| 【発明の名称】 |
車両エネルギ供給制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大久保 勝康
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| 【要約】 |
【課題】移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換して利用可能な車両エネルギ供給制御装置においてエネルギの有効利用の機会を多くする。
【解決手段】制動時に、制御回路32の制御により、車輪14に接続された電動モータ30を発電機として作動させる。それによって得られた電気エネルギをバッテリ21に充電させれば、その充電が負荷となり、電動モータ30の回転が抑制され、車輪14の回転が抑制される。また、電気エネルギを液圧制動装置24に直接供給し、消費させれば、それが負荷となり、車輪14の回転が抑制される。液圧制動装置24は、制動時に作動させられるものであるため、エネルギの供給時期と需要時期とが合致することが多く、電動モータ30の制動時に発生させられるエネルギの有効利用を図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換するエネルギ変換装置と、そのエネルギ変換装置によって変換されたエネルギを蓄積するエネルギ蓄積装置と、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記車両の走行を補助する走行補助装置に直接供給する直接供給装置とを含むことを特徴とする車両エネルギ供給制御装置。 【請求項2】前記直接供給装置が、前記エネルギ蓄積装置が異常である場合に、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを前記走行補助装置に直接供給する異常時直接供給部を含む請求項1に記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項3】前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記エネルギ蓄積装置と前記直接供給装置とに並行して供給する変換エネルギ分配装置を含む請求項1または2に記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項4】前記変換エネルギ分配装置が、前記エネルギ蓄積装置と前記直接供給装置とへのエネルギの分配比率を、前記エネルギ蓄積装置におけるエネルギ蓄積状態と、前記走行補助装置において消費されるエネルギ消費量との少なくとも一方に基づいて決定する分配比率決定部を含む請求項3に記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項5】前記走行補助装置が、車両の走行を補助する複数の走行補助部を含み、前記直接供給装置が、前記複数の走行補助部に前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給する複数供給部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項6】前記走行補助装置が、(a) 前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギによって作動可能な駆動装置により、前記車両の車輪に関係して回転するブレーキ回転体に制動トルクを付与する制動部と、(b) 前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギによって作動可能な駆動装置により、前記車両のステアリングホイールの運転者による操舵に応じて前記車輪を転舵するパワーステアリング部との少なくとも一方を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項7】前記走行補助装置が、車両の走行を補助する複数の走行補助部を含み、前記直接供給装置が、前記複数の走行補助部に前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給する複数供給部を含み、その複数供給部が、前記制動部を含む複数の走行補助部に、前記車両の走行速度に基づいて決まる分配比率で、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給するものである請求項6に記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項8】前記エネルギ変換装置が、前記車両の車輪に接続された電動モータの制御回路の制御により、前記運動エネルギを電気エネルギに変換する電気エネルギ変換部を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項9】前記エネルギ変換装置が、前記車両の車輪に接続された液圧モータの制御装置の制御により、前記運動エネルギを流体圧エネルギに変換する流体圧エネルギ変換部を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置。 【請求項10】移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換するエネルギ変換装置と、そのエネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記車両の走行を補助する複数の走行補助装置に、それら複数の走行補助装置のうちの少なくとも1つにおける消費エネルギ量に基づいて決まる比率で供給可能な複数供給装置とを含むことを特徴とする車両エネルギ供給制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、車両エネルギ供給制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上述の車両エネルギ供給制御装置の一例として、(1) 移動中の車両が有する運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換装置と、(2) そのエネルギ変換装置によって変換された電気エネルギを蓄積するバッテリとを含む車両エネルギ供給制御装置が、特開平10─23603号公報に記載されている。この公報に記載の車両エネルギ供給制御装置においては、エネルギ変換装置によって変換された電気エネルギがバッテリに充電されるのであるが、バッテリが、これ以上電気エネルギを蓄積できない状態にある場合にはエアコンディショナ,熱線デフォッガ等の外部負荷装置に直接供給される。そのため、種々の理由でバッテリに電気エネルギを充電できない時期においても、移動中の車両が有する運動エネルギを有効に利用することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】しかし、上述の車両エネルギ供給制御装置においては、車両の制動時に外部負荷装置が作動する必要がない(電気エネルギが必要でない)場合があり、電気エネルギの供給時期と需要時期とが合致しない場合がある。そこで、本発明の課題は、エネルギ変換装置によって変換されたエネルギの供給時期とその変換されたエネルギの供給先における需要時期とが合致する機会が多くなるようにすることであり、エネルギの有効利用の機会が多くなるようにすることである。この課題は、車両エネルギ供給制御装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。 (1)移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換するエネルギ変換装置と、そのエネルギ変換装置によって変換されたエネルギを蓄積するエネルギ蓄積装置と、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記車両の走行を補助する走行補助装置に直接供給する直接供給装置とを含むことを特徴とする車両エネルギ供給制御装置(請求項1)。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置においては、移動中の車両が有する運動エネルギがエネルギ変換装置によって別のエネルギに変換され、その変換された別のエネルギが走行補助装置に直接供給される。このように、車両の走行に関連する装置としての走行補助装置に直接供給されるようにされるため、エアコンディショナ,熱線デフォッガ等の外部負荷装置に供給されるようにされている場合に比較して、エネルギの供給時期と需要時期とが合致する機会を多くすることができる。直接供給装置は、(2) 項, (3) 項において説明するように、エネルギ蓄積装置にエネルギを蓄積できない場合に限って供給するものであっても、エネルギ蓄積装置の状態とは関係なく、常に、あるいは、予め定められた条件が満たされた場合に供給するものであってもよい。走行補助装置が、エネルギ蓄積装置から供給されるエネルギによって駆動されるものである場合には、走行補助装置にエネルギが直接供給された方が、エネルギ損失を低減させることができ、エネルギ効率を向上させることができる。エネルギ変換装置は、移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギ、すなわち、エネルギ蓄積装置に蓄積可能であり、かつ、走行補助装置において利用可能なエネルギ等の有用なエネルギに変換するものである。例えば、電気エネルギ,流体圧エネルギ,回転エネルギ等に変換される。エネルギ蓄積装置は、エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを蓄えるものである。例えば、変換されたエネルギが電気エネルギである場合にはバッテリやコンデンサ等が該当する。また、流体圧エネルギである場合にはアキュムレータ,流体圧タンク等が該当し、回転エネルギである場合にはフライホイール等が該当する。エネルギ蓄積装置はエネルギ保存装置と称することもできる。 (2)前記直接供給装置が、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記エネルギ蓄積装置に蓄積できない場合に、前記走行補助装置に直接供給する蓄積不能時直接供給部を含む(1) 項に記載の車両エネルギ供給制御装置。