| 【発明の名称】 |
車両駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹中 正幸
【氏名】河口 美嘉
|
| 【要約】 |
【課題】インバータを車両駆動装置の上部に一体的に装着することが出来、また車両駆動装置のリヤカバー側をコンパクトに収めることが出来る、車両駆動装置の提供。
【解決手段】カバー10の上部にインバータ37を設け、電気モータ5からのリード線35,39を、出力ギヤ29と電気モータ5の外径差によって生じるデッドスペースSを利用して配置する形で、出力ギヤ近傍に配置すると共に、出力ギヤ部分に対応した位置からリード線をカバー10外に取り出し配置する。 それまで、リード線の取り出しスペースとして使用されていた電気モータの上面部分をインバータの装着スペースとして活用することが出来、インバータを車両のスペース的に比較的余裕のある車両駆動装置の上面に装着することが出来、車両駆動装置をインバータと共にコンパクトに収めることが出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に電気モータ、デイファレンシャル装置及び前記電気モータの駆動力を該デイファレンシャル装置に伝達するためのギヤ列が設けられ、該電気モータを被覆する形でカバーが設けられ、前記電気モータの駆動力により車両の駆動力を得る車両駆動装置において、前記カバーの上部にインバータを設け、前記電気モータからのリード線を、前記キヤ列の一部を構成する電気モータの出力ギヤと該電気モータの外径差によって生じるスペースを利用して配置する形で、前記出力ギヤ近傍に配置すると共に、当該出力ギヤ部分に対応した位置から前記リード線を前記カバー外に取り出し配置し、前記電気モータと前記インバータを、該リード線を介して電気的に接続して構成した、車両駆動装置。 【請求項2】 前記カバーの出力ギヤ近傍に、ターミナルを、前記カバー内外を貫通する形で設け、前記電気モータと前記ターミナル間を、第1のリード線で接続して構成した、請求項1記載の車両駆動装置。 【請求項3】 前記リード線は、電気モータのステータからのリード線である、請求項1記載の車両駆動装置。 【請求項4】 前記インバータを収納するインバータケースを前記カバーと一体に設け、前記カバーの後方部分と前記インバータケースとの間に、溝状のスペースを形成して構成した、請求項1記載の車両駆動装置。 【請求項5】 前記インバータと電気モータの間の前記カバー部分に、インバータ冷却用のヒートシンクを形成して構成した、請求項1記載の車両駆動装置。 【請求項6】 前記電気モータの後部に対応するカバーの後方部分を、前記電気モータのステータの外径に沿う形で、電気モータの出力軸に沿って面取り部を形成して構成した、請求項1記載の車両駆動装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド車両や電気自動車などの、駆動モータにより車両の駆動力を得る車両駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図6は従来の車両駆動装置を示す背面図。 【0003】図7は図4の車両駆動装置の側断面図である。 【0004】従来のハイブリッド車両や電気自動車における、電気モータ及びジェネレータに接続されるインバータは、車両駆動装置であるハイブリッド駆動装置55とは別に設けられており、図6及び図7に示すように、電気モータ50の出力ギヤ51が設けられた側とは反対側のリヤカバー52側から取り出されたモータリード線53を介してケーブル接続されていた。 【0005】こうした構造では、ハイブリッド駆動装置55の上面を含む側面及びリヤカバー52側がモータリード線53の外部取り出しスペースのために大きく膨らんでしまい、当該部分、特にリヤカバー部分が車両のサイドメンバーと干渉しやすくなる不都合が生じる。 【0006】特に、インバータを、車両搭載上、スペース的に比較的余裕のあるハイブリッド駆動装置の上部に一体的に装着しようとした場合、モータリード線の取り出し用ターミナルが邪魔になって装着することが出来ず、何らかの改善が望まれていた。 