用の電流センサを収納する第2のケースとを有することを特徴とする電気自動車用バッテリ装置。
【請求項2】 上記第2のケースを上記第1のケースの外壁に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用バッテリ装置。
【請求項3】 上記第2のケースに、上記駆動用電源を充電するための充電用プラグ及び充電用リレーを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気自動車用バッテリ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車用バッテリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気自動車用バッテリ装置としては、例えば図3に斜視図を示すようなものがある。このバッテリ装置は、例えば車体下面に搭載されるバッテリボックス21内に駆動用電源を構成する複数のバッテリ22を収納すると共に、その一部にスペース23を設け、このスペース23内にコンタクタ24及び電流センサ25等を配置している。
【0003】コンタクタ24の入力側端子は、ケーブル26a、26bを介して駆動用電源の出力端子に接続し、コンタクタ24の一方の出力側端子(正極側)には、バッテリボックス21の側面21aに形成した孔27a及び電流センサ25を通してケーブル28aの一端部を接続し、他方の出力側端子には、側面21aに形成した孔27bを通してケーブル28bの一端部を接続して、ケーブル26aとケーブル28a及びケーブル26bとケーブル28bとを各々コンタクタ24を介して接続している。なお、ケーブル28a、28bの他端部には、車両コントローラに接続される接続コネクタ29a、29bが設けられている。
【0004】また、特開平7−14564号公報には、整列配置された複数のバッテリから構成される駆動用電源と、ブレーカ及びその制御手段をブレーカボックスに収納したブレーカ装置とを、ブレーカ装置に設けられた手動操作用のブレーカスイッチ、駆動用電源を負荷に供給する出力コネクタ及び車両制御装置等へ接続するインターフェース用コネクタが外部に露出するように、バッテリボックス内に収容したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3に示した従来技術では、バッテリボックス21内の一部に、コンタクタ24及び電流センサ25等の機器を配置するスペース23を設けているため、その分バッテリ22の収納個数が減少することになると共に、スペース23が狭いために上記機器の取り付け作業や機器間の配線作業が煩雑となって生産性が低下することが懸念される。また、スペース23を有することから、車両或いはバッテリボックス21に作用する衝撃荷重等によりバッテリボックス21内でバッテリ22が移動し、このバッテリ22の移動によりコンタクタ24等の機器や、これらの機器を固定するブラケット等によってバッテリ22の電槽が損傷するおそれもある。
【0006】これに対し、特開平7−14564号公報に開示されている電気自動車用バッテリ装置では、バッテリボックス内で複数のバッテリが整列配置されていることから、上記衝撃荷重等によるバッテリの移動による損傷が防止できると共に、ブレーカスイッチ、出力コネクタ及びインターフェース用コネクタが外部に露出するので、ブレーカスイッチの操作、出力コネクタへの電源用ケーブルの接続作業及びインターフェース用コネクタへのインターフェースケーブルの接続作業を容易に行うことができる。
【0007】しかし、他方では、駆動用電源の出力端子に接続されるブレーカの入力コネクタが、バッテリボックス内に位置して外部に露出しないため、作業空間が制限されて配線作業が面倒となり、結果として組み立て作業が煩雑となって生産性が低下することが懸念される。
【0008】更に、いずれの従来技術においても、バッテリ装置自体には充電機能が設けられていないために、バッテリ装置を車両から取り外した状態では充電することができない。このため、ガソリンエンジン搭載車等既存の車体を電気自動車の車体と共用する場合には、例えば図4に示すように、車両31のフューエルソーサを改造して充電プラグ32を設け、車両コントローラ33には充電リレー(図示せず)を設けて、充電プラグ32から車両コントローラ33の充電リレーを介してバッテリボックス34内のバッテリを充電することになり、バッテリ装置の利便性が低下すると共に、充電のための車両の改造を伴うことになる。