エネルギ蓄積装置にエネルギを蓄積できない場合には、エネルギ蓄積装置において十分な量のエネルギが蓄えられており、これ以上蓄えることができないかこれ以上蓄えることが望ましくない状態(過剰蓄積のおそれがある状態)である場合や、エネルギ蓄積装置に異常が生じた場合等が該当する。エネルギ蓄積装置の異常には、エネルギ蓄積装置から出力されるエネルギ量やエネルギレベルが正常範囲内にない場合(エネルギ蓄積装置から正常にエネルギが出力されない場合)、エネルギ蓄積装置の温度が設定温度範囲内にない場合等が該当する。 (3)前記直接供給装置が、前記エネルギ蓄積装置が異常である場合に、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを前記走行補助装置に直接供給する異常時直接供給部を含む(1) 項または(2) 項に記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項2)。 (4)前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記エネルギ蓄積装置と前記直接供給装置とに並行して供給する変換エネルギ分配装置を含む(1)項ないし(3) 項のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項3)。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置によれば、エネルギ蓄積装置と走行補助装置とに並行してエネルギを供給することができる。例えば、変換エネルギ分配装置の構造等によって決まる比率でエネルギ蓄積装置と直接供給装置とに供給されるようにしたり、車両の状態等に基づいて決まる比率で供給されるようにしたりすることができる。車両の状態には、例えば、エネルギ蓄積装置のエネルギ蓄積状態,車両の走行状態(走行補助装置の作動状態)、走行補助装置の作動要求状態等が該当する。 (5)前記変換エネルギ分配装置が、前記エネルギ蓄積装置と前記直接供給装置とへのエネルギの分配比率を、前記エネルギ蓄積装置におけるエネルギ蓄積状態と、前記走行補助装置において消費されるエネルギ消費量との少なくとも一方に基づいて決定する分配比率決定部を含む(4) 項に記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項4)。エネルギ蓄積装置と直接供給装置とへのエネルギの分配比率を、エネルギ蓄積量とエネルギ消費量との少なくとも一方に基づいて決まる値とすることは妥当なことであり、常に一定の値とする場合に比較して、エネルギ効率の向上を図ることができる。例えば、エネルギ蓄積装置に蓄積されたエネルギ蓄積量が多い場合は少なく場合よりエネルギ蓄積装置への分配比率を小さくする。エネルギ蓄積装置にエネルギを蓄積させる必要がないからである。また、走行補助装置において消費されるエネルギ消費量が多い場合は少ない場合より走行補助装置への分配比率を大きくする。走行補助装置にエネルギが直接供給され消費された方が、エネルギ蓄積装置に蓄積させるより、エネルギ効率を向上させることができるのである。エネルギ消費量は、走行補助装置において要求されるエネルギ要求量、エネルギ需要量と称することもできる。また、エネルギ蓄積量とエネルギ消費量との両方に基づいて分配比率を決定する場合には、いずれか一方が他方より優先的に扱われるようにしても、同等に扱われるようにしてもよい。例えば、エネルギ蓄積量を優先する場合としては、分配比率が、エネルギ変換装置によって変換されたエネルギのうち、エネルギ蓄積装置に蓄積可能な最大のエネルギが蓄積され、残りが走行補助装置に供給されるように決定される場合がある。また、エネルギ消費量を優先する場合としては、走行補助装置に、必要なエネルギの範囲内でできる限り多くのエネルギが供給され、残れば、エネルギ蓄積装置に蓄積させられるように決定される場合がある。さらに、エネルギ分配装置は、走行補助装置とエネルギ蓄積装置とに並行して供給するものであり、可変抵抗器を含むものとしたり、配電装置を含むものとしたり、スイッチング装置を含むものとしたりすることができる。スイッチング装置の接続・切断によって短い時間間隔毎に選択的に供給することによって結果的に設定比率で分配されるようにする場合も並行して供給する場合に該当することにする。 (6)前記変換エネルギ分配装置が、前記エネルギ蓄積装置と前記直接供給装置とへのエネルギの分配比率を、前記エネルギ変換装置によって変換されるエネルギ取得量と、前記走行補助装置において消費されるエネルギ消費量との少なくとも一方に基づいて決定する分配比率決定部を含む(4) 項または(5) 項に記載の車両エネルギ供給制御装置。例えば、分配比率が、エネルギ取得量がエネルギ消費量より多い場合には、走行補助装置にエネルギ消費量分だけ供給され、残った分がエネルギ蓄積装置に蓄積させられるように決定され、エネルギ取得量がエネルギ消費量より少ない場合には、エネルギ変換装置によって変換されたすべてのエネルギが走行補助装置に供給されるように決定されるようにすることができる。後者の場合には、走行補助装置への分配比率は1となる。 (7)前記走行補助装置が、車両の走行を補助する複数の走行補助部を含み、前記直接供給装置が、前記複数の走行補助部に前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給する複数供給部を含む(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項5)。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置においては、複数の走行補助部にエネルギが供給されるようにされている。そのため、1つの走行補助部に供給されるようにされている場合に比較して、エネルギの需要時期と供給時期とが合致する機会を多くすることができる。車両の走行を補助する走行補助装置には、車両を制動させる制動装置,車輪を操舵する操舵装置,駆動装置の駆動を伝達する駆動伝達装置,車体と車輪との間に設けられたサスペンション装置等が該当する。駆動伝達装置としては、例えば、駆動装置の出力軸の変速比を変更可能なオートマチックトランスミッション等がある。オートマチックトランスミッションは、複数のブレーキやクラッチ等と、これらブレーキ,クラッチ等に高圧の作動液を供給する高圧源と、作動液の供給状態を制御する作動液供給制御部とを含むものであり、本項に記載の車両エネルギ供給制御装置によれば、オートマチックトランスミッションの高圧源と作動液供給制御部とを含む電気制御アクチュエータにエネルギが直接供給されるようにすることができる。また、サスペンション装置は、ショックアブソーバと、ショックアブソーバへ作動液を供給する高圧源と、ショックアブソーバへの作動液の供給状態を制御する作動液供給制御部とを含み、これら高圧源と作動液供給制御部とを含む電気制御アクチュエータに、エネルギが直接供給されるようにすることができる。なお、複数供給部は、エネルギを複数の走行補助部に並行して供給するものであっても、選択的に供給するものであってもよい。 (8)前記走行補助装置が、(a) 前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギによって作動可能な駆動装置により、前記車両の車輪に関係して回転するブレーキ回転体に制動トルクを付与する制動部と、(b) 前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギによって作動可能な駆動装置により、前記車両のステアリングホイールの運転者による操舵に応じて前記車輪を転舵するパワーステアリング部との少なくとも一方を含む(1) 項ないし(7) 項のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項6)。制動時に発生させられるエネルギが制動部に供給されるようにすることは有効である。車両の制動時には制動部が作動させられる場合が多いからであり、制動部におけるエネルギの需要時とエネルギ変換装置によるエネルギの供給時とが合致することが多いのである。制動部は、車両の車体側に回転不能に設けられた摩擦係合部材を車輪とともに回転するブレーキ回転体に摩擦係合させることにより、車輪に摩擦制動トルクを付与する摩擦制動部としたり、ブレーキ回転体の回転を電磁力により抑制する電磁制動部としたり、駆動装置の出力軸の回転を流体を利用して抑制する流体制動部としたりすることができる。流体制動部においては、駆動装置の出力軸に流体による負荷を加える状態と加えない状態とに切り換え可能なバルブの切換え等にエネルギ変換装置から供給されるエネルギが利用される。また、駆動装置の出力軸が車輪に関係して回転するブレーキ回転体に対応することになる。パワーステアリング部においても、制動時にステアリングホイールの操舵が行われることは多く、作動が要求されることが多い。そのため、パワーステアリング部にエネルギが直接供給されるようにすることは有効なことである。パワーステアリング部は液圧により車輪を転舵させる液圧アクチュエータを含むものや、電動モータの作動によって転舵させる電動アクチュエータを含むもの等がある。 (9)前記走行補助装置が、車両の走行を補助する複数の走行補助部を含み、前記直接供給装置が、前記複数の走行補助部に前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給する複数供給部を含み、その複数供給部が、前記制動部を含む複数の走行補助部に、前記車両の走行速度に基づいて決まる分配比率で、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを直接供給するものである(8) 項に記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項7)。制動部において、車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より多くのエネルギが必要となる。そのため、車速が大きい場合に制動部に供給されるエネルギの分配比率を大きくすることは妥当なことである。