【発明が解決しようとする課題】インバータを車両駆動装置の上部に一体的に装着することが出来、また車両駆動装置のリヤカバー側をコンパクトに収めることが出来る、車両駆動装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内部に電気モータ(5)、デイファレンシャル装置(9)及び前記電気モータの駆動力を該デイファレンシャル装置(9)に伝達するためのギヤ列(29、22、23、31)が設けられ、該電気モータ(5)を被覆する形でカバー(10)が設けられ、前記電気モータの駆動力により車両の駆動力を得る車両駆動装置(1)において、前記カバー(10)の上部にインバータ(37)を設け、前記電気モータ(5)からのリード線(35,39)を、前記ギヤ列(29、22、23、31)の一部を構成する電気モータ(5)の出力ギヤ(29)と電気モータ(5)の外径差によって生じるスペース(S)を利用して配置する形で、前記出力ギヤ近傍に配置すると共に、当該出力ギヤ部分に対応した位置から前記リード線を前記カバー(10)外に取り出し配置し、前記電気モータとインバータを、該リード線を介して電気的に接続して構成される。 【0007】請求項2の発明は、前記カバー(10)の出力ギヤ(29)近傍に、ターミナル(36)を、前記カバー内外を貫通する形で設け、前記電気モータと前記ターミナル間を、第1のリード線(35)で接続して構成される。 【0008】請求項3の発明は、前記リード線(35、39)は、電気モータ(5)のステータ(26)からのリード線で構成される。 【0009】請求項4の発明は、前記インバータ(37)を収納するインバータケース(41)を前記カバー(10)と一体に設け、前記カバーの後方部分(10c)と前記インバータケースとの間に、溝状のスペース(42)を形成して構成される。 【0010】請求項5の発明は、前記インバータ(37)と電気モータ(5)の間の前記カバー(10)部分に、インバータ冷却用のヒートシンク(10d)を形成して構成される。 【0011】請求項6の発明は、前記電気モータ(5)の後部(図5左方)に対応するカバーの後方部分(10c)を、前記電気モータのステータ(26)の外径に沿う形で、電気モータの出力軸(5a)に沿って面取り部(10e)を形成して構成される。 【0012】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、電気モータ(5)からのリード線(35,39)を、出力ギヤ(29)と電気モータ(5)の外径差によって生じるスペース(S)を利用して配置する形で、出力ギヤ近傍に配置すると共に、出力ギヤ部分に対応した位置からリード線をカバー(10)外に取り出し配置したので、それまで、リード線の取り出しスペースとして使用されていた車両駆動装置の電気モータの上面部分をインバータの装着スペースとして活用することが出来、インバータを車両のスペース的に比較的余裕のある車両駆動装置の上面に装着することが出来、車両駆動装置をインバータと共にコンパクトに収めることが出来る。 【0013】更に、リード線(35、39)が、カバー(10)の後部、リヤカバー(10c)部分から取り出されることがなくなるので、リヤカバー(10c)部分をコンパクトに形成することが出来、車両駆動装置(1)の搭載時における車両のサイドメンバーとの干渉の発生を極力防止することが出来る。 【0014】請求項2の発明によると、比較的大きな部品であるターミナル(36)を、カバー(10)の出力ギヤ(29)近傍に配置することにより、出力ギヤ(29)と電気モータ(5)の外径差によって生じるスペース(S)をより有効に活用することが出来る。 【0015】請求項3の発明によると、電気モータとしてブラシレスDCモータの使用可能となり、車両駆動装置の構造の簡略化が可能となる。 【0016】請求項4の発明によると、溝状のスペース(S)により、カバー(10)の後方部分(図5左方部分)が球状に形成され、車両のサイドメンバーとの干渉が生じにくくする事が出来る。 【0017】請求項5の発明によると、インバータ冷却用のヒートシンク(10d)を、電気モータ(5)のロータ部分に対応した位置に、該ロータの外径に沿う形で形成することが出来、無駄なスペースを生じさせることなくヒートシンク(10d)を形成することが出来る。 【0018】請求項6の発明によると、カバーの後方部分(10c)を、前記電気モータのステータ(26)の外径に沿う形で、電気モータの出力軸(5a)に沿って面取り部(10e)を形成することが出来、カバー(10)の外径を電気モータ(5)に沿う形で形成することが出来、該カバー後方部分の無駄な肉厚がなくなり、車両のサイドメンバーとの干渉を生じにくくする事が出来る。 【0019】なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。 【0020】 【発明の実施の形態】図1は、車両駆動装置の一例を示す概略図、図2は、その展開した側断面図、図3は図2の正面図、図4は図2の車両駆動装置の背面図、図5は図2の車両駆動装置の部分側断面図である。 