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【発明の名称】 有軌道台車システム
【発明者】 【氏名】塩飽 保

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面C字型の一対のコアを背中合わせに配置し、各コアにピックアップコイルを設けた受電部を有軌道台車に設けると共に、前記C字型コアの各凹部に対応する位置に給電線を設けた、有軌道台車システム。
【請求項2】 ピックアップコイルを各C字型コアの垂直片に巻回すと共に、前記給電線を各凹部の中心よりもコアの垂直片側に近づいた位置に配置したことを特徴とする、請求項1の有軌道台車システム。
【請求項3】 前記給電線に沿って有軌道台車のレールを設け、そのレイアウトにループと該ループから分岐した後に合流する分岐部とを設け、前記給電線を高周波電源に接続された一筆書き状の実質上1本の給電線で構成し、かつ給電線の中間に複数箇所で折り返し部を設けることにより、前記ループと前記分岐部との双方に沿って、かつ前記C字型コアの各凹部の位置に、給電線を配設したことを特徴とする、請求項1または2の有軌道台車システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の利用分野】この発明は有軌道台車システムでの非接触給電に関する。
【0002】
【従来技術】1KHz〜1MHz程度の高周波をレールに沿って設けた給電線に流すと共に、磁性コアにピックアップコイルを巻回した受電部を有軌道台車に設けて、給電線との間で電磁結合させて、給電するようにしたシステムが知られている。
【0003】このようなシステムではコアはE字型のものが知られ、コアの2つの凹部に対応するように給電線を配置する。しかしながらこのようなシステムでは、一対の給電線をE字型のコアから脱出させて、水平面内で左右に拡開することができず、分岐を設けることができない。このため、レールのレイアウトに制限が生じる。
【0004】
【発明の課題】この発明の課題は、非接触給電型の有軌道台車システムに分岐を設けられるようにすることにある(請求項1〜3)。請求項2の発明での追加の課題は、コアと給電線との電磁的結合を強め、給電効率を向上させることにある。請求項3の発明での追加の課題は、1つの電源系統で効率的に給電することにある。
【0005】
【発明の構成】この発明の有軌道台車システムでは、断面C字型の一対のコアを背中合わせに配置し、各コアにピックアップコイルを設けた受電部を有軌道台車に設けると共に、前記C字型コアの各凹部に対応する位置に給電線を設けて、有軌道台車に給電する。
【0006】好ましくは、ピックアップコイルを各C字型コアの垂直片に巻回すと共に、前記給電線を各凹部の中心よりもコアの垂直片側に近づいた位置に配置する。
【0007】また好ましくは、給電線に沿って有軌道台車のレールを設け、そのレイアウトにループと該ループから分岐した後に合流する分岐部とを設け、給電線を高周波電源に接続された一筆書き状の実質上1本の給電線で構成し、かつ給電線の中間に複数箇所で折り返し部を設けることにより、前記ループと前記分岐部との双方に沿って、かつ前記C字型コアの各凹部の位置に、給電線を配設する。
【0008】
【発明の作用と効果】請求項1の発明では、有軌道台車の受電部に断面C字型のコアを背中合わせに一対設けて、コアにピックアップコイルを取り付ける。そしてこれらの一対のコアの各凹部に給電線を配置するので、両側の給電線の間隔を拡げれば、分岐を設けることができる。
【0009】請求項2の発明では、給電線を各凹部の中心よりも垂直片側に配置するので、コアと給電線との電磁的な結合を強めることができ、給電効率を高める事ができる。
【0010】請求項3の発明では、有軌道台車のレールをループとループから分岐した後に合流する分岐部とを有するように設ける。そして給電線を一筆書き状の実質的に一本の給電線で構成し、たとえば給電線の両端を高周波電源に接続し、中間にジャンパー線などを用いて複数箇所で折り返し部を設け、これらによって、ループや各分岐部において、断面方向で見て一対の給電線が電流方向が逆向きになるように配置する。このため1系統の高周波電源をループならびに分岐部全体の給電に用いる事ができ、電源設備が簡単になる。
【0011】
【実施例】図1〜図4に実施例を示す。図1において、2はレールで、クリーンルームの天井から吊り下げ、柱上に架設し、あるいは床下内に設けるなどにより、クリーンルーム内の適宜の位置に設ける。レール2はたとえば断面がU字型で、合成樹脂やアルミニウムなどの非磁性材料で構成され、細手のエナメル線などの撚り組みケーブルからなるリッツ線4,5が、樹脂製のホルダー6,7でレール2の凹部中央へ向けて突設されている。8はジャンパー線で、リッツ線4,5を折り返し配線するためのものである。10はレール2の底部などに設けたフィルターファンユニット(FFU)で、レール2の底部に設けた孔からレール2内の空気を吸引して、有軌道台車の走行により生じた発塵を除去するためのものである。FFU10は、レール2をクリーンルームの床下や、クリーンルーム以外のスペースに設ける場合には、特に必要ではない。