また、複数供給部が、制動部とパワーステアリング部とにエネルギを直接供給するものである場合には、パワーステアリング部は車速が大きい場合には転舵し難くされるのが普通であるため、多くのエネルギが必要とされるわけではない。これらの両方における要求がかみ合い、これらに並行して供給されるようにすることは妥当なことである。 (10)前記エネルギ変換装置が、前記車両の車輪に接続された電動モータの制御回路の制御により、前記運動エネルギを電気エネルギに変換する電気エネルギ変換部を含む(1) 項ないし(9) 項のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項8)。電気エネルギは、車両に含まれる多くの走行補助装置において有効に利用可能なエネルギであり、運動エネルギが電気エネルギに変換されるようにすることは望ましいことである。本車両エネルギ供給制御装置は駆動装置に電動モータを含む車両(電気自動車やハイブリット車)に好適である。電動モータの駆動により車輪が回転駆動される場合に、その電動モータの電気的な制動によって車輪の回転を抑制し得る。電動モータの制動時に、制御回路の制御により電動モータを発電機として作動させ、その場合に取得される電気エネルギがエネルギ蓄積装置に充電されることによって負荷が加えられ、電動モータの回転が抑制されるとともに、車輪の回転が抑制される場合と、取得される電気エネルギが他の装置において消費されることによって負荷が加えられ、電動モータの回転が抑制されるとともに、車輪の回転が抑制される場合とがある。前者の制動が回生制動であり、後者の制動が発電制動である。電動モータの回生制動または発電制動によって車輪に加えられる制動トルクを、以下、電気回生制動トルクと総称する。発電制動においても、電気エネルギが他の装置において有効に消費される場合は、運動エネルギが放出されるわけではなく、有効利用されるからである。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置が摩擦制動装置を含み、車輪に加わる電気回生制動トルクと摩擦制動トルクとの和が運転者の要求する総要求制動トルクと同じ大きさになるように制御される回生協調制御が行われる場合がある。回生協調制御においては、エネルギ蓄積装置の異常時,満充電時あるいは低速走行時には電動モータの回生制動が行われない。また、従来は、摩擦制動装置がエネルギ蓄積装置から供給された電気エネルギによって作動させられる電気制御アクチュエータを含む場合に、エネルギ蓄積装置の異常時には、摩擦制動装置に電気エネルギが供給されないようにされていた。この場合には、回生協調制御において、電気回生制動トルクが0とされるとともに摩擦制動トルクの制御が不可能となり、実際に車輪に加えられる制動トルクが変化し、運転者が違和感を感じることがあった。それに対して、本項に記載の車両エネルギ供給制御装置において、エネルギ変換装置によって変換された電気エネルギが摩擦制動装置に直接供給されるようにすれば、摩擦制動トルクの制御が可能となる。また、車輪に電気回生制動トルクも加えられる。そのため、エネルギ蓄積装置に異常が生じても運転者が感じる違和感を軽減させたり、なくしたりすることができる。摩擦制動装置の代わりに、電磁制動装置,流体制動装置等としても同様である。 (11)前記エネルギ変換装置と前記直接供給装置とが電気回路によって構成されたものである(10)項に記載の車両エネルギ供給制御装置。変換エネルギ分配装置も電気回路によって構成されたものとすることができる。 (12)前記エネルギ変換装置が、前記車両の車輪に接続された液圧モータの制御装置の制御により、前記運動エネルギを流体圧エネルギに変換する流体圧エネルギ変換部を含む(1) 項ないし(9) 項のいずれか1つに記載の車両エネルギ供給制御装置(請求項9)。流体圧エネルギは、車両に含まれる多くの走行補助装置において有効に利用可能なエネルギであり、運動エネルギが流体圧エネルギに変換されるようにすることは望ましいことである。液圧モータの制動時には、液圧モータが液圧ポンプとして作動させられることになるが、その液圧ポンプから吐出された高圧の作動液をアキュムレータに蓄えたり、走行補助装置に含まれる液圧アクチュエータに供給したりすることによって負荷を加えれば、液圧モータの回転が抑制され、車輪の回転が抑制される。この場合に車輪に加えられる制動トルクを、以下、液圧回生制動トルクと称する。液圧モータの制動時に得られる流体圧エネルギが蓄えられたり、走行補助装置の液圧アクチュエータに直接供給されて使用されたりするようにすれば、車両の運動エネルギの有効利用を図ることができる。また、走行補助装置が、作動液を加圧する加圧装置やその加圧装置によって加圧された作動液を蓄えるアキュムレータを含む動力式液圧源を含む場合において、その走行補助装置に流体圧エネルギが直接供給されるようにすれば、その動力式液圧源自体、または動力式液圧源に含まれるアキュムレータと加圧装置との少なくとも一方を省略することが可能になる場合がある。省略できないまでも、これらを小形化することが可能になる場合が多い。いすれにしても、走行補助装置の軽量化やコストダウンを図ることができる。なお、液圧モータは、車輪を駆動するために設けられたものであっても、制動専用に設けられたものであってもよい。 (13)前記直接供給装置と前記エネルギ変換装置とが液圧回路によって構成されるものである(12)項に記載の車両エネルギ供給制御装置。変換エネルギ分配装置も液圧回路によって構成されるものとすることができる。 (14)移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換するエネルギ変換装置と、そのエネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記車両の走行を補助する複数の走行補助装置に、これら複数の走行補助装置のうちの少なくとも1つにおける消費エネルギ量に基づいて決まる比率で供給可能な複数供給装置とを含むことを特徴とする車両エネルギ供給制御装置(請求項10)。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置によれば、エネルギ変換装置によって変換されたエネルギが複数の走行補助装置のうちの少なくとも1つに直接供給される。「複数の走行補助装置のうちの少なくとも1つにおける消費エネルギ量に基づいて決まる比率で供給可能」の比率には特殊な場合として1:0も含むのである。ただし、本発明の効果は複数の走行補助装置に並行してエネルギが供給される態様において特に大きい。エネルギの供給先の走行補助装置が複数であれば、エネルギの供給時と需要時とが合致する確率が高くなり、エネルギ蓄積装置がなくても、エネルギが無駄に放出される確率は低くなる。その意味からすれば、エネルギの供給先は多い方がよい。なお、本発明は、エネルギが無駄に放出される確率をできる限り低くするためにエネルギ蓄積装置を設けることを排除するものでない。その場合でも、本発明に従えばエネルギ蓄積装置が小容量のもので済む効果が得られるのである。逆に、例えば、複数の走行補助装置のうちの少なくとも1つにおいてエネルギが必要になった場合に(エネルギ要求があった場合に)、直接供給装置によってエネルギが供給されるようにすることもできる。ある走行補助装置を作動させる必要が生じた場合に車両が制動中でない場合には、エネルギを供給するために車両を制動するのである。走行補助装置においてエネルギが必要になったことは、走行補助装置がパワーステアリング装置を含む場合を例とすれば、操舵角センサによって0でない信号が検出された場合、操舵トルクセンサによってステアリングホイールに操作トルクが加えられたことが検出された場合、ステアリングスイッチによってステアリングホイールが操舵されたことが検出された場合等に、エネルギが必要であると検出することができる。他の走行補助装置についても、上記記載をそれぞれの走行補助装置に応じて読み替えれば、同様に検出が可能である。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置には、前記(1) 項ないし(13)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を付与することができる。 (15)移動中の車両が有する運動エネルギを別のエネルギに変換するエネルギ変換装置と、そのエネルギ変換装置によって変換されたエネルギを蓄積する蓄積装置であって、前記車両の走行を補助する走行補助装置に専用に設けられた走行補助専用蓄積装置とを含むことを特徴とする車両エネルギ供給制御装置。エネルギ変換装置によって変換されたエネルギが走行補助専用蓄積装置に蓄えられるため、走行補助装置にエネルギを良好に供給することができる。本項に記載の車両エネルギ供給制御装置には、前記(1) 項ないし(14)項のいずれか一つに記載の技術的特徴を付与することができる。 (16)さらに、前記エネルギ変換装置によって変換されたエネルギを、前記走行補助専用蓄積装置にエネルギを蓄積させることができない場合に、前記走行補助装置に直接供給する直接供給装置を含む(15)項に記載の車両エネルギ供給制御装置。走行補助専用蓄積装置が異常等であっても、走行補助装置を作動させることができる。 【0004】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である車両エネルギ供給制御装置について図面に基づいて説明する。図1には、車両エネルギ供給制御装置を含む車両の概略を示す。移動中の車両は運動エネルギを有しているが、車両の制動時には、その運動エネルギがエネルギ変換装置10によって別のエネルギに変換されてエネルギ源12に戻される。エネルギ変換装置10によって変換されたエネルギをエネルギ源12に戻す際の負荷によって、車両の車輪14の回転が抑制されるのであり、この場合に車輪14に加えられる制動力を回生制動力と称する。本実施形態においては、エネルギ変換装置10によって変換されたエネルギが車両の走行を補助する走行補助装置18に直接供給されることもある。走行補助装置18に供給され、消費されることによって、車輪14の回転が抑制される。 