【0009】従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の主たる目的は、組み立て及び配線作業を容易にでき、生産性を向上できる電気自動車用バッテリ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求項1に記載の電気自動車用バッテリ装置の発明は、電気自動車の駆動用電源を構成する複数のバッテリを収納する第1のケースと、上記駆動用電源の出力端子に接続して上記第1のケースから外部に延在して設けた電源ケーブルと、少なくとも上記電源ケーブルと車両コントローラに接続されるコントローラ接続用ケーブルとを接続するためのコンタクタ及び負荷電流検出用の電流センサを収納する第2のケースとを有することを特徴とする。
【0011】請求項1の発明によると、第1のケースと第2のケースとを各々独立して組み立てることができると共に、駆動用電源の出力端子に接続された電源ケーブルが第1のケースから外部に延在しているので、その電源ケーブルを第1のケースの外側で第2のケースのコンタクタに接続することが可能となる。従って、組み立て及び配線作業が容易にでき、生産性を向上することが可能となる。
【0012】また、第1のケース内には、バッテリを効率良く搭載できるので、車体や第1ケースに作用する衝撃荷重等に起因する第1ケース内でのバッテリの移動が防止され、バッテリの移動による損傷も有効に防止することが可能となる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1の電気自動車用バッテリ装置において、上記第2のケースを上記第1のケースの外壁に取り付けたことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明によると、第2のケースが第1のケースに固定されるので、第1のケース及び第2のケース等全体の取り扱いが容易になる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または2の電気自動車用バッテリ装置において、上記第2のケースに、上記駆動用電源を充電するための充電用プラグ及び充電用リレーを設けたことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明によると、車両に改造を施すことなく、バッテリ装置を車両に取り付けた状態でバッテリを充電することができると共に、バッテリ装置を車両から取り外した状態でも充電することができるので、利便性を向上することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電気自動車用バッテリ装置の実施の形態を、図1及び図2によって説明する。
【0018】図1は、バッテリ装置全体の分解斜視図であり、図2は図1のA矢視図である。図中符号1は第1のケースであるバッテリボックス、符号2はバッテリボックス1の側面1aにネジ止めされる第2のケースとなるサブボックスである。
【0019】バッテリボックス1には、駆動用電源3を構成する複数のバッテリ4を整列して充填搭載し、その出力端子5a、5bに各々電源ケーブル6a、6bの一端部を接続する。これら電源ケーブル6a、6bは、バッテリボックス1の側面1aに形成した孔7a、7bを通して外部に延出させ、それらの電源ケーブル6a、6bの各他端部に接続コネクタ8a、8bを設ける。
【0020】一方、サブボックス2には、その内部にコンタクタ11、負荷電流検出用の電流センサ12及び充電リレー13を収納すると共に、図1にA矢視で示される側面2aには図2に示すように充電プラグ14を設け、側面2aと対向する側面2b側には、バッテリボックス1側の電源ケーブル6a、6bの接続コネクタ8a、8bが着脱自在に接続される接続コネクタ15a、15bを設ける。接続コネクタ15a、15bは、図示しないケーブルを介してコンタクタ11の入力側端子に接続する。
【0021】また、サブボックス2には、側面2cに穿設された孔16a、16bから外部に延出させて、先端部に車両コントローラ(図示せず)に各々接続するための接続コネクタ17a、17bを有するコントローラ接続用ケーブル18a、18bを設ける。これらコントローラ接続用ケーブル18a、18bは、サブボックス2内において一方の正極側のケーブル18aを充電リレー13の第1リレー接点及び電流センサ12を介してコンタクタ11の正極側の出力側端子に接続し、他方の負極側のケーブル18bはコンタクタ11の負極側の出力側端子に接続する。