【0012】12はレール2上を走行する有軌道台車で、14はその受電部であり、一対の断面C字型のコア15,16を背中合わせに配置し、コア15,16の垂直片17,18にピックアップコイル19,20を巻回し、ピックアップコイル19,20は直列や並列に接続してある。コア15,16にはフェライトや珪素鋼鈑などの磁性材料を用いる。そして一対のコア15,16は、図示しない機構により、有軌道台車12の底部への取り付け位置を調整可能にする。
【0013】24は有軌道台車12の走行駆動部で、モーターとブレーキなどを備え、25は走行車輪で、たとえばレール2の底面に沿って走行し、26,26は走行駆動部24などに取り付けたガイドローラで、レール2の側壁の内側でガイドされて、有軌道台車12をガイドするためのものである。なお28はワークを戴置するための荷台で、30は荷台28と走行駆動部24などの連結部である。ここではレール2を天井から吊り下げる等の構成にしたため、走行車輪25がレール2の底面を走行するが、レール2をクリーンルームの床面上に設置し、受電部14への給電とガイドローラ26へのガイドのみを行い、走行車輪25はクリーンルームの床面を走行するようにしても良い。そのようにすると、レール2は極めてコンパクトになる。
【0014】受電部14の構成を図2を用いて説明し、図の左側に断面を右側に平面を示す。コア15,16には凹部21,22があり、リッツ線4,5は少なくともその中心部31,32で見て、凹部21,22の中心線L1,L2よりも垂直片17,18よりに配置する。これによって、リッツ線4,5とコイル18,19との電磁結合を強め、給電効率を向上させる。コア15はリッツ線4と電磁的に結合し、コア16はリッツ線5と電磁的に結合するので、コア15,16やリッツ線4,5の配置の自由度や位置不良へのマージンが増す。例えばコア15,16の一方に取り付け位置の不良等があった場合でも、他方のコアは独立して取り付けられるので、給電性能への影響は比較的少ない。またコア15,16の位置を別個に調製する機構を設ければ、リッツ線4,5の位置不良などにも容易に対処できる。さらに分岐ではリッツ線4,5の間隔を拡げてコア15,16から逃がすことができ、分岐を設けることができる。なお分岐でもコア15,16の一方はリッツ線からの給電を受け続けルことができる。これに対して図3の従来例のように、E字型のコアの垂直片にピックアップコイル19,20を配設して、E字の2つの凹部にリッツ線4,5を配置すると、分岐部でリッツ線4,5をコアから逃がすことができない。このため分岐を設けることができない。
【0015】図4に、実施例でのレール2とリッツ線4,5との配置を示す。40はたとえば1kHz〜1MHz程度の高周波電源で、図4のレール2のレイアウト全体に対して高周波電源40から給電するものとし、1個の電源である必要はないが1系統の電源を用いる。41,42はリッツ線4,5と高周波電源40との接続部で、リッツ線4,5は、途中にジャンパー線8があるものの実質上1本の給電線で構成され、ジャンパー線8を用いて複数箇所で折り返し、両端を高周波電源40に接続したものである。有軌道台車は図4のレールのレイアウトを一方通行でループ状に走行するものとし、44はメインループで、46はメインループを中間で近道するショートカットで、48はバイパスである。そしてショートカット46やバイパス48が分岐部を構成し、分岐部ごとにメインループ44からの分岐が1カ所と合流が1カ所発生する。レール2のレイアウトには、これ以外に袋小路区間等を設けても良い。
【0016】リッツ線4,5は一筆書き状に配設され、かつ折り返し部などでジャンパー線8により接続されて、実質上1本のリッツ線で構成され、これをメインループ44及びショートカット46,バイパス48の全体に配設する。そしてこれらのいずれの部分でも、一対の逆向きに電流が流れるリッツ線4,5として用いる。このようにすると、高周波電源40を一端とする閉ループとしてリッツ線4,5を構成でき、メインループ44やショートカット46,バイパス48の全体に対して、リッツ線は一筆書きで配置され、中間にジャンパー線8による折り返しが設けてある。
【0017】実施例では文字通りに1個の高周波電源40を用いたが、電源40の個数自体は任意であり、互いに直列に接続した1系統の電源系であればよい。たとえば図4の下側に示すように、追加の高周波電源50を設けて、高周波電源40と直列に配置しても良い。1系統の電源系を用いるので、レイアウトの全体に同じ電源系から給電できる。これに対して、たとえばバイパス48やショートカット46には高周波電源40から独立した別個の電源を設け、この部分のみ別個の電源で給電すると、ショートカット46やバイパス48への給電のみのために、別個の高周波電源を設けなければならなくなる。
【0018】ショートカット46やバイパス48などで、たとえば図5のようにリッツ線を配設し、全体としてリッツ線を並列に配設しても良い。しかしながらこのようにすると、並列接続に伴うインピーダンスの整合が必要になり好ましくない。これに対して図4のレイアウトでは、1系統の高周波電源でレール2のレイアウト全体に対して給電でき、一筆書き状の直列折り返し配線なので、インピーダンスマッチングを考慮する必要がない。
【出願人】 【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明 (外1名)
【公開番号】 特開2001−128303(P2001−128303A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−306359