トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 第4の素子コンデンサを用いて充電電力を制御するバッテリ充電システム
【発明者】 【氏名】レイ・ジー・ラディス

【氏名】ジョン・ティー・ホール

【要約】 【課題】電気自動車の充電システムにおける充電能力を制御すること。

【解決手段】ダイオード・ブリッジと第4の素子コンデンサとにより充電プローブに結合された電気自動車のバッテリを充電するバッテリ充電システム10は、電圧源11と、この電圧源11に並列に接続された複数のバッテリ充電器20とを備え、バッテリ充電器20の各々は直列タンク回路と絶縁変成器14とを備える。充電プローブは、並列の複数のバッテリ充電器20の絶縁変成器14に結合される。分散された第4の素子コンデンサ16a、16bが複数のバッテリ充電器10の各々における絶縁変成器14に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイオード・ブリッジと第4の素子コンデンサを介して充電プローブに結合された電気自動車のバッテリを充電するバッテリ充電システムであって、電圧源と、各々が直列タンク回路と絶縁変成器とを含み、前記電圧源に並列に接続された複数のバッテリ充電器と、並列の前記複数のバッテリ充電器の前記絶縁変成器に結合された充電プローブと、前記複数のバッテリ充電器の各々におけるそれぞれの前記絶縁変成器に結合された第4の分散された素子コンデンサと、を備えるバッテリ充電システム。
【請求項2】 ダイオード・ブリッジと第4の素子コンデンサとを介して充電プローブに結合された電気自動車のバッテリを充電するバッテリ充電システムであって、電圧源と、該電圧源に並列に接続され且つ各々が直列タンク回路と絶縁変成器とを含む複数のバッテリ充電器と、並列の前記複数のバッテリ充電器の絶縁変成器に結合された充電プローブとを含むバッテリ充電システムにおいて、前記複数のバッテリ充電器の各々におけるそれぞれの前記絶縁変成器に結合された分散された第4の素子コンデンサを備えるバッテリ充電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車充電システムに関し、特に、電気自動車充電システムにおける充電電力を制御する改善されたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の譲受人は、電気自動車充電システムを設計し開発している。電気自動車のバッテリを大電力で充電する廉価で且つ簡単な方法は、幾つかの共振充電器を並列に接続することである。不都合なことには、並列に接続される充電器の数が多くなると、1段当たりの出力電力は著しく低下する。このような影響は、本発明の原理を用いて各充電器段に第4の分散された素子コンデンサを付加することにより無効化し得ることが判った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】3個の素子共振充電器が過去において用いられた。このような3個の素子共振充電器は次のような制約を有する。この3個の共振充電器は、細流充電モードにおいて要求されるゼロ電力まで動作を抑えることができない。3個の素子共振充電器は電圧ブースト効果を提供しない。3個の素子共振充電器は、各段が並列にされるとき、多量の電力容量を失う。
【0004】過去においては4素子充電器が用いられた。このような4素子充電器は、ゼロ電力まで動作を抑えることが可能であるが,各段が並列に接続されるときに電力を失う。本発明は、このような問題に対する解を提供する。
【0005】従って、電気自動車用充電システムにおける充電電力を制御するための改善されたシステムを提供することが望ましい。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の並列の共振充電器を用いて電気自動車のバッテリを充電する改善された充電システムを提供する。先行技術の並列共振充電器を用いると、並列に接続される充電器の数が多くなるほど、1段当たりの出力電力が著しく低下する。このような影響は、本発明によれば、第4の分散された素子コンデンサを各充電器段へ付加することによって無効にされる。このように、比較的少量の容量を各充電段に付加することによって、多量のバッテリ充電電力を効率的に制御することができる。
【0007】特に、本発明は、電気自動車のバッテリを充電するためのバッテリ充電システムを提供する。バッテリは、ダイオード・ブリッジと第4の素子コンデンサとを介して充電プローブに結合される。システムは、電圧源と、この電圧源に並列に接続された複数のバッテリ充電器とを備える。それぞれのバッテリ充電器は、直列タンク回路と絶縁変成器とを備える。充電プローブは、並列の複数のバッテリ充電器の絶縁変成器に結合される。分散された第4の素子コンデンサは、並列の複数のバッテリ充電器における各々の絶縁変成器に結合される。