【0005】エネルギ変換装置を、運動エネルギを電気エネルギに変換する電気エネルギ変換装置20とし、エネルギ源を、バッテリ21を含む電源装置22とした場合の態様を図2に示す。電気エネルギ変換装置20によって移動中の車両が有する運動エネルギが電気エネルギに変換され、バッテリ21に蓄積される。また、摩擦制動装置としての液圧制動装置24に直接供給される場合もある。 【0006】液圧制動装置24は、後述するように電気エネルギによって作動させられる動力式液圧源やソレノイドへの電流の供給に基づいて作動させられる電磁弁を含む電磁弁装置等を含むものである。以下、動力式液圧源,電磁弁装置等を合わせて電気制御アクチュエータ26と称する。電気制御アクチュエータ26に電気エネルギが供給されれば、車輪14に対応して設けられたブレーキシリンダ28に高圧の作動液が供給され、車輪14にはその液圧に応じた制動力が加えられる。電気制御アクチュエータ26には、電気エネルギが、電源装置22から供給される場合や電気エネルギ変換装置20から直接供給される場合がある。 【0007】電気エネルギ変換装置20は、車輪14に接続された電動モータ30を制御する制御回路32(例えば、インバータとすることができる)を含む。制御回路32の制御により電動モータ30が発電機として作動させれ、運動エネルギが電気エネルギに変換され、バッテリ21に充電されることによって、電動モータ30の回転が抑制され、車輪14の回転が抑制される。車輪14には回生制動力が加えられるのであり、電動モータ30,制御回路32を含むエネルギ変換装置20,バッテリ21を含む電源装置22等によって回生制動装置34が構成される。 【0008】回生制動装置34は、図3に示すように、本実施形態においてはハイブリッド車に搭載されている。ハイブリッド車は、回生制動装置(電気的駆動装置でもある)34と内燃駆動装置46とを含む駆動装置48によって駆動されるのであり、前記車輪14(駆動輪)には、電気的駆動装置34による駆動トルクと内燃駆動装置46による駆動トルクとの両方が加えられる。本実施形態においては前輪が駆動輪なのである。内燃駆動装置46は、エンジン60およびエンジン60の作動状態を制御するエンジンECU62等を含むものであり、電気的駆動装置34は、前述の電動モータ30,エネルギ変換装置20,電源装置22に加えて、発電機64,モータECU66,動力分割機構68等を含むものである。発電機64は、エンジン60の作動によって電気エネルギを発生させるものである。動力分割機構68は、図示しないが、遊星歯車装置を含むものであり、サンギヤに発電機64が連結され、リングギヤに出力部材70が接続されるとともに電動モータ30が連結され、キャリヤにエンジン60の出力軸が連結される。エンジン60,電動モータ30,発電機64等の制御により、出力部材70に電動モータ30の駆動トルクのみが伝達される場合とエンジン60の駆動トルクと電動モータ30の駆動トルクとの両方が伝達される場合とに切り換えられる。出力部材70に伝達された駆動力は、減速機,差動装置を介してドライブシャフト72に伝達される。 【0009】本実施形態においては、エネルギ変換装置20は、図4に示すように、制御回路32としてのインバータと電力分配部74とを含み、電力分配部74の制御により、バッテリ21と電気制御アクチュエータ26との少なくとも一方に電気エネルギが供給される。なお、電力分配部74は、エネルギ変換装置20とは別個に設けられたものと考えることもできる。制御回路32による電流制御により、電動モータ30が電源装置22から電気エネルギが供給されて回転させられる回転駆動状態と、電動モータ30を発電機として機能させて、運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換状態とに切り換えられる。エネルギ変換状態においては、電力分配部74の制御により、電気エネルギをバッテリ21に充電させることにより電動モータ30の回転を抑制する回生制動状態と、電気エネルギを電気制御アクチュエータ26に直接供給して消費させることによって電動モータ30の回転を抑制する発電制動状態と、バッテリ21と電動アクチュエータ26との両方に供給する状態とのいずれかの状態に切り換えられる。いずれにしても、電動モータ30の回転が電気的に抑制されることによって、駆動輪14の回転が抑制され、車両が制動させられるのであり、以下、これらの場合に車輪に加えられる制動トルクを電気回生制動トルクと称する。 【0010】電力分配部74は、電気回路によって構成されるものであり、制御回路32とバッテリ62との間に設けられたスイッチング部80(SW1)と、制御回路32と電気制御アクチュエータ26の電力供給部82との間に設けられたスイッチング部84(SW2)とを含むものである。これら2つのスイッチング部80,84はパワートランジスタを含むものであり、これらの制御(PWM制御)により、予め定められた設定比率で、制御回路32によって変換された電気エネルギがバッテリ21と電気制御アクチュエータ26とに分配可能とされている。これら制御回路32,電力分配部74は、モータECU66によってハイブリッドECU86からの指令に基づいて制御される。 【0011】液圧制動装置24は、図5に示すように、前記電気制御アクチュエータ26,駆動輪14のブレーキシリンダ28,被駆動輪としての後輪90のブレーキシリンダ91,ブレーキペダル92,ハイドロブースタ付きマスタシリンダ94等を含むものである。ブレーキシリンダ28,91に作動液が供給されると、その液圧に応じた押し付け力によって、車輪14,90と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材が押し付けられ、摩擦制動力としての液圧制動力が前輪14,後輪90に加えられて、回転が抑制される。前輪14には、液圧制動力と回生制動力との少なくとも一方が加えられて回転が抑制される。後輪90には液圧制動力が加えられる。 【0012】電気制御アクチュエータ26は、リニアバルブ装置96、動力式液圧源98等を含むものである。動力式液圧源98は、ポンプ100,ポンプモータ101,アキュムレータ102,圧力センサ103,逆止弁104,リリーフ弁105等を含む。圧力センサ103は、アキュムレータ102の液圧を検出するものであり、圧力センサ103による検出液圧に基づいてポンプモータ101の作動状態が制御される。ポンプモータ101の制御により、アキュムレータ102の液圧が予め定められた設定範囲内に保たれる。逆止弁104は、ハイドロブースタ付きマスタシリンダ側からアキュムレータ側への作動液の逆流を阻止するために設けられたものである。また、リリーフ弁105により、ポンプ100の吐出圧が過大になることが回避される。 【0013】ハイドロブースタ付きマスタシリンダ94は、液圧を、動力式液圧源98の液圧を利用してブレーキペダル92の操作力に応じた大きさに制御する調圧部106と、動力式液圧源98の液圧によってブレーキペダル92の操作力が倍力された大きさの液圧を発生させる加圧部108とを含むものであり、加圧部108には、前輪14のブレーキシリンダ28が接続され、調圧部106にはリニアバルブ装置96を介して前輪14および後輪90のブレーキシリンダ28,91が接続されている。 【0014】リニアバルブ装置96は、図6に示すように、増圧リニアバルブ110と減圧リニアバルブ111と減圧用リザーバ112とを含む。増圧リニアバルブ110は、調圧室106とブレーキシリンダとを接続する液通路113の途中に設けられたものであり、弁子114と弁座115とを含むシーティング弁を含むものである。ソレノイド116に電流が供給されない間は、スプリング117の弾性力F1 により弁子114が弁座115に着座させられる閉状態にあるが、ソレノイド116に電流が供給されると、その供給電流に応じた電磁駆動力F2 が、弁子114を弁座115から離間させる方向に作用する。また、弁子114を弁座115から離間させる方向には、増圧リニアバルブ110の前後の差圧に対応する差圧作用力F3 も作用する。したがって、ソレノイド116に電流が供給された状態においては、弁子114と弁座115に対する相対位置が、これらスプリング117の弾性力F1 ,差圧作用力F3 ,電磁駆動力F2 の関係に基づいて決まる。換言すれば、ソレノイド116への供給電流の制御により、増圧リニアバルブ110におけるブレーキシリンダ側の液圧と調圧室106側の液圧との差を制御することができるのであり、ブレーキシリンダ側の液圧が、後述する各輪毎の要求液圧制動トルクに対応する要求液圧と同じ大きさになるように、ソレノイド116へ電流が供給される。 【0015】減圧リニアバルブ111についても同様であるが、減圧リニアバルブ111は、ブレーキシリンダと減圧用リザーバ112とを接続する液通路119の途中に設けられている。また、減圧リニアバルブ111においては、ブレーキシリンダの液圧と減圧用リザーバ側の液圧との差に応じた差圧作用力F3 が作用するが、減圧用リザーバ側の液圧はほぼ大気圧であるため、これら差圧がブレーキシリンダ側の液圧と同じ大きさになる。なお、減圧リニアバルブ111のスプリング117は、増圧リニアバルブ110のスプリング117より、弾性力が大きいものであり、ブレーキシリンダ液圧が大きくなっても、ソレノイド116の制御とは関係なく開状態にされることが回避される。 【0016】また、増圧リニアバルブ110,減圧リニアバルブ111をバイバスする通路には、それぞれ逆止弁122,123が設けられている。逆止弁122は、ブレーキシリンダ側からハイドロブースタ付きマスタシリンダ94への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものであり、ブレーキペダル92の操作力が緩められた場合にブレーキシリンダの作動液を速やかに戻すためのものである。逆止弁123は、減圧用リザーバ112からハイドロブースタ付きマスタシリンダ94への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものであり、制動終了時に、減圧用リザーバ112の作動液をハイドロブースタ付きマスタシリンダ94に早急に戻すためのものである。 【0017】液通路113のリニアバルブ装置96とブレーキシリンダ28,91との間には、保持弁130が設けられ、ブレーキシリンダ28,91とマスタリザーバ132とを接続する液通路133には、減圧弁134が設けられている。