【0021】車両駆動装置としてのハイブリッド駆動装置1は、内燃エンジン2、第1の電気回転手段を構成するジェネレータ3、ブレーキ装置4、第2の電気回転手段を構成する電気モータ5、プラネタリギヤ6、油圧発生装置7及びディファレンシャル装置9を備えており、内燃エンジン2に接続して配置されるカバー10内に、上記ジェネレータ3、ブレーキ装置4、モータ5、プラネタリギヤ6、油圧発生装置7及びディファレンシヤル装置9が収納されている。そして、エンジン出力軸2aに整列する第1軸A、カウンタ軸11からなる第2軸B、モータ出力軸5aからなる第3軸C、ディファレンシャル装置9の左右に延びる駆動車軸からなる第4軸D及びオイルポンプの騒動部材である駆動軸8からなる第5軸Eが、図3に示すように配置されている。即ち、カウンタ軸からなる第2軸Bを包囲するように、第1軸A、第3軸C、第4軸Dが配置され、そして第1軸Aの下方でかつ第4軸Dの側方に第5軸Eが配置されている。なお、図2は、上記第1〜4軸A、B、C、D、Eを展開した状態を示す。 【0022】第1軸A上には、エンジン出力軸2aにフライホイール14及びダンパ12を介して連結している入力軸13、ジェネレータ3、ブレーキ装置4及びプラネタリギヤ6が配置されており、入力軸13にはオイルポンプ7が接続されている。また、プラネタリギヤ6は、そのサンギヤSがジェネレータ3への伝達軸(ロータ軸)15に連結し、そのピニオンPを支持するキャリヤCRが上記入力軸13に連結し、そのリングギヤRが該入力軸13を被嵌するスリーブからなる走行回転軸16に連結している。ジェネレータ3は、前記伝達軸15に固定されているロータ17及びカバー10に固定されているステータ19を有しており、励磁式発電機等のどのようなものでも適用可能であるが、ロータに永久磁石を用いた磁石式発電機(例えばブラシレスDCモータ/ジェネレータ)が望ましい。また、前記伝達軸15におけるリヤカバー10cからの突出部分にはレゾルバ等の回転位置センサ20が配置されており、ロータの回転位置を正確に検出して、きめ細かい回転数の制御を行い得る。 【0023】前記走行回転軸16にはカウンタドライブギヤ(エンジン出力用)21が固定されており、また前記カウンタ軸11上には大ギヤ22及び小ギヤ23が一体に固着されており、前記カウンタドライブギヤ21が大ギヤ22に噛合している。なお、図1と図2の大ギヤ22と小ギヤ23は位置関係が逆に表示されているが、これは説明の便宜上逆に表示したものである。一方、電気モータ5は、前記出力軸5aに一体に固着されているロータ25及びケース10に固定されているステータ26を有しており、直流モータ及び誘導式交流モータ等のどのようなものでも適用可能であるが、ロータに永久磁石を用いるブラシレスDCモータが好ましい。なお、前記モータ5と反対側における前記出力軸5aのカバー10からの突出部分にはレゾルバ等の回転位置センサ27が配置されており、ロータ25の位置を正確に検出してモータ出力の制御を行い得る。また、該モータの出力軸5aにはカウンタドライブギヤ(モータ出力用)29が一体に固定されており、該ギヤ29も前記カウンタ軸の大ギヤ22に噛合している。 【0024】ディファレンシヤル装置9は、デフケース30に固定されている入力ギヤ31を有しており、該ギヤ31が前記カウンタ軸の小ギヤ23に噛合している。また、デフケースに支持されているセンタギヤ32が左右サイドギヤ33l、33rに噛合しており、前記入力ギヤ31からの入力トルクを左右サイドギヤに分配して伝達し、左右前輪に連動する左右駆動車軸を駆動する。 【0025】また、カバー10は図5に示すように、中央部に筒状のメインカバー10bが設けられている。メインカバー10bの図5右方には、フロントカバー10aが接続されており、メインカバー10bの図5左方にはリアカバー10cが接続され、それらメインカバー10b、フロントカバー10a及びフロントカバー10cによりカバー10が一体的に形成されている。メインカバー10bには、図5に示すように、内部に前述の電気モータ5が格納されている。 【0026】また、電気モータ5(ジェネレータ3も同様)のステータ(コイルを含む)26には、3本のリード線35の一端がそれぞれ接続されており、それらリード線35は、電気モータ5のカウンタドライブギヤ29側の近傍、即ち、カウンタドライブギヤ29の周囲スペースを利用した形で引き出されている。なお、ここで言う、カウンタドライブギヤ29側の近傍とは、カウンタドライブギヤ29、大ギヤ22、小ギヤ23、デイファレンシャル装置の入力ギヤ31からなるギヤ列の、軸方向(図5左右方向)長さの範囲内における径方向の外方部分である。