【0008】本発明の諸特徴および利点については、添付図面に関して以降の詳細な記述を参照することにより一層容易に理解されよう。図面において、同じ参照番号は同じ構成要素を指示している。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を参照すると、図1は、電気自動車19の内部のバッテリ18を充電するために用いられる先行技術のバッテリ充電システム10を示している。バッテリ充電システム10は、電圧源11(VIN)と、直列インダクタ13a(LS)および直列コンデンサ13b(CS)を含む直列タンク回路12(ZS)と,絶縁変成器14(Li)と、充電ポート15bへ挿入される入力結合器である充電プローブ15aとを含むバッテリ充電器20を備える。
【0010】充電プローブ15aと充電ポート15bとは、電圧源11(VIN)からの電力をバッテリ18へ結合する結合変成器を形成する。電圧源11(VIN)は、60Hz商用コンセントから生成される高周波方形波である。
【0011】充電ポート15bは、第4の素子コンデンサ16(C4)およびダイオード・ブリッジ17を介してバッテリ18へ結合される。第4の素子コンデンサ16、ダイオード・ブリッジ17及びバッテリ18は、電気自動車19の内部に配置される。
【0012】充電ポート15bは、電力の転送に用いられる誘導結合器である。絶縁変成器14の目的は、電圧源11(VIN)が3相交流システムにおいて異なる位相から生成されるときであっても並列段を許容することである。
【0013】図2は、図1に示されたバッテリ充電システム10の簡素化されたモデルを示している。絶縁変成器14(Li)が無視されると、バッテリ充電システム10は4つの素子の直並列コンバータを形成する。このコンバータは2つのタンク回路を備える。直列タンク回路(ZS)は、直列インダクタ13a(ZS)と直列コンデンサ13b(CS)とを含む。並列タンク回路(ZP)は、充電プローブ15a(Lm)と第4の素子コンデンサ16(C4)とを含む。比ZS/ZPこそ、何故に第4の素子コンデンサ16(C4)が低周波の電力を増加させ、高周波の周波数の電力を低減させ、段が並列に接続されるとき電力を低下させるかを理解するための鍵である。
【0014】図3は、電力を1つの充電ポート15bへ供給するように並列に接続された2個のバッテリ充電器20を備える先行技術のバッテリ充電システム10を示している。図4は、図3に示されたバッテリ充電システム10の簡素化されたモデルを示している。図4において、直列インダクタ13a(LS)のインダクタンスは半分になるが、直列コンデンサ13b(CS)のキャパシタンスは2倍になる。その結果、直列共振タンク回路(ZS)のインピーダンスは同じままである。直列タンク回路(ZS)のインピーダンスは半分に減るが、並列タンク回路(ZP)のインピーダンスは半分にはならない。絶縁変成器14(Li)の大きさは、通常は、充電プローブ15a(Lm)の大きさの約10倍である。総インダクタンスはLm‖LiからLm‖Li‖Liになる。第4の素子コンデンサ16(C4)のキャパシタンスは全く変化しない。その結果、並列タンク回路(ZP)の大きさは少量だけ小さくなる。このため、比Zs/ZPが低下する。このため、段当たりの電力の損失を生じる。これを説明する2つの方法が存在する。
【0015】図4に示す共振電圧(VRES)は、ダイオード・ブリッジ17のダイオードが逆バイアスされるので、しばしば無負荷状態となる。その結果、直列タンク回路(ZS)に流れる共振電流(IRES)は、並列タンク回路(ZP)に流れることによって確立されねばならない。出力電力を2倍にするためには、共振電流(IRES)が2倍にならなければならない。しかし、バッテリ18が解放されるとき、直列タンク回路(ZS)のインピーダンスと並列タンク回路(ZP)のインピーダンスとが半分になる場合にのみ、共振電流(IRES)は2倍になる。しかし、先に述べたように、直列タンク回路(ZS)のインピーダンスが半分になるにすぎない。
【0016】電力のこのような損失を知る別の方法は更に少し複雑である。図4に示されたバッテリ充電システム10のトポロジは、ブースト・コンバータの特性の一部を有する。これは、1対1の変成器が用いられる場合でさえ電圧利得を提供することができる。このようなトポロジにおいては、VCSはVLSに比して小さい。従って、直列インダクタ13a(LS)はブースト・インダクタとして働く。ダイオード・ブリッジ17は、ブースト・フライバック・ダイオードとして働く。並列タンク回路(ZP)における充電電圧は、ブースト・スイッチとして働く。ダイオードが逆バイアスされると、Lsの充電電流が直列タンク回路(ZS)と並列タンク回路(ZP)とを流れる。ダイオードが順バイアスされると、直列タンク回路(ZS)はバッテリを介して放電する。直列タンク回路(ZS)の充電電流が大きい場合にのみ、Lsの放電電流が大きくなり得る。このような状態は、直列タンク回路(ZS)と並列タンク回路(ZP)とが小さい場合にのみ生じる。並列タンク回路(ZP)がZsに追従し得ないと、電力が失われる。VLSは2*Vin程度に高くなり得るため、当該トポロジにより2程度の電圧利得が得られるが、これは第4の素子コンデンサ16(C4)の組を用いることにより並列タンク回路(ZP)が小さい状態に保持される場合のみである。