保持弁130,減圧弁134は、回生協調制御時においては図示する原位置に保たれるが、アンチロック制御時等に開閉させられることにより、車輪14、90の制動スリップ状態が適正状態になるように、ブレーキシリンダ液圧が制御される。本実施形態においては、図示するように、左右後輪90については、保持弁130,減圧源134が共通に設けられており、左右後輪90について共通に制御される。なお、保持弁130をバイパスするバイパス通路には逆止弁135が設けられており、ブレーキペダル92の操作力が緩められた場合にブレーキシリンダ28,91から作動液が早急に戻されるようにされている。 【0018】液通路113の前輪側と後輪側との間には、電磁開閉弁136が設けられている。電磁開閉弁136は回生協調制御時等には開状態にされるが、ソレノイドに電流が供給されなくなることにより、閉状態に切り換えられる。後述するように、リニアバルブ装置96や動力式液圧源98の異常時等に、前輪側を後輪側から切り離し、前輪側の制動力を確保するためである。また、後輪90のブレーキシリンダ91と保持弁130との間には、プロポーショニングバルブ137が設けられ、後輪90のブレーキシリンダ91の液圧が前輪14のブレーキシリンダ28の液圧に対して抑制される。 【0019】前記加圧部108には、前輪のブレーキシリンダ28が液通路140を介して接続される。液通路140には、マスタ遮断弁141が設けられ、回生協調制御時には、ブレーキシリンダ28を加圧部108から遮断する遮断状態に切り換えられるが、異常時等には開状態とされ、加圧部108の作動液がブレーキシリンダ28に供給されることにより、前輪のブレーキが作動させられる。液通路140には、ストロークシミュレータ142が開閉弁143を介して接続され、マスタ遮断弁141が閉状態にある場合に、運転者によるブレーキペダル92のストロークが殆ど0になることが回避される。開閉弁143は、異常時等に閉状態とされ、加圧部108の作動液が不要にストロークシミュレータ142に供給されることを回避する。 【0020】液圧制動装置24は、ブレーキECU160の指令に基づいて制御される。ブレーキECU160は、CPU,RAM,ROM,入・出力インタフェイスを含むコンピュータを含むものである。ブレーキECU160の入力部には、前述の圧力スイッチ103、各車輪14の車輪速度を検出する車輪速センサ170、ブレーキペダル92の操作力を検出する操作力センサ172、リニアバルブ装置96の調圧部側の液圧を検出する前述の液圧センサ118およびブレーキシリンダ側の液圧を検出する液圧センサ174等が接続されている。出力部には、リニアバルブ装置96のソレノイド116,ポンプモータ101,各電磁開閉弁130,134,136,141のソレノイド等が接続されている。液圧センサ174による検出液圧は、ブレーキシリンダ液圧であると考えることもできる。ポンプモータ101は、圧力センサ103による検出液圧がアキュムレータ102の設定範囲内に保たれるように制御されると、ポンプモータ101への供給電流は、検出液圧と制御目標圧(その設定範囲の下限値,上限値,中間値等)との差圧等に基づいて決まる。これらブレーキECU160,リニアバルブ装置96のソレノイド116,各電磁開閉弁のソレノイド,各センサ170,172,174,動力式液圧源98のポンプモータ101等には、電力供給部82を介して電源装置22,エネルギ変換装置20が接続される。電源装置22,エネルギ変換装置20から供給される電力により作動させられるのである。なお、これら電気エネルギによって作動させられるもの等によって前述の電気制御アクチュエータ26が構成される。 【0021】また、前述のモータECU66,ハイブリッドECU86,エンジンECU62も、CPU,RAM,ROM等を含むコンピュータを主体とするものである。ハイブリッドECU86の入力部には、電源装置22の状態を検出する電源状態検出装置182、車両の走行速度を検出する車速センサ184等が接続されている。電源状態検出装置182は、バッテリ21の充電状態を検出する充電状態検出部と、バッテリ21の電圧や温度を検出する異常検出部とを含むものである。充電状態検出部によってバッテリ21における充電量が検出されるが、充電量が多いほど充電可能な容量が少ないことがわかる。また、バッテリ21の電圧や温度が適正範囲内にない場合には、電源装置22が異常であるとすることができる。車速センサ184は、車輪速センサ170の出力信号に基づいて(例えば、従動輪90の回転速度に基づいて)検出するものとすることができるが、その他、ドップラ効果等を利用して検出するものとすることもできる。ハイブリッドECU86のROM等の記憶部には図7のフローチャートで表される電力配分制御プログラムが格納されており、電力配分制御プログラムの実行に従って、電力分配部74のスイッチング部80,84が制御され、制御回路32によって変換された電気エネルギが液圧制動装置24とバッテリ21とに分配される。前述のモータECU66,ハイブリッドECU86,エンジンECU62およびブレーキECU160の間においては、情報の通信が行われる。 【0022】以上のように構成された車両エネルギ供給制御装置における作動について説明する。通常制動時においては回生協調制御が行われる。ブレーキECU160において、踏力センサ172の検出値に基づいて運転者が所望する総要求制動トルクが演算により求められる。そして、この総要求制動トルク(運転者のブレーキペダル72の操作力に応じて決まる操作側上限値)と、ハイブリッドECU86から供給された電動モータ30の回転数等に基づいて決まる電気回生制動トルクの上限値である発電側上限値とのうちの小さい方が要求電気回生制動トルクとして決定され、この要求電気回生制動トルクを表す情報がハイブリッドECU86に供給される。なお、上述の発電側上限値については、ハイブリッドECU86から電動モータ30の回転数等を表す情報が供給され、その情報に基づいて発電側上限値がブレーキECU160において求められるようにすることもできる。 【0023】ハイブリッドECU86は、ブレーキECU106から供給された情報に表される要求電気回生制動トルクを原則としてはモータECU66に出力する。しかし、バッテリ21の充電量や液圧制動装置24におけるエネルギ消費量等を考慮して決められた要求電気回生制動トルクが出力される場合もある。要求電気回生制動トルクに対応する電気エネルギがバッテリ21に充電可能な電気エネルギとエネルギ消費量との和より大きい場合には、これらの和に対応する値が出力されるのである。電動モータ30は、制御回路32の制御により車輪14に加えられる電気回生制動トルクが要求電気回生制動トルクと同じ大きさとなるように制御される。電動モータ30の実際の回転数等の作動状態を表す情報がモータECU66からハイブリッドECU86に供給される。ハイブリッドECU86において、電動モータ30の実際の作動状態に基づいて実際に得られた実電気回生制動トルクが求められ、その実電気回生制動トルク値を表す情報がブレーキECU160に出力される。 【0024】ブレーキECU160において、総要求制動トルクから実電気回生制動トルクを引いた値が要求液圧制動トルクとされ、要求液圧制動トルクに基づいて各車輪14,90の各々において加えられる要求液圧制動トルクが求められ、その制動トルクが車輪14,90に加えられるようにリニアバルブ装置96等が制御される。マスタ遮断弁141が閉状態にされ、電磁開閉弁136が開状態にされた状態で、リニアバルブ装置96のソレノイド116への供給電流が制御される。この制御が回生協調制御なのである。 【0025】それに対して、電源装置22の異常等によって、液圧制動装置24に電気エネルギが供給されなくなると、ポンプ100が非作動状態にされ、各電磁弁130,134,136,141,143は図示する原位置にされ、リニアバルブ装置96のソレノイド116には電流が供給されなくなる。動力式液圧源98は非作動状態となり、リニアバルブ装置96は制御不能となるのであり、車輪に加えられる液圧制動トルクを制御することができなくなる。また、回生制動装置34においては電気回生制動トルクが0とされる。このように、電源装置22の異常時等には、回生協調制御が行われないのである。なお、液圧制動装置24においては、加圧部108に発生させられたブレーキペダル92の操作力に応じた液圧が、ブレーキシリンダ28に伝達され、前輪14のブレーキが作動させられる。 【0026】そこで、本実施形態においては、電源装置22が異常等であっても制御回路32による制御が可能である場合には、車輪14の回転を電動モータ30の電気的な制動により抑制し、それによって得られた電気エネルギが電力分配部74の制御により液圧制動装置24に直接供給されるようにする。液圧制動装置24においては、動力式液圧源98を作動させることができ、リニアバルブ装置96等を制御することが可能となる。また、電気回生制動トルクが出力されるのであり、回生協調制御が可能となる。制御回路32から液圧制動装置24へは、電源装置22等が異常である場合のみに限らず、正常な場合にも電気エネルギが直接供給される。電力分配部74は、電力配分制御プログラムの実行に従って制御される。 【0027】図7のフローチャートにおいて、ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、電気回生制動トルクの出力を要求する情報があった否かが判定される。要求電気回生制動トルクを表す情報がブレーキECU160から出力され、ハイブリッドECU86において受信したか否かが判定されるのである。要求電気回生制動トルクを表す情報が供給された場合には、S2において、回生制動装置34が正常であるか否かが判定され、S3において電源装置22が正常であるか否かが判定される。いずれも正常である場合には、S4において、バッテリ21の充電量が設定量以上であるか否かが判定される。この設定量は、FULL(これ以上充電すると過充電となるおそれがあるとする量)より少ない量であり、まだ、充電可能な容量が残っている量である。 