【0022】このようにして、コントローラ接続用ケーブル18aを充電リレー13の第1リレー接点、コンタクタ11、図示しないケーブル、接続コネクタ15a、及びバッテリボックス1側の接続コネクタ8a、電源ケーブル6aを介して駆動用電源3の正極側の出力端子5aに接続するようにし、コントローラ接続用ケーブル18bをコンタクタ11、図示しないケーブル、接続コネクタ15b、及びバッテリボックス1側の接続コネクタ8b、電源ケーブル6bを介して駆動用電源3の負極側の出力端子5bに接続する。
【0023】また、充電プラグ14は、その正極側端子を充電リレー13の第2リレー接点及び電流センサ12を介してコンタクタ11の正極側の出力側端子に接続するようにし、負極側端子はコンタクタ11の負極側の出力側端子に接続する。
【0024】なお、充電リレー13は、例えば充電プラグ14に充電用コネクタが接続されていない状態では、第2リレー接点を非導通、第1リレー接点を導通して、コントローラ接続用ケーブル18aを電流センサ12を介してコンタクタ11の正極側の出力側端子に接続し、充電プラグ14に充電用コネクタが接続された状態では、第1リレー接点を非導通、第2リレー接点を導通して充電プラグ14の正極側端子を電流センサ12を介してコンタクタ11の正極側の出力側端子に接続するようにする。
【0025】本実施の形態のバッテリ装置によると、バッテリボックス1とサブボックス2とを互いに影響されることなく作業空間が確保された状態で各々独立して組み立てることができると共に、バッテリボックス1の駆動用電源3の出力端子5a、5bに接続された電源ケーブル6a、6bの接続コネクタ8a、8bがバッテリボックス1から外部に延在しているので、接続コネクタ8a、8bをサブボックス2のコンタクタ11に接続された接続コネクタ15a、15bに容易に接続することができる。
【0026】従って、組み立て及び配線作業が容易にできて、生産性の向上がもたらされる。また、バッテリボックス1内には、余分なスペースを設けることなく、複数のバッテリ4を整列して充填搭載できるので、図3に示した従来例と比較してバッテリ4の搭載数を多くできると共に、車両或いはバッテリボックス1に作用する衝撃荷重等によりバッテリボックス1内でバッテリ4が移動することが阻止されて、バッテリ4の移動によるバッテリ4の損傷も有効に防止することができる。
【0027】更に、サブボックス2をバッテリボックス1の側面1aにネジ止めするようにしたので、バッテリボックス1及びサブボックス2の取り扱いが容易になり、バッテリ装置全体の取り扱いを容易にできると共に、サブボックス2に充電用プラグ14及び充電用リレー13を設けたので、車両に改造を施すことなく、バッテリ装置を車両に取り付けた状態でバッテリ4を充電することができると共に、バッテリ装置を車両から取り外した状態でもバッテリ4を充電することができるので、利便性を向上することができる。
【0028】なお、サブボックス2は、バッテリボックス1の側面1aに限らず、バッテリボックス1の任意の面に取り付けたり、あるいはバッテリボックス1とは分離して車両に取り付けることもできるなど、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明した本発明の電気自動車用バッテリ装置によると、第1のケースには駆動用電源を構成する複数のバッテリを収納すると共に、駆動用電源の出力端子に接続して第1のケースから外部に延在させて電源ケーブルを設け、第2のケースには上記電源ケーブルと車両コントローラに接続されるコントローラ接続用ケーブルとを接続するためのコンタクタ及び負荷電流検出用の電流センサを収納するようにしたので、組み立て及び配線作業を容易にでき、生産性を向上できると共に、第1のケース内には、スペースを設けることなくバッテリを効率良く搭載できるので、搭載バッテリ数の増大が得られ、かつ衝撃荷重等によるバッテリの移動による損傷も有効に防止することができる。
【0030】また、第2のケースを第1のケースの外壁に取り付けることで、バッテリ装置全体の取り扱いが容易になり、更に第2のケースに充電用プラグ及び充電用リレーを設けることで、バッテリ装置を車両から取り外した状態でも充電することができ、利便性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【出願日】 平成11年11月12日(1999.11.12)
【代理人】 【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
【公開番号】 特開2001−145212(P2001−145212A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−322037