【0017】図5は、段当たりの電力が並列のシステム10において比Zs/(Zs+Zp)によりどのように変化するかを示している。約0.3の比を持つ1つの段を仮定する。電力は、図5に示されるように点Bでピークとなる。VINの周波数が増加すると、第4の素子コンデンサ16(C4)は短絡状態に見える。これにより、並列タンク回路(ZP)の値は直列タンク回路(ZS)の値より早く低下され、図2におけるVRESが低下させられる。VRESがVBATより小さくなると、電力はバッテリ18へ供給されない。この状態は図5の点Cで生じる。この場合、第4の素子コンデンサ16(C4)は電力をゼロへ抑える助けとなる。
【0018】最大電力転送を得るためには、VRESはIRESを増加させるように大きくなければならないが、大きすぎることはあり得ない。電流IRESが大きくなりすぎると、VRESはVBATに近づきすぎ、これにより、バッテリ18に対する電力供給が遮断される。その結果、図5における点Bとして示される唯一つの最適電力点が存在する。
【0019】動作が点Bにおいて行われ、並列に接続される段数が多くなるほど、直列タンク回路(ZS)の値は並列タンク回路(ZP)の値に比較して小さくなる。先に述べたように、このことは電力の損失を招く。このことは、図5において点Bから点Aまでの低下として示される。これを補償し且つ再び点Aから点Bへ移動するためには、並列タンク回路(ZP)の値が低減されねばならない。これは、第4の素子コンデンサ16(C4の値を増すことによって行うことができる。不都合なことに、第4の素子コンデンサ16(C4)は電気自動車19の内部にあって変更できない。
【0020】これに関する1つの方法は、本発明の原理によれば、分散された第4の素子コンデンサ16(C4D)を各バッテリ充電器段20に付加することである。分散された第4の素子コンデンサ16(C4D)は、コンデンサ16a(C4D1)、16b(C4D2)等として示される。分散されたコンデンサ16a、16b(C4D1、C4D2)は第4の素子コンデンサ16(C4)に反映し、これにより、並列タンク回路(ZP)の値を低減させて電力を増加させる。実施に供された本発明の実施の一形態においては、第4の素子コンデンサ16(C4)の容量値は39nFであり、分散された第4の素子コンデンサ16a、16b(C4D)の容量値は5.6nFであった。
【0021】このように、本発明を用いることにより、比較的少量の容量を各バッテリ充電段20へ付加することによって、大量のバッテリ充電電力が効率的に制御される。本発明は実施化され、稼動することがわかった。分散された第4の素子コンデンサ16a、16b(C4D)を付加すると、バッテリ充電システム10に少量の高周波リンギングが生じる。このようなリンギングを減衰するために電気的フィルタ(図示せず)を用いることもできる。
【0022】以上の検討から明らかなように、本発明の主な特質は、高周波では充電電力をゼロへ低減させる分散されない第4の素子コンデンサ16と分散された第4の素子コンデンサ16a、16bとの使用と、低周波では充電電力を増加させる能力と、複数の充電器20を並列にしたときの電力損失を補償する能力とを含む。
【0023】以上のように、電気自動車の充電システムにおける充電電力を制御する改善されたシステムが開示された。上記の実施の形態は、本発明の原理の適用を示す複数の特定の実施の形態の1つを例示するにすぎないことを理解すべきである。明らかに、他の多くの実施の形態が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって容易に着想されよう。
【出願人】 【識別番号】590001407
【氏名又は名称】ゼネラル・モーターズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GENERAL MOTORS CORPORATION
【出願日】 平成12年8月18日(2000.8.18)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開2001−119814(P2001−119814A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願2000−248179(P2000−248179)