【0028】バッテリ21の充電量が設定量より少ない場合(充電可能な容量が設定量より多い場合)には、判定がNOとなり、S5において、スイッチング部80(SW1)を接続状態とし、スイッチング部84(SW2)を切断状態とする指令をモータECU66に出力する。バッテリ21への分配比率が1にされるのである。モータECU66によってスイッチング部80が接続状態とされ、スイッチング部84が切断状態とされ、制御回路32によって変換された電気エネルギが電源装置22に供給される。バッテリ21を含む電源装置22が正常であり、かつ、充電し得る状態であるため、変換された電気エネルギのすべてがバッテリ21に充電させられるのである。充電により、電動モータ30の回転が抑制されるとともに車輪14の回転が抑制されるのであり、電気回生制動力が加えられるのである。 【0029】それに対して、バッテリ21の充電量が設定量以上である場合には、S4における判定がYESとなり、S6において、液圧制動装置24において消費されると推定される電気エネルギ(エネルギ消費量,エネルギ要求量と称することもできる)が電動モータ30の電気回生制動によって得られると推定される電気エネルギ(エネルギ取得量)より多いか否かが判定される。エネルギ消費量は、ブレーキECU160において演算により求められる。ハイブリッドECU86から供給された推定電気回生制動トルクを表す情報に基づいて推定要求液圧制動トルクが求められ(総要求制動トルクから推定電気回生制動トルクを引いた値を推定要求液圧制動トルクとする)、リニアバルブ装置96のブレーキシリンダ側の液圧を、その推定要求液圧制動トルクに基づいた液圧に制御するために消費されると推定されるエネルギ量(リニアバルブ装置96への供給電流量,アキュムレータ圧の減少分を補うためにポンプモータ101によって消費される電気エネルギ量等)が求められるのである。エネルギ消費量を表す情報は、ハイブリッドECU86からブレーキECU160へのエネルギ消費量を要求する消費量要求指令に応じて供給される。なお、エネルギ消費量は、要求液圧制動トルクと実際の車輪の回転数とに基づいて求めることもできる。 【0030】液圧制動装置24におけるエネルギ消費量の方が電動モータ30の制御によるエネルギ取得量より多い場合には、S7において、モータECU66にスイッチング部80を切断状態とし、スイッチング部84を接続状態とする指令が出力される。液圧制動装置24への分配比率が1とされるのである。それによって、制御回路32によって変換された電気エネルギは、すべて、液圧制動装置24に供給される。液圧制動装置24において電気エネルギが不足した場合には、電源装置22から直接供給される。エネルギ消費量の方が電動モータ30の制動によって得られるエネルギ取得量より少ない場合には、S8において液圧制動装置24への供給エネルギとバッテリ21への供給エネルギとの分配比率が決定される。本実施形態においては、図8のマップで表されるテーブルに従って、バッテリ21の充電量に基づいて分配比率が決定されるのである。図8に示すように、バッテリ21の残容量(充電可能な容量)が多いほどバッテリ21への分配比率が高くされ、少ないほど分配比率が低くされる。本実施形態においては、バッテリ21への充電を優先して、分配比率が決定されるようにされている。 【0031】S9において、その分配比率を実現し得るように、スイッチング部80,スイッチング部84のデューティ比が決定され、その指令が出力される。スイッチング部80,84のデューティ制御により、設定された比率で制御回路32の電気エネルギがバッテリ21と液圧制動装置24とに分配される。それに対して、電源装置22が異常である場合には、S3における判定がNOとなり、S7において、変換された電気エネルギは液圧制動装置24に供給される。なお、S8においては、バッテリ21への充電を優先して、分配比率が決定されるようにされていたが、液圧制動装置24におけるエネルギ消費量を優先して、決定されるようにすることもできる。エネルギ取得量がエネルギ消費量より多い場合には、エネルギ消費量を除いたエネルギがバッテリ21に充電されるようにするのである。液圧制動装置24に直接供給されるようにすれば、バッテリ21に充電してから供給するより、エネルギの損失を少なくすることができ、エネルギ効率を向上させることができる。 【0032】具体的には、運転者によるブレーキペダル92の操作力が小さく、要求電気回生制動トルクが総要求制動トルク(操作側上限値)に決定される場合には、エネルギ消費量は0とされる。そのため、S6における判定がNOとなり、S8,9において決定された分配比率で電気エネルギが液圧制動装置24とバッテリ21とに分配される。液圧制動装置24に供給された電気エネルギは、ポンプモータ101の駆動等に利用される。操作力が大きくなり、要求電気回生制動トルクが、発電側上限値に決定される場合(総要求制動トルクが要求電気回生制動トルクより大きい場合)には、要求液圧制動トルクが0より大きくなる。エネルギ消費量がエネルギ取得量より少ない間は、S8,9において決定された分配比率で分配されるが、エネルギ消費量がエネルギ取得量より大きくなると、S7において、液圧制動装置24への分配比率が1となり、電動モータ30の制動によって得られたエネルギは優先的に必要な量が液圧制動装置24に直接供給されることになる。 【0033】以上のように、本実施形態においては、電動モータ30を発電機として作動させることによって移動中の車両が有する運動エネルギを電気エネルギに変換して、それの変換された電気エネルギを液圧制動装置24に供給して消費させることによって、電動モータ30の回転が抑制され、車輪14の回転が抑制されるようにされている。そのため、電源装置22の異常時においても、制動時に発生するエネルギを有効に利用することができ、エネルギ効率を向上させることができる。また、電源装置22が正常であっても、液圧制動装置24に直接供給されるようにされているため、エネルギ損失を小さくし、エネルギ効率を向上させることができる。さらに、電動モータ30の電気的制動によって発生させられる電気エネルギが液圧制動装置24に直接供給されるようにされているため、電気エネルギの需要時期と供給時期とが合致する機会が多くなり、有効である。他の走行補助装置に消費させる場合には、車両制動時に、その装置を作動させる必要がないことも多いが、本実施形態におけるように、2つの制動系を備えている場合には、両方を作動させる必要が生じる場合が多いのである。また、液圧制動装置24とバッテリ21との両方に並行して供給する場合には、分配比率が、バッテリ21の充電量によって決定されるようにされているため、バッテリ21において過充電になることを回避しつつ、エネルギ効率を向上させることができる。 【0034】以上のように、本実施形態においては、電力分配部74およびブレーキECU160の電力配分制御プログラムを記憶する部分,実行する部分等により変換エネルギ分配装置が構成され、変換エネルギ分配装置のうち、制御回路32と液圧制動装置24とを接続する部分、ブレーキECU160のS7を記憶する部分,実行する部分等によって直接供給部が構成される。直接供給部は、異常時直接供給部でもある。また、ブレーキECU160のS8を記憶する部分,決定する部分等により、分配比率決定部が構成される。 【0035】なお、液圧制動装置24とバッテリ21とへのエネルギの分配比率の決定の方法は、上記実施形態におけるそれに限らず他の方法で決定することができる。また、バッテリ21と液圧制動装置24との両方に電気エネルギが並行して供給されるようにすることは不可欠ではなく、常に、液圧制動装置24に直接供給されるようにしたり、電源装置22の異常時や充電量が設定量以上である場合に供給されるようにしたりしてもよい。液圧制動装置24がアキュムレータ102を備えているため、電気エネルギを液圧エネルギに変換してアキュムレータ102に蓄えておくことができるため、液圧制動装置24に多くの電気エネルギが供給されても無駄に放出されることは殆どない。このように、液圧制動装置24がアキュムレータ102を備えていれば、車輪14に液圧制動トルクを加える必要がない場合にもエネルギを消費することが可能となり、制動時に取得されるエネルギの無駄な放出を少なくすることができる。しかし、液圧制動装置24がアキュムレータを備えたものとすることは不可欠ではない。 【0036】さらに、上記実施形態においては、制御回路32によって変換されたエネルギが走行補助装置としての液圧制動装置24に供給されるようにされていたが、車輪の回転を電動モータの駆動力により抑制する電動ブレーキを有する電動制動装置に供給されるようにすることもできる。電気エネルギが車輪毎に設けられた制動用の電動モータにおいて消費させられることによって車輪の回転が抑制されるのである。また、リニアバルブ装置98のソレノイド116への供給電流が、車両の減速度が運転者によるブレーキペダル92の操作力に対応する大きさとなるように、制御することもできる。この場合には、実電気回生制動トルクが大きく変化しても、運転者の違和感を小さくすることができる。さらに、エネルギ消費量の推定方法についても上記実施形態における方法に限らず、他の方法によって推定されるようにすることもできる。 【0037】さらに、電力分配部74は、上記実施形態におけるそれに限らず、図9,10に示す構造のものとすることもできる。図9に示す電力分配部202は、配電用変圧器204を含む電気回路で構成されたものであり、配電用変圧器204を介して、制御回路32,液圧制動装置24,電源装置22が接続されている。配電用変圧器204と制御回路32との間、配電用変圧器204とバッテリ21との間、配電用変圧器204と電力供給部82との間には、それぞれ交流電流と直流電流との間の変換を行う電力変換装置210〜214が設けられている。本実施形態においては、電力供給部82に供給される電力の電圧と、バッテリ21に供給される電力の電圧と、制御回路32から出力された電力の電圧とが、配電用変圧器204におけるコイルの巻き数の比率で決まる設定比率で、液圧制動装置24とバッテリ21とにそれぞれ供給される。バッテリ21から制御回路32,電源供給部82には、直流電流が別途供給される。 【0038】図10に示す電力分配部250は、可変抵抗器252を含む電気回路で構成されたものである。制御回路32について液圧制動装置24とバッテリ21とが並列に接続されているのであり、制御回路32と液圧制動装置24との間には可変抵抗器252が設けられている。