通常、電気モータ5のカウンタドライブギヤ29は、ディファレンシャル装置9に接続されたカウンタ軸11の大ギヤ22よりも小径のギヤで構成されるので、その電気モータ5の、図5右側のカウンタドライブギヤ29の周囲Sは、比較的大きな外径を有する電気モータ5のステータ26とそれよりも小さな外径のカウンタドライブギヤ29により、カウンタドライブギヤ29の周囲にデッドスペースが生じる。そこで、当該デッドスペースとなるカウンタドライブギヤ29の周囲スペースSを利用してリード線35を配置している。 【0027】ところで、カバー10の中央上部の、カウンタドライブギヤ29の周囲スペースSに対応した位置には6個の貫通穴10fがカバー10内外を貫通する形で形成されており、各貫通穴10fには、6本のターミナル36がカバー10を貫通する形で上下方向に設けられている。それらターミナル36の内、図31左側の3本のターミナル36には、電気モータ5からのリード線35の他端が接続されており、図3右側の3本のターミナル36には、ジェネレータ3からのリード線35の他端が接続されている。 【0028】また、メインカバー10bの、電気モータ5に対応した図5上部には、冷却用ヒートシンク10dが形成されており、ヒートシンク10dの上部にはインバータ37が装着されている。インバータ37の各端子37aには6本のターミナル36からのリード線39が接続されており、更に、インバータ37の上部はカバー40により被覆されている。また、インバータ37の、図5左方の、電気モータ5の後部は、リアカバー10cの上部が、ステータ26の外形に沿った形で出力軸5aを中心に放射方向に、出力軸5aに沿って流線型の面取り部10eが形成されており、これにより、インバータ37が装着されている、カバー10と一体に設けられているインバータケース41と、リアカバー10cの外周部10gとの間には、断面が3角溝状のスペース43が形成される。 【0029】ハイブリッド駆動装置1は、以上のような構成を有するので、電気モータ5の回転による駆動力はカウンタドライブギヤ29介してカウンタ軸11の大ギヤ22に伝達されて更にディファレンシャル装置9を介して駆動車軸Dに出力される一方で、エンジンからの出力は、入力軸13から入力軸13と同軸上に配置されたプラネラタリギヤ6によりトルク分配されて、必要に応じてジェネレータ3を回転駆動すると共に、カウンタ軸11の大ギヤ22に伝達されて更にディファレンシャル装置9を介して駆動車軸Dに出力される。 【0030】また、電気モータ5とインバータ37を、カバー10内で接続するリード線35及び該リード線35とインバータ37を接続するターミナル36は、共に電気モータ5のカウンタドライブギヤ29の周囲スペースSを利用して配置されているので、電気モータ5のカウンタドライブギヤ29の前部デッドスペースを利用した形となり、リアカバー10c側にリード線35及びターミナル36のためのスペースを設ける必要が無くなり、リアカバー10cを、電気モータ5のステータ26の外径に沿った形状に形成することが出来る。 【0031】なお、電気モータ5と同様に、ジェネレータ3のリード線35及びターミナル36も、ジェネレータ3の図2右方の、カウンタドライブギヤ21側から取られている。 【0032】また、電気モータ5やジェネレータ3からのリード線35は、必ずしもステータ26、19からのものに限らず、モータの構造に応じてロータ25、17からのリード線の配線などにも適用することが出来る。 【0033】更に、リード線35やターミナル36の配置態様は、出力ギヤであるカウンタドライブギヤ29の近傍に出力ギヤと電気モータの外径差によって生じるデッドスペースを利用して配置される形である限り、任意であり、リード線35用のカバー10内部に溝などの適宜なケーブル支持手段など設けて、配線してもよい。 【0034】また、上述の実施例は車両駆動装置として、電気モータと内燃機関から駆動力を得るハイブリッド車両における、電気モータが設けられた車両駆動装置について説明したが、本発明は、ハイブリッド車両に限らず、電気モータのみで駆動力を得る電気自動車の車両駆動装置にも適用することが出来る。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000100768 【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083138 【弁理士】 【氏名又は名称】相田 伸二 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−119810(P2001−119810A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295566 |
|