可変抵抗器252の抵抗が大きい場合は小さい場合より液圧制動装置24に供給される電力の電圧が低くなる。抵抗の調節により液圧制動装置24において必要な電圧の電力に調節される。なお、可変抵抗器252においては電気エネルギが消費されるため、その分、エネルギ効率が低下するが、電力分配部250が制御不能になる異常が生じても、予め定められた配分比(例えば、等配分)でバッテリ21と液圧制動装置24とにエネルギを分配することが可能である。また、ダイオード254によって、電流の逆流が防止される。 【0039】次に、エネルギ変換装置20によって変換された電気エネルギが、複数の走行補助装置に直接供給されるようにされた場合について説明する。その場合における車両全体の概略的な構造を、図11に示す。制御回路32には、パワーステアリング装置300,摩擦制動装置302,電源装置22が電力分配部74を介して接続されている。電力分配部74の構成は上記実施形態における場合と同様にスイッチング部を含むものであり、制御回路32と、バッテリ21との間、摩擦制動装置302との間、パワーステアリング装置300との間に各々設けられた3つのスイッチング部を含む。パワーステアリング装置300は、運転者によるステアリングホイールの操作力を助勢して車輪を転舵する装置であるが、操舵力を助勢する助勢力が液圧アクチュエータによって加えられる。液圧アクチュエータは電気エネルギにより作動させられるものであり、例えば、ポンプ装置,液圧シリンダ等を含むものとすることができる。なお、電動モータを含むもの電動アクチュエータを含むものとすることもできる。 【0040】電力分配部74の制御により、電動モータ30の電気回生制動によって得られた電気エネルギが、パワーステアリング装置300のみに供給される状態、摩擦制動装置302のみに供給される状態、バッテリ21のみに供給される状態、パワーステアリング装置300,摩擦制動装置302,バッテリ21の任意の2つ以上の装置に供給される状態に制御可能である。本実施形態においては、バッテリ21に電気エネルギを充電できない場合には、電力分配部74の制御により、電気エネルギが摩擦制動装置302とパワーステアリング装置300とに設定比率で分配される。この場合における設定比率は、図12のマップで表されるテーブルに従って決定される。図に示すように、車速が大きいほど摩擦制動装置302へのエネルギの分配比率が大きくされる。車速が大きいほど制動時に必要なエネルギが多くなるからである。また、パワーステアリング装置300においては、車速が大きい場合は操舵力に加えられる助勢力が小さくされるのが普通であり、エネルギの要求がかみ合い、これらを組み合わせてエネルギを分配することは妥当なことである。さらに、制動中にステアリングホイールが操作されることは多く、制動時に生じたエネルギをパワーステアリング装置300に供給されるようにすることは有効なことである。 【0041】また、電源装置22における異常の態様と、摩擦制動装置302と回生制動装置34とを含む制動装置304,パワーステアリング装置300における作動の態様等について図13に基づいて説明する。電源装置22が正常である場合には、制動装置304もパワーステアリング装置300も正常に作動させられる。制動装置304においては、原則として、電動モータ30の制御により電気回生制動トルクが発生させられるのであるが、電気エネルギは摩擦制動装置302に直接供給され、消費される。いわゆる、自家発電の状態にある。摩擦制動装置302において、電気エネルギが不足する場合には、電源装置22から供給される。パワーステアリング装置300は、電源装置22から供給された電気エネルギにより作動させられる。 【0042】電源装置22から制動装置304(ブレーキ系)へ電気エネルギが正常に供給されなくなった場合、すなわち、電源装置22の制動装置304へのエネルギ供給部分に異常が生じた場合には、制動装置304においては自家発電状態とされる。電源装置22は、摩擦制動装置302を作動させるのに十分な電気エネルギを供給することは不可能であるが、制御回路32の制御等に必要な電気エネルギは供給可能なのである。パワーステアリング装置300は、電源装置22から供給された電気エネルギによって正常に作動させられる。電源装置22からパワーステアリング装置300へ電気エネルギが正常に供給されなくなった場合には、制動装置304から電気エネルギが直接供給される。この場合において、パワーステアリング装置300においてエネルギが必要である場合に制動中であれば、制動装置304から電気エネルギが供給されるのであるが、非制動中である場合には非作動状態にされる。電源装置22から制動装置304へもパワーステアリング装置302へも電気エネルギが供給されなくなった場合には、上述の2つの場合を組み合わせた状態となる。制動装置304においては自家発電状態とされ、パワーステアリング装置300においては、非作動状態にされるか、制御回路32から直接供給された電気エネルギによって作動させられるかのいずれかとなる。 【0043】本実施形態によれば、エネルギ変換装置20によって変換されたエネルギを摩擦制動装置のみならず、パワーステアリング装置300にも直接供給することができ、エネルギ効率の向上を図ることができる。電源装置22が異常である場合,バッテリ21の充電状態が設定量以上である場合にも、電気回生制動トルクを発生させることができ、摩擦制動装置302を作動させたり、パワーステアリング装置300を作動させたりすることができる。また、エネルギが複数の走行補助装置に供給されるようにすれば、エネルギの供給時期と需要時期とが合致する確率を高くすることができる。 【0044】なお、図13のマップで表されるテーブルに従えば、電源装置22に異常が生じた場合に、電動モータ30の電気回生制動によって得られるエネルギがパワーステアリング装置300に供給されるようにされていたが、正常である場合に供給されるようにすることもできる。第1実施形態における場合と同様に、バッテリ21への充電可能な量と、摩擦制動装置302におけるエネルギ消費量と、パワーステアリング装置300におけるエネルギ消費量との少なくとも1つに基づいて分配比率を決定し、その決定された比率に応じて電気エネルギを分配することができるのである。分配比率を決定する際には、上述の3つの条件に優先順位に設け、優先順位に従って決定したり、車速等の他の条件を考慮して決定したりすることができる。車速等を考慮して決定することもできる。 【0045】また、電源装置22を設けることは不可欠ではなく、制御回路32によって変換されたエネルギが摩擦制動装置302とパワーステアリング装置300との少なくとも一方に供給されるようにすることもできる。バッテリ21がなくても、上述のように、エネルギの供給時期と需要時期とが合致しない場合は少なく、電動モータ30の電気回生制動時に得られるエネルギが無駄になることは殆どないからである。この場合には、摩擦制動装置302とパワーステアリング装置300の少なくとも一方に、エネルギ蓄積装置を設けてもよい。走行補助装置が専用のエネルギ蓄積装置を有していれば、非作動時にエネルギが供給されても、蓄えておくことができ、有効である。この場合には、電気エネルギを蓄えるバッテリに限らず液圧エネルギに変換した後に蓄えるアキュムレータとしてもよい。さらに、パワーステアリング装置を作動させる必要がある場合に非制動中である場合には、電動モータ30の制御により電気エネルギが出力されるようにすることもできる。車輪14に加えられる制動トルクが非常に小さい場合にはそれによる影響は小さいのである。 【0046】また、エネルギ変換装置は、運動エネルギを電気エネルギに変換する装置に限らず、運動エネルギを液圧エネルギに変換する液圧エネルギ変換装置とすることができる。さらに、エネルギ蓄積装置は、電気エネルギを蓄積する装置に限らず、液圧エネルギを蓄積するものとすることができる。その一例を、図14,15に示す。本実施形態においては、エネルギ変換装置が液圧モータ402と電磁弁404とを含む液圧エネルギ変換装置406とされ、エネルギ蓄積装置がアキュムレータ408とされる。また、液圧制動装置24については、上記各実施形態におけるそれと同じものであり、液圧制動装置24,液圧モータ402は、アキュムレータ408を含む高圧源409から供給される高圧の作動液によって駆動される。液圧モータ402は、車輪14に接続されたものであり、車輪14には液圧モータ402の作動により駆動力が加えられたり、制動力が加えられたりする。 【0047】高圧源409は、アキュムレータ408の他に、ポンプ410およびポンプモータ412を含むポンプ装置414を含むものであり、ポンプ410によってリザーバ415の作動液が汲み上げられ、加圧されてアキュムレータ408に蓄えられる。ポンプ410はポンプモータ412の駆動により作動させられるが、ポンプモータ412はアキュムレータ408に蓄えられる作動液の液圧が設定範囲内に保たれるように制御される。ポンプ410の吐出側には、逆止弁416が設けられるとともに、ポンプ410とリザーバ415との間にはリリーフ弁418が設けられている。 【0048】また、エネルギ変換装置406と、液圧制動装置24の動力式液圧源98と、アキュムレータ408との間には、液圧分配部419が設けられている。液圧分配部419は、液圧モータ制御部でもある。液圧モータ制御部419は、エネルギ変換装置406と動力式液圧源98とを接続する液通路420に設けられた開閉弁422、動力式液圧源98とアキュムレータ408とを接続する液通路424に設けられた開閉弁426、アキュムレータ408とエネルギ変換装置406とを接続する液通路428に直列に設けられた開閉弁430および流量制御弁432等を含むものである。また、液通路428の開閉弁430と流量制御弁432との間の部分は開閉弁434を介してリザーバ415に接続されている。 【0049】この液圧モータ制御部418は駆動・制動ECU440によって制御される。駆動・制動ECU440はコンピュータを主体とするものであり、入力部には、図示しないアクセルペダルの開度を検出する開度センサ442、液圧モータ402の回転数を検出する回転数検出装置444、液圧モータ402が制動状態にある場合に液圧モータ402の出力側の液圧を検出する液圧センサ446、アキュムレータ408の圧力を検出するアキュムレータ圧センサ448等が接続され、これらの検出値に基づいて上述の各電磁弁404、開閉弁422,426,430,434,流量制御弁432のソレノイド,ポンプモータ412等が制御されるのである。また、ブレーキECU160との間で情報の通信が行われる。 【0050】ブレーキECU160においては、上記実施形態における場合と同様に、運転者の要求する総要求制動トルクがブレーキペダル92の操作力に応じて求められる。そして、その総要求制動トルク(操作側上限値)と、駆動・制動ECU440から供給される液圧モータ402によって出力し得る(回転数等によって決まる)最大の液圧回生制動トルクを表す情報(液圧回生上限値)との小さい方を要求液圧回生制動トルクとして、これを表す情報を駆動・制動ECU440に出力する。駆動・制動ECU440からブレーキECU160へは、液圧モータ402の制動時に実際に得られた実液圧回生制動トルクを表す情報が供給される。ブレーキECU160においては、総要求制動トルクから実液圧回生制動トルクを引いた値が要求液圧制動トルクとされ、ブレーキシリンダ液圧がその要求液圧制動トルクに対応する液圧に近づくように、リニアバルブ装置96等が制御される。流量制御弁432は、液通路428の流路面積を電気的に制御可能なものであり、駆動時には、流路面積がアクセル開度の増加に応じて大きくされ、制動時には、要求液圧回生制動トルクが得られるように制御される(ブレーキペダル92の操作力が大きいと小さくされる)。 【0051】以下、作動について説明する。駆動要求も制動要求もない場合、すなわち、アクセルペダルもブレーキペダル92も操作されていない場合には、電磁弁404は図示する保持位置に保たれる。液圧モータ402は非作動状態に保たれ、車輪14には駆動力も制動力も加えられることはない。アクセルペダルが踏み込まれた場合には、各開閉弁422,426,430,434は、図示する原位置に保たれ、電磁弁404は駆動位置に切り換えられる。液圧モータ402にはアキュムレータ408から高圧の作動液が供給され、車輪14に駆動力が加えられる。液圧モータ402から流出させられた低圧の作動液はリザーバ415に戻される。流量制御弁432の流路面積は、アクセル開度の増加に伴って大きくされ、アクセル開度に応じた駆動力が車輪14に加えられる。 【0052】制動時、すなわち、ブレーキECU160から要求液圧回生制動トルクを表す情報が供給された場合には、電磁弁404は制動位置に切り換えられる。液圧モータ402は、車輪14によって回転させられるポンプとして作動させられる。リザーバ415の作動液が汲み上げられ、加圧された作動液が吐出される。その吐出された作動液が液通路428を経てアキュムレータ408に蓄えられたり、液通路420を経て動力式液圧源96に供給されて消費されることが負荷となって、液圧モータ402の回転が抑制され、車輪14の回転が抑制される。また、液通路428が流量制御弁432により絞られることによって負荷が加えられ、回転が抑制される。流量制御弁432の流路面積は要求液圧回生制動トルクの増加に伴って小さくされ、車輪14に加えられる制動力がブレーキペダル92の操作力の増加に伴って増加させられる。ポンプの吐出圧の制御により、車輪14に加えられる制動トルクが制御されるのである。 【0053】要求液圧回生制動トルクが小さい場合に、ポンプ(液圧モータ402)から吐出された作動液がそのままアキュムレータ408に供給されると、アキュムレータ408の設定荷重に対応する負荷が加わり、液圧回生制動トルクが要求液圧回生制動トルクより大きくなってしまう。それに対して、流量制御弁432における流路面積が制御されるとともに、開閉弁434,430の開閉制御により、液圧モータ402から吐出された作動液がアキュムレータ408に供給されたり、リザーバ415に戻されたりすれば、車輪14に加えられる液圧回生制動トルクが要求液圧回生制動トルクとなるように制御することができる。また、アキュムレータ408に加圧された作動液が供給されるため、制動時に発生するエネルギの無駄な放出を抑制することができる。このように、流量制御弁432が要求液圧回生制動トルクに応じて制御されるのは、要求液圧回生制動トルクが操作側上限値とされる間であり(要求液圧回生制動トルクが液圧回生上限値より小さい場合であり)、液圧制動装置24を作動させる必要がない場合である。 【0054】要求液圧回生制動トルクが液圧モータ402の最大制動トルク以上になった場合(要求液圧回生制動トルクが液圧回生上限値に決定される場合)、すなわち、液圧制動装置24を作動させる必要が生じた場合には、電磁開閉弁422が開状態に切り換えられる。液圧モータ402から吐出された作動液の大部分は、動力式液圧源98に供給され、消費されることによって負荷とされて車輪14の回転が抑制される。液圧モータ402から吐出された作動液は、図5の部分Aに供給され、調圧部106に供給される。調節部106の作動液はリニアバルブ装置96によって制御されてブレーキシリンダ28,91に供給され、ブレーキが作動させられる。この場合には、逆止弁104により、エネルギ変換装置406から供給された作動液の逆流が防止される。 【0055】また、開閉弁434を閉状態に、開閉弁430を開状態に切り換えれば、流量制御弁432を経た作動液はアキュムレータ408に蓄えられる。液圧制動装置24におけるエネルギ消費量やアキュムレータ408の液圧等に基づいて、液圧モータ402によって出力されるエネルギを液圧制動装置24とアキュムレータ408とのいずれか一方に選択的に、また、両方に並行して供給することが可能である。電磁開閉弁430と電磁開閉弁422との開閉制御によって、決められた分配比率でアキュムレータ408と動力式液圧源96とにエネルギを分配することができる。なお、この場合には、流量制御弁432における流路面積が非常に小さくされているが、要求液圧回生制動トルクが液圧モータ402によって出力可能な最大の液圧回生制動トルク以上になった場合には、流量制御弁432の開度を最大にしてもよい。アキュムレータ408に供給されることによって(アキュムレータ408の設定荷重に対応する負荷が加えられても)車輪14に加えられる制動力が要求値に対して過大になることはないからである。 【0056】さらに、開閉弁422を閉状態とし、開閉弁426を開状態とすれば、アキュムレータ408の作動液を液圧制動装置24に供給することもできる。高圧源409から液圧制動装置24に多量の作動液を供給することができるのである。また、液圧制動装置24において、液圧エネルギがさらに不足する場合にはアキュムレータ102に蓄えられた作動液が使用されるようにすればよい。このように、本実施形態においては、液圧モータ402の制動時に発生する液圧エネルギを液圧制動装置24において使用することができ、液圧エネルギを有効に利用することができる。流体を媒体として、エネルギを循環させ、エネルギの有効利用を図ることができるのである。また、高圧源409またはエネルギ変換装置406から液圧制動装置24に液圧エネルギが供給されるようにすれば、液圧制動装置24において、動力式液圧源96を省略したり、動力式液圧源96に含まれるアキュムレータ102,ポンプ100,ポンプモータ101等を省略したりすることができる場合があり、その場合には、装置の小形化を図ったり、コストダウンを図ったりすることができる。省略しないまでも、アキュムレータ102を小形化したり、ポンプ100を小形化したりすることができる。 【0057】なお、エネルギ変換装置406に、液圧制動装置24とパワーステアリング装置との両方を接続することができる。パワーステアリング装置における負荷は、液圧制動装置24における負荷より小さいのが普通であるため、要求液圧回生制動トルクが小さい間に、パワーステアリング装置に液圧エネルギを供給し、消費させることによる負荷によって車輪14に制動トルクを加えることもできる。パワーステアリング装置がアキュムレータを有するものである場合には、そのアキュムレータに蓄積させることも有効である。アキュムレータの設定荷重は、ブレーキ系に含まれるそれより小さいのが普通である。また、流量制御弁432は、電磁弁ではなく、機械的に作動させられるものとすることもできる。アクセルペダルの操作に応じて機械的に開度が大きくなる流量制御弁と、ブレーキペダルの操作に応じて機械的に開度が小さくなる流量制御弁とを並列に設けるとともに、これらの間に駆動時と制動時とに選択的に切換え可能な方向切換弁を設けるのである。 【0058】さらに、開閉弁434,430の開閉制御を行う必要はなく、ブレーキペダル92の操作力が小さい間は、開閉弁434が開状態に、開閉弁430が閉状態に保たれるようにすることができる。この場合には、流量制御弁432の制御により液圧回生制動トルクが制御されることになる。また、エネルギが無駄に放出されることになるが、ブレーキペダル92の操作力が小さい間だけであるため、放出されるエネルギ量は少ない。また、液圧モータ402は、車輪14の駆動時ではなく、制動時のみに作動させられるものとしてもよい。さらに、液圧制動装置24の部分Aに供給されるようにされていたが、調圧部106とリニアバルブ装置96との間に供給されるようにすることもできる。 【0059】その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項について記載した態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した態様で実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月10日(1999.11.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079669 【弁理士】 【氏名又は名称】神戸 典和 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−136604(P2001−136604A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−319204 |
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